JPH10168188A - 芳香族ポリイミド及び半透膜及びその製造法 - Google Patents

芳香族ポリイミド及び半透膜及びその製造法

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JPH10168188A
JPH10168188A JP32682296A JP32682296A JPH10168188A JP H10168188 A JPH10168188 A JP H10168188A JP 32682296 A JP32682296 A JP 32682296A JP 32682296 A JP32682296 A JP 32682296A JP H10168188 A JPH10168188 A JP H10168188A
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俊介 中西
Kenji Ito
健次 伊藤
Yoshihiro Kusuki
喜博 楠木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紡糸性、製膜性に優れ、ガスの透過性、選択性
が高いスルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ポリイ
ミド及びスルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ポリ
イミド半透膜を提供する。 【解決手段】ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含
む芳香族テトラカルボン酸二無水物とスルホン酸アンモ
ニウム基を有する芳香族ジアミンを含む芳香族ジアミン
化合物とをフェノール系溶媒中で一段で共重合、イミド
化して、スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ポリ
イミドを製造し、さらにスルホン酸アンモニウム基を有
する芳香族ポリイミド半透膜を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスルホン酸アンモニウム
基を有するジアミンを共重合成分として用いた、ポリイ
ミド骨格にスルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ポ
リイミドおよびその製造法、芳香族ポリイミド半透膜お
よびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリイミドは、例えばフィルム、
シート、成形品、中空糸、ワニス等として、電子材料分
野、電気絶縁分野、気体分離分野、医療分野等として工
業的に多量使用されている。芳香族ポリイミドは、一般
にピロメリット酸二無水物のような芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテルのような芳
香族ジアミンとの略等モルを有機溶媒中で重縮合させて
ポリアミド酸にし、ついで加熱してまたは無水酢酸のよ
うな酸無水物中で、ポリアミド酸をイミド化する二段重
合法によって製造されている。
【0003】また最近ではスルホン酸基、スルホン酸ア
ルカリ塩基、スルホン酸アンモニウム基等をポリイミド
骨格に有するポリイミドが報告されている。例えば、特
開平6−87957号公報には、芳香族テトラカルボン
酸とスルホン酸アンモニウム基等を有する芳香族ジアミ
ンおよびスルホン酸アンモニウム基等を有さない芳香族
ジアミンとを、N−メチルピロリドンのような有機溶媒
中で重縮合させてポリアミド酸にし、次いでトリエチル
アミンおよび酸無水物中でイミド化(化学イミド化)す
る二段重合法で製造したコポリイミド、およびその製法
が開示されている。同公報にはスルホン酸アンモニウム
基を有する芳香族ポリイミドの一段重合法については開
示がない。また芳香族テトラカルボン酸の一般式として
極めて広範囲のテトラカルボン酸を包含する記載がある
が、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物については具
体的な記載はない。
【0004】特開平5−192552号公報には、芳香
族テトラカルボン酸と、ジアミンとしてスルホン酸基を
有するビスフェニルフルオレンジアミンを共重合成分と
するコポリイミドからなる芳香族ポリイミド気体分離膜
が開示されている。同公報の実施例には、溶媒としてN
−メチルピロリドンを使用し、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸と、ジアミンとしてスルホン酸基を有するビス
フェニルフルオレンジアミンを共重合成分として使用し
た均質膜が開示されている。特開昭63−283704
号公報、特開昭63−283707号公報には、芳香族
テトラカルボン酸としてピロメリット酸二無水物と、ジ
アミンとしてスルホン酸アルカリ金属塩基を有するジア
ミノベンゼンスルホン酸を共重合成分とするコポリイミ
ドからなる選択性透過膜、両性高分子電解質分離膜等の
均質膜が開示されている。特開昭58−153541号
公報には、溶媒としてN−メチルピロリドンを使用し、
脂肪族酸二無水物とスルホン酸基またはスルホン酸アル
カリ塩基を有するジアミンとから得られたポリイミドの
イオン交換膜が開示されている。
【0005】ポリイミド骨格に高極性であるスルホン酸
基、スルホン酸アルカリ金属塩基、スルホン酸アンモニ
ウム基等を導入すると、一般にガスの透過性、選択性等
が向上する。またポリイミドを実用的に効率のよいガス
分離膜として利用するには、非対称性中空糸膜にして使
用するのが最も望ましい。しかし、従来開示提案されて
いるこれらの基を有するポリイミドは、紡糸性、製膜性
が十分でなく中空糸膜化できないか、中空糸膜化の技術
が確立されていないか、また中空糸膜化できたとしても
膜の機械的強度が劣ったり、ガスの透過性、選択性等が
十分でないという難点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスの透過
性、選択性に優れ、かつ高強度の非対称性中空糸膜を容
易に形成することができる紡糸性、製膜性に優れた芳香
族ポリイミドおよび芳香族ポリイミド半透膜を提供する
ことを目的とするものである。また本発明は、ガスの透
過性、選択性に優れ、かつ高強度の非対称性中空糸膜を
容易に形成することができる紡糸性、製膜性に優れた主
鎖骨格にスルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ポリ
イミドの製法および芳香族ポリイミド半透膜の製法を提
供することを目的とするものである。
【0007】本発明者らは、スルホン酸アンモニウム基
等を有する芳香族ポリイミドについて鋭意研究した。そ
の結果、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を主成分
とする芳香族テトラカルボン酸二無水物と、スルホン酸
アンモニウム基を有する特定の芳香族ジアミンを主成分
とする芳香族ジアミンを使用し、フェノール系溶媒中で
反応させると、一段で共重合、イミド化されて、スルホ
ン酸アンモニウム基を有する均質な芳香族ポリイミドの
溶媒溶液が得られ、容易に中空膜のような半透膜にする
ことができることを知見し、本発明に到った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明は、反復単位が一般式(1)、
【0010】
【化11】
【0011】で表される芳香族ポリイミドに関する。但
し、一般式(1)式中のYは芳香族テトラカルボン酸二
無水物残基で、その少なくとも50モル%以上はビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラ
カルボン酸二無水物残基であり、また、一般式(1)式
中のArは芳香族ジアミン残基で、その少なくとも20
〜60モル%は下記一般式(2)及び/または(3)に
示す芳香族ジアミン残基であり、一般式(2)式中のR
1 〜R 4 の少なくとも1つは、−SO3 N(L)4 〔L
は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そ
のほかは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示
し、一般式(3)式中のR1 〜R8 の少なくとも1つ
は、−SO3 N(L)4 〔Lは水素原子または炭素数1
〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素原子または炭
素数1〜3のアルキル基を示す。
【0012】
【化12】
【0013】
【化13】
【0014】本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物の少なくとも50モル%以上がビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物である芳香族テトラカルボン酸化合物
と、芳香族ジアミンの20〜60モル%が一般式(4)
及び/または(5)で表される芳香族ジアミンである芳
香族ジアミンとの略等モルをフェノール系溶媒中で共重
合、イミド化する芳香族ポリイミドの製造法に関する。
【0015】
【化14】
【0016】
【化15】
【0017】但し、一般式(4)式中のR1 〜R4 の少
なくとも1つは、−SO3 N(L) 4 〔Lは水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、一般式
(5)式中のR1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3
N(L)4 〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化
水素基〕で、そのほかは水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示す。
【0018】本発明は、 反復単位が一般式(1)、
【0019】
【化16】 で表される芳香族ポリイミド半透膜に関する。
【0020】但し、一般式(1)式中のYは芳香族テト
ラカルボン酸二無水物残基で、その少なくとも50モル
%以上はビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来す
る芳香族テトラカルボン酸二無水物残基であり、また、
一般式(1)式中のArは芳香族ジアミン残基で、その
少なくとも20〜60モル%は下記一般式(2)及び/
または(3)に示す芳香族ジアミン残基であり、一般式
(2)式中のR1 〜R 4 の少なくとも1つは、−SO3
N(L)4 〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化
水素基〕で、そのほかは水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、一般式(3)式中のR1 〜R8 の少
なくとも1つは、−SO3 N(L)4 〔Lは水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。
【0021】
【化17】
【0022】
【化18】
【0023】本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物の50モル%以上がビフェニルテトラカルボン酸二無
水物である芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族
ジアミンの20〜60モル%が一般式(4)及び/また
は(5)で表される芳香族ジアミンである芳香族ジアミ
ンとの略等モルをフェノール系溶媒中で共重合、イミド
化する芳香族ポリイミド半透膜の製造法に関する。
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】但し、一般式(4)式中のR1 〜R4 の少
なくとも1つは、−SO3 N(L) 4 〔Lは水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、一般式
(5)式中のR1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3
N(L)4 〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化
水素基〕で、そのほかは水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示す。
【0027】本発明において、一般式(1)で表される
芳香族ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物
の少なくとも50モル%以上、好ましくは70モル%以
上がビフェニルテトラカルボン酸二無水物である芳香族
テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンの20〜
60モル%、好ましくは30〜50モル%が一般式
(4)及び/または(5)で表される芳香族ジアミンで
ある芳香族ジアミンとの略等モルをフェノール系溶媒中
で共重合、イミド化することによって得られる。しか
し、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に代えて、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物やピロメリット
酸二無水物を用いた場合は、フェノール系溶媒で一段で
共重合、イミド化することができないか、また共重合、
イミド化できても紡糸性、製膜性が不十分で高強度の非
対称性中空糸膜を得ることが困難である。
【0028】本発明において、芳香族テトラカルボン酸
二無水物に占めるビフェニルテトラカルボン酸二無水物
の割合が少なすぎると、フェノール系溶媒中において、
一段で共重合、イミド化が不可能になったり、フェノー
ル系溶媒に重合物が不溶になったり、またはフェノール
系溶媒からなる重合物の溶液の紡糸性、製膜性が悪くな
ったりするので、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
は少なくとも50モル%以上、好ましくは70モル%以
上にする必要がある。
【0029】なおフェノール系溶媒に代えてアミド系溶
媒、例えばN−メチルピロリドン溶媒中で、重合、イミ
ド化すると重合溶液はゲル化するか、または重合溶液の
紡糸性、製膜性が悪くなったりするので、中空糸膜化は
困難である。
【0030】本発明において、ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物等やその誘導体を挙
げることができるが、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物が好適に使用される。
【0031】ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と併
用することができるその他の芳香族テトラカルボン酸二
無水物としては、従来芳香族ポリイミドの製造において
知られている芳香族テトラカルボン酸二無水物を50モ
ル%以下、好ましくは30モル%以下の量で適宜選択し
て使用することができる。
【0032】これら併用されるその他の芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物としては、例えば3,3’,4,4’
−ジフェニルジ(トリフルオロメチル)メタンテトラカ
ルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニル
メタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ジフェニルジメチルメタンテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物等を挙げることができる。
【0033】これらの中でもジフェニルジ(トリフルオ
ロメチル)メタンテトラカルボン酸二無水物が好適に選
択され、その場合、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物の占める割合を50モル%以上、好ましくは70〜1
00モル%、かつジフェニルジ(トリフルオロメチル)
メタンテトラカルボン酸二無水物の占める割合を50モ
ル%未満、好ましくは0〜30モル%併用すると、フェ
ノール系溶媒中において、一段で共重合、イミド化した
重合溶液から紡糸、製膜した中空糸膜のガス透過性が向
上するので好適である。
【0034】本発明において、芳香族ジアミンとして
は、その20〜60モル%、好ましくは30〜50モル
%がスルホン酸アンモニウム基を有する一般式(4)及
び/または(5)で表される芳香族ジアミンが使用さ
れ、一般式(4)または(5)で表される芳香族ジアミ
ンの単独使用でも、一般式(4)及び(5)で表される
芳香族ジアミンを併用してもよい。しかし、スルホン酸
アンモニウム基を有する芳香族ジアミンの量が少なすぎ
ると、ポリイミド中のスルホン酸アンモニウム基の含量
が小さくなるため、中空糸膜化して得られる膜のガスの
透過性、選択性が向上しない。また多すぎると、フェノ
ール系溶媒中において、一段で共重合、イミド化した重
合溶液から紡糸、製膜して中空糸膜化する際に、良好な
非対称構造が形成しにくいため、中空糸膜のガス透過性
が低下するので好ましくない。
【0035】スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族
ジアミンは、例えば、スルホン酸基を有するジアミンと
アルキルアミン{N(L)3 〔Lは水素原子または炭素
数1〜12の炭化水素基〕}を中和することによって得
られる。
【0036】スルホン酸基を有するジアミンの具体例と
しては、例えば2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,4−ジアミ
ノベンゼン−1,5−ジスルホン酸、3,3’−トリジ
ン−5−スルホン酸、3,3’−トリジン−6,6’−
ジスルホン酸、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸等
をあげることができる。
【0037】アルキルアミン{N(L)3 〔Lは水素原
子または炭素数1〜12の炭化水素基〕}としては、L
が水素原子または炭素数1〜12のアルキル基からなる
飽和脂肪族アミンが挙げられ、その具体例としては、ア
ンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルア
ミン、sec−ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイ
ソブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジアミルア
ミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリs
ec−ブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチル
イソプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、
N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン等の飽和脂肪族アミンをあげることがで
きる。
【0038】また、アルキルアミン{N(L)3 〔Lは
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕}として
は、Lの少なくとも一つが炭素数1〜12のアルケニル
基で、残りが水素原子または炭素数1〜12のアルキル
基からなる不飽和脂肪族アミンが挙げられ、具体例とし
ては、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミ
ン、N−メチルジアリルアミン、N,N−ジメチルアリ
ルアミン等の不飽和脂肪族アミン等を挙げることができ
る。
【0039】さらにまた、アルキルアミン{N(L)3
〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕}
としては、Lの少なくとも一つが芳香環を含む基で、残
りが水素原子または炭素数1〜12のアルキル基からな
る芳香環含有アミンが挙げられ、具体例としては、ベン
ジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、
フェネチルアミン、アルファ−フェニルエチルアミン、
1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、N−メチル
ジベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン等
の芳香環含有アミン等を挙げることができる。
【0040】スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族
ジアミンの具体例としては、2,5−ジアミノベンゼン
スルホン酸アンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンス
ルホン酸メチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸エチルアンモニウム、2,5−ジアミノベ
ンゼンスルホン酸プロピルアンモニウム、2,5−ジア
ミノベンゼンスルホン酸イソプロピルアンモニウム、
2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ブチルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸イソブチルア
ンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸se
c−ブチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンス
ルホン酸アミルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸ヘキシルアンモニウム、2,5−ジアミノ
ベンゼンスルホン酸ジメチルアンモニウム、2,5−ジ
アミノベンゼンスルホン酸ジエチルアンモニウム、2,
5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジプロピルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジイソプロピ
ルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸
ジブチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスル
ホン酸ジイソブチルアンモニウム、2,5−ジアミノベ
ンゼンスルホン酸ジsec−ブチルアンモニウム、2,
5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジアミルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジヘキシルア
ンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸トリ
メチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホ
ン酸トリエチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、2,5−ジア
ミノベンゼンスルホン酸トリイソプロピルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸トリブチルア
ンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸トリ
イソブチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンス
ルホン酸トリsec−ブチルアンモニウム、2,5−ジ
アミノベンゼンスルホン酸トリアミルアンモニウム、
2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸トリヘキシルアン
モニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸シクロ
ヘキシルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスル
ホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム、2,5−ジアミ
ノベンゼンスルホン酸N,N−ジメチルエチルアンモニ
ウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジ
メチルイソプロピルアンモニウム、2,5−ジアミノベ
ンゼンスルホン酸N,N−ジメチルブチルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジエ
チルメチルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンス
ルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルアンモニウム、
2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸アリルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジアリルアン
モニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸トリア
リルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン
酸N−メチルジアリルアンモニウム、2,5−ジアミノ
ベンゼンスルホン酸N,N−ジメチルアリルアンモニウ
ム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ベンジルアン
モニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸ジベン
ジルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン
酸トリベンジルアンモニウム、2,5−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸フェネチルアンモニウム、2,5−ジアミ
ノベンゼンスルホン酸アルファ−フェニルエチルアンモ
ニウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸1−メチ
ル−3−フェニルプロピルアンモニウム、2,5−ジア
ミノベンゼンスルホン酸N−メチルジベンジルアンモニ
ウム、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジ
メチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。また例え
ば2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸アンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸メチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸エチルアンモ
ニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸プロピル
アンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸イ
ソプロピルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンス
ルホン酸ブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸イソブチルアンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼンスルホン酸sec−ブチルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸アミルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸ヘキシルアン
モニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸ジメチ
ルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸
ジエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスル
ホン酸ジプロピルアンモニウム、2,4−ジアミノベン
ゼンスルホン酸ジイソプロピルアンモニウム、2,4−
ジアミノベンゼンスルホン酸ジブチルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸ジイソブチルアン
モニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸ジse
c−ブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンス
ルホン酸ジアミルアンモニウム、2,4−ジアミノベン
ゼンスルホン酸ジヘキシルアンモニウム、2,4−ジア
ミノベンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、2,
4−ジアミノベンゼンスルホン酸トリエチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸トリプロピル
アンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸ト
リイソプロピルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸トリブチルアンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼンスルホン酸トリイソブチルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸トリsec−ブチ
ルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸
トリアミルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンス
ルホン酸トリヘキシルアンモニウム、2,4−ジアミノ
ベンゼンスルホン酸シクロヘキシルアンモニウム、2,
4−ジアミノベンゼンスルホン酸ジシクロヘキシルアン
モニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N
−ジメチルエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベン
ゼンスルホン酸N,N−ジメチルイソプロピルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジ
メチルブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
スルホン酸N,N−ジエチルメチルアンモニウム、2,
4−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジイソプロピ
ルエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼンスル
ホン酸アリルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
スルホン酸ジアリルアンモニウム、2,4−ジアミノベ
ンゼンスルホン酸トリアリルアンモニウム、2,4−ジ
アミノベンゼンスルホン酸N−メチルジアリルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N−ジ
メチルアリルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
スルホン酸ベンジルアンモニウム、2,4−ジアミノベ
ンゼンスルホン酸ジベンジルアンモニウム、2,4−ジ
アミノベンゼンスルホン酸トリベンジルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸フェネチルアンモ
ニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸アルファ
−フェニルエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベン
ゼンスルホン酸1−メチル−3−フェニルプロピルアン
モニウム、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸N−メ
チルジベンジルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼ
ンスルホン酸N,N−ジメチルベンジルアンモニウム等
が挙げられる。さらに例えば2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸アンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼン−1,5−ジスルホン酸メチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
エチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,
5−ジスルホン酸プロピルアンモニウム、2,4−ジア
ミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸イソプロピルアン
モニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスル
ホン酸ブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸イソブチルアンモニウム、2,
4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸sec−
ブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,
5−ジスルホン酸アミルアンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼン−1,5−ジスルホン酸ヘキシルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
ジメチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−
1,5−ジスルホン酸ジエチルアンモニウム、2,4−
ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸ジプロピルア
ンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジス
ルホン酸ジイソプロピルアンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼン−1,5−ジスルホン酸ジブチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
ジイソブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸ジsec−ブチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
ジアミルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−
1,5−ジスルホン酸ジヘキシルアンモニウム、2,4
−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸トリメチル
アンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジ
スルホン酸トリエチルアンモニウム、2,4−ジアミノ
ベンゼン−1,5−ジスルホン酸トリプロピルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン
酸トリイソプロピルアンモニウム、2,4−ジアミノベ
ンゼン−1,5−ジスルホン酸トリブチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
トリイソブチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼ
ン−1,5−ジスルホン酸トリsec−ブチルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン
酸トリアミルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸トリヘキシルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸シク
ロヘキシルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−
1,5−ジスルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸N,
N−ジメチルエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベ
ンゼン−1,5−ジスルホン酸N,N−ジメチルイソプ
ロピルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,
5−ジスルホン酸N,N−ジメチルブチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
N,N−ジエチルメチルアンモニウム、2,4−ジアミ
ノベンゼン−1,5−ジスルホン酸N,N−ジイソプロ
ピルエチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−
1,5−ジスルホン酸アリルアンモニウム、2,4−ジ
アミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸ジアリルアンモ
ニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホ
ン酸トリアリルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼ
ン−1,5−ジスルホン酸N−メチルジアリルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン
酸N,N−ジメチルアリルアンモニウム、2,4−ジア
ミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸ベンジルアンモニ
ウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン
酸ジベンジルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸トリベンジルアンモニウム、
2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸フェ
ネチルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン−1,
5−ジスルホン酸アルファ−フェニルエチルアンモニウ
ム、2,4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸
1−メチル−3−フェニルプロピルアンモニウム、2,
4−ジアミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸N−メチ
ルジベンジルアンモニウム、2,4−ジアミノベンゼン
−1,5−ジスルホン酸N,N−ジメチルベンジルアン
モニウム等が挙げられる。さらに例えば、3,3’−ト
リジン−5−スルホン酸アンモニウム、3,3’−トリ
ジン−5−スルホン酸メチルアンモニウム、3,3’−
トリジン−5−スルホン酸エチルアンモニウム、3,
3’−トリジン−5−スルホン酸プロピルアンモニウ
ム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸イソプロピル
アンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸ブ
チルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン
酸イソブチルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−
スルホン酸sec−ブチルアンモニウム、3,3’−ト
リジン−5−スルホン酸アミルアンモニウム、3,3’
−トリジン−5−スルホン酸ヘキシルアンモニウム、
3,3’−トリジン−5−スルホン酸ジメチルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸ジエチルア
ンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸ジプ
ロピルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホ
ン酸ジイソプロピルアンモニウム、3,3’−トリジン
−5−スルホン酸ジブチルアンモニウム、3,3’−ト
リジン−5−スルホン酸ジイソブチルアンモニウム、
3,3’−トリジン−5−スルホン酸ジsec−ブチル
アンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸ジ
アミルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホ
ン酸ジヘキシルアンモニウム、3,3’−トリジン−5
−スルホン酸トリメチルアンモニウム、3,3’−トリ
ジン−5−スルホン酸トリエチルアンモニウム、3,
3’−トリジン−5−スルホン酸トリプロピルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸トリイソプ
ロピルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホ
ン酸トリブチルアンモニウム、3,3’−トリジン−5
−スルホン酸トリイソブチルアンモニウム、3,3’−
トリジン−5−スルホン酸トリsec−ブチルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸トリアミル
アンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸ト
リヘキシルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−ス
ルホン酸シクロヘキシルアンモニウム、3,3’−トリ
ジン−5−スルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム、
3,3’−トリジン−5−スルホン酸N,N−ジメチル
エチルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホ
ン酸N,N−ジメチルイソプロピルアンモニウム、3,
3’−トリジン−5−スルホン酸N,N−ジメチルブチ
ルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸
N,N−ジエチルメチルアンモニウム、3,3’−トリ
ジン−5−スルホン酸N,N−ジイソプロピルエチルア
ンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸アリ
ルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸
ジアリルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スル
ホン酸トリアリルアンモニウム、3,3’−トリジン−
5−スルホン酸N−メチルジアリルアンモニウム、3,
3’−トリジン−5−スルホン酸N,N−ジメチルアリ
ルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸
ベンジルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スル
ホン酸ジベンジルアンモニウム、3,3’−トリジン−
5−スルホン酸トリベンジルアンモニウム、3,3’−
トリジン−5−スルホン酸フェネチルアンモニウム、
3,3’−トリジン−5−スルホン酸アルファ−フェニ
ルエチルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スル
ホン酸1−メチル−3−フェニルプロピルアンモニウ
ム、3,3’−トリジン−5−スルホン酸N−メチルジ
ベンジルアンモニウム、3,3’−トリジン−5−スル
ホン酸N,N−ジメチルベンジルアンモニウム等が挙げ
られる。また例えば3,3’−トリジン−6,6’−ジ
スルホン酸アンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸メチルアンモニウム、3,3’−ト
リジン−6,6’−ジスルホン酸エチルアンモニウム、
3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸プロピル
アンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスル
ホン酸イソプロピルアンモニウム、3,3’−トリジン
−6,6’−ジスルホン酸ブチルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸イソブチルア
ンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホ
ン酸sec−ブチルアンモニウム、3,3’−トリジン
−6,6’−ジスルホン酸アミルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ヘキシルアン
モニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン
酸ジメチルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸ジエチルアンモニウム、3,3’−
トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジプロピルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジ
イソプロピルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸ジブチルアンモニウム、3,3’−
トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジイソブチルアンモ
ニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸
ジsec−ブチルアンモニウム、3,3’−トリジン−
6,6’−ジスルホン酸ジアミルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジヘキシルア
ンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホ
ン酸トリメチルアンモニウム、3,3’−トリジン−
6,6’−ジスルホン酸トリエチルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸トリプロピル
アンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスル
ホン酸トリイソプロピルアンモニウム、3,3’−トリ
ジン−6,6’−ジスルホン酸トリブチルアンモニウ
ム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸トリ
イソブチルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸トリsec−ブチルアンモニウム、
3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸トリアミ
ルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジス
ルホン酸トリヘキシルアンモニウム、3,3’−トリジ
ン−6,6’−ジスルホン酸シクロヘキシルアンモニウ
ム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジシ
クロヘキシルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸N,N−ジメチルエチルアンモニウ
ム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸N,
N−ジメチルイソプロピルアンモニウム、3,3’−ト
リジン−6,6’−ジスルホン酸N,N−ジメチルブチ
ルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジス
ルホン酸N,N−ジエチルメチルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸N,N−ジイ
ソプロピルエチルアンモニウム、3,3’−トリジン−
6,6’−ジスルホン酸アリルアンモニウム、3,3’
−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジアリルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ト
リアリルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’
−ジスルホン酸N−メチルジアリルアンモニウム、3,
3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸N,N−ジメ
チルアリルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸ベンジルアンモニウム、3,3’−
トリジン−6,6’−ジスルホン酸ジベンジルアンモニ
ウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ト
リベンジルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,
6’−ジスルホン酸フェネチルアンモニウム、3,3’
−トリジン−6,6’−ジスルホン酸アルファ−フェニ
ルエチルアンモニウム、3,3’−トリジン−6,6’
−ジスルホン酸1−メチル−3−フェニルプロピルアン
モニウム、3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン
酸N−メチルジベンジルアンモニウム、3,3’−トリ
ジン−6,6’−ジスルホン酸N,N−ジメチルベンジ
ルアンモニウム等が挙げられる。さらに例えばベンジジ
ン−2,2’−ジスルホン酸アンモニウム、ベンジジン
−2,2’−ジスルホン酸メチルアンモニウム、ベンジ
ジン−2,2’−ジスルホン酸エチルアンモニウム、ベ
ンジジン−2,2’−ジスルホン酸プロピルアンモニウ
ム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸イソプロピル
アンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸ブ
チルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸イソブチルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジ
スルホン酸sec−ブチルアンモニウム、ベンジジン−
2,2’−ジスルホン酸アミルアンモニウム、ベンジジ
ン−2,2’−ジスルホン酸ヘキシルアンモニウム、ベ
ンジジン−2,2’−ジスルホン酸ジメチルアンモニウ
ム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸ジエチルアン
モニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸ジプロ
ピルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸ジイソプロピルアンモニウム、ベンジジン−2,2’
−ジスルホン酸ジブチルアンモニウム、ベンジジン−
2,2’−ジスルホン酸ジイソブチルアンモニウム、ベ
ンジジン−2,2’−ジスルホン酸ジsec−ブチルア
ンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸ジア
ミルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸ジヘキシルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジ
スルホン酸トリメチルアンモニウム、ベンジジン−2,
2’−ジスルホン酸トリエチルアンモニウム、ベンジジ
ン−2,2’−ジスルホン酸トリプロピルアンモニウ
ム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸トリイソプロ
ピルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸トリブチルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジ
スルホン酸トリイソブチルアンモニウム、ベンジジン−
2,2’−ジスルホン酸トリsec−ブチルアンモニウ
ム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸トリアミルア
ンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸トリ
ヘキシルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスル
ホン酸シクロヘキシルアンモニウム、ベンジジン−2,
2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム、ベ
ンジジン−2,2’−ジスルホン酸N,N−ジメチルエ
チルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸N,N−ジメチルイソプロピルアンモニウム、ベンジ
ジン−2,2’−ジスルホン酸N,N−ジメチルブチル
アンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸
N,N−ジエチルメチルアンモニウム、ベンジジン−
2,2’−ジスルホン酸N,N−ジイソプロピルエチル
アンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸ア
リルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン
酸ジアリルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジス
ルホン酸トリアリルアンモニウム、ベンジジン−2,
2’−ジスルホン酸N−メチルジアリルアンモニウム、
ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸N,N−ジメチル
アリルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホ
ン酸ベンジルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジ
スルホン酸ジベンジルアンモニウム、ベンジジン−2,
2’−ジスルホン酸トリベンジルアンモニウム、ベンジ
ジン−2,2’−ジスルホン酸フェネチルアンモニウ
ム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸アルファ−フ
ェニルエチルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジ
スルホン酸1−メチル−3−フェニルプロピルアンモニ
ウム、ベンジジン−2,2’−ジスルホン酸N−メチル
ジベンジルアンモニウム、ベンジジン−2,2’−ジス
ルホン酸N,N−ジメチルベンジルアンモニウム等が挙
げられる。
【0041】スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族
ジアミンと併用されるその他の芳香族ジアミンとして
は、従来知られている芳香族ジアミンを挙げることがで
きる。その具体例としては、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミ
ノジフェニルエーテル類、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミノジフェニ
ルメタン類、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プ
ロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフル
オロプロパン等のビス(アミノフェニル)プロパン類、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン等のジアミノジフェニルスル
ホン類、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’
−ジアミノベンゾフェノン等のジアミノベンゾフェノン
類、2,7−ジアミノ−3,6−ジメチルジベンゾチオ
フェンスルフォン、2,8−ジアミノ−3,7−ジメチ
ルジベンゾチオフェンスルフォン、3,7−ジアミノ−
2,8−ジメチルジベンゾチオフェンスルフォン等のジ
アミノジメチルジベンゾチオフェンスルフォン類、1,
4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等のビス(アミ
ノフェノキシ)ベンゼン類、1,4−ビス(3−アミノ
フェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニ
ル)ベンゼン等のビス(アミノフェニル)ベンゼン類、
2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン
等のビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
類、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフォン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフォン等のビス〔(アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフォン類、フェニレンジアミ
ン類等を挙げることができる。
【0042】これら併用されるその他の芳香族ジアミン
は、スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ジアミン
と1種または複数種併用することができる。その場合、
スルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ジアミンの使
用量は20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%
であり、併用されるその他の芳香族ジアミンとしてはジ
アミノベンゾチオフェンスルフォン類,特に3,7−ジ
アミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェンスルフォ
ンを併用すると、ガス透過性及び選択性の向上した芳香
族ポリイミド半透膜が得られることから好ましく、その
使用量は40〜80モル%、特に好ましくは50〜70
モル%である。
【0043】本発明のフェノール系溶媒としては、融点
が約100℃以下、好ましくは80℃以下で、常圧での
沸点が300℃以下、好ましくは280℃以下のもの
が、重合溶液中の溶媒が凍結するなどの重合溶液取扱上
の問題が生じないので好適である。フェノール系溶媒の
具体例としては、フェノール、o−、m−またはp−ク
レゾール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チ
モール等の1価のフェノール類、カテコール類、あるい
は3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、3−
ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジ
ブロモフェノール、2−クロロ−4−ヒドロキシトルエ
ン、2−クロロ−5−ヒドロキシトルエン、3−クロロ
−6−ヒドロキシトルエン、4−クロロ−2−ヒドロキ
シトルエン、2−ブロモ−4−ヒドロキシトルエン、2
−ブロモ−5−ヒドロキシトルエン、3−ブロモ−6−
ヒドロキシトルエン、4−ブロモ−2−ヒドロキシトル
エン等の1価のフェノールのベンゼン環の水素原子をハ
ロゲン原子で置換したハロゲン化フェノール類等を挙げ
ることができ、中でもハロゲン化フェノールが好まし
く、特に4−クロロフェノールが好ましい。これらのフ
ェノール系溶媒は、1種類の単独でも、複数種の混合溶
媒としてもよい。
【0044】本発明において、フェノール系溶媒中での
共重合、イミド化は、普通には芳香族テトラカルボン酸
二無水物と芳香族ジアミンとを略等モルをフェノール系
溶媒に溶解させ、100〜250℃、好ましくは130
〜200℃の反応温度に加熱し、生成する水を除去しな
がら反応させることによって行うのが、実用上十分な重
合速度が得られ、また重合系からの溶媒の蒸発脱離を抑
えることができるので好適である。反応はバッチ式で行
っても、連続式で行ってもよい。
【0045】前記の反応温度において重縮合反応とイミ
ド化反応とが進行し、一段で、フェノール系溶媒に溶解
したスルホン酸アンモニウム基を有する芳香族ジアミン
を共重合成分とする芳香族ポリイミドの溶液が得られ
る。反応時間は10〜60時間程度である。その際、フ
ェノール系溶媒に対する芳香族テトラカルボン酸二無水
物と芳香族ジアミンの使用量は、溶媒中の芳香族ポリイ
ミドの量(濃度)が5〜50重量%、特に重合溶液を直
接に中空糸膜等の半透膜の製造に用いる場合は、濃度が
5〜30重量%、さらには5〜20重量%になるように
するのが好ましく、重合液の回転粘度(100℃で測
定)が10〜10000ポイズ、特に100〜6000
ポイズであることが好ましい。回転粘度が過度に高すぎ
ても低すぎても、紡糸性、製膜性に難点が生じて好まし
くない。
【0046】本発明において、半透膜は共重合、イミド
化によって得られたスルホン酸アンモニウム基を有する
芳香族ポリイミド溶液から乾式法、湿式法、乾湿式法等
の製膜方法で半透膜にすることができる。特に、芳香族
ポリイミドの溶液を流延あるいは成形機から気中に吐出
または押出した後、凝固液中に導いて凝固させ、付着凝
固液を洗浄後乾燥処理する乾湿式法によると、ガスの透
過性、選択性の良好な半透膜を得ることができるので好
適である。
【0047】半透膜を得る際の湿式法や乾湿式法に使用
される凝固液としては、例えば水やメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール
系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、エチルプロピルケトン等のケトン系溶媒、これら
水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒等の混合溶媒など
の芳香族ポリイミドを溶解せず、かつ芳香族ポリイミド
溶液の溶媒と相溶性を有する極性溶媒が使用される。な
かでも水との混合溶媒、特に水とアルコール系溶媒との
混合溶媒、例えば水とエタノールとの混合溶媒は、欠陥
のない、ガスの透過性、選択性に優れた非対称性の半透
膜を形成させることができるので好適である。
【0048】凝固させた芳香族ポリイミド半透膜は、こ
れをメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール等のアルコール系溶媒で洗浄した後、さらに不
活性溶媒、例えばイソペンタン、n−ヘキサン、イソオ
クタン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒で洗
浄、乾燥、さらには熱処理する。熱処理温度は、スルホ
ン酸アンモニウム基を有する半透膜の軟化点または二次
転移点より低い温度で行うのが、非対称性の半透膜の非
対称構造を破壊することがないので好ましい。熱処理温
度は、普通には、90〜400℃から適宜選択された温
度、特に200〜350℃で行うと、中空糸膜の透過
性、分離性のバランスが良好になるので好ましい。
【0049】本発明において、スルホン酸アンモニウム
基を有する半透膜の形状は、フィルム、シート上の平
膜、中空糸状の中空糸膜等のいずれの形状であってもよ
いが、分離膜としては有効膜面積を大きくとれる中空糸
膜が好適である。
【0050】本発明において、フェノール系溶媒中で共
重合、イミド化して得られたスルホン酸アンモニウム基
を有する芳香族ポリイミド溶液をドープ液として使用
し、中空糸紡糸用ノズルから気中に押し出して中空糸状
成形物を形成させた後、成形物を凝固液中に導いて凝固
させ、アルコール系溶媒および脂肪族炭化水素系溶媒で
洗浄して芳香族ポリイミド中空糸膜を得る。
【0051】その際、ドープ液の回転粘度は10〜10
000ポイズ、100〜6000ポイズが好ましく、紡
糸用ノズルの吐出温度は30〜150℃、好ましくは4
0〜100℃である。さらに成形物を保持する凝固液と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール等のアルコール系溶媒または水と前記のア
ルコール系溶媒との混合溶媒が挙げられ、好ましくはメ
タノール、エタノール、またはこれらと水の混合溶媒が
良好な非対称構造の中空糸膜を形成できるので好適であ
る。凝固液の温度はマイナス10〜プラス60℃、好ま
しくはマイナス5〜プラス40℃である。また、洗浄液
として、前記のアルコール系溶媒、なかでもメタノー
ル、エタノールが好ましく挙げられ、また、イソペンタ
ン、n−ヘキサン、イソオクタン、n−ヘプタン等の脂
肪族炭化水素系溶媒、好ましくはn−ヘキサン、イソオ
クタンが挙げられる。
【0052】さらには、洗浄溶媒の蒸発温度は50〜1
50℃、好ましくは80〜150℃の温度で乾燥する
と、溶媒の蒸発時間が短縮され、かつ中空糸膜中の残留
溶媒量を減少させられるので好適である。さらにまた、
乾燥後、中空糸膜を熱処理すると、分離膜として好適な
非対称性のスルホン酸アンモニウム基を有する中空糸膜
が得られるという点で好ましい。この時、熱処理温度
は、スルホン酸アンモニウム基を有する中空糸膜の軟化
点または二次転移点より低い温度で行うのが、非対称性
の半透膜の非対称構造を破壊することがないことから好
適であり、通常90〜400℃の温度から適宜選択され
た温度、特に200〜350℃が、中空糸膜の透過性、
分離性のバランスが良好になるので好ましい。
【0053】このようにして得られた非対称性の中空糸
膜は、高強度で、ガスの選択性、透過性が極めて優れて
おり、たとえば空気中の水の分離、ヘリウム−窒素の分
離、水素分離または炭酸ガスの分離等の分離膜として好
適に使用することができる。特に、水蒸気の透過速度が
高く、かつ他のガスとの透過速度比も高いので、混合ガ
スからの水蒸気分離膜、例えば空気の乾燥、有機蒸気か
らの水分の分離等におけるガス分離膜として好適であ
る。
【0054】
【発明の実施の態様】次に実施例及び比較例を示し、本
発明を説明する。
【0055】
【実施例】
〔中空糸膜の透過性能〕実施例1〜13および比較例1
〜2の各例において,中空糸膜の透過性能の評価は次の
ようにして行った。中空糸膜、ステンレス製パイプおよ
びエポキシ樹脂系接着材を使用して、透過性能評価用の
両末端開口型中空糸膜束を作成し、これをステンレス製
容器に収納してモジュール化した。中空糸膜束の有効膜
面積は約3cm2 あった。そのモジュールに、水分を約
1500ppm同伴したN2 ガスを導入して、中空糸膜
の外側と内側との差圧が5kg/cm2 で、導入したガ
スを中空糸膜の外側表面に接触させ、中空糸膜の内側に
透過させ、さらに中空糸の内側は乾燥したアルゴンガス
でスウィープした。水蒸気および窒素の透過速度
(P’)は、透過ガスのガスクロマトグラフィー分析の
測定値、および露点計による供給ガス、未透過ガス、透
過ガスの露点の測定値、さらに透過ガスの流量から算出
した。測定温度は50℃であった。透過速度(P’)の
単位はcm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHgで
ある。
【0056】実施例1 〔芳香族ポリイミド溶液の調整〕3,3’,4,4’,
ービフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9
9ミリモルと、2,4’ージアミノベンゼンスルホン酸
トリエチルアンモニウム(mBS−NEt3 )30ミリ
モルおよび3,7’−ジアミノ−2,8−ジメチル−ジ
ベンゾチオフェンスルフォン70ミリモルとを、4−ク
ロロフェノール261gとともに、撹拌機と窒素ガス導
入管とが付設されたセパラブルフラスコに入れ、撹拌下
に180℃の温度で約40時間共重合、イミド化反応を
行って、4−クロロフェノールに溶解しているスルホン
酸アンモニウム基を有する、ポリイミド濃度が17重量
%の芳香族ポリイミドの溶液を調製した。なお、この芳
香族ポリイミド溶液の100℃における回転粘度は10
80ポイズであった。
【0057】〔中空糸膜の製造〕調整した芳香族ポリイ
ミドの溶液を400メッシュのステンレス製金網でろ過
して、紡糸用ドープを調製した。紡糸用ドープ液は、こ
れを中空糸紡糸用ノズル(円形開口部の外径:1000
μm、円形開口部のスッリト幅:200μm、芯部開口
部の外径:400μm)を備えた紡糸装置に仕込み、中
空糸紡糸用ノズルから、空気中に中空糸状に吐出させ、
次いで中空糸状成形物を乾燥窒素ガス雰囲気中を通過さ
せた後、70重量%濃度のエタノール水溶液からなる温
度0℃の一次凝固液に浸漬し、さらに一対の案内ロール
を備えた二次凝固装置内の温度0℃の二次凝固液中で案
内ロール間を往復させて、中空糸状成形物の凝固を完了
させて中空の湿潤膜とし、引き取りロールで引き取り速
度15m/min.で引き取りながら紡糸した。
【0058】芳香族ポリイミドの中空糸湿潤膜は、これ
をボビンに巻取り、エタノールで十分に洗浄した後、イ
ソオクタンでエタノール置換した後、100℃に加熱し
てイソオクタンの蒸発および乾燥を行い、さらに、27
0℃で30分間熱処理してスルホン酸アンモニウム基を
有する非対称性の芳香族ポリイミド中空糸膜を製造し
た。得られたスルホン酸アンモニウム基を有する非対称
性の芳香族ポリイミド中空糸膜の、外径、膜厚を表2
に、さらに透過性能評価結果を表3に示す。
【0059】実施例2〜13 芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン
成分として表1に示した化合物を使用し芳香族ポリイミ
ド溶液を調整し、一次凝固液のエタノール水溶液の濃度
及び芳香族湿潤膜の熱処理温度を表2に示した条件とし
た以外は実施例1と同様にして、スルホン酸アンモニウ
ム基を有する非対称性の芳香族ポリイミド中空糸膜を製
造した。実施例2〜13の芳香族ポリイミド溶液のポリ
イミド濃度と、100℃における回転粘度を表1に示
し、得られた非対称性の芳香族ポリイミド中空糸膜の、
外径、膜厚を表2に、さらに透過性能評価結果を表3に
示す。
【0060】比較例1〜2 芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン
成分として表1に示した化合物を使用し芳香族ポリイミ
ド溶液を調整し、一次凝固液としてエタノール水溶液の
濃度及び芳香族湿潤膜の熱処理温度を表2に示した条件
とした以外は実施例1と同様にして、スルホン酸アンモ
ニウム基を有する非対称性の芳香族ポリイミド中空糸膜
を製造した。比較例1〜2の芳香族ポリイミド溶液のポ
リイミド濃度と、100℃における回転粘度を表1に示
し、得られた非対称性の芳香族ポリイミド中空糸膜の、
外径、膜厚を表2に、さらに透過性能評価結果を表3に
示す。
【0061】表1における略記号は、下記の化合物をそ
れぞれ意味する。 sBPDA : 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン 酸二無水物 6FDA : 3,3’,4,4’−ジフェニルジ(トリフルオ ロメチル)メタンテトラカルボン酸二無水物、 TSN : 3,7’−ジアミノ−2,8−ジメチル−ジベン ゾチオフェンスルフォン TCB : 2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’− ジアミノビフェニル DADE : 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル mPD : メタフェニレンジアミン mBS−Et3 N : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸トリエチ ルアンモニウム mBS−iPr2 Et3 N: 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N− ジイソプロピルエチルアンモニウム mBS−nBu3 N : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸トリn− ブチルアンモニウム mBS−Ally2 HN : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸ジアリル アンモニウム mBS−Ally3 N : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸トリアリ ルアンモニウム mBS−BzMe2 N : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸N,N− ジメチルベンジルアンモニウム mBS−Bz2 HN : 2,4’−ジアミノベンゼンスルホン酸ジベンジ ルアンモニウム mBDS−Et3 N : 2,4’−ジアミノ−1,5−ベンゼンジスルホ ン酸トリエチルアンモニウム TDA−Et3 N : 3,3’−トリジン−6,6’−ジスルホン酸ト リエチルアンモニウム
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明によると、紡糸性、製膜性に優
れ、ガスの透過性、選択性の高い、スルホン酸アンモニ
ウム基を有する芳香族ポリイミド半透膜を提供すること
ができる。また本発明によると、重合、イミド化を一段
で行うことができ、紡糸性、製膜性に優れたスルホン酸
アンモニウム基を有する芳香族ポリイミドの溶液を容易
に得ることができる。さらにガスの透過性、選択性の優
れた高強度のスルホン酸アンモニウム基を有する非対称
性中空糸膜を容易に製造することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反復単位が一般式(1)、 【化1】 で表される芳香族ポリイミド。但し、一般式(1)式中
    のYは芳香族テトラカルボン酸二無水物残基で、その少
    なくとも50モル%以上はビフェニルテトラカルボン酸
    二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸二無水物残
    基であり、また、一般式(1)式中のArは芳香族ジア
    ミン残基で、その少なくとも20〜60モル%は下記一
    般式(2)及び/または(3)に示す芳香族ジアミン残
    基であり、一般式(2)式中のR1 〜R 4 の少なくとも
    1つは、−SO3 N(L)4 〔Lは水素原子または炭素
    数1〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素原子また
    は炭素数1〜3のアルキル基を示し、一般式(3)式中
    のR1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3 N(L)4
    〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕
    で、そのほかは水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基を示す。 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】一般式(1)式中のYとして示される芳香
    族テトラカルボン酸二無水物残基の、ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸
    二無水物残基が70〜100モル%で、Arとして示さ
    れる芳香族ジアミン残基の、一般式(2)及び/または
    (3)に由来する芳香族ジアミン残基が30〜50モル
    %である請求項1に記載の芳香族ポリイミド。
  3. 【請求項3】一般式(1)式中のYとして示される芳香
    族テトラカルボン酸二無水物残基の、ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸
    二無水物残基が70〜100モル%、及びジフェニルジ
    (トリフルオロメチル)メタンテトラカルボン酸二無水
    物に由来する芳香族テトラカルボン酸二無水物残基が0
    〜30モル%である請求項2に記載の芳香族ポリイミ
    ド。
  4. 【請求項4】芳香族テトラカルボン酸二無水物の少なく
    とも50モル%以上がビフェニルテトラカルボン酸二無
    水物である芳香族テトラカルボン酸化合物と、芳香族ジ
    アミンの20〜60モル%が一般式(4)及び/または
    (5)で表される芳香族ジアミンである芳香族ジアミン
    との略等モルをフェノール系溶媒中で共重合、イミド化
    する請求項1に記載の芳香族ポリイミドの製造法。 【化4】 【化5】 但し、一般式(4)式中のR1 〜R4 の少なくとも1つ
    は、−SO3 N(L) 4 〔Lは水素原子または炭素数1
    〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素原子または炭
    素数1〜3のアルキル基を示し、一般式(5)式中のR
    1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3 N(L)4 〔L
    は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そ
    のほかは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示
    す。
  5. 【請求項5】芳香族テトラカルボン酸二無水物の70〜
    100モル%がビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    で、芳香族ジアミンの30〜50モル%が一般式(4)
    及び/または(5)で表される芳香族ジアミンである請
    求項4に記載の芳香族ポリイミドの製造法。
  6. 【請求項6】芳香族テトラカルボン酸二無水物の70〜
    100モル%がビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    で、0〜30モル%がジフェニルジ(トリフルオロメチ
    ル)メタンテトラカルボン酸二無水物である請求項5に
    記載の芳香族ポリイミドの製造法。
  7. 【請求項7】反復単位が一般式(1)、 【化6】 で表される芳香族ポリイミド半透膜。但し、一般式
    (1)式中のYは芳香族テトラカルボン酸二無水物残基
    で、その少なくとも50モル%以上はビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸
    二無水物残基であり、また、一般式(1)式中のArは
    芳香族ジアミン残基で、その少なくとも20〜60モル
    %は下記一般式(2)及び/または(3)に示す芳香族
    ジアミン残基であり、一般式(2)式中のR1 〜R 4
    少なくとも1つは、−SO3 N(L)4 〔Lは水素原子
    または炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水
    素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、一般式
    (3)式中のR1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3
    N(L)4 〔Lは水素原子または炭素数1〜12の炭化
    水素基〕で、そのほかは水素原子または炭素数1〜3の
    アルキル基を示す。 【化7】 【化8】
  8. 【請求項8】一般式(1)式中のYとして示される芳香
    族テトラカルボン酸二無水物残基の、ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸
    二無水物残基が70〜100モル%で、Arとして示さ
    れる芳香族ジアミン残基の、一般式(2)及び/または
    (3)に由来する芳香族ジアミン残基が30〜50モル
    %である請求項7に記載の芳香族ポリイミド半透膜。
  9. 【請求項9】一般式(1)式中のYとして示される芳香
    族テトラカルボン酸二無水物残基の、ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物に由来する芳香族テトラカルボン酸
    二無水物残基が70〜100モル%で、ジフェニルジ
    (トリフルオロメチル)メタンテトラカルボン酸二無水
    物に由来する芳香族テトラカルボン酸二無水物残基が0
    〜30モル%である請求項8に記載の芳香族ポリイミド
    半透膜。
  10. 【請求項10】芳香族テトラカルボン酸二無水物の50
    モル%以上がビフェニルテトラカルボン酸二無水物であ
    る芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミン
    の20〜60モル%が一般式(4)及び/または(5)
    で表される芳香族ジアミンである芳香族ジアミンとの略
    等モルをフェノール系溶媒中で共重合、イミド化する請
    求項7に記載の芳香族ポリイミド半透膜の製造法。 【化9】 【化10】 但し、一般式(4)式中のR1 〜R4 の少なくとも1つ
    は、−SO3 N(L) 4 〔Lは水素原子または炭素数1
    〜12の炭化水素基〕で、そのほかは水素原子または炭
    素数1〜3のアルキル基を示し、一般式(5)式中のR
    1 〜R8 の少なくとも1つは、−SO3 N(L)4 〔L
    は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基〕で、そ
    のほかは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示
    す。
  11. 【請求項11】芳香族テトラカルボン酸二無水物の70
    〜100モル%がビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    で、芳香族ジアミンの30〜50モル%が一般式(4)
    及び/または(5)で表される芳香族ジアミンである請
    求項10に記載の芳香族ポリイミド半透膜の製造法。
  12. 【請求項12】芳香族テトラカルボン酸二無水物の70
    〜100モル%がビフェニルテトラカルボン酸二無水物
    で、0〜30モル%がジフェニルジ(トリフルオロメチ
    ル)メタンテトラカルボン酸二無水物である請求項11
    に記載の芳香族ポリイミド半透膜の製造法。
  13. 【請求項13】芳香族ポリイミド半透膜が中空糸膜であ
    る請求項12に記載の芳香族ポリイミド半透膜の製造
    法。
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