JPH0825855A - 磁気カードおよびその製造方法 - Google Patents

磁気カードおよびその製造方法

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JPH0825855A
JPH0825855A JP6186847A JP18684794A JPH0825855A JP H0825855 A JPH0825855 A JP H0825855A JP 6186847 A JP6186847 A JP 6186847A JP 18684794 A JP18684794 A JP 18684794A JP H0825855 A JPH0825855 A JP H0825855A
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JP
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magnetic
pattern
layer
permeability
card
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JP6186847A
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English (en)
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Sadaichi Isshiki
貞一 一色
Masayuki Hatano
真之 波多野
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Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録層に記録された磁気記録情報も、磁
気パターンによる固定情報も何れもその内容を目視およ
び磁気ビュアー等で認識することが困難であり極めて安
全性の高い磁気パターン付き磁気カードを提供する。 【構成】 非磁性基体上に、少なくとも一つの磁気記録
層を形成する工程、その上に90%飽和磁界強度が15
00エルステッド以下の磁性材料より成る磁気パターン
を形成する工程、その上に前記磁気パターンを覆って高
透磁率磁性層を塗布する工程、前記高透磁率磁性層が乾
燥固化する前に所定の強度の磁界を印加し、その後乾燥
固化する工程を少なくとも含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリペイドカード等に用
いて好適な磁気カードに関するものであり、特に偽造・
変造等の不正な使用を困難にすることを目的として、磁
気パターンを設けた磁気カードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年急速に普及したプリペイドカードを
はじめとする各種磁気カードは、その普及にともなって
偽造・変造等の不正使用に対する安全性が強く求められ
るようになってきている。従来の磁気カードは、磁性面
に磁気造影剤をふりかける等の手段により磁化パターン
の目視が可能であり、そのため記録されている情報を解
読することが可能であった。元来、磁気カードなどの磁
気記録媒体は磁気情報を容易に書き換え得ることが利点
であり、情報の解読が出来れば、媒体の偽造は可能であ
った。
【0003】磁気カードの不正な書き換えを防止する方
法の一つとしては、カードの一部にカードを特定するた
めの書換不能な固定情報を、印刷等の手段を用いて付加
し、その固定情報と磁気記録情報とを照合する方法が提
案されている。具体的には、例えば特開昭62−145
585号公報および特公平3−30909号公報に開示
されているように、磁気記録再生機能を有する磁気記録
層の上に、保磁力が10エルステッド以下、または磁気
記録層よりも保磁力の低い軟磁性材料で磁気パターンを
形成し、その上から前記磁気パターンを隠蔽するための
着色層を設けた磁気カードにおいて、前記磁気パターン
に外部磁界を印加しながら読み取る方法が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、この方法は磁気造影剤等を
使用することにより磁気記録情報の解読が可能であると
いう欠点は残り、且つ磁気パターン自体は、残留磁化が
無いため磁気造影剤等によって目視することはできない
ものの、磁気パターンを検出するためのバイアス電流を
強くすると、磁気記録層に消磁パターンが生じ、磁気パ
ターンの読み取り位置が判ってしまうという欠点も有し
ていた。
【0005】また、前記の「磁気記録情報が磁気造影剤
等を使用することにより解読が可能である」という問題
点を改善する方法として、例えば実公昭58−5049
5号公報に開示されているように、磁気記録再生用の磁
性層の上に低保磁力の高透磁率磁性材料からなる保護膜
を設けた磁気カードが提案されている。しかしながら、
この方法による磁気カードは、目視による磁気記録情報
の解読は出来ないものの、カード処理装置を入手するこ
とができれば、磁気情報の解読及び不正な書き換えは可
能であるという問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、後者の方法に
よる磁気カードに、前者の方法による書換不能な固定情
報を付加することが考えられる。図4は、従来技術によ
る磁気カード11の構造を示す断面図である。図におい
て、磁気カード11は、基体12の上に磁気記録層13
及び高透磁率磁性層14が順次積層され、その上にカー
ドを識別するための固定情報としての、軟磁性材料から
なる磁気パターン15が設けられている。更にその上に
は、前記磁気パターン15を隠蔽するための非磁性の着
色隠蔽層16と保護層17とが順次積層されている。と
ころがこの磁気カードは、低保磁力の高透磁率磁性層の
上に、保磁力が数十エルステッド以下の軟磁性材料によ
る磁気パターンが設けられているので、以下に述べる問
題点があった。
【0007】すなわち、前記磁気パターン15を、読み
取りヘッドから所定のバイアス磁界をかけながら読み取
る際には、パターンとパターンの間から、高透磁率磁性
層14の表面の凹凸や磁性粒子の分布の不均一等に起因
するノイズが発生するため、実用上十分なSN比でパタ
ーン情報を読み取るためには、磁気パターン15の厚み
を2〜15μm、好ましくは4μm以上とする必要があ
った。一方着色隠蔽層16の厚みは、磁気記録層13に
記録されている磁気情報の読み取りに影響を与えるので
極力薄い方が好ましく、通常は3μm以下に選ばれる。
従って外観上、磁気パターン15と高透磁率層14との
色調の差は視認できないものの、パターン部分での盛り
上がりは視認出来てしまった。そのため、磁気パターン
と非磁性のダミーパターンとを組み合わせて固定情報を
構成する等の工夫が必要であり、カードの製造工程が複
雑化するという欠点があった。また、仮に磁気パターン
とダミーパターンとの組み合わせで固定情報を構成した
場合も、情報内容を目視により判読することは困難では
あるものの、固定情報が存在する場所は容易に視認する
ことが出来、安全性は不十分であった。
【0008】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
で、磁気記録層に記録された磁気情報およびカードを特
定するための磁気パターンの何れも目視が困難であり、
そのため偽造が極めて困難で安全性が高く、且つ読み取
りの安定性にも優れた磁気カードを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気カード
は、非磁性基体上に、少なくとも1つの磁気記録層と、
高透磁率磁性層とを順次積層してなる磁気カードにおい
て、前記高透磁率磁性層の下の所定の領域には、90%
飽和磁界強度が1500エルステッド以下の磁性材料よ
りなる磁気パターンが設けられており、前記高透磁率磁
性層は、前記磁気パターン上の箇所では磁性材料が単位
面積あたり少量存在し、且つ前記磁気パターン以外の箇
所では磁性材料が単位面積あたり多量に存在しているこ
とを特徴とする。また、本発明の磁気カードの製造方法
は、非磁性基体上に、少なくとも一つの磁気記録層を形
成する工程、その上に90%飽和磁界強度が1500エ
ルステッド以下の磁性材料より成る磁気パターンを形成
する工程、その上に前記磁気パターンを覆って高透磁率
磁性層を塗布する工程、前記高透磁率磁性層が乾燥固化
する前に所定の強度の磁界を印加し、その後乾燥固化す
る工程を少なくとも含むことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明においては、磁気記録層の上に磁気パタ
ーンを形成後、その上から高透磁率磁性層を塗布し、乾
燥固化する前に所定の強さの磁界を印加する。すると、
磁気パターンは磁気誘導のため磁化され、エッジ付近に
磁極が発生するので、高透磁率磁性層中の磁性粒子は、
磁気パターンの中央部分からエッジ周辺付近に引き寄せ
られて移動する。その後乾燥すると、前記高透磁率磁性
層のうち、パターンの中央部分では、パターンのエッジ
周辺部分より単位面積あたりの磁性粒子の数が少なくな
る。そのため、高透磁率磁性層を乾燥した後の、磁気パ
ターンの中央部分の厚さは薄くなり、結果的に磁気パタ
ーン部分とその周辺部分の高さの差はより少なくなり、
外観上磁気パターンの存在が認識し難くなる。更に、磁
気パターンの中央部分の高透磁率磁性層の厚みが薄くな
ることで、スペーシングが減少し、磁気パターンの出力
は高くなり、良好なSN比で磁気パターンを読み取るこ
とができる。なお、磁性粒子の偏在は均一ではなく偏在
状態の定義が困難であるが、平均的に考えると、高透磁
率磁性層における前記磁気パターン上の領域の磁性材料
は、磁気パターンの間の領域の磁性材料よりも単位面積
あたりの量または数が少なくなる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。図1は本発明による磁気カード
の一実施態様を示す断面図である。図1において、磁気
カード1は非磁性基体2の上に、磁気記録層3、高透磁
率磁性層4、保護層6が順次積層されており、前記磁気
記録層3と高透磁率磁性層4の間の所定の領域には磁気
パターン5が設けられている。この磁気パターン5は幅
寸法の違いによりコード化されて、磁気バーコードを形
成している。
【0012】ここで非磁性基体2としては、ポリエステ
ル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチ
ックフィルムや紙、合成紙等を使用することが出来る。
磁気記録層3は、例えばγFe23 、Co被着γFe
23 、Baフェライト、Srフェライト等の公知の磁
気記録用磁性材料を、高分子樹脂バインダ中に分散した
磁性塗料を、グラビアコート法、ナイフコート法、リバ
ースロール法等の公知の方法で、厚みが4〜20μm程
度となるよう均一に塗布・乾燥して形成されている。高
透磁率磁性層4は、例えばパーマロイ、センダスト、ア
モルファス等の鱗片状高透磁率磁性金属粉末、またはM
n−Zn、Ni−Zn等の軟磁性フェライト粉末などの
磁性材料を、高分子樹脂バインダ中に分散した磁性塗料
を、グラビアコート法、ナイフコート法などの公知の方
法で、厚みが4〜20μm程度となるよう塗布して形成
されている。磁気パターン5は、高透磁率磁性層4を塗
布する際に印加する配向磁界強度で十分磁気飽和する軟
磁性材料、例えばパーマロイ、センダスト、アモルファ
ス等の鱗片状高透磁率磁性金属粉末またはMn−Zn、
Ni−Zn等の軟磁性フェライト粉末を高分子樹脂バイ
ンダ中に分散して作製した磁性塗料を、スクリーン印
刷、グラビア印刷等の公知の印刷方法で、厚みが2〜1
5μm程度となるよう形成されている。また、磁気パタ
ーン5に使用される磁性材料としては、γFe23
Fe34 、Co被着γFe23 等、一般に磁気記録
用として使用される材料であっても、前記高透磁率磁性
層4を塗布する際に印加する1500エルステッド程度
以下の配向磁界強度で磁気飽和するものであれば使用す
ることが可能である。しかし、比較的に低い磁界強度で
飽和し、しかも飽和磁束密度が高い鱗片状高透磁率磁性
金属粉末を用いることが好ましい。また、磁気パターン
5に、前記の高透磁率磁性層4に使用する磁性材料と同
じ磁性材料を使用することは、仮に磁気パターン5を含
む高透磁率磁性層4の一部分を削り取ってその材料成分
を分析したとしても、磁気パターン5の主要材料は周り
の高透磁率磁性層4と同一であるため、磁気パターンの
存在を検知することが出来ないので、極めて安全性が高
く一層好ましい。
【0013】保護層6は、高透磁率磁性層4を保護する
ためのものであり、酸化チタン、シリカ、鱗片上のアル
ミ金属粉等の顔料を、高分子樹脂バインダ中に分散して
作製した塗料をグラビア法等で塗布し、厚さ2〜5μm
程度となるよう形成されているが、機能上必要がなけれ
ば設けなくてもよい。
【0014】本発明の磁気カードは以下の方法で製造す
ることができる。先ず基体2に、磁気記録層3を所定の
厚みで塗布し、乾燥する。その際には、必要に応じ磁場
配向を行う。その上に、磁気パターン5を印刷する。そ
の際、磁性塗料が乾燥する前に、カードの長手方向に所
定の強さの配向磁界を加え、磁性塗料中の磁性粒子の磁
化容易軸をカードの長手方向に揃える。この処理を施す
ことにより、薄い厚みでより大きい出力レベルを得るこ
とが出来る。その上から、高透磁率磁性層用塗料を塗布
し、所定の強さの磁界を加えた後、乾燥固化し高透磁率
磁性層4を形成する。その上から保護層6を塗布または
印刷により形成する。
【0015】次に、高透磁率磁性層4を形成する際に、
所定の強さの磁界を印加することの効果について以下に
説明する。図3は、高透磁率磁性層4を塗布する際に、
所定の強さの磁界を印加しない場合の状態を説明するた
めのものである。図3(a)は、磁気パターン5が形成
された磁気記録層3の上に、高透磁率磁性層4が塗布さ
れた直後の様子を示したものである。磁気パターンの上
の箇所8の塗膜の厚みと、磁気パターン以外の箇所7の
塗膜の厚みとでは、ほぼ磁気パターンの厚み分だけの差
がある。しかし、ウェット状態の塗膜の厚みは、多量の
溶剤を含んでおり乾燥後の厚み(約10μm)の5〜1
5倍の50〜150μm程度あるのに対し、磁気パター
ンの厚みは2〜15μm位である。従って、磁気パター
ンの上の箇所8の塗膜の厚みと、磁気パターン以外の箇
所7の塗膜の厚みとの比率はほぼ1に近い。また、塗膜
中では、すべての箇所で磁性粒子が均一に分散された状
態になっている。その後、塗膜を乾燥させると、塗膜中
の溶剤が蒸発し全体が均一に収縮し、どの箇所もほぼ均
等に厚さが減少する。その結果、図3(b)に示すよう
に、乾燥後の磁気パターンの上の箇所8の高さは、磁気
パターン以外の箇所7に対して、ほぼ磁気パターン5の
高さ分だけ高くなる。
【0016】図2は、本発明による磁気カードの製造方
法を詳しく説明するためのものである。図2(a)は、
磁気パターン5が形成された磁気記録層3の上に、高透
磁率磁性層4が塗布された直後の様子を示したものであ
り、未乾燥の塗膜中では、磁気パターンの上の箇所8
も、磁気パターン以外の箇所7も、磁性粒子が均一に分
散された状態になっている。該塗膜を乾燥固化させる前
に、所定の強さの磁界をカードの長手方向に印加する。
図2(b)は磁界が加わっているときの、磁気パターン
5付近の磁束の分布を摸式的に表したものである(図中
の矢印は磁界の方向)。磁気パターン5は、印加された
磁界による磁気誘導のため磁化され、磁気パターンのエ
ッジ部10では、磁気パターンの中央部9よりも磁束密
度が高くなる。そこで、塗膜中の磁性粒子のうち、磁気
パターンの上の箇所8付近にある磁性粒子は、パターン
のエッジ部付近へ引き寄せられる。その結果、図2
(c)に示すように、磁気パターンの上の箇所8の磁性
粒子の数は、磁気パターン以外の箇所7の磁性粒子の数
より少なくなる。その後、塗膜を乾燥させると、塗膜中
の溶剤が蒸発するので全体が収縮し厚さが減少するが、
磁気パターンの上の箇所8は、磁性粒子の数が少ないの
で、磁気パターン以外の箇所7より厚さが減少する(図
2(d))。従って、高透磁率磁性層4が完全に乾燥し
た後の、磁気パターンの上の箇所8の高さと磁気パター
ン以外の箇所7の高さの差は、図4で説明した磁界を印
加しない場合より少なくなる。以上の効果は、塗膜中の
磁性粒子が動き易い方が高く、従って、磁性塗料の粘度
は低い方が好ましい。
【0017】このように、磁気パターンの上の高透磁率
磁性層の厚みが薄くなると、スペーシングが少なくな
り、磁気パターンの出力は、乾燥前に磁界を印加しない
場合と比べて高くなるので、高透磁率磁性層の存在にも
係わらず良好なSN比で読み取ることが出来る。更に、
高透磁率磁性層を塗布した後の磁気パターン部分の段差
が、塗布前の磁気パターンの厚みよりかなり薄くなる
と、その上から保護層を塗布することによって、目視で
磁気パターンの存在を認識することはほとんど不可能に
なる。
【0018】なお前述の効果は、磁気パターンが磁化さ
れる強さに応じて現れる。通常、高透磁率磁性層を塗布
する際には、磁気信号の隠蔽効果を高めるために磁場配
向が行われるが、その配向磁界で磁気パターンが十分磁
化され、磁性粒子を引き寄せることが出来れば、一石二
鳥の効果が得られる。一般に、高透磁率磁性層の磁場配
向は1500エルステッド程度以下の磁界強度で行われ
る。そこで、磁気パターンには、飽和磁化量の90%に
達する外部磁界強度が少なくとも1500エルステッド
以下である軟磁性材料を使用する必要がある。更に上述
のことから、高透磁率磁性層に鱗片状磁性金属粉を使用
することは、より薄い膜圧で、磁気パターンの外観上の
隠蔽効果が高いので特に好ましい。
【0019】なお本発明の磁気カードは、実施例にあげ
た構造にのみ限定されるものではなく、磁気記録層とし
て保磁力が異なる2つ以上の磁性層を積層してあっても
よいことは明らかであり、また必要に応じて印字層、印
刷層等を適宜設けてあってもよい。
【0020】以下に具体的実施例を用いて本発明を更に
説明する。実施例1 厚さ188μmの白色ポリエステルフィルム基体の一方
の面全面に、保磁力が2750エルステッドのBaフェ
ライト磁性粉をバインダー樹脂、分散剤、硬化剤、その
他添加剤と溶剤とを混合・分散して作製した磁気塗料を
グラビア法で塗布・乾燥し、厚みが10μmの磁気記録
層を得た。その上に、保磁力が20エルステッド、90
%飽和磁界強度が150エルステッドで、平均粒径が1
2μmの高透磁率のFe−Si系合金の鱗片状粉末を、
高分子樹脂バインダ中に分散して作製した磁性塗料をス
クリーン印刷し、直ちに800エルステッドの直流磁界
を印加して長手方向に配向をかけ、その後乾燥してバー
幅が0.5mmと1mmとの組み合わせからなる磁気バーコ
ードを形成した。その際スクリーンメッシュが250線
の版を使用し、盛り厚は5μmとした。更にその上に、
磁気バーコードに使用した磁性材と同じ高透磁率のFe
−Si系合金の鱗片状粉末をバインダー樹脂、分散剤、
硬化剤、その他添加剤と溶剤とを混合・分散して作製し
た磁気塗料をグラビア法で塗布し、直ちに800エルス
テッドの直流磁界を印加して水平方向に配向をかけ、そ
の後乾燥した。こうして厚みが12μmの高透磁率磁性
層を得た。
【0021】実施例2 実施例1において、磁気パターン用の磁性塗料の材料と
して、保磁力が20エルステッド、90%飽和磁界強度
が200エルステッドのMn−Znフェライト粉末を用
いた以外は、実施例1と同様にした。
【0022】実施例3 実施例1において、磁気パターン用の磁性塗料の材料と
して、保磁力が300エルステッド、90%飽和磁界強
度が700エルステッドの針状γFe23 粉末を用
い、乾燥前に1200エルステッドの直流磁界を印加し
て水平方向に配向をかけた以外は、実施例1と同様にし
た。
【0023】比較例1 実施例1において、高透磁率磁性層を塗布する際に配向
磁界を印加しない以外は、それぞれ実施例1と同様にし
た。
【0024】比較例2 実施例1において、磁気パターン用の磁性塗料の材料と
して、保磁力が15エルステッド、90%飽和磁界強度
が3000エルステッドで、平均粒径が1.5μの球状
カルボニル鉄粉を用いた以外は、実施例1と同様にし
た。
【0025】実施例1〜3および比較例1、2で作製し
た磁気シートを86×54mmのサイズに打ち抜き磁気カ
ードを得た。実施例および比較例の磁気カードの磁気バ
ーコード部分を、バイアスコイルを有する読み取りヘッ
ドに所定のバイアス電流を流し、ヘッドの前部ギャップ
部から約750エルステッドのバイアス磁界を加えなが
ら読み取った。各カードの磁気バーコードの、読み取り
出力値(VP-P )およびバーコード部分の盛り上がり量
(段差)の一覧を表1に示す。実施例1〜3のカード
は、いずれの場合も高い出力レベルが得られ、バーコー
ド波形は正しく読み取ることができた。またバーコード
部分の段差は2μm以下であり、その上から酸化チタ
ン、シリカ、鱗片状のアルミ金属粉等の顔料を含む保護
層を厚さ3μmで塗布したところ、バーコード部分を目
視で識別することは困難であった。一方、比較例1〜2
では何れの場合も、実施例1〜3の半分以下程度の出力
しか得られず、バーコード波形を安定に読み取ることが
出来なかった。また、バーコード部分の段差はすべて2
μmより大きく、その上から酸化チタン、シリカ、鱗片
状のアルミ金属粉等の顔料を含む保護層を厚さ3μmで
塗布したところ、バーコード部分の段差は目視で識別す
ることが出来た。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の磁気カードは、非磁性基体の上
に、磁気記録層、高透磁率磁性層とが順次積層され、且
つ磁気記録層と高透磁率磁性層との間の所定の領域に
は、該高透磁率磁性層に配向をかける際に印加する磁界
強度よりも低い磁界強度で磁気飽和する磁性体よりなる
磁気パターンが設けられているという新規な構成を有す
るので、磁気記録層に記録された磁気記録情報も、磁気
パターンによる固定情報も何れもその内容を目視および
磁気ビュアー等で認識することが困難であり、極めて安
全性の高い磁気パターン付き磁気カードを提供する。磁
気パターンは高透磁率磁性層の下に設けられているにも
係わらず、磁気パターンの上の部分の高透磁率磁性層の
厚みは、他の部分に比べて薄く、そのためパターン出力
は安定して読み取ることが出来る。また本発明の磁気カ
ードは、該磁気パターンを設けた箇所のカードの表面の
段差が少なく、外観上磁気パターンの存在が認識しにく
いため、磁気パターンと非磁性のダミーパターンとを組
み合わせて磁気バーコードを構成する必要がなく、更に
磁気パターンの上には高透磁率磁性層が設けてあるの
で、別に隠蔽着色層も設ける必要がないなど、製造工程
が複雑化することがないという特長をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気カードの一実施態様を示す断
面図である。
【図2】本発明による磁気カードの製造方法を詳しく説
明するための断面図で、(a)は、磁気パターンが形成
された磁気記録層の上に、高透磁率磁性層が塗布された
直後の様子を示したもの、(b)は磁界が加わっている
ときの、磁気パターン5付近の磁束の分布を摸式的に表
したもの、(c)は磁気パターンの上の箇所の磁性粒子
の単位面積あたりの数は、磁気パターン以外の箇所の磁
性粒子の単位面積あたりの数のより少なくなる様子を示
し、(d)は磁性層が乾燥によりほぼ均一厚さになるこ
とを示す。
【図3】高透磁率磁性層を塗布する際に、所定の強さの
磁界を印加しない場合の状態を説明するための断面図
で、(a)は磁気パターンが形成された磁気記録層の上
に、高透磁率磁性層が塗布された直後の様子を示したも
の、(b)は乾燥後の磁気パターンの上の箇所の高さが
磁気パターン以外の箇所に対して、ほぼ磁気パターンの
高さ分だけ高くなることを示す。
【図4】従来技術による磁気カードの構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
1:磁気カード 2:非磁性基体 3:磁気記録層 4:高透磁率磁性層 5:磁気パターン 6:保護層 7:高透磁率磁性層の磁気パターン以外の箇所 8:高透磁率磁性層の磁気パターンの箇所

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に、少なくとも1つの磁気
    記録層と、高透磁率磁性層とを順次積層してなる磁気カ
    ードにおいて、 前記高透磁率磁性層の下の所定の領域には、90%飽和
    磁界強度が1500エルステッド以下の磁性材料よりな
    る磁気パターンが設けられており、前記高透磁率磁性層
    における前記磁気パターン上の箇所の磁性材料は前記磁
    気パターン以外の箇所の磁性材料よりも単位面積あたり
    の量が少ないことを特徴とする磁気カード。
  2. 【請求項2】 前記磁気パターンは鱗片状の高透磁率磁
    性金属粉末から成ることを特徴とする請求項1に記載の
    磁気カード。
  3. 【請求項3】 前記磁気パターンは軟磁性フェライト粉
    末から成ることを特徴とする請求項1に記載の磁気カー
    ド。
  4. 【請求項4】 前記磁気パターンと前記高透磁率磁性層
    とは、同一の磁性材料で構成されていることを特徴とす
    る請求項1または2または3に記載の磁気カード。
  5. 【請求項5】 非磁性基体上に、少なくとも一つの磁気
    記録層を形成する工程、その上に90%飽和磁界強度が
    1500エルステッド以下の磁性材料より成る磁気パタ
    ーンを形成する工程、その上に前記磁気パターンを覆っ
    て高透磁率磁性層を塗布する工程、前記高透磁率磁性層
    が乾燥固化する前に所定の強度の磁界を印加し、その後
    乾燥固化する工程を少なくとも含むことを特徴とする磁
    気カードの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記磁気パターンが乾燥固化する前に、
    所定の強度で磁場配向をかけることを特徴とする請求項
    5に記載の磁気カードの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997048073A1 (fr) * 1996-06-10 1997-12-18 Kabusiki Kaisha I.C.M. Carte rom magnetique et procede pour inscription de signaux magnetiques sur cette carte
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