JPH10153218A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JPH10153218A
JPH10153218A JP8326085A JP32608596A JPH10153218A JP H10153218 A JPH10153218 A JP H10153218A JP 8326085 A JP8326085 A JP 8326085A JP 32608596 A JP32608596 A JP 32608596A JP H10153218 A JPH10153218 A JP H10153218A
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JP
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magnetic
connecting pin
lubricating oil
bush
boss
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JP8326085A
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English (en)
Inventor
Hideki Akita
秀樹 秋田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボス部材と連結ピンとの間に磁気シール手段
を設け、磁性流体を含んだ潤滑油によりボス部材と連結
ピンとの間をシールできるようにする。 【解決手段】 アームボス1のブッシュ嵌合穴1A内に
は各含油ブッシュ5を嵌着し、各含油ブッシュ5の内周
側には連結ピン3を挿通する。そして、連結ピン3を各
ブラケット2のピン挿嵌穴2A内に挿嵌し、アームボス
1と各ブラケット2とを回動可能に連結する。また、各
含油ブッシュ5内には磁性潤滑油7を含浸させ、この磁
性潤滑油7を潤滑油溜め6内に充填する。さらに、アー
ムボス1のブッシュ嵌合穴1A内には、連結ピン3との
間に位置して各磁気シール装置8と各ダストシール13
とを設ける。そして、各磁気シール装置8は磁性潤滑油
7を磁気的に捕捉することにより、連結ピン3と摺動す
ることなく捕捉した磁性潤滑油7と共にアームボス1と
連結ピン3との間をシールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械においてピン結合装置として好適に用い
られる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸方向に延びるブッシュ嵌合穴
が内周側に形成されたボス部材と、前記ボス部材のブッ
シュ嵌合穴内に嵌着されたブッシュと、前記ブッシュ内
に摺動可能に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動
可能に連結する連結ピンとからなる軸受装置は、例えば
油圧ショベル等の建設機械に用いられ、実開平3−48
118号公報等に開示されている。
【0003】そこで、この種の従来技術による軸受装置
を、アームとバケットとのピン結合部に用いた場合を例
に挙げて述べると、この軸受装置は、アームの先端側に
ボス部材として設けられたボス部と、バケットに相手方
部材として突設された左,右一対のブラケット部と、ボ
ス部のブッシュ嵌合穴内に嵌着されたブッシュと、軸方
向中間部がブッシュの内周側に摺動可能に挿通され、軸
方向両端側が各ブラケット部に固定されることによって
前記ボス部と各ブラケット部とを回動可能に連結する連
結ピンとを備えている。
【0004】また、ボス部の内周側には、ブッシュと各
ブラケット部との間に位置して連結ピンとの間をシール
するダストシールが設けられ、このダストシールはボス
部と連結ピンとの間に外部からダスト、水分等の異物が
侵入するのを規制している。
【0005】そして、ボス部と連結ピンとの間には、例
えば軸受装置の組立時に外部から潤滑油が充填される潤
滑油空間が形成され、この潤滑油はブッシュと連結ピン
との間に供給されることにより、これらの摺動面を潤滑
するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ボス部と連結ピンとの間に外部から異物が
侵入するのを規制するダストシールを設けているに過ぎ
ず、ボス部と連結ピンとの間から潤滑油が外部に漏洩す
るの防止する構造とはなっていないため、油圧ショベル
を長期間に亘って使用するうちにブッシュと連結ピンと
の摺動面から潤滑油がダストシールを介して外部に漏れ
出し、潤滑油不足が生じ易いばかりでなく、このときの
漏洩油はピン結合部の外側面に土砂、ゴミ等と共に汚れ
となって付着することがあり、油圧ショベルの美観が損
なわれるという問題がある。
【0007】これに対し、ブッシュとダストシールとの
間に位置してボス部材と連結ピンとの間をシールするオ
イルシールを設け、ブッシュ側からダストシールに向け
て潤滑油が漏出するのを防止する等の方法も採られてい
るが、オイルシールは経時劣化や摩耗等によりそのシー
ル性能が徐々に低下するため、ボス部と連結ピンとの間
に潤滑油をシールした状態を長期間に亘って保つのが難
しいという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、ボス部と連結ピンとの間を長期間に亘っ
てシールでき、これらの間から潤滑油が外部に漏れ出す
のを確実に防止できると共に、ブッシュと連結ピンとを
円滑に摺動させ続けることができ、耐久性や寿命を大幅
に向上できるようにした軸受装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、軸方向に延びるブッシュ嵌合穴が内周
側に形成されたボス部材と、前記ボス部材のブッシュ嵌
合穴内に嵌着されたブッシュと、前記ブッシュ内に摺動
可能に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動可能に
連結する連結ピンとからなる軸受装置に適用される。
【0010】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記ボス部材の内周側には、前記ブッシ
ュと相手方部材との間に位置して前記ボス部材と連結ピ
ンとの間をシールする磁気シール手段を設け、前記ブッ
シュと連結ピンとの摺動面には、少なくとも磁性流体を
含んだ潤滑油を介在させる構成としたことにある。
【0011】上記構成によれば、ブッシュと連結ピンと
を潤滑油を介して円滑に摺動させることができ、これら
の間から相手方部材に向けて潤滑油が流れ出たときに
は、磁性流体を含んだこの潤滑油を磁気シール手段によ
って磁気的に捕捉できるから、捕捉した潤滑油を利用し
て磁気シール手段によりボス部と連結ピンとの間をシー
ル状態に保持に保持でき、磁気シール手段の磁力により
潤滑油が磁性流体と共に相手方部材側に漏出するのを防
止できる。
【0012】また、請求項2に記載の発明では、前記磁
気シール手段は、外周側が前記ボス部材の内周側に弾性
部材を介して嵌合固着され、内周側が前記連結ピンの外
周面に近接する位置まで延びたリング状をなす第1、第
2の磁極片からなり、これらの各磁極片は内周端が互い
に異なる磁極となって連結ピンの軸方向に離間し、前記
連結ピンとの間に磁界を形成する構成としている。
【0013】これにより、ボス部材の内周側に取付けた
各磁極片の内周端を連結ピンの外周面に隙間を介して対
向させることができ、各磁極片の内周端は互いに異なる
磁極となって軸方向に離間しているから、例えば連結ピ
ンを鉄等の磁性材料で形成することにより、第1の磁極
片から連結ピンの内部(表面側)を介して第2の磁極片
に導かれる磁界を形成できる。そして、この磁界は各磁
極片の内周端と連結ピンとの隙間を通ることにより、磁
性流体を含んだ潤滑油をこの隙間に磁気的に捕捉でき、
各磁極片は連結ピンと摺動することなく、捕捉した潤滑
油を利用してボス部材と連結ピンとの間をシールでき
る。
【0014】さらに、請求項3に記載の発明では、前記
ブッシュは少なくとも磁性流体を含んだ潤滑油が予め含
浸された含油ブッシュからなり、前記含油ブッシュの内
周側には前記連結ピンに対する摺動面を形成している。
【0015】これにより、含油ブッシュ内に含浸させた
潤滑油を連結ピンとの摺動による摩擦熱によって内周側
の摺動面から徐々にしみ出させることができ、この潤滑
油により含油ブッシュと連結ピンとの摺動面を潤滑でき
る。また、潤滑油が相手方部材に向けて流れ出るような
ときには、磁性流体を含んだこの潤滑油を磁気シール手
段によって捕捉することができる。
【0016】また、請求項4に記載の発明では、前記ボ
ス部材の内周側には、前記磁気シール手段と相手方部材
との間に位置して前記連結ピンとの間をシールし、外部
からの異物侵入を規制するダストシールを設ける構成と
している。
【0017】これにより、ボス部材と連結ピンとの間に
外部からダスト、水分等の異物が侵入するのをダストシ
ールによって規制でき、侵入した異物が潤滑油に混入し
たり、磁気シール手段のシール性能を低下させたりする
のを防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0019】ここで、図1ないし図3は本発明による実
施例を示し、本実施例では、軸受装置を油圧ショベルの
ピン結合部に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0020】図中、1は例えばアーム(図示せず)の先
端側にボス部材として設けられたアームボスを示し、前
記アームボス1の内周側には後述の含油ブッシュ5,5
を嵌着させるブッシュ嵌合穴1Aが軸方向に形成されて
いる。また、アームボス1の軸方向中間位置には、後述
の潤滑油溜め6内に磁性潤滑油7を充填するための潤滑
油通路1Bが形成され、この潤滑油通路1Bの外側開口
部内には給脂ニップル1Cが取付けられている。
【0021】2,2は例えばバケット(図示せず)に相
手方部材として突設された左,右一対のブラケットで、
これらの各ブラケット2には後述の連結ピン3を挿嵌す
るためのピン挿嵌穴2Aが形成され、各ブラケット2は
アームボス1を軸方向両側から挟むように配設されてい
る。
【0022】3はアームボス1を各ブラケット2に回動
可能に連結する連結ピンで、該連結ピン3は例えば鋼鉄
またはその合金等を含む磁性材料により形成されてい
る。そして、連結ピン3は軸方向の中間部分が各含油ブ
ッシュ5内に摺動可能に挿通され、軸方向両端側が各ブ
ラケット2のピン挿嵌穴2A内に挿嵌されている。ま
た、連結ピン3はこの状態で一方の端部に抜止めピン4
が挿通され、これにより連結ピン3はブラケット2に対
して抜止めおよび廻止め状態で固定されている。
【0023】5,5はアームボス1のブッシュ嵌合穴1
A内に嵌着されたブッシュとしての含油ブッシュを示
し、これらの各含油ブッシュ5は例えば鉄と銅との焼結
合金等により多孔質材料をなす筒状体として形成され、
その内部には後述の磁性潤滑油7が含浸されている。ま
た、各含油ブッシュ5の内周側は摺動面5Aとなり、連
結ピン3が摺動可能に挿通されている。さらに、各含油
ブッシュ5間に位置してアームボス1と連結ピン3との
間には、磁性潤滑油7が収容される潤滑油溜め6が形成
されている。
【0024】ここで、磁性潤滑油7は例えば粘度が24
0〜1500cSt程度のギヤオイル等からなり、この
オイル中には予め磁性流体が混入されている。また、磁
性潤滑油7は各含油ブッシュ5内に含浸され、各含油ブ
ッシュ5が連結ピン3と摺動するときには、その摩擦熱
で粘度が低下することにより摺動面5A側から連結ピン
3との間に徐々にしみ出し、これらの摺動面5A等を潤
滑し続ける構成となっている。
【0025】さらに、磁性潤滑油7は潤滑油溜め6内に
充填され、各含油ブッシュ5内の磁性潤滑油7が連結ピ
ン3との摺動面5Aにしみ出すのに伴ってこれを補償す
るように各含油ブッシュ5内に浸潤する。また、潤滑油
溜め6には磁性潤滑油7が必要に応じて補充される。
【0026】8,8は本実施例による磁気シール手段と
しての磁気シール装置を示し、これらの各磁気シール装
置8は図2に示すように、後述の取付ホルダ9、弾性筒
10、各マグネット11および磁性体リング12A,1
2Bからなり、各含油ブッシュ5と各ブラケット2との
間に位置してアームボス1と連結ピン3との間に設けら
れている。
【0027】9は各マグネット11と磁性体リング12
A,12Bとをアームボス1に取付けるための取付ホル
ダで、前記取付ホルダ9は図3に示す如く、例えばアル
ミニウム、合成樹脂等の非磁性材料からなり、アームボ
ス1のブッシュ嵌合穴1A内に弾性筒10を介して嵌合
固着された筒部9Aと、この筒部9Aの軸方向両端側か
ら径方向内向きに突出形成された環状の鍔部9B,9B
とによって構成され、全体として断面コ字状をなしてい
る。
【0028】そして、各鍔部9Bは磁性体リング12
A,12Bを介して各マグネット11を軸方向で挟持
し、これらを取付ホルダ9に一体的に取付けている。ま
た、各鍔部9Bのうち一方の鍔部9Bは各含油ブッシュ
5の端面に当接し、他方の鍔部9Bは後述するダストシ
ール13の取付リング14に当接している。また、各鍔
部9Bの内径は取付リング14と同様に、磁性体リング
12A,12Bの内径よりも大きい寸法に設定されてい
る。
【0029】10はアームボス1内に取付ホルダ9と共
に嵌合固着された弾性部材としての弾性筒で、前記弾性
筒10はゴム等の弾性材料から筒状に形成され、取付ホ
ルダ9を介して磁性体リング12A,12Bを連結ピン
3に対して径方向に変位可能な状態で弾性的に支持して
いる。そして、外力等により連結ピン3が各含油ブッシ
ュ5内で径方向に僅かに位置ずれし、磁性体リング12
A,12Bが連結ピン3の外周面に仮りに接触するよう
な場合でも、弾性筒10が弾性変形することによって磁
性体リング12A,12Bが損傷されるのを防止する。
【0030】11,11は磁性体リング12A,12B
と共に第1、第2の磁極片を構成するマグネットを示
し、これらの各マグネット11は図2に示す如く環状の
永久磁石からなり、例えば一側がN極部11Aとなって
他側がS極部11Bとなるように形成されると共に、N
極部11AとS極部11Bとが当接している。そして、
各マグネット11は磁性体リング12A,12Bおよび
連結ピン3を介して図2中に点線で示す磁界Hを形成す
るものである。
【0031】12A,12Bは鉄等の磁性材料により環
状に形成された磁性体リングで、これらの磁性体リング
12A,12Bの内周端には図2に示す如く、鋭角をな
して尖った環状のエッジ部12A1 ,12B1 が形成さ
れ、これらのエッジ部12A1 ,12B1 は連結ピン3
の外周面に対し小さな隙間S0 介して対向すると共に、
軸方向に離間している。また、磁性体リング12Aの外
周側は一側のマグネット11のN極部11Aに当接し、
磁性体リング12Bの外周側は他側のマグネット11の
S極部11Bに当接することにより、これらの内周側に
位置するエッジ部12A1 ,12B1 はそれぞれN極、
S極に磁化されている。
【0032】これにより、各磁気シール装置8の各マグ
ネット11は図2に示す如く、一側のマグネット11か
ら磁性体リング12A,12Bと連結ピン3とを介して
他側のマグネット11に導かれる磁界Hを形成し、この
磁界Hは磁性体リング12A,12Bのエッジ部12A
1 ,12B1 と連結ピン3との間の隙間S0 を通過す
る。
【0033】そして、各含油ブッシュ5から図2中の矢
示A方向に漏出する磁性潤滑油7は、磁界Hにより前記
隙間S0 の位置で磁性体リング12A,12Bと連結ピ
ン3との間に磁気的に捕捉され、磁気シール装置8より
も各ブラケット2側に漏れ出すのを規制されると共に、
捕捉された磁性潤滑油7は磁性体リング12A,12B
と共にアームボス1と連結ピン3との間をシールする構
成となっている。
【0034】この場合、各マグネット11による磁界H
は、取付ホルダ9が非磁性材料によって形成されている
ため、各含油ブッシュ5、アームボス1および各ダスト
シール13等の部材に向けて漏れるのを規制され、これ
らの部材は磁化されることがない。
【0035】13,13はアームボス1と連結ピン3と
の間に設けられたダストシールで、これらの各ダストシ
ール13は図2に示す如く、取付リング14と、シール
リング15とから構成され、各磁気シール装置8と各ブ
ラケット2との間に配設されている。そして、取付リン
グ14は非磁性材料から断面L字状に形成され、アーム
ボス1のブッシュ嵌合穴1A内に嵌合された筒部14A
と、この筒部14Aの軸方向一端側から径方向内向きに
突出形成された環状の鍔部14Bとから構成されてい
る。
【0036】また、シールリング15は例えばゴム、ア
クリル樹脂等の弾性材料からなり、取付リング14に固
着された取付部15Aと、この取付部15Aから径方向
内側および軸方向外側に向けて斜め方向に突出形成され
た環状のリップ部15Bとによって構成され、前記リッ
プ部15Bの内周端は連結ピン3の外周面に弾性的に摺
接している。これにより、各ダストシール13はアーム
ボス1と連結ピン3との間をシールし、これらの間に外
部からダスト、水分等の異物が侵入するのを規制してい
る。
【0037】16,16はアームボス1と各ブラケット
2との間に設けられた環状のシム板で、これらの各シム
板16はアームボス1の軸方向両端側と各ブラケット2
とが直接摺動するのを防止するものである。
【0038】本実施例による軸受装置は上述の如き構成
を有するもので、次にその作動について説明する。
【0039】まず、油圧ショベルのバケットがアームに
対して回動するときには、各ブラケット2が連結ピン3
と共にアームボス1に対して回動し、このとき各含油ブ
ッシュ5と連結ピン3とは互いに摺動する。そして、こ
の摺動で生じた摩擦熱により磁性潤滑油7の粘度が各含
油ブッシュ5の摺動面5A側で低下し、磁性潤滑油7は
各含油ブッシュ5と連結ピン3との間に徐々にしみ出す
と共に、これらの摺動面5A等を潤滑状態に保持する。
【0040】また、各含油ブッシュ5内の磁性潤滑油7
が摺動面5Aにしみ出すことによって減少すると、これ
を補償するように潤滑油溜め6内の磁性潤滑油7が各含
油ブッシュ5内に補給され、各含油ブッシュ5内は磁性
潤滑油7が十分に含浸された状態に保たれる。
【0041】一方、含油ブッシュ5内の磁性潤滑油7が
図2に示す如く、各ブラケット2に向けて矢示A方向に
流れ出た場合には、この磁性潤滑油7は磁気シール装置
8の各マグネット11によって形成された磁界Hによ
り、磁性体リング12Aのエッジ部12A1 と連結ピン
3との間に磁気的に捕捉される。
【0042】そして、磁性体リング12Aは、捕捉され
た磁性潤滑油7と共にアームボス1と連結ピン3との間
をシールする。この場合、仮りに磁性潤滑油7が磁性体
リング12Aよりもブラケット2側に漏れ出したとして
も、この磁性潤滑油7は磁性体リング12Bの位置で連
結ピン3との間に捕捉され、磁気シール装置8よりもブ
ラケット2側に漏れ出すのを規制される。
【0043】かくして、本実施例では、アームボス1の
ブッシュ嵌合穴1A内に、各含油ブッシュ5と各ブラケ
ット2との間に位置してアームボス1と連結ピン3との
間をシールする各磁気シール装置8を設け、各含油ブッ
シュ5と連結ピン3と摺動面には、これらの各含油ブッ
シュ5からしみ出す磁性流体を含んだ磁性潤滑油7を介
在させる構成としたから、磁性潤滑油7が各含油ブッシ
ュ5から各ブラケット2に向けて図2中の矢示A方向に
流れ出たときには、この磁性潤滑油7を各磁気シール装
置8によって磁気的に捕捉でき、これらの各磁気シール
装置8は捕捉した磁性潤滑油7と協働してアームボス1
と連結ピン3との間を安定してシール状態に保持できる
と共に、磁性潤滑油7が各磁気シール装置8よりも各ブ
ラケット2側に漏れ出すのを確実に防止することができ
る。
【0044】この場合、磁性体リング12A,12Bは
連結ピン3と摺動することなく、各マグネット11によ
り形成される磁界Hを利用して捕捉した磁性潤滑油7に
より、アームボス1と連結ピン3との間をシールし続け
ることができ、磁性体リング12A,12B等が摩耗、
損傷することはなく、これにより各磁気シール装置8の
寿命を飛躍的に延ばすことができる。
【0045】従って、本実施例によれば、各磁気シール
装置8によりアームボス1と連結ピン3との間を長期間
に亘ってシールでき、これらの間から磁性潤滑油7が外
部に漏れ出して油圧ショベルの美観を損なうのを確実に
防止できると共に、各含油ブッシュ5と連結ピン3とを
磁性潤滑油7を介して円滑に摺動させ続けることがで
き、当該軸受装置の耐久性や寿命を大幅に向上させるこ
とができる。
【0046】また、磁性体リング12A,12Bの内周
端にはエッジ部12A1 ,12B1を形成するようにし
たから、磁性体リング12A,12Bと連結ピン3との
間に形成される磁界Hをエッジ部12A1 ,12B1 と
連結ピン3との間の狭い範囲に集中させてその強度を大
きくすることができ、磁性潤滑油7を磁性体リング12
A,12Bと連結ピン3との間に強い磁力で確実に捕捉
することができる。
【0047】さらに、各マグネット11と磁性体リング
12A,12Bとを、非磁性材料からなる取付ホルダ9
と弾性材料からなる弾性筒10とを介してアームボス1
のブッシュ嵌合穴1A内に嵌合固着するようにしたか
ら、各マグネット11の磁界Hにより連結ピン3以外の
部材が磁化されてこの部材が磁性潤滑油7を吸引するの
を防止することができる。また、外力等により連結ピン
3が位置ずれすることによって仮りに磁性体リング12
A,12Bが連結ピン3の外周面に接触するような場合
でも、磁性体リング12A,12Bが損傷されるのを弾
性筒10により確実に防ぐことができる。
【0048】また、各ダストシール13を各磁気シール
装置8と各ブラケット2との間に位置してアームボス1
と連結ピン3との間に設けるようにしたから、これらの
各ダストシール13によりアームボス1と連結ピン3と
の間に外部から異物が侵入するのを規制でき、侵入した
異物が磁性潤滑油7に混入したり、各磁気シール装置8
のシール性能を低下させたりするのを確実に防止するこ
とができる。
【0049】一方、軸受装置の組立時には、アームボス
1、各ブラケット2および連結ピン3等を一体に組付け
た後に、アームボス1の潤滑油通路1Bから潤滑油溜め
6内に磁性潤滑油7を加圧充填するようにしてもよい。
そして、この場合には図3に示す如く、各磁気シール装
置8が磁性潤滑油7を捕捉する前の状態を確保しておく
ことにより、潤滑油溜め6内に残留した空気を磁性潤滑
油7の充填時に容易に外部に排出できる。
【0050】即ち、潤滑油溜め6内への磁性潤滑油7の
充填に伴って、残留した空気は各含油ブッシュ5と連結
ピン3との間から各磁気シール装置8と連結ピン3との
間の隙間S0 を介してアームボス1の外部に放出され
る。なお、各ダストシール13は外部に対する気密性を
もっていないため、この空気は各ダストシール13を通
過することが可能となっている。そして、磁性潤滑油7
が潤滑油溜め6内に十分に充填された後には、前述した
如くアームボス1と連結ピン3との間は磁性潤滑油7に
よりシールされた状態となる。
【0051】これにより、例えばオイルシール等を用い
る場合のように磁性潤滑油7を潤滑油溜め6内の空気圧
に抗して充填する必要がなくなり、磁性潤滑油7の充填
作業を容易に行うことができ、充填作業の完了後には特
別な処置等を施すことなく各磁気シール装置8にシール
性を与えることができる。
【0052】また、連結ピン3との摺動部材として各含
油ブッシュ5を用いると共に、これらの各含油ブッシュ
5には潤滑油溜め6から磁性潤滑油7を補給するように
したから、各含油ブッシュ5と連結ピン3との摺動面に
長期間に亘って磁性潤滑油7を供給し続けることがで
き、当該軸受装置のメンテナンス性を大幅に高めること
ができる。
【0053】なお、前記実施例では、磁性体リング12
A,12Bの間に各マグネット11を設ける構成とした
が、本発明はこれに限らず、磁性体リング12A,12
Bの間に単一のマグネット11を設ける構成としてもよ
い。
【0054】また、前記実施例では、磁性体リング12
A,12Bが同一形状をなす構成としたが、本発明はこ
れに限らず、磁気シール装置8に互いに異なる形状の磁
性体リング12A,12Bを設ける構成としてもよく、
例えば一方の磁性体リング12Bのエッジ部12B1 を
省略し、磁性体リング12Bの内周端面を連結ピン3の
外周面に近接させる構成としてもよい。
【0055】さらに、前記実施例では、連結ピン3全体
を磁性材料によって形成する構成としたが、本発明はこ
れに限らず、例えば連結ピン3のうち各磁気シール装置
8に対向する部位を部分的に磁性材料によって形成する
構成としてもよい。
【0056】また、前記実施例では、各含油ブッシュ5
と連結ピン3とを摺動させる構成としたが、本発明はこ
れに限らず、通常のブッシュと連結ピン3とを摺動させ
る構成としてもよく、この場合には、磁性潤滑油7が潤
滑油溜め6から前記ブッシュと連結ピン3との間に直接
供給される構成とすればよい。
【0057】さらにまた、前記実施例では、当該軸受装
置を油圧ショベルのピン結合部に適用した場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧ク
レーン等の建設機械や、農業用および産業用の作業機等
に設けられたピン結合部に当該軸受装置を適用してもよ
い。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、ボス部材の内周側には、ブッシュと相手方
部材との間に位置してボス部材と連結ピンとの間をシー
ルする磁気シール手段を設け、ブッシュと連結ピンとの
摺動面には磁性流体を含んだ潤滑油を介在させる構成と
したから、磁気シール手段は、潤滑油がブッシュと連結
ピンとの摺動面から相手方部材に向けて流れ出たとき
に、磁性流体を含んだこの潤滑油を磁気的に捕捉するこ
とにより、捕捉した潤滑油を利用して連結ピンと摺動す
ることなくボス部材と連結ピンとの間を確実にシールで
き、磁気シール手段の寿命を飛躍的に延ばすことができ
る。従って、ボス部材と連結ピンとの間を長期間に亘っ
てシールでき、これらの間から潤滑油が外部に漏れ出す
のを確実に防止できると共に、ブッシュと連結ピンとを
潤滑油を介して円滑に摺動させ続けることができ、当該
軸受装置の耐久性や寿命を大幅に向上させることができ
る。
【0059】また、請求項2に記載の発明によれば、磁
気シール手段を、ボス部材の内周側に弾性部材を介して
嵌合固着された第1、第2の磁極片とし、その内周側は
連結ピンに近接する位置まで延びて連結ピンとの間に磁
界を形成する構成としたから、各磁極片の内周端と連結
ピンの外周面との間の隙間に磁性流体を含んだ潤滑油を
磁気的に捕捉することができ、各磁極片は連結ピンと摺
動することなく、捕捉した磁性流体を利用してボス部材
と連結ピンとの間を確実にシールすることができる。ま
た、各磁極片を弾性部材を介してボス部材のブッシュ嵌
合穴内に取付けるようにしたから、外力等により各磁極
片の内周端が連結ピンに強く押付けられた場合でも、こ
れらが損傷されるのを弾性部材によって確実に防止する
ことができる。
【0060】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
磁性流体を含んだ潤滑油が予め含浸された含油ブッシュ
を用いる構成としたから、含油ブッシュ内に含浸させた
潤滑油を連結ピンとの摺動面に徐々にしみ出させること
ができ、この潤滑油により含油ブッシュと連結ピンとの
摺動面を長期間に亘って円滑に潤滑できると共に、当該
軸受装置の耐久性やメンテナンス性を大幅に向上させる
ことができる。
【0061】また、請求項4に記載の発明によれば、ボ
ス部材の内周側には、磁気シール手段と相手方部材との
間に位置して連結ピンとの間をシールするダストシール
を設ける構成としたから、ボス部材と連結ピンとの間に
外部からダスト、水分等の異物が侵入するのを規制で
き、侵入した異物が潤滑油に混入したり、磁気シール手
段のシール性能を低下させたりするのを確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による軸受装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の磁気シール装置と連結ピンとの間に形
成された磁界により磁性潤滑油が捕捉された状態を示す
拡大断面図である。
【図3】図2中の磁気シール装置等を拡大して示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 アームボス(ボス部材) 1A ブッシュ嵌合穴 2 ブラケット(相手方部材) 3 連結ピン 5 含油ブッシュ(ブッシュ) 7 磁性潤滑油(潤滑油) 8 磁気シール装置(磁気シール手段) 10 弾性筒(弾性部材) 11 マグネット(磁極片) 12A,12B 磁性体リング(磁極片) 13 ダストシール H 磁界

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びるブッシュ嵌合穴が内周側
    に形成されたボス部材と、前記ボス部材のブッシュ嵌合
    穴内に嵌着されたブッシュと、前記ブッシュ内に摺動可
    能に挿通され前記ボス部材を相手方部材に回動可能に連
    結する連結ピンとからなる軸受装置において、 前記ボス部材の内周側には、前記ブッシュと相手方部材
    との間に位置して前記ボス部材と連結ピンとの間をシー
    ルする磁気シール手段を設け、前記ブッシュと連結ピン
    との摺動面には、少なくとも磁性流体を含んだ潤滑油を
    介在させる構成としたことを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気シール手段は、外周側が前記ボ
    ス部材の内周側に弾性部材を介して嵌合固着され、内周
    側が前記連結ピンの外周面に近接する位置まで延びたリ
    ング状をなす第1、第2の磁極片からなり、これらの各
    磁極片は内周端が互いに異なる磁極となって連結ピンの
    軸方向に離間し、前記連結ピンとの間に磁界を形成する
    構成としてなる請求項1に記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記ブッシュは少なくとも磁性流体を含
    んだ潤滑油が予め含浸された含油ブッシュからなり、前
    記含油ブッシュの内周側には前記連結ピンに対する摺動
    面を形成してなる請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記ボス部材の内周側には、前記磁気シ
    ール手段と相手方部材との間に位置して前記連結ピンと
    の間をシールし、外部からの異物侵入を規制するダスト
    シールを設ける構成としてなる請求項1,2または3に
    記載の軸受装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008298282A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Taida Electronic Ind Co Ltd モーター及びその磁性オイルシール構造
KR100906072B1 (ko) 2008-06-11 2009-07-03 박광준 자성 유체 밀봉 부재 및 이를 포함하는 진공 장치의 밀봉 장치
KR200454583Y1 (ko) 2010-06-23 2011-07-12 전시식 중장비의 관절부 연결 장치

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