JP6566418B2 - 磁気記録用積層体及びそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は磁気記録用積層体及びそれを用いて磁気記録層を設けた磁気記録媒体に関するものであって、特に磁気記録層の上に意匠性を有した非磁性層を設けた場合に発生するスペーシングロスによっても再生出力の低下と分解能の低下が少なく、さらに磁気記録層が意匠性を有した非磁性層の印刷適性に優れている低保持力の磁気記録用積層体とそれを用いた低保磁力の磁気記録媒体に関するものである。
非磁性体からなる基材の上に磁性粉末を含有する磁気記録層を設けた磁気記録媒体は、各種用途に使用されており、銀行預金カード・クレジットカード・IDカード・預金通帳・プリペイドカードなどの用途に広範囲に用いられている。
今日、銀行の銀行預金カードやクレジットカードなどにおいては、非磁性体の熱可塑性樹脂からなるカード用基材のおもて面側に磁気記録用積層体などによってストライプ状の磁気記録層を熱転写することなどによって積層し、さらにその上部に隠蔽層を印刷することによって磁気記録層を隠蔽し、さらにその上に印刷層などを設けた意匠性の高い磁気記録カードが広く一般的に使用されている。このような磁気記録カードの多くがJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている磁気記録カードである。このような磁気カードは一般的にはJIS2型磁気ストライプ付きカードと称され、日本国内の銀行預金カードや日本国内の信販会社の提携するクレジットカードに多く使用されている。
同様に預金通帳の多くは、非磁性体の紙クロスや布クロスなどの通帳表紙用基材のおもて表紙もしくは裏表紙の外面または内面もしくは両面に磁気記録層が設けられており、特に通帳表紙のおもて面に磁気記録層が設けられた場合には、前記磁気記録カードと同様に意匠性を有した非磁性層を設けて意匠性を高めた磁気記録預金通帳が多く用いられている。磁気記録預金通帳に関しては国内で統一した規格が存在しないが、磁気記録カード用読み取り装置と規格が同じ磁気読み取り装置が使用される事が多いため、磁気記録預金通帳の磁気特性や電磁変換特性などは通常JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に準拠している事が多い。
本発明における低保磁力の磁気記録積層体は、このようなJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定または準拠した磁気記録媒体に使用する事を想定しており、その保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲であり、通常は磁気記録層の磁性粉末としてコバルト被着針状酸化鉄粉末が使用されている事が多い。
前述したように近年では磁気記録カードや磁気記録預金通帳のおもて面に設けられた磁気記録層を非磁性体からなる隠蔽層で隠蔽し、さらにその上に企業のイメージカラーやキャラクターデザインなどの非磁性体からなる着色層や印刷層などを設け、さらに必要に応じて保護層として非磁性体からなる透明な樹脂層などを設けて用いられる事が非常に多くなっている。このように磁気記録層の上に意匠性を持たせるために様々な種類の非磁性層を設けると、非磁性層の厚みによって磁気ヘッドと磁気記録層の距離が大きくなることによって発生するスペーシングロスによって磁気情報の読み取り性能が急激に低下する傾向があった。このような問題は、磁気記録層の上に設けた意匠性を有した非磁性層の厚みがおおよそ10μmを超えてくると顕著に発生する事が知られている。
磁気情報の読み取り性能の低下は、磁気記録媒体の電磁変換特性のひとつである再生出力の低下が原因の一つである。本発明における再生出力とは磁気記録媒体に記録された情報が磁気ヘッドによって電気信号に変換された再生出力信号の電圧値の事であり、この際の再生出力信号の電圧値が小さすぎると読み取り機での磁気情報の読み取りが困難になるために、再生出力信号の電圧値はある一定以上の電圧値を有している事が必要である。再生出力の大きさは磁気記録媒体の磁気記録層表面の有効磁束数に比例し、磁気記録層表面の有効磁束数は磁気記録層の単位幅当たりの残留磁束密度に比例し、さらに磁気記録層の単位幅当たりの残留磁束密度は磁気記録層の厚みと比例しているため、磁気記録層の厚みを調整することによって磁気記録媒体の再生出力の調整が可能であり、通常は磁気記録層の上に設けられた意匠性を有した非磁性層の厚みの増加に応じて磁気記録層の厚みを増加させることによって再生出力を増加させてスペーシングロスに対応している。実際には最終的な磁気記録媒体のJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている再生出力信号の平均せん頭電圧が基準せん頭出力電圧の80%以上130%以下の範囲に入るように磁気記録積層体の単位幅当たりの残留磁束密度の範囲をあらかじめ設定し、その範囲に入るように磁気記録用積層体の単位幅当たりの残留磁束密度を測定しながら磁気記録用積層体の磁気記録層の厚みの調整を行っている。
また磁気情報の読み取り性能の低下は、磁気記録媒体の電磁変換特性のひとつである分解能の低下も原因の一つになっている。本発明における分解能はJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている電磁変換特性のひとつであるが、この分解能が小さくなると高周波領域で記録された磁気情報の再生出力が低下するために読み取り性能が低下する原因の一つとなっている。分解能は磁気記録層の上に設けられた意匠性を有した非磁性層の厚みによるスペーシングロスによって低下するが、さらには磁気記録層自体の厚みによってもスペーシングロスが発生して低下する事が分かっている。その為に再生出力に関しては通常は磁気記録層の厚みを調整してスペーシングロスに対応すれば良いが、分解能は再生出力の低下を補うために増加させた磁気記録層自体の厚みによってもスペーシングロスが発生して分解能が低下する為に、磁気記録層の厚みを単純に増加させることによって問題を解決することが困難であった。
前述したような磁気記録層の上部に設けた意匠性のある非磁性層のスペーシングロスに起因する問題が多く発生するようになった為に、特開2001−319318(特許文献1)に示されるように磁性粉末として特定の板状比を有した板状バリウムフェライトを磁性粉末として用い、さらに磁気記録層の角型比を限定することによってスペーシングロスによる再生出力と分解能の低下を抑制しようとする試みが多く行われた。
バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を使用した磁気記録層は一般的にコバルト被着針状酸化鉄粉末だけを使用した磁気記録層に比べて比較的容易にSFDを小さくする事が可能で、角型比も大きくすることが可能であるために、理論上はバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を磁気記録層に使用した磁気記録媒体の再生出力も分解能も比較的容易に向上させることが可能である。しかしながら、本発明で用いるような低保磁力タイプのバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末は同程度の保磁力を有したコバルト被着針状酸化鉄粉末に比べて粒子径が大きく、その粒子径がおおよそ1μm前後の大きさであり、さらには粒子形状が板状または柱状である為にバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を100%使用した磁気記録層においては磁性粉間の空隙が大きくなり、その結果として磁気記録層中の磁性粉密度をコバルト被着針状酸化鉄粉末を100%使用した磁気記録層の磁性粉密度よりも大きくする事が出来ないという傾向があった。その為にバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を100%用いた磁気記録層は、ある一定レベルまでの磁気記録媒体の再生出力と分解能の特性を向上させる事は問題ないものの、ある一定レベル以上の再生出力の大きさを得るためには磁気記録層の厚みを増やす必要があり、その結果として磁気記録層の厚みによるスペーシングロスによって分解能が低下するという問題があった。このように低保磁力のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末は優れた磁気特性を有するものの、磁性粉の粒子径や粒子形状などの影響で磁気記録層中の磁性粉密度をある一定以上上げる事が困難であるという傾向がある。このような理由から単純にコバルト被着針状酸化鉄粉末をバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末に切り替えられないといった問題があった。
逆に従来型のコバルト被着針状酸化鉄粉末はバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末に比べて粒子径も小さくその形状も針状である為に磁気記録層中の磁性粉密度を高くする事が比較的容易であるが、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末に比べてSFDや角型比といった磁気特性に関して劣っている為に、コバルト被着針状酸化鉄粉末を磁気記録層に使用した磁気記録媒体の再生出力をある一定以上大きくするためには磁気記録層の厚みを増やす必要があり、その結果として磁気記録層の厚みによるスペーシングロスによって分解能が低下するという問題があった。
また前述したようなスペーシングロスによる問題とは別に、従来のコバルト被着針状酸化鉄粉末を使用した磁気記録媒体の磁気記録層の上に少なくとも隠蔽層や印刷層からなる意匠性を有した非磁性層を印刷した際に、ある特定の条件において磁気記録層が隠蔽層の塗料を吸収しすぎてしまう為に想定した隠蔽性が得られないという問題も存在していた。さらにこの問題を解決する為に隠蔽層の厚みを増やすと、その事が原因でスペーシングロスが発生し、磁気記録媒体の再生出力や分解能が低下するという新たな問題も発生した
特開2001−319318公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、磁気記録層の上に意匠性を有した非磁性層を設けた場合に発生するスペーシングロスによっても再生出力と分解能の低下が少なく、さらに磁気記録層が意匠性を有した非磁性層の印刷適性に優れた低保持力の磁気記録用積層体とそれを用いた低保磁力の磁気記録媒体の発明が主たる課題である。
これらの問題を解決する為に、本発明者は、フィルム基材上に少なくとも磁気記録層を設けた磁気記録用積層体において、磁気記録層の厚みが5〜15μmの範囲であって、磁気記録層が保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のコバルト被着針状酸化鉄粉末と保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を質量比で70:30〜10:90の割合で含有し、磁気記録層に含まれるコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の各々のBET比表面積(JIS Z8830)から算出された混合磁性粉末のBET比表面積が5.0〜25.0m /gの範囲であって、磁気記録用積層体の保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲で、且つ磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが0.125T(1250G)以上0.200T(2000G)以下である磁気記録用積層体を発明するに至った。この構成であれば、磁気記録層の上に隠蔽層や印刷層などの意匠性を有した非磁性層を設けた場合に発生するスペーシングロスによっても再生出力の低下と分解能の低下が少ない低保磁力の磁気記録用積層体を提供することが可能となる。
(削除)
さらに磁気記録用積層体のJIS X6302−6付属書に記載のSFD(switching field by derivative)が0.01〜0.45の範囲である事がより好ましい。磁気記録用積層体のSFDがこの範囲内であれば、再生出力の立ち上がり特性が良くなり、その結果として再生出力の低下と分解能の低下がより少ない低保磁力の磁気記録用積層体を提供することが可能となる。
(削除)
前述した各種磁気記録用積層体の磁気記録層の設けられた面の最上部に接着層を設けた転写型磁気記録用積層体を用いる事により、転写方式によって各種非磁性基材に対して磁気記録層を設け、各種磁気記録媒体を提供する事が可能となる。
前述した各種磁気記録用積層体の磁気記録層が設けられた面の他方の面の最上部に接着層を設けた貼付型磁気記録用積層体を用いる事により、貼付方式によって各種非磁性基材に対して磁気記録層を設け、各種磁気記録媒体を提供する事が可能となる。
前述した各種磁気記録用積層体を用いて、非磁性体からなる基材上に少なくとも接着層を介して磁気記録層を設け、さらにその上部に必要性に応じて意匠性を有した非磁性層を設けても、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている再生出力信号の平均せん頭電圧が基準せん頭出力電圧の80%以上130%以下であり、且つ分解能が70%以上である低保磁力の磁気記録媒体を容易に作成することが可能となり、その結果として磁気情報の読み取り性能に優れた低保磁力の各種磁気記録媒体を提供することが可能となる。
本発明によれば、磁気記録層の上に意匠性を有した非磁性層を設けた場合に発生するスペーシングロスによっても再生出力と分解能の低下が少なく、さらに磁気記録層が意匠性を有した非磁性層の印刷適性に優れた低保磁力の磁気記録用積層体とそれを用いた低保磁力の磁気記録媒体を提供することが可能となる。
本発明の転写型磁気記録用積層体の一例を示す模式的断面図である。 本発明の転写型磁気記録用積層体の一例を示す模式的断面図である。 本発明の転写型磁気記録用積層体の一例を示す模式的断面図である。 本発明の図1に示す転写型磁気記録用積層体を用いて磁気記録カード用オーバーシートへ磁気記録層を転写している状況を説明するための一例を示す模式的断面図である。 本発明の図1に示す転写型磁気記録用積層体を用いて磁気記録カード用オーバーシートへ磁気記録層を転写した後の磁気記録カード用オーバーシートの一例を示す正面図である。 本発明の図4に示す磁気記録層が転写された磁気記録カード用オーバーシートを用いて作成された磁気記録カードの一例を示す模式的断面図である。 図6に示す磁気記録カードの上にさらに意匠性を有した非磁性層を積層して作成された磁気記録カードの一例を示す模式的断面図である。 図3に示す磁気記録用積層体を用いて作成された磁気記録カードの一例を示す模式的断面図である。 本発明の貼付型磁気記録用積層体の一例を示す模式的断面図である。 本発明の貼付型磁気記録用積層体の一例を示す模式的断面図である。 図10に示す貼付型磁気記録用積層体を用いて作成された磁気記録預金通帳の一例を示す模式的断面図である。 本発明の貼付型磁気記録用積層体を用いて作成された磁気記録預金通帳の一例を示す正面図である。 磁気記録層のMH曲線のヒステリシスループの説明図。
本発明における磁気記録用積層体は、基本的に図1に例示されるようにフィルム基材1の上に磁性粉とバインダー成分等からなる磁気記録層2を少なくとも有した構造となっている。図1〜図3は磁気記録用積層体のうち磁気記録層2を磁気記録カード用オーバーシートa10へ接着層による転写によって形成するタイプの転写型磁気記録用積層体4の各種実施例の例示である。転写型磁気記録用積層体4は基本的に図1に示すようにフィルム基材1の上に設けた磁気記録層2とそのさらに上部に設けた接着層3からなるが、必要に応じて図2に示すように磁気記録層2の転写性を向上させるためにフィルム基材1と磁気記録層2との間に剥離層6を設けたり、図3に示すように意匠性を向上させるために磁気記録層2と剥離層6の間に隠蔽層7や印刷層8などの意匠性を有した非磁性層を設けたりしてもよい。
図4〜図7は図1に示す転写型磁気記録用積層体4を用いて磁気記録層2等を設けた磁気記録カード15の作成工程や実施形態を例示したものである。磁気記録カード15の作成工程の最初の工程として、図4に示すように厚さ約100μmの非磁性基材であるPVC(ポリ塩化ビニル)樹脂製のオーバーシートa10と転写型磁気記録用積層体4を接着層3が間に挟まれるように重ね合わせ、フィルム基材の磁気記録層2を設けた面の反対側の面から熱・圧力・超音波などを加える事によって接着層3とオーバーシートa10を接着させ、さらにフィルム基材を剥離することによって接着層3を介して磁気記録層2と接着層3をオーバーシートa10上に転写させる転写工程が行われる。図5は転写型磁気記録用積層体4を用いて磁気記録層2をオーバーシートa10に転写した後のオーバーシートaの正面図である。
磁気記録カード15作成工程の次の工程として、磁気記録層2が設けられたオーバーシートa10と、厚さ約280μmのPVC樹脂製のコアシートa12及びコアシートb13と、オーバーシートa10と同じ材質で同じ厚みのオーバーシートb11を順次積層した後に、熱プレス成型機により各シート基材間を熱溶融接着させて各シートを一体化させ、同時に磁気記録層2がオーバーシートa10と面一になるように成型される。図6は図4に示す磁気記録層2が転写されたオーバーシートa10を用いて熱プレス成型して作成された磁気記録カード15の模式的断面図である。説明の都合上の為に各オーバーシート及びコアシートの境界面を表示しているが、実際には各シートは熱溶融接着されて一体化している為に境界線は明確に存在しない。この時の磁気記録カード15の物理的特徴はJIS X6301の「識別カード−物理的特性」に規定されている。
磁気記録カード15は図6の状態でそのまま用いられることもあるが、本発明における転写型磁気記録用積層体4は「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」と称される磁気記録カードのおもて面に磁気記録層2を設けるタイプの使用方法が多い為に、一般的には図7に示すように図6の磁気記録カード15の磁気記録層2の設けられた面側に隠蔽層16や印刷層17やクリア層18などの意匠性を有した非磁性層9を設けることによって磁気記録層2を隠して磁気記録カードのおもて面に意匠性の高い装飾や耐久性能を付与して使用されることが多い。
また図7の磁気記録カード15とは異なり、図3に示すように磁気記録層2と剥離層6の間に隠蔽層7や印刷層8などの意匠性を有した非磁性層9をあらかじめ設けた転写型磁気記録用積層体4を用いて作成したタイプの磁気記録カード15も存在し、図8にその実施例の模式的断面図を例示する。図8に見られるように、剥離層6の一部は磁気記録層2などと共に磁気記録カード用基材14に転写されて図7におけるクリア層と同じような耐久性能を付与する役割を果たす。
磁気記録用積層体は、前述した転写型磁気記録用積層体4のほかに、図9に示すようにフィルム基材1の一方の面に少なくとも磁気記録層2を設け、さらに磁気記録層2の設けられた面の他方の面に接着層20を設けた貼付型磁気記録用積層体19がある。貼付型磁気記録用積層体19は磁気記録預金通帳23に用いられることが多く、その際には図10に示すようにあらかじめ磁気記録層2の上部に隠蔽層7や印刷層8やクリア層21などの意匠性や耐久性を付与するための非磁性層を設けた貼付型磁気記録用積層体19を使用することが多い。図11は図10の貼付型磁気記録用積層体19が非磁性基材である布クロス製の磁気記録預金通帳用基材22に貼付された状態を例示した模式的断面図であり、図12は図11の正面図に相当し、実際の磁気記録預金通帳23に使用しているところを例示した図である。磁気記録預金通帳用基材22やそれに使用される貼付型磁気記録用積層体19に関する物理的特徴に関しては前述した磁気記録カードのようにJISで規定されていないが、磁気情報の読み取りに関しては磁気記録カードと同じ仕組みを使用している事が多い為に、貼付型磁気記録用積層体19の磁気特性や電磁変換特性に関してはJISX6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に準拠している必要がある。
<磁気記録用積層体及び磁気記録媒体について>
次に本発明における磁気記録用積層体と磁気記録媒体についての詳細な説明を下記に示す。
<磁気記録用積層体>
本発明の磁気記録用積層体はJIS X6302−2付属書「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定または準拠した磁気記録媒体に使用することが想定されているので、磁気記録用積層体の保磁力Hcは47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲であることが少なくとも必要であり、さらに本発明における磁気記録用積層体の残留磁束密度Brは0.125T(1250G)以上であることが必要である。磁気記録用積層体の残留磁束密度Brとはより具体的に説明すると磁場Hが0の時の磁気記録用積層体における磁気記録層の単位体積当たりの磁束の数を表す値であり、この値が大きければ磁気記録層の厚みが薄くても再生出力に影響する磁気記録層表面の磁束数が充分となるが、逆にこの値が小さいと磁気記録層表面の磁束数が少なくなる為に磁気記録層の厚みを増やして対応しなければならなくなり、結果的に磁気記録層の厚みの影響でスペーシングロスが発生して分解能が低下する問題が発生する。本発明者が検討した結果、磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが0.125T(1250G)以上あれば、磁気記録用積層体を用いて作成した磁気記録媒体の磁気記録層の上部に意匠性を有した非磁性層を10μm以上設けても、再生出力や分解能といった電磁変換特性の低下が少なく、磁気記録媒体の読み取り性能に問題が発生しない事を確認した。
なお本発明における磁気記録用積層体の磁気特性は、理研電子株式会社製の振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定を行った。図13にVSMで試料の磁気特性を測定した時の磁界(H)と磁化(M)の関係を表すMH曲線のヒステリシスループの一例を表す。図13を用いて本発明における各種磁気特性について下記で説明する。なおVSMにおいて各磁気特性の単位に関してはcgs単位系で表記及び計算される為、下記説明文中にはcgs単位系の表記でそのまま説明し、cgs単位系をSI単位系に換算する為の換算式を併記する。
「各磁気特性の説明」
・最大磁場 Hm(Oe):試料に印加された最大の磁界。
(換算式)1(Oe)=10/4π(A/m)
・最大磁化 Mm(emu):MH曲線において、+Mmと−Mmの絶対値の平均。
(換算式) 1(emu)=10−3(A/m
・残留磁化 Mr(emu):MH曲線において+Mrと−Mrの絶対値の平均。
・残留磁束密度 Br(G):残留磁化Mrを単位体積当たりの量にて評価した値。
(計算式) Br(G)=4π×Mr(emu)/試料体積(cm
(換算式) 1(G)=10−4(T)
・保磁力 Hc(Oe):MH曲線において、+Hcと−Hcの絶対値の平均値。
・SFD:微分したMH曲線の半分の高さにおける幅(ΔH)を同一曲線上の保磁力の絶対値で除したもの。
(計算式)SFD=ΔH÷|−Hc|
・角型比 Rs:MH曲線において、(+Mr/+Mm)と(−Mr/−Mm)の平均値。
<磁気記録媒体>
本発明の磁気記録用積層体はJIS X6302−2付属書「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定または準拠した磁気記録媒体に使用することが想定されているので、本発明における磁気記録用積層体を用いた磁気記録媒体の電磁変換特性である再生出力や分解能の性能値はJIS X6302−2付属書「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」で規定されている規格値に入る事が必要であり、磁気記録積層体および磁気記録媒体を設計する際にはその点に充分注意して検討を行う必要がある。この付属書において再生出力に関しては「出力信号電圧」の項目において、分解能に関しては「分解能」の項目においてそれぞれ規定されており、その内容について下記で説明する。
<<電磁変換特性の説明>>
<出力信号電圧(再生出力)>
「磁気ストライプの全トラック幅にわたり、8磁束反転/mmの密度で基準磁界の350〜500%の磁界を印加して方形波信号を記録する。これを再生したとき、その再生出力信号の平均せん頭電圧は、基準せん頭出力電圧の80%以上、且つ、130%以下でならなければならない。」
※本発明において電磁変換特性のひとつとして記述している「再生出力」とは「再生出力信号の電圧値」を意味している。「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」の「再生出力」について「再生出力信号の平均せん頭電圧」を用いて規定したものが、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」の中の「出力信号電圧」の規定である。「出力信号電圧」の規定は、対象となる磁気記録媒体に特定の条件で磁気情報を記録し、それを磁気ヘッドによって読み取り再生した時の再生出力信号の平均せん頭電圧が、基準となる磁気記録媒体の再生時の再生出力信号のせん頭出力電圧の80〜130%の範囲に入るように規格化したものである。スペーシングロスなどが発生した場合にはこの再生出力信号の平均せん頭電圧が低下してしまい読み取りが困難になる問題が発生する。
<分解能>
「基準磁界の350〜500%の磁界を印加して方形波信号を記録した時、20磁束反転/mmの記録密度における再生ヘッド出力信号の平均せん頭電圧は、8磁束反転/mmの記録密度における再生ヘッド出力信号の平均せん頭電圧の70%以上でなければならない。」
磁気記録媒体の電磁変換特性は磁気記録媒体の最終形態における特性値であるので、磁気記録用積層体の設計時には最終的な磁気記録媒体における意匠性を有した非磁性層の厚み等の影響を考慮して磁気記録媒体に用いられる磁気記録用積層体の磁気記録層の配合や厚みを調整する必要がある。この際に最終的な磁気記録媒体の再生出力に関しては、磁気記録媒体に設けられる意匠性を有した非磁性層の厚みや磁気記録媒体に用いられる磁気記録用積層体の残留磁束密度や角型比やSFDなどの磁気特性などの影響を考慮した上で磁気記録用積層体の設計を行う必要があるが、分解能に関してはさらに磁気記録用積層体の磁気記録層の厚みが分解能低下の原因の一つとなる為に、磁気記録用積層体を設計する上では、分解能に影響を与える磁気記録層の厚みも考慮することが必要である。
発明者は検討の結果JIS X6302−2付属書「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定または準拠した磁気記録媒体において、非磁性基材上に設けられた磁気記録層の上部に意匠性を有した非磁性層を10μm以上設けても、再生出力信号の平均せん頭電圧が基準せん頭出力電圧の80%以上130%以下であり、且つ分解能が70%以上となる為には、磁気記録用積層体の磁気記録層がコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を含有し、磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが少なくとも0.125T(1250G)以上あることが必要であるという結論に至った。磁気記録用積層体が前記条件であれば、それを用いた磁気記録媒体は磁気記録層の厚みを大きくし過ぎなくても充分な再生出力を得る事が可能である為に磁気記録層自体の厚みの増大による分解能の低下を抑制することも可能となる。磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが0.125T(1250G)を下回ると、意匠性を有した非磁性層を10μm以上設けると磁気記録用積層体を用いた磁気記録媒体の再生出力と分解能が低下し、磁気情報の読み取りに問題が発生してしまう。なお磁気記録用積層体の残留磁束密度Brの上限は特に限定はされないが、現実的な数値として0.20T(2000G)以下であればよいと考えられる。それ以上残留磁束密度が大きくなると、前述した磁気記録用積層体を使用した磁気記録媒体の再生出力信号の平均せん頭電圧を基準せん頭出力電圧の80%以上130%の範囲に入れようとすると、磁気記録層の厚みを5μm未満にしなければならない可能性が生じる。一般的に磁気記録層の厚みが5μm未満になると、磁気記録層の塗布量ばらつきや磁気記録層表面の粗さなどが磁気特性や電磁変換特性に与える影響が大きくなり磁気記録媒体の磁気特性及び電磁変換特性が不安定になってしまう為に、磁気記録用積層体の残留磁束密度Brの上限は0.200T(2000G)以下にすることが望ましい。
<磁気記録用積層体の各構成体>
次に本発明における磁気記録用積層体の各構成体についての詳細説明を下記に示す。
(フィルム基材)
本発明における磁気記録用積層体に用いられるフィルム基材は特に限定はされず、従来公知の材料を適宜選択して用いることが出来る。このようなフィルム基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が挙げられるが、適度な耐熱性と強度を有するPETフィルムを使うことが最も好ましい。これらのフィルム基材の厚みは特に限定されず、使用用途に応じて強度、耐熱性、熱伝導性等が適切になるように材料に応じて適宜選択すればよいが、その厚みは12〜50μmである事が好ましく、さらに熱伝導性が良好であるという理由から12〜38μmの範囲がより好ましい。
(剥離層)
本発明における磁気記録用積層体の剥離層は、転写型磁気記録用積層体の転写工程の際にフィルム基材から磁気記録カード用基材のオーバーシート等へ磁気記録層を適切に転写させる為に必要な層である。その主原料は特に限定されず、各種公知の原料を使用することが可能であるが、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂といった熱溶融時に強い接着性を発現せず、離型性に優れた熱可塑性樹脂を使用することがより好ましい。
本発明における磁気記録用積層体の剥離層の付着量は特に限定はされないが、図2の転写型磁気記録用積層体のように剥離層が磁気記録層をフィルム基材から剥離させる機能だけを持たせたいのであれば、剥離層の厚みは0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましい。また図3の転写型磁気記録用積層体のように剥離層がフィルム基材からの剥離機能だけでなく、さらにその一部を磁気記録層と共に磁気記録カード用基材に転写させてクリア層のような機能を持たせたいのであれば、0.1〜3.0μmの範囲であることが好ましい。剥離層の塗装方法は特に限定されず、フィルム基材に対して各種公知の塗装方法で塗装すればよい。
(磁気記録層)
本発明における磁気記録用積層体の磁気記録層は、少なくともバインダー樹脂と各種磁性粉を主原料とし、副原料として、各種エラストマー、各種界面活性剤、各種可塑剤、各種架橋剤、有機無機の各種フィラーなどを適宜必要に応じて添加してもよい。本発明におけるバインダー樹脂成分としては、各種公知の樹脂を使用することが可能であり、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられるが、特に磁性粉の分散性や耐候性などの面からポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂などのポリ塩化ビニル系樹脂をバインダー樹脂の主成分として使用することが好ましい。なお前記バインダー樹脂は単独もしくは複数を混合して使用しても良い。
本発明における磁気記録用積層体の磁気記録層は、前記磁気記録層用原料と各種溶媒を撹拌混合した後にビーズミルやピンミルなどの各種公知の分散機などによって磁性粉等をバインダー樹脂に均一に分散した塗料をグラビアコーティングやバーコーティングやダイコーティングなどの各種公知の塗装方法によって塗装し、各種公知の配向方法、例えば反発対向永久磁石やソレノイド電磁石などで磁気記録層に磁場を印加して磁気記録層の配向性を高めた後に乾燥ゾーンで充分に乾燥させる。
本発明における磁気記録用積層体の磁気記録層の厚みは5〜15μmの範囲であることが好ましく、8〜13μmの範囲であることがさらに好ましい。磁気記録層の厚みが5μmより小さくなると磁気記録層の厚みばらつきや磁気記録層表面の粗さなどの影響で磁気特性や電磁変換特性が不安定になる傾向があり、逆に磁気記録層の厚みが15μmより大きくなると磁気記録層の厚みによるスペーシングロスの影響が大きくなり磁気記録媒体の分解能が低下してしまう傾向がある。
本発明における磁気記録用積層体の磁気記録層に使用する磁性粉の添加量は特に限定されないが、磁気記録層中における磁性粉とバインダー樹脂の割合は質量比で100:10〜100:35の範囲であることが好ましい。磁性粉の添加量が前記範囲内であれば、磁気記録層の塗装性と塗膜強度が良好で、さらに磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが不足することなく安定する。
本発明における磁気記録用積層体の磁気記録層に使用する磁性粉の保磁力Hcは特に限定はされないが、本発明の磁気記録用積層体の保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)である必要があるので、磁性粉自体の保磁力Hc は47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲であることが磁気記録用積層体の保磁力Hcを調整する上でより好ましい。
また本発明における磁気記録用積層体の残留磁束密度Brは0.125T(1250G)以上である事が必要であり、本発明者らはこのような要求性能を満たすため、各種磁性粉や配合を検討した結果、コバルト被着針状酸化鉄粉末とマグネトプランバイト型六方晶フェライトであるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を混合して磁気記録層に使用すれば解決可能である事を確認するに至った。
前述したように、従来型の低保磁力のコバルト被着針状酸化鉄粉末だけを使った磁気記録層では磁気記録層中の磁性粉密度は高いものの、磁性粉自体のSFDや角型比といった磁気特性がバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末に比べて劣っており、磁気記録用積層体の残留磁束密度Brを0.125T(1250G)以上にする事が困難であった。逆に低保磁力のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末だけを使った磁気記録層では磁気特性は優れているものの、粒子径や粒子形状による影響で磁気記録層中の磁性粉密度をコバルト被着針状酸化鉄粉末と比べて高くする事が困難であり、その結果として磁気記録用積層体の残留磁束密度Brを0.125T(1250G)以上にする事が困難であった。本発明者が磁性粉配合について検討した結果、コバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を混合したものを磁気記録層に使用すると、磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが容易に0.125T(1250G)以上に向上する事を確認した。この現象がなぜ起こるのかについての正確な理由は定かではないが、磁気記録層中のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末同士の隙間にコバルト被着針状酸化鉄粉末が入りこむ事によって、磁気記録層中の磁性粉密度が向上し、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末とコバルト被着針状酸化鉄粉末がお互いの弱点を補う事によって残留磁束密度が向上したのではないかと考えられる。
本発明の磁気記録層に使用されるコバルト被着針状酸化鉄粉末の作成方法は特に限定されないが、従来公知の製造方法で作成されたマグネタイト(Fe)またはγ−Feなどからなる針状酸化鉄粉末の表面にコバルトイオンを薄く吸着させたコバルト被着マグネタイトやコバルト被着γ−Feであればよい。一般的にマグネタイトやγ−Feなどの針状酸化鉄粉末にコバルト被着処理を行う前と後の磁性粉を各々用いて磁気記録用積層体を作成すると、コバルト被着処理を行った磁性粉を用いた磁気記録用積層体のほうが高い保磁力Hcと残留磁束密度Brを得ることが可能である。
本発明の磁気記録層で使用されるコバルト被着針状酸化鉄粉末の保磁力Hcは前述したように特に限定はされないが、47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲であることが好ましい。コバルト被着針状酸化鉄粉末の保磁力Hcが前述した範囲であれば、作成した磁気記録用積層体の保磁力Hcを47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲に調整することが容易となる。
本発明の磁気記録層で使用されるコバルト被着針状酸化鉄粉末の平均粒子径は特に限定はされないが0.30〜3.00μmの範囲であることが好ましく、さらには0.30〜1.00μmの範囲であることがより好ましい。コバルト被着針状酸化鉄粉末の平均粒子径が前記範囲内であれば、磁気記録層の磁性粉密度の低下によるスペーシングロスの発生を抑制することが可能であり、磁性粉粒子の過剰な微細化による形状異方性の損失による磁性粉の飽和質量磁化σsの低下も抑制することが可能となる。
本発明の磁気記録層で使用されるコバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積(JIS Z8830)は特に限定はされないが10.0〜35.0m/gの範囲が好ましく、さらには15.0〜25.0m/gの範囲であることがより好ましい。コバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積が10.0m/g未満になると磁性粉のバインダー樹脂に対する分散性が悪くなる傾向があり、逆に35.0m/gを超えると磁気記録層の上に意匠性を有した非磁性層を設けた場合の印刷適性や磁気記録層の物理的な強度が低下する傾向がある。基本的に磁性粉のBET比表面積が大きくなると、その磁性粉を使用した磁気記録積層体の残留磁束密度Brが小さくなる傾向がある為、使用するコバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積はなるべく小さいものを選定することが好ましい。
一方、本発明の磁気記録層で使用されるもう一つの磁性粉であるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末は、マグネトプランバイト型六方晶フェライトの一種であり、その基本構造はBaO・6Feの式で表す事が出来る。通常バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末はハードディスクなどの垂直磁気記録用媒体に使用されることが多く、その用途におけるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の粒子径はおおよそ0.01〜0.30μmと微細で、保磁力も2700Oe以上と高い。バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末は、容易にSFDを低下させ、さらに角型比を高くすることが可能である為に、従来から「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」などの低保磁力の磁気記録媒体に利用が検討されてきたが、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を低保磁力化すると磁性粉の飽和質量磁化σsが低下したり優れたSFDの性能が失われてしまったりするといった課題があった為に実用化するのが困難であったが、近年製造方法を工夫したり、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末中の鉄元素の一部をSc、Ti、V、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mgなどの元素で置換して保磁力や飽和質量磁化やSFDや配向性などをコントロールすることが検討されたり、粒子径を緻密にコントロールする方法が開発されたりすることによって、59.68kA/m(750Oe)以下の低保磁力でもSFDを低く抑え、且つ飽和質量磁化σsの低下を抑制することに成功した。本発明で使用されるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末は製法や置換される元素などの種類で特に限定されないが、保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲であることがより好ましい。バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の保磁力Hcが前述した範囲であれば、作成した磁気記録用積層体の保磁力Hcを47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲に調整することが容易である。
本発明の磁気記録層で使用されるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の平均粒子径は特に限定されないが、0.3〜3.0μmの範囲であることが好ましく、さらに0.30〜1.0μmの範囲であることがより好ましい。磁性粉の粒子径と粒度分布は、磁性粉の保磁力とSFD値に影響しているため、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の平均粒子径が前記範囲内であり、かつ磁性粉の粒度分布のばらつきがより狭ければ、低保磁力でSFD値をより低く抑える事が可能となる。バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の平均粒子径が前記範囲より小さくなると磁性粉の保持力が高くなり、前記範囲より大きくなると、磁気記録層の磁性粉密度の低下によるスペーシングロスが発生しやすくなる傾向がある。
本発明の磁気記録層で使用されるバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末のBET比表面積は特に限定はされないが、3.0〜15.0m/gであることが好ましく、さらには5.0〜15.0m/gであることがより好ましい。バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末はコバルト被着針状酸化鉄粉末に比べてBET比表面積が小さい為にバインダー成分に対しての分散性がもともと乏しいが、BET比表面積が3.0m/g未満だと分散性が顕著に悪化する傾向がある。バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末のBET比表面積が15.0m/gを超えるとそのバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を使用した磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが不足する傾向がある。
本発明における磁気記録用積層体は、前述したように磁気記録層がコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を含有し、磁気記録用積層体の保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲で、且つ残留磁束密度Brが0.125T(1250G)以上である事が少なくとも必要であるが、さらには磁気記録用積層体の磁気記録層が保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のコバルト被着針状酸化鉄粉末と保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を質量比で70:30〜10:90の割合で含有している事がより好ましい。前記条件の範囲内であれば、磁気記録用積層体を用いた磁気記録媒体はより優れた再生出力と分解能を有するだけでなく、磁気記録層の上部に意匠性を有した非磁性層を10μm以上設けても再生出力と分解能を充分に満足する為に、磁気記録媒体の読み取り性能がさらに向上する。
前述したような磁気記録層に使用しているコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の添加量の比率は残留磁束密度Brに影響を与えるだけでなく、磁気記録層の上に設ける意匠性を有した非磁性層の印刷適性にも影響を与える。
例えばコバルト被着針状酸化鉄粉末はもともとBET比表面積(JIS Z8830)が大きい為に磁気記録層中のバインダー樹脂に対する分散性は良好であるが、磁気記録層にコバルト被着針状酸化鉄粉末だけを使用した磁気記録媒体においてコバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積がある一定以上の大きさになると、その上部に隠蔽層などを印刷した時に磁気記録層に隠蔽層の塗料が浸み込んでしまって充分な隠蔽性が得られないという問題が発生することがあった。このような隠蔽性の不足を補う為に隠蔽層の厚みを増やしたところ、スペーシングロスによる再生出力や分解能の低下という新しい問題が発生するようになった。一方でバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末はBET比表面積が小さい為に、コバルト被着針状酸化鉄粉末と適切な割合で混合して使用すると隠蔽層などの塗料の浸み込みが少ないといった優れた性能を有している。
本発明の発明者はこのような点に注目し検討を重ねた結果、磁気記録層に用いられるコバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末のBET比表面積から算出したコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末からなる混合磁性粉のBET比表面積の値が5.0〜25.0m/gの範囲、さらに好ましくは8.0〜20.0m/gの範囲であれば、磁気記録層に対する印刷適性が良好で、磁気記録層に隠蔽層などの塗料が浸み込む事が原因となって発生するスペーシングロスを抑制する事が可能である事を見出した。
本発明の各種磁気記録用積層体に使用されている混合磁性粉末のBET比表面積は下記式によって算出した。下記式は実質的には混合磁性粉の比表面積の合計を混合磁性粉の質量の合計で割った値である。
「混合磁性粉末のBET比表面積の計算式」
混合磁性粉末のBET比表面積(m/g)=((コバルト被着針状酸化鉄粉末のBET比表面積(m/g)×コバルト被着針状酸化鉄粉末の添加量(g))+(バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末のBET比表面積(m/g)×バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の添加量(g)))÷(コバルト被着針状酸化鉄粉末の添加量(g)+バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の添加量(g))
本発明における磁気記録用積層体のSFDは0.45以下であることが好ましく、さらに0.35以下であることがより好ましい。SFDは電磁変換特性を考える上で、再生出力信号の立ち上がり性能に影響を与える特性である。この数値が小さければ小さいほど再生出力信号の立ち上がり性能が向上する為、結果として再生出力や分解能が向上するといった電磁変換特性にとって良い傾向が表れる。SFDの値は磁気記録層にコバルト被着針状酸化鉄粉末だけを用いると再生出力信号の立ち上がり性能を満足させるにはやや高過ぎるSFDの値を示す傾向があるが、バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を添加することによって急激に低下させることが可能である。また前述したように使用する磁性粉の保磁力のばらつきによっても影響がある。本発明の磁気記録層中の磁性粉の配合設計を考える上ではSFDの値を考慮に入れながら設計する必要がある。なおSFDは小さければ小さいほどよく、その下限値については特に限定はされないが、実現可能な数値として0.01を下限値とする。
本発明における磁気記録用積層体の角型比Rsについては特に限定はされないが、0.80以上であることが好ましく、さらには0.90以上であることがより好ましい。角型比は再生出力や分解能の性能に影響を与え、その値は大きければ大きいほど良い。その上限値については特に限定はされないが、実現可能な数値として0.99を上限値とする。本発明で使用するような低保磁力のコバルト被着針状酸化鉄粉末だけを磁気記録層に用いても磁気記録用積層体の角型比を0.80以上にする事も可能であるが、さらにバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を添加すれば磁気記録用積層体の角型比をより容易に向上させることが可能である。
(接着層)
本発明における磁気記録用積層体は、磁気記録カードなどの基材である樹脂製のシートに熱転写されて使用される転写型磁気記録用積層体と、磁気記録通帳などの基材である布クロスに貼付されて使用される貼付型磁気記録用積層体の大きく2つ種類の磁気記録用積層体に分けられる。2つの種類の磁気記録用積層体に共通している点としては、磁気記録用積層体を用いて磁気記録媒体に磁気記録層を設ける場合に、磁気記録層が各種磁気記録媒体の基材上に少なくとも接着層を介して設けられている点である。
転写型磁気記録用積層体の接着層は、主に熱溶融接着する事を前提に考えられている為に、ホットメルトタイプの接着剤からなる事が好ましい。転写型磁気記録用積層体の接着層は、熱接着性を有した熱可塑性樹脂を主原料とし、その他副原料として各種熱可塑性樹脂や各種無機及び有機フィラーや各種ワックス類を添加することによって接着強度や熱溶融特性や環境保存性などの調整が行われている。転写型磁気記録用積層体の接着層に使用される熱接着性を有した熱可塑性樹脂は特に限定はされないが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが好ましい。転写型磁気記録用積層体の接着層は磁気記録層が設けられた面の最上部に塗装すればよく、塗装方法は特に限定されず各種公知の塗装方法で塗装すれば良い。転写型磁気記録用積層体の接着層の厚みは特に限定はされないが、磁気記録カードなどに使用した際に、成型後のカード基材表面から磁気記録層がはみ出ないように可能な限り厚みは少ないほうが好ましいが、0.10〜5.00μm範囲であることが好ましく、さらには0.30〜2.00μmであることがより好ましい。
一方貼付型磁気記録用積層体の接着層は、磁気記録層が積層されたフィルム基材を磁気記録通帳用の基材である布クロスなどの表面に貼り付ける事を前提に考えられている為に、各種公知の接着剤や粘着剤から要求性能に応じて適宜選択して使用されればよい。貼付型磁気記録用積層体の接着層は貼付型磁気記録用積層体のフィルム基材の磁気記録層が設けられている面の他方の面に塗装すればよく、塗装方法は特に限定されず各種公知の塗装方法を適宜選択して塗装すればよい。また貼付型磁気記録用積層体の接着層の厚みは特に限定されず、要求品質に応じて塗装量を適宜選択して決定すればよい。また貼付型磁気記録用積層体の接着層はあらかじめ設けておいて剥離紙などを重ねておいて布クロスなどの基材に貼り付ける際に剥離紙をはがして使用する等の方法で使用してもよいし、貼り付ける直前に磁気記録用積層体に接着剤を塗布して布クロスの基材等に貼り付けるような形で使用してもよい。
<意匠性を有した非磁性層>
次に意匠性を有した非磁性層について詳しく説明する。本発明における磁気記録用積層体は「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」やそれに準拠した磁気記録媒体に使用される事を想定されており、より具体的には磁気記録カードのおもて面や磁気記録通帳の表紙に使用される事が想定されており、そのような磁気記録カードのおもて面や磁気記録通帳の表紙はデザインや意匠性を満たす為に企業のイメージカラーやロゴやキャラクターなどの装飾が行われることが多い。
しかしながら磁気記録層は磁性粉のもつ本来の色である黒色やこげ茶色を有している為に前述した各種磁気記録媒体の意匠性を満たすためには、まず磁気記録層の色を隠蔽層によって隠蔽し、さらにその上部に印刷層を複数層重ねて意匠性を付与し、さらにその上部に耐久性付与のために主に透明な樹脂等からなるクリア層を設ける事などが必要である。
本発明における「意匠性を有した非磁性層」とは、磁気記録積層体を用いて作成した磁気記録媒体における磁気記録層よりも上部にある層の事であり、さらにそれらの層は磁性体を含んでいない事が必要である。意匠性を有した非磁性層の具体例としては、図7、図8、図11に示される隠蔽層、印刷層、クリア層(一部剥離層を含む)の事を指す。これら各種の層は複数存在していても構わないし、機能的に必要なものだけを選択して使用してもよい。
本発明における意匠性を有した非磁性層の厚みは、特に限定はされないが5.0μm〜20.0μmの間である事が好ましく、さらに8.0〜15.0μmの範囲である事がより好ましい。一般的に使用されている企業のイメージカラーやキャラクターやロゴなどが印刷された磁気記録カードや磁気記録通帳においては、少なくとも前述した隠蔽層、印刷層、クリア層が各1層以上は必要になる為、意匠性を有した非磁性層の厚みは通常5.0μmより厚くなる事が多く、意匠性を有した非磁性層の厚みが5.0μm未満になると磁気記録層の隠蔽性や意匠性や耐久性などの性能のいずれかが不充分となる傾向があり、逆に意匠性を有した非磁性層の厚みが20.0μmを超えるとスペーシングロスの問題が顕著に発生する傾向がある。
<意匠性を有した非磁性層の各層について>
次に本発明における意匠性を有した非磁性層の各層についての詳細説明を下記に示す。
(隠蔽層)
本発明における隠蔽層は特に限定はされないが、下地の色を隠蔽することが要求品質の最大の課題である為に、光を透過させない性能を有している必要がある。このような層としては一般的には金属蒸着膜や金属粉分散体を分散させた塗料を用いる事が多い。金属蒸着膜としてはアルミニウム、錫、金、銀などの金属を用いる事が可能で、一般的にはアルミニウムを用いることが多い。金属粉分散体を使用する場合はアルミペーストを用いる事が多い。一般的に金属蒸着膜のほうが金属分散体よりもより薄膜でより光の透過性が低い為にスペーシングロス対策としては金属蒸着膜を使用することが好ましいが、生産性やコスト的な問題で金属分散体を用いた塗料からなる隠蔽層と酸化チタンなどの公知の無機顔料等を用いた白色隠蔽層を重ねて使用することによって隠蔽層を形成する方法が一般的に多く用いられている。本発明において隠蔽層の形成方法に関しては特に限定はされず、金属蒸着やオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷など各種公知の印刷方法などを使用してよい。また隠蔽層は1層もしくは複数の層から構成してもよく、その総厚みは性能を満たす限り可能な限り薄ければよく特に限定はされないが、0.1〜16.0μmの範囲である事が好ましく、さらには5.0〜12.0μmの範囲であることがより好ましい。
(印刷層)
印刷層は、磁気記録カードや磁気記録通帳などの意匠性を満たす為に、企業のイメージカラーやロゴやキャラクターなどの装飾が行われる層である。印刷層は1層でも構わないし、複数層からなる事もある。印刷層の印刷方法は特に限定されず、各種印刷インキを用いてオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷など各種公知の印刷方法によって適宜選択して形成すればよい。印刷層の厚みは要求品質によって変わる為に特に限定はされないが、その厚みは0.5〜10.0μmの範囲である事が好ましい。
(クリア層)
クリア層は、印刷層さらには磁気記録層を物理的に保護するための層であり、耐久性があるだけでなく印刷層の意匠性を損なわないように透明性も必要であり、さらには熱プレス成型に対する適応性も必要である。そのようなクリア層の原料としては、アクリル系樹脂、PMMA系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース系樹脂やそれらの混合物などが挙げられるがこれに限定されない。また耐熱環境保存性能や表面の滑り性を上げる為に必要に応じて各種無機有機フィラーや滑剤や高級脂肪酸やワックス類を添加してもよい。さらに、前記樹脂原料に各種官能基を持たせた上で各種公知の架橋剤を添加することによってクリア層の耐久性を向上させてもよい。クリア層の形成方法は特に限定されず、各種公知の塗装方法を用いて適宜選択して形成すればよい。クリア層の厚みは要求品質によって変わる為に特に限定はされないが、その厚みは0.5〜5.0μmの範囲である事が好ましい。
次に実施例及び比較例及び参考例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<フィルム基材>
本発明の磁気記録用積層体に用いるフィルム基材として、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いる事とした。このフィルム基材上に下記に示す剥離層、磁気記録層、接着層を順次設けて転写型磁気記録用積層体を作成した。
<剥離層>
前記PETフィルムの一方の面に下記に示す転写型磁気記録積層体に用いられる剥離層用塗料をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して厚み0.2μmの剥離層を形成した。
(剥離層用塗料配合)
成分 質量%
・セルロース系樹脂(融点160℃) 10.0
・MEK 90.0
<磁気記録層>
本発明の実施例及び比較例及び参考例の磁気記録層に使用する磁気記録層用塗料配合の詳細を下記に示す。各磁気記録層用塗料は、ダイコーティングによって剥離層の上部に塗装され、永久磁石によって磁性粉を配向させた後に乾燥される。磁気記録層の厚みに関しては後述する各実施例及び比較例の詳細を示した表1の条件に従った。
(磁気記録層用塗料配合1)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 16.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 24.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合2)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 28.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 12.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合3)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 4.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 36.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合4)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 32.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 8.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合5)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末B 16.0
(保磁力:720Oe、平均粒子径:0.50μm、BET比表面積:28.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 24.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合6)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 40.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合7)
成分 質量%
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末A 40.0
(保磁力:680Oe、平均粒子径:0.80μm、BET比表面積:5.5m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
(磁気記録層用塗料配合8)
成分 質量%
・コバルト被着針状酸化鉄粉末A 16.0
(保磁力:650Oe、平均粒子径:0.40μm、BET比表面積:30.0m/g)
・バリウムフェライト系六方晶フェライト粉末B 24.0
(保磁力:900Oe、平均粒子径:0.50μm、BET比表面積:5.0m/g)
・ポリ塩化ビニル系樹脂 5.0
・ポリウレタン系樹脂 4.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 20.0
・MEK 20.0
・シクロヘキサノン 10.0
<接着層>
本発明の実施例及び比較例及び参考例に使用する接着層用塗料配合の詳細を下記に示す。接着層は磁気記録用積層体の磁気記録層の上部に設けられる。本発明において下記接着層用塗料配合を前記磁気記録層の上部に乾燥後の膜厚で1.0μmになるようにグラビア塗装及び乾燥を行い、接着層を形成した。
(接着層用塗料配合)
成分 質量%
・ポリエステル系樹脂 9.0
・シリカ 1.0
・トルエン 45.0
・MEK 45.0
<磁気記録用積層体の磁気特性の評価>
前記塗料配合を用いて本発明の実施例及び比較例及び参考例で使用する各種磁気記録用積層体を作成し、作成した磁気記録用積層体の保磁力Hc、残留磁束密度Br、SFDなどの各種磁気特性については、前述した理研電子株式会社製の振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定を行った。なお測定の際の最大印加磁場は159.2kA/m(2000Oe)とした。
<磁気記録用カードの作成>
作成した前記各種磁気記録用積層体を用いて、最初に意匠性を有した非磁性層が設けられていない磁気記録カードを作成する。本発明の実施例及び比較例及び参考例においては厚み100μmのPVC樹脂製のオーバーシートに前記磁気記録用積層体の磁気記録層を熱転写し、前記オーバーシートと同じ厚みのPVC樹脂製のオーバーシートの間に厚み280μmのPVC樹脂製のコアシートを2枚挟んだ後に、それを熱プレス成型して磁気記録カードを作成した。
<隠蔽層>
本発明の実施例及び比較例及び参考例に使用する隠蔽層用塗料配合の詳細を下記に示す。隠蔽層は前記磁気記録カードの磁気記録層が設けられた面の上部に隠蔽層用塗料配合Aによる隠蔽層Aをグラビア印刷及び乾燥を行い、さらにその上部に隠蔽層用塗料配合Bによる隠蔽層Bをグラビア印刷して乾燥を行った。隠蔽層の各層の厚みに関しては後述する各実施例及び比較例及び参考例の詳細を示した表1の条件に従った。
(隠蔽層用塗料配合A)
成分 質量%
・アルミニウム粉末 30.0
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂 15.0
・トルエン 30.0
・MEK 20.0
・酢酸エチル 5.0
(隠蔽層用塗料配合B)
成分 質量%
・酸化チタン 30.0
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂 15.0
・トルエン 30.0
・MEK 20.0
・酢酸エチル 5.0
<クリア層>
本発明の実施例及び比較例及び参考例に使用するクリア層用塗料配合の詳細を下記に示す。クリア層は隠蔽層の上部にグラビア印刷及び乾燥を行うことによって形成される。クリア層の厚みに関しては後述する各実施例及び比較例の詳細を示した表1の条件に従った。
(クリア層用塗料配合)
成分 質量%
・変性アクリル系樹脂 18.0
・シリカ 6.0
・イソシアネート系架橋剤 1.0
・トルエン 37.5
・MEK 37.5
前述した意匠性を有した非磁性層を設けていない磁気記録カードの上部にさらに前述した隠蔽層やクリア層などを設けた積層体を磁気記録カードの形状に抜き打ち加工して評価用の磁気記録カードを作成した。なお磁気記録カードの物理的特徴はJIS X6301の「識別カード−物理的特性」に規定されている通りである。
<磁気記録カードの評価>
作成した磁気記録カードの電磁変換特性と磁気記録層の印刷適性に関して下記に示す方法によって評価を行った。
<磁気記録カードの電磁変換特性の評価>
実施例及び比較例及び参考例で作成した評価用の磁気記録カードの電磁変換特性については、ケンプラス社製のSV−3000を用いて測定を行った。再生出力信号については測定対象の磁気カードに対して8磁束反転/mmの密度で磁気情報を記録した後にSV−3000を用いて再生出力信号を測定し、基準カードの再生出力信号のせん頭電圧を100%とした時の測定対象の磁気カードの再生出力信号の平均せん頭電圧の大きさを%で算出した。また分解能に関しては前記再生出力信号の測定の際と同じ条件で測定対象となる磁気カードに対して8磁束反転/mmの密度で磁気情報を記録した後に再生出力信号の平均せん頭電圧を測定し、次に測定対象となる磁気カードに対して磁気情報密度以外の記録条件は同一で20磁束反転/mmの密度で磁気情報を記録した後に再生出力信号の平均せん頭電圧を測定し、8磁束反転/mmの記録密度の再生出力信号の平均せん頭電圧値を100%とした時の20磁束反転/mmの記録密度の再生出力信号の平均せん頭電圧値の大きさを%で算出した。
<磁気記録カードの磁気記録層における印刷適性の評価方法>
実施例及び比較例及び参考例で作成した評価用の磁気記録カードに関して以下の基準で分類を行い、磁気記録層の印刷適性に関して評価を行った。
A・・・目視で見て磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線が全く分からない。
B・・・目視で見て磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線がわずかに視認できる。
C・・・目視で見て磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線がはっきり視認できる。
本発明の実施例及び比較例及び参考例に使用された磁気記録用積層体とそれを使用して作成された磁気記録カードの詳細及び各種評価結果について表1に示す。
Figure 0006566418
表1の結果より、実施例1〜8及び参考例1に示すように、磁気記録層がコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を含有し、磁気記録用積層体の保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲で、且つ磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが0.125T(1250G)以上である磁気記録用積層体を磁気記録媒体に使用すれば、磁気記録媒体の磁気記録層の上部に意匠性を有した非磁性層を設けても、スペーシングロスによる再生出力の低下と分解能の低下が少なく、磁気記録媒体の再生出力や分解能がJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている「再生出力信号の平均せん頭電圧が基準せん頭出力電圧の80%以上130%以下であり、且つ分解能が70%以上」の範囲に入っている事がわかる。さらに実施例1〜9の磁気記録媒体の磁気記録層に使用されている混合磁性粉のBET比表面積が全て5.0〜25.0m/gの範囲に入っている為に、磁気記録層の印刷適性が良好な為に磁気記録層がしっかり隠蔽層によって隠蔽されていて目視によって磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線を確認することは出来なかった。
実施例1〜3のように、磁気記録層に使用する各磁性粉の保磁力Hcを47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲に限定し、且つ磁気記録層がコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を質量比で70:30〜10:90の割合で含有した磁気記録用積層体を使用して作成した磁気記録媒体は再生出力と分解能の低下がより少ないことが分かる。
比較例1のように、残留磁束密度Brが0.125T未満で、SFDが0.45を超えた磁気記録用積層体を使用して作成した磁気記録媒体の再生出力や分解能は大きく低下しており、磁気記録媒体の再生出力や分解能がJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている範囲から逸脱している事が分かる。また磁気記録層に使用されている混合磁性粉の換算BET比表面積が25.0m/gを超えている為に、隠蔽層の塗料が磁気記録層に吸収されるなどの現象により磁気記録層の印刷適性が低下し、その結果として磁気記録層が完全に隠蔽されない現象が発生し、磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線が目視によってわずかながら確認できた。
比較例2のように、磁気記録層の磁性粉としてコバルト被着針状酸化鉄粉末を100%使用した磁気記録用積層体の残留磁束密度Brは0.125T未満となり、またSFDも0.45を超えてしまった。その磁気記録用積層体を使用して作成した磁気記録媒体の再生出力と分解能の低下は著しく、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている範囲から逸脱している事が分かる。さらに磁気記録層に使用されている磁性粉のBET比表面積が25.0m/gを大きく超えている為に、磁気記録層の印刷適性が大幅に低下し、磁気記録層が隠蔽されない現象が顕著に発生し、磁気記録層と磁気記録層がない部分の境界線がはっきり目視で確認できた。
比較例3のように、磁気記録層の磁性粉としてバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を100%使用した磁気記録用積層体に関してはSFDは0.12と低く、磁気記録層に使用されている磁性粉のBET比表面積も5.5m/gと小さく優れた部分があるものの、残留磁束密度Brが0.125Tを少し下回った為に再生出力と分解能の低下が大きく、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている範囲からやや逸脱している事が分かる。
比較例4は磁気記録用積層体の残留磁束密度BrやSFDなどの磁気特性が優れており、磁気記録用積層体を使用して作成した磁気記録媒体の再生出力と分解能もJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている範囲に入っているが、磁気記録用積層体の保磁力Hcが55.70kA/mを超えている為に、それを使用して作成した磁気記録媒体の保磁力HcがJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」で規定されている保磁力Hcの規格から逸脱してしまう為に、比較例4の磁気記録媒体は「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」としてそもそも使用することが出来なかった。
本発明における低保磁力の磁気記録用積層体は、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定された預金カード・クレジットカード・会員カードなどの磁気記録カード、及び磁気特性及び電磁変換特性に関してJIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に準拠している磁気記録預金通帳などの磁気記録媒体に使用することが可能である。
1;フィルム基材
2;磁気記録層
3;接着層
4;転写型磁気記録用積層体
5;磁気記録用積層体の転写部位
6;剥離層
7;隠蔽層
8;印刷層
9;意匠性を有した非磁性層
10;オーバーシートa(PVC樹脂)
11;オーバーシートb(PVC樹脂)
12;コアシートa(PVC樹脂)
13;コアシートb(PVC樹脂)
14;磁気記録カード用基材(PVC樹脂)
15;磁気記録カード
16;隠蔽層
17;印刷層
18;クリア層
19;貼付型磁気記録用積層体
20;接着層
21;クリア層
22;磁気記録預金通帳用基材(布クロス)
23;磁気記録預金通帳(布クロス)

Claims (5)

  1. フィルム基材上に少なくとも磁気記録層を設けた磁気記録用積層体において、磁気記録層の厚みが5〜15μmの範囲であって、磁気記録層が保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のコバルト被着針状酸化鉄粉末と保磁力Hc47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)のバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末を質量比で70:30〜10:90の割合で含有し、磁気記録層に含まれるコバルト被着針状酸化鉄粉末とバリウムフェライト系六方晶フェライト粉末の各々のBET比表面積(JIS Z8830)から算出された混合磁性粉末のBET比表面積が5.0〜25.0m /gの範囲であって、磁気記録用積層体の保磁力Hcが47.74〜55.70kA/m(600〜700Oe)の範囲で、且つ磁気記録用積層体の残留磁束密度Brが0.125T(1250G)以上0.200T(2000G)以下である磁気記録用積層体。
  2. 磁気記録用積層体のJIS X6302−6付属書に記載のSFD(switching field by derivative)が0.01〜0.45の範囲である請求項1に記載の磁気記録用積層体。
  3. 磁気記録用積層体が、磁気記録用積層体のフィルム基材の磁気記録層の設けられた面の最上部に接着層を設けた事を特徴とする転写型磁気記録用積層体である請求項1または請求項2に記載の磁気記録用積層体。
  4. 磁気記録用積層体が、磁気記録用積層体のフィルム基材の磁気記録層が設けられた面の他方の面の最上部に接着層を設けた事を特徴とする貼付型磁気記録用積層体である請求項1または請求項2に記載の磁気記録用積層体。
  5. 請求項または請求項に記載のいずれかの磁気記録用積層体を用い、非磁性基材上に少なくとも接着層を介して磁気記録層を設けた磁気記録媒体であり、JIS X6302−2付属書の「おもて面磁気ストライプ付き識別カード」に規定されている再生出力信号の平均せん頭電圧が基準せん頭出力電圧の80%以上130%以下であり、且つ分解能が70%以上である磁気記録媒体。
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