JP3688359B2 - 多層磁気記録媒体の記録再生方法 - Google Patents

多層磁気記録媒体の記録再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カード等に応用して好適な複数の磁性層から構成される磁気記録媒体の記録再生方法に関するものであり、特に同一トラック上に書換可能な信号と書換不能な固定信号とを重ねて記録し、それぞれを単独に読み出すことが可能な多層磁気記録媒体の記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年急速に普及したプリペイドカードをはじめとする各種磁気カードは、その普及にともなって偽造・変造などの不正使用に対する安全性が強く求められるようになってきている。
【0003】
不正使用を防止する方策としては、媒体を特定するための書換不能な固定情報を、可変情報を記録する磁気記録トラックとは別の位置に設けて、前記固定情報を磁気記録トラックの中に記録しておき、媒体の処理に当たっては固定情報と可変情報とをそれぞれ別のセンサーで読み取り、照合する方法がある。具体的には、固定情報として例えば磁気バーコードや光学バーコードなどを印刷等の方法で磁気記録トラックとは異なる位置に設ける方法がよく知られている。
【0004】
しかしこれらの方法は、固定情報としてのバーコードを形成するための材料として、磁気記録層を形成するためのものとは異なる種類の磁性インキや、赤外線吸収材などの特殊な材料が必要であり、しかもそれらを磁気記録媒体上に形成するためにはスクリーン印刷やオフセット印刷など、磁気記録層を形成する工程とは別の工程を必要とするという問題点を有していた。更にそれらの固定情報は、磁性層とは異なる材料から構成されているため、目視によりその存在を確認することが可能であり、それらを隠蔽するためには更に印刷層を設ける必要があった。その結果、製造工程が一層複雑化するので大量生産には不向きであり、コスト高を招くという欠点も有していた。
【0005】
これらの欠点を改善する方法として、本発明者等は特願平6−159626号において、保磁力の異なる少なくとも2つの磁性層が積層されている磁気記録媒体において、高保磁力層には磁気記録再生が可能な可変情報トラックが設けられ、低保磁力層には固定的磁気パターンが設けられ、且つ固定的磁気パターンが少なくとも可変信号トラック上に重ねて記録されており、且つ可変情報トラックに記録された可変信号と固定的磁気パターンとが互いに異なるアジマス角を有する磁気記録媒体及びそれらを読み取るための再生装置を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の方法は、可変情報を読み取るための磁気ヘッドと固定的パターンを読み取るための磁気ヘッドとをそれぞれ別個用意し、更にアジマス角度が異なるよう取り付けられている必要があり、装置が複雑になるという欠点を有していた。また、それぞれのトラック間に所定のアジマス角を設けることにより、他のトラックの影響を受けずにそれぞれ独立に信号を読み取るためには、それぞれのトラックに記録する信号の記録密度と読み取りトラック幅との間に所定の関係が必要であり、それらを自由に設定することが出来ないという問題点も有していた。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたもので、同一トラック上に重ねて記録された可変信号と固定信号とを、それぞれ他の信号に影響を与えること無しに独立に記録再生することを可能にし、更に固定信号は磁性層の製造過程で形成され、可変信号トラックとほぼ一体不可分に形成されるので、不正使用防止に極めて高い効果を有する磁気記録媒体の記録再生方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非磁性基体上に、保磁力の異なる少なくとも2つの磁性層が積層されており、保磁力の高い磁性層には可変情報を記録再生するための可変情報トラックが設けられ、保磁力の低い磁性層には書き換え不能な固定的磁気パターンが設けられている磁気記録媒体の記録再生方法において、
前記可変情報は、前記固定的磁気パターンに少なくともその一部が重なるよう磁気記録され、前記可変情報及び前記固定的磁気パターンの読み取りに際しては、独立した2つのコアで構成された読み取りヘッドのそれぞれのコアを互いに異なる極性でバイアス磁化し、各コアからの再生出力の和をとることで可変情報トラックに記録された可変情報のみを読み取り、各コアからの再生出力の差をとることで固定的磁気パターンのみを読み取ることを特徴とする、多層磁気記録媒体の記録再生方法である。
これらの互いに逆極性のバイアス磁化は、固定的磁気パターンを実質的に飽和磁化させるが、可変情報にはほとんど又は全然影響しない大きさに定める。
【0009】
【作用】
保磁力の異なる複数の磁性層からなる磁気記録媒体の、同一のトラック位置において、低保磁力磁性層には書換不能な固定的磁気パターンが形成されているので、高保磁力磁性層に可変信号を書き込む際にも低保磁力層の信号は何ら影響を受けることはない。
高保磁力磁性層に記録された可変信号の読み取りに際して、読み取りヘッドを構成する2つのコアから互いに異なる極性のバイアス磁界を印加すると、保磁力の低い磁性層に形成された固定的磁気パターンからの信号出力はバイアスの極性に従った位相で再生されるため、それらの信号の和をとると互いに打ち消し合って出力は再生されない。一方、保磁力の高い磁性層に記録された可変信号からの出力はバイアス磁界にはほとんど又は全く影響されないのでバイアス磁界の極性の如何に関わらず同じ位相で再生されるため、それらの信号の和をとると互いに足し合わされた出力で読み取ることが出来る。
【0010】
保磁力の低い磁性層に形成された固定的磁気パターンの読み取りに際しては、読み取りヘッドを構成する2つのコアからの出力の差をとると、保磁力の高い磁性層に記録された可変情報は互いに打ち消し合って出力は再生されない。一方、保磁力の低い磁性層に形成された固定的磁気パターンからの逆位相の信号の差を取ると、互いに足し合わされた出力を読み取ることが出来る。このとき読み取りヘッドからは固定的磁気パターンを飽和磁化させるに足るバイアス磁界が発生しているが、可変情報は固定的磁気パターンが形成されている磁性層の保磁力より十分に高い保磁力の磁性層に記録されているので、可変情報が破壊されることはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に使用する磁気記録媒体の一例を示す平面図である。図2は図1のX−X’に沿う部分の断面図、図3はY−Y’に沿う部分の断面破断斜視図である。
図1〜3において、磁気記録媒体1は、基体2の上に第1の磁性層3、第2の磁性層4とが順次積層されて構成されている。基体2にはポリエチレンテレフタレート(PET)、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)、合成紙等のプラスチックフィルムや紙、樹脂含浸紙等が使用される。
【0012】
第1の磁性層3は磁気記録再生を行うためのものであり、γFe23 、Fe34 、Co被着γFe23 、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の公知の磁気記録用磁性材料から成り、公知の方法で4〜20μm程度の厚みに形成されている。
この第1の磁性層3には、磁気記録再生を行うための可変信号トラック5が設けられている。
【0013】
第2の磁性層4は、第1の磁性層3より低い保磁力の磁性粉末を高分子樹脂バインダ中に分散した磁性塗料を、やはり公知の方法で4〜20μm程度となるよう塗布して形成されている。この第2の磁性層4には、例えばγFe23 、Fe34 、Co被着γFe23 、バリウムフェライトなどの磁気記録用磁性材料を使用することができる。ただしこの場合、第1の磁性層3の保磁力は、後述の理由により第2の磁性層4の保磁力の3倍以上であることが必要である。また、例えばパーマロイ、センダスト、アモルファスなどの鱗片状磁性金属粉、鉄粉、及びMn−Zn、Ni−Znなどの軟磁性フェライト粉などの、保磁力が50Oe以下の高透磁率磁性材料を用いることもできる。この場合第1の磁性層3に記録されている信号を磁気的に遮蔽できるという効果もあるのでより好ましい。
【0014】
この第2の磁性層4には、媒体を識別するための固定的磁気パターンが形成された固定信号トラック6が設けられている。この固定信号トラック6は、第1の磁性層3に設けられた可変信号トラック5の上に重ねて設けられている。
この第2の磁性層4中に形成された固定信号トラック6には、単位体積あたりの磁性粒子の含有率が高い部分6aと単位体積あたりの磁性粒子の含有率が低い部分6bとが、所定の長さで交互に形成されている。
【0015】
このような固定信号トラック6は以下の方法で形成することができる。すなわち、先ず基体2に第1の磁性層3を形成し、次に第2の磁性層4を塗布する前に、第1の磁性層3に所定の信号を磁気記録し、その後第2の磁性層4を塗布し所定の強さで、塗布面に対し実質的に一定方向の配向磁界を加える。すると、信号を磁気記録した箇所に接する第2の磁性層4には、記録した信号磁界と配向磁界との影響により磁性粒子の局部的集中が起きる。その後乾燥炉で第2の磁性層4を乾燥固化させると、第2の磁性層4には第1の磁性層3に記録した信号の極性に従って磁性粒子の粗密が形成される。その結果、固定信号トラック6の部分には磁性粒子の粗密による固定的磁気パターンが形成される。その後、第1の磁性層5に記録した信号は永久磁石または磁気ヘッド等により消去する。
【0016】
図4は本発明に使用する磁気記録媒体の別の一例を示す図であり、図1のY−Y’に沿う部分の断面破断斜視図である。図4において基体2、第1の磁性層3、第2の磁性層4は、前述の例と同じ材料で構成されている。第1の磁性層3には、磁気記録再生を行うための可変信号トラック5が設けられており、第2の磁性層4には、媒体を識別するための固定的磁気パターンが形成された固定信号トラック6が設けられている。この固定信号トラック6は、第1の磁性層3に設けられた可変信号トラック5の上に重ねて設けられている。この固定信号トラック6は、磁性粒子の配列方向が媒体処理装置(図示せず)の走行方向に対して水平な部分6cと磁性粒子の配列方向が垂直な部分6dとが、所定の長さで交互に形成されている。
【0017】
このような第2の磁性層4は以下の方法で形成することができる。すなわち、第1の磁性層3を形成した後、その上に第2の磁性層4を塗布し、乾燥固化する前に、第2の磁性層4全体を水平方向の配向磁界中を通過させて第2の磁性層4の中のすべての磁性粒子の配列方向を水平方向とした後、固定信号トラック6に相当する部分に、電磁石、磁気ヘッド、永久磁石等で垂直方向の磁界を所定の間隔で断続的に加えることにより、磁界を加えた部分の磁性粒子のみ配列方向を垂直方向とし、その後第2の磁性層4を乾燥固化する。その結果、固定信号トラック6の部分には磁性粒子の配列方向の違いによる固定的磁気パターンが形成される。
【0018】
図5は本発明に用いるヘッドを、図6は本発明に用いる磁気記録再生装置の構成の一例を示す図である。
磁気ヘッドは、固定信号または可変信号を読み取るトラック全幅を幅方向に2分割したコア7,8を有し、そのヘッドギャップは同一直線上に配置されている。
7のコアにはライトコイル9aとリードコイル9bが、8のコアにはライトコイル10aとリードコイル10bが巻かれている。
9bのコイルは増幅器11に接続され、10bのコイルは増幅器12に接続されている。
増幅器11および12の出力は、13の加算回路および14の減算回路に入力され、増幅器11の出力(a)と増幅器12の出力(b)の和の成分(a+b)と差の成分(a−b)を得ることができる。
コイル9aと10aには、互いに逆方向の直流バイアス電流を流し、コア7と8に互いに逆方向のバイアス磁界を発生させる。
また、コア7と8から互いに逆方向の磁界を発生させる手段としては、コイル9aと10aの巻き方向を互いに逆にすることによって行っても良い。
前記バイアス磁界は可変信号を記録する第1の磁性層3を磁化することができない強さであり、かつ固定信号を形成する第2の磁性層4を磁化させることができる強さであることが必要である。
【0019】
図6の磁気記録再生装置による信号の処理は以下に述べるとおりである。
(第1の磁性層3の可変信号トラック5に記録されている信号を再生する場合)バイアス磁界の大きさは第1の磁性層の磁化には実質的に又は何ら影響しないので、第1の磁性層3の記録再生出力信号の極性は、バイアス磁界の方向に依存しないで、コイル9bと10bからは同一位相の再生信号電流が得られる。
前記再生信号電流をそれぞれ増幅して加算および減算を行うと、図7に示すように加算回路の出力はそれぞれの信号の合計となり、可変信号の再生出力を得ることができる。しかし、減算回路の出力はそれぞれの信号が打ち消し合って出力は出なくなる。
ここで、第2の磁性層4を飽和磁化させるのに十分な磁界に曝されても、第1の磁性層3に磁気記録されている可変信号が何等影響を受けることがないためには、第1の磁性層3の保磁力は第2の磁性層4の保磁力の3倍以上となるよう選ばれている必要がある。
【0020】
(第2の磁性層4に形成されている固定信号トラック6を再生する場合)
バイアス磁界は第2の磁性層4を実質的に飽和磁化させるので、第2の磁性層4に形成された固定信号は、コア7と8によってそれぞれ互いに逆方向のバイアス磁界によって逆方向に磁化されながら再生されるため、コイル9bと10bからは逆位相の再生信号電流が得られる。
前記再生信号電流をそれぞれ増幅して加算および減算を行うと、図8に示すように加算回路の出力は、それぞれの信号が打ち消し合って出なくなる。
一方減算回路の出力は、逆位相の信号との差成分なので、結果それぞれの信号の合計となって固定信号の再生出力を得ることができる。
以上のように第1の磁性層3に記録された信号の再生出力は加算回路13の出力に得られ、第2の磁性層4に形成された信号の再生出力は減算回路14の出力に得られる。
【0021】
したがって、図9に示すように第1の磁性層3に記録された可変信号と、第2の磁性層4に形成された固定信号が同一トラック位置に重なり合うように記録されている場合においても、それぞれの再生出力を分離して読み取ることが可能である。
更に上述のように、固定信号トラック6から再生される信号は、磁性層の製造過程で形成される磁性粒子の含有率の粗密または配列の乱れによる固定的磁気パターンから発生するものなので、媒体処理装置などで後から書き加えたり消去したりすることは全く不可能であり、磁気記録媒体の不正使用防止に極めて高い効果を有する。
【0022】
今までの説明では、第2の磁性層4に設ける固定信号トラック6は、第1の磁性層3に設ける可変信号トラック5の上にのみ重ねて設けるとしたが、可変信号トラック5上を含む媒体面のいかなる箇所に設けてあってもよい。
また、第1の磁性層3および第2の磁性層4は媒体2の全面に設けるとしたが、可変信号トラック5および固定信号トラック6を含む基体表面の一部分にストライプ状に設けてあってもよい。
更に、第2の磁性層4に設けた固定信号トラック6には、媒体を識別するための信号を、固定的磁気パターンとして形成するとしたが、可変信号トラック5に記録された可変信号の解読を困難にするためのランダムな撹乱信号であってもよい。
更に、第2の磁性層の上に着色隠蔽層、印刷層、保護層などを適宜設けてよいし、必要に応じて印字層を設けてもよい。また、保磁力が異なる3層以上の磁性層から構成される磁気記録媒体においては、前記の固定信号トラック6を保磁力が最も高い磁性層以外のいかなる層に設けた場合にも適用することが出来る。
以下に、本発明による磁気記録媒体を、磁気カードとして適用した場合について、より具体的な実施例を用いて更に詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)
厚さ188μmの白色ポリエステルフィルム基体の一方の面全面に、保磁力が2750 Oeのバリウムフェライト磁性粉をバインダー樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤とを混合・分散して作製した磁気塗料をグラビア法で塗布し、乾燥後の厚みが10μmの第1の磁性層を得た。次に前記第1の磁性層の所定の位置に、記録密度が200BPIでFM変調された信号を飽和記録した。更に、信号を記録した第1の磁性層の上から、保磁力が20 Oeの高透磁率のFe−Si系合金の鱗片状粉末をバインダー樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤とを混合・分散して作製した磁気塗料をナイフコート法で塗布し、乾燥前にソレノイドコイル中を通過させることにより600 Oeの直流磁界で配向をかけ、その後乾燥固化した。こうして記録密度が200BPIの固定信号が記録された固定信号トラックを有する、厚みが10μmの第2の磁性層を得た。その後、第1の磁性層に記録した信号を永久磁石で消磁した。
【0024】
(実施例2)
実施例1において、第2の磁性層に保磁力が15 Oeで平均粒径が1.5μmのカルボニル鉄粉を使用し、配向磁界強度を600 Oeとし、乾燥後の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にした。
【0025】
(実施例3)
実施例1において、第2の磁性層に保磁力が300 OeのγFe23 を使用し、配向磁界強度を1200 Oeとし、乾燥後の厚みを8μmとした以外は、実施例1と同様にした。
【0026】
(実施例4)
実施例1において、第2の磁性層に保磁力が650 OeのCo被着γFe 23 を使用し、配向磁界強度を1500 Oeとし、乾燥後の厚みを8μmとした以外は、実施例1と同様にした。
実施例1〜4で作製した磁気シートを86×54mmのサイズに打ち抜き磁気カードを得た。
【0027】
各実施例で得た磁気カードを、トラック幅が前記固定信号トラックの幅より狭く、且つコアが2分割され、それぞれにライトコイルとリードコイルとが巻かれており、ライトコイルに所定の電流を流すと2750 Oeの磁気媒体を飽和書き込みが出来る記録再生用ヘッドを、前記固定信号トラックと位置およびアジマス角が等しくなるように取り付けたカード処理装置で、以下の操作を行った。
先ず記録再生用ヘッドの各ライトコアの同じ極性のライト電流を供給し、記録密度が210BPIでFM変調された、前記固定信号とは異なる信号を第1の磁性層に飽和書き込みした。
次いで、記録再生ヘッドの各ライトコイルに所定の値で極性が逆のバイアス電流を流し、第2の磁性層を飽和磁化できるが第1の磁性層には実質的に影響しない強さのバイアス磁界を発生させながら、各リードコイルからの出力信号の和を読み取った。
同時に、各ライトコイルに所定の値で極性が逆のバイアス電流を流し、第2の磁性層を飽和磁化できるが第1の磁性層には実質的に影響しない強さの強さのバイアス磁界を発生させながら、各リードコイルからの出力信号の差を読み取った。
比較例として、1つのコアで構成され、2750 Oeの磁気媒体を飽和書き込み出来る記録再生用ヘッドを、前記固定信号トラックと位置およびアジマス角が等しくなるように取り付けたカード処理装置で、以下の操作を行った。
先ず、記録密度が210BPIでFM変調された、前記固定信号とは異なる信号を第1の磁性層に飽和書き込みした。続いて、ヘッドのライトコイルに所定のバイアス電流を流し、第2の磁性層を飽和磁化できる強さのバイアス磁界を発生させながら実施例1〜4のカードの信号を読み取った。
結果は、実施例1〜4は何れの場合も、2つのコアからの信号の和をとると第1の磁性層に記録した210BPIの信号を正しく読み取ることができ、2つのコアからの信号の差をとると第2の磁性層に形成された200BPIの固定信号を正しく読み取ることができた。
一方比較例では、何れのカードも記録再生ヘッドからは、第1の磁性層に記録した信号と第2の磁性層に形成された固定信号との両方が同時に読み取られ、それらを単独に読みとることはできなかった。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、保磁力の異なる少なくとも2つの磁性層を積層し、前記磁性層のうち少なくとも1つには可変信号を磁気記録再生するための可変信号トラックが設けられ、且つ前記可変信号トラックが設けられた磁性層以外の磁性層には書換不能な固定的磁気パターンが少なくとも前記可変信号トラック上に重ねて記録されている磁気記録媒体を、独立した2つのコアで構成された読み取りヘッドの各コアから互いに異なる極性のバイアス磁界を印加し、各コアからの出力の和を取ることで可変信号トラックに記録された可変信号のみを読み取り、各コアからの出力の差を取ることで固定的磁気パターンのみを読み取るという新規な構成を有するので、磁気記録媒体の偽造・変造に対して極めて安全性の高い記録再生方法を提供することができる。
すなわち、固定的磁気パターンは積層された磁性層の製造段階で作り込まれるので、磁性層を破壊すること無しには、カード処理装置などでは書換や消去が不可能である。しかし、この固定的磁気パターンは可変信号トラックの上層にほぼ一体不可分に形成されているので、可変信号トラックに影響を与えること無しに固定的磁気パターンのみを削り取ることはほとんど不可能である。
更に読み取りに当たっては、同一トラック上に重ねて記録された可変信号と固定信号とを、それぞれ他の信号にまったく影響を与えること無しに、単独に記録再生することが可能である。
また、可変信号と書換不能の固定信号とは重ねて記録されているので、磁気トラックに磁気造影剤などをふりかけて現像しても、それぞれの信号パターンは互いに干渉し合うため、それらを容易に解読することは出来ない。
更に本発明の磁気記録媒体は、磁性層を形成した後で固定信号を磁気バーコードや光学バーコード等のように印刷等で付与した従来の磁気記録媒体に比べ、特殊な材料や複雑な工程を必要とせず、また磁気バーコードのように目視によって検知され易いようなことはなく、更にバーコードを隠蔽するための印刷層なども不要であり、安価に製造できるという特長をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する磁気記録媒体の一例を示す平面図である。
【図2】図1のX−X’に沿う部分の断面図である。
【図3】図1のY−Y’に沿う部分の断面破断斜視図である。
【図4】本発明に使用する磁気記録媒体の別の一例を示す図であり、図1のY−Y’断面破断斜視図と同様な断面破断斜視図である。
【図5】本発明に用いるヘッドの一例を示す図である。
【図6】本発明に用いる磁気記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図6において、第1の磁性層の可変信号トラックからの再生信号電流を増幅してそれぞれ加算及び減算した加算した場合の波形を示す図である。
【図8】図6において、第2の磁性層の固定信号トラックからの再生信号電流を増幅してそれぞれ加算及び減算した場合の波形を示す図である。
【図9】 図6において、第1の磁性層の可変信号トラック、及び第2の磁性層の固定信号トラックからの再生信号電流を増幅してそれぞれ加算及び減算した場合の波形を示す図である。
【符号の説明】
1:磁気記録媒体
2:基体
3:第1の磁性層
4:第2の磁性層
5:可変信号トラック
6:固定信号トラック
6a:磁性粒子の含有率が高い部分
6b:磁性粒子の含有率が低い部分
6c:磁性粒子の配列方向が走行方向に対して水平な部分
6d:磁性粒子の配列方向が垂直な部分
7、8:コア
9a、10a:ライトコイル
9b、10b:リードコイル
11、12:増幅器
13:加算回路
14:減算回路

Claims (3)

  1. 非磁性基体上に、保磁力の異なる少なくとも2つの磁性層が積層されており、保磁力の高い磁性層には可変情報を記録再生するための可変情報トラックが設けられ、保磁力の低い磁性層には磁性粒子の含有率の違いによる書き換え不能な固定的磁気パターンが設けられている多層磁気記録媒体の記録再生方法において、
    前記可変情報は、前記固定的磁気パターンに少なくともその一部が重なるよう磁気記録され、前記可変情報及び前記固定的磁気パターンの読み取りに際しては、独立した2つのコアで構成された読み取りヘッドのそれぞれのコアを、前記固定的磁気パターンを実質的に飽和磁化させるが前記可変情報にはほとんど又は全然影響しない大きさの互いに異なる極性でバイアス磁化し、各コアからの再生出力の和をとることで可変情報トラックに記録された可変情報のみを読み取り、各コアからの再生出力の差をとることで固定的磁気パターンのみを読み取ることを特徴とする多層磁気記録媒体の記録再生方法。
  2. 前記可変信号トラックが設けられている磁性層の保磁力は、前記固定的磁気パターンが形成されている磁性層の保磁力の3倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層磁気記録媒体の記録再生方法。
  3. 前記固定的磁気パターンが設けられている磁性層は、高透磁率磁性層であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層磁気記録媒体の記録再生方法。
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