JPH10152240A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、簡便で安価でありながら安
定した画像を得られるようにすることにある。 【解決手段】 さばき部材１１を軸１４のまわりに回動
する支持部材１３により支持して紙送り手段９と離接す
るようにし、前記軸１４を紙送り手段９に同期して働く
駆動手段１６により、支持部材１３のさばき部材１１を
紙送り手段９に圧接させる回動方向と一致する方向に駆
動する一方、このときの前記１４の回転をトルクリミッ
タ１７を介して支持部材１３に伝達して、紙送り手段９
が働くときだけさばき部材１１を紙送り手段９に圧接さ
せ、それ以外は離間するようにして、上記の目的を達成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、積層されたシート
を一枚ずつ送りだして供給する複写機などの給紙装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】給紙装置は、図６に示すようにシート束
ａからピックアップローラｂによって送り出されてくる
シートｃの表面に接して、これを先へ送るローラ等から
なる紙送り手段ｄと、この紙送り手段ｄと対向し紙送り
手段ｄによって先へ送られるシートｃに裏面側から接し
てシートｃに重送されようとする他のシートを受止めて
先へ搬送されるのを防止する紙さばき機構ｅとを備えて
いる。

【０００３】紙さばき機構ｅは、さばき部材である例え
ばローラｆをレバーｇ等によって支持し、レバーｇに働
かせたスプリングｈによりローラｆを紙送り手段ｄに圧
接させたときの停止または逆転を含む紙送り手段ｄとの
相対移動状態にて重送を防止するようにし、さばき機構
ｅの下流の搬送ローラにシートｃが到達したことが確認
されると、さばきローラｆの駆動を停止しさばきローラ
ｆが紙送り手段ｄに従動回転するようにする（図７参
照）。

【０００４】しかし、さばきローラｆは紙送り手段ｄに
圧接したままであるので、従動時の抵抗が大きく、さば
き機構ｅをシートｃが抜け切る前に画像プリント部にシ
ートｃが到達してしまう構成になっていると、印字され
たシート ｃは図６に示すようにシートｃの後端がさばき
機構ｅ部をちょうど抜けた際に、搬送負荷が急激に軽減
することが原因してシートｃの送り速さが一瞬速まり、
そのとき感光体ドラムｐからの転写位置にある分だけ、
図６に示すように画像の一部が乱れたり送り方向の倍率
が局部的に大きくなるなどの画像ノイズｎが生じる。

【０００５】このような画像ノイズｎが生じるのは、図
６に示すさばき機構ｅと転写位置との距離ｘ１よりもシ
ートｃの搬送方向サイズｘ２が大きい場合である。

【０００６】そこで、この局部的な画像ノイズｎを抑え
るために、図７に示すようにさばきローラｆを支持する
レバーｇ等にソレノイドｊを連結して、前記さばき機構
ｅを抜けるシートｃの先端が感光体ドラムｐによる印字
位置に達する前に、さばきローラｆの紙送り手段ｄへの
圧接力を軽減し、あるいはさばき機構ｅを紙送り機構ｄ
から所定量引き離すようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の給紙装置では、レバーｇ等にソレノイドｊを連結す
るために装置が大がかりなものになり、コストの高いも
のになってしまう。

【０００８】本発明の目的は、簡便で安価でありながら
安定した画像を得られる給紙装置を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の給紙装置は、シート束からピックアップロ
ーラによって送り出されるシートの表面に接してこれを
先へ送る紙送り手段と、この紙送り手段に対向して前記
送り出されるシートに裏面側から圧接し前記シートに重
送されようとする他のシートを停止または逆転を含む紙
送り手段との相対移動状態にて受止め、先への搬送を阻
止するさばき部材とを備えたものにおいて、さばき部材
は軸のまわりに回動する支持部材により支持して紙送り
手段と離接するようにし、前記軸を紙送り手段に同期し
て支持部材のさばき部材を紙送り手段に圧接させる回動
方向と一致する方向に駆動する駆動手段と、前記支持部
材と軸とをトルクリミッタを介して駆動を伝達する駆動
伝達手段とを備えたことを特徴とするものである。

【００１０】このような構成では、紙送り手段が駆動さ
れるのに同期してさばきローラを支持する支持部材の軸
も駆動されるので、この軸の回転がトルクリミッタを介
して支持部材に伝達され、支持部材は軸と同じ方向に回
動してさばき部材を紙送り手段に適度に圧接させるの
で、紙送り手段がピックアップローラによってシート束
から送り出されてくるシートを先へ送れるようになるの
と同時にさばき部材は紙送り手段が先に送るシートに重
送されるシートを受止め先への搬送を阻止するさばき状
態となるので、シートの重送を確実に防止することがで
きる。

【００１１】また、紙送り手段から送り出したシートが
下流側にある搬送手段に到達したとき紙送り手段の駆動
が停止されるのに同期して、前記軸の駆動も停止される
ので、さばき部材を紙送り手段に圧接させる前記軸から
の回動力が前記支持部材に対し働かなくなり、シートが
感光体からの転写位置に達する前にさばき部材が紙送り
手段から離れてシートの搬送抵抗が早期に軽減されるこ
とになり、この状態でシートが転写位置に到達し通過す
るようになるので、シートが転写位置を通過している途
中に搬送抵抗が急激に変化することはなく画像ノイズは
発生しない。

【００１２】要するに、支持部材の支持軸を紙送り手段
と同期駆動させ、この支持軸の回転をトルクリミッタを
介し支持部材に伝達するだけで画像ノイズを防止するこ
とができ、構造および制御共に簡単で従来のソレノイド
を用いてさばき部材の圧接を制御するのもに比しコスト
が低減する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の幾つかの実施の形
態につき図１〜図５を参照しながら説明する。

【００１４】（実施の形態１）本実施の形態は図３に示
すような複写機に本発明を適用している。この複写機は
本体１に、感光体ドラム２と、本体１の上面のプラテン
ガラスの上に載置される原稿を走査して感光体ドラム２
に原稿の画像を露光する走査光学系３と、本体１の下部
に設けられてシート束５からシート５ａを１枚１枚送り
出し、感光体ドラム２上に前記画像露光とその後のトナ
ー現像で形成される画像の転写に供する給紙部６とを備
えている。

【００１５】給紙部６は、図３に示すように、前記シー
ト束５を収容する給紙カセット４と、この給紙カセット
４内のシート束５から最上のシート５ａの表面に接して
図４の（ｂ）に示すように送り出すピックアップローラ
７を備え、このピックアップローラ７の下流には前記送
り出されるシート５ａに重送されようとするシートの進
行を妨げて、シート５ａが１枚だけ送りだされるように
シートをさばくさばき機構８を有している。

【００１６】このさばき機構８はシート束５から送り出
されるシート５ａの表面に図４の（ｂ）に示すように接
して先へ送る紙送りローラ９と、この紙送りローラ９に
対向して前記シート５ａの裏面から図４の（ｂ）に実線
で示すように圧接し、このシート５ａに重送されようと
する他のシートの送り出しを阻止してシート５ａ１枚だ
けが送り出されるようにするさばきローラ１１とを備え
ている。

【００１７】ピックアップローラ７は例えば図４に示す
ように紙送りローラ９の回転軸を中心に回動するレバー
１２により支持して、非給紙時は図４の（ａ）に示すよ
うにシート束５から離され、給紙時に図４の（ｂ）に示
すようにシート束５に圧接するようにする。また、さば
きローラ１１はレバー１３によって支持され、レバー１
３の軸１４を中心とした回動によってさばきローラ１１
を紙送りローラ９に離接させられるようにしている。

【００１８】紙送りローラ９は図示しない機構によっ
て、ピックアップローラ７と同時に駆動され、送り出し
たシート５ａが図３に示す下流の搬送ローラ１５に到達
した時点で駆動を停止される。

【００１９】本実施の形態１では図１に示すように、前
記軸１４を、レバー１３がさばきローラ１１を紙送りロ
ーラ９に圧接させる回動方向と一致する方向に、紙送り
ローラ９と同期して駆動する駆動手段１６を設け、か
つ。この軸１４の回転をトルクリミッタ１７を介してレ
バー１２に伝達するようにしてある。

【００２０】駆動手段１６は紙送りローラ９の回転軸９
ａと軸１４とを連結する一対のギヤ１８、１９で構成さ
れる簡単なものであるが、どのように構成されてもよ
い。トルクリミッタ１７は、本実施の形態の場合、いわ
ゆるキックスプリング２１を採用したものである。しか
し、これに限られることはない。レバー１３は左右一対
あり、これらの先端間に架け渡した軸２２によってさば
きローラ１１を軸支し、各レバー１３の基部にあるボス
部１３ａを前記軸１４に回動自在なように嵌め合わせて
軸支されている。キックスプリング２１はこの一方のボ
ス部１３ａの外周と、このボス部１３ａに対向するよう
に軸１４に嵌め合わせてネジ２３によって固定したカラ
ー２４の図２の（ａ）、（ｂ）に示すようなボス部２４
ａとに図１、図２の（ａ）に示すように跨がり、かつそ
れらの外周との間に所定の巻回圧が得られるように巻回
してある。

【００２１】軸１４が紙送りローラ９に同期して駆動手
段１６の図１の矢印で示す方向に回転駆動されると、こ
の回転はカラー２４のボス部２４ａとこれに巻回してい
るキックスプリング２１との間の前記所定の巻回圧によ
り生じる所定の摩擦力の基にキックスプリング２１のボ
ス部２４ａ側の一端部に伝達される。これによってキッ
クスプリング２１はこの回転を他端部が巻回されている
レバー１３のボス部１３ａとの間の所定の巻回圧による
所定の摩擦力を基にボス部１３ａに伝達する。

【００２２】このとき、キックスプリング２１にはこれ
を巻き締める方向の負荷が掛かり、この負荷がキックス
プリング２１を巻き締めるので、キックスプリング２１
はこれらボス部１３ａ、２４ａとの間で軸１４の回転を
レバー１３に伝達して、レバー１３を軸１４を中心に図
１における時計回りに回動させ、前記所定の巻回圧に基
づく摩擦力を限度にさばきローラ１１を紙送りローラ９
に適度に圧接させる。

【００２３】これによって、ピックアップローラ７の駆
動による給紙開始とともに、さばき機構８はピックアッ
プローラ７によってシート束５から送り出されてくる最
上のシート５ａに他のシートが重送するのを確実に防止
することができる。

【００２４】一方、紙送りローラ９から送り出したシー
ト５ａが下流側にある図３に示す搬送ローラ１５に到達
したとき紙送りローラ９の駆動がピックアップローラ７
とともに停止されるのに同期して、前記軸１４の駆動手
段１６による駆動も停止されるので、さばきローラ１１
を紙送りローラ９に圧接させる前記軸１４からの回動力
が前記レバー１３に対し働かなくなり、シート５ａが感
光体ドラム２からの転写位置に達する前にさばきローラ
１１が紙送りローラ９から離れてシート５ａの搬送抵抗
が早期に軽減されることになり、この状態でシート５ａ
が転写位置に到達し通過するようになるので、シート５
ａが転写位置を通過しているときに搬送抵抗が急激に軽
減するようなことはなく画像ノイズは発生しない。

【００２５】要するに、レバー１３の支持軸１４を紙送
りローラ９と同期駆動させ、この支持軸１４の回転をト
ルクリミッタ１７を介しレバー１３に伝達するだけで画
像ノイズを防止することができ、構造および制御共に簡
単で従来のソレノイドを用いてさばき部材の圧接を制御
するものに比しコストが低減する。

【００２６】なお、本実施の形態のさばきローラ１１は
レバー１３との間にフリクションスプリング３１を働か
せることにより、さばきローラ１１の回転を適度に制動
し、紙送りローラ９に圧接するときはこれに従転できる
が、双方間にシート５ａを受け入れると前記制動によっ
てほとんど回転しない状態となり、このときのさばきロ
ーラ１１の紙送りローラ９に対する相対移動により、紙
送りローラ９によって送り出される１枚のシート５ａに
重送しようとする他のシートを受止め、これが先に送ら
れるのを阻止するようにしてある。

【００２７】もっとも、ピックアップローラの形態、支
持構造は種々に変更することができるし、紙送りローラ
９もベルトタイプのものに変更することもできる。さら
に、さばきローラ１１は逆転によりさばき機能を発揮す
るようにすることができるし、回転しないさばきパッド
等に変更してもよい。また、軸の回転でトルクリミッタ
１７を介しさばきローラ１１等のさばき部材を紙送りロ
ーラ９等の紙送り手段に対し圧接させ、回転の停止で離
れるようにできるものであれば、レバー１３に代わる各
種の支持部材およびトルクリミッタを採用できるのは勿
論である。

【００２８】（実施の形態２）本実施の形態２は図５に
示すように、紙送りローラ９とさばきローラ１１とのニ
ップ線Ｙの高さよりも、紙送りローラー９の側にレバー
１２の回転中心、従って軸１４を位置させた点で、実施
の形態１と異なる。従って、実施の形態１と同一の部材
には同一の符号を付し、重複する図示および説明は省略
する。

【００２９】このようにすると、さばきローラ１１の紙
送りローラ９への圧接負荷がレバー１３を軸１４を中心
に時計回りに回転させるトルクとなるので、さばきロー
ラー１１の紙送りローラ９への圧着解除はよりスムーズ
に行われる。

【００３０】

【発明の効果】本発明の給紙装置によれば、支持部材の
支持軸を紙送り手段と同期駆動させ、この支持軸の回転
をトルクリミッタを介し支持部材に伝達するだけで画像
ノイズを防止することができ、構造および制御共に簡単
で従来のソレノイドを用いてさばき部材の圧接を制御す
るのもに比しコストが低減する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１としての給紙装置を示す
斜視図。

【図２】図１の装置のトルクリミッタ部分を示す平面図
および分解斜視図。

【図３】図１の装置を採用した画像形成装置の縦断面
図。

【図４】図３の画像形成装置での図１の装置の非給紙
時、および給紙時の各状態を示す側面図。

【図５】本発明の実施の形態２としての給紙装置を示す
側面図。

【図６】従来の画像形成装置の概略図。

【図７】図６の画像形成装置の給紙部の概略図。

【符号の説明】

５ シート束 ５ａ シート ７ ピックアップローラ ８ さばき機構 ９ 紙送りローラ １１ さばきローラ １３ レバー １４ 軸 １５ 搬送ローラ １６ 駆動手段 ２１ キックスプリング ２４ カラー １３ａ、２４ａ ボス部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート束からピックアップローラによっ
   て送り出されるシートの表面に接してこれを先へ送る紙
   送り手段と、この紙送り手段に対向して前記送り出され
   るシートに裏面側から圧接し前記シートに重送されよう
   とする他のシートを停止または逆転を含む紙送り手段と
   の相対移動状態にて受止め、先への搬送を阻止するさば
   き部材とを備えた給紙装置において、 さばき部材は軸のまわりに回動する支持部材により支持
   して紙送り手段と離接するようにし、前記軸を紙送り手
   段に同期して支持部材のさばき部材を紙送り手段に圧接
   させる回動方向と一致する方向に駆動する駆動手段と、
   前記支持部材と軸とをトルクリミッタを介して駆動を伝
   達する駆動伝達手段とを備えたことを特徴とする給紙装
   置。