JP3384695B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3384695B2
JP3384695B2 JP23466296A JP23466296A JP3384695B2 JP 3384695 B2 JP3384695 B2 JP 3384695B2 JP 23466296 A JP23466296 A JP 23466296A JP 23466296 A JP23466296 A JP 23466296A JP 3384695 B2 JP3384695 B2 JP 3384695B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリペイドカー
ド、IDカード、キャッシュカード、ポイントカード、
乗車券(定期券、切符、回数券)、通行券などに使用さ
れる磁気カード、磁気シート、磁気ロール紙などの磁気
記録媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】プリペイドカード、IDカード、キャッ
シュカード、ポイントカード、乗車券(定期券、切符、
回数券)、通行券などに使用される磁気カード、磁気シ
ート、磁気ロール紙などの用途に使用される磁気記録媒
体の分野では、偽造、変造などの不正使用をいかに防止
するかが大きなテーマとなっている。 【0003】これらに対処するために発明者らは特開昭
63−9017号あるいは特開平5−318974号、
特開平7−29157号などにより、後から追加も消去
もできない固定情報を一枚一枚のカードそれぞれに個別
識別情報(指紋情報)として付与する方法を提案した。
その概要は以下のとおりである。 【0004】特開昭63−9017号では、通常の磁気
記録に使用される磁性層の一部に、未だ磁性層が乾燥す
る前に磁場を加えることにより、配向状態を変化させて
固定情報を記録することが提案されている。しかし、こ
の方式による固定情報から取り出すことのできる信号レ
ベルは小さく、例えば固定情報部に通常の磁気記録を行
い、その再生信号のモジュレーションから固定情報に由
来する信号を取り出す等の方式を採用する必要があり、
信号処理が複雑になる。 【0005】一方、特開平7−29157号では、先ず
通常の磁気記録を行うための層を形成し、この層に通常
の磁気記録を行い、続いて100エルステッド以下の低
保磁力磁性層を塗布する方式により、固定情報を形成し
ている。かかる固定情報は低保磁力磁性層に形成されて
いるため、例えば直流バイアス磁界を加えながら磁気ヘ
ッドで読みとりを行うといった簡便な方法で大きな信号
出力を得ることができるが、通常の磁気記録を行うため
の磁性層と固定情報を記録するための磁性層とを別途設
ける必要があり、積層構成や製造工程が複雑になるとい
う問題を有するものであった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題を解決し、簡単な方法で優れた不正使用防止機能が
得られ、しかも製造工程が簡単で製造コストが安い磁気
記録媒体を提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは更に不正使
用防止手段について鋭意検討を行い、非磁性体からなる
基体上に形成した磁性層に、250〜5000エルステ
ッドの保磁力を持つ第一の磁性粉と、0.001〜10
0エルステッドの保磁力を持つ第二の磁性粉とを一定の
割合で混合した磁気塗料を用いて磁性層に後から追加も
消去もできない固定情報が記録されていることにより、
通常の磁気記録を行なうための磁性層と、固定情報が記
録されている磁性層とを同一の層としたことを特徴とす
る磁気記録媒体を生み出すにいたった。 【0008】すなわち発明は、非磁性体からなる基体
上に、250〜5000エルステッドの保磁力を持つ第
一の磁性粉と、0.001〜100エルステッドの保磁
力を持つ第二の磁性粉とを、重量比で99:1〜60:
40の範囲で含有する磁性層であって、該磁性層に磁性
粉の配向及び分布状態が異なって形成されている固定情
報が記録されていることを特徴とする磁気記録媒体であ
る。 【0009】本発明による磁気記録媒体は、通常の磁気
記録を行うための磁性層を形成すると同時に固定情報を
形成するため、構造が簡単で、かつ製造工程も非常に単
純であるので、このため製造コストが小さくて済む。ま
た、単一の磁性粉からなる磁性層の場合に比べ、固定情
報部から取り出すことのできる信号レベルが大きいた
め、信号の処理の安定性が高いという利点がある。 【0010】本発明によれば、固定情報を形成した磁性
層に通常の磁気記録を行うこともできるため、磁性層は
1層あればよく、製造コストの面からは非常に有利であ
る。また、形成される固定情報部は通常の磁気記録に用
いられる磁性粉と0.001〜100エルステッドの
保磁力磁性粉からなる磁性層に、磁性粉の配向状態及び
分布状態の変化として記録されているため、直流バイア
ス磁界を加えながら磁気ヘッドでの読みとりを行うとい
う方式で比較的大きな信号を取り出すことができるとい
う利点も合わせ持っている。 【0011】本発明において、250〜5000エルス
テッドの保磁力を持つ第一の磁性粉と、0.001〜1
00エルステッドの保磁力を持つ第二の磁性粉とを、重
量比で99:1〜60:40の範囲で含有する磁性層を
設けるが、0.001〜100エルステッドの保磁力を
持つ低保磁力磁性粉の混合比率が重量比で1未満である
と低保磁力磁性粉を混合することによる固定情報の信号
レベルアップの効果が無くなってしまう。 【0012】また、0.001〜100エルステッド
保磁力を持つ低保磁力磁性粉の混合比率が重量比で40
を越えて多いと、通常の磁気記録に対して磁気遮蔽効果
が出てしまい、通常の磁気記録が困難になる。またたと
え磁気記録を行ったとしても、再生信号レベルが小さく
なってしまう等の問題点を生ずるため、形成した磁性層
を通常の磁気記録に用いることは実用上問題を有するも
のである。 【0013】本発明における第一の磁性粉は、上記のよ
うに固定情報を形成すると共に通常の磁気記録を行うた
めの磁性粉であり、その保磁力は、磁気記録特性上25
0〜5000エルステッド程度が好ましい。 【0014】次に本発明の磁気記録媒体を構成する材料
について述べる。先ず、非磁性体からなる基体として
は、厚さ10μm〜1mmのポリエステルフィルム、塩
化ビニルフィム、合成紙、木材パルプ紙、ラミネート紙
等のシート状の非磁性体が適用できる。第一の磁性粉と
しては、保磁力が250〜5000エルステッドである
例えばγ酸化鉄、コバルトを被着したγ酸化鉄、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化クロム
等が用いられる。第二の磁性粉としては、カルボニル鉄
粉、四三酸化鉄、ジンクフェライト、ニッケル粉、マン
ガンジンクフェライト、センダスト、パーマロイ、アル
パーム等の保磁力が0.001〜100エルステッドの
軟磁性体や高透磁率磁性体が用いられる。本発明におい
ては保磁力0.001〜100エルステッドの磁性粉
実用上好ましく使用することができる。 【0015】本発明における磁性層は、上記の第一の磁
性粉と、第二の磁性粉とを所定の配合割合で用いて、例
えば塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢
酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネ
ート樹脂等の結着剤に顔料等他の添加剤とともに分散し
た磁気塗料を基体上に塗布することによって形成するこ
とができる。 【0016】次に、本発明による磁気記録媒体につい
て、以下図面を参照しつつその詳細を説明する。図1は
本発明による磁気記録媒の具体例である磁気カードの
平面図である。図2は図1のカードのX−Y線での断面
図である。非磁性の基体であるポリエステルフィルム1
の上に磁性層2が設けられている。磁性層には250〜
5000エルステッドの保磁力を持つ第一の磁性粉と
0.001〜100エルステッドの保磁力を持つ第二の
磁性粉とが99:1〜60:40の範囲から選ばれた重
量比率で含まれている。磁性層にはバーコード状のパタ
ーン3からなる固定情報が形成されている。 【0017】パターンは図3、4のように数字や文字、
図形としても良い。パターン3は、磁性層の他の部分4
とは磁性粉の配向状態及び分布状態が異なり、磁気ヘッ
ド、磁気抵抗素子等の磁気センサーを用いて、パターン
の形状、個数に対応した信号を検知することができる。
すなわち、パターン部分は磁性粉の配向状態及び分布状
態の変化として、磁性層に形成されている図2に示され
ているように厚さが他の部分4とは異なる固定情報であ
って、このパターンに対応する信号は、後から追加も消
去もできない固定化された信号となる。 【0018】図5は、図1に示した固定情報であるパタ
ーン部分を含むトラックを、磁性層が飽和磁化するレベ
ルの直流外部磁場を加えながら、磁気ヘッドで読みとり
を行ったときに検知される出力信号の電圧−時間の関係
を示すグラフである。縦軸は信号のレベル電圧を示し、
横軸は時間軸である。aはカードエッジに対応するパル
ス信号である。bはバーコード状のパターンに対応する
信号である。 【0019】上述のトラック部分は通常の磁気記録を行
うこともできるため、通常の磁気記録方式により任意の
情報や上記のパターンに相当する情報を磁化信号として
後から記録することができる。しかしこの磁化情報は、
記録・消去を可逆的に行うことができる情報であり、例
えば、磁性層が完全に飽和磁化するレベルの直流外部磁
場を加えれば、消去されてしまう。しかしながら、前記
の固定情報としてのパターン部分3に対応する信号は、
磁性層が飽和磁化するレベルの外部直流磁場を加えなが
ら、磁気ヘッドで読みとりを行っても検知することがで
きる。すなわち、後から通常の磁気記録により記録され
た信号は消去され、パターン部分3に由来する信号のみ
が検知される。従って、パターン部3に由来する信号
は、後から追加することも消去することも不可能な固定
情報となる。かかる固定情報として、パターンの形状、
個数の組み合わせを適宜設定して、これを真偽判定情報
(ID情報)とすることができ、カードが使用される度
に、この情報を照合することによりカードの真偽を確認
するという方式を採れば、カードの複製や不正使用を防
ぐことが可能となる。そして、該カードの固定情報が記
録されていない部分は、通常の磁気記録に使用すること
ができ、1本又は2本以上の磁気記録トラックを設定す
ることができる。 【0020】続いて図6を用いて、本発明の磁気記録媒
体の製造方法の詳細を説明する。非磁性体からなる基体
6を原反ロール(送り出しリール側)5から送り出し、
塗工ヘッド7で磁気塗料を塗布して磁気塗料塗布シート
8を形成する。磁気塗料は保磁力250〜5000エル
ステッドの第一の磁性粉と0.001〜100エルステ
ッドの第二の磁性粉とを前述の所定の配合割合で含有
し、更に分散剤、カーボンなどの添加剤やバインダー樹
脂、溶剤から成る。磁気塗料塗布シート8は、磁気塗料
が未乾燥の状態で磁場配向装置9で配向処理が施され、
続いて未乾燥の状態の磁気塗料は、磁石10でパターン
状に磁場が加えられることにより、磁気塗料中の磁性粉
の配向及び分布状態が異なる部分が形成される。しかる
後、乾燥機11で乾燥されて固定情報が記録された磁気
記録媒体が得られ、磁気原反ロールとして12に巻き取
られる。 【0021】パターン形成には例えば図7に示すよう
に、リング状のコアを持つ電磁石10を用い、これを磁
場配向装置9で配向処理が施された原反の幅方向にいく
つか並べて非磁性基体側から記録を行えば良い。電磁石
10にはパルス状の電流を流すことにより図7に示すよ
うなパターン3が形成できる。磁石としてはこれ以外に
も板状のコアをもつもの、原反を上下から挟む形の対向
磁極型のもの等の様々な形状のものを使用することがで
きる。 【0022】また図7の電磁石10の位置に図8
(イ)、(ロ)のように文字や数字状の板状永久磁石1
4を貼り付けたロール13を設置して磁化することもで
きる。すなわち、図9に示したように基体であるポリエ
ステルフィルム1の上に磁性層2が設けられている基材
の磁気塗料の塗布していない側から基体の進行方向に回
転する板状永久磁石を貼り付けたロール13により磁場
を加えることにより繰り返しパターンを形成してもよ
い。図9ではロールの表面に板状磁石14を複数個貼り
付けてロール13を構成している。また、図10は図7
の如き電磁石10に流すパルス電流を示すグラフであ
る。なお、図6及び図7では配向処理を行う場合を記載
したが、配向処理の方向は塗布方向と同じ方向に対して
行っても良いし、塗布方向に対して傾けても良い。また
配向処理を行わず、無配向のままパターン状に記録して
固定情報を形成しても良い。 【0023】図6に示すように、パターンを記録した部
分は、磁性層が未乾燥の間に磁場を加えられるため、こ
の磁場により、他の部分と磁性粉の配向状態が異なるこ
とになる。また磁場により磁性粉が集まるため、この部
分は他の部分に比べ層厚が厚くなるとともに磁性粉の分
布濃度が高くなる。磁性層には、これに重ねて、シルバ
ー着色層や白色着色層、またはアンカー層を形成した後
に金属蒸着薄膜層を形成しても良い。また着色層と組み
合わせて、更にロイコ感熱層を形成しても良いし、印刷
層や保護層を形成しても良く、また、これらの各層を適
宜組合わせた層構成とすることもできる。 【0024】 【発明の実施の形態】実施例1 磁性層用の磁気塗料を以下の配合で調製した。 バリウムフェライト(保磁力2750エルステッド、比表面積 8m/g) 90重量部 カルボニル鉄(保磁力10エルステッド、比表面積 1m/g) 10重量部 カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 上記混合物をサンドミルで3時間分散した後、分散液を
取り出し、更にポリイソシアネート樹脂を5部添加し十
分に攪拌を行い磁気塗料を得た。 【0025】次に図6に示す方法によりポリエステルフ
ィルム基材に磁気塗料を塗布した。磁性層は未乾燥の間
に磁場配向装置9により配向処理を施し、更に10でリ
ング状のコアを持つ電磁石に図10に示したパルス状の
電流を流すことにより発生するパルス状磁場を加え磁性
層の配向状態、磁性層の厚さ、磁性層中の磁性粉の分布
状態をバーコードパターン状に変化させることにより情
報を書き込み、更に続いて乾燥装置により磁気塗料を乾
燥させることにより磁性層を形成するとともに上記変化
部を固定して固定情報を記録した。なお、記録パターン
は105BPIのFM記録方式で行った。このようにし
て得られた磁気原反から図2に示したような断面構造を
持つJISサイズのカードを打ち抜いた。 【0026】このようにカードに形成、固定化されたバ
ーコード状のパターン部を含むトラックを、磁気カード
リーダーを用いて、2750エルステッドの磁性層が完
全に飽和磁化されるレベルの直流バイアス磁場を加えな
がら、読みとり磁気ヘッドによる信号の再生を行ったと
ころ、図5に示したようにパターンに対応した信号が得
られた。この信号は後から追加も消去もできない固定情
報であり、カードのID情報として用いることにより、
カードの偽造防止に使用することができた。また、固定
情報が形成されていない部分に、磁気カード記録再生装
置を用いて、210BPIのFM記録方式で、通常の磁
気記録、再生を行ったところ、十分な信号出力を持って
記録再生ができた。 【0027】実施例2 磁性層用の磁気塗料を以下の配合で調製した。 γ酸化鉄(保磁力300エルステッド、比表面積 20m/g) 80重量部 マグネタイト粉(保磁力25エルステッド、比表面積 10m/g) 20重量部 レシチン 1重量部 ポリエステル樹脂 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 上記混合物をサンドミルで3時間分散した後、分散液を
取り出し、更にポリイソシアネート樹脂を5部添加し十
分に攪拌を行い磁気塗料を得た。 【0028】次に図6に示す方法によりポリエステルフ
ィルム基材に磁気塗料を塗布した。磁性層は配向処理は
施さず、未乾燥の間に図8に示したような文字状の永久
磁石を貼り付けたロールを図6の10の位置に設置する
ことにより、図9に示した形で情報を書き込み、更に続
いて乾燥装置により磁気塗料を乾燥させることにより磁
性層を形成するとともに記録した情報を固定化した。 【0029】このようにして得られた磁気原反からJI
Sサイズのカードを打ち抜いた。このカードに形成、固
定化された文字状のパターン部を含むトラックを、磁気
カードリーダーを用いて、300エルステッドのカード
が十分に飽和磁化できる程度の直流バイアス磁場を加え
ながら読みとり磁気ヘッドによる信号の再生を行ったと
ころ、パターンに対応した信号が得られた。この信号は
後から追加も消去もできない固定情報であり、カードの
ID情報として用いることにより、カードの偽造防止に
使用することができた。また、固定情報が形成されてい
ない部分に、磁気カード記録再生装置を用いて、210
BPIのFM記録方式で、通常の磁気記録、再生を行っ
たところ、十分な信号出力を持って記録再生ができた。 【0030】実施例3 磁性層用の磁気塗料を以下の配合で調製した。 バリウムフェライト(保磁力1750エルステッド、比表面積 6m/g) 95重量部 センダスト粉(保磁力5エルステッド、比表面積 2m/g) 5重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 上記混合物をサンドミルで3時間分散した後、分散液を
取り出し、更にポリイソシアネート樹脂を5部添加し十
分に攪拌を行い磁気塗料を得た。 【0031】次に図6に示す方法によりポリエステルフ
ィルム基材に磁気塗料を塗布した。その他は実施例1と
同様に磁気カードを製造した。このカードに形成、固定
化されたバーコード状のパターン部を含むトラックを、
磁気カードリーダーを用いて、1750エルステッドの
磁性層が十分に飽和磁化されるレベルの直流バイアス磁
場を加えながら読みとり磁気ヘッドによる信号の再生を
行ったところ、図5に示したように、パターンに対応し
た信号が得られた。この信号は後から追加も消去もでき
ない固定情報であり、カードのID情報として用いるこ
とにより、カードの偽造防止に使用することができた。
また、固定情報が形成されていない部分に、磁気カード
記録再生装置を用いて、210BPIのFM記録方式
で、通常の磁気記録、再生を行ったところ、十分な信号
出力を持って記録再生ができた。 【0032】実施例4 磁性層用の磁気塗料を以下の配合で調製した。 Co被着γ酸化鉄(保磁力300エルステッド、比表面積 20m/g) 60重量部 マグネタイト粉(保磁力25エルステッド、比表面積 10m/g) 40重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 上記混合物をサンドミルで3時間分散した後、分散液を
取り出し、更にポリイソシアネート樹脂を5部添加し十
分に攪拌を行い磁気塗料を得た。 【0033】次に図6に示す方法によりポリエステルフ
ィルム基材に磁気塗料を塗布した。磁性層は配向処理は
施さず、その他は実施例1と同様に磁気カードを製造し
た。このカードに形成、固定化されたバーコード状のパ
ターン部を含むトラックを、磁気カードリーダーを用い
て、650エルステッドの磁性層が十分に飽和磁化され
るレベルの直流バイアス磁場を加えながら読みとり磁気
ヘッドによる信号の再生を行ったところ、図5に示した
ように、パターンに対応した信号が得られた。この信号
は後から追加も消去もできない固定情報であり、カード
のID情報として用いることにより、カードの偽造防止
に使用することができた。また、固定情報が形成されて
いない部分に、磁気カード記録再生装置を用いて、21
0BPIのFM記録方式で、通常の磁気記録、再生を行
ったところ、十分な信号出力を持って記録再生ができ
た。 【0034】比較例1 磁気塗料の配合を以下とする以外は、実施例1と同様に
磁気カードを製造した。 バリウムフェライト(保磁力2750エルステッド、比表面積 8m/g) 100重量部 カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 【0035】このようにして得られたカードに形成、固
定化されたバーコード状のパターン部を含むトラック
を、磁気カードリーダーを用いて、2750エルステッ
ドの磁性層が完全に飽和磁化されるレベルの直流バイア
ス磁場を加えながら、読みとり磁気ヘッドによる信号の
再生を行ったが、パターンに対応した信号は非常に小さ
く、実施例1の出力電圧の1/10程度であった。この
ため、実施例に比べ、信号のSN比が小さく、偽造防止
情報として用いるためには、ノイズの処理等の複雑な信
号処理が必要であった。なお、固定情報が形成されてい
ない部分に、磁気カード記録再生装置を用いて、210
BPIのFM記録方式で、通常の磁気記録、再生を行っ
たところ、十分な信号出力を持って記録再生ができた。 【0036】比較例2 磁気塗料の配合を以下とする以外は、実施例1と同様に
磁気カードを製造した。 バリウムフェライト(保磁力2750エルステッド、比表面積 8m/g) 50重量部 カルボニル鉄(保磁力10エルステッド、比表面積 1m/g) 50重量部 カーボンブラック 3重量部 レシチン 1重量部 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 20重量部 ポリウレタン樹脂 20重量部 トルエン 60重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 【0037】このようにして得られた磁気カードに形
成、固定化されたバーコード状のパターン部を含むトラ
ックを、磁気カードリーダーを用いて、2750エルス
テッドの磁性層が完全に飽和磁化されるレベルの直流バ
イアス磁場を加えながら、読みとり磁気ヘッドによる信
号の再生を行ったところ、図5に示したように、パター
ンに対応した信号が得られた。しかしながら、固定情報
が形成されていない部分に、磁気カード記録再生装置を
用いて、210BPIのFM記録方式で、通常の磁気記
録、再生を行ったところ、低保磁力磁性粉による磁気遮
蔽効果の影響により、十分な再生出力を得ることができ
ず、通常の磁気記録には実用上問題を有するものであっ
た。 【0038】 【発明の効果】本発明によれば、偽造、変造などの不正
使用を防止する磁気記録媒体を容易に製造し、提供する
ものであり、具体的には保磁力の異なる2種の磁性粉を
一定の割合で混合して磁気塗料を構成し、これを基体に
塗布し、乾燥する前に磁場をパターン状に加えて、磁気
塗料中の磁性粉の配向及び分布状態の変化部を形成し、
しかる後乾燥することによって固定情報を形成するとい
う構造により、固定情報から取り出す信号レベルも大き
く信号処理の安定性が高いという格別な効果を奏し、し
かも直流バイアス磁界を加えながら磁気ヘッドで読み取
りを行なうことにより、容易に比較的大きな信号を取り
出すことができるという効果も合わせ発揮できる。従っ
て、優れた不正使用防止機能を有すると共に、製造工程
が簡単でコストも安い磁気記録媒体を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明によるバーコード状パターンからなる固
定情報が形成されている磁気カードの平面図 【図2】図1のX−Y線の断面図 【図3】数字パターンを形成した磁性層を示す平面図 【図4】文字パターンを形成した磁性層を示す平面図 【図5】検知される信号の電圧−時間関係グラフ 【図6】本発明の磁気記録媒体の製造方法の概要説明図 【図7】リング状のコアを有する電磁石による記録方法
の説明図 【図8】永久磁石を貼り付けたロールの斜視図 【図9】永久磁石を貼り付けたロールによる磁化工程の
説明図 【図10】電磁石に流すパルス電流を示すグラフ 【符号の説明】 1 ポリエステルフィルム(基体) 2 磁性層 3 パターン 4 磁化配向層 5 原反(基体)送出しロール 6 非磁性体からなる基体 7 磁気塗料塗工ヘッド 8 磁気塗料塗布シート 9 磁場配向装置 10 磁石 11 乾燥機 12 巻取り(磁気記録媒体原反ロール) 13 永久磁石を貼り付けたロール 14 板状永久磁石 a カードエッジに対応するパルス信号 b バーコード状パターンに対応する信号
フロントページの続き (72)発明者 高木 久仁夫 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会 社巴川製紙所情報メディア事業部内 (56)参考文献 特開 平8−306037(JP,A) 特開 平3−256799(JP,A) 特開 昭63−69018(JP,A) 特開 平8−124155(JP,A) 特開 平7−29157(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性体からなる基体上に、250〜5
    000エルステッドの保磁力を持つ第一の磁性粉と、
    0.001〜100エルステッドの保磁力を持つ第二の
    磁性粉とを、重量比で99:1〜60:40の範囲で含
    有する磁性層であって、該磁性層に磁性粉の配向及び分
    布状態が異なって形成されている固定情報が記録されて
    いることを特徴とする磁気記録媒体。
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