JPH10311335A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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Publication number
JPH10311335A
JPH10311335A JP13766397A JP13766397A JPH10311335A JP H10311335 A JPH10311335 A JP H10311335A JP 13766397 A JP13766397 A JP 13766397A JP 13766397 A JP13766397 A JP 13766397A JP H10311335 A JPH10311335 A JP H10311335A
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JP
Japan
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air vent
vent passage
seal
boss
bearing device
Prior art date
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Pending
Application number
JP13766397A
Other languages
English (en)
Inventor
Morio Tamura
盛雄 田村
Shunsuke Shimakura
俊輔 島倉
Manabu Ogasawara
学 小笠原
Osamu Itsukida
修 五木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油を容易に給脂することができると共
に、給脂後は潤滑油の漏洩するのを確実に防止すること
ができる。 【解決手段】 ボス部材10と各ブラケット13とを連
結ピン15によって回動可能に連結すると共に、ボス部
材10の軸方向の両端には筒状部材18とシールリング
19とからなるシール部材17を設ける。そして、筒状
部材18には油溜め12を外部に連通するエア抜き通路
20を設けると共に、エア抜き通路20内には栓体21
を取付ける。そして、給脂時には、栓体21はエア抜き
通路20から取外され、エア抜き通路20によって油溜
め12内のエア抜きを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に装備される作業装置のピン結合部等に
好適に用いられる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械に装備される
作業装置には、ブーム、アームおよびバケット等を連結
ピンを介して回動可能に支持するために複数の軸受装置
が設けられている。
【0003】従来技術による軸受装置のうち、例えばア
ームを駆動するアームシリンダのピストンロッド先端と
アームとを連結する軸受装置としては、ピストンロッド
の先端側に設けられたボス部材としてのロッド側ボス部
と、アームに設けられた相手方部材としての左,右一対
のアーム側のブラケット部と、ボス部とブラケット部と
を相対回動可能に連結する連結ピンと、ボス部の軸方向
の両端と各ブラケット部との間にそれぞれ配設され、連
結ピンとボス部との間の摺動面に供給された潤滑油が漏
洩するのを防止するシール部材等とから大略構成されて
いる。そして、ブームの先端側に配設されたアームは、
アームに連結されたアームシリンダを作動させることに
より、連結ピンを中心として回動、掘削作業等を行な
う。
【0004】この場合、シール部材は、弾性材料によっ
てリング状に形成され、例えば連結ピンの外周側に配設
されると共に、ボス部に摺接可能なリップ部が設けられ
ている。そして、シール部材のリップ部は、連結ピンと
ボス部との間に土砂等が侵入するのを防止すると共に、
摺動面に供給された潤滑油が外部に漏洩するのを抑制
し、高い油密性を保持している。
【0005】そして、このような従来技術による軸受装
置は、連結ピンとボス部との間が摺動面となっており、
この摺動面は常時潤滑油が給脂された状態を保持してお
く必要がある。このため、ボス部または連結ピンに設け
られた給脂用ニップルを用いて、給脂通路を介して摺動
面に定期的に給脂作業が行われる。
【0006】そして、この給脂作業の際、軸受装置内の
空気を排出することにより、円滑に給脂を行うことがで
きると共に、ボス部とブラケットとの摺動面にも潤滑油
を流出できるように、シール部材に小径な通気孔を設け
たものが知られている(例えば、実公平5−42256
号公報)。
【0007】従って、この従来技術では、潤滑油を摺動
面に供給するときには、シール部材に設けた通気孔は潤
滑油溜室、給脂通路内等に残留する空気を抜くエア抜き
通路として機能する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による軸受装置では、シール部材にエア抜きを行
う通気孔を設け、給脂を容易に行うことができる構成と
なっているが、このような構成とした場合には、給脂時
に通気孔から潤滑油が漏洩し易く、多量の潤滑油を無駄
に給脂してしまうという問題がある。
【0009】一方、通気孔は常時開放状態にあるから、
この通気孔を通って外部から連結ピンとボス部との摺動
面に細かい土砂や水等が侵入することがあり、摺動面に
摩耗や損傷を生じ易いという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みて
なされたもので、潤滑油を容易に給脂することができる
と共に、給脂後は潤滑油の漏洩するのを確実に防止する
ことができるようにした軸受装置を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係る軸受装置は、ボス部材と、該ボス
部材の軸方向の両端側に配設される一対の相手方部材
と、該一対の相手方部材とボス部材とを回動可能に連結
する連結ピンと、前記ボス部材の軸方向の両端と相手方
部材との間にそれぞれ配設され、前記連結ピンとボス部
材との間の摺動面に供給された潤滑油が漏洩するのを防
止するシール部材とを備えている。
【0012】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記シール部材に設けられ給脂時にエア抜きを
許すエア抜き通路と、常時は該エア抜き通路を閉塞し、
給脂時に該エア抜き通路を開放する栓体とを設けたこと
にある。
【0013】このように構成したことにより、通常の作
業時にはエア抜き通路は栓体によって閉塞されており、
シール部材によって連結ピンとボス部材との間の摺動面
に供給された潤滑油が漏洩するのを防止でき、連結ピン
とボス部材との間の潤滑性を長期間に亘って保持でき
る。
【0014】また、連結ピンとボス部材との間の摺動面
に潤滑油を給脂する給脂時には、栓体はエア抜き通路を
開放するから、給脂通路内の空気をエア抜き通路を通し
て外部に吐出することができ、連結ピンの摺動面とボス
部材の摺動面との間にエアが滞留するのを防止し、摺動
面の全体に亘って潤滑油を給脂することができる。
【0015】また、請求項2の発明は、シール部材を、
連結ピンの外周側に設けられたシール保持筒体と、該シ
ール保持筒体の外周側に取付けられ前記ボス部材との間
をシールするシールリングとから構成し、エア抜き通路
を前記シール保持筒体に設けたことにある。
【0016】このように構成したことにより、シール保
持筒体を金属材料等によって形成することができ、シー
ル保持筒体にエア抜き通路を容易に設けることができ
る。また、シール保持筒体を連結ピンの外周側に取付け
ると共に、シール保持筒体の外周側にはシールリングを
取付けたから、シールリングによってボス部材と連結ピ
ンとの間をシールし、連結ピンとボス部材との間の摺動
面に供給された潤滑油がボス部材の軸方向の両端側から
漏洩するのを防止することができる。
【0017】また、請求項3の発明は、シール部材を構
成するシール保持筒体には、径方向の外側に延びる鍔部
を設け、前記エア抜き通路を鍔部の外周側に開口させた
ことにある。
【0018】これにより、相手方部材が軸方向に変位し
たときに、相手方部材の端面とシール保持筒体の鍔部と
が当接するから、シール保持筒体を介してボス部材に設
けられるブッシュ等でスラスト方向の荷重を受承し、相
手方部材の端面とボス部材の端面とが接触するのを防止
することができる。また、エア抜き通路は鍔部の外周側
に開口しているから、栓体によって容易に施蓋すること
ができる。
【0019】さらに、請求項4の発明は、エア抜き通路
を閉塞する栓体は、軟質な金属材料、樹脂材料、ゴム材
料によって着脱可能に取付けられている。
【0020】このため、栓体を容易にエア抜き通路に挿
入することができると共に、潤滑油を供給する給脂時に
は、栓体をエア抜き通路内から取り外し、エア抜きを行
うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸受装置の実
施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施例による軸受装置を油圧ショベルに適用した場合を
例に挙げて示している。
【0023】図1において、1は本発明による軸受装置
が適用された油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1の
上部旋回体2には、掘削作業等を行なう作業装置3が俯
仰動可能に配設されている。
【0024】そして、作業装置3は、上部旋回体2にピ
ン結合されたブーム4と、該ブーム4の先端側にピン結
合された支持部材としてのアーム5と、該アーム5の先
端側にピン結合された回動部材としてのバケット6等と
から大略構成され、これらブーム4、アーム5およびバ
ケット6は、それぞれピン結合部を介して連結されたブ
ームシリンダ7、アームシリンダ8およびバケットシリ
ンダ9等により作動される。そして、これら各ピン結合
部には、本実施例の軸受装置が装備されており、例え
ば、アームシリンダ8のピストンロッド先端とアーム5
とは、図2に示す軸受装置を介して相対回動可能に結合
されている。
【0025】10はアームシリンダ8のピストンロッド
の先端側に設けられた取付輪、取付アイ等と呼ばれるボ
ス部材を示し、該ボス部材10の内周側には、後述のブ
ッシュ11を嵌合するためのブッシュ嵌合穴10Aが形
成され、ボス部材10の軸方向の両端側にはブッシュ嵌
合穴10Aよりも大径の段付穴10Bが形成されてい
る。
【0026】11はボス部材10のブッシュ嵌合穴10
Aに圧入嵌合されたブッシュで、該ブッシュ11は筒状
に形成され、その内周側は後述の連結ピン15を摺動可
能に支持する摺動面11Aとなっている。また、ブッシ
ュ11の摺動面11Aと連結ピン15との間には例えば
0.2〜1mm程度の僅かなクリアランスが形成され、
このクリアランスはグリース等の潤滑油Gが充填される
油溜め12となっており、油溜め12に充填された潤滑
油Gによってブッシュ11と連結ピン15との間の潤滑
性を確保している。
【0027】13,13はアーム5から外側に突設さ
れ、アームシリンダ8のボス部材10を挟むように配置
された相手方部材としての一対のブラケットで、該各ブ
ラケット13には連結ピン15が挿通されるピン挿通穴
13Aが穿設されている。また、一対のブラケット1
3,13のうち一方のブラケット13には、複数のボル
ト穴13B(一個のみ図示)が設けられ、ブラケット1
3はボルト14によって連結ピン15に対して廻止めさ
れている。
【0028】15はボス部材10を各ブラケット13間
で連結して支持する連結ピンを示し、該連結ピン15
は、各ブラケット13のピン挿通穴13Aに挿通される
と共に、ブッシュ11の摺動面11A内に挿通され、連
結ピン15の外周面は、ブッシュ11の摺動面11Aに
対する摺動面15Aとなっている。
【0029】ここで、連結ピン15には、その軸方向の
一端側に大径頭部15Bが設けられると共に、該大径頭
部15Bには、ボルト14を挿通するためのボルト挿通
穴15Cが設けられている。そして、連結ピン15の大
径頭部15Bは、一方のブラケット13に対してボルト
14を介して取付られ、連結ピン15は一対のブラケッ
ト13に対して抜止め、廻止め状態に保持されている。
これにより、連結ピン15は、アーム5をアームシリン
ダ8のピストンロッド先端に対して回動可能に結合して
いる。
【0030】また、連結ピン15には、油溜め12に外
部から潤滑油Gを供給するための給脂油路15Dが設け
られ、該給脂油路15Dは、一端側が連結ピン15の軸
方向の中央部に開口すると共に、他端側が連結ピン15
の大径頭部15B側に開口し、給脂通路15Dの他端側
には給脂ニップル16が取付けられている。
【0031】17,17はボス部材10の軸方向の両端
側と各ブラケット13との間にそれぞれ配設されたシー
ル部材で、該シール部材17は油溜め12に供給された
潤滑油Gが漏洩するのを防止している。
【0032】そして、シール部材17は、シール保持筒
体としての筒状部材18と、該筒状部材18の外周側に
取付けられたシールリング19とから構成されている。
ここで、筒状部材18は、図3に示すようにその内周側
に連結ピン15を挿通するためのピン挿通穴18Aが形
成されている。そして、該ピン挿通穴18Aに連結ピン
15を挿通することによって、筒状部材18は連結ピン
15の外周側に例えば隙間ばめ、無理ばめ等によって取
付けられ、筒状部材18は連結ピン15と一体的に回動
するものである。
【0033】また、筒状部材18には径方向の外側に向
って延びる鍔部18Bが設けられ、筒状部材18は該鍔
部18Bが各ブラケット13に当接するように連結ピン
15に取付けられている。また、筒状部材18の鍔部1
8Bの軸方向の外側端面は、ブラケット13の軸方向の
内側端面に当接し、バケット6と一体となったブラケッ
ト13からのスラスト荷重をこの筒状部材18を介して
ブッシュ11の端面で受承する構成ともなっている。
【0034】19,19は筒状部材18の外周側に焼付
け、接着等によって取付けられたシールリングで、各シ
ールリング19は、図4に示すように樹脂材料から環状
に形成されている。ここで、シールリング19の外周側
には、ボス部材10の段付穴10Bの内周面に摺接する
例えば2つのリップ部19Aが形成されている。また、
シールリング19には、その軸方向の端面にブッシュ1
1の軸方向の端面や段付穴10Bの軸方向の端面に摺接
する例えば2つのリング状突起19Bが設けられてい
る。
【0035】そして、各リップ部19Aが段付穴10B
の内周面に摺接することによって、シールリング19
は、油溜め12内に外部から土砂等のダストが侵入する
のを防止すると共に、油溜め12から潤滑油Gが漏洩す
るのを防止している。また、リング状突起19Bは、ブ
ッシュ11の軸方向の端面等に摺接し、油溜め12から
潤滑油Gが漏洩するのを補助的に防止している。
【0036】20は筒状部材18に設けられたエア抜き
通路で、該エア抜き通路20は、筒状部材18の軸方向
に延びる軸方向通路20Aと、径方向に延びる径方向通
路20Bとから略L字状に形成されている。そして、エ
ア抜き通路20は、その一端側がブッシュ11の軸方向
の端面と対向するように筒状部材18の軸方向の端面側
に開口すると共に、他端側が鍔部18Bの外周側に開口
している。
【0037】21はエア抜き通路20内に挿入された栓
体を示し、該栓体21は例えば鉛、錫、アルミニウム等
の軟質な金属材料、またはフッ素樹脂、シリコン樹脂等
の比較的軟質な樹脂材料、ゴム材料、コルク材等によっ
て小径の円柱形状に形成されている。
【0038】そして、栓体21の一端側には、栓体21
をエア抜き通路20内に挿入し易くするためにテーパ部
21Aが形成されると共に、栓体21の他端側には小径
の有底穴21Bが設けられている。そして、栓体21
は、エア抜き通路20内に挿入するときには、有底穴2
1Bに棒状の押込み治具22(図6参照)を挿入しつ
つ、エア抜き通路20内に押込むことによってエア抜き
通路20内に取付けられるものである。
【0039】なお、前記栓体21は使い捨て可能であ
り、給脂時に給脂圧力によって自動的に開栓してしまう
程度の強さで押込まれている。
【0040】本実施例による軸受装置は上述の如き構成
を有するもので、ブッシュ11を連結ピン15に対して
摺動させて、連結ピン15に対してボス部材10に取付
けられたブッシュ11に対し相対回動させることによ
り、アームシリンダ8のピストンロッドの先端側で当該
軸受装置を介してピン結合されたアーム5に回動動作を
行わせる。
【0041】次に、図5ないし図6を参照しつつブッシ
ュ11と連結ピン15との間に潤滑油Gを給脂する給脂
作業について説明する。
【0042】まず、給脂ニップル16にグリースガン
(図示せず)を接続し、給脂油路15D内に潤滑油Gを
注入する。このとき、潤滑油Gは、給脂油路15D内を
通過して油溜め12に供給される。この際、筒状部材1
8にエア抜き通路20を設けているから、油溜め12内
に残留する空気は、図5に示す如く油溜め12から矢示
A方向に向って流通し、エア抜き通路20内に流入する
と共に、鍔部18Bの外周側から矢示B方向に向って吐
出される。これにより、油溜め12に潤滑油Gを隙間な
く充填することができる。
【0043】この給脂時に、ブッシュ11と連結ピン1
5との間の圧力が上昇し、例えば2〜3kg/cm2
度の圧力に達すると、栓体21は、この圧力によってエ
ア抜き通路20内から自動的に抜けてしまう。従って、
栓体21は、エア抜き通路20内に着脱可能に取付けて
おくだけで、常時はエア抜き通路20を閉塞し、給脂時
にはエア抜き通路20を開放することができる。
【0044】このように給脂が行われ、エア抜き通路2
0から潤滑油Gが溢出すると、油溜め12内は潤滑油G
で満たされているから、給脂を終了する。そこで、図6
に示すように、栓体21を鍔部18Bの外周側からエア
抜き通路20の径方向通路20B内に向けて挿入し、押
込み治具22によってエア抜き通路20内に押込む。こ
のとき、栓体21は、軟質な金属材料や樹脂材料によっ
て形成されているから、エア抜き通路20内に押込まれ
ると共に、その外形が変形し、エア抜き通路20を容易
に閉塞することができ、再び第4図の状態になる。
【0045】かくして、本実施例によれば、シール部材
17の筒状部材18にエア抜き通路20を設け、該エア
抜き通路20内には栓体21を着脱可能に取付けたか
ら、潤滑油Gの給脂時には、エア抜き通路20を開放
し、油溜め12内に残留する空気をエア抜き通路20を
介して外部に逃がすことができる。
【0046】一方、通常の掘削時には、栓体21によっ
てエア抜き通路20を閉塞することができるから、油溜
め12に充填された潤滑油Gが外部に漏洩するのを防止
できると共に、エア抜き通路20を通って外部から水や
土砂等が油溜め12内に侵入するのを防ぐことができ
る。
【0047】また、シール部材17を筒状部材18とシ
ールリング19とによって構成し、筒状部材18にはエ
ア抜き通路20を設けたから、油溜め12内の潤滑油G
は、この筒状部材18とシールリング19とによって油
密にシールすることができる。また、筒状部材18を金
属材料等によって形成するにより、エア抜き通路20を
容易に形成できると共に、エア抜き通路20内に栓体2
1を容易に挿入することができる。
【0048】また、筒状部材18には鍔部18Bを設け
たから、バケット6によって土砂等の掘削作業を行って
いるときに、バケット6にスラスト方向の荷重が加わ
り、ブラケット13が軸方向に変位するときでも、ブラ
ケット13の軸方向の内側端面が筒状部材18の鍔部1
8Bに当接し、筒状部材18を介してブッシュ11の端
面でスラスト荷重を受承することができる。これによ
り、ボス部材10と各ブラケット13とが接触するのを
防止することができ、ボス部材10と各ブラケット13
との軸方向の端面が摩耗、損傷するのを防止できる。
【0049】また、エア抜き通路20は鍔部18Bの外
周側に開口する構成としたから、ボス部材10と各ブラ
ケット13との隙間から鍔部18Bを臨みつつ、栓体2
1を鍔部18Bの外周側に開口したエア抜き通路20内
に容易に挿入することができる。
【0050】さらに、栓体21を軟質な金属材料、樹脂
材料によって形成すると共に、エア抜き通路20内に着
脱可能に取付ける構成としたから、栓体21を変形させ
つつエア抜き通路20に挿入し、栓体21によってエア
抜き通路20を閉塞できる。また、潤滑油Gを供給する
給脂時には、ブッシュ11と連結ピン15との間の圧力
を高めることによって栓体21をエア抜き通路20から
取り外すことができ、油溜め12内に残留する空気を容
易に外部に向けて逃がすことができる。
【0051】次に、図7は本発明の第2の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、シール部材31を筒状部材18と2
つのUパッキン32,33とから構成したことにある。
【0052】ここで、シールリングとしてのUパッキン
32,33は、弾性材料によってリング状に形成される
と共に、その断面形状がU字形状をなしている。そし
て、Uパッキン32は、筒状部材18の鍔部18Bに接
触するように筒状部材18の外周側に取付けられ、断面
U字状の凹部側が筒状部材18の外周側に接触すると共
に、凸部側がボス部材10に形成された段付穴10Bの
内周面に摺接している。
【0053】また、Uパッキン33は、Uパッキン32
に対して断面が略90度傾斜した状態で筒状部材18の
外周側に取付けられ、断面U字状の凹部側がブッシュ1
1の軸方向の端面と段付穴10Bの軸方向の端面とに摺
接すると共に、凸部側がUパッキン32に接触してい
る。
【0054】これにより、Uパッキン32は外部から油
溜め12内に土砂等が侵入するのを防止できると共に、
Uパッキン33は油溜め12から外部に向って潤滑油が
漏洩するのを防止することができる。
【0055】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られ
るが、本実施例では、シールリングとしてUパッキン3
2,33を用いたから、Uパッキン32,33を筒状部
材18に固着する必要がなく、Uパッキン32,33を
容易に取付けることができる。
【0056】次に、図8は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとするに、
本実施例の特徴は、シール部材41を筒状部材18とバ
ックアップリング42、Uパッキン43とから構成した
ことにある。
【0057】ここで、バックアップリング42はUパッ
キン43と共にシールリングを構成し、金属材料によっ
てリング状に形成されている。そして、バックアップリ
ング42は、鍔部18Bと当接可能となるように筒状部
材18の外周側に取付けられている。
【0058】また、Uパッキン43は、弾性材料によっ
てリング状に形成されると共に、その断面形状がU字形
状をなしている。そして、Uパッキン43は、断面U字
状の凹部側がブッシュ11の軸方向の端面と段付穴10
Bの軸方向の端面とに摺接すると共に、凸部側がバック
アップリング42に接触している。
【0059】これにより、バックアップリング42は鍔
部18B側に向けて常時付勢され、外部から油溜め12
内に土砂等が侵入するのを防止できると共に、Uパッキ
ン43は油溜め12から外部に向って潤滑油が漏洩する
のを防止することができる。
【0060】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られ
る。
【0061】なお、前記各実施例では、筒状部材18に
1つのエア抜き通路20を設ける構成としたが、本発明
はこれに限らず、複数のエア抜き通路を設ける構成とし
てもよい。
【0062】また、前記各実施例では、筒状部材18を
連結ピン15に隙間ばめ、無理ばめ等によって取付ける
ものとしたが、図9の変形例に示すように筒状部材18
のピン挿通穴18A内にシールリング51を設け、シー
ルリング51によって筒状部材18と連結ピン15との
間をシールする構成としてもよい。
【0063】また、前記各実施例では、ブッシュ11の
摺動面11Bと連結ピン15の摺動面15A間に潤滑油
を貯留する油溜め12を設ける構成としたが、図9に示
すようにブッシュ11と摺接する連結ピン15の外周側
にリング溝52を設け、該リング溝52とブッシュ11
の摺動面11Aとの間に大容量の油溜めを設ける構成と
してもよい。
【0064】さらに、前記各実施例では、ブッシュ11
と連結ピン15との摺動面11A,15Aに潤滑油を供
給する給脂油路15Dを連結ピン15内に設ける構成と
したが、図9に示すようにボス部材10とブッシュ11
とを貫通する給脂油路53を設けると共に、ボス部材1
0側に開口する給脂油路53には、給脂ニップル54を
取付け、給脂ニップル54にグリスガンを接続すること
によってボス部材10側から給脂する構成としてもよ
い。
【0065】さらに、油圧ショベル1のアーム5とアー
ムシリンダ8とのピン結合部に軸受装置を適用した場合
を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例え
ばアーム5とバケット6とのピン結合部、バケットシリ
ンダ9とアーム5とのピン結合部等、他のピン結合部に
も広く適用することができる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、シール部材にエア抜き通路を設けると共に、シー
ル部材には常時はエア抜き通路を閉塞し、給脂時にエア
抜き通路を開放する栓体を設けたから、潤滑油の給脂時
には、ボス部材の摺動面と連結ピンの摺動面との間に残
留した空気をエア抜き通路を介して外部に逃がすことが
できる。
【0067】一方、常時は、栓体によってエア抜き通路
を閉塞するから、ボス部材の摺動面と連結ピンの摺動面
との間に密閉した油溜めを設けることができ、油溜め内
に供給された潤滑油が外部に漏洩するのを防止できると
共に、エア抜き通路を通って外部から土砂や水等が油溜
め内に侵入するのを防ぐことができる。
【0068】従って、ボス部材と連結ピンとの間の摺動
面の潤滑性を長期間に亘って保持することができ、摺動
面の摩耗、損傷を防止できると共に、潤滑油の給脂間隔
を長くすることができるから、メンテナンス性を向上さ
せることができる。
【0069】また、請求項2の発明によれば、シール部
材をシール保持筒体とシールリングとによって構成し、
シール保持筒体にはエア抜き通路を設けたから、シール
保持筒体を連結ピンの外周側に取付け、シール保持筒体
と連結ピンとの間を閉塞できると共に、シールリングを
ボス部材に摺接させ、油溜めを密閉することができ、油
溜め内に充填された潤滑油が漏洩するのを防止すること
ができる。また、シール保持筒体を金属材料等によって
形成するにより、エア抜き通路を容易に形成できると共
に、エア抜き通路内に栓体を容易に押込み、取付けるこ
とができる。
【0070】また、請求項3の発明によれば、シール保
持筒体には鍔部を設けたから、相手方部材からのスラス
ト荷重をシール保持筒体を介してボス部材に設けられた
ブッシュで受承することができ、ボス部材と相手方部材
とが接触するのを防止することができると共に、ボス部
材と相手方部材との軸方向の端面が摩耗、損傷するのを
防止できる。また、エア抜き通路は鍔部の外周側に開口
する構成としたから、ボス部材と相手方部材との隙間か
ら、栓体をエア抜き通路内に容易に挿入することができ
る。
【0071】さらに、請求項4の発明によれば、栓体を
軟質な金属材料、樹脂材料、ゴム材料によって形成する
と共に、シール部材にに着脱可能に取付ける構成とした
から、栓体を変形させつつエア抜き通路に押込み、栓体
によってエア抜き通路を閉塞できる。また、給脂時に
は、ボス部材と連結ピンとの間の圧力を高めることによ
って栓体をエア抜き通路から取り外すことができ、油溜
め内に残留した空気を外部に向けて容易に逃がすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による軸受装置が適用さ
れる油圧ショベルの作業装置等を示す外観図である。
【図2】第1の実施例による軸受装置を図1中の矢示II
−II方向からみた断面図である。
【図3】第1の実施例に用いる筒状部材を示す斜視図で
ある。
【図4】図2中の筒状部材、エア抜き通路、栓体等を拡
大して示す断面図である。
【図5】エア抜きを行っている状態を示す図4と同様の
断面図である。
【図6】給脂が終了し、エア抜き通路に栓体を挿入して
いる状態を示す図4と同様の断面図である。
【図7】第2の実施例による軸受装置を示す断面図であ
る。
【図8】第3の実施例による軸受装置を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の変形例による軸受装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 10 ボス部材 11 ブッシュ 11A,15A 摺動面 12 油溜め 13 ブラケット(相手方部材) 15 連結ピン 17,31,41 シール部材 18 筒状部材(シール保持筒体) 18B 鍔部 19 シールリング 20 エア抜き通路 21 栓体 32,33,43 Uパッキン 42 バックアップリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五木田 修 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機エ ンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボス部材と、該ボス部材の軸方向の両端
    側に配設される一対の相手方部材と、該一対の相手方部
    材とボス部材とを回動可能に連結する連結ピンと、前記
    ボス部材の軸方向の両端と相手方部材との間にそれぞれ
    配設され、前記連結ピンとボス部材との間の摺動面に供
    給された潤滑油が漏洩するのを防止するシール部材とか
    らなる軸受装置において、前記シール部材に設けられ給
    脂時にエア抜きを許すエア抜き通路と、前記シール部材
    に設けられ常時は該エア抜き通路を閉塞し、給脂時に該
    エア抜き通路を開放する栓体とから構成したことを特徴
    とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は、前記連結ピンの外周
    側に設けられたシール保持筒体と、該シール保持筒体の
    外周側に取付けられ前記ボス部材との間をシールするシ
    ールリングとから構成し、前記エア抜き通路は前記シー
    ル保持筒体に設けてなる請求項1に記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記シール保持筒体には、径方向の外側
    に延びる鍔部が設けられ、前記エア抜き通路は鍔部の外
    周側に開口してなる請求項2に記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記栓体は、軟質な金属材料、樹脂材
    料、ゴム材料によって着脱可能に取付けられてなる請求
    項1,2または3に記載の軸受装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1369535A1 (de) * 2002-06-03 2003-12-10 Peter Dappen Löffelbagger
CN104100822A (zh) * 2014-08-04 2014-10-15 山东鸿达建工集团有限公司 一种用于混凝土泵车臂架连杆的润滑系统
JP2015186833A (ja) * 2014-03-27 2015-10-29 日立工機株式会社 作業機
CN108571463A (zh) * 2017-03-13 2018-09-25 舍弗勒技术股份两合公司 水泵轴承

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JP2015186833A (ja) * 2014-03-27 2015-10-29 日立工機株式会社 作業機
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