JP2649765B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2649765B2
JP2649765B2 JP4358830A JP35883092A JP2649765B2 JP 2649765 B2 JP2649765 B2 JP 2649765B2 JP 4358830 A JP4358830 A JP 4358830A JP 35883092 A JP35883092 A JP 35883092A JP 2649765 B2 JP2649765 B2 JP 2649765B2
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剛 望月
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は買物カード、預貯金カー
ド、定期券、乗車券、回数券、プリペイドカード、キャ
ッシュカード、クレジットカード、ポイントカード、身
分証明書、診察券等において、生産性が高く偽造し難い
磁気記録媒体およびその製造方法を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近時、磁気記録を行なったカード類が前
記のような利用分野で広く用いられ、ますますその用途
が拡大してきている。その基本構造は非磁性体からなる
基体の上に、磁性体の層を設け、これを磁化したもので
ある。かかる磁気記録媒体は、磁気情報の複製や改ざん
により不正使用が発生するのを防止することが必要で、
このため種々の不正使用防止策がとられている。代表的
な偽造変造防止法としては、磁気記録情報の記録、再生
を困難にする方法と、磁気カードそのものに真偽判定情
報を持たせる方法とに大別される。前者は記録された磁
気情報を隠蔽し、情報の書込み、読み取りを難しくする
ことにより磁気情報の改ざんや複製を困難にする方法で
あり、後者は磁気カードが正規のものか否かを判定する
ための識別情報をカードそのものに入れておくことによ
り偽造、変造を防ぐ方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録情報の記録、
再生を困難にすることによる不正使用防止策として知ら
れているものには、磁気記録部を多層化することによ
り、正規の情報を隠蔽して読み取り不能にしたり、ダミ
ー情報を重畳して正規の情報の解析を困難にするもので
あるが、何分にも製造工程が複雑であり、かつ記録の書
き込み読み出し装置が複雑になる等の欠点があり、又、
一旦情報の隠蔽する方法の詳細が判明してしまえば、磁
気記録に詳しい者であれば、情報を読み出し、解析する
ことが可能であるので複製や変造を防ぎ切れない可能性
がある。磁気カードそのものに真偽判定情報を施したカ
ードは正しい判定情報を持った正規のカードでなけれ
ば、例え磁気情報の偽造ができたとしても実際に使用で
きないが、この方法も製造工程が複雑で、判定情報の読
み出し装置が複雑になるという欠点がある。又、正規の
カードの磁気情報が変造された場合は不正使用を防ぎ切
れないと云う問題がある。この問題を解決するために、
本発明者等は、特願平4−175930号により、高保
磁力の磁気層と、低保磁力の磁気層とを組み合わせて上
記の問題を解決した磁気記録体およびその製造方法を開
発した。然しながら、さらにその改良について鋭意研究
の結果、第2の磁性層を形成するための磁気塗料が、内
部の磁性層内に浸透する場合、十分な特性が発揮されな
いという知見を得た。本発明は前記従来の技術の有する
課題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の概要は、非磁性
体からなる基体上に250エルステッド〜4000エル
ステッドの保磁力の磁性体からなる第1の磁性層と、1
00エルステッド以下の低保磁力磁性体からなる第2の
磁性層との間に、第2の磁性層形成用塗料の浸透防止層
を設けて積層したことを特徴とする磁気記録媒体(請求
項1)。および非磁性体からなる基体上に250エルス
テッド〜4000エルステッドの保磁力からなる磁気塗
料を塗布、乾燥することにより第1の磁性層を形成し、
続いて該第1の磁性層上に第2の磁性層塗料の浸透を防
ぐ為の浸透防止塗料を塗布乾燥して浸透防止層を形成
し、しかる後第1の磁性層に磁気記録を行い、次に10
0エルステッド以下の低保磁力磁性体からなる磁気塗料
を塗布、乾燥することにより第2の磁性層を形成するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法(請求項2)で
ある。
【0005】以下図面を参照しつつ本発明を説明する。
図1(イ)は本発明による磁気記録媒体(カード)の平
面図で、磁気記録トラックTを有する。図1(ロ)はト
ラックTのX−X線断面図で非磁性層からなる基体1の
上に250エルステッド〜4000エルステッドの保磁
力の磁性体からなる第1の磁性層2、浸透防止層3、1
00エルステッド以下の低保磁力磁性体からなり、追加
も消去もしがたい情報が記録された第2の磁性層4が積
層されて本発明の磁気記録媒体を構成しているものであ
る。必要によりさらに被覆層(図示せず)が積層されて
もよい。図1(ロ)の第1の磁性層と第2の磁性層の磁
化後の状態は図1(ハ)のように、第1の磁性層の記録
パターンの磁気反転部界面に第2の磁性層の塗料が集ま
るため、本図のような構造となり、これが磁気バーコー
ド状パターンとして固定される。
【0006】次に本発明の磁気記録媒体を構成する材料
について述べる。先ず非磁性体からなる基体としては、
厚さ150μm〜1mmのポリエステルフィルム、塩化
ビニルフィルム、合成紙、木材パルプ紙、ラミネート紙
等のシート状の非磁性体が適用できる。
【0007】第1の磁性層に用いる磁性体としては、γ
−酸化鉄、コバルトドープのγ−酸化鉄、酸化クロム、
バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が適
用され、これらの磁性体を塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重
合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリイソシアネート樹脂等の結着剤に顔料等他の
添加剤とともに分散した塗液を基体上に塗布することに
よって第1の磁性層を形成することができる。又、第2
の磁性層に用いる磁性体としては、カルボニル鉄粉、マ
ンガンジンクフェライト、ニッケル粉、四三酸化鉄、パ
ーマロイ、センダスト、アルパーム等が適用され、これ
らの磁性体を前記第1の磁性層に用いると同様の結着剤
に顔料等他の添加剤とともに分散した塗液を、浸透防止
層を介して第1の磁性層上に塗布することによって第2
の磁性層を形成することができる。第1の磁性層と第2
の磁性層の間の浸透防止層としては、ポリエステル樹
脂、ポリイソシアネート樹脂等の樹脂で内外層との接着
性がよいものから選択されて適用される。又、前記第2
の磁性層の上に必要に応じて設ける被覆層は、 (a)前記磁性層の着色を隠蔽するためのアルミニウム
粉末、白色顔料等を含んだ着色層 (b)ロイコ染料型感熱記録層、錫、アルミニウム等の
金属蒸着層からなる放電記録層等の印字記録層 (c)紫外線硬化型樹脂からなる保護層 のうちの1層もしくは複数層を順次積層して形成するこ
とができる。
【0008】本発明の製造方法について説明すれば、例
えば図2に示すように非磁性体からなる基体1を送り出
しリール11より送り出し、第1の磁性層用の塗料の塗
布装置12に導いて塗工する。塗工ヘッド13で塗布さ
れた基体1はロール14を経て磁場配向装置15、乾燥
パート16、ロール17を経て巻取りリール18に巻き
取られる。巻き取られた製品は第1の磁性層のみが塗布
された原反である。なお第1の磁性層は磁場配向を行な
うことが好ましいがこれを行なわなくてもよい。次に、
第1の磁性層が設けられた原反の巻取りリールを送り出
しリールとして、図1に準じて浸透防止用塗料を塗布し
て浸透防止層を設け、中間製品を得る。次いで、図3に
示すように第1の磁性層と浸透防止層とが設けられた中
間製品の原反の巻取りリールを送り出しリール19とし
て、磁気ヘッド20で第1の磁性層に情報を磁気記録し
た後、第2の磁性層用塗料の塗布装置21に導き塗工ヘ
ッド22で塗工し、ロール23、乾燥パート24、ロー
ル25を経て巻取りリール26に第2の磁性層を設けた
本発明の磁気記録媒体を得る。第2の磁性層の塗布方法
に関しては、これ以外にもシート状で塗布する方法、す
なわちスクリーン印刷法、グラビア印刷法、及びオフセ
ット印刷法等の印刷法を用いることもできる。この場合
はシート状態で磁気記録を行なってもよい。なお更にこ
の表面に被覆層を設ける場合は、これを別途被覆層用塗
料を用い、前記各層の形成手段と同様にして塗布するこ
とができる。
【0009】上記の方法に於いて、第1の磁性層は通常
の磁気記録を行なうための層であり、250エルステッ
ド〜4000エルステッドの保磁力であるから、磁性層
形成後は容易に磁気記録用ヘッドで磁気記録をすること
ができる。保磁力が250エルステッド未満では磁気記
録後外部磁場により磁気損傷を受け易く、4000エル
ステッドを越えて大きいと現在実用化されている磁気ヘ
ッドでは飽和記録が難しい。又、浸透防止層の存在によ
り第2の磁性層用塗料は下地の第1の磁性層に浸透する
ことが無い。第2の磁性層用の磁気塗料は、塗布した直
後未乾燥の状態では浸透防止層により非常に動き易い状
態を保つことができる。このため、第1の磁性層に行な
われた磁気記録パターンから発生する磁場の影響を受け
て、その磁束反転界面部に塗料が集まり易くなる。すな
わちバーコード状パターンの形成が容易になる。このた
めバーコード状パターンからの出力は高くなり、第2の
磁性層の塗布層を薄くしても十分な出力を得ることが可
能となる。この結果、第1の磁性層に行なう通常の磁気
記録に対する第2の磁性層の影響を低減させることも可
能となる。又更に第2の磁性層の磁性体の保磁力は10
0エルステッド以下の低保磁力であるが、100エルス
テッドを超えて大きいと磁性塗料が図1(ハ)のように
集合しにくい。又マグネチックビュアで着磁状態が識別
されるという問題を生ずる。
【0010】本発明に於いて、第2の磁性層を構成する
磁性塗料を、第1の磁性層上に浸透防止層を介して積層
するように塗布すると、塗布直後の第2の磁性層が乾燥
する前の状態では、先に設けた第1の磁性層の磁気記録
パターンに応じて磁束反転界面部に低保磁力磁性体が集
合する。続いてこの第2の磁性層を乾燥させると、10
0エルステッド以下の低保磁力磁性体からなるバーコー
ド状のパターンが固定化されたこととなり、後で追加記
録も消去もできない、不正使用防止情報として使うこと
のできる固定情報を媒体に与えることができる。この固
定情報は第1の磁性層に行なった磁気記録パターンによ
り第2の磁性層用塗料がパターン状に集まることにより
形成されている。すなわち印刷方式を用いた従来の方式
による通常の磁気バーコード等は個々のカードそれぞれ
に異なった情報を持たせることは不可能であるが、本発
明による方法は、第1の磁性層に記録するパターンを個
々のカードに対応して異なったものとすれば、個々のカ
ードによって異なった判定情報を付与することが可能で
ある。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例について述べる。 実施例1 第1の磁性層の塗料を以下の配合で調製した。 バリウムフェライト BaO・6Fe2 3 100重量部 (保磁力2750エルステッド 比表面積8m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 この混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリイソ
シアネート樹脂5重量部を添加し、更に1時間分散を行
い、第1の磁性層用塗料を得た。塗布は通常の磁気記録
媒体の製造方法に従って行えばよい。即ち図2に示した
ように、例えば188μm厚さの白色ポリエステルフィ
ルムに塗工ヘッド部で前記磁性層用塗料を塗布し、乾燥
パート中で乾燥させ、12μm厚さの磁性層を形成し、
磁気原反として巻取る。
【0012】本発明ではこの上に浸透防止層を施すが、
その塗料の配合例は以下のとおりである。 ポリエステル樹脂 95重量部 ポリイソシアネート樹脂 5重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 この塗料の塗布方法は、第1の磁性層の塗料の塗布手段
に準じて容易に行なうことができる。
【0013】ついで第2の磁性層用の塗料を以下の配合
で調製した。 カルボニル鉄粉 100重量部 (保磁力10エルステッド 比表面積1m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 この混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリイソ
シアネート樹脂5重量部を添加し、更に1時間分散を行
い第2の磁性層用塗料を得た。図3に示したように、第
2の磁性層用塗料を塗布する前に、第1の磁性層に磁気
ヘッドを用いて予め磁気記録を行う。磁気記録はヘッド
ギャップ50μmの磁気ヘッド20を用い、第1の磁性
層を充分に飽和記録できる記録電流で記録を行った。記
録は100bpiのFM方式で行った。次いで図3に示
したように、塗工ヘッド部で第2の磁性層用塗料を塗布
し、乾燥パート中で乾燥させ、3μm厚さの第2の磁性
層を形成し、本発明の磁気記録媒体として巻取る。
【0014】このようにして得た本発明による磁気記録
媒体から、JISサイズの磁気カードを打ち抜き以下の
評価を行った。即ち、塗工時に第1の磁性層に記録を行
った後図1(ロ)に示すように第2の磁性層を形成した
部分に、図1(イ)のトラックT上を2750エルステ
ッドの磁性層を飽和記録できる記録条件で直流消去を行
った後、再生用磁気ヘッドで500ガウスのバイアス磁
界をかけながら情報の読み出しを行ったところ、第1の
磁性層に記録された情報は消去されたが、第2の磁性層
には第1の磁性層の記録情報に応じたバーコード状パタ
ーンが固定化しており、パターンに応じた信号処理を行
なうに十分な再生出力を得ることができた。この情報は
先に行なった直流消磁によって消去されることは無かっ
た。すなわち、この情報は固定化されており、偽造防止
情報として、使うことができる。又、この磁気カードの
トラックT以外の部分に3000エルステッドまでの保
磁力を持つ磁性層に記録、消去できる磁気ヘッドで10
0bpiの記録密度でFM方式で記録を行なったとこ
ろ、通常に記録、再生できた。すなわち通常の磁気カー
ドとして使用できた。この時の再生出力の分解能(2F
出力/1F出力)は90%以上であった。
【0015】実施例2 第1の磁性層の塗料を以下の配合で調製した。 バリウムフェライト BaO・6Fe2 3 100重量部 (保磁力2750エルステッド 比表面積8m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 この混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリイソ
シアネート樹脂5重量部を添加し、更に1時間分散を行
い、第1の磁性層用塗料を得た。塗布は通常の磁気記録
媒体の製造方法に従って行えばよい。即ち図2に示した
ように、例えば188μm厚さの白色ポリエステルフィ
ルムに塗工ヘッド部で前記第1の磁性層用塗料を塗布
し、塗料を乾燥する前に磁場配向処理を行い、乾燥装置
中で乾燥させ、12μm厚さの磁性層を形成し、磁気原
反として巻取った。塗布を行うとき、前記第1の磁性層
は磁場配向を行うことが好ましいが、磁場配向処理を行
わなくとも良い。
【0016】上記第1の磁性層の上に浸透防止層を設け
るが、その塗料は以下の配合で調製した。 ポリエステル樹脂 95重量部 ポリイソシアネート樹脂 5重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部
【0017】次いで、この磁気原反をシート状に裁断
し、得られた磁気シートに磁気記録を行った。すなはち
ヘッドキャップ50μmの磁気ヘッドを用い、第1の磁
性層を十分飽和記録できる記録電流で記録を行なった。
記録は100bpiのFM方式で行なった。このように
して得た記録済み磁気シートに、以下の配合の磁性塗料
をスクリーン印刷方式を用いて以下の手順にて第2の磁
性層を形成した。 カルボニル鉄粉 100重量部 (保磁力10エルステッド 比表面積1m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 キシレン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 この混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリイソ
シアネート樹脂5重量部を添加し、更に1時間分散を行
い、第2の磁性層用のスクリーン印刷インキを得た。こ
のようにして得たスクリーン印刷インキをスクリーン印
刷方式を用い、第1の磁性層を形成し磁気記録を行った
磁気原反のシートの第1の磁性層に積層して印刷、乾燥
させ、第2の磁性層を3μmになるように形成した。
【0018】このようにして得た磁気原反から、JIS
サイズの磁気カードを打ち抜き以下の評価を行った。即
ち、塗工時に第1の磁性層に記録を行なった後第2の磁
性層を形成したトラックTの部分に、3000エルステ
ッドの磁性層を飽和記録できる記録条件で直流消去を行
った後、再生用磁気ヘッドで500ガウスのバイアス磁
界をかけながら磁気情報の読出を行なったところ、第2
の磁性層には第1の磁性層に行なった磁気記録パターン
に応じたバーコード状パターンが固定化しており、この
情報は消去されないため読み出すことができた。又、こ
の磁気カードのトラックT以外の部分に2750エルス
テッドまでの保磁力を持つ磁性層に記録、消去できる磁
気ヘッドで100bpiの記録密度でFM方式で記録を
行なったところ、通常に記録、再生できた。すなわち通
常の磁気カードとして使用できた。この時の再生出力の
分解能(2F出力/1F出力)は90%以上であった。
【0019】実施例3 第2の磁性層の塗料として以下の配合を調製したほかは
実施例1と同様にして、本発明の磁気記録媒体を作成し
た。 マンガンジンクフェライト 100重量部 (保磁力20エルステッド 比表面積10m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 このようにして得た磁気原反から、JISサイズの磁気
カードを打ち抜き実施例1と同様な評価を行ったとこ
ろ、実施例1と同様な結果を得た。又、この磁気カード
のトラックT以外の部分に3000エルステッドまでの
保磁力を持つ磁性層に記録、消去できる磁気ヘッドで1
00bpiの記録密度でFM方式で記録を行なったとこ
ろ、通常に記録、再生できた。すなわち通常の磁気カー
ドとして使用できた。この時の再生出力の分解能(2F
出力/1F出力)は90%以上であった。
【0020】実施例4 第2の磁性層用の塗料として以下の配合を調製したほか
は実施例1と同様にして、本発明の磁気記録媒体を作成
した。 パーマロイ粉 100重量部 (保磁力0.006エルステッド 比表面積1m2 /g) カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 からなる混合物をボールミルで8時間分散した後、ポリ
イソシアネート樹脂5重量部を添加し、更に1時間分散
を行い、第2の磁性層用塗料を得た。塗布は第1の磁性
層を形成し、浸透防止層を塗布した磁気原反に、第1の
磁性層を積層する形で第2の磁性層用の塗料を塗布す
る。塗布は第1の磁性層を形成するのと同様に行えばよ
い。但し図3に示したように、第2の磁性層用塗料を塗
布する前に、第1の磁性層に磁気ヘッドを用いて予め磁
気記録を行う。磁気記録はヘッドギャップ50μmの磁
気ヘッド20を用い、第1の磁性層を充分に飽和記録で
きる記録電流で記録を行った。記録は100bpiのF
M方式で行った。次いで図3に示したように、塗工ヘッ
ド部で第2の磁性層用塗料を塗布し、乾燥パート中で乾
燥させ、3μm厚さの第2の磁性層を形成し、本発明の
磁気記録媒体として巻取る。このようにして得た本発明
による磁気記録媒体から、JISサイズの磁気カードを
打ち抜き以下の評価を行った。
【0021】即ち、塗工時に第1の磁性層上に浸透防止
層を設け、続いて磁気記録を行った後、図2に示すよう
に第2の磁性層を形成した部分に、2750エルステッ
ドの磁性層を飽和記録できる記録条件で直流消去を行っ
た後、再生用磁気ヘッドで500ガウスのバイアス磁界
をかけながら情報の読み出しを行ったところ、第1の磁
性層に記録された情報は消去されたが、第2の磁性層に
は第1の磁性層に行なった磁気記録パターンに応じたバ
ーコード状パターンが固定化しており、この情報は消去
されないため、読み出すことができた。又、この磁気カ
ードのトラックT以外の部分に3000エルステッドま
での保磁力を持つ磁性層に記録、消去できる磁気ヘッド
で100bpiの記録密度でFM方式で記録を行なった
ところ、通常に記録、再生できた。すなわち通常の磁気
カードとして使用できた。この時の再生出力の分解能
(2F出力/1F出力)は90%以上であった。
【0022】実施例5 浸透防止層として以下の配合で調製した他は実施例1と
同様にして本発明の磁気記録媒体を得た。 ポリエステル樹脂 95重量部 ポリイソシアネート樹脂 5重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 得られた磁気録媒体より、実施例1と同様にして磁気
カードを作成し、評価をしたところ、通常の磁気カード
として使用できた。
【0023】比較例1 浸透防止層を設けない以外は実施例1と全く同様にし
て、比較用の磁気カードを作製した。この磁気カードは
第2の磁性層の厚さを6μmとすることで、実施例1と
同レベルの再生出力を得ることができた。この磁気カー
ドのトラックT以外の部分に3000エルステッドまで
の保磁力を有する磁性層に記録消去できる磁気ヘッドを
用い、FM方式で記録を行なったところ、再生出力の分
解能(2F出力/1F出力)は70〜80%以上であ
り、磁気記録の安定な実施例よりも劣るものであった。
【0024】比較例2 浸透防止層を設けない以外は実施例1と全く同様にし
て、比較用の磁気カードを作製した。この磁気カードは
第2の磁性層の厚さを6μmとすることで、実施例1と
同レベルの再生出力を得ることができた。この磁気カー
ドのトラックT以外の部分に3000エルステッドまで
の保磁力を有する磁性層に記録消去できる磁気ヘッドを
用い、FM方式で記録を行なったところ、再生出力の分
解能(2F出力/1F出力)は70〜80%であり、磁
気記録の安定な実施例よりも劣るものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明による磁気記録媒体は、後で追加
したり消去したりできない判定情報を磁性塗料塗布時に
いれることができる。この方法により製造されたカード
は、個々のカードに固有の判定情報を付与することがで
きるため、きわめて偽造、不正使用が困難である。また
製造設備も通常の磁気記録媒体の製造設備に簡単な磁気
記録装置を追加するだけであり、特殊な技術も必要ない
ため、生産性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の磁気記録媒体の平面図 (ロ)は図1(イ)のX−X線断面図で磁化した後の磁
気の状態図 (ハ)は図1(ロ)の第1の磁性層と第2の磁性層との
状態を拡大した断面図
【図2】第1の磁性層の塗布工程図
【図3】第2の磁性層の塗布工程図
【符号の説明】
T トラック 1 非磁性層からなる基体 2 第1の磁性層 3 第2の磁性層 11 送り出しリール 12 第1の磁性層用の塗料の塗布装置 13 塗工ヘッド部 14 ロール 15 磁場配向装置 16 乾燥パート 17 ロール 18 巻取りリール 19 送り出しリール 20 磁気ヘッド 21 第2の磁性層用の塗料の塗布装置 22 塗工ヘッド部 23 ロール 24 乾燥パート 25 ロール 26 巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/84 G06K 19/00 B (56)参考文献 特開 昭63−4415(JP,A) 特開 平4−49518(JP,A) 特開 平2−10516(JP,A) 特開 昭58−80783(JP,A) 特開 昭3−244598(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる基体上に250エルス
    テッド〜4000エルステッドの保磁力の磁性体からな
    る第1の磁性層と、100エルステッド以下の低保磁力
    磁性体からなる第2の磁性層との間に、第2の磁性層形
    成用塗料の浸透防止層を設けて積層したことを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性体からなる基体上に250エルス
    テッド〜4000エルステッドの保磁力からなる磁気塗
    料を塗布、乾燥することにより第1の磁性層を形成し、
    続いて該第1の磁性層上に第2の磁性層塗料の浸透を防
    ぐ為の浸透防止塗料を塗布乾燥して浸透防止層を形成
    し、しかる後第1の磁性層に磁気記録を行い、次に10
    0エルステッド以下の低保磁力磁性体からなる磁気塗料
    を塗布、乾燥することにより第2の磁性層を形成するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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