JPH10206867A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
成における高視野角特性を有したままで開口率を高くす
ることができる液晶表示装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 本発明は、一対の基板40、41間に液
晶層42が配設され、前記一方の基板の対向面上に一つ
以上の画素電極54と前記画素電極と協働して液晶に前
記基板面に沿った方向に電界を印加するコモン電極53
とが複数の画素領域59を形成するように設けられると
ともに、前記他方の基板の対向面上に前記各画素領域の
表示領域に対応する開口70を有し前記画素領域以外の
非表示領域を覆う導電性のブラックマトリクス71が設
けられ、前記ブラックマトリクスがコモン電極と略同電
位とされてなることを特徴とする。また、ブラックマス
クの他に導電膜81を設けてこれをコモン電極と略同電
位とすることもできる。
Description
向に電界を印加して液晶の配向制御を行う液晶表示装置
に関するもので、視野角を広くできる上に開口率を高く
することができる構造に関する。
ては、左右方向からの視認性は比較的良好であるもの
の、上下方向からの視認性が悪いため、視野角依存性が
高いという問題を有していた。そこで本出願人は先に、
このような問題点を解決できる構造の液晶表示素子を特
願平7−1579号、特願平7―306276号明細書
等において特許出願している。これらの特許出願に係る
技術によれば、液晶層を挟む上下両側の基板にそれぞれ
液晶駆動用の電極を設けるのではなく、図10に示すよ
うに下方の基板11のみに異なる極の2種の線状電極1
2…、13…を互いに離間させて設け、図10に示す上
方の基板10に電極を設けない構成とし、電圧の印加に
より両線状電極12、13間に発生した横電界の方向
(基板面方向)に沿って液晶分子36…を配向させるこ
とができるようになっている。
12…どうしを基線部14で接続して櫛刃状の電極16
を構成し、線状電極13…どうしを基線部15で接続し
て櫛刃状の電極17を構成し、両櫛刃状電極16、17
の線状電極12、13を交互に隣接させて接触しないよ
うに噛み合わせ状態に配置し、基線部14、15に電源
18とスイッチング素子19を接続して構成される。ま
た、図11(a)に示すように上の基板10の液晶側の
面に配向膜を形成してそれにはβ方向に液晶分子36を
並ばせるように配向処理を施し、下の基板11の液晶側
の面に配向膜を形成してそれには上記β方向と平行なγ
方向に液晶分子36を並ばせるように配向処理を施し、
基板10には図11(a)のβ方向に偏光方向を有する
偏光板を、基板11にはα方向に偏光方向を有する偏光
板をそれぞれ積層して構成されている。
2、13間に電圧が印加されていない状態で液晶分子3
6…は、図11(a)、(b)に示すように配向膜の配
向方向に沿って一律に同方向にホモジニアス配向する。
そして、この状態で下の基板11を通過した光線は、偏
光板によりα方向に偏光されており、液晶分子36の層
をそのまま透過し、上の基板10の異なる偏光方向βの
偏光板に到達するので、その偏光板で遮断され、光線は
液晶表示素子を透過することがないので、液晶表示素子
は暗状態となる。
すると、液晶分子のうち、下の基板11に接近した液晶
分子36ほどその配向方向が線状電極12の長手方向に
対して垂直に変換される。即ち、線状電極12、13が
発生させる横電界(基板面方向の電界)により線状電極
12、13の長手方向に対し垂直な方向の電気力線が発
生し、下の基板11に形成されていた配向膜によってγ
方向に長手方向を向けて配向していた液晶分子36が、
配向膜の規制力よりも強い電界の規制力によってγ方向
とは垂直なα方向に図12(a)に示すように配向方向
が変換される。よって、線状電極12、13間に電圧が
印加されると、図12(a)、(b)に示すように液晶
分子36・・・のツイスト配向がなされる。この状態であ
ると、下の基板11を透過し、α方向に偏光した偏光光
線は、ツイストした液晶36…によってその偏光方向が
変換され、α方向とは異なるβ方向の偏光板の設けられ
た上の基板10を透過できるようになり、液晶表示素子
は明状態となる。
を備えた液晶表示装置の構造を実際のアクティブマトリ
ックス液晶駆動回路に適用した場合の構造を図13と図
14に示す。図13と図14に示す構造は1つの画素領
域に対応する部分のみを拡大して示すもので、この例の
構造において、ガラス基板等の透明基板20上に導電層
からなるゲート電極21と線状のコモン電極22、22
が離間して平行に形成され、これらを覆ってゲート絶縁
層24が形成され、ゲート電極21上のゲート絶縁層2
4上に半導体膜26をその一側と他側の両側から挟んで
ソース電極27とドレイン電極28を設けて薄膜トラン
ジスタTが構成され、上記コモン電極22、22の中間
の上方のゲート絶縁膜24上に導電層からなる線状の画
素電極29が設けられている。
が、マトリックス状に組まれたゲート配線30・・・と信
号配線31・・・が透明基板20上に形成されていて、ゲ
ート配線30・・・と信号配線31・・・とに囲まれた矩形状
の各領域が画素領域とされ、画素領域の隅部にゲート配
線30の一部からなるゲート電極21が形成され、ゲー
ト電極21上のドレイン電極28に容量電極部33を介
して信号配線31と平行に画素電極29が接続され、こ
の画素電極29の両側を挟むように画素電極29と平行
に画素電極22、22が平行配置されている。
0に近い側の端部においてゲート配線30に平行に画素
領域内に設けられた接続配線34により接続され、他側
の端部においてゲート配線30と平行に設けられた共通
電極35により接続されている。上記共通電極35は、
多数の画素領域に渡ってゲート配線30と平行に設けら
れたもので、各画素領域毎に設けられているコモン電極
22、22に共通の電位を与えるためのものである。更
に、基板20に対向する側の基板37にはブラックマト
リクス38が形成され、ブラックマトリクス38の各画
素領域に対応した部分には開口38aが形成されてい
て、基板37上には各開口38aを占めるようにカラー
フィルタ39が設けられている。
ては、図14の矢印aに示す方向に電気力線を形成する
ように横電界を作用させることができるので、この横電
界に従って液晶分子36を図14に示すように配向でき
る。従って図11と図12を基に先に説明した場合と同
様に液晶を配向制御することで明状態と暗状態の切り替
えができる。
な構造を有する液晶表示装置にあっては、視野角が広い
という長所を有するものの、開口率が小さくなり易いと
いう問題を有していた。即ち、図13と図14に示す構
造において、画素電極29とコモン電極22、22との
間に生じる横電界により液晶分子36・・・を配向制御す
るのであるが、コモン電極22、22の上方領域におい
ては、液晶分子36・・・に印加される電界の向きが横電
界とは異なる向きになるために、図10において示すよ
うに液晶分子36・・・の配向方向が画素電極29とコモ
ン電極22の間の領域の配向方向と異なることになる。
従って従来、コモン電極22上の領域は光漏れ等の問題
を生じるおそれがあるので、図14に示すようにブラッ
クマトリクス38で覆い隠す構造を採用し、更にブラッ
クマトリクス38の開口38aの周縁部分をコモン電極
22、22の内側縁22aよりも若干内側に位置させる
構造を採用しているが、ブラックマトリクス38によっ
て覆い隠す領域が広くなり、液晶表示装置としての開口
率を高くすることができない問題があった。
あり、横電界によって液晶を駆動する構成における高視
野角特性を有したままで開口率を高くすることができる
液晶表示装置を提供することを目的とする。
するために、一対の基板間に液晶層が配設され、前記一
方の基板の対向面上に一つ以上の画素電極と前記画素電
極と協働して液晶に前記基板面に沿った方向に電界を印
加するコモン電極とが複数の画素領域を形成するように
設けられるとともに、前記他方の基板の対向面上に前記
各画素領域の表示領域に対応する開口を有し前記画素領
域以外の非表示領域を覆う導電性のブラックマトリクス
が設けられ、前記ブラックマトリクスがコモン電極と略
同電位とされてなるものである。また、本発明におい
て、一対の基板間に液晶層が配設され、前記一方の基板
の対向面上に一つ以上の画素電極と前記画素電極と協働
して液晶に前記基板面に沿った方向に電界を印加するコ
モン電極とが複数の画素領域を形成するように設けられ
るとともに、前記他方の基板の対向面上に前記各画素領
域の表示領域に対応する開口を有し前記画素領域以外の
非表示領域を覆う導電性のブラックマトリクスが設けら
れ、前記ブラックマトリクス上に絶縁膜を介して少なく
とも前記ブラックマトリクスの各開口周縁部を覆う導電
膜が形成され、前記導電膜がコモン電極と略同電位とさ
れてなることを特徴とする構成でも良い。
り横電界を液晶に印加できるので、横電界の印加、無印
加により液晶の配向制御を行うことができ、これにより
明状態と暗状態を切り替えることができる。そして、ブ
ラックマトリクスまたはブラックマトリクスとコモン電
極とを略同電位とするか、ブラックマトリクス上に設け
た導電膜とコモン電極とを略同電位とすることにより、
液晶分子に作用させる横電界の電気力線をコモン電極近
傍で揃えるようにしたので、コモン電極近傍の領域の液
晶の配向乱れを従来より少なくすることができ、コモン
電極に対応する領域を広く覆い隠していた従来のブラッ
クマトリクスよりも開口の面積を大きくできるようにな
り開口率が向上する。
5V以内の範囲に設定されてなることが好ましい。コモ
ン電極とブラックマトリクスまたは導電膜の電位差が上
記の範囲を外れると、コモン電極近傍領域の液晶に作用
させる電気力線の乱れが大きくなり、液晶の配向乱れが
生じ易くなって光り漏れ等の問題を生じ易くなるので、
ブラックマトリクスの開口を大きくできなくなり、開口
率の向上効果を奏することができなくなる。
設けられた前記コモン電極が基板端部側に延出形成さ
れ、前記他方の基板に設けられた前記ブラックマトリク
スが基板端部側に延出形成されるとともに、前記基板の
端部側において前記コモン電極と前記ブラックマトリク
スが導電部材を介して電気的に接続されてなることを特
徴とする構成でも良い。また更に、一対の基板間にシー
ル材により液晶層が封止され、前記一方の基板に設けら
れた前記コモン電極が前記基板のシール材のシール位置
よりも外方側に延出形成され、前記他方の基板に設けら
れた前記ブラックマトリクスが前記基板のシール材のシ
ール位置よりも外方側に延出形成されるとともに、前記
基板シール材の外方側において前記コモン電極と前記ブ
ラックマトリクスが基板間に設けられた導電部材を介し
て電気的に接続されてなる構成にすることもできる。こ
れらの構成により、一対の基板間に液晶を封止して液晶
セルを構成した場合に、ブラックマトリクスとコモン電
極の両者を電気的に接続する構成とすることが容易にで
き、両者の電位を略同一にすることができる、視野角の
広い開口率の高い液晶セルを得ることができる。
例について説明する。図1〜図4は本発明に係る液晶表
示装置の要部を示すもので、図1において上の基板40
と下の基板41が互いの間に所定の間隔(セルギャッ
プ)をあけて平行に対向配置され、基板40、41の間
に液晶層42が設けられるとともに、基板40、41の
外面側に偏光板43、44が配置されている。これらの
基板40、41はガラス等の透明基板からなるが、実際
の構成においては基板40、41の周縁部をシール材で
取り囲み、基板40、41とシール材により囲まれた空
間に液晶を収納して液晶層42が形成されていて、基板
40、41と液晶層42と偏光板43、44とを組み合
わせることによって液晶セル45が構成されている。
上に図2に示すようにマトリックス状に複数のゲート配
線50と信号配線51が形成され、ゲート配線50・・・
と信号配線51・・・とによって囲まれた画素領域59に
線状電極(コモン電極)53、53と、線状電極(画素
電極)54とが互いに平行に配置されている。より詳細
には、基板41上に複数のゲート配線50が所定間隔を
あけて相互に平行に配列形成されるとともに、基板41
上においてゲート配線50に沿ってゲート配線50と同
一平面上にコモン配線56が並設され、ゲート配線50
・・・と信号配線51・・・によって囲まれた各領域にコモン
配線56から直角に2本の線状のコモン電極53、53
が延設され、これら2本のコモン電極53、53の先端
部が隣接する他のゲート配線50の近傍において接続配
線57により接続され、ゲート配線50・・・と信号配線
51・・・によって囲まれた各領域が画素領域59とされ
ている。なお、液晶セル45の全体においては液晶表示
装置として必要な数の多数の画素領域59が配置されて
いるが、図1においては2つの隣接する画素領域59、
59に対応する部分の平面構造のみを示し、図2におい
ては1つの画素領域59の一部断面構造のみを示してい
る。
って基板41上に絶縁層58が形成され、絶縁層58上
に上記各ゲート配線50と平面視直交してマトリックス
状になるように各信号配線51・・・が形成され、ゲート
配線50・・・において信号配線51・・・との交差部分の各
近傍部分がゲート電極60とされ、このゲート電極60
上の絶縁層58上に、半導体膜61を一側と他側から挟
んだ状態のソース電極62とドレイン電極63が設けら
れて薄膜トランジスタ(スイッチング素子)T 1が構成
されている。また、各画素領域59の中央部にはコモン
電極53と平行に線状の画素電極54が設けられ、画素
電極54の一端部にはコモン配線56上の絶縁層58上
に延出形成された容量生成部65が形成され、画素電極
54の他端部には接続配線57上の絶縁層58上に延出
形成された容量生成部66が形成されている。これらの
容量生成部65、66は、絶縁層58を介してコモン配
線56あるいは接続配線57との間に容量を生成して液
晶駆動の際の寄生容量を打ち消すためのものである。
1に接続されるとともに、ドレイン電極63は上記接続
配線57上の絶縁層58上に位置するように設けられた
容量電極66に接続され、それらが図1に示すように配
向膜67により被覆されている。なお、この例で用いる
電極53、54は、遮光性の金属電極あるいは透明電極
のいずれから形成されていても良いが、後述するノーマ
リーブラックタイプの表示形態を採用する場合は、IT
O(インジウムスズ酸化物)などからなる透明電極であ
ることが好ましい。
板41側に設けられている画素領域59に対応する開口
70・・・を有するブラックマトリクス71が設けられ、
各開口70の部分はカラーフィルタ72で覆われるとと
もに、ブラックマトリクス71とカラーフィルタ72を
覆って配向膜73が設けられている。上記ブラックマト
リクス71は、Cr層、あるいは、CrO層とCr層を
積層した遮光性の金属膜からなり、下の基板41側に設
けられている各画素領域59のうち、表示に寄与しない
部分を覆い隠すためのものであり、ブラックマトリクス
71は、各画素領域59のうち、コモン配線56および
接続配線57と、信号配線51およびゲート配線50の
部分等を覆い、かつ、コモン電極53の幅方向の一部を
覆い隠すように形成されている。換言すると、ブラック
マトリクス71の開口70は、図2の2点鎖線で示すよ
うに、各画素領域59の左右のコモン電極53、53で
挟まれた領域のほとんど全ての部分と、左右のコモン電
極53の幅方向の大部分を露出可能な大きさに形成され
ている。
場合は、図1と図2に示すようにカラーフィルタ72が
設けられていて、このカラーフィルタ72は、各画素領
域59毎にカラーフィルタの赤(R)、緑(G)、青
(B)の各色を配置した構成とされているが、液晶表示
装置がカラー表示でないものの場合は、カラーフィルタ
72を省略しても良いのは勿論である。
リクス71の周縁部は、基板40の周縁部に設けられて
いる液晶封止用のシール部材75の外部側まで図4に示
すように延出形成され、基板41上に形成されたコモン
配線56・・・は基板41の周縁部に設けられている液晶
封止用のシール部材75の外部側まで図3と図4に示す
ように延出形成され、基板41の周縁部にコモン配線5
6・・・に接続される端子56a、56aが設けられてい
て、これらの端子56a、56aは上下の基板間に設け
られたAgペースト等の導電部材76により図4に示す
ように接続されていて、ブラックマトリクス71とコモ
ン配線56(コモン電極53)とがいずれも同一電位
(接地電位)とされるようになっている。ここで端子5
6aを2つ設けたのは、1つの端子56aにおいて導電
部材76による接続が不良となった場合であっても、他
の端子56aと導電部材76により接続を確保できるよ
うにするためである。なお、この実施形態においてはブ
ラックマトリクス71とコモン配線56(コモン電極5
3)とが接続されて同一電位とされるように構成されて
いるが、両者が全く同一電位である必要はなく、ほぼ等
しい略同電位状態であれば良い。また、ここで略同電位
とは、ブラックマトリクス71とコモン電極53との電
位差が−0.5V以上、+0.5V以内の範囲にされてな
ることを意味するものとする。
上の基板40側の配向膜73と下の基板41側の配向膜
67に対しては、コモン電極53の長さ方向とほぼ平行
な方向に配向処理が施されている。上記の配向処理によ
って、基板40、41間に存在する液晶層42の液晶分
子は、電界が作用していない状態において、それらの長
軸をコモン電極53の長さ方向に平行にした状態でホモ
ジニアス配列されるようになっている。
43の偏光軸の方向は、コモン電極53の長さ方向とほ
ぼ平行な方向(図1の紙面厚さ方向)に向けられ、下の
偏光板44の偏光軸方向はコモン電極53の長さ方向に
直角な方向(図1の左右方向)に向けられている。
ッチング素子である薄膜トランジスタT1の作動によっ
て所望の画素領域59のコモン電極53、53と画素電
極54間に電圧を印加するか否かを切り換えることで暗
状態と明状態を切り替えて使用することができる。即
ち、薄膜トランジスタT1を作動させて所望の位置の画
素領域59に設けられているコモン電極53、53と画
素電極54間に電圧を印加することで、図1の横方向に
電界を印加することができ、これにより図12に示した
場合と同様に液晶分子を上下の基板間でツイストした状
態とすることができ、明状態を得ることができる。ま
た、コモン電極53、53と画素電極54間に電圧を印
加しない状態とすることによって、液晶分子を図11に
示した場合と同様に配向膜67、73の配向処理方向と
同じ方向にホモジニアス配向させた状態とすることがで
き、暗状態を得ることができる。
行うことができ、基板41の下側に設けたバックライト
からの光線を導入することにより、このバックライトの
光線を液晶分子の配向制御状態により遮断するか透過す
るかを切り替えることで暗状態と明状態を得ることがで
きる。この例の表示形態は液晶分子の配向制御を行わな
い状態において黒表示となり、液晶分子の配向制御を行
った状態において明状態となるために、ノーマリーブラ
ックと称される表示形態となる。また、両基板40、4
1間において液晶分子36・・・は基板面方向に向いたま
まホモジニアス配向するか90゜ねじれの状態に配向制
御されるので、視野角による透過率の変動の少ない高視
野角の液晶表示装置が得られる。
ブラックマトリクス71とコモン電極53、53とを略
同電位とすることができので、コモン電極53、53に
対応する領域の電気力線の乱れを少なくして液晶分子の
配向乱れを少なくすることができる。即ち、図14に示
す構造においてブラックマトリクス38は電気的にはフ
ローテイング状態とされていて、周囲の電界の状況によ
り電位が生じ、それが変動するおそれがあり、ブラック
マトリクス71に電位が生じることでコモン電極53に
対応する領域の液晶に配向乱れを生じるおそれがあった
が、本実施形態の構造でブラックマトリクス71とコモ
ン電極53とを略同電位で接地することでコモン電極5
3の対応領域の電界の乱れは従来よりも少なくなり、コ
モン電極53の対応領域の液晶分子36・・・の配向制御
状態が従来構造よりも向上する。結果的にコモン電極5
3の対応領域部分での光漏れ等の問題は生じ難いので、
光漏れを生じない領域(コモン電極53の上方の領域)
までブラックマトリクス71の開口70を広く形成でき
るようになり、開口率の高い液晶表示装置を提供でき
る。従って、横電界により液晶の配向制御を行って暗状
態と明状態を切り換えることができ、視野角依存性が少
ないとともに、開口率の高い液晶表示装置を提供するこ
とができる。
ックマトリクス71とコモン電極53とを略同電位にす
るとは、両者の電位差で−0.5V以上、+0.5V以内
の範囲に設定することが好ましい。コモン電極53とブ
ラックマトリクス71の電位差が上記の範囲を外れる
と、コモン電極53に対応する領域の液晶に作用させる
電気力線の乱れが大きくなり、液晶分子36・・・の配向
乱れが生じ易くなって光り漏れ等の問題を生じ易くなる
ので、ブラックマトリクス71の開口70を大きくでき
なくなり、開口率の向上効果を奏することができなくな
る。更に、本実施形態の構造においては、コモン電極5
3、53に対応する領域の液晶の配向乱れを少なくして
ブラックマトリクス71の開口70を大きくすることで
開口率を向上できるので、液晶表示装置としての最大透
過率を示す駆動電圧を低減することができ、省電力駆動
することができる。次に、容量電極65、66を設け、
これらに対して絶縁層58を介して対峙するようにコモ
ン配線56、接続配線57を設けることでこれらの間に
容量を形成することができ、この容量で液晶表示装置に
生じる寄生容量の一部を打ち消すことができる。
表示装置の要部を示すもので、図5において図1に示す
第1の実施形態の液晶表示装置と同一の部分には同一の
符号を付してそれらの部分の説明を省略する。この形態
の液晶表示装置において先の第1の形態の液晶表示装置
と異なっているのは、上の基板40の下面(対向面)側
において、ブラックマトリクス71とカラーフィルタ7
2を覆ってオーバーコート層などの絶縁膜80が形成さ
れ、この絶縁膜80上にブラックマトリクス71と同一
平面形状の導電膜81が設けられ、導電膜81上に配向
膜73が設けられていることである。更に、この第2の
実施形態の構造においては、導電膜81に導電部材7
6'を介してコモン電極53が接続され、コモン電極5
3と導電膜81とが接地されて両者が略同電位になるよ
うに構成されている。なお、導電膜81にはブラックマ
トリクス71の開口72と同一平面形状の開口82が形
成されている。上記導電層81は、Cr等の遮光性の金
属層から形成されるものでも、ITOなどの透明導電層
から形成されるものでも良い。
は、先に説明した第1の実施形態の液晶表示装置と同様
に、薄膜トランジスタT1の作動によって所望の画素領
域59のコモン電極53、53と画素電極54間に電圧
を印加するか否かを切り換えることで暗状態と明状態を
切り替えて使用することができる。そして、導電膜81
とコモン電極53、53とを略同電位とすることができ
ので、コモン電極53、53に対応する領域の電気力線
の乱れを少なくして液晶分子36・・・の配向乱れを少な
くすることができる。
表示装置と同様に、ブラックマトリクス71の開口70
を大きくすることができ、横電界により液晶の配向制御
を行って暗状態と明状態を切り換えることができ、視野
角依存性が少ないとともに、開口率の高い液晶表示装置
を提供することができる。また、この第2の形態の液晶
表示装置にあっては、導電層81をブラックマトリクス
71よりも液晶分子に接近させて配置できるので、電気
力線を揃える効果を先の第1の実施形態の構造よりも強
く作用させることができ、コモン電極53の対応領域で
の液晶の配向乱れをより少なくすることができる。
電膜81を遮光性の金属層から形成した場合にブラック
マトリクス71を省略しても良い。その場合は、遮光性
の金属層がブラックマトリクスの代用となる。更に、ブ
ラックマトリクス71を基板40上に設けた場合、導電
膜81をブラックマトリクス71の開口70の周縁部分
にのみに設けてもコモン電極53に対応する領域の液晶
分子36・・・に作用する電気力線の乱れを少なくできる
ので、導電膜81をブラックマトリクス71と完全に同
一平面形状とする必要はない。導電膜81をブラックマ
トリクス71と同一平面形状とすることが、設計上は最
も容易であるが、導電膜81を少なくともブラックマト
リクス71の開口部70の周縁部分に対応する形状にす
るならば目的を達成することができる。
ランジスタ型液晶表示装置を製造した。透明な厚さ1m
mのガラス基板を2枚用い、これらの基板のうち一方の
基板上に図1に示す線状電極を有する薄膜トランジスタ
回路を形成し、その上に配向膜を形成し、他方の基板上
にも配向膜を形成し、それぞれの配向膜にラビング処理
により液晶配向のための配向処理を施し、2枚の基板を
ギャップ形成用のビーズを介して所定間隔で対向配置し
た状態で基板間の間隙に液晶を注入し、封止材により接
合し、基板の外側に偏光板を配して液晶セルを組み立て
た。上記の構造においてそれぞれの配向膜には、線状電
極の長さ方向と平行な方向にラビングロールを擦り付け
る配向処理を行った。
チは横方向(信号配線方向)は43μm、縦方向(ゲー
ト配線方向)は129μm、ブラックマトリクスはCr
からなる厚さ0.3μmのものを用い、このブラックマ
トリクスには横27μm、縦)111μmの開口を画素
領域毎に形成したものを用いた。また、画素電極幅を5
μm、コモン電極幅を5μmに設定し、画素電極とコモ
ン電極との間隔を10μmに設定した。
分の近傍にa-Siからなる半導体膜をゲート電極とソ
ース電極で挟んだ構造の薄膜トランジスタを形成し、更
に絶縁層で覆い、更にポリイミドの配向膜を形成し、ラ
ビングロールによる配向処理を行って薄膜トランジスタ
アレイ基板を形成した。次いでこの基板に対し、対向側
の基板としてブラックマトリクスとカラーフィルタとポ
リイミドの配向膜を設けたものを用い、両者間のギャッ
プを4μmにしてシール材により液晶を封入し、シール
材の外部側の基板端部に引き出したブラックマトリクス
に接続する端子2箇所とコモン電極に接続する端子2箇
所どうしをAgペーストで接続して液晶表示装置を製造
した。なお、この例の構造においてブラックマトリクス
とコモン電極はいずれも接地した。一方、比較のため
に、ブラックマトリクスに接続する端子とコモン電極に
接続する端子どうしを接続していない構造であって、ブ
ラックマトリクスをフローティング状態とし、コモン電
極を接地した構造の液晶表示装置を製造した。
して画素電極とコモン電極とが発生させる電気力線のシ
ュミレーション結果を図6に示す。図6(A)がブラッ
クマトリクスとコモン電極とを接続して両者を接地した
構造の液晶表示装置のシュミレーション結果を示し、図
6(B)がブラックマトリクスとコモン電極とを接続せ
ずにブラックマトリクスをフローティング状態、コモン
電極を接地した構造の液晶表示装置のシュミレーション
結果を示す。図6(A)に示す電気力線において、電気
力線の立ち上がり部分Rが左右のコモン電極53、53
のそれぞれの内側の端部領域Pよりも、外側に位置して
いるが、図6(B)に示す電気力線において、電気力線
の立ち上がり部分R'が、左右のコモン電極53、53
のそれぞれの内側の端部領域P'よりも内側に位置して
いる。このことは、図6(B)に示す電気力線が得られ
る構造ではコモン電極53の内側領域で光漏れを生じる
おそれがあるのに対し、図6(A)に示す電気力線が得
られる構造ではコモン電極53、53のそれぞれの内側
端部では光漏れを生じにくいことを意味する。
の液晶表示装置を用い、ブラックマトリクスとコモン電
極を接続して両者を接地した構造の本発明に係る液晶表
示装置における光漏れの発生状況検査結果を示す写真の
模式図である。液晶表示装置を駆動する際のゲート電極
VGを15V、コモン電圧とブラックマトリクスの電圧
を接地状態の0Vとした。ブラックマトリクスとコモン
電極を接続して両者を接地した構造においては図7
(A)に示すように光漏れを生じなかった。図7(B)
は、ゲート電極VGを15V、ブラックマトリクスをフ
ローティング状態とし、コモン電極を接地した比較例構
造の液晶表示装置における光漏れの発生状況検査結果を
示す写真の模式図である。この構造においては、図7
(B)に示すように光漏れを生じてしまった。図7
(B)に示す結果から、ブラックマトリクスをフローテ
ィング状態とし、コモン電極を接地した比較例構造の液
晶表示装置にあっては、先に説明した形状のブラックマ
トリクスを用いると光漏れを生じるので、ブラックマト
リクスで覆い隠す領域を上記の大きさよりも更に広くす
る必要があり、そのようにすると液晶表示装置としての
開口率が低下してしまう。
例構造と比較例構造の各液晶表示装置における透過率−
駆動電圧特性を示すものである。図8(A)に示すよう
に、本発明に係る実施例の液晶表示装置の最大透過率と
比較例の液晶表示装置の最大透過率はほぼ等しいが、本
発明に係る実施例の液晶表示装置の最大透過率を示す駆
動電圧が6.7Vであるのに対し、比較例の液晶表示装
置の最大透過率を示す駆動電圧が7.9Vであり、同じ
透過率を得るための駆動電圧は本発明に係る実施例の液
晶表示装置の方が比較例の液晶表示装置よりも低く設定
することができ、結果的に本発明構造を採用することで
駆動電圧を1.2V低減できた。
ラックマトリクスとコモン電極とを同電位としたときの
透過率を100%とし、ブラックマトリクスとコモン電
極との電位差と透過率の減少具合との関係を測定した結
果を図15に示す。図15から明らかなように、ブラッ
クマトリクスとコモン電極との電位差が0.5Vを超え
ると透過率が5%を超えて減少してしまう。このため十
分な透過率を得るためには、ブラックマトリクスとコモ
ン電極との電位差を±0.5V以内とすることが効果的
であることが確認された。
電位とされる導電膜81をブラックマトリクス71の上
方の一部分のみに設けた他の形態を示す。図16に示す
構造は、画素領域に対応する各開口70の上下部分を挟
むように左右方向に延びる帯状の導電膜81を設けた構
造であり、図17に示す構造は、画素領域に対応する各
開口70の左右部分を挟むように上下方向に延びる帯状
の導電膜81を設けた構造であり、図18に示す構造
は、画素領域に対応する各開口70の左右部分と上下部
分の半分ほどを挟むように上下方向と左右方向に延びる
帯状の導電膜81を設けた構造である。これらのいずれ
の構造においても先に図5を基に説明した構造と同等の
効果を得ることができる。
モン電極と画素電極により基板に平行な方向の横電界を
印加して液晶の配向制御を行う液晶表示装置でブラック
マトリクスとコモン電極を略同電位としたので、コモン
電極対応領域の液晶に印加する電気力線の乱れを少なく
することができ、これによりコモン電極対応領域の液晶
を表示に寄与させることができるようになり、このコモ
ン電極対応領域の部分をブラックマトリクスで覆い隠す
必要がなくなり、ブラックマトリクスの開口を従来より
大きくできるようになるので、ブラックマトリクスをフ
ローティング状態としていた従来構造よりも開口率を高
くすることができる。よって、横電界を印加するか否か
で液晶の配向制御を行って明状態と暗状態を切り替える
方式の広い視野角特性を有する上に、開口率を高くした
液晶表示装置を提供することができる。更に、本実施形
態の構造においては、コモン電極に対応する領域の液晶
の配向乱れを少なくしてブラックマトリクスの開口を大
きくすることで開口率を向上できるので、液晶表示装置
としての最大透過率を示す駆動電圧を低減することがで
き、省電力駆動にすることができる。
縁膜を介してブラックマトリクスと同一形状の導電膜を
形成した構造に対しても適用することができ、この導電
膜をコモン電極と接続して両者を略同電位とすることに
より、上記構造と同じ効果を得ることができる。ここで
略同電位とは、コモン電極とブラックマトリクスの電位
差が−0.5V以上、+0.5V以内の範囲にされてなる
ものであり、両者の電位差がこの範囲内であれば、上記
の効果を確実に得ることができる。
たは導電膜を略同電位とするための構造は、両者を設け
た基板の端部側に両者の接続端部を引き出して設け、導
電ペーストなどの導電部材で接続することで実現するこ
とができ、この場合はコモン電極とブラックマトリクス
または導電膜を確実に同電位とすることができる。ま
た、コモン電極とブラックマトリクスまたは導電膜を略
同電位とするための構造は、基板間に液晶を封止するシ
ール部材の外部側にコモン電極とブラックマトリクスま
たは導電膜の一部を引き出し、それらを導電ペーストな
どの導電部材で接続することで実現することができ、こ
の場合はコモン電極とブラックマトリクスまたは導電膜
を確実に同電位とすることができる。
態の断面図。
面図。
面構造の斜視図。
す断面図。
態の断面図。
とが発生させる電気力線のシュミレーション結果を求め
たもので、図6(A)はブラックマトリクスとコモン電
極とを接続して両者を接地状態とした構造の液晶表示装
置のシュミレーション結果を示す図、図6(B)はブラ
ックマトリクスとコモン電極とを接続せずにブラックマ
トリクスをフローティング状態、コモン電極を接地状態
とした構造の液晶表示装置のシュミレーション結果を示
す図。
電極を接続して両者を接地した構造の本発明に係る液晶
表示装置における光漏れの発生状況検査結果を示す写真
の模式図、図7(B)は、ブラックマトリクスをフロー
ティング状態とし、コモン電極を接地した比較例構造の
液晶表示装置における光漏れの発生状況検査結果を示す
写真の模式図。
の関係を示す図。
を付与する方式の液晶表示装置の線状電極を備えた基板
の平面図。
子の配向状態を示す断面図。
記載された横電界を付与する方式の液晶表示装置の暗状
態の液晶配列を示す図、図11(b)は図11(a)の
側面図。
記載された横電界を付与する方式の液晶表示装置明状態
の液晶配列を示す図、図12(b)は図12(a)の側
面図。
例の断面構造を示す図。
す平面図。
ラックマトリクスとコモン電極とを同電位としたときの
透過率を100%とし、ブラックマトリクスとコモン電
極との電位差と透過率の減少具合との関係を測定した結
果を示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】 一対の基板間に液晶層が配設され、前記
一方の基板の対向面上に一つ以上の画素電極と前記画素
電極と協働して液晶に前記基板面に沿った方向に電界を
印加するコモン電極とが複数の画素領域を形成するよう
に設けられるとともに、前記他方の基板の対向面上に前
記各画素領域の表示領域に対応する開口を有し前記画素
領域以外の非表示領域を覆う導電性のブラックマトリク
スが設けられ、前記ブラックマトリクスがコモン電極と
略同電位とされてなることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】 一対の基板間に液晶層が配設され、前記
一方の基板の対向面上に一つ以上の画素電極と前記画素
電極と協働して液晶に前記基板面に沿った方向に電界を
印加するコモン電極とが複数の画素領域を形成するよう
に設けられるとともに、前記他方の基板の対向面上に前
記各画素領域の表示領域に対応する開口を有し前記画素
領域以外の非表示領域を覆うブラックマトリクスが設け
られ、該ブラックマトリクス上方に絶縁膜を介して少な
くとも前記ブラックマトリクスの上方にコモン電極と略
同電位とされる導電膜が形成されたことを特徴とする液
晶表示装置。 - 【請求項3】 前記略同電位が−0.5V以上、+0.5
V以内の範囲にされてなることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 前記一方の基板に設けられた前記コモン
電極が基板端部側に延出形成され、前記他方の基板に設
けられた前記ブラックマトリクスまたは前記導電膜が基
板端部側に延出形成されるとともに、前記基板の端部側
において前記コモン電極と前記ブラックマトリクスまた
は前記導電膜が導電部材を介して電気的に接続されてな
ることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装
置。 - 【請求項5】 一対の基板間にシール材により液晶が封
止され、前記一方の基板に設けられた前記コモン電極が
前記基板のシール材のシール位置よりも外方側に延出形
成され、前記他方の基板に設けられた前記ブラックマト
リクスまたは前記絶縁膜が前記基板のシール材のシール
位置よりも外方側に延出形成されるとともに、前記基板
シール材の外方側において前記コモン電極と前記ブラッ
クマトリクスまたは前記絶縁膜が基板間に設けられた導
電部材を介して電気的に接続されてなることを特徴とす
る請求項1または2記載の液晶表示装置。
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