JPS6292128A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は磁気記録素子として針状金属磁性粉末を用い
た磁気テープ、磁気ディスク、磁気カードなどの磁気記
録媒体に関する。

〔従来の技術］ ポリエステルフィルムなどの支持体上に磁性粉末とバイ
ンダを含む磁性層を設けてなる磁気記録媒体は、その記
録再生に際して記録再生機器の磁気ヘッドやガイド部材
と大きな相対速度で摺接することから、上記磁性層にす
ぐれた耐久性が要求される。とくに上記磁性粉末として
針状金属磁性粉末を用いたものは、γ−Ｆ　ｅ２０３や
Ｆｅ５０．などの酸化物磁性粉末を用いたものに比較し
て高保磁力ですぐれた電磁変換特性を示すなどの利点を
有する反面、磁性粉末自体の硬度が小さいことから上記
の記録再生時に磁性層が摩耗しやすく走行耐久性に乏し
いという欠点があった（文献不詳）。

そこで、従来より針状金属磁性粉末を含む磁性層中に不
定形のＡｌ２Ｏ３や粒状のα−Ｆｅ２０３などの比較的
に硬度の大きい非磁性無機粉末からなる充填剤を配合し
て耐摩耗性を向上させて走行耐久性を改善することが行
われている（文献不詳）。

〔発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来の充填剤はいずれも金属磁性粉
末の針状粒子とは全く異なる不定形や粒状の粒子形状を
有していることから、磁性層のバインダに対する分散性
が金属磁性粉末とは著しく異なり、磁性層中で充填剤と
金属磁性粉末が均一な混合分散状態となりにくく偏在あ
るいは凝集を生じ、また充填剤粒子が金属磁性粉末の配
向を阻害し、これらによって磁性層の表面性の低下なら
びに電磁変換特性の劣化を招くとともに、磁性層表面に
不均一に突出した充填剤粒子によって逆に記録再生機器
の磁気ヘッドを傷つけやすいという問題点があった。

この発明は、上記問題点を解決すること、つまり磁気記
録素子として針状金属磁性粉末を用いるものにおいて磁
性層の表面性が良好でかつ走行耐久性および電磁変換特
性にすぐれた磁気記録媒体を提供することを目的として
いる。

〔問題点を解決するための手段］ この発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を
重ねた結果、前記従来の充填剤に代えて特定の非磁性針
状粉末を用いた場合、この粉末と針状金属磁性粉末とが
均一な混合分散状態で存在してかつ極めて良好な表面性
を有するとともに耐摩耗性にすぐれた磁性層が得られ、
磁気記録媒体の走行耐久性および電磁変換特性が大きく
改善され、しかもこの磁気記録媒体の記録再生にあたっ
て記録再生機器の磁気ヘッドが傷つきにくくなることを
見い出し、この発明をなすに至った。

すなわち、この発明は、支持体上に針状金属磁性粉末と
バインダとを含む磁性層が形成された磁気記録媒体にお
いて、上記磁性層中に上記針状金属磁性粉末の平均軸比
に対して０．３〜１．５倍の平均軸比を有するモース硬
度が５以上の非磁性針状粉末を含むことを特徴とする磁
気記録媒体に係る。

［発明の構成・作用］ この発明において磁性層中に含有させる非磁性針状粉末
は、軸比（長軸径／短軸径）の平均が使用する針状金属
磁性粉末の平均軸比の０３〜１．５倍、とくに好ましく
は０．７〜１．５倍で、かつモース硬度が５以上のもの
である。

すなわち、このような非磁性針状粉末は針状金属磁性粉
末と粒子形状が近似していることから、磁性層形成に用
いる磁性塗料中におけるバインダに対する両粉末の分散
性の差が少なく、両粉末が均一な混合分散状態で存在す
る磁性層を容易に得ることができる。しかもこの非磁性
針状粉末が針状粒子であるため、上記磁性塗料を支持体
上に塗布した際に磁性粉末とともに塗布方向に沿う面内
方向に機械的配向され、磁性層の表面性が極めて良好に
なる。したがってこの発明の磁気記録媒体は、磁性層の
上記表面性と針状金属磁性粉末の良好な分散性および配
向性に基づいてすぐれた電磁変換特性を示し、また一般
にモース硬度が４〜５程度である上記磁性粉末よりも硬
度の大きい非磁性針状粉末の存在によって磁性層の耐摩
耗性が良好であるために走行耐久性にすくれ、しかも磁
性層のすぐれた表面性により記録再生時に磁気ヘッドを
傷つけにくいものとなる。

なお、上記非磁性針状粉末の平均軸比が針状金属磁性粉
末の平均軸比の０．３倍より小さくなると、両粉末の形
状差によりバインダに対する両粉末の分散性の差が大き
くなり、両粉末が均一に混合分散した磁性層を得ること
が困難であり、かつ磁性塗料の塗布時に非磁性針状粉末
が機械配向しにく（なって磁性粉末の配向も阻害され、
磁性層の表面性が低下する。逆に上記平均軸比が１．５
倍よりも大きくなっても、やはり両粉末の形状差による
上記分散性の差が大きくなり、上述同様の問題がある。

また非磁性針状粉末のモース硬度が５より小さくなると
、磁性層の耐摩耗性を改善するという本来の効果が充分
に発揮されなくなる。

この発明で使用する非磁性針状粉末としては、平均軸比
および硬度が前記範囲にある種々の無機化合物粉末を使
用可能であるが、とくに平均長軸径が２ｐ以下、最も好
ましくは０．７　ｐ以下の微粉末であるものがよい。

このような非磁性針状粉末の具体例としては、第１鉄塩
の水溶液にアルカリを作用したのち酸化性ガスを吹き込
む方法で得られる針状α−ＦｅＯＯＨ（ゲータイト）粉
末、これを脱水して得られる針状α−Ｆｅ２０３（ベン
ガラ）粉末、その他ハロイサイトなどが挙げられるが、
とくに針状α−Ｆｅ２０３粉末は針状α−ＦｅＯＯＨ粉
末のような吸湿性がないことから最適である。

また上記非磁性針状粉末の使用量は、通常、針状金属磁
性粉末１００重量部に対して０．５〜１０重量部程度と
するのがよく、少なすぎると耐摩耗性の改善効果が不充
分となり、逆に多すぎると磁性層中の磁性粉末の比率が
相対的に低下して磁気特性ひいては電磁変換特性が低下
する。

この発明で使用する針状金属磁性粉末としては、従来よ
り磁気記録媒体の磁気記録素子として知られている針状
粒子からなる金属磁性粉末をいずれも使用可能である。

その具体例としては、Ｆｅ、Ｃｏ。

Ｎｉ、これら金属の合金、これら金属と他の金属もしく
は少量の非金属元素を含む合金などからなる針状粒子が
挙げられる。

またこのような針状金属磁性粉末の平均軸比は、磁気記
録素子としての必要性能上から５〜２０程度、とくに好
ましくは１０〜２０程度がよい。

この発明の磁気記録媒体を製造するには、常法にしたが
って行えばよく、上記針状金属磁性粉末、非磁性針状粉
末、バインダおよび必要に応じて配合する各種添加剤を
含む磁性塗料を調製し、これをポリエステルフィルムな
どの支持体上に塗布。

乾燥して磁性層を形成したのち、カレンダー加工などの
表面処理を施せばよい。

上記バインダとしては、従来より磁気記録媒体の磁性層
に用いられている種々のものを使用可能であり、たとえ
ば塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、
ブチラール系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂
などが挙げられ、これらは２種以上を併用してもよく、
またこれらとともにポリイソシアネート化合物などの架
橋剤を用いてもよい。

上記の必要に応じて配合する添加剤としては、潤滑剤２
分散剤、帯電防止剤などが挙げられるが、その他に研磨
剤ないし充填剤として知られる非針状粒子からなる非磁
性粉末も前記非磁性針状粉末に対して８０重量％以下の
量であれば添加しても差し支えない。

〔発明の効果１ この発明の磁気記録媒体は、針状金属磁性粉末を含む磁
性層中に該磁性粉末に近似した粒子形状を有する特定の
非磁性針状粉末を含有するものであるから、上記磁性層
が極めて良好な表面性と大きな耐摩耗性を備えてかつ上
記磁性粉末の分散性および配向性がよく、すぐれた走行
耐久性および電磁変換特性を具備し、しかも記録再生機
器の磁気ヘッドを傷つけにくいという特徴を持っている
。

［実施例］ 以下に、この発明の実施例を比較例と対比して具体的に
説明する。なお、以下において部とあるは重量部を意味
する。

実施例１ 金属Ｆｅ磁性粉末　　　　　　　　　１００部（平均軸
比１０、平均長軸径０．４／”ｌ　）塩化ビニル−酢酸
ビニル系共重合体　　　　１２５部（米国Ｕ、Ｃ０Ｃ，
社製の商品名ＶＡＧＨ）針状α−Ｆｅ、、０３粉末　　
　　　　　　　３部（平均軸比５、平均長軸径０．４ｐ
） メチルイソブチルケトン　　　　　　　７５部ト　　　
ル　　　エ　　　　ン　　　　　　　　　　　　　　　
　　７５部上記組成物をボールミルにて７２時間混合分
散して磁性塗料を調製し、この塗料を厚さ１２μのポリ
エステルフィルム上に配向磁場を印加しながら乾燥厚が
５戸となるように塗布乾燥して磁性層を形成したのち、
カレンダー加工を施して所要幅に裁断し、磁気テープを
作製した。

実施例２ 針状α−Ｆｅ２０３粉末として平均軸比１ｏで平均長軸
径０．３声のものを３部使用した以外は、実施例１と同
様にして磁気テープを作製した。

（平均軸比５、平均長軸径０．５２）　３部を使用した
以外は、実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

比較例１ 針状α−Ｆｅ２０３粉末に代えて粒状α−Ｆｅ２０３粉
末（平均粒子径０．４．”Ｚ）３部を使用した以外は、
実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

比較例２ 針状α−Ｆｅ２０３粉末に代えて無定形粒子からなるＡ
ｌ２Ｏ，粉末（平均粒子径０．５／”）３部を使用した
以外は、実施例１と同様にして磁気テープを作製した。

以上の実施例および比較例の各磁気テープについて、磁
性層の表面粗さ、走行耐久性、電磁変換特性、ヘッド損
傷性を測定した結果を下表に示す。

なお、磁性層の表面粗さは触針式表面粗度計を使用して
測定した磁気テープの中心線平均粗さにて示し、走行耐
久性は各得られた磁気テープをカセットデツキに装置し
て反復走行させたとき、ｌ０ＫＨｚの出力低下が２ｄＢ
以上になるまでの回数を測定して調べた。また、ヘッド
の損傷性は磁気テープを２，５００ｍ走行させたときの
ダミーヘッドの摩耗高さを測定して示した。さらに電磁
変換特性は１２．５ＫＨｚにおける感度（ｄＢ）を比較
例１の磁気テープを基準（ＯｄＢ）とした相対値にて示
した。

上表から明らかなように、磁性層中に非磁性針状粉末を
含むこの発明の磁気テープ（実施例１〜３）は、上記針
状粉末の代わりに非針状粒子からなる非磁性粉末を含む
従来構成の磁気テープ（比較例１，２）と同等の走行耐
久性を有し、しかも磁性層の表面性が良好ですぐれた電
磁変換特性を示し、また磁気ヘッドを傷つけにくいこと
が判る。

これに対して従来構成の磁気テープは、磁性層の表面性
に難があり、電磁変換特性に劣り、また磁気ヘッドを損
傷しやすいことが判る。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）支持体上に針状金属磁性粉末とバインダとを含む
   磁性層が形成された磁気記録媒体において、上記磁性層
   中に上記針状金属磁性粉末の平均軸比に対して０．３〜
   １．５倍の平均軸比を有するモース硬度が５以上の非磁
   性針状粉末を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）針状金属磁性粉末の平均軸比が５〜２０である特
   許請求の範囲第（１）項記載の磁気記録媒体。
3. （３）非磁性針状粉末の平均軸比が針状金属磁性粉末の
   平均軸比の０．７〜１．５倍である特許請求の範囲第（
   １）項または第（２）項記載の磁気記録媒体。
4. （４）非磁性針状粉末の平均長軸径が２μｍ以下である
   特許請求の範囲第（１）〜（３）項のいずれかに記載の
   磁気記録媒体。