JPH10143891A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JPH10143891A
JPH10143891A JP8307336A JP30733696A JPH10143891A JP H10143891 A JPH10143891 A JP H10143891A JP 8307336 A JP8307336 A JP 8307336A JP 30733696 A JP30733696 A JP 30733696A JP H10143891 A JPH10143891 A JP H10143891A
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JP
Japan
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support shaft
objective lens
sliding
bearing body
driving device
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Application number
JP8307336A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Marumo
浩昌 丸茂
Yasushi Mizusaki
康史 水嵜
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズの傾きを抑えるべく摺動隙間を詰
めた場合でも、摺動性を向上して所望の摺動特性を得る
と共に、対物レンズの傾きをさらに低減して高精度に読
み書きを行う。 【解決手段】 軸受体12を樹脂成形体より構成し摺動
性を向上する一方で、軸受体12の半径方向内側に突出
する少なくとも2個の突起部12aを支持軸5に当接す
る構成により、周及び軸方向の当接面積を低減し当該方
向の摺動抵抗を低減して摺動性を向上すると共に摺動面
の寸法精度を周方向全体に確保する必要をなくし周方向
の寸法精度を確保しやすくして摺動性を向上し、且つ軸
受体12を2個に分割して短くする構成により、軸方向
の当接面積を低減し軸方向の摺動抵抗を低減して摺動性
を向上すると共に軸方向の寸法精度を確保しやすくして
摺動性を向上し、さらに摺動面に微小な凹凸が存在する
確率を低減して凹凸による軸受体12の傾きを低減する
ように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズ駆動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学式記録再生装置としての例え
ば光ディスク装置等においては、ディスクに対して情報
信号を書き込み、またこれを読み取るために、ディスク
の情報ピットにレーザビームを正確に集光させる対物レ
ンズ駆動装置が備えられている。この対物レンズ駆動装
置としては、対物レンズを保持したレンズホルダを、支
持軸に回動可能且つ軸方向に沿って移動可能に支持し
て、ディスクに対してトラッキングやフォーカシングを
行う所謂軸摺動型のものが知られている。
【0003】このような軸摺動型の対物レンズ駆動装置
では、ディスク面に対する高度な追従性が要求されるた
め、支持軸とこの支持軸が挿入される軸受の摺動性を極
めて高くする必要がある。
【0004】そこで、このような要求を満足するよう
に、例えば特開平4−318335号公報においては、
軸受を摺動性を有する合成樹脂材より構成する提案がな
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、例え
ばCD−ROM等の装置では、装置の薄型化の要求によ
り、軸受を軸方向に短くする傾向にある。しかしなが
ら、このように軸受を軸方向に短くすると、該支持軸に
対する軸受の傾きを抑えることが困難となり、その結果
対物レンズがディスクに対して傾いてしまい、高精度に
読み書きを行うことが不可能となる。
【0006】そこで、軸受の支持軸に対する軸受隙間
を、摺動面(内周面)全体に渡って正確に詰めて(小さ
くして)軸受の傾きを抑える必要があるが、例えば特開
平4−318335号公報に記載されているように、樹
脂形成品で軸受を構成した場合には、軸受の摺動面の寸
法精度を確保するのが難しく、しかも軸受隙間を上述の
ように詰めているため、摺動性が悪化することになり、
所望の摺動特性(ヒステリシス)を得られないといった
問題があった。
【0007】また、軸受の形状が、軸方向に長い形状を
呈しているため、当該軸受の摺動面の円筒度を軸方向全
体に渡って確保するのが難しく、このようなことからも
摺動性が悪化し、しかもこのように軸受の摺動面が軸方
向に長いと、摺動面に微小な凹凸が存在する確率が高く
なり、この微小な凹凸により、支持軸に対して軸受が傾
かないように軸受隙間を詰めても当該軸受と共に対物レ
ンズが支持軸に対して傾いてしまうと共に摺動性がさら
に悪化する畏れがある。
【0008】上記のような問題は、特にDVDに代表さ
れるような記録密度の増加に伴いディスクに対する対物
レンズの傾きをより厳しく抑える必要がある装置に対し
て、より顕著となる。
【0009】そこで本発明は、対物レンズの傾きを抑え
るべく摺動隙間を詰めた場合でも、摺動性を向上でき所
望の摺動特性を得ることができると共に、対物レンズの
傾きをさらに低減でき高精度に読み書きを行うことがで
きる対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保
持し支持軸を中心に回動可能且つ前記支持軸方向に移動
可能なレンズホルダを、駆動機構によって前記支持軸を
中心に回動且つ前記支持軸方向に移動させるように構成
した対物レンズ駆動装置において、前記レンズホルダの
前記支持軸方向の2箇所に、樹脂成形体よりなる軸受体
を固着すると共に、当該軸受体に前記支持軸を挿通し、
前記軸受体に、半径方向内側に突出して前記支持軸に当
接する突起部を少なくとも2個形成したことを特徴とし
ている。
【0011】上記目的を達成するために、請求項2の対
物レンズ駆動装置は、請求項1に加えて、軸受体は、P
PSまたは液晶樹脂に、PTFEを20%〜60%添加
したものである。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3の対
物レンズ駆動装置は、請求項1または2に加えて、レン
ズホルダに支持軸が挿通可能な貫通孔を設け、このレン
ズホルダの貫通孔の両端に、軸受体を取付け保持するた
めの段部を形成すると共に、当該段部に前記軸受体を固
着し、軸受体に形成される突起部の前記支持軸に当接す
る面を、曲面としたことを特徴としている。
【0013】上記目的を達成するために、請求項4の対
物レンズ駆動装置は、請求項1乃至3の何れか一つに加
えて、レンズホルダには、少なくとも2個の突起部を支
持軸に押し付ける方向の側圧が付与されていることを特
徴としている。
【0014】このような本発明における対物レンズ駆動
装置によれば、軸受体が樹脂成形体より構成されるた
め、摺動性が向上される。また、軸受体の半径方向内側
に突出する少なくとも2個の突起部が支持軸に当接する
ため、周方向及び軸方向の当接(摺動)面積が低減され
周方向及び軸方向の摺動抵抗が低減されて摺動性が向上
されると共に、摺動面の寸法精度を周方向全体に確保す
る必要がなく従来技術に比して周方向の寸法精度が確保
されやすくなって摺動性が向上される。また、軸受体が
2個に分割されて従来技術に比して短くされ得るため、
軸方向の当接面積が低減されて軸方向の摺動抵抗が低減
されて摺動性が向上されると共に、従来技術に比して軸
方向の寸法精度が確保されやすくなって摺動性が向上さ
れ、且つ摺動面に微小な凹凸が存在する確率が従来技術
に比して低減され、この凹凸による軸受体の傾きの畏れ
が低減されるようになる。
【0015】この時、特に請求項2の対物レンズ駆動装
置によれば、軸受体を、PPSまたは液晶樹脂に、PT
FEを20%〜60%添加して構成するようにしている
ため、軸受体の突起部の仮想円筒度及びヒステリシス
(約100μm以下)が共に満足されるようになる。
【0016】この時また、特に請求項4の対物レンズ駆
動装置によれば、レンズホルダに、少なくとも2個の突
起部を支持軸に押し付ける方向の側圧が付与されている
ため、支持軸と突起部との間のガタがなくされて軸受体
及び対物レンズの傾きがより抑えられるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1乃至図5は本発明の一実施形態
における対物レンズ駆動装置を表したものであり、本実
施形態の対物レンズ駆動装置1は概略、対物レンズ2を
保持するレンズホルダ3と、このレンズホルダ3に設け
られた軸受用孔の両端に固定される2個の軸受体12,
12と、この軸受体12,12に挿入されて該レンズホ
ルダ3を支持する支持軸5と、を備えている。
【0018】レンズホルダ3は高弾性樹脂より形成され
ている。この高弾性樹脂としては、本実施形態において
は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)にフィラー
としてカーボンファイバーを40%、他の無機物を30
%混入したものが用いられているが、例えばエポキシ樹
脂、LCP等のそのものの曲げ弾性率が高い樹脂を単体
で用いても良く、また例えばPEEK、PES、PB
T、LCP、フェノール等にフィラーを所定量混入して
曲げ弾性率を高くした高弾性樹脂としても良い。そし
て、このフィラーの混入率は樹脂成形可能な範囲で高め
ることが望ましく、その混入率を高めて曲げ弾性率が3
0GPa(ギガパスカル)以上となる高弾性樹脂とする
か、若しくは樹脂単体の曲げ弾性率が30GPa以上と
なる高弾性樹脂を用いることによって、レンズホルダ3
の高次共振周波数を、高速化が図れる所望のレベルまで
高くすることができる。
【0019】レンズホルダ3の略中央には光軸方向(図
2における上下方向;支持軸方向)に沿って軸受用孔3
aが貫通形成されており、この軸受用孔3aの両端部に
は、当該軸受孔3aよりその外径が大きくされた段部3
bがそれぞれ形成されている。そして、これらレンズホ
ルダ3の段部3bには、摺動性を高め得る樹脂成形体よ
りなる軸受体12がそれぞれ固着されている。この樹脂
成形体よりなる軸受体12は、本実施形態においては、
PPS(ポリフェニレンサルファイド)または液晶樹脂
に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を20%
〜60%添加したものであり、これら材質及び配合割合
により、ヒステリシス及び寸法精度を高め得るようにな
っている(詳しくは後述)。
【0020】なお、本実施形態においては、軸受体12
を、段部3bに嵌め込んで接着剤等により固定するよう
にしているため、組立を簡易に行うことが可能となって
いる。因に、軸受体12を、レンズホルダ3の段部3b
に対して圧入固定することも可能であり、またレンズホ
ルダ3に対してインサート成形することも可能である。
【0021】上記樹脂成形体よりなる軸受体12,12
は、図3及び図4に拡大して示されるように、半径方向
内側に突出する突起部12aを3個有している。これら
突起部12aは、軸方向(図3における紙面に垂直な方
向、図4における上下方向)に沿って略半円筒形状をな
しその円筒曲面が半径方向内側に突出するように形成さ
れていると共に、周方向における3等配の位置に形成さ
れている。なお、これら突起部12aの配設位置は、3
等配の位置に限定されるものではない。
【0022】上記突起部12a〜12aの間(突起部1
2a〜12aより内側の空間)には、外ヨーク9の底部
略中央に立設固定された支持軸5が各突起部12aに対
して微小隙間を有するように挿入されている。この微小
隙間は、支持軸5に対して軸受体12が傾かない程度の
微小隙間となっている。
【0023】すなわち、本実施形態では、該支持軸5の
外周面と上記突起部12aの円筒曲面とが当接(接触)
するように構成されている。従って、対物レンズ2の傾
きを抑えるべく、上述のように、摺動隙間が微小隙間と
なるように詰められていても、周方向及び軸方向の当接
(摺動)面積が従来技術に比して低減され摺動抵抗が低
減されて摺動性が向上されていると共に、軸受体12の
摺動面の寸法精度を従来技術のように周方向全体に確保
する必要がなく上記突起部12aの円筒曲面のみの精度
が確保されれば良く、当接面の寸法精度が高精度に確保
されて摺動性が向上されるようになっている。
【0024】また、上述したように、軸受体12が2個
に分割されて従来技術に比して短くされるように構成さ
れている。従って、対物レンズ2の傾きを抑えるべく、
摺動隙間が微小隙間となるように詰められていても、軸
方向の当接面積が従来技術に比して低減され摺動抵抗が
低減されて摺動性が向上されていると共に、この短くさ
れた分従来技術に比して軸方向の寸法精度が高精度に確
保されやすくされ摺動性が向上されており、且つ摺動面
に微小な凹凸が存在する確立が低減されて軸受体12の
支持軸5に対する傾きがより低減されるようになってい
る。
【0025】ここで、本実施形態においては、上記支持
軸5はSUSから構成されているが、他の金属材料また
は非金属材料から構成することも可能である。そして、
その表面に摺動性樹脂をコーティングすることにより、
軸受体12との摺動性をより高めることができる。
【0026】また、本実施形態においては、樹脂成形体
よりなる軸受体12が、上述したように、PPSまたは
液晶樹脂に、PTFEを20%〜60%添加したものと
なっている。これは、図6に示されるように、軸受体1
2を、PPSまたは液晶樹脂に、PTFEを20%以上
添加したものとすれば、ヒステリシスを100μm以下
とすることができ、PPSまたは液晶樹脂に、PTFE
を60%以下添加したものとすれば、上記3個の突起部
12aの頂点を結んだ仮想円の円筒度を3μm以下とす
ることができるからである。すなわち、軸受体12を、
PPSまたは液晶樹脂に、PTFEを20%〜60%添
加したものとすることによって、所望のヒステリシス及
び寸法精度が得られるようになっている。因に、このP
TFE含有量は50%とするのがより好ましい。そし
て、軸受体12の軸方向長さを3mm程度とした場合、
上記仮想円の内周と支持軸5の外周との差を7mm以下
に設定することで、対物レンズ2の傾きを15分以内に
抑えることができる。
【0027】上記レンズホルダ3には、支持軸5を中心
にして対物レンズ2の反対側にバランサ6が固着されて
いる。レンズホルダ3の外周面には、支持軸5を挟んで
対称位置に、一対のフォーカシング用駆動コイル8,8
及び一対のトラッキング用駆動コイル7,7がそれぞれ
固着されている。
【0028】上記支持軸5を固定する外ヨーク9は、支
持軸5を挟んで対称位置に位置する外周縁部が直角に折
り曲げられて上記駆動コイル7,8と対向するようにそ
れぞれ立ち上がっており、この各立ち上がり部分には、
上記駆動コイル7,8に対向する一対のマグネット1
0,10がそれぞれ固定されている。このマグネット1
0は、フォーカシング用駆動コイル8に対向するフォー
カシング用マグネット10bと、トラッキング用駆動コ
イル7に対向するトラッキング用マグネット10aと、
からなる。フォーカシング用マグネット10bは、N極
とS極が支持軸方向に並ぶように分極着磁され、一方ト
ラッキング用マグネット10aは、N極とS極が周方向
に並ぶように分極着磁されている。
【0029】上記外ヨーク9の底部上には、内ヨーク1
1が該外ヨーク9に重なるようにして取り付けられてお
り、この内ヨーク11における支持軸5を挟んで対称位
置に位置する外周縁部であって上記駆動コイル7,8よ
り内側に位置する外周縁部が、レンズホルダ3に設けら
れた開口部に介挿されるように直角にそれぞれ折り曲げ
られて立ち上がっている。以上のようにして、内側から
順に、内ヨーク11、各駆動コイル7,8、マグネット
10、外ヨーク9が支持軸5を中心とする対称位置に配
置されて、これらを通る略閉磁路が形成される構成にな
されている。
【0030】なお、内ヨーク11の上記トラッキング用
駆動コイル7に対向する部分はなくても良く、さらにま
た内ヨーク11自体なくても良い。
【0031】本実施形態の対物レンズ駆動装置はまた、
図1及び図5に示されるように、側圧付与手段としての
磁性片13a,13bを有している。これらの磁性片1
3a,13bは、レンズホルダ3の外周面においてフォ
ーカシング用マグネット10bの磁極中心10c,10
dに対向する位置からそれぞれ逆方向に角度θずれた位
置に固着されている。すなわち、磁性片13aは、図示
上側のフォーカシング用マグネット10bの磁極中心1
0cから反時計方向に角度θずれた位置に固着され、磁
性片13bは、図示下側のフォーカシング用マグネット
10bの磁極中心10cから時計方向に角度θずれた位
置に固着されている。
【0032】そして、フォーカシング用駆動コイル8,
8に、所定の駆動電流を流すことにより、この駆動電流
と磁気回路内の磁束とによって推力が発生し、レンズホ
ルダ3がその光軸方向(支持軸5に沿って)に移動して
フォーカシング動作が行われ、またトラッキング用駆動
コイル7,7に、所定の駆動電流を流すことにより、こ
の駆動電流と磁気回路内の磁束とによって推力が発生
し、レンズホルダ3が支持軸5を中心として揺動、すな
わちトラッキング方向に移動してトラッキング動作が行
われる。
【0033】この時、レンズホルダ3は、上述したよう
に、樹脂成形体より形成されて摺動性が向上されている
と共に、周方向及び軸方向の当接(摺動)面積が従来技
術に比して低減され摺動抵抗が低減されて摺動性が向上
され、しかも摺動面の寸法精度が高精度に確保されて摺
動性が向上された、すなわち所望の摺動特性を有する軸
受体12,12を介して支持軸5に対して移動するた
め、その移動は素早く円滑になされる。この時また、上
述したように、摺動隙間が微小隙間にされているため、
対物レンズ2のディスク面に対する傾きが低減され、高
精度に読み書きがなされる。また、レンズホルダ3は、
上述したように、凹凸による支持軸5に対する傾きが低
減され得る軸受体12,12を介して支持軸5に対して
移動するため、対物レンズ2のディスク面に対する傾き
がより抑えられ、より高精度に読み書きがなされる。
【0034】また、この時、上記磁性片13a,13b
とフォーカシング用マグネット10bとの間には、磁気
吸引力が作用する。すなわち、磁性片13a,13b
は、上述したように、フォーカシング用マグネット10
bの磁極中心10c,10dに対向した位置よりも角度
θずれた位置に配設されているため、磁性片13bには
図示上側のフォーカシング用マグネット10bによる時
計回りの磁気吸引力が作用し、磁性片13bには図示下
側のフォーカシング用マグネット10bによる反時計回
り磁気吸引力が作用し、レンズホルダ3には、図5に示
されるように、上記各磁気吸引力を合成した磁気吸引力
(側圧)Fが作用する。その結果、当該側圧Fにより、
上記突起部12aのうちの図示左側の2個の突起部が支
持軸5に対して横方向に押し付けられることになる。
【0035】すなわち、上記側圧Fにより、支持軸5と
突起部12aとの間のガタがなくされて軸受体12の支
持軸5に対する傾きが抑えられ、その結果対物レンズ2
がディスク面に対して傾くことはなく、さらに高精度に
読み書きがなされる。
【0036】ここで、トラッキング動作に関しては、回
動角度範囲が小さいため、その接線方向(図5における
符号X)をトラッキング方向と見做すことができる。従
って、側圧Fはトラッキング方向に対して直交する方向
に発生することになり、側圧Fがトラッキング動作を妨
げることはない。
【0037】そして、駆動コイル7,8の励磁が解除さ
れると、フォーカシング用マグネット10bが各磁性片
13a,13bをそれぞれ周方向に磁気吸引する力が釣
り合い、これによって、レンズホルダ1は、トラッキン
グ方向の中立位置に保持される。
【0038】この時、当該磁性片13a,13bは、フ
ォーカシング用マグネット10bの上下方向における分
極着磁部分に対向する位置に磁気吸引され、これによっ
て、レンズホルダ1は、フォーカシング方向の中立位置
に保持される。
【0039】このように、本実施形態においては、対物
レンズ2の傾きを抑えるべく摺動隙間を詰めた場合で
も、摺動性を向上し得ると共に、対物レンズ2の傾きを
さらに低減し得るように構成しているため、所望の摺動
特性を得ることが可能となっていると共に、高精度に読
み書きを行うことが可能となっている。
【0040】また、レンズホルダ3に、突起部12aを
支持軸5に押し付ける方向の側圧Fを付与し、支持軸5
と突起部12aとの間のガタをなくして軸受体12の支
持軸5に対する傾きをなくすように構成しているため、
対物レンズ2のディスク面に対する傾きを抑えることが
でき、より高精度に読み書きを行うことが可能となって
いる。この時、上記側圧Fの付与により、その都度摺動
箇所が変わるのではなく該摺動箇所が限定されることに
なるため、レンズホルダ3がより安定して移動すること
が可能となっている。
【0041】また、支持軸5と軸受体12との間に、摺
動隙間以外の隙間14(図3及び図4参照)を有するよ
うに構成しているため、当該隙間14により、軸受体1
2内の塵芥や発生した摩耗粉を良好に軸受体12外に除
去でき、焼き付き等の防止を図ることが可能となってい
る。
【0042】さらにまた、レンズホルダ3を高弾性樹脂
により形成しているため、レンズホルダ3の弾性率を向
上でき、レンズホルダ3の高次共振周波数を高速化が図
れる所望のレベルまで高くできるようになっている。
【0043】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、側圧付与手段を磁性片
13a,13bとしているが、機械的な機構によりレン
ズホルダ3に側圧Fを与えるようにしても良い。
【0044】また、摺動隙間は上述した値に限定される
ものではなく、例えば軸受体12の軸方向の長さや対物
レンズ2の傾きの許容レベル等により変える必要があ
る。なお、記録密度が高い例えばDVDに適用する場合
にあっては、軸受体12の軸方向の長さを同一とする
と、摺動隙間を約半分にする必要がある。
【0045】また、上記実施形態においては、突起部1
2aを略半円筒形状とし、支持軸5が軸方向に沿って線
接触(当接)するようにしているが、例えば略半球形状
とし、支持軸5が点接触するようにしても良い。
【0046】また、上記実施形態においては、突起部1
2aを3個としているが、これに限定されるものではな
く、少なくとも2個以上であれば、本発明効果を得るこ
とができる。
【0047】なお、突起部12aを2個とし、これら突
起部が180°離間した位置に配設されている場合に
は、本発明の適用範囲外となる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の対物レンズ
駆動装置は、軸受体を樹脂成形体より構成し、摺動性を
向上する一方で、軸受体の半径方向内側に突出する少な
くとも2個の突起部を支持軸に当接するという構成を採
用することによって、周方向及び軸方向の当接(摺動)
面積を低減し周方向及び軸方向の摺動抵抗を低減して摺
動性を向上すると共に、摺動面の寸法精度を周方向全体
に確保する必要をなくして従来技術に比して周方向の寸
法精度を確保しやすくして摺動性を向上し、さらに、軸
受体を2個に分割して従来技術に比して短くし得るとい
う構成を採用することによって、軸方向の当接面積を低
減し軸方向の摺動抵抗を低減して摺動性を向上すると共
に、従来技術に比して軸方向の寸法精度を確保しやすく
して摺動性を向上し、且つ摺動面に微小な凹凸が存在す
る確率を従来技術に比して低減して、この凹凸による軸
受体の傾きの畏れを低減するように構成したものである
から、対物レンズの傾きを抑えるべく摺動隙間(支持軸
と突起部との間の隙間)を詰めた場合でも、所望の摺動
特性を得ることが可能となると共に、対物レンズの傾き
をさらに低減でき高精度に読み書きを行うことが可能と
なる。
【0049】特に、請求項2の対物レンズ駆動装置は、
軸受体を、PPSまたは液晶樹脂に、PTFEを20%
〜60%添加して構成したものであるから、軸受体の突
起部の仮想円筒度(約3μm以下)及びヒステリシス
(約100μm以下)を共に満足することが可能とな
る。
【0050】また特に、請求項4の対物レンズ駆動装置
は、レンズホルダに、少なくとも2個の突起部を支持軸
に押し付ける方向の側圧を付与し、支持軸と突起部との
間のガタをなくして軸受体の傾きを抑え得るように構成
したものであるから、本発明効果を一層高めることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における対物レンズ駆動装
置を表した平面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示した支持軸及び軸受体を拡大して表し
た平面図である。
【図4】図3中のB−B線に沿う断面図である。
【図5】レンズホルダに側圧を付与した際の状態を表し
た模式平面図である。
【図6】PPSまたは液晶樹脂に添加されるPTFEの
量と突起部の仮想円筒度とヒステリシスとの関係を表し
た特性図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置 2 対物レンズ 3 レンズホルダ 3a 貫通孔 3b 段部 5 支持軸 12 軸受体 12a 突起部 13a,13b 磁性片 F 側圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを保持し支持軸を中心に回動
    可能且つ前記支持軸方向に移動可能なレンズホルダを、
    駆動機構によって前記支持軸を中心に回動且つ前記支持
    軸方向に移動させるように構成した対物レンズ駆動装置
    において、 前記レンズホルダの前記支持軸方向の2箇所に、樹脂成
    形体よりなる軸受体を固着すると共に、当該軸受体に前
    記支持軸を挿通し、 前記軸受体に、半径方向内側に突出して前記支持軸に当
    接する突起部を少なくとも2個形成したことを特徴とす
    る対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 軸受体は、PPSまたは液晶樹脂に、P
    TFEを20%〜60%添加したものである請求項1記
    載の対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 レンズホルダに支持軸が挿通可能な貫通
    孔を設け、 このレンズホルダの貫通孔の両端に、軸受体を取付け保
    持するための段部を形成すると共に、当該段部に前記軸
    受体を固着し、 軸受体に形成される突起部の前記支持軸に当接する面
    を、曲面としたことを特徴とする請求項1または2記載
    の対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 レンズホルダには、少なくとも2個の突
    起部を支持軸に押し付ける方向の側圧が付与されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の
    対物レンズ駆動装置。
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