JPH08161733A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08161733A
JPH08161733A JP6319488A JP31948894A JPH08161733A JP H08161733 A JPH08161733 A JP H08161733A JP 6319488 A JP6319488 A JP 6319488A JP 31948894 A JP31948894 A JP 31948894A JP H08161733 A JPH08161733 A JP H08161733A
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JP
Japan
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magnetic
recorded
magnetic layer
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signal
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JP6319488A
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English (en)
Inventor
Sadaichi Isshiki
貞一 一色
Ginya Ishiguro
銀矢 石黒
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
Application filed by Tokyo Magnetic Printing Co Ltd, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 媒体に磁気記録されている残額情報または残
度数情報に正確に対応し、且つ金額または度数の再書き
込みが不可能にすること。 【構成】 非磁性基体上に、保磁力の異なる少なくとも
二つの磁性層を積層してなり、前記磁性層のうち少なく
とも一つの磁性層には度数等の価値情報が磁気記録さ
れ、他の磁性層には前記磁性層に記録された信号による
磁界並びに配向磁界の影響により形成された書換不能な
固定信号が記録されており、前記固定情報が記録された
領域を前記磁気記録された磁性層の記録内容を更新する
印加磁界に対して非可逆的に変化する非可逆情報トラッ
クとしたことにより、価値情報を正確に読み取れると共
に、一旦変化した情報は再書き込みができなくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリペイドカード等のよ
うに金券として使用されるため、複製や磁気データの改
ざんによる再使用等に対して高い安全性を要求される磁
気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、媒体上に記録された磁
気データの消去や書き換えが容易であるという特長があ
り、そのことが昨今情報記録媒体として広く普及した理
由の一つになっている。しかし、その磁気記録媒体がプ
リペイドカードなどのように金券として使用される場合
には、媒体に記録されている金額情報や度数情報を書き
換えて再使用する等の不正な使用に対する安全性が強く
求められる。磁気データの不正な書き換えを防止する方
策としては、媒体に記録されている金額情報や度数情報
が媒体の使用状況に応じて変化するのに対応して、例え
ば所定の位置にパンチ孔を開孔していくなどの方法によ
り、媒体の一部を物理的に破壊することで非可逆的に変
化させ、その変化を光学的または磁気的に検出し、媒体
上に磁気記録されている情報との照合を行う方法が知ら
れている。しかし前述の方法では、パンチにより開孔さ
れた部分を光学遮蔽物で覆い、同時に媒体に磁気記録さ
れている金額情報または度数情報を使用前の状態に記録
し直す等の方法で不正な使用を行うことが可能であっ
た。この欠点を改善する方法として、本発明者等は特願
平6−71273号により、パンチ孔を開孔する領域の
磁性層に、書き換え不能な固定信号が記録されている磁
気カードを提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、媒体の
一部にパンチ孔を開孔していく本来の目的は、使用者に
残額(または使用金額)や残度数(または使用度数)を
サービスとして概略的に認知させるためのものであり、
元々正確な価値情報を示すものではなく、実際にはパン
チ孔の穿孔精度、リーダーの読み取り精度等を考慮する
と、パンチ孔は1枚の媒体につき10個程度しか設ける
ことができなかった。従って、あるパンチ孔の個数や位
置で表される一つの価値情報に対して、実際に使用可能
な金額や度数はある幅を持つことになり、その幅の範囲
内で媒体上に磁気記録されているデータを書き換えると
いった不正行為に対しては、前述の方法は必ずしも有効
とは言えず、先に提案した特願平6−71273号にお
いてもこの事情は変わらなかった。しかしその後の研究
の結果、媒体に磁気記録されている残額情報または残度
数情報に正確に対応し、且つ非可逆的に変化する情報を
媒体の製造過程で記録することができるという知見を得
た。より具体的にいうと、利用額または利用度数の清算
を金額または度数の記録部分の磁界印加による消去によ
り行う場合に、元の金額または度数の再書き込みが不可
能になることを見いだした。本発明は上記従来技術の問
題点を解決する磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題は、
非磁性基体上に、保磁力の異なる少なくとも二つの磁性
層を積層してなり、少なくとも一つの磁性層には信号が
磁気記録され、他の磁性層には前記磁性層に記録された
信号による磁界並びに配向磁界の影響により形成された
書換不能な固定信号が記録された磁気記録媒体(磁気カ
ード等)を使用し、前記磁気記録された磁性層の記録内
容が印加磁界に対して非可逆的に変化する非可逆情報ト
ラックとして使用することにより解決される。すなわ
ち、本発明においては磁気記録された磁性層の記録内容
を度数または金額その他の価値情報としておき、磁気記
録媒体の使用度数とに対応して印加磁界により磁気記録
の内容を非可逆的に変化させる。このようにして、本発
明では残額等の価値情報を正確に表すことが可能とな
り、しかも非可逆記録のために記録内容を復元すること
はできない。
【0005】本発明の他の態様では、前記磁性層の少な
くとも一つには可変信号を磁気記録再生するための可変
情報トラックが設けられ、前記可変情報トラックに記録
された内容に従って前記非可逆情報トラックの記録内容
が順次非可逆的に変化していくようにする。
【0006】なお、上記の前記書換不能な固定信号は、
特定の領域における単位面積あたりの磁気出力が隣接す
る他の領域と異なることにより形成され、例えば特定の
領域における単位体積あたりの磁性粒子の含有率が隣接
する他の領域と異なることによりこうした領域を形成す
る。また、前記書換不能な固定信号が形成されている磁
性層の保磁力は、好ましくは他の磁性層の保磁力より低
く、実質的に磁気記録再生が不可能な低保磁力磁性材料
より成り、例えば鱗片状の高透磁率磁性金属粉末より成
る。上記の記録媒体の構造自体はすでに本発明者らによ
り特願平6−11319号において提案されているが、
度数や残存度数等の価値情報を非可逆的に記録するため
の媒体ではなく固定情報を利用して磁気記録媒体の真正
性を識別するためのものであった。
【0007】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説
明する。図1は本発明の磁気記録媒体を磁気カードに応
用した一実施例を示す平面図であり、磁気カード1の一
方の面の所定の位置には、金額または度数に対応する価
値情報が記録され、しかもその記録内容が非可逆的に変
化する非可逆情報トラック5が設けられている。非可逆
情報トラック5には所定のピッチT毎に単位価値情報6
が連続的に記録されている。図2は前記非可逆情報トラ
ック5の構造を示すものであり、図1のX−X′に沿う
部分断面図である。磁気カード1は非磁性の基体2に磁
気記録再生が可能な第1の磁性層3、書換不能な固定信
号が記録されている第2の磁性層4が順次積層されてい
る。第1の磁性層3には矢印の向きで示したように異な
る極性(3aおよび3b)で所定の寸法で交互に磁化さ
れた信号が記録されている。第2の磁性層4の、前記第
1の磁性層3の3aに対応する位置には、単位体積あた
りの磁性粒子の含有率が高く、そのため単位面積あたり
の磁気出力が高い部分4aが、また3bに対応する位置
には、単位体積あたりの磁性粒子の含有率が低く、その
ため単位面積あたりの磁気出力が低い部分4bが形成さ
れている。なお非可逆情報トラック5に所定のピッチT
毎に記録されている単位価値情報6は、図3に示すよう
に長さが同じかまたは異なる1組の3a(および4a)
と3b(および4b)で構成しても、また図4に示すよ
うに任意の個数組合わせて構成してもよい。
【0008】図5は本発明の磁気記録媒体を磁気カード
に応用した別の実施例を示す平面図である。カードの一
方の面の所定の位置には可変情報を磁気記録再生するた
めの可変情報トラック7と、該可変情報トラック7に記
録された内容に従って記録内容が順次非可逆的に変化す
る非可逆情報トラック5とが設けられている。なお、非
可逆情報トラック5の構造は図2〜図4と同様になって
いる。
【0009】次に本発明の磁気記録媒体を構成する材料
について述べる。基体2には、厚さが100μm〜1m
m程度のポリエチレンテレフタレート(PET)、硬質
塩化ビニル(PVC)、合成紙、紙等、通常の磁気カー
ド、磁気テープ等に使用される非磁性材料を用いること
ができる。第1の磁性層3は磁気記録再生を行うための
ものであり、例えばコバルト被着γFe23 、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト等の磁性粉末
を高分子樹脂バインダ中に分散した磁性塗料が、公知の
方法で4〜20μm程度の厚みとなるよう均一に塗布さ
れている。ただし、この第1の磁性層3に使用される磁
性体の保磁力は、後述する方法で第2の磁性層4を形成
する際に印加する配向磁界による影響で該磁性層に記録
された信号が消去されることがない様、適当な大きさに
選ばれる必要がある。この第1の磁性層3の上には、該
磁性層とは保磁力が異なる磁性粉末を高分子樹脂バイン
ダ中に分散した磁性塗料が、公知の方法で4〜20μm
程度となるよう塗布されて、第2の磁性層4が形成され
ている。
【0010】第2の磁性層4に使用される磁性体として
は、該磁性層を塗布した際に第1の磁性層3に記録され
た信号から発生する磁界によって磁化されるものであれ
ばよく、例えばパーマロイ、センダスト、アモルファス
などの鱗片状高透磁率磁性金属粉や、鉄粉などの軟磁性
金属粉及びMn−Zn、Ni−Znなどの軟磁性フェラ
イト粉などを使用することができる。また、例えばγF
23 、Fe34 、CrO2 、コバルト被着γFe
23 、バリウムフェライトなど、磁気記録用として用
いられる材料であっても、塗料状態において磁性粒子の
流動性が高く、且つ配向磁界の強度を適当に選択するこ
とにより使用することが可能である。しかしながら第2
の磁性層4の保磁力は、後述する理由により第1の磁性
層3の保磁力より低い必要がある。更に第2の磁性層4
に実質的に磁気記録再生が不可能な低保磁力磁性材料を
用いることはより好ましく、また鱗片状の高透磁率磁性
金属粉を用いることは、第1の磁性層3に記録した磁気
情報を磁気的に遮蔽できるという特別の効果もあるので
一層好ましい。
【0011】本発明による磁気カードは以下の方法で作
製することができる。先ず、基体2に第1の磁性層3を
塗布する。次に該磁性層の非可逆情報トラック5に相当
する箇所に、単位価値情報6を形成するための信号を連
続的に所定の長さ分磁気記録する。その後第2の磁性層
4をグラビア法、リバースロール法、シルクスクリーン
法などの公知の方法で塗布し、塗膜が乾燥する前に第1
の磁性層3の保磁力より低い強度の直流配向磁界を加え
て配向処理を行う。この処理により塗膜中の磁性粒子
は、第1の磁性層3に記録した信号磁界と配向磁界との
影響により前記信号磁界の磁化の方向に対応して局部的
に集中する。しかる後に第2の磁性層を乾燥固化する
と、第1の磁性層3に記録した信号の磁化方向に対応し
て、第2の磁性層4には磁性粒子の含有率が高い部分と
低い部分とが交互に形成される。
【0012】前述の通り、第2の磁性層4に記録されて
いる書き換え不能な固定信号は、第1の磁性層3に記録
された信号から発生する磁界の影響によって形成される
ので、非可逆情報トラック5には、第1の磁性層3に記
録可能な磁化反転密度と同等の情報密度で固定信号(4
a、4b)を形成することができる。具体的には、4a
および4bはピッチが0.05mm程度まで可能であ
り、例えばこれらを組み合わせた単位価値情報6の記録
ピッチTを0.3mmとすると、長さ86mmのカード
には1つの非可逆情報トラック当たり250ユニット
(または度数)以上の単位価値情報を記録することがで
きる。
【0013】本発明の磁気記録媒体の処理方法の一例を
以下に説明する。図6は本発明の磁気カード1の非可逆
情報トラック5から価値情報を読み取る場合の原理を説
明するためのものである。図において、磁気ヘッド8に
は消去コイル9とリードコイル10とが設けられてい
る。更新前の非可逆情報トラック5は、第2の磁性層4
の固定信号が記録されている部分の第1の磁性層3には
所定の長さおよび極性で信号が記録されている。価値情
報の読み取りに当たっては、磁気ヘッド8の前部ギャッ
プ部から第2の磁性層4を飽和磁化できる強さの磁界を
発生させるように消去コイル9に電流Ibを印加しなが
ら非可逆情報トラック5を走査する。リードコイル10
からは、図に示すように第1の磁性層3に記録されてい
る信号からの出力V1 と、第2の磁性層4の単位体積あ
たりの磁性粒子の含有率が高い領域4aと低い領域4b
との境界部分で発生する出力V2 とが合成された出力V
a (=V1 +V2 )が発生する。なお、消去コイル9に
流す電流Ibの向きによっては、V2 の再生波形の極性
が逆になるが、本方法においてはV1 とV2 とが同じ極
性になるよう選ばれる。この時、磁気ヘッド8からは第
2の磁性層4を飽和磁化させるための磁界が発生する
が、この磁界による影響で第1の磁性層3に記録してあ
る信号が減衰または消去されない必要があり、そのため
第2の磁性層4の保磁力は第1の磁性層3の保磁力より
低く選ばれる。
【0014】カードの処理が行われ所定の価値情報が更
新される場合には、磁気ヘッド8の消去コイル9に消去
電流IE (>Ib)を流し、第1の磁性層3を飽和磁化
できる強さの直流磁界を発生しながら非可逆情報トラッ
ク5の、更新すべき金額または度数に相当する単位価値
情報部分を走査する(図7)。この時、第1の磁性層3
に記録されていた信号は消去されるが、第2の磁性層4
に記録されている信号は媒体の構造の違いにより形成さ
れた固定信号なので消去されることはない。
【0015】更新後の価値情報を読み取ると、図8に示
すように第1の磁性層3の信号が消去されていない箇所
では、第1の磁性層3の信号からの出力V1 と第2の磁
性層4の固定信号からの出力V2 とが合成された出力V
a が得られるが、第1の磁性層3の信号が消去された箇
所では、第1の磁性層3からの出力V1 は発生せず、リ
ードコイル10からは出力Vb として、第2の磁性層4
の固定信号から発生する出力V2 のみが読み取られる。
【0016】こうして出力Va と出力Vb とを比較する
ことにより価値情報の更新を識別することができる。す
なわち、価値を有するときには、大きな再生出力Va
読み取られ、価値が消滅したときは小さな再生出力Vb
が読み取られる。この時、V1 >V2 に選ばれていると
出力Va と出力Vb との差がより大きくなるので価値情
報を読み取る際の識別マージンが上がるので好ましい。
【0017】なお図5の構成のカードにおいては、価値
情報の更新は非可逆情報トラック5の単位価値情報6の
更新と可変情報トラック7の内容の書き換えが同時に行
われ、読み取りに当たっては非可逆情報トラック5と可
変情報トラック7の内容を照合し一致した場合のみを正
しい価値情報とする。
【0018】こうした価値情報の出力変化は非可逆的な
ものであり、第1の磁性層3の信号が消去されてVb
なった非可逆情報トラック5の出力レベルを、再びVa
とすることは事実上不可能である。何故ならば、第2の
磁性層4に記録されている信号は磁性層の製造過程で形
成された書き換え不能なものなので、カード処理装置な
どで後から書き加えたり消去したりすることは全く不可
能である。また、第1の磁性層3に記録されていた価値
情報が消去された後に、第2の磁性層4の固定信号に合
わせて第1の磁性層3に再び価値情報を書き込もうとし
ても、価値情報の記録位置がカード毎に微妙に異なるこ
とや、固定信号を記録したエンコード装置と再書き込み
のための書き込み装置とではカード送り速度の精度や速
度ムラが微妙に異なること等の理由により、固定信号と
全く同じ位置に同じピッチで価値情報をぴったり重ねて
記録することは極めて困難である。もし第1の磁性層3
に記録した信号の磁化反転位置が第2の磁性層4に形成
されている固定信号と僅かでもずれると、その時の価値
情報の再生出力は更新前のレベル(Va )にはならな
い。なお、非可逆情報トラック5に記録する単位価値情
報6の記録ピッチを、Tを中心に±ΔT(0≦ΔT≦
0.3T)だけランダムにずらすことにより、第2の磁
性層4に形成されている固定信号に合わせて第1の磁性
層3に価値情報を再書き込みすることは一層困難にな
る。
【0019】また、もし非可逆情報トラック5以外のカ
ードの他の部分に、第1の磁性層3および第2の磁性層
4に同時に磁気記録する等の方法で価値情報を複製した
場合でも、消去コイル9に第2の磁性層4を飽和磁化で
きる強さの電流Ibを流しながら読み取ることにより第
2の磁性層4に記録された信号は消去されてしまうた
め、リードコイル10からの再生出力は第1の磁性層3
に記録した信号からの再生出力(V1 )のみとなり前述
のVa のレベルに達することはない。しかし、第2の磁
性層4に実質的に磁気記録再生が不可能な低保磁力磁性
材料を用いると、仮に電流Ibが何らかの原因で低下し
第2の磁性層4が十分に消去されない場合でも、第2の
磁性層4からは出力が全く現れないので、読み取り出力
は正規のカードの更新前の出力レベルVa より確実に低
くなるので特に好ましい。
【0020】本発明においては、第2の磁性層4は非可
逆情報トラック5が設けられた部分のみに設けてもよい
し、また可変情報トラック7を含む第1の磁性層3の全
域を覆って設けてもよい。また図5において、可変情報
を記録再生する可変情報トラック7と価値情報を記録し
てある非可逆情報トラック5とはそれぞれ別のトラック
として設けるとしたが、1本のトラック上に領域を区切
って設けてもよい。更に非可逆情報トラック5と平行に
タイミングトラックを設け、価値情報の更新にあたって
はタイミングトラックの信号をカウントしながら所定の
単位価値情報を更新してもよい。また本発明において
は、非可逆情報トラック5に記録する情報は価値情報の
みに限定されることはなく、例えばカードを特定するた
めの固定情報等を記録しておき、カードの使用状況に応
じてそれを前述の方法で非可逆的に変化させ、その変化
を読み取ることによりカードの使用履歴を識別してもよ
い。また、3層以上の磁性層をもつ磁気記録媒体におい
ても、本発明を適用することができるし、更に第2の磁
性層の上に着色隠蔽層、印刷層、保護層などを適宜設け
てよいし、必要に応じて印字層を設けてもよい。
【0021】以下、本発明を具体的な実施例を用いて更
に詳細に説明する。 (実施例1)厚さ188μmの白色ポリエステルフィル
ム基体の一方の面全面に、保磁力が2750エルステッ
ドのバリウムフェライト磁性粉をバインダ樹脂、分散
剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤とを混合・分散して作
製した磁気塗料をグラビア法で塗布し、乾燥後の厚みが
10μmの第1の磁性層を得た。前記第1の磁性層の価
値情報トラック位置に相当する箇所に、記録密度が40
0FCIの信号を1サイクルオン−1サイクルオフのバ
ースト状に飽和記録した。その上に、保磁力が20エル
ステッドの高透磁率のFe−Si系合金の鱗片状粉末を
バインダ樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤と
を混合・分散して作製した磁気塗料をナイフコート法で
塗布し、乾燥前に600エルステッドの直流磁界で配向
をかけ、乾燥後の厚みが10μmの第2の磁性層を得
た。
【0022】(実施例2)実施例1において、第2の磁
性層に保磁力が300エルステッドのγFe23 を使
用し、配向磁界強度を1200エルステッドとし、乾燥
後の厚みを8μmとした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0023】(実施例3)実施例1において、第2の磁
性層に保磁力が650エルステッドのCo被着γFe2
3 を使用し、配向磁界強度を1200エルステッドと
し、乾燥後の厚みを8μmとした以外は、実施例1と同
様にした。
【0024】実施例1〜3で作製した磁気シートを86
×54mmのサイズに打ち抜き磁気カードを得た。保磁
力が2750エルステッドの磁性材料を飽和書き込みで
きる磁気ヘッドを装着したリーダーライターで、先ず8
00エルステッドの磁界を印加しながら価値情報トラッ
クを走査しその信号出力を読み取った。次に第1の磁性
層に書き込まれている信号を直流消去し、しかる後再び
価値情報トラックを走査してその出力を読み取ったとこ
ろ、第1の磁性層を消去する前と後との出力波形の変化
を十分に判別することができた。続いて第2の磁性層に
記録してある固定信号の上から第1の磁性層に、カード
を作製した時と同様に記録密度が400FCIの信号を
1サイクルオン−1サイクルオフのバースト状に重ねて
記録した。その後再度価値情報トラックを800エルス
テッドの磁界を印加しながら読み取ったところ、再生波
形は第1の磁性層と第2の磁性層の出力波形のピーク位
置にずれが生じ、正しく読み取ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明は、多層構造の磁気記録媒体の高
保磁力層には信号が磁気記録されており、低保磁力層に
は高保磁力層に記録されている信号による磁界並びに配
向磁界の影響により形成された書換不能な固定信号が記
録されているという特殊な構造を有しており、この構造
は媒体の製造段階でしか形成することができないので、
媒体の偽造や複製に対して極めて高い安全性を有してい
る。また、記録してある情報が媒体の使用状況に応じて
非可逆的に変化するので、データの改ざんによる媒体の
再使用は全く不可能であるという特長を有している。ま
た情報の更新は、磁気ヘッドで磁界を加えるのみでよ
く、機械的エネルギーまたは熱エネルギーを加えるとい
った外観の変化を伴うような方法によらないので、媒体
の外観を損なうこともなく、またリーダーライターには
磁気ヘッド以外の特殊な部品を必要としないので装置が
大がかりにならず安価に製造することができる。更に本
発明は、パンチ孔により残額または残度数を照合する従
来の方法と異なり、媒体の可変情報トラックに記録して
ある残額または残度数情報に正確に対応する価値情報を
別の箇所に記録することができるので両者を照合するこ
とにより安全性が一層向上するという特長も有してい
る。また媒体の製造に当たっては、特殊な材料や複雑な
工程を必要とせず、生産性にも優れるという特長をも有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気カードに応用した
一実施例を示す平面図である。
【図2】非可逆情報トラックの構造を示すものであり、
図1のX−X′に沿う部分断面図である。
【図3】単位価値情報の長さが異なる実施例を示す図2
と同様な断面図である。
【図4】単位価値情報の長さが異なる実施例を示す図2
と同様な断面図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体を磁気カードに応用した
他の実施例を示す平面図である。
【図6】本発明の磁気カードの非可逆情報トラックから
価値情報を読み取る場合の原理を説明する図である。
【図7】本発明の磁気カードの非可逆情報トラックの価
値情報を部分的に消去する方法を示す断面図である。
【図8】本発明の磁気カードの一部が非可逆的に消去さ
れた非可逆情報トラックから価値情報を読み取る場合の
原理を説明する図である。
【符号の説明】
1:磁気カード 2:非磁性基体 3:第1の磁性層 4:第2の磁性層 5:非可逆情報トラック 6:単位価値情報 7:可変情報トラック 8:磁気ヘッド 9:消去コイル 10:リードコイル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に、保磁力の異なる少なく
    とも二つの磁性層を積層してなり、前記磁性層のうち少
    なくとも一つの磁性層には信号が磁気記録され、他の磁
    性層には前記磁性層に記録された信号による磁界並びに
    配向磁界の影響により形成された書換不能な固定信号が
    記録されており、前記固定情報が記録された領域を前記
    磁気記録された磁性層の記録内容を更新する印加磁界に
    対して非可逆的に変化する非可逆情報トラックとしたこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層の少なくとも一つには可変信
    号を磁気記録再生するための可変情報トラックが設けら
    れ、前記可変情報トラックに記録された内容に従って前
    記非可逆情報トラックの記録内容が順次非可逆的に変化
    していくようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記書換不能な固定信号は、特定の領域
    における単位面積あたりの磁気出力が隣接する他の領域
    と異なることにより形成されていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記書換不能な固定信号は、特定の領域
    における単位体積あたりの磁性粒子の含有率が隣接する
    他の領域と異なることにより形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記書換不能な固定信号が形成されてい
    る磁性層の保磁力は、他の磁性層の保磁力より低いこと
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記書換不能な固定信号が形成されてい
    る磁性層は、実質的に磁気記録再生が不可能な低保磁力
    磁性材料より成ることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記書換不能な固定信号が形成されてい
    る磁性層は、鱗片状の高透磁率磁性金属粉末より成るこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の磁
    気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記非可逆情報トラックには、記録ピッ
    チがランダムな信号が記録されていることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記非可逆情報トラックには、金額また
    は度数情報などの価値情報が記録されていることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 前記非可逆情報トラックには、媒体を
    特定するための識別情報が記録されていることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100636772B1 (ko) * 1998-09-22 2006-10-23 소니 가부시끼 가이샤 기록 매체, 기록 방법 및 기록 장치

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