JPH05143959A - 磁気カード用記録媒体 - Google Patents
磁気カード用記録媒体Info
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- JPH05143959A JPH05143959A JP3309033A JP30903391A JPH05143959A JP H05143959 A JPH05143959 A JP H05143959A JP 3309033 A JP3309033 A JP 3309033A JP 30903391 A JP30903391 A JP 30903391A JP H05143959 A JPH05143959 A JP H05143959A
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- JP
- Japan
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- magnetic
- layer
- recording
- recording layer
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 保磁力が異なる磁気記録層が非磁性支持体の
両面に積層されている磁気カード用記録媒体において、
磁気シールド層が非磁性支持体と磁気記録層の間に形成
されていることを特徴とする磁気カード用記録媒体 【効果】 本発明の磁気カード用記録媒体によれば、非
磁性支持体の両面に保磁力の異なる磁気記録層を形成し
ても磁気情報の信頼性が確保できる。また、両面の磁気
記録層の保磁力が異なることによる偽造防止効果も有す
る。
両面に積層されている磁気カード用記録媒体において、
磁気シールド層が非磁性支持体と磁気記録層の間に形成
されていることを特徴とする磁気カード用記録媒体 【効果】 本発明の磁気カード用記録媒体によれば、非
磁性支持体の両面に保磁力の異なる磁気記録層を形成し
ても磁気情報の信頼性が確保できる。また、両面の磁気
記録層の保磁力が異なることによる偽造防止効果も有す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀行カード、クレジッ
トカード、プリペイドカード、乗車券等購入カード等に
利用される磁気カード用記録媒体に関する。
トカード、プリペイドカード、乗車券等購入カード等に
利用される磁気カード用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録は、記録・再生・消去が容易で
磁気情報の書換えが容易であるという利点があるため
に、この磁気記録を利用する磁気カードは急速に普及し
ており、銀行等で用いられるキャッシュカード、磁気通
帳をはじめ、交通、駅務省力化用の磁気切符、定期券な
どに広く用いられている。例えば、銀行の金融事務省力
化用のキャッシュカードにおいては、厚さ約0.7mmの
硬質塩化ビニル樹脂などの基板の片面に磁気ストライプ
を形成している。この規格或は仕様は、日本においては
銀行間統一カード、米国においてはABA或はANSI
等の規格が用いられており、世界共通規格としてISO
の規格がある。これらの規格は、ストライプの位置、
幅、磁気特性等にわずかづつの差異が見られる。
磁気情報の書換えが容易であるという利点があるため
に、この磁気記録を利用する磁気カードは急速に普及し
ており、銀行等で用いられるキャッシュカード、磁気通
帳をはじめ、交通、駅務省力化用の磁気切符、定期券な
どに広く用いられている。例えば、銀行の金融事務省力
化用のキャッシュカードにおいては、厚さ約0.7mmの
硬質塩化ビニル樹脂などの基板の片面に磁気ストライプ
を形成している。この規格或は仕様は、日本においては
銀行間統一カード、米国においてはABA或はANSI
等の規格が用いられており、世界共通規格としてISO
の規格がある。これらの規格は、ストライプの位置、
幅、磁気特性等にわずかづつの差異が見られる。
【0003】現在、日本の銀行間統一仕様磁気ストライ
プ(Hc:650エルステッド、以下「エルステッド」
をOeと省略する。)とISOの磁気ストライプ(H
c:300Oe)をカードの両面に形成し、両規格の端
末機に共用している。さらに、非磁性支持体の表面に、
主に塗工によって磁気記録層を形成する磁気カードにお
いても上記規格に限定されずに保磁力の異なる磁気記録
層を非磁性支持体の両面に形成して偽造防止や記録容量
の増加を得ようとする試みがなされている。
プ(Hc:650エルステッド、以下「エルステッド」
をOeと省略する。)とISOの磁気ストライプ(H
c:300Oe)をカードの両面に形成し、両規格の端
末機に共用している。さらに、非磁性支持体の表面に、
主に塗工によって磁気記録層を形成する磁気カードにお
いても上記規格に限定されずに保磁力の異なる磁気記録
層を非磁性支持体の両面に形成して偽造防止や記録容量
の増加を得ようとする試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような非磁性支持
体の両面に磁気記録層を形成した磁気カードでは、高保
磁力側の磁気情報のエンコードや重ね書き(リライト)
を行なう場合に、低保磁力側の磁気情報が減磁されて正
常に読み出せなくなる危険性がある。さらに、磁気情報
の外部磁界耐性を強化するために、保磁力の組合せも高
保磁力側に推移していく可能性がある。このような磁気
カードでは、ますます高保磁力側の磁気情報のエンコー
ドや重ね書き(リライト)時の低保磁力側への影響が大
きくなることが懸念される。特に、非磁性支持体の厚さ
が188〜250μm程度と薄く、主に非磁性支持体上
への塗工によって磁気記録層を形成するプリペイドカー
ド類において非磁性支持体の両面に異なる保磁力の磁気
記録層を形成した場合には、上記の影響を大きく受け
る。磁気転写記録体を使用して非磁性支持体の両面に保
磁力の異なる磁気ストライプを形成する磁気カードの磁
気情報の信頼性を確保する方法については、特願平3−
186300号に開示した。
体の両面に磁気記録層を形成した磁気カードでは、高保
磁力側の磁気情報のエンコードや重ね書き(リライト)
を行なう場合に、低保磁力側の磁気情報が減磁されて正
常に読み出せなくなる危険性がある。さらに、磁気情報
の外部磁界耐性を強化するために、保磁力の組合せも高
保磁力側に推移していく可能性がある。このような磁気
カードでは、ますます高保磁力側の磁気情報のエンコー
ドや重ね書き(リライト)時の低保磁力側への影響が大
きくなることが懸念される。特に、非磁性支持体の厚さ
が188〜250μm程度と薄く、主に非磁性支持体上
への塗工によって磁気記録層を形成するプリペイドカー
ド類において非磁性支持体の両面に異なる保磁力の磁気
記録層を形成した場合には、上記の影響を大きく受け
る。磁気転写記録体を使用して非磁性支持体の両面に保
磁力の異なる磁気ストライプを形成する磁気カードの磁
気情報の信頼性を確保する方法については、特願平3−
186300号に開示した。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、非磁性
支持体の両面に主に塗工によって形成した保磁力の異な
る磁気記録層における磁気情報の信頼性が確保できる磁
気カード用記録媒体を提供することにある。
支持体の両面に主に塗工によって形成した保磁力の異な
る磁気記録層における磁気情報の信頼性が確保できる磁
気カード用記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、非磁性支持体の両面に保磁力が異なる磁気記録層を
有する磁気カード用記録媒体において、非磁性支持体と
磁気記録層の間に磁気シールド層を有することを特徴と
する磁気カード用記録媒体を提供する。
に、非磁性支持体の両面に保磁力が異なる磁気記録層を
有する磁気カード用記録媒体において、非磁性支持体と
磁気記録層の間に磁気シールド層を有することを特徴と
する磁気カード用記録媒体を提供する。
【0008】図1に本発明の磁気カード用記録媒体の断
面図を示す。
面図を示す。
【0009】非磁性支持体1は、シート状あるいは板状
を呈しており、この支持体1の材料としては、例えば、
ナイロン、セルロースジアセテート、セルローストリア
セテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ
ビニルクロライド、ポリイミド、ポリカーボネート等の
プラスチック類;銅、アルミニウム等の金属類;紙、含
浸紙等を挙げることができ、これらの材料は、単独、あ
るいは、組み合わせて複合体として用いることができ
る。なお、支持体1の厚さは0.005〜5mmの範囲で
あることが好ましい。
を呈しており、この支持体1の材料としては、例えば、
ナイロン、セルロースジアセテート、セルローストリア
セテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ
ビニルクロライド、ポリイミド、ポリカーボネート等の
プラスチック類;銅、アルミニウム等の金属類;紙、含
浸紙等を挙げることができ、これらの材料は、単独、あ
るいは、組み合わせて複合体として用いることができ
る。なお、支持体1の厚さは0.005〜5mmの範囲で
あることが好ましい。
【0010】磁気シールド層2は、軟磁性無機質粉末と
して、例えば、パ−マロイ、鉄、センダスト等の軟質磁
性金属;軟磁性フェライト等の高透磁率磁性体;Fe含
有アモルファス金属、Co含有アモルファス金属等の低
保磁力で高透磁率を示す材料等の粉末が挙げられる。こ
れらの軟磁性無機質粉末を適当な樹脂結合剤及び溶剤等
とともに公知の分散方法によって分散させ磁気シールド
塗料を作製する。磁気シールド塗料においては樹脂結合
剤の配合量は、軟磁性無機質粉末100重量部に対して
10〜40重量部の範囲が好ましい。この塗料をグラビ
ア方式、リバース方式、ナイフエッジ方式等の公知の塗
工方法によって塗工した後、乾燥させることによって形
成することができる。また、磁気シールド層の厚さは、
磁気シールド効果等を考慮して適宜定めれば良いのであ
って、5〜30μmの範囲が好ましい。また、この後工
程として、磁気シールド層に加熱加圧処理を施すことも
できる。また、この磁気シールド層上に磁気記録層との
接着性をよくするためにアンカ−コ−ト層を設けても構
わない。さらに、軟磁性無機質材料からできている箔を
非磁性支持体1上に接着して形成しても良い。
して、例えば、パ−マロイ、鉄、センダスト等の軟質磁
性金属;軟磁性フェライト等の高透磁率磁性体;Fe含
有アモルファス金属、Co含有アモルファス金属等の低
保磁力で高透磁率を示す材料等の粉末が挙げられる。こ
れらの軟磁性無機質粉末を適当な樹脂結合剤及び溶剤等
とともに公知の分散方法によって分散させ磁気シールド
塗料を作製する。磁気シールド塗料においては樹脂結合
剤の配合量は、軟磁性無機質粉末100重量部に対して
10〜40重量部の範囲が好ましい。この塗料をグラビ
ア方式、リバース方式、ナイフエッジ方式等の公知の塗
工方法によって塗工した後、乾燥させることによって形
成することができる。また、磁気シールド層の厚さは、
磁気シールド効果等を考慮して適宜定めれば良いのであ
って、5〜30μmの範囲が好ましい。また、この後工
程として、磁気シールド層に加熱加圧処理を施すことも
できる。また、この磁気シールド層上に磁気記録層との
接着性をよくするためにアンカ−コ−ト層を設けても構
わない。さらに、軟磁性無機質材料からできている箔を
非磁性支持体1上に接着して形成しても良い。
【0011】第1記録層3及び第2記録層4は、保磁力
の異なる磁気記録層であり、どちらが高保磁力であって
も構わない。
の異なる磁気記録層であり、どちらが高保磁力であって
も構わない。
【0012】第1記録層3及び第2記録層4は、γ−F
e2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3O4、CrO2、
Fe、Fe−Cr、Co−Ni、MnAl、Baフェラ
イト、Srフェライトなどの公知の磁性粉を適当な樹脂
結合剤及び溶剤等とともに公知の分散方法によって分散
して成る磁気塗料を、グラビア方式、リバース方式、ナ
イフエッジ方式等の公知の塗工方法によって塗工した
後、乾燥前又は乾燥中に磁場配向処理を施すことによっ
て形成することができる。また、この後工程として、加
熱加圧処理を施すことが好ましい。また、第1記録層3
及び第2記録層4は、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、
Cr−Coなどの金属又はその合金を用いて、真空蒸着
法、スパッタ法などによって形成することもできる。磁
気塗料中の樹脂結合剤の配合量は、磁性粉100重量部
当たり10〜30重量部の範囲が好ましい。磁場配向装
置としては、例えば永久磁石又はソレノイドコイルが使
用できる。
e2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3O4、CrO2、
Fe、Fe−Cr、Co−Ni、MnAl、Baフェラ
イト、Srフェライトなどの公知の磁性粉を適当な樹脂
結合剤及び溶剤等とともに公知の分散方法によって分散
して成る磁気塗料を、グラビア方式、リバース方式、ナ
イフエッジ方式等の公知の塗工方法によって塗工した
後、乾燥前又は乾燥中に磁場配向処理を施すことによっ
て形成することができる。また、この後工程として、加
熱加圧処理を施すことが好ましい。また、第1記録層3
及び第2記録層4は、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、
Cr−Coなどの金属又はその合金を用いて、真空蒸着
法、スパッタ法などによって形成することもできる。磁
気塗料中の樹脂結合剤の配合量は、磁性粉100重量部
当たり10〜30重量部の範囲が好ましい。磁場配向装
置としては、例えば永久磁石又はソレノイドコイルが使
用できる。
【0013】第1保護層5及び第2保護層6は、磁気記
録層の隠蔽保護、外観の向上等のために付加するもの
で、第1図では形成してあるが用途によっては形成しな
くても良い。形成する場合は機能上の必要性に応じて、
有機顔料、無機顔料、体質顔料等公知の顔料微粒子を適
当な樹脂結合剤及び溶剤等とともに公知の分散方法によ
って分散して成る塗料を、グラビア方式、リバース方
式、ナイフエッジ方式等公知の塗工方式によって第1記
録層3及び第2記録層4上に形成することができる。ま
た、第1保護層5及び第2保護層6は、Sn、Al等の
金属などを用いて、真空蒸着、スパッタ法等によって磁
気記録層上に形成することもできる。
録層の隠蔽保護、外観の向上等のために付加するもの
で、第1図では形成してあるが用途によっては形成しな
くても良い。形成する場合は機能上の必要性に応じて、
有機顔料、無機顔料、体質顔料等公知の顔料微粒子を適
当な樹脂結合剤及び溶剤等とともに公知の分散方法によ
って分散して成る塗料を、グラビア方式、リバース方
式、ナイフエッジ方式等公知の塗工方式によって第1記
録層3及び第2記録層4上に形成することができる。ま
た、第1保護層5及び第2保護層6は、Sn、Al等の
金属などを用いて、真空蒸着、スパッタ法等によって磁
気記録層上に形成することもできる。
【0014】第1図に示されている本発明の磁気カード
では、保磁力の異なる両方の磁気記録層の下側に磁気シ
ールド層が形成されているが、保磁力の組合わせや磁気
シールド層の膜厚などを適切に選択することによって、
磁気シールド効果が確保できる場合には、片側の磁気記
録層の下側のみに磁気シールド層を形成してもかまわな
く、好ましくは低保磁力側の磁気記録層の下側に磁気シ
ールド層を形成することが望ましい。
では、保磁力の異なる両方の磁気記録層の下側に磁気シ
ールド層が形成されているが、保磁力の組合わせや磁気
シールド層の膜厚などを適切に選択することによって、
磁気シールド効果が確保できる場合には、片側の磁気記
録層の下側のみに磁気シールド層を形成してもかまわな
く、好ましくは低保磁力側の磁気記録層の下側に磁気シ
ールド層を形成することが望ましい。
【0015】また、磁気シールド層を、軟磁性無機質材
料から成る箔で非磁性支持体1上に形成する場合、その
箔が剥離してしまったり、あるいは機械的強度が小さく
て折れ曲がってしまったりする危険性がある。さらに、
磁気記録層塗工時や磁気カード使用中に磁気シールド層
が剥離してしまって磁気カードが破損してしまう危険性
もある。軟磁性無機質粉末、結合剤、及び溶剤を主体と
した塗料を非磁性支持体1上に塗工して形成する場合
は、非磁性支持体1及び磁気記録層となじみやすく柔軟
性に富みまたそれぞれの温度膨脹係数を近づけることが
箔によって磁気シールド層を形成する場合に比較して容
易であり、このように塗料化して塗工によって磁気シー
ルド層を形成することが望ましい。
料から成る箔で非磁性支持体1上に形成する場合、その
箔が剥離してしまったり、あるいは機械的強度が小さく
て折れ曲がってしまったりする危険性がある。さらに、
磁気記録層塗工時や磁気カード使用中に磁気シールド層
が剥離してしまって磁気カードが破損してしまう危険性
もある。軟磁性無機質粉末、結合剤、及び溶剤を主体と
した塗料を非磁性支持体1上に塗工して形成する場合
は、非磁性支持体1及び磁気記録層となじみやすく柔軟
性に富みまたそれぞれの温度膨脹係数を近づけることが
箔によって磁気シールド層を形成する場合に比較して容
易であり、このように塗料化して塗工によって磁気シー
ルド層を形成することが望ましい。
【0016】さらに、高保磁力側の磁気記録層の保磁力
の範囲としては、磁気カードの高保磁力化及び磁気ヘッ
ドの性能等を鑑みて600Oe〜4,500Oeの範囲
が好ましい。
の範囲としては、磁気カードの高保磁力化及び磁気ヘッ
ドの性能等を鑑みて600Oe〜4,500Oeの範囲
が好ましい。
【0017】
【作用】本発明の磁気カードでは、磁気記録層の下側に
軟磁性無機質材料で構成された磁気シールド層が形成さ
れているために、片側の磁気記録層の磁気情報の記録を
行ってもその磁束が磁気シールド層によって、磁気的に
保護されて、非磁性支持体側への漏れ磁束が極めて少な
くなる。その結果、高保磁力側の磁気記録層を高記録磁
界強度で記録した場合に、その影響を低保磁力側の磁気
記録層で、ほとんど受けない。更に、両面の記録・再生
トラックが同じでも、低保磁力側の磁気情報が減磁され
ることが少なくなり、また、両面の記録・再生トラック
が異なっていても低保磁力側の裏読み出力が小さく成る
ことが理解できるであろう。従って、非磁性支持体の両
面に保磁力の異なる磁気記録層を形成しても、磁気情報
の信頼性が確保されることが理解できるであろう。
軟磁性無機質材料で構成された磁気シールド層が形成さ
れているために、片側の磁気記録層の磁気情報の記録を
行ってもその磁束が磁気シールド層によって、磁気的に
保護されて、非磁性支持体側への漏れ磁束が極めて少な
くなる。その結果、高保磁力側の磁気記録層を高記録磁
界強度で記録した場合に、その影響を低保磁力側の磁気
記録層で、ほとんど受けない。更に、両面の記録・再生
トラックが同じでも、低保磁力側の磁気情報が減磁され
ることが少なくなり、また、両面の記録・再生トラック
が異なっていても低保磁力側の裏読み出力が小さく成る
ことが理解できるであろう。従って、非磁性支持体の両
面に保磁力の異なる磁気記録層を形成しても、磁気情報
の信頼性が確保されることが理解できるであろう。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて更に詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例中「部」は、「重量部」を表す。
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例中「部」は、「重量部」を表す。
【0019】[磁気塗料の作製] (製造例1) Baフェライト粉(保磁力4,450Oe) 100部 塩酢ビ樹脂 15部 ポリウレタン樹脂 15部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 シクロヘキサノン 50部
【0020】上記組成をボ−ルミルを用いて20時間混
錬して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対し
てポリイソシアネ−ト2部を添加して分散攪拌機で30
分間攪拌して磁気塗料を作製した。
錬して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対し
てポリイソシアネ−ト2部を添加して分散攪拌機で30
分間攪拌して磁気塗料を作製した。
【0021】(製造例2)製造例1において、Baフェ
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、メタル磁性
粉(保磁力900Oe)100部を用いた以外は、製造
例1と同様にして磁気塗料を作製した。
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、メタル磁性
粉(保磁力900Oe)100部を用いた以外は、製造
例1と同様にして磁気塗料を作製した。
【0022】(製造例3)製造例1において、Baフェ
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、Co被着γ
酸化鉄(保磁力650Oe)100部を用いた以外は、
製造例1と同様にして磁気塗料を作製した。
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、Co被着γ
酸化鉄(保磁力650Oe)100部を用いた以外は、
製造例1と同様にして磁気塗料を作製した。
【0023】(製造例4)製造例1において、Baフェ
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、γ酸化鉄
(保磁力300Oe)100部を用いた以外は、製造例
1と同様にして磁気塗料を作製した。
ライト粉(保磁力4450Oe)に代えて、γ酸化鉄
(保磁力300Oe)100部を用いた以外は、製造例
1と同様にして磁気塗料を作製した。
【0024】[磁気シールド塗料の作製] センダスト粉末 100部 塩酢ビ樹脂 10部 ポリウレタン樹脂 10部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 シクロヘキサノン 30部
【0025】上記組成をボ−ルミルを用いて、24時間
混練して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対
して、ポリイソシアネ−ト1.5部を添加して分散攪拌
機で30分間攪拌して磁気シールド塗料を作製した。
混練して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対
して、ポリイソシアネ−ト1.5部を添加して分散攪拌
機で30分間攪拌して磁気シールド塗料を作製した。
【0026】[保護塗料の作製] アルミニウム系顔料 100部 塩酢ビ樹脂 50部 ポリウレタン樹脂 150部 メチルエチルケトン 300部 トルエン 300部
【0027】上記各組成を分散攪拌機を用いて1時間混
練して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対し
てポリイソシアネ−ト3部を添加して分散攪拌機で30
分間攪拌して保護塗料を作製した。
練して塗料を作製し、塗工前にこの塗料100部に対し
てポリイソシアネ−ト3部を添加して分散攪拌機で30
分間攪拌して保護塗料を作製した。
【0028】[ポリエチレンテレフタレートフィルムの
両面に磁気シールド層を形成する場合の塗工方法]磁気
シールド層は、磁気シールド塗料をリバース方式におい
て乾燥膜厚が15μmになるように塗工速度30m/分
にて塗工して乾燥させて、40℃の恒温室に48時間放
置して形成した。また、磁気記録層は、磁気塗料をリバ
ース方式にて乾燥膜厚が12μmになるように塗工速度
30m/分にて塗工して、N−N対向型永久磁石で磁場
配向してから乾燥させて、さらに、40℃の恒温室に4
8時間放置して形成した。また、保護層は、保護塗料を
リバース方式にて乾燥膜厚が3μmになるように塗工速
度50m/分にて塗工して磁気記録層上に形成した。
両面に磁気シールド層を形成する場合の塗工方法]磁気
シールド層は、磁気シールド塗料をリバース方式におい
て乾燥膜厚が15μmになるように塗工速度30m/分
にて塗工して乾燥させて、40℃の恒温室に48時間放
置して形成した。また、磁気記録層は、磁気塗料をリバ
ース方式にて乾燥膜厚が12μmになるように塗工速度
30m/分にて塗工して、N−N対向型永久磁石で磁場
配向してから乾燥させて、さらに、40℃の恒温室に4
8時間放置して形成した。また、保護層は、保護塗料を
リバース方式にて乾燥膜厚が3μmになるように塗工速
度50m/分にて塗工して磁気記録層上に形成した。
【0029】(実施例1)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例1の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例2の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例1の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例2の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
【0030】(実施例2)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例1の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例3の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例1の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例3の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
【0031】(実施例3)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例2の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例4の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例2の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例4の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
【0032】(実施例4)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例3の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例4の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、磁気シール
ド層及び製造例3の磁気塗料を塗工して第1記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。次に、PET
の裏面に磁気シールド層及び製造例4の磁気塗料を塗工
して第2記録層を形成し、さらにその上に保護層を形成
した。
【0033】[ポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面に磁気シールド層を形成する場合の塗工方法]磁気
シールド層は、磁気シールド塗料をリバース方式にて乾
燥膜厚28μmになるように、塗工速度30m/分にて
塗工して乾燥させて、40℃の恒温室に48時間放置し
て形成した。また、磁気記録層は、磁気塗料をリバース
方式にて乾燥膜厚が12μmになるように塗工して、N
−N対向型永久磁石で磁場配向してから乾燥させて、さ
らに、40℃の恒温室に48時間放置して形成した。ま
た、保護層は、保護塗料をリバース方式にて乾燥膜厚が
3μmになるように塗工速度50m/分にて塗工して形
成した。
片面に磁気シールド層を形成する場合の塗工方法]磁気
シールド層は、磁気シールド塗料をリバース方式にて乾
燥膜厚28μmになるように、塗工速度30m/分にて
塗工して乾燥させて、40℃の恒温室に48時間放置し
て形成した。また、磁気記録層は、磁気塗料をリバース
方式にて乾燥膜厚が12μmになるように塗工して、N
−N対向型永久磁石で磁場配向してから乾燥させて、さ
らに、40℃の恒温室に48時間放置して形成した。ま
た、保護層は、保護塗料をリバース方式にて乾燥膜厚が
3μmになるように塗工速度50m/分にて塗工して形
成した。
【0034】(実施例5)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例2の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例2の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
【0035】(実施例6)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例3の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例3の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
【0036】(実施例7)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例2の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例4の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例2の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例4の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
【0037】(実施例8)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例3の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例4の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例3の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に磁気シール
ド層及び製造例4の磁気塗料を塗工して第2記録層を形
成し、さらにその上に保護層を形成した。
【0038】[磁気シールド層を設けない場合の塗工方
法]磁気記録層は、磁気塗料をリバース方式にて乾燥膜
厚が12μmになるように塗工速度30m/分にて塗工
して、N−N対向型永久磁石で磁場配向してから乾燥さ
せて、さらに、40℃の恒温室に48時間放置して形成
した。また、保護層は保護塗料をリバース方式にて乾燥
膜厚が3μmになるように塗工速度50m/分にて塗工
して形成した。
法]磁気記録層は、磁気塗料をリバース方式にて乾燥膜
厚が12μmになるように塗工速度30m/分にて塗工
して、N−N対向型永久磁石で磁場配向してから乾燥さ
せて、さらに、40℃の恒温室に48時間放置して形成
した。また、保護層は保護塗料をリバース方式にて乾燥
膜厚が3μmになるように塗工速度50m/分にて塗工
して形成した。
【0039】(比較例1)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例2の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例2の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
【0040】(比較例2)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例3の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例1の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例3の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
【0041】(比較例3)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例2の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例4の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例2の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例4の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
【0042】(比較例4)厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例3の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例4の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
ンテレフタレートフィルム(PET)上に、製造例3の
磁気塗料を塗工して第1記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。次に、PETの裏面に製造例4の
磁気塗料を塗工して第2記録層を形成し、さらにその上
に保護層を形成した。
【0043】(磁気カードの評価)磁気シールド層及び
各保磁力の磁気記録層の磁気特性を表1に示す。
各保磁力の磁気記録層の磁気特性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】また、各実施例及び比較例で作製した磁気
塗工物を巾54mm×長さ85mmに打ち抜いて磁気カード
を作製し、その電磁変換特性の評価を磁気カードリーダ
ーライターによって行った。
塗工物を巾54mm×長さ85mmに打ち抜いて磁気カード
を作製し、その電磁変換特性の評価を磁気カードリーダ
ーライターによって行った。
【0046】裏面の低保磁力磁気記録層を、最適記録電
流で記録して再生出力を測定した。次に、表面の高保磁
力磁気記録層において裏面と同じトラック位置を最適記
録電流で記録して、再度低保磁力磁気記録層の再生出力
を測定した。高保磁力磁気記録層に記録後の低保磁力磁
気記録層の再生出力を初期の低保磁力磁気記録層の再生
出力で割った値を100倍した値(以下これを低保磁力
磁気記録層の相対出力と呼ぶ。)を表2に示す。
流で記録して再生出力を測定した。次に、表面の高保磁
力磁気記録層において裏面と同じトラック位置を最適記
録電流で記録して、再度低保磁力磁気記録層の再生出力
を測定した。高保磁力磁気記録層に記録後の低保磁力磁
気記録層の再生出力を初期の低保磁力磁気記録層の再生
出力で割った値を100倍した値(以下これを低保磁力
磁気記録層の相対出力と呼ぶ。)を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】(注)相対出力:高保磁力記録層に記録後
の低保磁力磁気記録層出力の値を低保磁力記録層の初期
出力の値で除した値を百分率で示した。
の低保磁力磁気記録層出力の値を低保磁力記録層の初期
出力の値で除した値を百分率で示した。
【0049】なお、磁気カードリーダーライターの記録
密度は200FCIであり、記録電流値は、磁気記録層
の保磁力によって表3に示した電流値であった。
密度は200FCIであり、記録電流値は、磁気記録層
の保磁力によって表3に示した電流値であった。
【0050】
【表3】
【0051】第2表から、両面の磁気記録層の下側に磁
気シールド層が積層されている実施例1〜4では、低保
磁力磁気記録層の相対出力は95〜99%の範囲にあ
り、高保磁力磁気記録層の記録を行っても低保磁力磁気
記録層の初期出力からほとんど変化しないことが理解で
きる。また、低保磁力の磁気記録層の下側に磁気シール
ド層が積層されている実施例5〜8では、低保磁力磁気
記録層の相対出力は93〜98%の範囲であり、やは
り、高保磁力磁気記録層の記録を行っても低保磁力磁気
記録層の初期出力からほとんど変化しないことが理解で
きる。この場合、低保磁力磁気記録層の下側に設けられ
た磁気シールド層の厚みは、実施例1〜4の約1.87
倍であるが、適宜膜厚を選択することによって、低保磁
力磁気記録層の下側のみに磁気シールド層を設けても十
分な磁気シールド効果が期待できることが理解できるで
あろう。また、両面の記録・再生トラック位置が異なっ
ている場合に、高保磁力磁気記録層に記録しても、裏面
の裏読み出力も極めて小さくなる。
気シールド層が積層されている実施例1〜4では、低保
磁力磁気記録層の相対出力は95〜99%の範囲にあ
り、高保磁力磁気記録層の記録を行っても低保磁力磁気
記録層の初期出力からほとんど変化しないことが理解で
きる。また、低保磁力の磁気記録層の下側に磁気シール
ド層が積層されている実施例5〜8では、低保磁力磁気
記録層の相対出力は93〜98%の範囲であり、やは
り、高保磁力磁気記録層の記録を行っても低保磁力磁気
記録層の初期出力からほとんど変化しないことが理解で
きる。この場合、低保磁力磁気記録層の下側に設けられ
た磁気シールド層の厚みは、実施例1〜4の約1.87
倍であるが、適宜膜厚を選択することによって、低保磁
力磁気記録層の下側のみに磁気シールド層を設けても十
分な磁気シールド効果が期待できることが理解できるで
あろう。また、両面の記録・再生トラック位置が異なっ
ている場合に、高保磁力磁気記録層に記録しても、裏面
の裏読み出力も極めて小さくなる。
【0052】さらに、比較例1〜4からわかるように、
磁気シールド層が設けられていない場合には、低保磁力
磁気記録層の相対出力は、両面に形成されている磁気記
録層の保磁力の組合わせによって変化して、11〜74
%の範囲となっており、磁気情報の記録が非常に不安定
になっていることがわかる。また、この不安定性は、両
磁気記録層の保磁力の比(高保磁力Hc(Oe)/低保磁
力Hc(Oe))が大きくなるほど大きくなるような傾向
を示すことが理解できる。
磁気シールド層が設けられていない場合には、低保磁力
磁気記録層の相対出力は、両面に形成されている磁気記
録層の保磁力の組合わせによって変化して、11〜74
%の範囲となっており、磁気情報の記録が非常に不安定
になっていることがわかる。また、この不安定性は、両
磁気記録層の保磁力の比(高保磁力Hc(Oe)/低保磁
力Hc(Oe))が大きくなるほど大きくなるような傾向
を示すことが理解できる。
【0053】以上のことから、本発明の磁気カード用記
録媒体では、両面に保磁力が異なる磁気記録層を設けて
も磁気情報の記録安定性が確保できる。
録媒体では、両面に保磁力が異なる磁気記録層を設けて
も磁気情報の記録安定性が確保できる。
【0054】また、本発明の磁気カード用記録媒体で
は、両面に保磁力の異なる磁気記録層を有しているの
で、たとえ磁気情報が読み出せても最適記録電流が異な
っているので、その信号を書き替えるのは容易ではない
であろう。さらに、高保磁力磁気記録層の磁気情報が接
触磁気転写されて複製されたとしても、この接触磁気転
写の場合には、複製しようとする磁気カードの保磁力
は、複製のために用意した磁気カードの保磁力の2.5
倍以上必要とされているし、また、保護層等によるスペ
−スロスによる漏れ磁界の減衰等を考慮すると保磁力6
50Oe程度以下の低保磁力磁気記録層の磁気情報を接
触磁気転写するのは容易ではないであろう。
は、両面に保磁力の異なる磁気記録層を有しているの
で、たとえ磁気情報が読み出せても最適記録電流が異な
っているので、その信号を書き替えるのは容易ではない
であろう。さらに、高保磁力磁気記録層の磁気情報が接
触磁気転写されて複製されたとしても、この接触磁気転
写の場合には、複製しようとする磁気カードの保磁力
は、複製のために用意した磁気カードの保磁力の2.5
倍以上必要とされているし、また、保護層等によるスペ
−スロスによる漏れ磁界の減衰等を考慮すると保磁力6
50Oe程度以下の低保磁力磁気記録層の磁気情報を接
触磁気転写するのは容易ではないであろう。
【0055】
【発明の効果】本発明の磁気カード用記録媒体では、非
磁性支持体の両面に保磁力の異なる磁気記録層を形成し
ても磁気情報の信頼性が確保できる。また、両面の磁気
記録層の保磁力が異なることによる偽造防止効果も有す
るものである。
磁性支持体の両面に保磁力の異なる磁気記録層を形成し
ても磁気情報の信頼性が確保できる。また、両面の磁気
記録層の保磁力が異なることによる偽造防止効果も有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気カード用記録媒体の断面図であ
る。
る。
1 非磁性支持体 2 磁気シールド層 3 第1記録層 4 第2記録層 5 第1保護層 6 第2保護層
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性支持体の両面に保磁力が異なる磁
気記録層を有する磁気カード用記録媒体において、非磁
性支持体と磁気記録層の間に磁気シールド層を有するこ
とを特徴とする磁気カード用記録媒体。 - 【請求項2】 磁気シールド層が非磁性支持体と低保磁
力の磁気記録層との間に形成されていることを特徴とす
る請求項1記載の磁気カード用記録媒体。 - 【請求項3】 磁気シールド層が軟磁性無機質粉末、結
合剤及び溶剤を主体とする磁気シールド塗料から成る請
求項1又は2記載の磁気カード用記録媒体。 - 【請求項4】 高保磁力の磁気記録層の保磁力が600
Oe〜4500Oeの範囲にある請求項1、2又は3記
載の磁気カード用記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3309033A JPH05143959A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 磁気カード用記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3309033A JPH05143959A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 磁気カード用記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05143959A true JPH05143959A (ja) | 1993-06-11 |
Family
ID=17988076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3309033A Pending JPH05143959A (ja) | 1991-11-25 | 1991-11-25 | 磁気カード用記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05143959A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100486182B1 (ko) * | 1996-08-30 | 2005-06-16 | 엔이씨 도낀 가부시끼가이샤 | 복합자성체테이프 |
-
1991
- 1991-11-25 JP JP3309033A patent/JPH05143959A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100486182B1 (ko) * | 1996-08-30 | 2005-06-16 | 엔이씨 도낀 가부시끼가이샤 | 복합자성체테이프 |
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