JP2874741B2 - 非対称性中空糸ポリイミド気体分離膜 - Google Patents

非対称性中空糸ポリイミド気体分離膜

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JP2874741B2
JP2874741B2 JP4126493A JP4126493A JP2874741B2 JP 2874741 B2 JP2874741 B2 JP 2874741B2 JP 4126493 A JP4126493 A JP 4126493A JP 4126493 A JP4126493 A JP 4126493A JP 2874741 B2 JP2874741 B2 JP 2874741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族テトラカルボン
酸成分と芳香族ジアミン成分とを重合及びイミド化して
得られる、特定の反復単位を有する芳香族ポリイミドで
構成されてなる非対称性中空糸ポリイミド気体分離膜に
関する。本発明のポリイミド気体分離膜は、気体の透過
特性に優れ、分離度(透過係数比)が大きいので、気体
混合物の分離、例えばメタンとヘリウム、メタンと水
素、酸素と窒素、水素と炭酸ガス等の分離に好適に使用
される。特に透過速度ををおとすことなく、窒素に対す
る酸素の選択透過性(分離度)に優れているので、空気
の酸素富化膜、窒素富化膜等として好適である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリイミドは、耐熱性、機械的強
度等が優れているため、種々の反復単位を有する芳香族
ポリイミドが提案され、水素分離膜、炭酸ガス分離膜、
酸素富化膜、窒素富化膜等々の気体分離膜として、商業
的な利用が拡大している。また気体分離膜として有用な
芳香族ポリイミドに用いられるテトラカルボン酸成分及
び芳香族ジアミン成分についても、既に多数知られてい
る。また膜構造としては、均質構造の均質膜、多孔膜
や、緻密な層(スキン層)とそれを支える多孔質層とか
らなる非対称構造の非対称性膜等が知られており、これ
らの形状としてはフイルム状の平膜、中空繊維状の中空
糸膜等がある。
【0003】例えば、特公昭55ー41802号公報
(米国特許第3899309号明細書)には、主鎖骨格
のまわりの自由回転を拘束するために、リジッドなポリ
イミド骨格に置換基を導入したポリイミド分離膜が開示
されており、芳香族ジアミン成分としてアルコキシ基、
アルキル基、ハロゲン原子等の置換基を有するジフェニ
ルジアミンについての記載がある。また米国特許第48
38900号明細書にも種々のテトラカルボン酸成分と
上記置換基等を有する芳香族ジアミンとから得られたポ
リイミド分離膜が開示されている。そしてこれらの公報
には、均質構造の平膜を用いて混合気体を分離した実施
例が記載されている。
【0004】さらに特開平2ー2857号公報には、テ
トラカルボン酸成分と、置換基としてハロゲン原子、ニ
トロ基又はアルキル基等を有するビフェニルジアミン成
分とから得られたポリイミド分離膜が開示されている。
そしてこの公報には、均質膜、非対称性膜として使用で
きる旨の記載はあるが、その実施例には均質膜しか示さ
れていない。
【0005】また特公昭62ー52612号公報、特公
昭63ー55974号公報、特公昭61ー53086号
公報等には、ビフェニルテトラカルボン酸類を主成分と
したテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とから
得られたポリイミド分離膜が開示されている。そしてこ
れらの公報には、均質膜、非対称性の中空糸膜等が記載
されている。また特公平2−47931号公報には、芳
香族ジアミン成分としてジアミノジフェニレンスルホン
類を用いたポリイミド分離膜が開示されており、非対称
性の中空糸膜を用いて炭酸ガスとメタンとの分離、水蒸
気とメタンとの分離等を行った実施例が記載されてい
る。
【0006】また米国特許第5042992号明細書に
は、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)ヘ
キサフルオロプロパン類と3,7−ジアミノ−2,8−
ジメチルジフェニレンスルホン類とから得られた非対称
性中空糸ポリイミド分離膜が開示されている。そしてこ
の公報には、炭酸ガスとメタンとの分離についての実施
例が記載されている。
【0007】また、一般に気体分離膜に求められる性質
としては、透過速度が大きい、分離度(透過速度の
比)が高い、膜製造において欠陥のない薄膜形成、中
空糸膜形成等が容易である、使用条件で性能が安定し
ている、機械的性質に優れている等があり、その他使
用場面に応じて耐熱性、耐薬品性に優れていることも重
要である。また分離膜で気体を分離する場合、一般に透
過速度の大きな膜では目的とする気体の分離度が低下
し、逆に分離度の高い膜は透過速度が小さい傾向にある
ため、使用場面に応じて分離膜を使い分けている。
【0008】例えば空気から分離膜で酸素と窒素を分離
し、窒素富化空気を製造する場合、窒素濃度を上げるた
めには原料空気の半分以上を透過させなければならない
から供給側と透過側との差圧を大きく取って加圧空気を
膜へ供給する方式がとられている。従ってこの場合は、
非対称性中空糸膜タイプの膜を用いて原料空気を中空糸
膜の内側(中空中)に流動させて酸素を中空糸膜の外側
に透過させ、内側から未透過の窒素富化空気を回収する
方法が多くとられている。しかし加圧空気から一定濃度
の窒素富化空気を製造する場合、分離度(窒素の透過速
度に対する酸素の透過速度の比)が低いと窒素富化空気
の回収率の低下につながるため、酸素富化の場合よりも
より分離度の高い膜が求められ、分離度が非常に重要な
ファクタ−となっている。
【0009】従来は前記したように種々の分離膜が提案
されているが、分離度の高いものでも、実用面からみる
と中空糸膜の形成が困難であったり、機械的性質が十分
でなかったりするものが多く、また実用されている膜の
分離度は高いものでも3.5〜5の範囲であり、改善の
余地が残されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前記
〜の条件を満たす実用的に優れた気体分離膜を開発す
ることを課題として、芳香族ポリイミドの種々のテトラ
カルボン酸成分とジアミン成分との組合せ、組成割合
(構成反復単位の割合)等について鋭意研究した結果、
テトラカルボン酸成分として2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ピロメ
リット酸、ビフェニルテトラカルボン酸等とジアミン成
分としてジアミノジフェニレンスルホン等とを組み合わ
せた特定組成の非対称性中空糸膜が極めて実用的に優れ
ていることを知見した(特願平3−307259号)。
【0011】この膜は機械的性質が優れ、再現性良く容
易に製造できるが、酸素と窒素との分離度が5程度であ
り、窒素富化膜としてはさらに改善が望まれる。そこ
で、非対称性中空糸膜の分離度をさらに改良することを
課題として研究を続けた結果、ジアミン成分の一部とし
て特定のベンジジンを用い、特定のテトラカルボン酸成
分とジアミン成分とを組み合わせた特定組成の非対称性
中空糸膜は、分離度が5.3以上にも達し、課題を達成
できることを知り、本願発明に至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、実質的に下
記一般式(1)
【0013】
【化7】 [但し、一般式(1)中のAは、その25〜100モル
%が式(2)
【0014】
【化8】 で示されるビフェニル構造に基く4価のユニットで、0
〜70モル%が式(3)
【0015】
【化9】 で示されるジフェニルヘキサフルオロプロパン構造に基
く4価のユニットで、0〜30モル%が式(4)
【0016】
【化10】 で示されるフェニル構造に基く4価のユニットで、
【0017】一般式(1)中のRは、その30〜70モ
ル%が式(5)
【0018】
【化11】 で示され、式(5)のR1 及びR2 が水素原子または低
級アルキル基であるジフェニレンスルホン構造に基く2
価のユニットで、30〜70モル%が式(6)
【0019】
【化12】 で示され、式(6)のXは塩素原子又は臭素原子でnは
1〜3であるビフェニル構造に基く2価のユニットであ
る。]からなる反復単位を有し、
【0020】窒素の透過速度に対する酸素の透過速度の
比(P' O2 /P' N2 )が5.3以上である非対称性
中空糸ポリイミド気体分離膜に関する。
【0021】本願発明において、テトラカルボン酸成分
に由来する式(2)で示されるビフェニル構造に基く4
価のユニットとしては、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸やその酸無水物、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸やその酸無水物等の
ビフェニルテトラカルボン酸類の残基を例示することが
できる。式(2)で示されるビフェニル構造に基く4価
のユニットは、25〜100モル%、好ましくは30〜
100モル%が好適である。このビフェニルテトラカル
ボン酸類は、膜製造において欠陥のない薄膜形成、中空
糸膜形成等を容易にし、その量が少なすぎると、製膜し
にくかったり、欠陥が生じたりして実用に適さない。
【0022】また、式(3)で示されるジフェニルヘキ
サフルオロプロパン構造に基く4価のユニットとして
は、2,2ービス(3,4ージカルボキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンやその酸無水物等のジフェニルヘ
キサフルオロプロパン類の残基を例示することができ
る。式(3)で示されるジフェニルヘキサフルオロプロ
パン構造に基く4価のユニットは、0〜70モル%、好
ましくは、0〜60モル%が好適である。このジフェニ
ルヘキサフルオロプロパン類は、酸素の透過速度を大き
くするのによい影響を与えるが、過度に多すぎると分離
度が低下してくる。
【0023】また本発明において、式(4)で示される
フェニル構造に基く4価のユニットとしては、ピロメリ
ット酸やその酸無水物等のピロメリット酸類の残基を例
示することができる。式(4)で示されるフェニル構造
に基く4価のユニットは、0〜30モル%、好ましくは
10〜20モル%が好適である。このピロメリット酸類
は、機械的性質を高めるうえで好適であるが、その量が
多すぎると製膜時のポリマ−溶液が凝固したり、不安定
になって中空糸に形成が困難になる。
【0024】本発明において、ジアミン成分に由来する
式(5)で示されるジフェニレンスルホン構造に基く2
価のユニットとしては、3,7ージアミノー2,8ージ
メチルージフェニレンスルフォン、3,7ージアミノー
2,8ージエチルージフェニレンスルフォン、3,7ー
ジアミノー2,6ージメチルージフェニレンスルフォン
等のジアミノジフェニレンスルフォン類の残基を例示す
ることができる。式(5)で示されるジフェニレンスル
ホン構造に基く2価のユニットは、30〜70モル%、
好ましくは、30〜60モル%が好適である。このジア
ミノジフェニレンスルフォン類は、透過性の向上作用が
あるが、多すぎると分離度が低下する。
【0025】また本願発明において、ジアミン成分に由
来する式(6)で示されるビフェニル構造に基く2価の
ユニットとしては2,2’,5,5’−テトラクロロベ
ンジジン、3,3’,5,5’−テトラクロロベンジジ
ン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’−ジクロ
ロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサ
クロロベンジジン、2,2' ,5,5’−テトラブロモ
ベンジジン、3,3’,5,5’−テトラブロモベンジ
ジン、3,3’−ジブロモベンジジン、2,2’−ジブ
ロモベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキ
サクロロベンジジン等のベンジジン類の残基を例示する
ことができる。これらのなかでも式(6)のXが塩素原
子であるベンジジンで、nが2のものが透過速度、分離
度等からみて好適である。式(6)で示されるビフェニ
ル構造に基く2価のユニットは、30〜70モル%、好
ましくは、30〜60モル%が好適である。このベンジ
ジン類は、分離度の向上に寄与しているが、その量が多
すぎるとポリマ−が不溶になって製膜が困難になり、少
なすぎると分離度が低下するので好ましくない。
【0026】本願発明の非対称性中空糸ポリイミド気体
分離膜は、実質的に前記テトラカルボン酸成分とジアミ
ン成分とに由来する一般式(1)の反復単位を有するこ
とによって、その作用効果を奏するが、本願発明の課題
を逸脱しない範囲において他のテトラカルボン酸成分と
ジアミン成分に由来するユニットが含まれていてもよ
い。他のテトラカルボン酸成分としては、例えばジフェ
ニルエ−テルテトラカルボン酸類、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸類、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
類、ナフタレンテトラカルボン酸類、ジフェニルメタン
テトラカルボン酸類、ジフェニルプロパンテトラカルボ
ン類等を挙げることができる。またその他のジアミン成
分としては、例えばジアミノジフェニルメタン類、ジア
ミノジフェニルエーテル類、ジアミノジベンゾチオフェ
ン類、ジアミノベンゾフェノン類、ビス(アミノフェニ
ル)プロパン類、フェニレンジアミン類、ジアミノ安息
香酸類等を挙げることができる。
【0027】本発明の非対称性中空糸ポリイミド気体分
離膜は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分との略等
モルを有機極性溶媒の存在下に重合及びイミド化して得
られた一般式(1)の反復単位を有するポリイミドが、
有機極性溶媒に溶解している溶液をド−プ液として使用
し、これを中空糸形成用ノズルから押し出し中空糸状体
を形成した後、凝固液中で凝固させ、次いで凝固液を除
去して乾燥することによって製造することができ、この
膜はその表面に緻密な層(スキン層)を有している。
【0028】重合及びイミド化に使用される有機極性溶
媒としては、その融点が200°C以下、好ましくは1
50°C以下のもの、例えばフェノ−ル、クレゾ−ル、
キシレノ−ル、ベンゼン環に2個の水酸基を有するカテ
コ−ル、レゾルシンの如きカテコ−ル類、3−クロロフ
ェノ−ル、4−クロロフェノ−ル、3−ブロモフェノ−
ル、4−ブロモフェノ−ル、2−クロロ−5−ヒドロキ
シトルエンの如きハロゲン化フェノ−ル類、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミドの如きアミド
類や、これらの混合溶媒が好適である。
【0029】重合及びイミド化は、一度ポリアミック酸
にした後、イミド化する方法でもよいが、フエノール系
溶媒中、約140°C以上、好ましくは150〜250
°Cの温度で一段で重合およびイミド化して、フエノー
ル系溶媒に溶解したポリイミド溶液を得る方法が、工程
の簡略化、均質なド−プ液が容易に得られる等の面で好
適である。
【0030】中空糸の紡糸にド−プ液として使用される
有機極性溶媒に溶解しているポリイミド溶液は、紡糸温
度での溶液粘度(回転粘度)が、10〜20000ポイ
ズ、さらには50〜10000ポイズ、特に100〜8
000ポイズであることが、中空糸形成用ノズルから吐
出させて中空糸状体を形成させるうえで好適である。有
機極性溶媒としては、前記重合及びイミド化に使用され
る有機極性溶媒と同様の溶媒が好適に使用される。紡糸
温度は20〜150°C、好ましくは30〜120°C
が適当である。またポリイミド溶液中のポリイミドは、
30°Cの対数粘度(測定濃度:0.5g/100ml
溶媒、溶媒:パラクロロフェノ−ル4容量部とオルソク
ロロフェノ−ル1容量部との混合溶媒)0.1〜7、好
ましくは0.2〜5程度が適当である。
【0031】中空糸形成用ノズルから吐出させた中空糸
状体は、一旦大気中に押し出され、一次凝固液(約−1
0〜60°C)中で、その中空糸状体の形状を保持でき
る程度に中空糸状体の表面を凝固させた後、案内ロ−ル
に巻き掛けられ、二次凝固液中に導いて中空糸状体の内
部まで十分に凝固させ、引取りロ−ルで、2〜80m/
分程度で引取るのが好ましい。一次及び二次凝固液とし
ては、ポリイミド溶液の溶媒と相溶性が有り、ポリイミ
ドを実質的に溶解しない極性溶媒が使用される。極性溶
媒としては、例えば水、メタノ−ル、エタノ−ル、プロ
パノ−ル等の低級アルコ−ル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン等の
ケトン類や、これらの混合溶媒等が挙げられる。
【0032】凝固させた中空糸状体は、これから凝固液
等を十分に除去し、乾燥すると、外側表面に緻密な層
(スキン層)を有する非対称性中空糸膜が得られる。凝
固液の除去は、置換溶媒、例えばイソペンタン、n−ヘ
キサン、イソオクタン、n−ヘプタンの如き脂肪族炭化
水素を使用し、中空糸の外側及び内側の凝固液を置換し
た後、置換溶媒を蒸発させて乾燥する方法が採用され
る。乾燥した非対称性中空糸膜は、これを構成している
ポリイミドの軟化点又は二次転移点より低い温度で熱処
理するのが好ましい。
【0033】本願発明の非対称性中空糸ポリイミド気体
分離膜は、例えば中空糸を適当な長さに切断して多数
(100〜100000)束ねて形成させた中空糸膜束
が、その両端の中空(孔)が塞がらないように両端をエ
ポキシ樹脂の如き樹脂で一体的に固着して、モジュ−ル
化し、これを少なくとも気体混合物(原料ガス)の供給
口、未透過気体の排出口及び透過気体の排出口を有する
容器に収納し、気体分離装置として用いられる。気体混
合物を分離する場合、気体混合物は中空糸の外側から供
給して中空糸の内側(孔側)から透過気体を取り出す方
法で行っても、また気体混合物を中空糸の一方の内側か
ら供給して中空糸内を流動通過させてもう一方の内側か
ら排出される間に、透過気体を中空糸の外側に透過させ
る方法で行ってもよいが、例えば空気から窒素富化空気
又は酸素富化空気を製造する場合は、後者の方法の方が
効率がよいので好適である。
【0034】次に実施例及び比較例を示し本願発明を説
明する。
【実施例】
実施例1 〔ポリイミド溶液の調製〕3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDA)
30ミリモル,2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(以下、6
FDA)55ミリモル、ピロメット酸二無水物(以下、
PMDA)15ミリモルと、3,7−ジアミノ−2,8
−ジメチルジフェニレンスルホン(以下、TSN)50
ミリモル,2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジ
ン(以下、TCB)50ミリモルとを、パラクロロフェ
ノ−ル329gと共に、攪拌機と窒素ガス導入管が付い
たセパラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流通させな
がら攪拌下に180°Cで16時間重合させ、ポリイミ
ド濃度が16重量%のポリイミド溶液を調製した。
【0035】このポリイミド溶液は100°Cの溶液粘
度(回転粘度)が1135ポイズで、ポリイミド溶液中
ポリマ−の30°Cの対数粘度(測定濃度:0.5g/
100ml溶媒、溶媒:パラクロロフェノ−ル4容量部
とオルソクロロフェノ−ル1容量部との混合溶媒)が
1.1であった。
【0036】〔非対称性中空糸膜の製造〕前記調製した
ポリイミド溶液を400メッシュの金網で濾過し、これ
をド−プ液とし、中空糸紡糸用ノズル(円形開口部外径
1000μm、円形開口部スリット幅200μm、芯部
開口部外径400μm)を備えた紡糸装置を使用して、
中空糸紡糸用ノズルからド−プ液を中空糸状に吐出さ
せ、吐出した中空糸状体を窒素雰囲気中に通した後、一
次凝固液(0°C、65重量%のエタノ−ル水溶液)に
浸漬し、さらに一対の案内ロ−ルを備えた二次凝固装置
内の二次凝固液(0°C)中で案内ロ−ル間を往復させ
て、中空糸状体を凝固させ、引取りロ−ルで引取りなが
ら(引取り速度15m/分)、紡糸して中空糸膜を得
た。次いでボビンに巻取り、エタノ−ルで洗浄した後、
イソオクタンでエタノ−ルを置換し、中空糸膜を100
°Cに加熱してイソオクタンを蒸発させて乾燥し、33
0°Cで30分間熱処理して非対称性中空糸膜を製造し
た。
【0037】〔透過性能の評価〕非対称性中空糸膜と、
ステンレスパイプと、エポキシ樹脂系接着剤とを使用し
て、透過性能評価用エレメントを作成し、ステンレス容
器に装着して、酸素と窒素との混合ガスを用い、50°
Cの温度、10kg/cm2 の圧で混合ガスを中空糸の
外側に供給し、ガス透過試験を行い、ガス透過速度と、
窒素の透過速度に対する酸素の透過速度の比〔分離度:
(P' O2 /P' N2 )〕とを、ガスクロマトフィ−分
析の測定値から算出した。その結果、酸素の透過速度
(P’O2 )は、14.1×10-5cm3 /cm2・s
ec・cmHgで、分離度は5.5であった。
【0038】実施例2〜4 第1表に記載のテトラカルボン酸及びジアミンを使用し
て、実施例1と同様の操作で、ポリイミド溶液を調製
し、非対称性中空糸膜を製造して、透過性能を評価し
た。その結果は、第1表に示す。
【0039】比較例1〜5 第2表に記載のテトラカルボン酸及びジアミンを使用し
て、実施例1と同様の操作で、ポリイミド溶液を調製
し、非対称性中空糸膜を製造して、透過性能を評価し
た。その結果は、第2表に示す。
【0040】比較例6 6FDA:99ミリモルと1,3−ジアミノ−4,6−
ジメチルベンゼン100ミリモルとを、パラクロロフェ
ノ−ル309gと共に、攪拌機と窒素ガス導入管が付い
たセパラブルフラスコに入れて、窒素ガスを流通させな
がら攪拌下に180°Cで58時間重合を行ったが、反
応液の粘度(100°C)が、1ポイズ以下と極めて低
く、高分子量のポリイミドを生成させることができず、
中空糸を製造することができなかった。
【0041】第1表及び第2表において、テトラカルボ
ン酸成分及びジアミン成分を示す記号は、次の化合物を
意味する。 s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物 6FDA :2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物 PMDA :ピロメット酸二無水物 TSN :3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジ
フェニレンスルホン TCB :2,2’,5,5’−テトラクロロベン
ジジン DCB :3,3’−ジクロロベンジジン HFIP :2,2’−ビス(4−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパン 34IP :2,2−(3,4' −ジアミノジフェニ
ル)プロパン DADE :4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル TOL :3,3’−ジメチル−4,4' −ジアミ
ノビフェニル また第1表及び第2表において透過速度(P’O2 )の
単位はcm3 /cm2・sec・cmHgである。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本願発明の非対称性中空糸ポリイミド気
体分離膜は、特に分離度(窒素の透過速度に対する酸素
の透過速度の比)が高く、膜製造において欠陥のない薄
膜形成・中空糸膜形成等が容易であり、また使用条件で
性能が安定しており、機械的性質に優れているので、気
体分離膜、特に窒素富化膜、酸素富化膜として好適であ
り、例えば空気から高濃度の窒素富化空気を効率よく製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−90929(JP,A) 特開 昭57−170934(JP,A) 特開 平3−267130(JP,A) 特開 平4−222832(JP,A) 特開 平5−68859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/64 B01D 69/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に下記一般式(1) 【化1】 [但し、一般式(1)中のAは、その25〜100モル
    %が式(2) 【化2】 で示されるビフェニル構造に基く4価のユニットで、0
    〜70モル%が式(3) 【化3】 で示されるジフェニルヘキサフルオロプロパン構造に基
    く4価のユニットで、0〜30モル%が式(4) 【化4】 で示されるフェニル構造に基く4価のユニットで、一般
    式(1)中のRは、その30〜70モル%が式(5) 【化5】 で示され、式(5)のR1 及びR2 が水素原子または低
    級アルキル基であるジフェニレンスルホン構造に基く2
    価のユニットで、30〜70モル%が式(6) 【化6】 で示され、式(6)のXは塩素原子又は臭素原子でnは
    1〜3であるビフェニル構造に基く2価のユニットであ
    る。]からなる反復単位を有し、窒素の透過速度に対す
    る酸素の透過速度の比(P' O2 /P' N2 )が5.3
    以上である非対称性中空糸ポリイミド気体分離膜。
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