JP2001319318A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001319318A
JP2001319318A JP2000139927A JP2000139927A JP2001319318A JP 2001319318 A JP2001319318 A JP 2001319318A JP 2000139927 A JP2000139927 A JP 2000139927A JP 2000139927 A JP2000139927 A JP 2000139927A JP 2001319318 A JP2001319318 A JP 2001319318A
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magnetic
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card
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Wakana Ishizaka
和香奈 石坂
Atsushi Umezawa
敦 梅沢
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠蔽層等の被覆層の厚みを増しても、スペー
シングロスが増加することによる出力低下等が起きにく
く、また、情報の書込み・読取りが可能な磁気記録媒体
を提供しようというものである。 【解決手段】 基材2上に、板状比が1.5以上のBa
−フェライトを磁性材として用い、抗磁力が580〜7
20エルステッド、角形比が0.85以上である磁気記
録層3を積層し、好ましくは、磁気記録層3の上面に、
隠蔽層7a、多色の模様層71〜74、および保護層7
4からなり、総厚みが8〜25μmの被覆層を積層する
ことにより課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
するものであって、特に、磁気カードの構成とすること
により、クレジットカードや銀行等の預貯金用カードに
適用するのに適した、改良された磁気記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】基材に磁性材を含有する層を積層して磁
気記録層とした磁気記録媒体は種々の用途において使用
されており、具体的には、プリペイドカード、定期券、
乗車券、入場券、競輪・競馬等の投票券、商品券、株
券、証書、預貯金用通帳、もしくは磁気タグ等の金券や
証券、預貯金用カード、クレジットカード、IDカード
(例えば身分証明書)、もしくは会員カード等のカード
類、磁気テープ、磁気転写テープ、または磁気ラベル等
がある。
【0003】これらの磁気記録媒体は、磁気記録層に対
して専用の書込み機、および読取り機を用いて書込みを
行ない、記録された情報を手軽に読取れないよう注意が
払われているが、さらに近年、磁気記録層を隠蔽性の高
い塗膜で被覆し、見えにくくすることも行なわれている
(特公平5−76701号)。
【0004】しかし、現実に、隠蔽性の高い塗膜で被覆
する際には制約がある。特に、磁気カードの場合には、
クレジットカードの場合には、海外でも使用することが
多く、また銀行カードにおいても、銀行の本支店や他行
で使用される等、広い範囲で利用されるため、互換性の
確保のために、規格が厳重に定められており、現状で
は、Fe23を磁性材とした、抗磁力が650エルステ
ッドであるものが一般的に使用されている。
【0005】ところが、この650エルステッドの抗磁
力の磁気カードにおいて、磁気記録層上に隠蔽層を形成
する際には、隠蔽層が厚くなるとスペーシングロスが増
加することによる出力低下等が起こる。このため、磁気
記録層を用いた書込み、および読取りを確実に行なうた
めに、その厚みを8μm未満にする必要があるが、隠蔽
層の厚みが8μm未満であると、隠蔽層を重ねて形成し
たり、隠蔽層を多色の模様状に形成することができず、
従って、磁気記録層上の外観が単純なものになりがちで
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、隠
蔽層の厚みを増しても、スペーシングロスが増加するこ
とによる出力低下等が起きにくく、また、情報の書込み
を可能にすること、あるいは、隠蔽層と隠蔽層を重ねて
形成したり、隠蔽層を多色の模様状に形成することが可
能な磁気記録媒体を提供しようというものである。
【0007】
【課題を解決する手段】上記の課題は、板状比が1.5
以上のBa−フェライトを磁性材として用い、抗磁力が
580〜720エルステッド、角形比が0.85以上で
ある磁気記録層を用いることにより、解決することがで
きた。
【0008】第1の発明は、板状比が1.5以上のBa
−フェライトが磁性材としてバインダ樹脂中に分散され
てなる磁気記録層を基材の一部に有しており、前記磁気
記録層の抗磁力が580〜720エルステッド、角形比
が0.85以上であることを特徴とする磁気記録媒体に
関するものである。第2の発明は、第1の発明におい
て、前記磁気記録層の上面に、厚みが8μm〜25μm
の被覆層が積層されていることを特徴とする磁気記録媒
体に関するものである。第3の発明は、第2の発明にお
いて、被覆層が隠蔽層であることを特徴とする磁気記録
媒体に関するものである。第4の発明は、第2の発明に
おいて、被覆層が模様層であることを特徴とする磁気記
録媒体に関するものである。第5の発明は、第4の発明
において、模様層が白色層を下層に伴なうことを特徴と
する磁気記録媒体に関するものである。第6の発明は、
第2の発明において、被覆層が受像層であることを特徴
とする磁気記録媒体に関するものである。第7の発明
は、第2の発明において、被覆層がホログラムであるこ
とを特徴とする磁気記録媒体に関するものである。第8
の発明は、第4、第6、または第7の発明において、被
覆層が下層に隠蔽層を伴なうことを特徴とする磁気記録
媒体に関するものである。第9の発明は、第6または第
7の発明において、被覆層が下層に透視可能な模様層を
伴なうことを特徴とする磁気記録媒体に関するものであ
る。第10の発明は、第2〜9いずれかの発明におい
て、被覆層が保護層を被せてあることを特徴とする磁気
記録媒体に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体1
の適用例の一例である、クレジットカードを示す平面図
である。図1に示す例においては、磁気記録媒体1は、
カード基材2上に磁気記録層3が積層され、それとは別
の位置にICモジュール4が埋め込まれており、任意の
デザインやカード名等を示す印刷5が施され、エンボス
加工による浮き出し文字6が設けられたものであり、ま
た、カード基材2のICモジュール4が埋め込まれてい
る部分を除いた全面には、隠蔽層7が積層されたもので
ある。
【0010】図1の磁気記録媒体1における磁気記録層
3は、板状比が1.5以上のBa−フェライトが磁性材
としてバインダ樹脂中に分散されてなるものであり、こ
の磁気記録層の抗磁力は580〜720エルステッド、
角形比が0.85以上であることを特徴とするものであ
る。なお、図1を引用して説明した磁気記録媒体1は、
カードの一例を示すもので、カード1の基材2に適用さ
れる様々な情報記録手段としては、公知の種々のものの
中から任意に選択できる。
【0011】図2〜図5は、本発明の磁気記録媒体1の
様々な態様における断面図であり、いずれもカードの例
で示して有り、図1の磁気記録媒体1で言えば、A−A
線で切断したときの積層構造を示す。図2(a)におい
て、カード基材2は、上から、オーバーシート2a、二
枚のコアシート2b、および2b’、ならびにオーバー
シート2a’の四枚のシートが互いに積層されたもので
あって、このように四枚のシートを積層してカードとす
ることがよく行なわれている。このような慣用的な四枚
構成の場合、二枚のオーバーシート2a、および2a’
の材質と厚みは同じであり、また、二枚のコアシート2
b、および2b’の材質と厚みは同じである。また、こ
のような慣用的な四枚構成の場合、一般的には、二枚の
コアシート2b、および2b’は、隠蔽性の有る、例え
ば白色のシートであり、二枚のオーバーシート2a、お
よび、2a’は、無色透明なシートとする。
【0012】図2(a)に示す磁気記録媒体1において
は、磁気記録層3は、図中、上側のオーバーシート2a
の上面に埋め込まれて積層されており、磁気記録層3の
上面とオーバーシート2aの上面とは一続きの平面をな
している。即ち、磁気記録層3は、カード基材1の表面
に露出していてもよい。
【0013】図2(b)に示す磁気記録媒体1は、カー
ド基材2の積層構造自体は、図2(a)に示すものと同
じで、磁気記録層3が最も上にあるオーバーシート2a
のすぐ下にあるコアシート2bの上面に埋め込まれて積
層されており、磁気記録層3の上面と、コアシート2b
の上面とは一続きの平面をなしている。従って、この図
の場合、磁気記録層3は、オーバーシート2aの厚みの
分だけ、カード基材の最表面より内部に存在する。即
ち、磁気記録層3は、カード基材1の内部に存在してい
てもよい。
【0014】図2(a)、および(b)においては、カ
ード基材の一方の表面、もしくはオーバーシート2aの
直下に、カード一枚につき一個所、磁気記録層を有して
いるものである。
【0015】図3(a)、および(b)に示す磁気記録
媒体1においては、カード基材2は、表裏に一枚ずつの
オーバーシート2a、および2a’、ならびに中心のコ
アシート2bの三枚のシートの積層体からなっているも
のとして示してあるが、図2を引用して説明したような
四枚構成であっても差し支えない。カード基材2が、三
枚のシートの積層体からなるとき、コアシート2bは、
隠蔽性の有る、例えば、白色のシートであり、二枚のオ
ーバーシート2a、および、2a’は、無色透明なシー
トとする。
【0016】図3(a)に示す例においては、表裏の二
枚のオーバーシート2a、および2a’の外側面に、各
々磁気記録層3、および3’が埋め込まれて積層されて
おり、磁気記録層3の上面と、オーバーシート2a、も
しくは2bの外側面とは一続きの平面をなしている。
【0017】また、図3(b)に示す例においては、中
心のコアシート2bの両面に、各々磁気記録層3、およ
び3’が埋め込まれて積層されており、埋め込まれた状
態では、磁気記録層3の露出面とコアシート2bの上面
とは一続きの平面をなしており、また、磁気記録層3’
の露出面とコアシート2bの下面も一続きの平面をなし
ている。
【0018】図3(a)、および(b)においては、カ
ード基材の表と裏の両表面、もしくはオーバーシート2
a、もしくは2bの直下に、カード一枚につき二個所、
磁気記録層を有しているものである。カード一枚につき
二個所、磁気記録層を有している場合、いずれか一方の
磁気記録層は、板状比が1.5以上のBa−フェライト
が磁性材としてバインダ樹脂中に分散されてなるもので
あり、この磁気記録層の抗磁力は580〜720エルス
テッド、角形比が0.85以上であることを特徴とする
ものであるが、他方の磁気記録層は、他の磁気特性を有
するものであってもよい。なお、ケースとしては多くな
いけれども、カード一枚につき三個所以上の磁気記録層
を有するカードもあり得る。
【0019】図1〜図3を引用して説明した以上の例に
おいては、いずれの磁気記録層3も、ストライプ状のも
のとして例示したが、磁気記録層3の平面形状は、これ
らにおけるようなストライプ状に限ることはなく、他の
形状であってもよいし、、磁気記録層3(および3’)
の平面図における位置も、図では、カード基材2の長手
方向の一辺に沿ったやや内側としたが、各々における磁
気記録層3(および3’)の位置は、他の位置であって
もよい。
【0020】また、図3(a)における磁気記録層3、
および3’は、いずれもカード基材の外側面、即ちオー
バーシート2a、および2bの外側面に位置し、図3
(b)における磁気記録層3、および3’は、各々がコ
アシート2bの外側面に位置しているが、一方の磁気記
録層3がオーバーシート2aの外側面に位置し、他方の
磁気記録層3’がコアシート2bの外側面に位置してい
てもよい。
【0021】本発明の磁気記録媒体1は、上記のような
通常のカードの構成を取る場合に、従来のカードにおけ
るよりも磁気記録層に性能を向上させてあるため、書込
み、読取りの効率がよく、得られる出力の高いカードと
することが出来る。同時に、本発明の磁気記録媒体1
は、以下に述べるように、磁気記録層上に、種々の被覆
を行なった、いわゆる隠蔽カードにおいて特に価値が高
い。
【0022】図4、および図5においては、カード基材
に隠蔽層を積層した種々の例を示したものであるが、い
ずれにおいても、磁気記録層上に、何らかの被覆層が積
層されているものである。まず、図4(a)は、図2
(a)に示すようなカードの、磁気記録層3のある側の
表面に、隠蔽層7aを積層したものに相当する。この隠
蔽層7aは8μm〜25μmとすることが好ましく、こ
のような厚みとしても、磁気記録層3の性能を向上させ
てあるために、書込み、読取りの確実性が確保される。
【0023】あるいは、図4(b)におけるように、磁
気記録層3が、オーバーシート2aの下のコアシート2
b上に埋め込まれていても、隠蔽層7aの厚みとオーバ
ーシート2aの厚みとの和が8μm〜25μmであれ
ば、図4(a)に示すようなカードと同様な効果を発揮
することができる。
【0024】図5(a)のカード1は、図3のカード1
の隠蔽層7a上に、さらに隠蔽層7bを積層した、二重
の隠蔽層が形成された例であり、この例では、上側の隠
蔽層7bは、模様層であることを想定して描いてある。
この場合、二つの隠蔽層7a、および7bの厚みの和を
8μm〜25μmとすることが好ましく、このような厚
みとしても、磁気記録層3の性能を向上させてあるため
に、書込み、読取りの確実性が確保される。
【0025】図5(b)は、磁気記録層3をオーバーシ
ート2aの下のコアシート2b上に埋め込んだものであ
るが、この場合でも、オーバーシート2aの厚み、隠蔽
層7aの厚み、および隠蔽層7bの厚みの総和が8μm
〜25μmであることが、書込み、読取りの確実性の確
保の意味で好ましい。
【0026】図4(a)および(b)、並びに図5
(a)および図5(b)においては、磁気記録層3はカ
ードの上面側に形成されている。即ち、磁気記録層3
は、オーバーシート2aの上面、もしくはコアシート2
bの上面に埋め込まれており、磁気記録層3は、いずれ
のカードにおいても、カード一枚につき一個所に積層さ
れている。上記の図4、および図5に示した構成に加
え、別の磁気記録層が下面側に形成されて、カード一枚
につき磁気記録層が二個所に積層されていてもよい。ま
た、二個所とは対象の位置ではなく、上面側の磁気記録
層がオーバーシート上面、下面側の磁気記録層がコアシ
ート下面に埋め込まれるような、非対象の位置に積層さ
れていてもよい。
【0027】図5において、隠蔽層7bを模様層として
形成する場合、その模様が網点によって形成されていて
も、もしくはシルクスクリーン印刷物におけるように、
輪郭内が均一着色された層によって形成されていてもよ
い。
【0028】また、図4(a)、および(b)における
ような、カードの一方の面に隠蔽層の一層のみを形成す
る場合であって、隠蔽性が確保できるときは、隠蔽層そ
のものを模様層としてもよい。極端な場合、模様層の隙
間から磁気記録層が物理的には見えていても、その隙間
に磁気記録層と周囲との境界が覗いていない限り、磁気
記録層の存在は判然としないので、そのような隙間を有
した隠蔽の態様もあり得る。いわゆるカモフラージュで
ある。
【0029】隠蔽層7aは、磁気記録層の存在を覆い隠
す事が目的で積層されるので、最小限、磁気記録層3の
上にのみ積層すればよく、これにより、磁気記録層3が
隠される。けれども、カード1に少なくとも一個所の磁
気記録層3が存在することは知られているので、これで
は却って、磁気記録層3の位置を明確化することになり
かねない。一般的には、磁気記録層3を覆うだけでな
く、磁気記録層3の周辺をも含めて覆うことができる面
積とすることが好ましく、さらに、磁気記録層3を覆
い、かつカード基材2上の全面を覆うようにすれば、磁
気記録層3の位置は、一層、不明確になるので、より好
ましい。
【0030】図6に示すカード1は、図5に示すカード
1の態様をさらに発展させたものであり、まず、基材2
の表面に磁気記録層3が埋め込まれて積層されており、
磁気記録層3の上面と基材2の上面とは一続きの平面を
なしている。磁気記録層3、およびその周囲(もしくは
カード全面)の上には、隠蔽層7aが積層されて、磁気
記録層3が基材2のいずれの場所にあるかが、上面から
の観察では分からないようになっている。
【0031】隠蔽層7a上には、符号71、72、およ
び73で表示される三つの模様層が積層されており、こ
れら三つの模様層の各々は印刷の三原色に相当する物を
想定しているが、模様層の数は、三つに限るものではな
く、任意の数とすることができる。具体的には、印刷、
インキジェット、もしくは電子写真等の印刷、もしくは
印刷類似の手法を一回適用して一層の模様層とする以外
に、手法の複数回の適用により、多層の模様層とするこ
とができる。なお、多層の模様層は、図6に示すような
各模様層の積み重ねとは限らず、下層の模様層における
空白の部分を、上層の模様層の一部が占めることもあり
得る。
【0032】図6(b)においては、以上の隠蔽層7
a、並びに模様層71、72、および73に加えて、最
上層に透明樹脂からなる保護層74が積層されており、
下層の模様層71、72、および73を保護する機能を
果たしている。なお、保護層74は、この図のものに限
らず、他の被覆層の保護の意味で使われ、目的によっ
て、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線
硬化性樹脂等を使い分けることが好ましい。
【0033】ここで、カードも含めた磁気記録媒体1に
ついて、説明する。まず、磁気記録媒体1の基材2とし
ては、紙、プラスチックシート、もしくは金属箔又は金
属板等を単独か、又は組合せて使用することができる。
用途によって必要な剛性、フレキシブルさ、加工の際の
接着性、印刷適性、必要であればエンボス適性等を考慮
して選択し、使用する。カードの場合であれば、加工の
適性から現在では塩化ビニル樹脂製のシートが使われる
事が多いが、近年のプラスチック素材の見直しにより、
廃棄時の焼却において問題が生じないポリオレフィン系
樹脂や、エンボス可能な非結晶性ポリエステル系樹脂等
のシートを使用することが好ましい。プラスチックシー
トを用いる場合には、白色等の隠蔽色のものや、透明な
ものを使い分けることがある。
【0034】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
の例としては、ジカルボン酸成分がテレフタル酸で、ジ
オール成分がエチレングリコール、および1,4−シク
ロヘキサンジメタノールで構成されるものが挙げられ
る。ジオール成分としては、前者が70質量%程度、後
者が30質量%程度である。
【0035】そのほか、プラスチックシートとしては、
ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、セルロースジアセテ
ート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
エステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂等)、
ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂のやポリオレフ
ィン系樹脂、その他の樹脂のシートも使用できる。
【0036】カード等の用途で、より耐熱性が要求さ
れ、しかもエンボス適性も必要なときには、上記したよ
うな非結晶性ポリエステル樹脂のシートを使用するとよ
く、またより高度な耐熱性が要求される場合には、非結
晶性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのブレ
ンド樹脂のシート等も使用できる。
【0037】本発明の磁気記録媒体1における磁気記録
層3は、板状比が1.5以上のBa−フェライトが磁性
材としてバインダ樹脂中に分散されてなるものであり、
かつ磁気記録層3の抗磁力が580〜720エルステッ
ド、角形比が0.85以上であることが望ましい。
【0038】上記において、板状比が1.5以上の磁性
体は、板状比が1.5未満の磁性体にくらべ、抗磁力が
温度等の変化に対して変化する割合が小さく、安定であ
り、また角形比についても大きくなる傾向が見られる。
抗磁力の上記の範囲は、現在、広く使われている、Fe
23を磁性材とした、抗磁力が650エルステッドであ
る磁気記録層に対応したもので、650エルステッドを
中心に、±70エルステッド(±約10%に相当)の範
囲のものであれば、650エルステッドの磁気記録層を
想定して作られている書込み、および読取りを行なう装
置で、書込み、もしくは読取りを行なう際に支障が生じ
ない。また、上記において、角形比が0.85以上であ
れば、角形比が0.85未満のものにくらべて高い出力
が得られるため、好ましい。
【0039】上記の磁性体は、バインダー樹脂、溶剤、
希釈材等と混合し、分散して得られる磁気記録層形成用
のインキ組成物もしくは塗料組成物を、公知の塗付方
法、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティ
ング法、ナイフエッジ法等により基材2上、もしくは基
材2を構成するシートに直接塗布し、乾燥等により硬化
させて、磁気記録層3とすることができる。
【0040】あるいは、基材とは別のプラスチックフィ
ルム等に塗付し、形成したものを、接着剤を介する等し
て基材2上に貼るか、もしくは剥離性のプラスチックフ
ィルムに塗付し、形成したものを、接着剤を介する等し
て基材2、もしくは基材2を構成するシート上に転写し
て磁気記録層3としてもよい。あるいは、磁性体を、真
空蒸着法、スパッタリング、もしくはめっき等により薄
膜としても、磁気記録層とすることが可能である。
【0041】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物に用いるバインダー樹脂としては、ポリビニ
ルブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体
樹脂、等を用いることができ、必要に応じて、ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂、もしくはウレタンエラストマー等
が添加される。また耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポ
リアミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリエーテル
サルフォン等のガラス転移点の高い樹脂を用いてもよ
く、あるいはイソシアネート化合物等との硬化反応によ
りガラス転移点が上昇する系を用いることもできる。
【0042】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物には、これらのほか、必要に応じて、界面活
性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリ
コーンオイル、もしくはカーボン等が添加してあっても
よい。
【0043】磁気記録層3の厚みは、塗付方法によって
形成する際には、好ましくは、1〜100μm、より好
ましくは5〜20μm程度である。また、真空蒸着法、
スパッタリング、めっき等により形成する場合には、好
ましくは、10nm〜1μm、より好ましくは、50n
m〜200nmである。出力を大きくするためには、磁
気記録層3の厚みを厚くすることが好ましく、特に、磁
気記録層3上に隠蔽層7を積層したり、隠蔽層7aおよ
び模様層7bを積層する場合には、磁気記録層3の厚み
を厚くするとよい。
【0044】隠蔽層7aは、隠蔽性の高い顔料を含む隠
蔽層形成用組成物を用いて、印刷もしくは塗付すること
により、少なくとも、磁気記録層3の上方に、好ましく
は、磁気記録層3の上方を含むカード1の基材2の全面
に形成する。
【0045】隠蔽層形成用組成物としては、金色、もし
くは銀色等の金属色を呈する塗料組成物を用いるか、も
しくは二酸化チタン等の隠蔽性の高い顔料を含む塗料組
成物を用いるとよい。あるいは隠蔽層7aの形成は、隠
蔽層7aを転写層として持つ転写シートを用いて行なっ
てもよい。隠蔽層7aは、それを構成する材質にもよる
が、3〜5μm程度の厚みとすることが好ましいが、隠
蔽性の確保の点で、それ以上にしてもよい。
【0046】模様層7b(もしくは、71〜73)は、
通常のインキ組成物と印刷法を利用して形成することが
できる。
【0047】隠蔽層7の形成は、バインダー樹脂、金
色、もしくは銀色等の金属色を呈する金属もしくは合金
の微粒子、必要に応じて二酸化チタン等の隠蔽剤、染料
もしくは顔料等の着色剤、並びにその他の添加剤を、溶
剤および希釈剤と共に混合して、溶解もしくは分散させ
て得られる隠蔽層形成用のインキ組成物もしくは塗料組
成物を、公知の塗付方法、例えば、グラビアコーティン
グ法、ロールコーティング法、ナイフエッジ法等により
基材2上の磁気記録層3上に塗布し、乾燥等により硬化
させて行なうことができる。あるいは、基材とは別の被
塗付体に塗付し形成したものを接着剤を介する等して基
材2上に貼るか、剥離性の被塗付体に塗付し形成したも
のを接着剤を介する等して基材2上に転写してもよい。
【0048】隠蔽層形成用のインキ組成物もしくは塗料
組成物に用いるバインダー樹脂としては、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース、エチルヒドロキシセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、もしくは酢
酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはス
チレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、もしくはポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂もしくはメタクリ
ル樹脂の単独、あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン変
性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、もしく
は重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、また
はポリビニルブチラール樹脂等が使用できる。
【0049】また、隠蔽層形成用のインキ組成物もしく
は塗料組成物には、必要に応じて、磁気ヘッドのクリー
ニング効果を有する二酸化チタン、アルミナ、マイクロ
シリカ等の微粉末を添加してもよく、添加剤としては、
この他、必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グ
リース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、もしく
は分散剤等も使用できる。
【0050】本発明においては、磁気記録層3が、板状
比が1.5以上のBa−フェライトが磁性材としてバイ
ンダ樹脂中に分散されてなるものであり、また、磁気記
録層3の抗磁力が580〜720エルステッド、角形比
が0.85以上であることを特徴としているので、磁気
記録層3上に、比較的厚い被覆層を積層しても、通常の
磁気カード等と同様なレベルでの書込み、および読取り
が可能である。
【0051】本発明者の検討によれば、磁気記録層3の
上面が、カードの最表面よりも8μm〜25μmの内部
にあっても、通常の磁気カード等と同様、充分なレベル
での書込み、および読取りが可能である。従って、磁気
記録層上に積層する各種の被覆層の厚みの合計が8μm
〜25μmであることが好ましい。
【0052】ここで、下限を8μmとした理由は、磁気
記録層3〜基材2の最表面間の距離が8μm未満である
と、隠蔽層7が厚みを要するため、隠蔽層7を形成する
のみで、他の層(例えば模様層)を積層できないか、ま
たは隠蔽層以外に、積層出来る層の数がごく少なくなる
からである。
【0053】また、上限を25μmとしたのは、25μ
mを超えると、スペーシングロスによる出力低下が大き
くなって、通常の磁気カード等と同様なレベルでの書込
み、および読取りが不可能になるからである。この被覆
層の厚みの範囲については、後述の実施例で実証例を示
す。
【0054】本発明においては、磁気記録層3として、
板状比が1.5以上のBa−フェライトが磁性材として
バインダ樹脂中に分散されてなり、抗磁力が580〜7
20エルステッド、角形比が0.85以上であるものを
使用したことにより、磁気記録層上に、8μm〜25μ
mの厚みを取る事が可能になるため、この厚みを利用し
て、種々の応用を図ることが出来る。
【0055】図7〜図9は、いずれも、磁気記録層3上
に積層することが可能な8μm〜25μmの被覆層の厚
みを利用したもので、カードに適用すると、効果の大き
い構成である。
【0056】まず、図7(a)に示す磁気記録媒体1に
おいては、基材2の上面に、磁気記録層3が埋め込まれ
て積層されており、磁気記録層3の上面と基材2の上面
とは一続きの平面をなしている。そして、磁気記録層3
上、および基材2の磁気記録層3がない部分の上とを共
通に覆う隠蔽層7aが積層されている。前述したよう
に、隠蔽層7aは、磁気記録層上のみを覆っていたり、
磁気記録媒体1の全面を覆っていることもある。なお、
以降の図においても、図9(b)を除き、ここまでの基
材2、磁気記録層3、および隠蔽層7aの積層された構
成は共通であるので、その都度の説明は省略する。
【0057】図7(a)においては、隠蔽層7a上の一
部に模様層71aが積層されており、さらに特徴的な点
として、模様層71a以外の部分に透明層71bが積層
されており、即ち、模様層71a、および透明層71b
の両層が合わさって、少なくとも隠蔽層7a上を覆って
いる。両層は、より好ましくは、磁気記録層3の周囲も
含めて覆っており、もっと好ましくは、両層7a、およ
び71bが基材の全面を覆っている。
【0058】このような構成をとることにより、透明層
71bを欠く構成にくらべて、磁気記録媒体1の上面の
少なくとも磁気記録層3上は、段差が無く、平坦性が保
たれており、磁気記録媒体1を走行させて書込み、もし
くは読取りを行なう際に、エラーが生じにくい効果が生
じ、しかも、磁気記録層3の性能を向上させてあるため
に、図において磁気記録層3上に、隠蔽層7a、模様層
71aもしくは透明層71b、および透明樹脂からなる
保護層74の三層が積層されているにもかかわらず、書
込み、読取りの確実性が確保される。
【0059】次の図7(b)においては、隠蔽層7a上
に白色層75が積層されており、その上に、模様層7
1、および透明樹脂からなる保護層74が積層されてい
る。即ち、白色層75が積層されたことが特徴的な点
で、このような構成をとることにより、隠蔽層7aの色
(金色や銀色等の金属色であることが多い。)が隠され
て、白色化するため、模様層71の効果(印刷効果、も
しくは彩色効果である。)が向上し、望む色彩の模様を
形成しやすく、しかも、磁気記録層3の性能を向上させ
てあるために、図において磁気記録層3上に、四層が積
層されているにもかかわらず、書込み、読取りの確実性
が確保される。白色層は通常、二酸化チタンを白色顔料
として含有し、隠蔽性が高く、しかも印刷下地として好
ましい白色を与え得る。
【0060】図8(a)においては、隠蔽層7a上に、
模様層71が積層されており、模様層71上に、受像層
76、および保護層74が順に積層されている。受像層
76は、透明で、染着性のある樹脂、例えば、ポリエス
テル樹脂等からなる。このような構成をとることによ
り、例えば、昇華性染料がバインダ樹脂中に溶解した転
写層を有する昇華転写シートを用いて、この受像層76
に、顔写真等の画像を形成することができ、しかも、磁
気記録層3の性能を向上させてあるために、書込み、読
取りの確実性が確保される。画像は、他の素材を用いて
形成してもよい。なお、受像層76への画像形成は、保
護層74の無い状態で行ない、画像形成後に保護層74
を積層する。
【0061】なお、図8(a)に示すような構成は、剥
離性基材上に、保護層74、および被着体との接着剤を
兼ねた受像層76とが順に積層された再転写用シートを
準備しておき、この再転写用シートの受像層76に、前
述の昇華転写シート等を用いた顔写真等の画像形成を行
ない、他方、基材2、磁気記録層3、隠蔽層7a、およ
び模様層71までを積層したものに転写を行なっても、
形成することができ、同様な効果を得ることができる。
【0062】図8(b)におけるものは、図8(a)に
おけるものと、ほぼ同様で、ただし、隠蔽層7aと模様
層71との間に、クッション性層77が積層されている
点のみが相違している。クッション性層77は、例え
ば、マイクロカプセル型の発泡剤を含む塗料もしくはイ
ンキを塗布し、乾燥後、加熱して得られた発泡層であ
り、断熱性を有し、かつクッション性も有している。こ
のような構成をとることにより、前述の昇華転写シート
を用いて顔写真等を形成するときに、下層の磁気記録層
のある部分と周囲の部分とで、印字濃度が異なるのを防
止することができ、しかも、磁気記録層3の性能を向上
させてあるために、書込み、読取りの確実性が確保され
る。
【0063】図9(a)、および(b)はホログラム7
8を磁気記録媒体1上に適用する例である。図9(a)
においては、隠蔽層7a上に模様層71が積層されてお
り、模様層71上にはアンカー層79を介して、ホログ
ラム78が積層されている。このホログラム78は、下
側から、透明反射層78a、およびホログラム形成層7
8bとが積層された透明型のものであって、下層の模様
層がホログラム78を通して透視できる。ホログラムに
は不透明な反射型のものもあり、その場合には、下層の
透視性がないので、ホログラムを磁気記録媒体1全体よ
りも小さいサイズで形成しておき、ホログラムの無い部
分では下層が見えるようにしてもよい。最上層には、透
明樹脂からなる保護層74が積層されている。ここにお
ける保護層74は、電離放射線硬化性樹脂が硬化した耐
久性の高いものを用いるのが好ましい。このような構成
をとることにより、模様上をホログラムで覆った構成の
磁気記録媒体1を得ることができ、多数の層が積層され
ているにもかかわらず、磁気記録層3の性能を向上させ
てあるために、書込み、読取りの確実性が確保される。
【0064】図9(b)においては、基材がコアシート
2b上にオーバーシート2aが積層した積層構造を有
し、しかも、両層間に模様層71が介在して積層されて
いる。この模様層71を磁気記録層3と色を合わせて形
成することにより、磁気記録層3を目立たなくすること
ができる。磁気記録層3は、オーバーシート2a上に埋
め込まれていて、磁気記録層3、およびオーバーシート
2aを覆って、接着剤層80が積層され、接着剤層80
を介して、下層側から透明反射層78a、およびホログ
ラム形成層78bとが積層された透明型のホログラム7
8が積層されている。
【0065】ホログラム78上には、硬化型の透明樹脂
からなる保護層74が積層され、保護層74上には、下
層の保護層74との接着性が高く、かつ上面は粘着レベ
ル等の接着性を有するラベル受容層79が積層されてお
り、さらに、ラベル受容層79上に、ホログラムラベル
81が積層されたものである。ホログラムラベル81
は、例えば、下側から、接着剤層、金属反射層(または
透明反射性層)、ホログラム形成層、および保護層とが
順に積層されたものである。ホログラムラベルが金属反
射層を伴なう場合は、このホログラムラベルは、不透明
な反射型である。
【0066】このような構成をとることにより、下層の
透明ホログラム上に、さらに別のホログラムラベルを充
分な接着強度で貼った構造の磁気記録媒体1とすること
ができ、保護層74があるため、書込み、読取りの際の
磁気ヘッドとの摺動による摩耗に対する耐久性があり、
しかも、ホログラムラベル、もしくはホログラム転写箔
を適用したときの接着性が高く、しかも、磁気記録層3
の性能を向上させてあるために、書込み、読取りの確実
性が確保される。
【0067】以上に、述べたように、被覆層としては種
々のものがあり、これらを整理すると、隠蔽層はほぼ必
ず、磁気記録層上にある。隠蔽層上には模様層があるこ
とが多く、また模様層は白色層を下層に伴なっているこ
とがある。模様層の特殊な例としては、模様以外の部分
を透明樹脂で埋め、段差を無くしたものがある。最上層
には下層が何であれ、保護層を有していることが多い。
【0068】昇華転写による画像形成を可能にするた
め、受像層が被覆されていてもよいし、受像層の下に模
様層を伴なっていてもよい。受像層の下には、また、ク
ッション性層を伴なっていてもよい。
【0069】被覆層はまた、ホログラムを含んでいても
よい。ホログラムには、透明型と不透明型のものがあ
り、透明型のものは、ホログラムを通して下層が透視で
き、不透明型(=反射型)のものは下層が透視できない
ので、下層の例えば模様層を見せるには、ホログラムを
磁気記録媒体の面積の一部分に積層するとよい。ホログ
ラムは、二つ、もしくはそれ以上を重ねて積層してもよ
いが、上のホログラムを透明型にするか、部分的に積層
する等して下層のホログラムの視認性を確保することが
望ましい。
【0070】
【実施例】(実施例1)厚さ50μmのポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルム上に、下記組成を有する磁気
記録層形成用組成物(1)を、グラビアコート法により
塗布して、残留磁束密度が1.7maxwell/cm
となるよう磁気記録層を形成し、磁気記録層転写用シー
トとした。 (磁気記録層形成用組成物(1)) ・Baフェライト(磁性粉) (抗磁力;620エルステッド、板状比;2.2) 36質量部 ・ウレタン樹脂 12質量部 ・トルエン 18質量部 ・メチルエチルケトン 15質量部 ・メチルイソブチルケトン 15質量部 ・イソシアネート系硬化剤 4質量部
【0071】上記で得られた磁気記録層転写用シートを
用い、カードのオーバーシート用の厚み100μmの透
明なポリ塩化ビニル樹脂シート上に熱転写し、表面に磁
気記録層が積層されたオーバーシートを得た。
【0072】上記で得られた磁気記録層が積層されたオ
ーバーシートを磁気記録層が上側になるように置き、そ
の下に、厚み280μmの半透明なポリ塩化ビニル樹脂
シートを二枚と、一番下に磁気記録層を積層していない
厚み100μmのオーバーシート用の透明なポリ塩化ビ
ニル樹脂シートを置き、以上の四枚のシートを重ねたも
のを、温度150℃、圧力25Kg/cm2の条件で1
5分間熱プレスを行ない、積層体を得た。
【0073】得られた積層体の磁気記録層上に、下記組
成の磁気隠蔽層形成用組成物(2)を、シルクスクリー
ン印刷法により、厚さが10μmになるよう塗布し、乾
燥して磁気隠蔽層を形成し、その後、さらに磁気隠蔽層
上に、下記組成の保護層形成用組成物(3)をグラビア
コート法により厚さが1μmになるよう塗布し、紫外線
照射して、保護層を形成した後、JISで定めるカード
サイズ(86mm×54mm)に打ち抜き、磁気カード
を得た。
【0074】 (磁気隠蔽層形成用組成物(2)) ・アクリル系樹脂 10質量部 ・酢酸ビニル系樹脂 10質量部 ・アルミニウム粉末 50質量部 ・顔料 4質量部 ・溶剤 50質量部
【0075】 (保護層形成用組成物(3)) ・紫外線硬化型アクリル系樹脂 60質量部 ・メチルエチルケトン 50質量部 ・ポリエチレンワックス 2質量部
【0076】(実施例2)実施例1で用いた磁気記録層
形成用組成物(1)中の磁性粉として、同質量部のBa
フェライト(抗磁力;620エルステッド、板状比;
3.0)を用いた以外は、実施例1と同様にして磁気カ
ードを得た。
【0077】(実施例3)実施例1で用いた磁気記録層
形成用組成物(1)中の磁性粉として、同質量部のBa
フェライト(抗磁力;620エルステッド、板状比;
1.5)を用いた以外は、実施例1と同様にして磁気カ
ードを得た。
【0078】(比較例1)実施例1で用いた磁気記録層
形成用組成物(1)中の磁性粉として、同質量部のBa
フェライト(抗磁力;620エルステッド、板状比;
1.4)を用いた以外は、実施例1と同様にして磁気カ
ードを得た。
【0079】以上で得られた、実施例1〜3、および比
較例1の磁気カードについて、振動試料型磁化特性測定
装置(理研電子(株)製、モデルBHV−30)を用い
て角形比を測定した結果を次の「表1」に示す。この結
果から、板状比が1.5以上であれば、角型比が0.8
5以上の良好な磁化特性が得られることが確認された。
【0080】
【表1】
【0081】(実施例4)磁気隠蔽層の厚みを25μm
とした以外は、実施例1と同様にして磁気カードを得
た。
【0082】(実施例5)磁気隠蔽層の厚みを8μmと
した以外は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
【0083】(実施例6)実施例3における磁気隠蔽層
の厚みを25μmとした以外は、実施例3と同様にして
磁気カードを得た。
【0084】(比較例2)磁気隠蔽層の厚みを7μmと
した以外は、実施例1と同様にして磁気カードを得た。
【0085】(比較例3)磁気隠蔽層の厚みを26μm
とした以外は、実施例1と同様にして磁気カードを得
た。
【0086】以上で得られた、実施例1〜6、および比
較例1〜3の磁気カードについて、通常のJIS2対応
の装置により、記録方式;周波数変調方式(F2F方
式)、書込み電流;100mA、書込み密度;210b
it/inch、カード搬送速度;300mm/sec
の条件で書込みを行ない、書込まれた磁気情報を仕様の
異なる3種類の装置A、B、およびCで読み取った結果
を後の「表2」に示す。
【0087】なお上記の装置A、B、およびCにおい
て、読み取り磁気ヘッド仕様は共通であり、また、各装
置のカード搬送速度(単位;mm/sec)および読み
取り可能最大電圧値(単位;V)は、装置Aでは300
mm/sec、5V、装置Bでは400mm/sec、
3V、装置Cでは300mm/sec、4Vである。
【0088】この結果から、磁性粉の板状比が1.5以
上で、角形比が0.85以上であれば、磁気隠蔽層の厚
みが8μm〜25μmであれば、磁気情報の良好な書込
み・読取り性が得られることが確認された。
【0089】これらに対し、比較例1のものは、角形比
が低いため、「0」信号と「1」信号との出力差(分解
能)が大きくなり、その結果、装置で読み取ったアナロ
グ信号のピーク検出がしにくくなったため、情報を読み
出すことができなかった。また、比較例2のものは、隠
蔽層の膜厚が薄いため、磁気出力が高すぎ、アナログ信
号が飽和し、デジタル信号へ正確な変換ができず、装置
Bでは情報を読み出すことができなかった。さらに、比
較例3のものは、隠蔽層の膜厚が厚いため、スペーシン
グロスが大きくなり、十分な磁気出力が得られず、情報
を読み出すことができなかった。
【0090】
【表2】
【0091】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、特定の板状
比、抗磁力、角形比のBa−フェライト磁性材を使用し
て磁気記録媒体を構成するので、書込み、読取りが通常
と同様にして行なえ、出力の高いカード等に適用可能な
磁気記録媒体を提供できる。請求項2の発明によれば、
請求項1の発明の効果に加え、被覆層を積層してあるも
のの、その厚み範囲を特定したので、スペーシングロス
が増加することによる出力低下が起きにくく、しかも、
厚みが厚いので、様々な目的で利用でき、従って、バラ
エティに富んだ外観、もしくは機能を備えた磁気記録媒
体を提供できる。請求項3の発明によれば、請求項2の
発明の効果に加え、被覆層が隠蔽層であるので、下層の
磁気記録層の隠蔽が確実な磁気記録媒体を提供できる。
請求項4の発明によれば、請求項2の発明の効果に加
え、被覆層が模様層であるので、許容された範囲の厚み
で、種々の外観を与える模様が付された磁気記録媒体を
提供できる。請求項5の発明によれば、請求項4の発明
の効果に加え、模様層の下層に白色層を伴なっているの
で、模様の色再現性が優れており、意図した通りの磁気
記録媒体を提供できる。請求項6の発明によれば、請求
項2の発明の効果に加え、被覆層が受像層であるので、
昇華転写シート等を使用しての顔写真等の画像の形成が
可能な磁気記録媒体を提供できる。請求項7の発明によ
れば、請求項2の発明の効果に加え、被覆層がホログラ
ムであるので、ホログラムの持つ特別の外観に加え、ホ
ログラムの偽造・変造の防止性が紙された磁気記録媒体
を提供できる。請求項8の発明によれば、請求項4、
6、または7いずれかの発明の効果に加え、被覆層の下
層に隠蔽性を伴なっているので、各々の上層が、隠蔽性
の下層から切り離された明瞭な外観を与える磁気記録媒
体を提供できる。請求項9の発明によれば、請求項6ま
たは7の発明の効果に加え、各々の層の下に模様層を伴
なっており、しかも模様層が上層から透視可能であるた
め、上層の受像層に与えられる画像、もしくはホログラ
ムと重畳された外観を与える磁気記録媒体を提供でき
る。請求項10の発明によれば、請求項2〜9いずれか
記載の発明の効果に加え、被覆層が保護層を被せたもの
であるため、保護層の付加により耐久性が向上した磁気
記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体がカードである場合の平面図であ
る。
【図2】一つの磁気記録層を持つカードの断面図であ
る。
【図3】二つの磁気記録層を持つカードの断面図であ
る。
【図4】被覆層が隠蔽層であるカードの断面図である。
【図5】被覆層が隠蔽層と模様層であるカードの断面図
である。
【図6】被覆層が多色模様層であるカードの断面図であ
る。
【図7】被覆層が別の模様層であるカードの断面図であ
る。
【図8】被覆層が受像層であるカードの断面図である。
【図9】被覆層がホログラムであるカードの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体(カード) 2 基材 3 磁気記録層 4 ICモジュール 5 印刷 6 浮き出し文字 7 隠蔽層 71〜73 模様層 74 保護層 76 受像層 78 ホログラム 81 ホログラムラベル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/72 G11B 5/72 5/80 5/80 H01F 1/11 H01F 1/11 Q 1/117 1/117 Fターム(参考) 2C005 HA04 HA06 HA10 HA26 HA30 HB01 HB04 HB07 HB09 HB10 HB11 HB13 JA02 JA08 JA18 JA26 KA02 KA06 KA10 KA15 KA16 2K008 AA13 EE01 EE04 EE07 5D006 AA05 AA06 BA06 BA08 BA19 DA01 5E040 AB05 BB04 BC05 CA06 NN05 NN06 NN12 NN15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状比が1.5以上のBa−フェライト
    が磁性材としてバインダ樹脂中に分散されてなる磁気記
    録層を基材の一部に有しており、前記磁気記録層の抗磁
    力が580〜720エルステッド、角形比が0.85以
    上であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁気記録層の上面に、厚みが8μm
    〜25μmの被覆層が積層されていることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 被覆層が隠蔽層であることを特徴とする
    請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 被覆層が模様層であることを特徴とする
    請求項2記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 模様層が白色層を下層に伴なうことを特
    徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 被覆層が受像層であることを特徴とする
    請求項2記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 被覆層がホログラムであることを特徴と
    する請求項2記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 被覆層が下層に隠蔽層を伴なうことを特
    徴とする請求項4、6、または7記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 被覆層が下層に透視可能な模様層を伴な
    うことを特徴とする請求項6または7記載の磁気記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 被覆層が保護層を被せてあることを特
    徴とする請求項2〜9いずれか記載の磁気記録媒体。
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