JPH07205578A - 磁気記録媒体用転写テープ及びその製造方法及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用転写テープ及びその製造方法及び磁気記録媒体

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JPH07205578A
JPH07205578A JP6023490A JP2349094A JPH07205578A JP H07205578 A JPH07205578 A JP H07205578A JP 6023490 A JP6023490 A JP 6023490A JP 2349094 A JP2349094 A JP 2349094A JP H07205578 A JPH07205578 A JP H07205578A
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layer
magnetic layer
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JP6023490A
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Sadaichi Isshiki
貞一 一色
Masayuki Hatano
真之 波多野
Junichi Hashimoto
潤一 橋本
Tomoaki Kano
智昭 狩野
Etsushi Kanda
悦史 神田
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Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機密性の高い磁気カードを形成するための転
写テープの提供。 【構成】 非磁性基体の上に、少なくとも第1の磁性
層、剥離層、第2の磁性層及び接着剤層を順次積層して
構成されており、前記第2の磁性層の少なくとも一部に
は、第1の磁性層に記録された信号による磁界並びに配
向磁界の影響により形成された書換不能な信号が記録さ
れていることを特徴とする磁気記録媒体用転写テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用転写テー
プ、その製造方法、及びその転写テープにより形成され
た磁気記録媒体に関するものであり、特に金融、流通な
どの代金決裁に用いられるなど高い機密性を求められる
磁気カードなどとそれを形成するための転写テープ及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、銀行カードやクレジットカードな
ど金融・流通などの代金決裁には磁気カードが広く利用
されている。しかし、磁気カードは偽造やデータの改ざ
んといった不正使用の危険にさらされており、特に代金
決裁など高い機密性を必要とする装置には、磁気カード
自体により高い機密性を有するものが要求されている。
磁気カードの機密性を高めるための手段としては、磁気
カードの一部に書き換えが困難な真偽判定用の情報を仕
込んでおくことが提案されている。具体的には、カード
の一部に磁気センサーや光学センサーなどにより識別が
可能なバーコードを印刷により形成する方法や針状磁性
粉の磁化容易軸の配列方向を読み取り方向に対して規制
的に変化させて磁気パターンを設ける方法(特公昭49
−37529)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来方法は、次のように問題点が指摘されている。す
なわち、磁気や赤外線バーコードは通常の磁気記録媒体
を塗布等の方法で形成した後に印刷等の方法で別個に形
成する必要があり、更にバーコード自体の存在が目視し
やすく、それらを隠蔽するためには印刷層を何層も重ね
る必要がある。一方、針状磁性粉の磁化容易軸の配列方
向を読み取り方向に対して規則的に変化させて、磁気パ
ターンを設ける方法は、読み取りにあたって特殊な部品
・装置を必要とし、更に製造するに際しても特殊な配向
装置を必要とし、製造コスト及びカードリーダー等の装
置のコストがアップするという欠点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための磁気記録媒体用転写テープを提供する。この
転写テープは、非磁性基体の上に、少なくとも第1の磁
性層、剥離層、第2の磁性層及び接着剤層を順次積層し
て構成されており、前記第2の磁性層の少なくとも一部
には、第1の磁性層に記録された信号による磁界並びに
配向磁界の影響により形成された書換不能な信号が記録
されていることを特徴とする。ここに、第2の磁性層に
記録された書換不能な信号は、特定の領域における単位
面積あたりの磁気出力を隣接する他の領域と異ならせる
こと、例えば特定の領域における単位体積あたりの磁性
粒子の含有率を隣接する他の領域と異ならせることによ
りにより形成されている。こうして記録された第2の磁
性層の書換不能な信号は、媒体を識別するための情報と
して利用できる。本発明の磁気記録媒体用転写テープ
は、非磁性基体の上に第1の磁性層を塗布し乾燥固化す
る工程、前記第1の磁性層の上に剥離層を塗布し乾燥固
化する工程、前記第1の磁性層に所定の信号を磁気記録
する工程、剥離層の上に第2の磁性層を塗布する工程、
前記第2の磁性層が乾燥固化する前に所定の交流または
直流等の配向磁界(特に直流磁界)を印加する工程、前
記配向磁界を印加された第2の磁性層を乾燥固化する工
程、及び前記第2に磁性層の上に接着剤層を塗布し乾燥
固化する工程を少なくとも含む製造方法により製造でき
る。本発明の磁気記録媒体用転写テープは、非磁性基体
の少なくとも一方の面に、磁気記録層がストライプ状に
形成されている磁気記録媒体に、接着剤層を介して接着
することにより、前記磁気記録層の少なくとも一部を前
記の第2の磁性層により構成するのである。
【0005】
【作用】本発明のように構成された磁気記録媒体用転写
テープでは、第2の磁性層を流動状態で塗布する際に、
第1の磁性層に記録された磁気記録情報から発生する信
号の磁界と配向磁界の作用を同時に受けて第2の磁性層
の磁性粒子の含有率の変動、ひいては単位面積あたりの
出力が異なる書き換え不能の信号を生じる。こうして第
2の磁性層に記録された情報は、所定の磁気記録層を有
する媒体に転写されると、媒体を識別するための情報と
して利用できる。
【0006】添付図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の磁気記録媒体用転写テープ1の断面
図であり、非磁性材料からなる基体2、第1の磁性層
3、剥離層4、保護層5、第2の磁性層6及び接着剤層
7を順次積層して構成されている。基体2は、ポリエス
テルフィルムなど、通常磁気テープ等に使われる材料が
使用される。第1の磁性層3は、通常の磁気カードや磁
気テープなどの磁気情報記録用被膜と同じであってよ
く、例えばγFe23 、コバルト被着γFe23
バリウムフェライトなどの磁性粉をバインダー中に分散
して作製した磁性塗料を、通常の磁気記録媒体を製造す
る公知の方法で均一に塗布されている。剥離層4は転写
する際に、この上に形成された層が容易に剥離できるも
のであれば良く、1〜3μm厚のポリエステル樹脂等が
使用される。保護層5は第2の磁性層6を保護するため
のものであり、磁性層を隠蔽するため着色されていて
も、金属蒸着層があってもよい。また特性上必要がなけ
れば設けなくてもよい。第2の磁性層6は、公知の磁気
記録媒体用磁性粉をバインダー中に分散して作製した第
2の磁性塗料を、やはり公知の方法で塗布・乾燥して形
成することができ、所定の領域では媒体を識別するため
の情報が、単位面積あたりの磁気出力が高い部分61と
単位面積あたりの磁気出力が低い部分62とが、所定の
寸法で交互に現れることにより形成されている。接着剤
層7は硬質塩化ビニル樹脂(PVC)等の磁気カード基
体との接着性のよいものであれば特に制限はなく、例え
ば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂等が使用される。
【0007】図2は本発明の転写用テープを用いた磁気
カードなどの磁気記録媒体10を製造する工程を示した
ものである。転写テープ1は適当な幅に切断されてスト
ライプ状とし、図2の(a)に示すように接着剤層7を
介してPVC等からなるカード基体11に密着し、加熱
加圧後転写テープ基体2及び第1の磁性層3を剥離す
る。更に図2の(b)に示すように、加熱加圧し第2の
磁性層6等をカード基体11に埋め込み相互に面一とし
てある。
【0008】図3、図4及び図5は、本発明の磁気記録
媒体の異なった3種の構成例をそれぞれ示す平面図であ
る。各図において参照番号12は、本発明の転写テープ
による書き換え不能な信号により媒体固有の信号が記録
された識別情報記録部、参照番号13は、通常の磁性層
より構成された磁気記録再生可能な取引情報記録部であ
る。
【0009】図6は本発明の磁気記録媒体用転写テープ
を製造する過程を模式的に示したものである。図6の
(a)は、第2の磁性層が塗布される直前の状態を示し
たものであり、第1の磁性層3には媒体を特定するため
の番号などの識別情報をあらわすパターンが、参照番号
31、32に示したように、所定の長さで記録されてい
る。このパターンは、例えば媒体の読み取り方向に対し
て所定の領域での残留磁化の極性が交互に反転するよ
う、通常の磁気ヘッドと媒体搬送手段を用いて磁気記録
することにより形成されている。識別情報はRZ、PW
M、FM、PM、MFMなど公知の方式で符号化されて
いる。なお、第1の磁性層3に磁気記録する方法として
は、第1の磁性層3を交流消磁して残留磁化をゼロとし
ておき、所定の領域のみを同一の極性に磁化してもよ
い。
【0010】このように磁気記録された第1の磁性層3
の上に、第2の磁性塗料を公知の方法で均一に塗布し、
第2の磁性塗料が乾燥固化する前に所定の方向及び強さ
の磁界中を通すことにより配向をかける。図6の(b)
は配向磁界がかかっているときの、第2の磁性層6に加
わる磁界の強さを模式的に表したものである。参照番号
61で示した箇所では、第1の磁性層3から発生する信
号磁界の向きと配向磁界の向き(図6の(b)で右向き
の矢印で表示)が一致するので第2の磁性層に加わる磁
界の強さはより強くなっており、参照番号62で示した
箇所では、第1の磁性層3から発生する信号磁界の向き
と配向磁界の向きとが打ち消しあって第2の磁性層に加
わる磁界の強さが弱くなっている。つまり第2の磁性層
6には、第1の磁性層3に記録された信号のパターンに
従って、強い磁界が加わる箇所61と弱い磁界が加わる
箇所62とが交互に現れる。一般に流動状態にある磁性
粒子は、磁界の強い箇所に集中するので、第2の磁性塗
料中の磁性粒子は、図6の(c)に示すようにより強い
磁界が加わった箇所61に集中する。第2の磁性塗料を
塗布し配向をかけた後、公知の方法により第2の磁性層
6は乾燥固化される。この結果、第2の磁性層6には磁
性粒子が集中して磁性粒子の含有率が高く、よって単位
面積あたりの磁気出力が高い箇所61と、磁性粒子の含
有率が低くよって単位面積あたりの磁気出力が低い箇所
62とが交互に形成される。このようにして、第1の磁
性層3に記録された媒体固有の識別信号が、第2の磁性
層6中に、単位体積中の磁性粒子の含有率の違いにより
符号化されたパターンとして複製される。
【0011】なお、前述した第2の磁性層中の磁性粒子
が集中する効果は、第2の磁性塗料のバインダーの粘性
が低く磁性粒子の流動性が高いほど大きい。
【0012】また配向磁界としては、適当な強さの直流
磁界を印加するのが好ましいが、交流磁界であってもよ
い。その場合は図7に示すように、磁性粒子は第1の磁
性層3に記録された信号の磁化が反転する箇所に集中す
る。一方印加する配向磁界の強さは、第2の磁性塗料の
流体での保磁力の2.5倍より大きく、且つ第1の磁性
層3に記録した信号が消去されないように第1の磁性層
3の保磁力より小さい値が選ばれる。一般に磁性塗料の
流体での保磁力は200エルステッド程度なので、第1
の磁性層に使用される磁性粉の保磁力としては600エ
ルステッド以上が必要であり、また磁気ヘッドの性能を
考慮すると4000エルステッド以下であることが好ま
しい。
【0013】前述のように識別信号パターンは、主に第
1の磁性層3に記録された信号から発生する磁界によっ
て形成されるので、第2の磁性層6には第1の磁性層3
自体に記録できる情報記録密度と同等の情報密度で識別
信号を形成することができる。例えば「磁気透かし」な
どの従来技術によって付与された媒体固有の識別コード
は、1ビットを表すのに約0.4mmの長さが必要であ
ったのに対し、本発明の転写テープにより作成される磁
気記録媒体は、単位面積あたりの磁気出力が異なる領域
の、信号読み取り方向における長さは0.06mm以下
とすることができる。一方、第1の磁性層3に記録され
た信号の磁化反転間隔が広くなると、第2の磁性層6に
及ぼす磁界強度が弱くなるので、単位面積あたりの磁気
出力が異なる領域の信号読み取り方向における長さは1
mm以内であることが好ましい。
【0014】第2の磁性層6に使用される磁性粉として
は、第1の磁性層3に記録された信号から発生する磁界
によって磁化されるものであればよく、γFe23
Fe34 、コバルト被着γFe23 、バリウムフェ
ライト、ストロンチウムフェライトなど、通常磁気記録
媒体の信号記録用として用いられる材料であればよい。
またパーマロイ、センダスト、アモルファスなどの鱗片
状高透磁率磁性金属粉や鉄粉などの軟磁性金属粉、及び
Mn−Zn、Ni−Znなどの軟磁性フェライト粉も使
用することができる。先に述べたように磁性塗料の流体
での保磁力は、乾燥固化した後の保磁力に比べてかなり
低いので、第2の磁性層6の乾燥固化後の保磁力が、第
1の磁性層3の乾燥固化後の保磁力よりも必ずしも低い
必要はない。しかしながら、第2の磁性層を磁化して読
み取る際には、第2の磁性層が容易に磁化しなければ充
分な読取りないし識別出力を得ることができないので、
第2の磁性層の磁性粒子の保磁力は4000Oe以下で
あることが好ましい。
【0015】以下に本発明による磁気記録媒体の読み取
り方法を説明する。図8は、本発明による磁気記録媒体
の読み取りの原理を示す図であり、読み取りヘッド81
にはバイアスコイル82と読み取り用のコイル83とが
設けられている。識別情報の読み取りに当たっては、読
み取り磁気ヘッド81のバイアスコイル82に一定のバ
イアス電流Ibを印加し、前部ギャップ部84からバイ
アス磁界を発生させながら前記磁気記録媒体の識別情報
記録部分を走査する。磁気ヘッド81の前部ギャップ部
84が識別情報記録部分を通過するとき、単位体積中の
磁性粉の含有率が高い部分61と低い部分62との境界
部分で磁気抵抗が変化するので、読み取りコイル83と
鎖交する磁束が変化し、読み取りコイル83の両端には
磁束の変化量に比例した出力波形85が発生する。こう
して第2の磁性層6の所定の箇所に形成された識別情報
を読み取ることができる。
【0016】また、第2の磁性層に読取り可能な残留磁
化が生ずる磁性材料を使用した場合には、以下の方法で
も識別信号の読み取りが可能である。すなわち、第2の
磁性層6の識別情報記録部分を保磁力の3倍以上の直流
磁界を印加し一定の向きに飽和磁化する。消磁磁界を取
り去った後の第2の磁性層6の識別情報記録部分の残留
磁化は、単位体積中の磁性粒子の含有率が高い部分が、
単位体積中の磁性粒子の含有率が低い部分に比べ強くな
る。つまり、第2の磁性層6に形成された磁性粒子の含
有率が高い部分と低い部分にあわせて、残留磁化が強い
部分と弱い部分とが交互に現れる。この残留磁化の強い
部分と弱い部分とを、通常の読み取り用磁気ヘッドによ
り走査すると、媒体上の残留磁化の強さが変化する境界
部分で、磁化の変化量に比例した出力電圧が読み取りコ
イルの両端から発生する。こうして第2の磁性層6の所
定の箇所に形成された、識別情報を読み取ることができ
る。なお、第2の磁性層の保磁力が高すぎると前記識別
情報部分を一定の向きに飽和磁化することが出来なくな
り、従って磁性層に形成された磁性粒子の含有率が高い
部分と低い部分との境界部での磁化の変化量が少なくな
り、十分な読み取り出力が得られなくなる。そのため、
第2の磁性層の保磁力は4000エルステッド以下であ
ることが望ましい。
【0017】このようにして読み取られる識別信号は、
媒体の製造過程において形成された磁性体の局在により
発生するものなので、磁気ヘッド等により消去したり書
き換えたりすることはまったく不可能である。
【0018】本発明の磁気記録媒体用転写テープの製造
過程において、先に述べた乾燥固化前の第2の磁性塗料
中の磁性粒子が配向磁界によって集中する効果は、第1
の磁性層に記録した信号磁界の強さに、従って第1の磁
性層の残留磁束に依存する。第1の磁性層3と第2の磁
性層6との間には2〜6μm程度の剥離層及び保護層が
設けてあるので、第1の磁性層3に記録した信号から発
生する磁界による影響で、第2の磁性層6の磁性粒子を
効果的に集中させるには、第1の磁性層の残留磁束は大
きいほど好ましい。図9は保磁力が2750エルステッ
ドのバリウムフェライトを第1の磁性層とし、また第2
の磁性層として保磁力が300エルステッドのγFe2
3 粉で作製した磁性塗料を厚さ11μmに塗布したと
きの、第1の磁性層の残留磁束と第2の磁性層に形成さ
れた識別信号の出力レベルの関係を示す図である。縦軸
の出力レベルは任意目盛りとしてある。図から第1の磁
性層の残留磁束は、特に0.7maxwell /cm以上で第2
の磁性層に形成された識別信号の出力が高くなることが
わかる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例を用いて更に
説明する。 実施例1 厚さ25μmのポリエステルフィルム基体に、保磁力が
2750エルステッドのバリウムフェライト磁性粉をバ
インダー樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤と
を混合・分散して作製した磁気塗料をグラビア法で塗布
し、乾燥後の厚みが13μmの第1の磁性層を形成し
た。第1の磁性層に、通常の磁気媒体を記録することが
できる磁気記録装置で、所定の位置に記録密度が25F
CI及び420FCIの連続信号及び105BPIのF
M変調信号を所定の強さで記録した。第1の磁性層の上
に、ポリエステル樹脂を主成分とする剥離層用塗料をグ
ラビア法で塗布し、厚さ1μmの剥離層を形成した。剥
離層の上に、アクリル樹脂を主成分とした保護層用塗料
をグラビア法で塗布し、厚さ2μmの保護層を形成し
た。保護層の上に、保磁力が300エルステッドのγF
23 をバインダー樹脂、分散剤、硬化剤、その他添
加剤と溶剤とを混合・分散して作製した磁気塗料をグラ
ビア法で塗布し、乾燥前に800エルステッドの直流磁
界で配向をかけ、乾燥後の厚みが11μmの第2の磁性
層を形成した。第2の磁性層の上に、ポリウレタン樹脂
を主成分とする感熱接着剤層用塗料をグラビア法で塗布
し、厚さ3μmの接着剤層を形成した。
【0020】実施例2 実施例1において、第2の磁性層を保磁力が300エル
ステッドのγFe23 に代えて、保磁力が650エル
ステッドのCo被着γFe23 を使用し配向磁界強度
を1200エルステッドとした以外は、実施例1と同様
にして転写テープを作製した。
【0021】実施例3 実施例1において、第2の磁性層を保磁力が300エル
ステッドのγFe23 に代えて、保磁力が1750エ
ルステッドのバリウムフェライトを使用し配向磁界強度
を1500エルステッドとした以外は、実施例1と同様
にして転写テープを作製した。
【0022】実施例4 実施例1において、第2の磁性層を保磁力が300エル
ステッドのγFe23 に代えて、保磁力が2750エ
ルステッドのバリウムフェライトを使用し配向磁界強度
を1500エルステッドとした以外は、実施例1と同様
にして転写テープを作製した。
【0023】実施例5 実施例1において、第2の磁性層を保磁力が300エル
ステッドのγFe2 3 に代えて、保磁力が20エルス
テッド以下の高透磁率のFe−Si系合金の鱗片状粉末
を使用し配向磁界強度を500エルステッドとした以外
は、実施例1と同様にして転写テープを作製した。
【0024】実施例1〜5で作製した磁気フィルムを幅
6.5mmのストライプ状に切断し、厚さ0.76mm
の硬質塩化ビニルシートに加熱、接着し、ポリエステル
基体及び第1の磁性層を剥して、86×54mmのサイ
ズに打ち抜き磁気カードを得た。各実施例で得た磁気カ
ードは以下の方法で読み取った。保磁力が2750エル
ステッドの磁気媒体を飽和書き込みできる磁気ヘッドを
装着したリーダー・ライターで、各カードの磁気ストラ
イプを直流消去し、次に同じリーダー・ライターに装着
された読み取りヘッドで磁気ストライプから発生する再
生出力を読み取った。なお実施例5については、同じリ
ーダー・ライターに装着されたバイアスコイルを有する
読み取りヘッドにバイアス電流を流し、ヘッドの前部ギ
ャップから約800エルステッドの、バイアス磁界を印
加しながら磁気ストライプから発生する再生出力を読み
取った。各カードの再生出力の一覧を表1に示す。なお
出力は実施例1において、第1の磁性層に信号を記録し
ない以外は実施例1と同様にして作製した磁気ストライ
プに、210FCIの信号を飽和書き込みした後に、読
み取った出力を100%とした相対出力で示した。
【0025】実施例1〜5は何れの場合も、通常の磁気
ストライプの出力に対して20%以上の出力が得られ、
SN比もよく問題なく信号を読み取ることができた。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によると次の効果が得られる。 媒体を特定するための識別情報を、媒体の製造段階
で造り込むので、媒体を破壊すること無しに識別情報を
後からつけ加えたり、変更することは不可能であり、極
めて機密性が高い磁気媒体を提供することができる。 識別情報の存在を外からは確認することができない
ばかりか、サンドペーパーによって媒体表面を削り取っ
ても視認することは困難である。 シルクスクリーン印刷など複雑な工程を必要としな
いし、また、磁気透かし法のように特殊な設備も必要と
しないし、低コストである。 従来技術に比較して高記録密度が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成例による磁気記録媒体用
転写テープの断面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体用転写テープを磁気記録
媒体の基体に転写する工程を示す図で、(a)は第1段
階を、(b)は最終段階を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体用転写テープを転写した
磁気記録媒体の第1の具体例を示す平面図である。
【図4】本発明の磁気記録媒体用転写テープを転写した
磁気記録媒体の第2の具体例を示す平面図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体用転写テープを転写した
磁気記録媒体の第3の具体例を示す平面図である。
【図6】本発明の磁気記録媒体用転写テープの製造工程
を示し、(a)は第1の磁性層の磁化状態を示し、
(b)は第2の磁性層の塗布を直流配向磁界下に行う際
に生じる磁性粒子の濃度の偏在を示し、(c)は第2の
磁性層の乾燥後の磁化状態を示す。
【図7】本発明の磁気記録媒体用転写テープの製造にお
いて、第2の磁性層の塗布を交流配向磁界下に行う際に
生じる磁性粒子の濃度の偏在を示す。
【図8】本発明の磁気記録媒体用転写テープを転写した
磁気記録媒体の読み取り方法を示す図である。
【図9】第1の磁性層の残留磁束と第2の磁性層の識別
信号の出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転写テープ 2 非磁性基体 3 第1の磁性層 4 剥離層 5 保護層 6 第2の磁性層 7 接着層 10 磁気記録媒体 61、62 第2の磁性層の領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/845 Z 7303−5D (72)発明者 狩野 智昭 東京都台東区台東1丁目5番1号東京磁気 印刷株式会社内 (72)発明者 神田 悦史 東京都台東区台東1丁目5番1号東京磁気 印刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体の上に、少なくとも第1の磁
    性層、剥離層、第2の磁性層及び接着剤層を順次積層し
    て構成されており、前記第2の磁性層の少なくとも一部
    には、第1の磁性層に記録された信号による磁界並びに
    配向磁界の影響により形成された書換不能な信号が記録
    されていることを特徴とする磁気記録媒体用転写テー
    プ。
  2. 【請求項2】 前記第2の磁性層に記録された書換不能
    な信号は、特定の領域における単位面積あたりの磁気出
    力が隣接する他の領域と異なることにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用転写
    テープ。
  3. 【請求項3】 前記第2の磁性層に記録された書換不能
    な信号は、特定の領域における単位体積あたりの磁性粒
    子の含有率が隣接する他の領域と異なることにより形成
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の磁
    気記録媒体用転写テープ。
  4. 【請求項4】 前記第2の磁性層に記録された書換不能
    な信号は、媒体を識別するための情報であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の磁気記録媒体用転写
    テープ。
  5. 【請求項5】 非磁性基体の上に第1の磁性層を塗布し
    乾燥固化する工程、前記第1の磁性層の上に剥離層を塗
    布し乾燥固化する工程、前記第1の磁性層に所定の信号
    を磁気記録する工程、剥離層の上に第2の磁性層を塗布
    する工程、前記第2の磁性層が乾燥固化する前に所定の
    配向磁界を印加する工程、前記配向磁界を印加された第
    2の磁性層を乾燥固化する工程、前記第2の磁性層の上
    に接着剤層を塗布し乾燥固化する工程を少なくとも含む
    磁気記録媒体用転写テープの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の磁性層が乾燥固化する前に印
    加する配向磁界は、所定の強さの直流磁界であることを
    特徴とする請求項5記載の磁気カード用転写テープの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 非磁性基体の少なくとも一方の面に、磁
    気記録層がストライプ状に形成されている磁気記録媒体
    において、前記磁気記録層の少なくとも一部は請求項1
    ないし4のいずれかに記載の転写テープによって形成さ
    れていることを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997048073A1 (fr) * 1996-06-10 1997-12-18 Kabusiki Kaisha I.C.M. Carte rom magnetique et procede pour inscription de signaux magnetiques sur cette carte

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WO1997048073A1 (fr) * 1996-06-10 1997-12-18 Kabusiki Kaisha I.C.M. Carte rom magnetique et procede pour inscription de signaux magnetiques sur cette carte

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