JP4348582B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬度の高いゴムにより部分的にカーカス層が補強された空気入りタイヤに関し、特に、タイヤのサイドウォール部を薄肉化して軽量化するための技術として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題等の理由より、タイヤを軽量化することが望まれており、一般にはタイヤを薄肉化して対応する方法がとられている。その際、サイドウォール部やその周辺に対して、厚みを薄くすることが行われている。しかし、サイドウォール部等を薄くすると、特に横力に対するタイヤ剛性が低下し、このため操縦安定性が損なわれるという欠点があった。一方、高速使用されるハイパフォーマンスタイヤでは、有機材料補強層をサイドウォール部に配置してカーカス剛性を高めているなど、カーカス剛性の向上に対する要求もある。つまり、サイドウォール部の薄肉化とカーカス剛性の向上とは相反する関係にあり、サイドウォール部を薄くしながら、操縦安定性を十分維持するには、如何にして効率の良い補強を部分的に行うかが重要なポイントであった。
【0003】
このような部分補強に関して、例えば特開平5−32104号公報には、第1ベルト層の端部近傍からサイドウォール部側にかけて(バットレス部近傍)、カーカス層の外側面にショア硬度65〜75°の補強ゴムパッドを配置したタイヤが開示されている。
【0004】
また、特開平7−1914号公報には、ベルト層の両端部を覆いつつ端部がカーカス層の上面にまで延びた高硬度ゴムシートを配置したタイヤが開示されている。更に、特開平7−25205号公報には、ベルト層とカーカス層との間にJISA硬度70〜85°の補強ゴム層を配置したタイヤが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如き従来技術は、何れも補強ゴム層をカーカス層の外側に配置するものであり、本発明者らの検討によると、このような補強のみでは、サイドウォール部の薄肉化したタイヤで、横力に対する十分なカーカス剛性を維持できないことが判明した。
【0006】
なお、特開平3−157210号公報には、ビード部からベルト層端部の中央側のかなり広い範囲にかけて、カーカス層の内側に高硬度ゴムを配置して補強した空気入りラジアルタイヤが開示されているが、タイヤの軽量化のために効率良く部分補強を行い得るものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、効率良くカーカス層を補強することができ、サイドウォール部を薄くした場合でも、操縦安定性を十分維持することができる空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、高硬度ゴムによる部分的な補強について鋭意研究したところ、カーカス層の特定範囲の内側と外側の両側に高硬度ゴムを配置して補強することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、一対の環状のビード部間を略半径方向に配列した有機繊維で補強するカーカス層と、トレッド部付近のカーカス層の外側に配置されるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道より前記ベルト層の最大幅の1/4だけベルト層端部側の位置からタイヤ最大幅の位置の範囲内の少なくとも一部に対し、前記カーカス層の内側にJISA硬度65〜97°の内側補強ゴムを配置してあると共に、前記カーカス層の外側にJISA硬度65〜97°の外側補強ゴムを配置してあることを特徴とする。
【0010】
また、前記外側補強ゴムは、前記ベルト層と前記カーカス層との間に一端が介挿され、その一端からサイドウォール部側にかけて前記カーカス層の外側に外接する一辺を有すると共に、前記一端からベルト層端部にかけて厚みが漸増しつつベルト層端部近傍の最大厚み部から他端にかけて厚みが漸減する断面形状を有することが好ましい。
【0011】
更に、前記カーカス層の有機繊維を被覆するゴムがJISA硬度60°以上であることが好ましい。
【0012】
特に、本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール部の有機繊維より外側ゴムの総厚み(以下「サイドウォール総厚み」という)が3.0mm以下である場合に有用である。ここで、サイドウォール総厚みとは、サイドウォール部のカーカス層を構成する有機繊維(コード)より外側のゴムの厚み、即ち、有機繊維を被覆するゴム(トッピングゴム)の厚みとサイドウォールゴムの厚みの和を指し、タイヤ最大幅の位置を中心にしてタイヤ高さの40%の範囲で測定した厚みの平均値を採用する。
【0013】
[作用効果]
本発明によると、実施例の結果が示すように、カーカス層の特定範囲の内側と外側の両側に高硬度ゴムを配置して補強することにより、効率良くカーカス層を補強することができ、サイドウォール部を薄くした場合でも、操縦安定性を十分維持することができる。その理由の詳細は明確ではないが、次のように推測される。
【0014】
横力に対してカーカス剛性を高めるには、バットレス部近傍でのカーカス層の曲げ(曲率変化)に対する剛性を高めること、バットレス部近傍での隣接する有機繊維(コード)の間隔の開き(以下、「目開き」という)を少なくすること、ベルト層による補強効果をベルト層の端部近傍で高めること、などが有効であるが、本発明における内側と外側の補強ゴムは、これらのいずれに対しても効果的である。つまり、横力によるタイヤへの剪断力は、カーカス層の曲げを生じさせるが、旋回内側の場合、高硬度の補強ゴムにより曲げ反力を大きくすることができ、特に内側補強ゴムでは圧縮反力も付加されるので、より有効に曲げに対するカーカス剛性を高めることができる。一方、旋回外側についても、外側に高硬度ゴムを配置することにより、曲げ反力を大きくすることができ、圧縮反力も付加されるので、より有効に引張りに対するカーカス剛性を高めることができる。また、カーカス層のバットレス部近傍では、走行中に目開きが生じることとなるが、特にその状態で横力が負荷されると、カーカス層による補強効果が小さくなるところ、高硬度の補強ゴムをバットレス部近傍に配置することで、目開きを抑制してカーカス層による補強効果を向上させることができる。更に、ベルト層の端部近傍では、繊維配列との関係でカーカス層に対する補強効果(タガ効果)が十分でなく、その部分で横力に対するカーカス剛性が不十分となるところ、その部分の内側に高硬度の補強ゴムを配置することで、横力に対するカーカス剛性を向上させることができる。また更に、カーカス層を両側から挟むように補強ゴムが配置されるため、上記の曲げ力が各補強ゴムの圧縮力と引張り力に効果的に変換されるので、厚みの薄い補強ゴムであっても有効な補強が行え、特にタイヤの軽量化に有利になる。
【0015】
そして、上記のように補強ゴムを配置するのが有効な場所は、タイヤ赤道よりベルト層の最大幅の1/4だけベルト層端部側の位置からタイヤ最大幅の位置の範囲内に相当する。また、補強ゴムのJISA硬度を65〜97°とすることで、上記のような補強効果が得られるが、硬度が高すぎると疲労特性や破壊特性が劣りタイヤ故障を発生させる。また、タイヤ構造によっては乗り心地も悪化して実用に供しない。
【0016】
また、前記外側補強ゴムは、前記ベルト層と前記カーカス層との間に一端が介挿され、その一端からサイドウォール部側にかけて前記カーカス層の外側に外接する一辺を有すると共に、前記一端からベルト層端部にかけて厚みが漸増しつつベルト層端部近傍の最大厚み部から他端にかけて厚みが漸減する断面形状を有する場合、上記のような三日月形に近い断面形状により、曲げ反力を効果的に向上させてカーカス剛性を高めることができ、しかも、補強ゴムの両端部での応力集中を少なくして耐久性等を向上させることができる。
【0017】
前記カーカス層の有機繊維を被覆するゴムがJISA硬度60°以上である場合、有機繊維と内側又は外側補強ゴムとの間に硬度の低いゴムが介在しなくなるため、応力集中による層間剥離(プライセパ)の発生が防止されることとなる。また、被覆ゴムの硬度が高くなると、両側の補強ゴムと共に三者一体的な補強が行えるようになり、上記のごとき本発明の作用効果がより顕著なものになる。
【0018】
サイドウォール総厚みが3.0mm以下である場合、上述のような横力に対するカーカス剛性を特に低下し易いところ、上記の如き本発明の作用効果により、効率良くカーカス層を補強することで、操縦安定性を十分維持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態では、カーカス層の内側と外側に面状の補強ゴムを配置する例を、第2実施形態では、カーカス層の外側の補強ゴムとして断面三日月状のものを配置する例を示す。
【0020】
〔第1実施形態〕
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、一対の環状のビード部1間を略半径方向に配列した有機繊維で補強するカーカス層5と、トレッド部4付近のカーカス層5の外側に配置されるベルト層6とを有してなる。図1に示す例では、カーカス層5は、ビード部1に配置されたビードワイヤーの集合体であるビードコア1aにて外側に折り返され係止されている。このカーカス層5は、略半径方向(ラジアル又はセミラジアル)に配列した有機繊維と、それを被覆するゴムからなり、単層又は複数層で構成される。但し、軽量化を図るには、単層(1プライ)の方が好ましい。
【0021】
ベルト層6は、タイヤ赤道方向から傾斜(例えば20°前後)して配列したスチールコード等と、それを被覆するゴムからなり、通常コードの配列方向(又は補強方向)が対称になるように複数層で構成される。図1に示す例では、内側ベルト層6aと、それより若干幅の狭い外側ベルト層6bとを備える。なお、トレッドゴム4aの内側のベルト層6の外側面には、更にベルト補強層などが適宜形成される。
【0022】
本発明は、上記のようなタイヤにおいて、タイヤ赤道P1よりベルト層6の最大幅Wbの1/4だけベルト層端部側の位置P2からタイヤ最大幅Wの位置P3の範囲内の少なくとも一部に対し、カーカス層5の内側にJISA硬度65〜97°の内側補強ゴム10を配置してあることを特徴とする。
【0023】
内側補強ゴム10のJISA硬度が65°未満では、前述のような補強効果が十分とならず、JISA硬度が97°を超えると、乗り心地の悪化や故障が発生し実用に供しない。かかる観点から、好ましくはJISA硬度65〜90°、更に好ましくはJISA硬度70〜85°である。
【0024】
内側補強ゴム10としては、カーボンブラック等の添加剤の種類又は量を調節するなど、公知の方法により硬度調整したゴム材料を用いればよい。なお、ゴムの種類としては、カーカス層5の被覆ゴムやインナーライナー7との接合性を考慮した選択が通常行われる。
【0025】
また、内側補強ゴム10を配置する場所としては、位置P2から位置P3の範囲内の一部又は全部(更に広い部分を補強する場合を含む)であればよく、位置P2から位置P3の範囲の中央の位置P4を中心として、上記範囲内の30〜70%の範囲を補強してあるのが好ましい。なお、内側補強ゴム10はカーカス層5に内接させるのが好ましい。
【0026】
内側補強ゴム10の幅は20〜70mm程度が好ましく、厚みは0.3〜1.5mm程度が好ましい。なお、内側補強ゴム10としては、曲げ反力を効果的に向上させつつ、両端部での応力集中を防止する観点から、その断面形状が、中央又はその付近から両端にかけて厚みが漸減するものが好ましい。
【0027】
第1実施形態では、位置P2から位置P3の範囲内の少なくとも一部に対し、カーカス層5の外側面に沿うようにJISA硬度65〜97°の面状の外側補強ゴム11を配置してある。ここで、面状とは、シート状やシート状に近い形状を指しており、厚み一定のシート状物に限定しない趣旨である。
【0028】
外側補強ゴム11のJISA硬度は、内側補強ゴム10と同様の理由から、好ましくはJISA硬度65〜90°、更に好ましくはJISA硬度70〜85°である。また、面状の外側補強ゴム11を配置する場所も、内側補強ゴム10と同様の理由から、位置P4を中心として、上記範囲内の30〜70%の範囲とするのが好ましい。但し、ベルト層側の端部は、ベルト層6の内側に配置するのが好ましい。なお、外側補強ゴム11の幅は20〜70mm程度が好ましく、厚みは0.3〜3mm程度が好ましい。
【0029】
前記カーカス層5の有機繊維を被覆するゴムは、JISA硬度60°以上であるのが好ましく、JISA硬度65°以上であるのがより好ましい。有機繊維としては、ポリエステル、ナイロン等が好ましく使用される。なお、カーカス層5のビード部1近傍には、適宜、その他の補強層が形成される。
【0030】
本発明では、サイドウォール部2の外側ゴム、即ち、サイドウォールゴム2a及びカーカス層5の被覆ゴムの厚みが、3.0mm以下であるのが好ましく、2.5mm以下がより好ましい。このようなサイドウォール部の薄肉化により、タイヤの軽量化を行うことができる。なお、上記で説明した以外のタイヤ構造、材料等については、従来公知の技術が何れも採用できる。
【0031】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、図2に示すように、ベルト層6とカーカス層5との間に一端21aが介挿され、その一端21aからサイドウォール部2側にかけてカーカス層5の外側に外接する一辺を有すると共に、一端21aからベルト層端部にかけて厚みが漸増しつつベルト層端部近傍の最大厚み部21bから他端21cにかけて厚みが漸減する断面形状にて、JISA硬度65〜97°の外側補強ゴム21を配置してある。以下、第1実施形態と相違する部分のみについて説明する。
外側補強ゴム21の一端21aが介挿される位置としては、位置P2からベルト層端部までの範囲内が好ましく、位置P2からベルト層端部より最大幅Wbの1/20だけベルト層中央側までの範囲内がより好ましい。また、外側補強ゴム21の他端21cが配置される位置としては、位置P4より位置P3側が好ましい。
【0032】
外側補強ゴム21の好ましいJISA硬度は、外側補強ゴム11と同様であり、公知の方法により硬度調整したゴム材料などを用いればよい。外側補強ゴム21の幅は20〜70mm程度が好ましく、最大厚み部21bの厚みは1〜7mm程度、特に2〜3mmが好ましい。
【0033】
〔他の実施形態〕
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0034】
(1)前述の実施形態では、カーカス層の内側に面状の補強ゴムを設けた例を示したが、図3に示すように中央から両端20a,20cにかけて厚みが漸減する断面三日月状の内側補強ゴム20を設けてもよい。このような断面形状にすることで、曲げ反力を効果的に向上させつつ、両端部での応力集中を防止することができる。
【0035】
なお、内側補強ゴム20の両端20a,20cを配置する位置は、第1実施形態と同様である。内側補強ゴム20の幅は20〜70mm程度が好ましく、最大厚み部20bの厚みは1〜7mm程度、特に2〜3mmが好ましい。
【0036】
(2)前述の実施形態では、補強ゴムを単層で構成した例を示したが、補強ゴムを複数層で構成してもよい。その場合、少なくとも1層が前述のJISA硬度の範囲内であればよい。また、本発明は、従来公知の各種の補強層と組み合わせてもよい。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0038】
実施例1−1〜4及び比較例1
概ね図2に示す構造のタイヤにおいて、パッド状の外側補強ゴムの硬度、内側補強ゴムの硬度、カーカス層の被覆ゴムの硬度、及びサイドウォール総厚みが表1に示す値となるように、サイズ205/55R16の空気入りタイヤを作製した。その際、内側補強ゴムの厚みを1.0mm、幅を50mmとし、外側補強ゴムの最大厚みを2.5mm、幅を30mmとした。また、比較例として、外側補強ゴムの硬度、及び内側補強ゴムの硬度を高めていない空気入りタイヤを作製した。なお、硬度は何れもJISA硬度であり、タイヤからカッターナイフでなるべく平滑になるようにサンプルを切り出し、計測面と平行になるように裏面をバフ研磨して計測用サンプルを調製し、WALLACE製のミクロハードネステスターを用いて測定した。
【0039】
これらの空気入りタイヤを後輪駆動の排気量2500ccの国産乗用車に装着し、一周3.7kmのテストコース(一般的なラップタイムが一周120秒前後のサーキットコース)にて、ラップタイムの測定と操縦安定性とを評価した。なお、ラップタイムは短い程良好であり、−1.0秒はかなり良好な値である。また、操縦安定性は、コーナリング走行安定性等を含めたドライバーのフィーリングで10段階評価したものであり、点数が高いほど良好で、1点差は一般人でも判別できる。
【0040】
また、カーカス耐久性について次のように評価した。米国自動車安全基準FMVSS109に耐久試験として定める条件に準拠して、規定荷重で規定時間試験を行い、故障の発生は認められず合格したが、更に速度85km/h、荷重140%で故障するまでドラム走行を続けた。故障して走行不可能になるまでの走行時間を、比較タイヤを100として各タイヤの走行時間を指数で示した。
【0041】
その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
実施例のタイヤでは、ラップタイム及び操縦安定性がかなり改善され、被覆ゴムによる耐久性向上の効果も認められる。
【0043】
実施例1−5〜6
実施例1−1〜4においてサイドウォール総厚みを2.8mmとする以外は同様にして、表2に示すような空気入りタイヤを作製し、評価試験を行った。その結果を比較例1の結果と併せて表2に示す。
【0044】
【表2】
実施例のタイヤでは、サイドウォール部をかなり薄くした場合でも、ラップタイム及び操縦安定性が改善される。
【0045】
実施例2−1〜4及び比較例2
概ね図1に示す構造のタイヤにおいて、シート状の外側補強ゴムの硬度、内側補強ゴムの硬度、カーカス層の被覆ゴムの硬度、及びサイドウォール総厚みが表3に示す値となるように、サイズ205/55R16の空気入りタイヤを作製した。その際、内側補強ゴムの厚みを1.0mm、幅を50mmとし、外側補強ゴムの厚みを1.5mm、幅を35mmとした。また、比較例として、外側補強ゴムの硬度、及び内側補強ゴムの硬度を高めていない空気入りタイヤを作製した。これらの空気入りタイヤを用いて、実施例1と同様に評価試験を行った結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
実施例のタイヤでは、ラップタイム及び操縦安定性がかなり改善され、被覆ゴムによる耐久性向上の効果も認められる。
【0047】
比較例3−1〜3
実施例1−5において、内側補強ゴムと外側補強ゴムの両方又は何れかの硬度を高めない以外は同様にして表4に示すような空気入りタイヤを作製し、評価試験を行った。その結果を実施例1−5および比較例1の結果と併せて表4に示す。
【0048】
【表4】
実施例のタイヤでは、サイドウォール部を薄くした場合でも、ラップタイム及び操縦安定性を改善できるのに対し、内側又は外側の何れかだけを高硬度にした比較例3−2,3−3では、ラップタイム及び操縦安定性の改善には至らなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図
【図2】第2実施形態の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図
【図3】他の実施形態の空気入りタイヤの一例を示す部分断面図
【符号の説明】
1 ビード部
4 トレッド部
5 カーカス層
6 ベルト層
10 内側補強ゴム
11 外側補強ゴム
20 内側補強ゴム
21 外側補強ゴム
P1 タイヤ赤道
P2 位置(1/4Wb)
P3 タイヤ最大幅の位置
W タイヤ最大幅
Wb ベルト層の最大幅
Claims (4)
- 一対の環状のビード部間を略半径方向に配列した有機繊維で補強するカーカス層と、トレッド部付近のカーカス層の外側に配置されるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、
タイヤ赤道より前記ベルト層の最大幅の1/4だけベルト層端部側の位置からタイヤ最大幅の位置の範囲内の少なくとも一部に対し、前記カーカス層の内側にJISA硬度65〜97°の内側補強ゴムを配置してあると共に、前記カーカス層の外側にJISA硬度65〜97°の外側補強ゴムを配置してあることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記外側補強ゴムは、前記ベルト層と前記カーカス層との間に一端が介挿され、その一端からサイドウォール部側にかけて前記カーカス層の外側に外接する一辺を有すると共に、前記一端からベルト層端部にかけて厚みが漸増しつつベルト層端部近傍の最大厚み部から他端にかけて厚みが漸減する断面形状を有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカス層の有機繊維を被覆するゴムがJISA硬度60°以上である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- サイドウォール部の有機繊維より外側ゴムの総厚みが3.0mm以下である請求項1〜3いずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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