JPH10168029A - アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 - Google Patents
アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物Info
- Publication number
- JPH10168029A JPH10168029A JP34456096A JP34456096A JPH10168029A JP H10168029 A JPH10168029 A JP H10168029A JP 34456096 A JP34456096 A JP 34456096A JP 34456096 A JP34456096 A JP 34456096A JP H10168029 A JPH10168029 A JP H10168029A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- alkyl
- formula
- acid
- ethyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを合
成できる新規な製法並びにチュベローズ様、ジャスミン
様、ミルク様、の香気・香味を有する該化合物を有効成
分とする香料組成物が提供される。 【解決手段】δ−ラクトンを原料とし、エステル交換反
応により、下記式(1)(式中R1は炭素数1から11
までのアルキル基、R2 は炭素数2から4までのアルキ
ル基を示す)のアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トを製造できる。またこの化合物は香料組成物の調合素
材に有効に使用できる。 【化1】
成できる新規な製法並びにチュベローズ様、ジャスミン
様、ミルク様、の香気・香味を有する該化合物を有効成
分とする香料組成物が提供される。 【解決手段】δ−ラクトンを原料とし、エステル交換反
応により、下記式(1)(式中R1は炭素数1から11
までのアルキル基、R2 は炭素数2から4までのアルキ
ル基を示す)のアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トを製造できる。またこの化合物は香料組成物の調合素
材に有効に使用できる。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記式(1)
【0002】
【化4】
【0003】(式中R1 は炭素数1から11までのアル
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの製法、および前記式(1)の化合物を有効成分とし
て含有する香料組成物、好ましくはミルク様香気・香味
を呈する香料組成物に関するものである。
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの製法、および前記式(1)の化合物を有効成分とし
て含有する香料組成物、好ましくはミルク様香気・香味
を呈する香料組成物に関するものである。
【0004】
【従来の技術】上記式(1)の化合物は公知であり、こ
の化合物の製法についてもこれまでにいくつかの報告が
なされている。例えば、5−ホルミルエステルにアルキ
ル亜鉛を付加させる方法(Chem. Lett. 1988,(5),843,R
1,R2=Me,Et)、5−ケトエステルを微生物で還元する方
法(Bioorg. Med. Chem. Lett. 1992,2(6),619,R1=Me,E
t,R2=Et) 、同じく5−ケトエステルを水素化ホウ素ナ
トリウムで還元する方法(J.Org. Chem. 1996,61,2726)
等がある。しかし、いずれの製法も工業的にあるいは経
済的に有利な方法とはいえず問題がある。
の化合物の製法についてもこれまでにいくつかの報告が
なされている。例えば、5−ホルミルエステルにアルキ
ル亜鉛を付加させる方法(Chem. Lett. 1988,(5),843,R
1,R2=Me,Et)、5−ケトエステルを微生物で還元する方
法(Bioorg. Med. Chem. Lett. 1992,2(6),619,R1=Me,E
t,R2=Et) 、同じく5−ケトエステルを水素化ホウ素ナ
トリウムで還元する方法(J.Org. Chem. 1996,61,2726)
等がある。しかし、いずれの製法も工業的にあるいは経
済的に有利な方法とはいえず問題がある。
【0005】また、本発明に関連する他の報告例として
は、エチル 5−ヒドロキシオクタノエートとエチル
5−ヒドロキシデカノエートが、野生ラズベリーの香気
成分として同定され[Z. Lebensm.-Unters. Forsch.198
0,171(3),180]、この化合物は不安定であることが記載
されている。また、エチル 5−ヒドロキシデカノエー
トは、緑茶[Sepu 1990,8(3),169]からも同定されてい
る。しかし、これらの報告では、いずれも単に香気成分
として同定されたことが報告されているのみであって、
この化合物がいかなる香気・香味を呈するかについての
具体的記載はなく、またこの化合物の有用性、例えば香
料組成物の調合素材として用いることなどについては全
く言及されていない。
は、エチル 5−ヒドロキシオクタノエートとエチル
5−ヒドロキシデカノエートが、野生ラズベリーの香気
成分として同定され[Z. Lebensm.-Unters. Forsch.198
0,171(3),180]、この化合物は不安定であることが記載
されている。また、エチル 5−ヒドロキシデカノエー
トは、緑茶[Sepu 1990,8(3),169]からも同定されてい
る。しかし、これらの報告では、いずれも単に香気成分
として同定されたことが報告されているのみであって、
この化合物がいかなる香気・香味を呈するかについての
具体的記載はなく、またこの化合物の有用性、例えば香
料組成物の調合素材として用いることなどについては全
く言及されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記課
題をふまえ鋭意研究した結果、δ−ラクトンを出発原料
として選ぶことにより効率よくかつ工業的に有利な合成
方法でアルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを製造
できることを見い出し本発明を完成した。また本発明者
等は、この化合物が意外なことに、チュベローズ様、ジ
ャスミン様、ミルク様の香気・香味を付与できる香粧品
用または食品用の香料組成物等の調合素材として有用で
あることを見い出し本発明を完成した。
題をふまえ鋭意研究した結果、δ−ラクトンを出発原料
として選ぶことにより効率よくかつ工業的に有利な合成
方法でアルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを製造
できることを見い出し本発明を完成した。また本発明者
等は、この化合物が意外なことに、チュベローズ様、ジ
ャスミン様、ミルク様の香気・香味を付与できる香粧品
用または食品用の香料組成物等の調合素材として有用で
あることを見い出し本発明を完成した。
【0007】本発明の目的は、δ−ラクトンをアルコー
ル中で酸性触媒の存在下あるいは非存在下にエステル交
換反応を行なうことにより、アルキル 5−ヒドロキシ
アルカノエートを容易かつ効率的に製造する方法を提供
することにある。
ル中で酸性触媒の存在下あるいは非存在下にエステル交
換反応を行なうことにより、アルキル 5−ヒドロキシ
アルカノエートを容易かつ効率的に製造する方法を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、かかるアルキル 5
−ヒドロキシアルカノエートを有効成分とする香料組成
物、好ましくはミルク様香気・香味を呈する香料組成物
を提供することにある。
−ヒドロキシアルカノエートを有効成分とする香料組成
物、好ましくはミルク様香気・香味を呈する香料組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成せんとするものであって、下記式(2)
成せんとするものであって、下記式(2)
【0010】
【化5】
【0011】(式中R1 は炭素数1から11までのアル
キル基を示す)で表されるδ−ラクトンを、下記式
(3) R2 OH (3) (式中R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示す)
で示したアルコール中で、酸の存在下あるいは非存在下
にエステル交換反応させることを特徴とする下記式
(1)
キル基を示す)で表されるδ−ラクトンを、下記式
(3) R2 OH (3) (式中R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示す)
で示したアルコール中で、酸の存在下あるいは非存在下
にエステル交換反応させることを特徴とする下記式
(1)
【0012】
【化6】
【0013】(式中R1 は炭素数1から11までのアル
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの製法である。
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの製法である。
【0014】本発明の上記式(1)に示される化合物
は、これを有効成分とする香料組成物、特にミルク様の
香気・香味を呈する香料組成物を提供する。
は、これを有効成分とする香料組成物、特にミルク様の
香気・香味を呈する香料組成物を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のアルキル 5−ヒドロキ
シアルカノエートは、δ−ラクトンをアルコール中で酸
性触媒の存在下あるいは非存在下にエステル交換反応を
行なうことにより、容易かつ効率的に製造することがで
きる。
シアルカノエートは、δ−ラクトンをアルコール中で酸
性触媒の存在下あるいは非存在下にエステル交換反応を
行なうことにより、容易かつ効率的に製造することがで
きる。
【0016】本発明の出発原料である式(2)で示され
る化合物δ−ラクトンは、合成香料として一般的で極め
て容易に入手することができるものである。また、式
(3)で示されるアルコールも極めて容易に入手するこ
とができるものである。以下、本発明の製法について詳
細に説明する。
る化合物δ−ラクトンは、合成香料として一般的で極め
て容易に入手することができるものである。また、式
(3)で示されるアルコールも極めて容易に入手するこ
とができるものである。以下、本発明の製法について詳
細に説明する。
【0017】まず、δ−ラクトンをアルコールで溶液と
する。このとき使用するアルコールはなるべく水の混入
量の少ないものがよい。その理由は、水によって加水分
解された副生成物である5−ヒドロキシ酸の生成を抑制
することができることと、反応時間を短縮させることが
できるためである。このため、アルコール中の水分は5
%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。
する。このとき使用するアルコールはなるべく水の混入
量の少ないものがよい。その理由は、水によって加水分
解された副生成物である5−ヒドロキシ酸の生成を抑制
することができることと、反応時間を短縮させることが
できるためである。このため、アルコール中の水分は5
%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。
【0018】また本発明の製法において、アルコールの
使用量は、δ−ラクトン1モルに対して好ましくは2モ
ル〜20モル程度、より好ましくは5モル〜10モル程
度を採用することにより高収率、高経済性を達成するこ
とができる。
使用量は、δ−ラクトン1モルに対して好ましくは2モ
ル〜20モル程度、より好ましくは5モル〜10モル程
度を採用することにより高収率、高経済性を達成するこ
とができる。
【0019】さらに本発明においては、触媒として酸等
を使用しなくても反応は進行するが、酸等を使用した方
が反応転換率、反応収率が高く反応時間を短縮させるこ
ともでき好ましい。使用される場合の酸等としては、硫
酸、リン酸、ホウ酸、亜硫酸等の無機酸類、p−トルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフ
ルオロ酢酸等の有機酸類、亜硫酸水素カリウム等の無機
塩類、ピリジニウムp−トルエンスルホネート等の有機
塩類、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)、活性
白土等の固体酸類、三フッ化ホウ素エーテレート等のい
わゆるルイス酸類等の既知の幅広い酸等を例示すること
ができるが、なかでも、p−トルエンスルホン酸、ピリ
ジニウムp−トルエンスルホネート、アンバーリスト1
5E、三フッ化ホウ素エーテレートが好ましい。
を使用しなくても反応は進行するが、酸等を使用した方
が反応転換率、反応収率が高く反応時間を短縮させるこ
ともでき好ましい。使用される場合の酸等としては、硫
酸、リン酸、ホウ酸、亜硫酸等の無機酸類、p−トルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、トリフ
ルオロ酢酸等の有機酸類、亜硫酸水素カリウム等の無機
塩類、ピリジニウムp−トルエンスルホネート等の有機
塩類、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)、活性
白土等の固体酸類、三フッ化ホウ素エーテレート等のい
わゆるルイス酸類等の既知の幅広い酸等を例示すること
ができるが、なかでも、p−トルエンスルホン酸、ピリ
ジニウムp−トルエンスルホネート、アンバーリスト1
5E、三フッ化ホウ素エーテレートが好ましい。
【0020】本発明の実施においてこの酸等の使用量
は、δ−ラクトン1モルに対して好ましくは0.001
モル〜0.1モル程度、より好ましくは0.005モル
〜0.05モル程度を採用することができ、高収率、高
経済性、反応時間の短縮を達成することができる。
は、δ−ラクトン1モルに対して好ましくは0.001
モル〜0.1モル程度、より好ましくは0.005モル
〜0.05モル程度を採用することができ、高収率、高
経済性、反応時間の短縮を達成することができる。
【0021】またこの場合の反応温度は、−20℃〜6
0℃程度で特に10℃〜30℃程度が好ましい。反応時
間は1時間〜数日程度が好ましい。
0℃程度で特に10℃〜30℃程度が好ましい。反応時
間は1時間〜数日程度が好ましい。
【0022】また、本発明の製法において有機溶媒は特
に使用しなくても差支えはないが、後処理の方法によっ
てトルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、エーテ
ル、ジクロロメタン等を使用することができる。
に使用しなくても差支えはないが、後処理の方法によっ
てトルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、エーテ
ル、ジクロロメタン等を使用することができる。
【0023】反応終了後、酸性触媒を洗浄、濾過等によ
り除去した後、溶媒回収を行なうことにより、目的物で
あるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを得るこ
とができる。本発明の製法において、場合によっては数
%程度δ−ラクトンが含まれる場合があるが、必要に応
じて混合物のまま使用することもできる。また、必要に
応じて、カラムクロマトグラフィー等の通常の分離手段
を適宜に採用して、更に高純度にすることもできる。
り除去した後、溶媒回収を行なうことにより、目的物で
あるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを得るこ
とができる。本発明の製法において、場合によっては数
%程度δ−ラクトンが含まれる場合があるが、必要に応
じて混合物のまま使用することもできる。また、必要に
応じて、カラムクロマトグラフィー等の通常の分離手段
を適宜に採用して、更に高純度にすることもできる。
【0024】このようにして得られる本発明の下記式
(1)
(1)
【0025】
【化7】
【0026】(式中R1 は炭素数1から11までのアル
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの具体例としては、例えばエチル 5−ヒドロキシデ
カノエート、エチル 5−ヒドロキシウンデカノエー
ト、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエート、n−プロ
ピル5−ヒドロキシデカノエート、イソプロピル 5−
ヒドロキシデカノエート、2−メチルプロピル 5−ヒ
ドロキシオクタノエート、エチル 5−ヒドロキシ−9
−メチルデカノエート等を挙げることができる。
キル基、R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示
す)で表されるアルキル 5−ヒドロキシアルカノエー
トの具体例としては、例えばエチル 5−ヒドロキシデ
カノエート、エチル 5−ヒドロキシウンデカノエー
ト、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエート、n−プロ
ピル5−ヒドロキシデカノエート、イソプロピル 5−
ヒドロキシデカノエート、2−メチルプロピル 5−ヒ
ドロキシオクタノエート、エチル 5−ヒドロキシ−9
−メチルデカノエート等を挙げることができる。
【0027】上述のようにして製造される本発明の式
(1)の化合物であるアルキル 5−ヒドロキシアルカ
ノエートは、チュベローズ様、ジャスミン様、ミルク様
香気・香味特性を有するため、各種の香料組成物に調合
素材として添加して利用することができる。すなわち、
かかる香料組成物を利用して式(1)の化合物をチュベ
ローズ様、ジャスミン様、ミルク様香気成分として含有
することを特徴とする香粧品類、および式(1)の化合
物を同香気・香味成分として含有することを特徴とする
飲食品類が提供される。
(1)の化合物であるアルキル 5−ヒドロキシアルカ
ノエートは、チュベローズ様、ジャスミン様、ミルク様
香気・香味特性を有するため、各種の香料組成物に調合
素材として添加して利用することができる。すなわち、
かかる香料組成物を利用して式(1)の化合物をチュベ
ローズ様、ジャスミン様、ミルク様香気成分として含有
することを特徴とする香粧品類、および式(1)の化合
物を同香気・香味成分として含有することを特徴とする
飲食品類が提供される。
【0028】本発明において、式(1)の化合物の配合
量は、その目的あるいは香料組成物の種類によっても異
なるが、例えば、一般的には香料組成物の全体量に対し
て約0.001〜約30重量%程度の範囲を例示するこ
とができる。
量は、その目的あるいは香料組成物の種類によっても異
なるが、例えば、一般的には香料組成物の全体量に対し
て約0.001〜約30重量%程度の範囲を例示するこ
とができる。
【0029】本発明のアルキル 5−ヒドロキシアルカ
ノエートを有効成分として含有することを特徴とする香
料組成物は、このものの香気・香味を期待する各種香粧
品類、飲食料品類であれば特に限定することなく添加す
ることができる。例えば、香粧品類としては、香水類、
石鹸類、ボディシャンプー、シャンプー・リンス類、洗
剤、ヘアークリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化
粧料基材;オシロイ、口紅、その他の化粧料基材や化粧
料洗剤基材、洗濯用洗剤・柔軟剤類、室内芳香剤類、ト
イレ用芳香剤・消臭剤・洗剤類などが挙げられる。ま
た、食品類としては、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類、和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スー
プ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料各種
インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類など
が挙げられる。さらにまたその他のものとしては、消毒
薬などの各種保健・衛生材料類、医薬品などの服用を容
易にするための矯味、賦香剤などの保健・医薬品類など
が挙げられる。
ノエートを有効成分として含有することを特徴とする香
料組成物は、このものの香気・香味を期待する各種香粧
品類、飲食料品類であれば特に限定することなく添加す
ることができる。例えば、香粧品類としては、香水類、
石鹸類、ボディシャンプー、シャンプー・リンス類、洗
剤、ヘアークリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化
粧料基材;オシロイ、口紅、その他の化粧料基材や化粧
料洗剤基材、洗濯用洗剤・柔軟剤類、室内芳香剤類、ト
イレ用芳香剤・消臭剤・洗剤類などが挙げられる。ま
た、食品類としては、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類、和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スー
プ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料各種
インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類など
が挙げられる。さらにまたその他のものとしては、消毒
薬などの各種保健・衛生材料類、医薬品などの服用を容
易にするための矯味、賦香剤などの保健・医薬品類など
が挙げられる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するのが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】(実施例1) エチル 5−ヒドロキシデ
カノエートの合成 δ−デカラクトン10g(59ミリモル)に、モレキュ
ラーシーブス3Aで脱水乾燥処理したエタノール13.
6g(295ミリモル)を仕込みよく混ぜ合わせた。室
温で撹拌しながらP−トルエンスルホン酸一水和物0.
11g(0.59ミリモル)を添加して、同温度で3時
間反応させた。次に、反応液に炭酸水素ナトリウムおよ
び食塩の水溶液とヘキサンを注加し、有機相を食塩水で
3回洗浄し、硫酸ナトリウム乾燥の後、これを濃縮して
純度95%のエチル 5−ヒドロキシデカノエート1
2.3gを得た。
カノエートの合成 δ−デカラクトン10g(59ミリモル)に、モレキュ
ラーシーブス3Aで脱水乾燥処理したエタノール13.
6g(295ミリモル)を仕込みよく混ぜ合わせた。室
温で撹拌しながらP−トルエンスルホン酸一水和物0.
11g(0.59ミリモル)を添加して、同温度で3時
間反応させた。次に、反応液に炭酸水素ナトリウムおよ
び食塩の水溶液とヘキサンを注加し、有機相を食塩水で
3回洗浄し、硫酸ナトリウム乾燥の後、これを濃縮して
純度95%のエチル 5−ヒドロキシデカノエート1
2.3gを得た。
【0032】(実施例2) エチル 5−ヒドロキシデ
カノエートの合成 δ−デカラクトン10g(59ミリモル)に、モレキュ
ラーシーブス3Aで脱水乾燥処理したエタノール20g
(434ミリモル)を仕込みよく混ぜ合わせた。室温で
撹拌しながらイオン交換樹脂(アンバーリスト15E
(ロームアンドハース社製))0.5gを添加して、同
温度で1日間反応させた。セライト濾過後、濾液を濃縮
して粗製物12.4gを得た。この粗製物をシリカゲル
カラムによる精製をして、TLC的にほぼ一成分のエチ
ル 5−ヒドロキシデカノエート7.9gを得た。
カノエートの合成 δ−デカラクトン10g(59ミリモル)に、モレキュ
ラーシーブス3Aで脱水乾燥処理したエタノール20g
(434ミリモル)を仕込みよく混ぜ合わせた。室温で
撹拌しながらイオン交換樹脂(アンバーリスト15E
(ロームアンドハース社製))0.5gを添加して、同
温度で1日間反応させた。セライト濾過後、濾液を濃縮
して粗製物12.4gを得た。この粗製物をシリカゲル
カラムによる精製をして、TLC的にほぼ一成分のエチ
ル 5−ヒドロキシデカノエート7.9gを得た。
【0033】(実施例3)化粧品用香料組成物として、
下記の各成分(重量部)を混合した。
下記の各成分(重量部)を混合した。
【0034】 イランイランオイル 10 インドール 0.5 ベンジルアセテート 3 リナロール 25 メチル サリチレート 3.5 メチル アンスラニレート 5 γ−ノナラクトン 3 オイゲノール 2 ヘキシルシンナミックアルデヒド 15 7- メトキシ-3,7- ジメチルオクタン-1- アール 25 ペンタリッド 4.5 バニリン 0.5 合 計 97 上記組成物97gに、式(1)の化合物に包含されるエ
チル 5−ヒドロキシデカノエートを3g混合して、新
規調合香料組成物を調整した。この新規調合香料組成物
について、専門パネラー10人による比較テストを行な
った。その結果、専門パネラー10人の全員が、この化
合物を加えた新規調合香料組成物はクリーミーなフロー
ラル感を増加させ優れているとした。
チル 5−ヒドロキシデカノエートを3g混合して、新
規調合香料組成物を調整した。この新規調合香料組成物
について、専門パネラー10人による比較テストを行な
った。その結果、専門パネラー10人の全員が、この化
合物を加えた新規調合香料組成物はクリーミーなフロー
ラル感を増加させ優れているとした。
【0035】上記実施例3で用いたエチル 5−ヒドロ
キシデカノエートに代えて、エチル5−ヒドロキシウン
デカノエート、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエー
ト、n−プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、イソ
プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、2−メチルプ
ロピル 5−ヒドロキシオクタノエート、およびエチル
5−ヒドロキシ−9−メチルデカノエートをそれぞれ
同量配合した以外は、実施例3と同様にして行ない、得
られた新規調合香料組成物について専門パネラー10人
による比較を行なったところ、実施例3と同様の結果が
得られた。
キシデカノエートに代えて、エチル5−ヒドロキシウン
デカノエート、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエー
ト、n−プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、イソ
プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、2−メチルプ
ロピル 5−ヒドロキシオクタノエート、およびエチル
5−ヒドロキシ−9−メチルデカノエートをそれぞれ
同量配合した以外は、実施例3と同様にして行ない、得
られた新規調合香料組成物について専門パネラー10人
による比較を行なったところ、実施例3と同様の結果が
得られた。
【0036】(実施例4)ヨーグルトタイプの調合香料
組成物として、下記の各成分(重量部)を混合した。
組成物として、下記の各成分(重量部)を混合した。
【0037】 エチル ブチレート 0.5 エチル ラクテート 6 ブチル ブチリルラクテート 1.5 ジアセチル 2 イソアミルアルコール 4 プロピオニックアシッド 2 ブチリックアシッド 3 ヘキサノイックアシッド 2 デカノイックアシッド 1 γ−ノナラクトン 0.5 γ−ドデカラクトン 1 δ−ドデカラクトン 1.5 エチルマルトール 4 バニリン 30 シトラスエッセンス 10 含水エタノール 928 合 計 997 上記組成物997gに、式(1)の化合物に包含される
エチル 5−ヒドロキシデカノエートを3g混合して、
新規調合香料組成物を調整した。この新規調合香料組成
物について、専門パネラー10人による比較テストを行
なった。その結果、専門パネラー10人の全員がこの化
合物を加えた新規調合香料組成物は、ヨーグルトを想起
させるミルク調の特性が香気・香味ともに強調され優れ
ているとした。
エチル 5−ヒドロキシデカノエートを3g混合して、
新規調合香料組成物を調整した。この新規調合香料組成
物について、専門パネラー10人による比較テストを行
なった。その結果、専門パネラー10人の全員がこの化
合物を加えた新規調合香料組成物は、ヨーグルトを想起
させるミルク調の特性が香気・香味ともに強調され優れ
ているとした。
【0038】上記実施例4のエチル 5−ヒドロキシデ
カノエートに代えて、エチル 5−ヒドロキシウンデカ
ノエート、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエート、n
−プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、イソプロピ
ル 5−ヒドロキシデカノエート、2−メチルプロピル
5−ヒドロキシオクタノエート、およびエチル 5−
ヒドロキシ−9−メチルデカノエートをそれぞれ同量配
合した以外は、実施例4と同様にして行ない、得られた
新規調合香料組成物について専門パネラー10人による
比較を行なったところ、実施例4と同様の結果が得られ
た。
カノエートに代えて、エチル 5−ヒドロキシウンデカ
ノエート、エチル 5−ヒドロキシヘキサノエート、n
−プロピル 5−ヒドロキシデカノエート、イソプロピ
ル 5−ヒドロキシデカノエート、2−メチルプロピル
5−ヒドロキシオクタノエート、およびエチル 5−
ヒドロキシ−9−メチルデカノエートをそれぞれ同量配
合した以外は、実施例4と同様にして行ない、得られた
新規調合香料組成物について専門パネラー10人による
比較を行なったところ、実施例4と同様の結果が得られ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、式(1)で示されるア
ルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを、δ−ラクト
ンをアルコール中で酸性触媒の存在下あるいは非存在下
にエステル交換反応を行なうことにより、効率よく容易
に製造することができる。具体的には、(a)反応操作
が容易であること、(b)酸性触媒除去、溶媒除去、精
製等の後処理が容易であること、(c)原料のすべてが
容易に入手できること、(d)反応が短時間ですむこ
と、および(e)一度に多量の合成が可能なことであ
る。
ルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを、δ−ラクト
ンをアルコール中で酸性触媒の存在下あるいは非存在下
にエステル交換反応を行なうことにより、効率よく容易
に製造することができる。具体的には、(a)反応操作
が容易であること、(b)酸性触媒除去、溶媒除去、精
製等の後処理が容易であること、(c)原料のすべてが
容易に入手できること、(d)反応が短時間ですむこ
と、および(e)一度に多量の合成が可能なことであ
る。
【0040】また、本発明で得られるアルキル 5−ヒ
ドロキシアルカノエートは、チュベローズ様、ジャスミ
ン様、ミルク様、の香気・香味を有し、香粧品用あるい
は食品用の調合香料組成物の調合素材として有用であ
る。
ドロキシアルカノエートは、チュベローズ様、ジャスミ
ン様、ミルク様、の香気・香味を有し、香粧品用あるい
は食品用の調合香料組成物の調合素材として有用であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(2) 【化1】 (式中R1 は炭素数1から11までのアルキル基を示
す)で表されるδ−ラクトンを、下記式(3) R2 OH (3) (式中R2 は炭素数2から4までのアルキル基を示す)
で示したアルコール中で、酸の存在下あるいは非存在下
にエステル交換反応させることを特徴とする下記式
(1) 【化2】 (式中R1 は炭素数1から11までのアルキル基、R2
は炭素数2から4までのアルキル基を示す)で表される
アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法。 - 【請求項2】 下記式(1) 【化3】 (式中R1 は炭素数1から11までのアルキル基、R2
は炭素数2から4までのアルキル基を示す)で表される
アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートを有効成分と
して含有することを特徴とする香料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34456096A JPH10168029A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34456096A JPH10168029A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168029A true JPH10168029A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18370224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34456096A Pending JPH10168029A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168029A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008011744A1 (en) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Givaudan Sa | Organic compounds and methods |
WO2013129051A1 (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-06 | 長谷川香料株式会社 | 新規デカン酸誘導体および香料組成物 |
JP2020183353A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 旭化成株式会社 | ヒドロキシ酸の製造方法。 |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP34456096A patent/JPH10168029A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008011744A1 (en) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Givaudan Sa | Organic compounds and methods |
US8609172B2 (en) | 2006-07-28 | 2013-12-17 | Givaudan Sa | Organic compounds and methods |
KR101484330B1 (ko) * | 2006-07-28 | 2015-01-19 | 지보당 에스아 | 유기 화합물 및 방법 |
WO2013129051A1 (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-06 | 長谷川香料株式会社 | 新規デカン酸誘導体および香料組成物 |
KR20140124860A (ko) * | 2012-02-27 | 2014-10-27 | 하세가와 고오료오 가부시끼가이샤 | 신규 데칸산 유도체 및 향료 조성물 |
TWI474783B (zh) * | 2012-02-27 | 2015-03-01 | Hasegawa T Co Ltd | 新穎癸酸衍生物及香料組成物 |
US9775371B2 (en) | 2012-02-27 | 2017-10-03 | T. Hasegawa Co., Ltd. | Decanoic acid derivatives and flavoring compositions |
JP2020183353A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 旭化成株式会社 | ヒドロキシ酸の製造方法。 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS60239481A (ja) | (±)−アンブロツクスの製法及びその利用 | |
US9756872B2 (en) | Substituted butanol derivatives and their use as fragrance and flavor materials | |
JP3631298B2 (ja) | 置換グルコサミン誘導体および持続性香料組成物 | |
JPH10168029A (ja) | アルキル 5−ヒドロキシアルカノエートの製法および香料組成物 | |
JPH0749593B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロピオン酸またはその誘導体を含有する調合香料組成物 | |
JP2711893B2 (ja) | ケトン類およびアルコール類 | |
JP4472262B2 (ja) | ワインラクトン及びその中間体の製造法並びにその応用 | |
JP5030100B2 (ja) | 光学活性δ−ラクトンの製造方法 | |
JPH0338320B2 (ja) | ||
EP0211954B1 (en) | Use of (+/-)-cis-gamma-irone in perfumery and novel process for preparing same | |
JP4159700B2 (ja) | シクロヘキシルメタノール | |
JPS60190730A (ja) | 持続性香気香味賦与乃至改良補強剤 | |
JP2794331B2 (ja) | 3,7―デカジエン―5―オリド類 | |
JP2727254B2 (ja) | ライラックアルデヒド誘導体 | |
JPH0155317B2 (ja) | ||
JP3133200B2 (ja) | 4−(6,6−ジメチル−2−メチレンシクロヘキシル)−2−メチル−2−ブテナールの香料組成物 | |
JPS5813572A (ja) | γ−もしくはδ−ラクトン類およびその利用 | |
JPH083094A (ja) | シクロヘキセン誘導体 | |
JP2001122818A (ja) | 4−(6,6−ジメチル−2−メチレンシクロヘキシル)−2−メチル−2−ブテナールの製法 | |
JP3145872B2 (ja) | 光学活性な13−アルコキシ−8α,13−エポキシ−14,15,16−トリノルラブダン類及びその利用 | |
JPH0135876B2 (ja) | ||
JPS58183668A (ja) | 持続性香気香味賦与乃至変調剤 | |
JP2794333B2 (ja) | ライラックアルコール誘導体 | |
JPS6256127B2 (ja) | ||
JPH0457658B2 (ja) |