JPH102021A - 建造物の木材接合治具及び係止片付きボルト - Google Patents

建造物の木材接合治具及び係止片付きボルト

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JPH102021A
JPH102021A JP23689696A JP23689696A JPH102021A JP H102021 A JPH102021 A JP H102021A JP 23689696 A JP23689696 A JP 23689696A JP 23689696 A JP23689696 A JP 23689696A JP H102021 A JPH102021 A JP H102021A
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JP
Japan
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bolt
locking piece
wood
fitting
nut
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JP23689696A
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Koichi Tamura
公一 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取付作業及び増し締めが容易で、更に座彫りが
不要な木材接合治具及び係止片付きボルトを提供する。 【解決手段】木材、本例は梁2、3の交差部の隅に配置
する引き寄せ金具11、20、70、75、200を梁
2に固定するための第1の係止片付きボルト12及びナ
ット51と、引き寄せ金具11、20、70、75、2
00を梁3側に引き寄せて固定するための第2の係止片
付きボルト13及びナット52とを備え、第1の係止片
付きボルト12及び第2の係止片付きボルト13には、
梁2、3及び引き寄せ金具11、20、70、75、2
00を貫通するボルト部31、32と梁2、3の表面に
面一に係止する平板状の頭部33、34とを設け、ボル
ト部31、32にナット51、52を一定以上のトルク
で締め付けたとき梁2、3に食い込んで係止する係止片
35、36をボルト部31、32の外周に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の木材接合
治具及び係止片付きボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば木造住宅の梁と梁とが交差する部
分は、剛性を高めるために木材接合治具で接合すること
がある。図14は、従来の木材接合治具100の使用例
を示す。この木材接合治具100は、長方形状の当て板
101にボルト部102を取り付けて羽子板状に形成し
たもので、当て板101を梁103に固定すると共に、
ボルト部102を梁104側に引き寄せて固定すること
によって、梁103と梁104を接合していた。
【0003】この場合、当て板101にはボルト孔10
5を設け、このボルト孔105を梁103の貫通孔10
6に整合配置する。そして、ボルト107を当て板10
1側からボルト孔105及び貫通孔106に挿入し、こ
のボルト107に座金108を介してナット109を螺
合することにより、当て板101を梁103に固定する
ことができる。また、ボルト部102は、図15にも示
すように梁104の貫通孔110に挿入し、座金111
を介してナット112を螺合することにより、梁104
側に引き寄せた状態で固定することができる。
【0004】更に、図16に示すように、梁103又は
梁104の外側に外壁材113、114を貼り付けるよ
うな場合には、梁103又は梁104に座彫り115、
116を設け、座金108、111、ナット109、1
12及びボルト102、107が梁103又は梁104
から突出しないようにして、外壁材113、114を梁
103又は梁104に隙間なく貼り付けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の建造物
の木材接合治具100においては、当て板101を梁1
03に固定するためボルト107にナット109を螺合
するとき、ボルト107がナット109と同時にとも回
りするのを防止するため、ボルト107の頭部をスパナ
などで固定しなければならないので、取付作業が面倒に
なるという問題があった。
【0006】また、建造物の完成後に長期間が経過する
と、梁103又は梁104が乾燥収縮してナット10
9、112が弛んでしまうことがある。この場合、ボル
ト部102は当て板101に固定されているので、ナッ
ト112を回すだけで増し締めすることができるが、ボ
ルト107及びナット109は上述のように固定されて
いないので、ボルト107を固定することなくナット1
09だけを回して増し締めすることはできない。この場
合にも、一方を固定してから他方を回さなければならな
いので、作業が面倒になるという問題があった。
【0007】更に、梁103又は梁104に外壁材11
5、116を貼り付ける場合には、梁103又は梁10
4に座彫り113、114を設けなければならないの
で、加工工数が増加してコストアップになるという問題
があった。
【0008】本発明の目的は、このような問題点を解決
することにあり、取付作業が容易であると共に、長期間
経過後に木材が縮小した場合でも簡単に増し締めがで
き、更に梁や梁などの外側に外壁材を隙間なく貼り付け
る場合に座彫りが不要な木材接合治具及び係止片付きボ
ルトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は建造物の木材接
合治具及び係止片付きボルトであり、前述の技術的課題
を解決するために以下のように構成されている。すなわ
ち、本発明の建造物の木材接合治具は、建造物を構成す
る木材の交差部を接合する建造物の木材接合治具におい
て、前記木材の交差部の隅に配置する引き寄せ金具と、
前記引き寄せ金具を前記木材の一方に固定するための第
1の係止片付きボルト及びナットと、前記引き寄せ金具
を前記木材の他方側に引き寄せて固定するための第2の
係止片付きボルト及びナットとを備え、前記第1の係止
片付きボルト及び前記第2の係止片付きボルトには、前
記木材及び前記引き寄せ金具を貫通するボルト部と、前
記木材の表面に面一に係止する平板状の頭部とを設け、
前記ボルト部に前記ナットを一定以上のトルクで締め付
けたとき前記木材に食い込んで係止する係止片を前記ボ
ルト部の外周に設けたことを特徴とする。
【0010】更に、前記引き寄せ金具は、断面四角形の
筒形をなし、対向する胴板部に前記第1の係止片付きボ
ルトを挿通する第1のボルト孔と、第2の係止片付きボ
ルトとを挿通する第2のボルト孔とを形成したことを特
徴とする。
【0011】また、本発明の係止片付きボルトは、建造
物の木材が交差する部分を接合治具で接合するときに、
前記木材に前記接合治具を固定するための係止片付きボ
ルトにおいて、前記木材及び前記接合治具を貫通するボ
ルト部と、前記ボルト部の一端に設けられて前記木材の
表面に面一に係止する平板状の頭部と、前記ボルト部に
一定以上の締結力をかけたときに前記木材に食い込んで
係止する係止片を前記ボルト部の外周に設けたことを特
徴とする。以下、各構成要素について説明する。 (引き寄せ金具)本発明が対象とする建造物の木材接合
治具の引き寄せ金具としては、通常、金属板材を折り曲
げてL字状に形成し、その各辺に係止片付きボルトを挿
入する通し孔を設けたものを使用するが、断面四角形の
筒形をなし、対向する胴板部に係止片付きボルトを挿通
するボルト孔を設けたものを使用することが好ましい。 (係止片付きボルト)係止片付きボルトとしては、ボル
ト部と頭部とを一体形成すると共に、頭部を平板状とす
ることにより木材の表面に面一に係止させることができ
る。 (係止片)係止片としては、木材に食い込みやすくする
ため3角形の平板とすることができ、これをボルト部の
外周に複数設けることができる。
【0012】本発明の建造物の木材接合治具において
は、引き寄せ金具を木材の交差部に取り付けるとき、第
1の係止片付きボルト及び第2の係止片付きボルトにナ
ットを一定以上のトルクで螺合することにより、係止片
が木材に食い込んで頭部が木材と面一になるので、従来
のように木材と頭部を面一にするために木材に座彫りな
どを設ける必要がなく、これによって加工工数を低減す
ることができる。
【0013】また、木材に食い込んだ係止片によって係
止片付きボルトがナットの回転と同時にとも回りするの
を防止することができるので、係止片付きボルトをスパ
ナなどで固定することなくナットを締め付けることがで
き、これによって、取付作業が容易になる。また、木材
が収縮した場合でもナットを回すだけで増し締めするこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建造物の木材
接合治具及び係止片付きボルトを図示の実施の形態につ
いて詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明に係る第1実施形態の建造
物の木材接合治具1を示す。この木材接合治具1は、例
えば木造住宅の梁2と梁3との交差部を接合するのに好
適であり、梁2と梁3の交差部の隅に配置される引き寄
せ金具11と、この引き寄せ金具11と梁2とを固定す
る第1の係止片付きボルト12及びナット51と、引き
寄せ金具11を梁3側に引き寄せて固定する第2の係止
片付きボルト13及びナット52とを備えている。
【0016】引き寄せ金具11は、図2に示すように金
属板材がL字状に折り曲げられて縦辺部21と横辺部2
2とが形成され、この縦辺部21と横辺部22との両側
の隅に三角形の側板23、24が設けられている。また
縦辺部21と横辺部22には、ボルト孔25、26が設
けられている。ボルト孔25、26の周囲には、所定の
弾性力を有する圧縮バネ27、28の一端が例えば溶接
などで固着されている。縦辺部21のボルト孔25の近
傍には、釘孔29が設けられている。
【0017】第1の係止片付きボルト12及び第2の係
止片付きボルト13は、図3に示すように所定の長さを
有するボルト部31、32と、ボルト部31、32の一
端に設けられた平板状の頭部33、34と、ボルト部3
1、32の周囲に設けられた複数の係止片35、36と
を備えている。
【0018】第1の係止片付きボルト12又は第2の係
止片付きボルト13のボルト部31、32は、梁2又は
梁3と、引き寄せ金具11の縦辺部21又は横辺部22
と、圧縮バネ27、28とを貫通可能な長さに形成さ
れ、頭部33、34の反対側の端部には所定長さのネジ
部40、41が設けられている。
【0019】頭部33、34は所定厚さの円板状に形成
され、ボルト部31、32側の下面42、43は放物線
状に湾曲形成されている。又、係止片35、36は、ネ
ジ部40、41側から頭部33、34側にかけて徐々に
幅広になる3角形の板状であり、梁2又は梁3に食い込
みやすくなるように比較的薄肉になっている。この係止
片35、36は、任意の数だけ設けることができる。
【0020】この木材接合治具1を用いて梁2と梁3と
を接合する場合は、図1に示すように、まず、梁2及び
梁3の所定の位置に貫通孔55、56を設ける。次に、
縦辺部21のボルト孔25を梁2の貫通孔55に位置合
わせし、釘孔29から梁2に釘30を打ち込んで引き寄
せ金具11を仮止めする。このときには、木材接合治具
1の横辺部22と梁3との間に適宜な隙間Lが保持さ
れ、また、横辺部22のボルト孔26と梁3の貫通孔5
6とが整合配置される。
【0021】この状態で、第1の係止片付きボルト12
のボルト部31を梁2の外側から貫通孔55に挿入す
る。ボルト部31は、貫通孔55、引き寄せ金具11の
縦辺部21のボルト孔25及び圧縮バネ27を貫通し、
ネジ40の先端が圧縮バネ27より外側に出る。そし
て、第1の係止片付きボルト12の係止片35が貫通孔
55の開口縁に当接して停止する。
【0022】次に、ボルト部31のネジ40にナット5
1を所定の締め付けトルクで螺合する。そうすると、圧
縮バネ27がある程度まで縮められ、それ以降はナット
51の回転に伴って圧縮バネ27が更に縮められると同
時に、第1の係止片付きボルト12が梁2側に引き込ま
れ、係止片35が梁2に食い込むようになる。
【0023】更にナット51を回転させると、係止片3
5が梁2に完全に埋没し、頭部33も梁2に食い込んで
頭部33の外表面が梁2の表面と略面一になったとき、
ナット51の回転が停止する。これによって、引き寄せ
金具11が梁2に確実に固定される。
【0024】次に、梁3の外側から貫通孔56に第2の
係止片付きボルト13のボルト部32を挿入する。この
ボルト部32は、貫通孔56、引き寄せ金具11の横辺
部22のボルト孔26及び圧縮バネ28を貫通し、ネジ
41の先端が圧縮バネ28の外に出る。そして、係止片
36が梁3の貫通孔56の開口縁に当接したとき、第2
の係止片付きボルト13が停止する。
【0025】この状態で、第2の係止片付きボルト13
のネジ41にナット52を所定のトルクでねじ込む。そ
うすると、最初は圧縮バネ28が縮められるが、圧縮バ
ネ28が所定の長さまで縮むと、今度はナット52の回
転に伴って圧縮バネ28が縮むと同時に、第2の係止片
付きボルト13が梁3側に引き寄せられて係止片36が
梁3に食い込むようになる。
【0026】そして、係止片36が梁3に完全に埋没
し、更に頭部34が梁3に食い込んで頭部34の外表面
が梁3の表面と略面一になったとき、ナット52の回転
が停止する。このときには、引き寄せ金具11が梁3側
に引き寄せられて、梁2と梁3とが強固に接合されてお
り、梁2と梁3との交差部の剛性が高くなっている。
【0027】このようにして、梁2と梁3とを木材接合
治具1で接合した後、梁2及び梁3の外表面に外壁材6
0、61を貼り付けることができる。この場合、梁2又
は梁3の外表面に第1の係止片付きボルト12又は第2
の係止片付きボルト13の頭部33、34が突出してい
ないので、外壁材60、61を梁2又は梁3に隙間なく
貼り付けることができる。
【0028】上述のように、この木材接合治具1におい
ては、引き寄せ金具11を梁2と梁3の交差部に取り付
けるとき、第1の係止片付きボルト12及び第2の係止
片付きボルト13にナット51、52を一定以上のトル
クで締め付けることにより、係止片35、36が梁2又
は梁3に食い込んで頭部33、34の外表面が梁2又は
梁3の表面と略面一になるので、従来のように梁2又は
梁3と頭部33、34とを面一にするために梁2又は梁
3に座彫りなどを設ける必要がなく、これによって加工
工数を低減することができる。
【0029】また、梁2又は梁3に食い込んだ係止片3
5、36によって各係止片付きボルト12、13が梁2
又は梁3に係止され、各係止片付きボルト12、13が
ナット51、52と同時にとも回りするのを防止するこ
とができるので、各係止片付きボルト12、13をスパ
ナなどで固定することなくナット51、52を回すだけ
で螺合することができ、木材接合治具1の取付作業が容
易になる。
【0030】更に、各係止片付きボルト12、13に螺
合されたナット51、52と梁2又は梁3との間には圧
縮バネ27、28が介装され、引き寄せ金具11は圧縮
バネ27、28によって常時梁2又は梁3側に付勢され
ている。したがって、梁2と梁3を接合してから長期間
経過後に梁2や梁3が乾燥して収縮した場合でも、引き
寄せ金具11ががたつくのを防止することができる。
【0031】また、圧縮バネ27、28を介装すること
によって、梁2と梁3の厚さが異なる場合や、引き寄せ
金具11の横辺部22と梁3との隙間Lが変わる場合で
も、第1係止片付きボルト12及び第2係止片付きボル
ト13を同一長さにすることができるので、部品の種類
を少なくして部品管理を容易にすることができる。な
お、圧縮バネ27、28は省略することもできる。
【0032】この木材接合治具1は、上述のように各係
止片付きボルト12、13を固定することなくナット5
1、52を回すだけで増し締めすることができるので、
梁2又は梁3の外表面に外壁材60、61が隙間なく貼
り付けられている場合に、長期間経過して梁2又は梁3
が乾燥収縮しても、ナット51、52を増し締めして梁
2と梁3の接合が弛むのを容易に防止することができ
る。
【0033】図4は、第2実施形態の木材接合治具の引
き寄せ金具200を示す。この引き寄せ金具200はバ
ネ材で形成され、適宜な長さの縦辺部201と、縦辺部
201の上端部から直角に折り曲げられた横辺部202
を有している。縦辺部201と横辺部202の両側の隅
には、側板203が設けられている。
【0034】また、縦辺部201の中央部から横辺部2
02側に第1傾斜辺204が設けられ、その先端に縦辺
部201と平行な第1板バネ部205が設けられてい
る。縦辺部201と第1板バネ部205には、それぞれ
ボルト孔206とこれに対応する長孔207とが設けら
れている。
【0035】縦辺部201の上端部から横辺部202側
に向けて第2傾斜片208が設けられ、その先端には横
辺部202に平行な第2板バネ部209が設けられてい
る。横辺部202と第2板バネ部209には、それぞれ
ボルト孔210とこれに対応する長孔211とが設けら
れている。
【0036】図5は、この引き寄せ金具200を展開し
た型材220を示す。なお、図中の破線の折れ線は谷折
りを示し、実線の折れ線は山折りを示す。この型材22
0は適宜な厚さのバネ材で形成され、図中の下側に縦辺
部201が配置され、その上側の右側に側板203が配
置されている。縦辺部201は、上半部201aの幅が
下半部201bの幅の半分であり、上半部201aの根
元にはクギ孔221が設けられ、下半部201bにはボ
ルト孔206が設けられている。
【0037】側板203の上側には横辺部202が配置
され、この横辺部202の上側にも側板203が配置さ
れている。横辺部202には、ボルト孔210が設けら
れている。上側の側板203の左側には、縦辺部201
の上半部201aに面一に組み合わせられる補助板部2
22が配置され、その下側に第2傾斜辺208と第2板
バネ部209が順に配置されている。第2板バネ部20
9には長孔211が設けられ、補助板部222にはクギ
孔223が設けられている。
【0038】補助板部222の上側には、第1傾斜片2
04が配置され、その上側に第1板バネ部205が配置
されている。第1板バネ部205には、長孔207が設
けられている。この型材220の折れ線を適宜な角度に
折り曲げることによって、上述の引き寄せ金具200を
形成することができる。
【0039】この引き寄せ金具200は、第1板バネ部
205と第2板バネ部209が一体的に設けられている
ので、第1実施形態で説明した引き寄せ金具11のよう
に圧縮バネ27、28を溶接する必要がないため、加工
工数を低減して原価低減を図ることができる。なお、第
1板バネ部205及び第2板バネ部209は省略するこ
ともできる。
【0040】図6は、第3実施形態の木材接合治具の引
き寄せ金具70を示す。この引き寄せ金具70は、図2
に示した引き寄せ金具11と同様に縦辺部21、横辺部
22、側板23、24を備えている。更に、この引き寄
せ金具70は、横辺部22の片側に突起71が設けら
れ、この突起71が側板23の開口72に挿入されてい
る。引張バネ27、28は設けられていない。この引き
寄せ金具70は、横辺部22に大きな力が掛かっても変
形するのを防止することができるので、梁3に対する引
き寄せ力を大きくして接合を強固にすることができる。
【0041】図7は、第4実施形態の木材接合治具の引
き寄せ金具75を示す。この引き寄せ金具75は、縦辺
部76の両側に側板部77、78が設けられ、一方の側
板部78の下部側が内側に折り曲げられて横辺部79が
設けられている。また、他方の側板部77の下端部に突
起80が設けられ、この突起80が横辺部79の開口8
1に挿入されている。この引き寄せ金具75は、梁3と
横辺部79との隙間L(図1)が大きくなるので、第2
係止片付きボルト13が長い場合に使用することができ
る。
【0042】図8は、本発明に係る係止片付きボルトの
別の使用例を示す。同図に示すように、梁2と梁4の交
差部を火打金具90で接合する場合に、係止片付きボル
ト91、92を使用することができる。ここでは、火打
金具90を梁2と梁4の交差部に斜めに配置する。そし
て、この火打金具90の一方の当て板93を梁2に当て
て、係止片付きボルト91及びナット155で固定す
る。又、もう一方の当て板94を梁4に当てて、係止片
付きボルト92及びナット156で固定する。これによ
って、梁2と梁4を強固に接合することができる。
【0043】この場合にも、係止片付きボルト91、9
2の頭部95、96が梁2又は梁4から突出しないの
で、外観が向上すると共に、梁2又は梁4の外側に外壁
材97、98を隙間なく貼り付けることができる。更
に、係止片付きボルト91、92のボルト部99、15
0の外周に設けられた係止片151、152が、梁2又
は梁4に食い込んで係止されるので、ナット155、1
56を回すだけで締め付けることができ、取付作業が容
易になると共に、梁2又は梁4が乾燥収縮した場合でも
増し締めが容易になる。
【0044】更に、図9〜図13は、本発明に係る第5
実施形態の建造物の木材接合治具1、及び引き寄せ金具
20を示す。この木材接合治具1は、上記の実施形態と
同様に木造住宅の梁2と梁3との交差部を接合するのに
好適であり、梁2と梁3の交差部の隅に配置される断面
四角形の筒形の引き寄せ金具20と、この引き寄せ金具
20と梁2とを固定する第1の係止片付きボルト12、
ナット51と、さらに、引き寄せ金具20を梁3側に引
き寄せて固定する第2の係止片付きボルト13、ナット
52とを備えている。
【0045】前記断面四角形の筒形の引き寄せ金具20
は、図10〜図13に示すように断面四角形のパイプを
適宜の長さに切断して得られるものであり、本実施形態
では縦、横、高さがほぼ均等な寸法を呈している。この
引き寄せ金具20には、対向する胴板部14a、14b
には、第1の係止片付きボルト12を挿通する第1のボ
ルト孔25a、25bが形成されており、他方の胴板部
15a、15bには第2の係止片付きボルト13を挿通
する第2のボルト孔26a、26bが形成されている。
なお、第1のボルト孔25a、25bと第2のボルト孔
26a、26bは、第1及び第2のボルト12、13を
挿通したときに、これらのボルトが衝突しないように、
図11〜図13に示すように位置を相互にずらして設け
てある。
【0046】第1の係止片付きボルト12及び第2の係
止片付きボルト13は、図3に示すように所定の長さを
有するボルト部31、32と、ボルト部31、32の一
端に設けられた平板状の頭部33、34と、ボルト部3
1、32の周囲に設けられた複数の係止片35、36と
を備えている。
【0047】この木材接合治具1を用いて梁2と梁3と
を接合する場合は、図9に示すように、まず、梁2及び
梁3の所定の位置に貫通孔55、56を設ける。次に、
胴板部14aのボルト孔25aを梁2の貫通孔55に位
置合わせする。このときには、引き寄せ金具20の他方
の胴板部15aと梁3との間に適宜な隙間Lが保持さ
れ、胴板部15aのボルト孔26aと梁3の貫通孔56
とが整合して配置される。
【0048】この状態で、第1の係止片付きボルト12
のボルト部31を梁2の外側から貫通孔55に挿入す
る。ボルト部31は、貫通孔55、引き寄せ金具20の
胴板部14a、14bのボルト孔25a、25bを貫通
し、ネジ40の先端が引き寄せ金具20の胴板部14b
より外側に出る。そして、第1の係止片付きボルト12
の係止片35が貫通孔55の開口縁に当接して停止す
る。
【0049】次に、ボルト部31のネジ40にナット5
1を座金17を介して所定の締め付けトルクで螺合す
る。すると、第1の係止片付きボルト12が梁2側に引
き込まれる。更にナット51を回転させると、係止片3
5が梁2に完全に埋没し、頭部33も梁2に食い込んで
頭部33の外表面が梁2の表面と略面一になったとき、
ナット51の回転を停止する。これによって、引き寄せ
金具11が梁2に確実に固定される。
【0050】次に、梁3の外側から貫通孔56に第2の
係止片付きボルト13のボルト部32を挿入する。この
ボルト部32は、貫通孔56、引き寄せ金具20の胴板
部15a、15bのボルト孔26a、26bを貫通し、
ネジ41の先端が引き寄せ金具20のの外に出る。そし
て、第2の係止片付きボルト13の係止片36が梁3の
貫通孔56の開口縁に当接したとき、第2の係止片付き
ボルト13が停止する。
【0051】この状態で、第2の係止片付きボルト13
のネジ41に座金18を介してナット52を所定のトル
クでねじ込む。ナット52の回転に伴って第2の係止片
付きボルト13が梁3側に引き寄せられて係止片36が
梁3に食い込むようになる。
【0052】そして、ナット52を所定のトルクで回転
していくと、係止片36が梁3に完全に埋没し、更に頭
部34が梁3に食い込んで頭部34の外表面が梁3の表
面と略面一になったとき、ナット52の回転を停止す
る。このときには、引き寄せ金具20が梁3側に引き寄
せられて、梁2と梁3とが強固に接合され、梁2と梁3
との交差部の剛性が高くなっている。
【0053】このようにして、梁2と梁3とを木材接合
治具1で接合した後、梁2及び梁3の外表面に外壁材6
0、61を貼り付けることができる。この場合、梁2又
は梁3の外表面に第1の係止片付きボルト12又は第2
の係止片付きボルト13の頭部33、34が突出してい
ないので、外壁材60、61を梁2又は梁3に隙間なく
貼り付けることができる。
【0054】この実施形態の木材接合治具1において
も、前記実施形態と同様に引き寄せ金具20を梁2と梁
3の交差部に取り付けるとき、第1の係止片付きボルト
12及び第2の係止片付きボルト13にナット51、5
2を一定以上のトルクで締め付けることにより、係止片
35、36が梁2又は梁3に食い込んで頭部33、34
の外表面が梁2又は梁3の表面と略面一になる。
【0055】また、梁2又は梁3に食い込んだ係止片3
5、36によって各係止片付きボルト12、13が梁2
又は梁3に係止され、各係止片付きボルト12、13が
ナット51、52と同時にとも回りするのを防止する。
【0056】なお、各係止片付きボルト12、13に螺
合されたナット51、52、座金17、18と引き寄せ
金具20の間には適宜の形状を有する圧縮バネを介装
し、引き寄せ金具20を圧縮バネによって、常時梁2又
は梁3側に付勢するようにしてもよい。この場合、引き
寄せ金具20に圧縮バネを一体成形することもできる。
【0057】本実施形態のように、断面四角形の筒形を
なし、対向する胴板部14a、14b、及び15a、1
5bに第1、第2のボルト貫通孔25a、25b及び2
6a、26bを形成した引き寄せ金具20を使用する
と、十分な弾性と強度が得られるから、木材が乾燥して
収縮しても、引き寄せ金具ががたつくのを確実に防止す
ることができる。しかも構造簡単なので安価である。
【0058】なお、上述の実施形態では梁2と梁3、4
とを接合する場合について説明したが、本発明の木材接
合治具及び係止片付きボルトは、これ以外にも建造物の
木材の交差部を接合する場合などに適用することができ
る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の建造物の
木材接合治具及び係止片付きボルトによれば、引き寄せ
金具を木材の交差部に取り付けるとき、第1の係止片付
きボルト及び第2の係止片付きボルトにナットを一定以
上のトルクで螺合することにより、係止片が木材に食い
込んで係止されると共に、頭部の表面が木材と面一にな
るので、従来のように木材に座彫りなどを設ける必要が
なく、これによって加工工数を低減することができる。
また、木材の表面に外壁材を隙間なく貼り付けることが
できる。
【0060】更に、木材に食い込んだ係止片によって係
止片付きボルトがナットの回転と同時にとも回りするの
を防止することができるので、係止片付きボルトをスパ
ナなどで固定することなくナットを締め付けることがで
き、これによって、取付作業が容易になる。また、長期
間経過後に木材が乾燥収縮した場合でも、ナットを回す
だけで増し締めすることができるので、木材の接合が弛
むのを簡単に防止することができる。
【0061】また、引き寄せ金具に、断面四角形の筒形
をなし、対向する胴板部に第1、第2のボルト貫通孔を
形成したものを使用すると、十分な弾性と強度が得られ
るから、木材が乾燥して収縮しても、引き寄せ金具のが
たつきを、一層確実に防止することができる。しかも、
構造簡単なので安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建造物の木材接合治具の第1実施
形態を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の引き寄せ金具を示
す斜視図である。
【図3】本発明に係る係止片付きボルトを示す図であ
る。
【図4】本発明に係る第2実施形態の引き寄せ金具を示
す斜視図である。
【図5】第2実施形態の引き寄せ金具を展開した型材を
示す図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態の引き寄せ金具を示
す斜視図である。
【図7】本発明に係る第4実施形態の引き寄せ金具を示
す斜視図である。
【図8】本発明に係る係止片付きボルトの別の使用例を
示す図である。
【図9】本発明に係る建造物の木材接合治具の第5実施
形態を示す部分断面図である。
【図10】本発明に係る第5実施形態の引き寄せ金具の
正面図である。
【図11】第5実施形態において用いられた引き寄せ金
具の平面図である。
【図12】第5実施形態において用いられた引き寄せ金
具の左側面図である。
【図13】第5実施形態において用いられた引き寄せ金
具の斜視図である。
【図14】従来例に係る建造物の木材接合治具を示す部
分断面図である。
【図15】図14のX−X断面図である。
【図16】従来の座彫りを示す図である。
【符号の説明】
1 建造物の木材接合治具 2、3、4 梁 11、20、70、75、200 引き寄せ金具 12 第1の係止片付きボルト 13 第2の係止片付きボルト 14a、14b 引き寄せ金具の胴板部 15b、15b 引き寄せ金具の胴板部 25、26 ボルト孔 25a、25b 第1のボルト孔 26a、26b 第2のボルト孔 27、28 圧縮バネ 31、32 ボルト部 33、34 頭部 35、36 係止辺 91、92 係止片付きボルト 205 第1板バネ部 209 第2板バネ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物を構成する木材の交差部を接合す
    る建造物の木材接合治具において、 前記木材の交差部の隅に配置する引き寄せ金具と、 前記引き寄せ金具を前記木材の一方に固定するための第
    1の係止片付きボルト及びナットと、 前記引き寄せ金具を前記木材の他方側に引き寄せて固定
    するための第2の係止片付きボルト及びナットとを備
    え、 前記第1の係止片付きボルト及び前記第2の係止片付き
    ボルトには、前記木材及び前記引き寄せ金具を貫通する
    ボルト部と、前記木材の表面に面一に係止する平板状の
    頭部とを設け、 前記ボルト部に前記ナットを一定以上のトルクで締め付
    けたとき前記木材に食い込んで係止する係止片を前記ボ
    ルト部の外周に設けたことを特徴とする建造物の木材接
    合治具。
  2. 【請求項2】 前記引き寄せ金具は、断面四角形の筒形
    をなし、対向する胴板部に前記第1の係止片付きボルト
    を挿通する第1のボルト孔と、第2の係止片付きボルト
    とを挿通する第2のボルト孔とを形成したことを特徴と
    する請求項1に記載の建造物の木材接合治具。
  3. 【請求項3】 前記引き寄せ金具は、前記引き寄せ金具
    と一体成形されたバネを有することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の建造物の木材接合治具。
  4. 【請求項4】 建造物の木材が交差する部分を接合治具
    で接合するときに、前記木材に前記接合治具を固定する
    ための係止片付きボルトにおいて、 前記木材及び前記接合治具を貫通するボルト部と、 前記ボルト部の一端に設けられて前記木材の表面に面一
    に係止する平板状の頭部と、 前記ボルト部に一定以上の締結力をかけたときに前記木
    材に食い込んで係止する係止片を前記ボルト部の外周に
    設けたことを特徴とする係止片付きボルト。
JP23689696A 1996-04-16 1996-09-06 建造物の木材接合治具及び係止片付きボルト Pending JPH102021A (ja)

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JP9429996 1996-04-16
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019000A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Nippon Jutaku Mokuzai Gijutsu Center ホールダウン金物
JP2017227262A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 相互金属株式会社 リブ付ブラケット

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