JPH10193924A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10193924A
JPH10193924A JP9002306A JP230697A JPH10193924A JP H10193924 A JPH10193924 A JP H10193924A JP 9002306 A JP9002306 A JP 9002306A JP 230697 A JP230697 A JP 230697A JP H10193924 A JPH10193924 A JP H10193924A
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bead
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C13/00Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
    • B60C13/003Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof characterised by sidewall curvature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/02Seating or securing beads on rims
    • B60C15/024Bead contour, e.g. lips, grooves, or ribs

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ最大巾点P1より半径方向内側の領域
Yにおけるゴム厚さを適正に減じて発熱性を低下させる
とともに、タイヤに発生する屈曲歪みを集中させること
なく前記領域Y全体に分散して緩和できビード耐久性を
向上しうる。 【解決手段】 タイヤを正規のリムに装着し正規の内圧
を充填した標準状態において、タイヤ最大巾点P1から
前記リムのフランジに至る下方点P3との間のタイヤ外
表面の輪郭線は、タイヤ最大巾点P1を通る軸方向線上
に中心を有する曲率半径R1の円弧E1からなる外膨ら
みのサイドウオール下方域S1と、凹み部12を有する
内膨らみのビード上方域S2とを具える。前記ビード上
方域S2の曲線は、内方点P2から前記円弧E1を同一
円弧で延長した円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方向内
方を通って前記凹み部12に連なる。タイヤ軸方向最も
外側のカーカスプライ6aの本体部6Aと、タイヤ外表
面との間のゴム厚さTは、前記タイヤ最大巾点P1のゴ
ム厚さT1から前記内方点P2のゴム厚さT2まで徐々
に増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に重荷重用タイ
ヤとして好適に使用でき、サイドウオール部のタイヤ最
大巾点より半径方向内側の領域における輪郭形状及びタ
イヤ外皮のゴム厚さを改善することによりビード耐久性
を向上するとともに軽量化を達成しうる空気入りタイヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】道路
網の整備化、車両の高性能化とともに、例えばトラッ
ク、バス等に用いる重荷重用タイヤにおいても、高い走
行性能が望まれており、近年、カーカス外側を強靱なベ
ルト層でタガ締めすることによりタイヤ剛性を高めたラ
ジアルタイヤが採用されつつある。
【0003】しかし、このような重荷重用のラジアルタ
イヤにあっては、前記タガ締めに伴う偏平化によりサイ
ドウオール部のフレキシブル領域が低下するため、走行
中にビード部に大きな繰返し応力が集中して作用し、ビ
ード耐久性を大巾に損ねるという問題がある。
【0004】この対策として、従来、例えば図6に示す
ように、サイドウオール部aのタイヤ最大巾点p1から
リムとの離間点p3に至る領域Yにおいて、ゴムボリュ
ームを大巾に増大せしめ、ビード部bの剛性を高めるこ
とが行われている。しかしながら、このようなゴムボリ
ュームによる剛性増加は、ビード部bでの歪みを減少さ
せるものの、発熱性が大となって、特に高荷重が負荷し
たときには、逆にビード耐久性の低下を招くこととな
る。
【0005】他方、特開昭55−19685号公報に
は、前記領域Yにおけるゴムボリュームを減じて、タイ
ヤ半径方向の柔軟性(可撓性)を向上させる技術が開示
されている。このものは、図7に略示するように、前記
領域Yの輪郭形状を、タイヤ最大巾点p1からタイヤ半
径方向内方に凸円弧でのびる外膨らみの上領域部y1
と、この上領域部y1との接点p2からリム離間点p3
に至り凹円弧でのびる下領域部y2とで形成し、前記上
領域部y2全体におけるカーカス本体部cからのゴム厚
さt1を、最小となるタイヤ最大巾点p1でのゴム厚さ
t0と略一致させることにより柔軟性を付与している。
【0006】しかしながらこのものでは、上領域部y1
全般では均一かつ最小のゴム厚さt0となる反面、前記
下領域部y2からは、この領域部y2が上領域部y1の
円弧状延長線e1よりタイヤ軸方向外側に大きく突出す
るため、ゴム厚さt2が著しく増加し、その結果、走行
中にタイヤに発生する屈曲歪みが、編曲点となる前記接
点p2付近に集中することとなり、同様に、ビード耐久
性の向上が達成されなくなる。
【0007】そこで本発明のうち請求項1記載の発明
は、前記上領域部y1に相当する外膨らみのサイドウオ
ール下方域S1の下方に、その円弧延長線E1aよりも
タイヤ軸方向内方を通って凹円弧状にへこむ内膨らみの
ビード上方域S2を設け、かつ前記サイドウオール下方
域S1でのゴム厚さを、タイヤ半径方向内方に向かって
徐々に増大させることを基本として、前記領域Yのゴム
厚さを適正に減じて発熱性を低下させるとともに、タイ
ヤに発生する屈曲歪みを集中させることなく領域Y全体
に分散して緩和でき、特に高荷重がかかる重荷重用ラジ
アルタイヤにおけるビード耐久性を向上しうる空気入り
タイヤの提供を目的としている。
【0008】請求項2記載の発明は、主に発熱性の低減
効果の面からとらえ、ビード上方域S2における円弧延
長線E1aからの凹み深さ及び凹み長さを規制すること
を基本として、発熱性の低減効果をより高くかつ確実に
発揮でき、ビード耐久性の大巾な向上を保証しうる空気
入りタイヤの提供を目的としている。
【0009】請求項3記載の発明は、主に歪みの分散効
果の面からとらえ、サイドウオール下方域S1でのゴム
厚さの増加の割合、及びビード上方域S2における凹み
深さをそれぞれ規制することを基本として、歪みの分散
効果をより高くかつ確実に発揮でき、ビード耐久性の大
巾な向上を保証しうる空気入りタイヤの提供を目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、トレッド部
からサイドウオール部をへてビード部のビードコアに至
る本体部に、前記ビードコアで折り返す折返し部を連設
したカーカスプライを有するカーカスを具え、かつ正規
のリムに装着し正規の内圧を充填した標準状態におい
て、タイヤ軸方向に最外側となるタイヤ最大巾点P1か
ら前記リムのフランジに至る下方点P3との間のタイヤ
外表面のタイヤ子午線断面における輪郭線は、前記タイ
ヤ最大巾点P1とその半径方向内方の内方点P2との間
のタイヤ軸方向外に突出する外膨らみの曲線のサイドウ
オール下方域S1、及びその下方に連なりかつタイヤ軸
方向内に凹む凹み部を有し前記内方点P2から下方点P
3の間の内膨らみのビード上方域S2を具えるととも
に、前記サイドウオール下方域S1の曲線は、前記タイ
ヤ最大巾点P1を通る軸方向線上に中心を有する曲率半
径R1の円弧E1からなり、かつ前記ビード上方域S2
の曲線は、前記内方点P2から前記円弧E1を同一円弧
で延長した円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方向内方を
通って前記凹み部に連なる一方、前記下方点P3は、前
記ビード上方域S2の曲線が前記リムのフランジから離
間する離間点が前記円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方
向内方にあるときはその離間点、離間点が円弧延長線E
1aよりもタイヤ軸方向外側にあるときには前記ビード
上方域S2の曲線と円弧延長線E1aとの交点として設
定されしかもタイヤ軸方向最も外側の前記カーカスプラ
イの本体部と、タイヤ外表面との間のゴム厚さTは、前
記タイヤ最大巾点P1のゴム厚さT1から前記内方点P
2のゴム厚さT2まで徐々に増大することを特徴とした
ものであります。
【0011】又請求項2記載の発明は、前記凹み部の最
大深さDmと最大巾点高さHp1との比Dm/Hp1を
0.03〜0.18とするとともに、前記下方点P3か
ら内方点P2に至る半径方向距離h2と前記最大巾点高
さHp1との比h2/Hp1を0.2〜0.7とするこ
とを特徴としたものであります。
【0012】又請求項3記載の発明は、前記タイヤ最大
巾点P1でのゴム厚さT1に対する前記内方点P2での
ゴム厚さT2の比T2/T1と、前記内方点P2からタ
イヤ最大巾点P1に至る半径方向距離h1との比(T2
/T1)/h1を0.03以上、かつゴム厚さTを前記
内方点P2から前記凹み部の最深点Pmに至り徐々に増
大せしめ、しかも前記比Dm/Hp1を0.03〜0.
18としたことを特徴としたものであります。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、空気入りタイヤ1(以
下タイヤ1という)を正規のリムJに装着しかつ正規の
内圧を充填した標準状態における子午断面であって、本
例では、タイヤ1がトラック、バスなどに使用されるチ
ューブレス式の重荷重用ラジアルタイヤである場合を示
している。なお前記正規のリムとは、JATMA(日
本)、TRA(アメリカ)、ETRTO(ヨーロッパ)
等のタイヤ規格で定まる規格リムをいい、又正規な内圧
とは、前記各規格において最大空気圧として規定される
空気圧をいう。
【0014】図において、タイヤ1は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウォール部3と、各サイドウオール部3の内方端に
位置するとともに前記リムJに着座するビード部4とを
具える。又前記ビード部4、4間にはカーカス6が架け
渡されるとともに、このカーカス6の半径方向外側かつ
トレッド部2内方には強靭なベルト層7が配される。
【0015】前記カーカス6は、前記トレッド部2から
サイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5に
至る本体部6Aと、この本体部6Aに一体に連なりかつ
前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に
折り返される折返し部6Bとを有する1枚以上のカーカ
スプライから形成される。各カーカスプライは、カーカ
スコードをタイヤ赤道COに対して70〜90°の角度
範囲で配列したコード配列体の両面をトッピングゴムで
被覆したシート状をなし、カーカスコードとしては、例
えばナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリア
ミド等の有機繊維コード又はスチールコードが使用され
る。なお本例では、カーカス6は、スチールコードをタ
イヤ赤道COに対して略90°の角度で傾けた1枚のカ
ーカスプライ6aから形成されたものを示している。
【0016】なお、カーカスプライ6aの本体部6Aと
巻上げ部6Bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ
半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が充填
されるとともに、前記本体部6Aは、本例では、ビード
エーペックスゴム8の半径方向外端点に接する点K1か
らビードコア5に接する点K2に至り略直線状にのび、
これによって、カーカス6のコードパスを最短とし、荷
重が負荷された際に、カーカス6がタイヤ軸方向外側に
せり出すのを抑制している。
【0017】又前記ベルト層7は、スチールコード等の
高弾性のベルトコードをタイヤ赤道COに対して、例え
ば60±10°程度の角度で傾けた最も内のベルトプラ
イ7Aと、タイヤ赤道COに対してスチールコードを3
0°以下の小角度で傾けて並べたベルトプライ7B、7
C、7Dとを、例えば前記ベルトコードがプライ間で互
いに交差するように重ね合わせた4層構造をなす。
【0018】そしてタイヤ1は、前記標準状態のタイヤ
子午線断面において、サイドウオール部3がタイヤ軸方
向外側に最も張出すタイヤ最大巾点P1と、本例では、
ビード部4が前記リムJのフランジJfから離間する離
間点Q1である下方点P3との間の領域Yにおけるタイ
ヤ外表面の輪郭線を、サイドウオール下方域S1とその
下方に連なるビード上方域S2とで形成している。
【0019】前記サイドウオール下方域S1は、図2に
示すように、前記タイヤ最大巾点P1と、その半径方向
内方の内方点P2との間をのびる外膨らみの曲線をな
し、前記タイヤ最大巾点P1を通る軸方向線上に中心を
有する曲率半径R1の円弧E1から形成される。
【0020】又前記ビード上方域S2は、前記円弧E1
を同一円弧で延長した円弧延長線E1aよりもタイヤ軸
方向内方を通って、前記内方点P2から凸円弧状にのび
る外膨らみの継ぎ部11と、この継ぎ部11に接すると
ともに凹円弧状を呈して前記下方点P3まで内膨らみで
のびる凹み部12とから形成され、本例では、継ぎ部1
1は、前記曲率半径R1の0.2〜0.4倍程度の曲率
半径R2の円弧で、又凹み部12は、この曲率半径R2
の0.95倍以下の曲率半径R3の円弧でそれぞれ形成
している。
【0021】なお前記下方点P3は、図3に示すよう
に、例えば前記ビード上方域S2のフランジJfからの
離間点Q1が、前記円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方
向内方にあるときは、その離間点Q1として設定され、
又図4に示すように、離間点Q1が円弧延長線E1aよ
りもタイヤ軸方向外側にあるときには前記ビード上方域
S2の曲線と円弧延長線E1aとの交点Q2として設定
される。本例では、離間点Q1が、前記円弧延長線E1
a上にあることにより、離間点Q1が前記下方点P3を
なす場合が示されている。
【0022】又タイヤ軸方向の最外側に配されるカーカ
スプライの本体部、本例では、カーカスプライ6aの本
体部6Aとタイヤ外表面との間のゴム厚さTは、タイヤ
最大巾点P1のゴム厚さT1から前記内方点P2のゴム
厚さT2まで徐々に増大する。又前記ビード上方域S2
と円弧延長線E1aとを最短長さで結ぶ深さDが最大と
なるビード上方域S2上での最深点をPmとしたとき、
本例では、内方点P2のゴム厚さT2から前記最深点P
mでのゴム厚さTmまで、さらにはこの最深点Pmのゴ
ム厚さTmから下方点P3のゴム厚さT3までそれぞれ
ゴム厚さTを漸増している。なお前記「本体部6Aとタ
イヤ外表面との間のゴム厚さT」とは、本体部6Aに配
されるカーカスコードのタイヤ軸方向外側面からタイヤ
外表面までの距離として定義する。
【0023】このように前記領域Yでは、ビード上方域
S2を円弧延長線E1aからタイヤ軸方向内方に凹円弧
状に凹まして形成するとともに、少なくとも前記サイド
ウオール下方域S1におけるゴム厚さTを、タイヤ半径
方向内方に向かって漸増、本例では領域Y全般に亘って
ゴム厚さTをタイヤ半径方向内方に向かって漸増させて
いる。その結果、ビード部2におけるゴムボリュームが
凹み分減じられ、発熱性が低減されることとなる。しか
もこの発熱性の低減効果を維持しながら、タイヤに発生
する屈曲歪みを集中させることなく、タイヤ最大巾点P
1から最深点Pmに至り分散させることができ、これら
の相乗効果によって、ビード耐久性を向上しうるのであ
る。
【0024】ここで本願では、前記内方点P2と最深点
Pmとの間、及び最深点Pmと下方点P3との間におい
ては、特にゴム厚さTを半径方向内方に向かって漸増さ
せる必要はないが、より均一かつ広範囲に歪みを分散す
るためには、この間においてもゴム厚さTを漸増させる
ことが好ましく、さらには、前記タイヤ最大巾点P1の
ゴム厚さT1に対する前記内方点P2のゴム厚さT2の
比T2/T1と、前記内方点P2からタイヤ最大巾点P
1に至る半径方向距離h1との比(T2/T1)/h
1、すなわち前記サイドウオール下方域S1における点
P1から点P2に至るゴム厚さTの増加の度合を0.0
3以上とすることがより好ましい。
【0025】又同様に、前記ビード上方域S2における
点P2から点Pmに至るゴム厚さTの増加の度合及び、
点Pmから点P3に至るゴム厚さTの増加の度合をそれ
ぞれ0.03以上とすることが好ましい。すなわち、前
記内方点P2のゴム厚さT2に対する前記最深点Pmの
ゴム厚さTmの比Tm/T2と、前記内方点P2から最
深点Pmに至る半径方向距離h3との比(Tm/T2)
/h3、及び前記最深点Pmのゴム厚さTmに対する前
記下方点P3のゴム厚さT3の比T3/Tmと、前記下
方点P3から最深点Pmに至る半径方向距離h4との比
(T3/Tm)/h4をそれぞれ0.03以上とするこ
とが好ましい。
【0026】もし、前記比(T2/T1)/h1が0.
03未満となると、内方点P2付近からビード上方域S
2にかけて屈曲歪みが集中し、この部分でカーカスコー
ドルースが発生しやすくなるからであり、従って、より
好ましくは0.5以上である。他方、サイドウオール部
3に必要とされる強度を付与するためには、ゴム厚さT
1を3mm以上とする必要があり、従って、前記比(T
2/T1)/h1が大きくなりすぎると、ゴム厚さT2
が過大となり、重量増加及び発熱性の悪化を招く。従っ
て、より好ましくは1.0以下さらには0.07以下が
良い。
【0027】又比(Tm/T2)/h3が0.03未満
の時、最深点Pm付近に屈曲歪みが集中し、逆に0.2
5を越えると最深点Pm付近での発熱が大きくなり、か
つ重量増加を招くとともに、内方点P2付近に屈曲歪み
が集中しやすく、耐久性を低下する。従って、下限値を
0.05以上とするのがよく、又上限値を0.15以下
とするのがよい。
【0028】又比(T3/Tm)/h4が0.03未満
の時、 前記下方点P3付近での屈曲歪みが大きくな
り、この部分でカーカスコードルース等の損傷が発生し
やすくなり、従って、より好ましくは0.05以上さら
には0.07とするのがよい。
【0029】他方、本例では、発熱性の低減効果をより
高くかつ確実に発揮させるために、前記ビード上方域S
2の円弧延長線E1aからの凹みの度合いを規制してい
る。
【0030】より詳しく言うと、前記最深点Pmにおけ
る円弧延長線E1aからの最大深さDmと、前記タイヤ
最大巾点P1のリムベース13からの最大巾点高さHp
1との比Dm/Hp1を、0.03以上かつ0.18以
下とするとともに、前記下方点P3から内方点P2に至
る半径方向距離h2と、前記最大巾点高さHp1との比
h2/Hp1を、0.2以上かつ0.7以下としてい
る。なお前記「リムベースからの高さ」とは、前記JA
TMAなどの規格で定められるリム径を決めるタイヤ軸
方向線からの高さとして定義する。
【0031】凹みにおける深さの度合いである前記比D
m/Hp1が、0.03未満の時、発熱性の低減効果が
十分に達成されず、従って、0.05以上とするのが良
い。逆に0.18を越えると、前記ゴム厚さTの増加の
度合いである前記比(T2/T1)/h1、及び比(T
m/T2)/h3を前記範囲に規定することが難しくな
り、しかもタイヤ最大巾点P1から最深点Pmに至り歪
みが大きくなって、この部分でカーカスコードルース等
の損傷を発生しやすくなる。従って、0.08以下さら
には0.07以下とするのが良い。
【0032】又凹みにおける長さの度合いである前記比
h2/Hp1が、0.2未満の時、発熱性の低減効果が
十分に達成されず、又最深点Pm付近に歪みが集中しや
すくなり、従って0.3以上がさらに良い。又0.7を
越えると、サイドウオール下方域S1での歪みが減じる
一方、ビード上方域S2、特に内方点P2から最深点P
mに至る部分に歪みが集中するなど、広範囲にわたる歪
みの分散効果が薄れる。よって0.6以下がさらによ
い。
【0033】又前記サイドウオール下方域S1をなす円
弧E1の前記曲率半径R1は、タイヤ赤道面上におい
て、タイヤ半径方向の最内側に配されるカーカスプライ
内面の前記リムベース13からの半径方向のカーカス高
さHaの0.3〜2.0倍とすることが好ましく、0.
3未満では、サイドウオール下方域S1において必要と
されるゴム厚さTが確保され難く、又このゴム厚さTを
タイヤ半径方向内方に漸増させることが難しくなる。逆
に2.0を越えると、ビード上方域S2におけるゴム厚
さの過度の増加を招き、発熱性の悪化をもたらす。
【0034】なお、図4に示す如く、下方点P3として
交点Q2が採用される時には、交点Q2と離間点Q1と
の半径方向の距離WQは、前記最大巾点高さHp1の
0.1倍以下、さらには0.05以下とするのが好まし
く、0.1倍を越えると前記円弧延長線E1aから外方
に突出する部分が過大となって発熱が大きくなり耐久性
を向上し得ない。
【0035】又本例では、前記最深点Pmでの歪みを低
減するために、前記カーカスプライ6aの折返し部6B
外端の前記リムベース13からの半径方向の折返し高さ
Hbを、前記最深点Pmの前記リムベース13からの半
径方向の最深点高さHpmより大、すなわちHb>Hp
mに設定し、この折返し部6Bによって、前記最深点P
mの位置を補強している。この補強効果を高めるため
に、高さの差Hb−Hpmは、5mm以上さらには10
mm以上とするのがよい。なお複数のカーカスプライが
ある時には、その中の少なくとも1枚のプライの折返し
高さHbを最深点高さHpmより大とする。
【0036】しかしながら、前記折返し部6B外端がタ
イヤ最大巾点P1に近づくにつれ、この折返し部6B外
端からのゴム厚さが減少する。かかる場合、この外端を
外傷から保護しかつ、歪みを軽減させるために、図5に
示すように、この前記折返し部6B外端の位置に、タイ
ヤ周方向にのびるリブ状の保護突条15を設け、前記折
返し部6B外端からのゴム厚さtbを6mm以上さらに
は9mm以上に保つことが好ましい。なお前記保護突条
15は、タイヤ外表面からの突出高hbが3mmを越す
と、その段差部分に歪みが集中しやすく、従って突出高
hbを3mm以下とするのがよい。又保護突条15の巾
Wb10mm以下でできるだけ小さい方が、本願の効果
を達成する上で好ましい。
【0037】このように、本願では、前記領域Yのタイ
ヤ外表面に、文字、記号、模様などを示す突起、並びに
タイヤ外表面及びプライ折返し部外端を外傷などから保
護する、例えば前記保護突条15等のリブ状体が形成さ
れていてもよく、本願のタイヤ外表面の輪郭線とは、こ
れら突起及びリブ状体を除いたものを示している。
【0038】
【実施例1】タイヤサイズが11R22.5であり図1
に示す構造の重荷重用のタイヤを表1の仕様に基づき試
作し、試供タイヤ(実施例1〜11、比較例1〜2)の
ビード耐久性を測定するとともに、その測定結果を同表
に記載する。なお表1中、Hp2は内方点P2のリムベ
ース13からの半径方向高さを、Hp3は下方点P3の
リムベース13からの半径方向高さを示しており、又表
1に記載する輪郭形状等以外のタイヤ仕様は、表2に記
載する如く各タイヤ同一としている。
【0039】・ビード耐久性:試供タイヤを8.25×
22.5のリムに装着して内圧800kPaを充填し、
荷重9000kg、速度20km/hでドラム上を走行
させ、外観目視にて確認可能な損傷が発生した時点で走
行を終了し、損傷発生距離Llと完走距離L0(500
0km)との比L1/L0によってなる指数によって評
価した。表中、損傷状態における※1、※2、※3、O
Kは、下記の状態を意味する。 ※1… ビード部にてカーカスコードルースによる膨れ
が発生。( )内は膨れの発生位置を示す。 ※2… Pm位置でカーカスコードルースによる膨れが
発生。 ※3… 完走後の解体にてカーカスの折返し部外端でエ
ッジルースの発生が発見された。 OK… 完走後に解体しても損傷は発見できず。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1に示すテストの結果の如く、本願の実
施例のタイヤは、発熱性の低減効果と屈曲歪みの分散効
果との相乗作用により、比較例の比して、ビード耐久性
を大巾に向上しうる。なお実施例4では、内方点P2か
ら最深点Pmに至る部分でゴム厚さTが一定(T2=T
m)をなし、タイヤ半径方向内方に向かって漸増してい
ないため歪みの分散効果を不充分とし、耐久性が他の実
施例1〜3、6〜11に比して劣るものの、比較例1、
2に比して高いビード耐久性を発揮している。
【0043】又実施例5では、さらにゴム厚さT2>ゴ
ム厚さTmとなり歪みの分散効果をさらに減じるととも
に、凹み長さの度合いである前記比h2/Hp1も0.
2と低いため発熱性の低減効果も不充分としている。そ
の結果、耐久性が他の実施例1〜3、6〜11に比して
劣ってはいるが、比較例1、2に比して高いビード耐久
性を発揮している。
【0044】
【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、
発熱性の低減効果と屈曲歪みの分散効果とが相乗効果を
発揮し、特に重荷重用ラジアルタイヤにおいてビード耐
久性を大巾に向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】領域Yの輪郭線を拡大して示す線図である。
【図3】下方点の定義を説明する線図である。
【図4】下方点の定義を説明する線図である。
【図5】保護突条を例示する部分断面図である。
【図6】従来タイヤのビード部の輪郭形状を示す線図で
ある。
【図7】従来タイヤのビード部の輪郭形状を示す線図で
ある。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウオール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a カーカスプライ 6A カーカスプライの本体部 6B カーカスプライの折返し部 12 凹み部 J 正規のリム Jf フランジ Q1 離間点 Q2 交点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部をへてビ
    ード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアで
    折り返す折返し部を連設したカーカスプライを有するカ
    ーカスを具え、かつ正規のリムに装着し正規の内圧を充
    填した標準状態において、 タイヤ軸方向に最外側となるタイヤ最大巾点P1から前
    記リムのフランジに至る下方点P3との間のタイヤ外表
    面のタイヤ子午線断面における輪郭線は、前記タイヤ最
    大巾点P1とその半径方向内方の内方点P2との間のタ
    イヤ軸方向外に突出する外膨らみの曲線のサイドウオー
    ル下方域S1、及びその下方に連なりかつタイヤ軸方向
    内に凹む凹み部を有し前記内方点P2から下方点P3の
    間の内膨らみのビード上方域S2を具えるとともに、 前記サイドウオール下方域S1の曲線は、前記タイヤ最
    大巾点P1を通る軸方向線上に中心を有する曲率半径R
    1の円弧E1からなり、 かつ前記ビード上方域S2の曲線は、前記内方点P2か
    ら前記円弧E1を同一円弧で延長した円弧延長線E1a
    よりもタイヤ軸方向内方を通って前記凹み部に連なる一
    方、 前記下方点P3は、前記ビード上方域S2の曲線が前記
    リムのフランジから離間する離間点が前記円弧延長線E
    1aよりもタイヤ軸方向内方にあるときはその離間点、
    離間点が円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方向外側にあ
    るときには前記ビード上方域S2の曲線と円弧延長線E
    1aとの交点として設定されしかもタイヤ軸方向最も外
    側の前記カーカスプライの本体部と、タイヤ外表面との
    間のゴム厚さTは、前記タイヤ最大巾点P1のゴム厚さ
    T1から前記内方点P2のゴム厚さT2まで徐々に増大
    することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記円弧延長線E1aよりもタイヤ軸方向
    内方を通るビード上方域S2の曲線と、該円弧延長線E
    1aとを最短長さで結ぶ深さDが最大となるビード上方
    域S2の最深点Pmでの最大深さDmと、前記タイヤ最
    大巾点P1のリムベースからの最大巾点高さHp1との
    比Dm/Hp1は、0.03以上かつ0.18以下とす
    るとともに、 前記下方点P3から内方点P2に至る半径方向距離h2
    と、前記最大巾点高さHp1との比h2/Hp1は、
    0.2以上かつ0.7以下としたことを特徴とする請求
    項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記タイヤ最大巾点P1のゴム厚さT1に
    対する前記内方点P2のゴム厚さT2の比T2/T1
    と、前記内方点P2からタイヤ最大巾点P1に至る半径
    方向距離h1との比(T2/T1)/h1は0.03以
    上とするとともに、 前記内方点P2のゴム厚さT2、及び前記円弧延長線E
    1aよりもタイヤ軸方向内方を通るビード上方域S2の
    曲線と該円弧延長線E1aとを最短長さで結ぶ深さDが
    最大となるビード上方域S1の最深点Pmでのゴム厚さ
    Tmにおいて、ゴム厚さTは、ゴム厚さT2から前記ゴ
    ム厚さTmまで徐々に増大し、 かつ最深点Pmでの最大深さDmと、前記タイヤ最大巾
    点P1のリムベースからの最大巾点高さHp1との比D
    m/Hp1は、0.03以上かつ0.18以下としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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