JPH10143888A - 対物レンズ駆動装置及び対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法 - Google Patents

対物レンズ駆動装置及び対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法

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JPH10143888A
JPH10143888A JP30733596A JP30733596A JPH10143888A JP H10143888 A JPH10143888 A JP H10143888A JP 30733596 A JP30733596 A JP 30733596A JP 30733596 A JP30733596 A JP 30733596A JP H10143888 A JPH10143888 A JP H10143888A
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JP
Japan
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sliding gap
support shaft
sliding
objective lens
lens holder
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Application number
JP30733596A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Marumo
浩昌 丸茂
Yasushi Mizusaki
康史 水嵜
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の微小摺動隙間を安定して得、対物レン
ズの傾きを抑え得ると共に、摺動面の摺動抵抗を低減
し、所望の摺動特性を得る。 【解決手段】 支持軸5に対して所定の摺動隙間分外周
を大きくしたダミー軸17に対して、軸方向の2箇所に
おいて少なくとも2個の摺動隙間設定部材16をそれぞ
れ当接してレンズホルダ側12に固定し、このダミー軸
17に代えて支持軸5を挿入して、支持軸5と摺動隙間
設定部材17との間に、所定の微小摺動隙間Pを形成可
能とし、当該所定の微小摺動隙間Pを安定して得るよう
に構成すると共に、軸方向の2箇所に配設した摺動隙間
設定部材17の支持軸5に対向する部分のさらに一部を
摺動面とし、従来技術に比して摺動面積を大幅に低減し
て摺動抵抗を低減するように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズ駆動装
置及び対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光学式記録再生装置としての例え
ば光ディスク装置等においては、ディスクに対して情報
信号を書き込み、またこれを読み取るために、ディスク
の情報ピットにレーザビームを正確に集光させる対物レ
ンズ駆動装置が備えられている。この対物レンズ駆動装
置としては、対物レンズを保持したレンズホルダを、支
持軸に回動可能且つ軸方向に沿って移動可能に支持し
て、ディスクに対してトラッキングやフォーカシングを
行う所謂軸摺動型のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、例え
ばCD−ROM等の装置では、装置の薄型化の要求によ
り、レンズホルダを軸方向に短くする傾向にあり、上記
支持軸が挿入される軸受部も軸方向に短くなってきてい
る。
【0004】しかしながら、このように軸受部を軸方向
に短くすると、支持軸に対する軸受部の傾きを抑えるこ
とが困難となり、その結果対物レンズがディスクに対し
て傾いてしまい、高精度に読み書きを行うことが不可能
となる。
【0005】上記のような問題は、特にDVDに代表さ
れるような記録密度の増加に伴いディスクに対する対物
レンズの傾きをより厳しく抑える必要がある装置に対し
て、より顕著となる。
【0006】そこで、軸受部の支持軸に対する軸受隙間
(摺動隙間)を詰めて微小隙間として、上記軸受部の傾
きを抑える必要があるが、このような微小隙間を安定し
て得ることは難しく、特に軸受部(レンズホルダ)を、
例えば摺動性向上のために樹脂により成形している場合
には、上記微小隙間を安定して得ることは困難である。
【0007】また、上記従来装置においては、軸受部の
摺動面積が大きいため、必然的に摺動抵抗が大きくな
り、所望の摺動特性(ヒステリシス)を得られないとい
った問題もある。
【0008】そこで本発明は、所定の微小摺動隙間を安
定して得ることができ、対物レンズの傾きを抑えること
ができると共に、摺動面の摺動抵抗を低減でき、所望の
摺動特性を得ることができる対物レンズ駆動装置及び対
物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の対物レンズ駆動装置は、 対物レンズを
保持したレンズホルダと、このレンズホルダに設けられ
た軸受孔に挿入される支持軸と、を備え、前記レンズホ
ルダを前記支持軸を中心に回動可能且つ前記支持軸方向
に移動可能に前記支持軸に支持してなる対物レンズ駆動
装置において、前記レンズホルダの前記支持軸方向の2
箇所にそれぞれ設けられた少なくとも2個のガイド部
と、前記支持軸に対して所定の摺動隙間分外周が大きく
されたダミー軸が前記軸受孔に挿入された時に、前記ガ
イド部にガイドされながら移動されて前記ダミー軸に当
接した状態で前記レンズホルダ側に固定されることによ
って、該ダミー軸に代えて前記軸受孔に挿入された前記
支持軸に対して前記所定の摺動隙間を有する少なくとも
2個の摺動隙間設定部材と、を具備した。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2の対
物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法は、対物レンズ
を保持したレンズホルダと、このレンズホルダに設けら
れた軸受孔に挿入される支持軸と、を備え、前記レンズ
ホルダを前記支持軸を中心に回動可能且つ前記支持軸方
向に移動可能に前記支持軸に支持してなる対物レンズ駆
動装置において、前記支持軸に対する摺動隙間を設定す
る方法であって、前記レンズホルダの前記支持軸方向の
2箇所に少なくとも2個のガイド部をそれぞれ設けると
共に、このガイド部に対応して摺動隙間設定部材を配設
し、前記支持軸に対して所定の摺動隙間分外周が大きく
されたダミー軸を前記軸受孔に挿入すると共に、前記ガ
イド部でガイドしながら前記摺動隙間設定部材を移動
し、前記ダミー軸に対して前記摺動隙間設定部材が当接
したら、当該位置で該摺動隙間設定部材を前記レンズホ
ルダ側に固定し、前記ダミー軸に代えて前記支持軸を前
記軸受孔に挿入して、当該支持軸と前記摺動隙間設定部
材との間に前記所定の摺動隙間を設けるようにしたこと
を特徴としている。
【0011】上記目的を達成するために、請求項3の対
物レンズ駆動装置または対物レンズ駆動装置の軸摺動隙
間設定方法は、請求項1または2に加えて、レンズホル
ダには、少なくとも2個の摺動隙間設定部材を支持軸に
押し付ける方向の側圧が付与されることを特徴としてい
る。
【0012】このような本発明における対物レンズ駆動
装置または対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法に
よれば、支持軸に対して所定の摺動隙間分外周が大きく
されたダミー軸に対して、軸方向の2箇所において少な
くとも2個の摺動隙間設定部材がそれぞれ当接されてレ
ンズホルダ側に固定され、このダミー軸に代えて支持軸
が挿入される。従って、支持軸と摺動隙間設定部材との
間には、所定の微小摺動隙間が形成され、当該所定の微
小摺動隙間が安定して得られるようになると共に、軸方
向の2箇所に配設された摺動隙間設定部材の支持軸に対
向する部分のさらに一部が摺動面にされ、従来技術に比
して摺動面積が大幅に低減されて摺動抵抗が低減され
る。また、摺動隙間設定部材が、ガイド部にガイドされ
ながら移動されて固定されるため、当該移動、固定作業
が、簡易になされる。
【0013】この時、特に請求項3の対物レンズ駆動装
置または対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法によ
れば、レンズホルダに、少なくとも2個の摺動隙間設定
部材を支持軸に押し付ける方向の側圧が付与されている
ため、支持軸と摺動隙間設定部材との間のガタがなくさ
れて、対物レンズの傾きが抑えられるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1乃至図5は本発明の一実施形態
における対物レンズ駆動装置を表したものであり、本実
施形態の対物レンズ駆動装置1は概略、対物レンズ2を
保持するレンズホルダ3と、このレンズホルダ3を光軸
方向(図示上下方向)に貫く貫通孔3aの両端に固定さ
れた中空円筒形状の2個の支持体12,12と、この支
持体12の外部側の面(図示上側の支持体では図示上
面、図示下側の支持体では図示下面)に設けられた複数
のV溝ガイド(ガイド部)15と、このV溝ガイド15
に当接した状態で当該V溝ガイド15側に固定された摺
動隙間設定部材としての球体16と、この球体16間に
挿入されて上記レンズホルダ3を支持する支持軸5と、
を備えている。
【0015】レンズホルダ3は高弾性樹脂より形成され
ている。この高弾性樹脂としては、本実施形態において
は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)にフィラー
としてカーボンファイバーを40%、他の無機物を30
%混入したものが用いられているが、例えばエポキシ樹
脂、LCP等のそのものの曲げ弾性率が高い樹脂を単体
で用いても良く、また例えばPEEK、PES、PB
T、LCP、フェノール等にフィラーを所定量混入して
曲げ弾性率を高くした高弾性樹脂としても良い。そし
て、このフィラーの混入率は樹脂成形可能な範囲で高め
ることが望ましく、その混入率を高めて曲げ弾性率が3
0GPa(ギガパスカル)以上となる高弾性樹脂とする
か、若しくは樹脂単体の曲げ弾性率が30GPa以上と
なる高弾性樹脂を用いることによって、レンズホルダ3
の高次共振周波数を、高速化が図れる所望のレベルまで
高くすることができる。
【0016】レンズホルダ3の略中央には光軸方向に沿
って貫通孔3aが貫通形成されており、この貫通孔3a
の両端部には、当該貫通孔3aよりその外径が大きくさ
れた段部3bがそれぞれ形成されている。そして、これ
らレンズホルダ3の段部3bには、支持体12がそれぞ
れ固着されている。これら支持体12は、光軸方向に短
くされた円筒形状をなしており、その中央に光軸方向に
貫通する軸受孔12aを有している。該支持体12は、
本実施形態においては、上記レンズホルダ3と同一の材
質より形成されているが、異なる材質より形成しても良
い。また、本実施形態においては、当該支持体12と上
記レンズホルダ3とを別体としているが、これらを一体
成形品としても良い。
【0017】上記支持体12の外部側の面には、特に図
3及び図4に拡大して示されるように、軸受孔12aの
軸心を中心として半径方向に放射状に延びるV溝ガイド
15が3個、等配位置に形成されている。このV溝ガイ
ド15に対しては球体16がそれぞれ当接配置されてお
り、当該球体16は、光軸に対向する面が軸受孔12a
より内側に向かって突出するように配置されている。そ
して、該球体16は、上記当接状態でレンズホルダ側と
してのV溝ガイド15及び支持体12に、例えば接着剤
等により固定されている。なお、球体16のレンズホル
ダ側に対する固定方法は、接着に限定されるものではな
く、例えば螺子等の機械的な固定方法でも良い。
【0018】ここで、本実施形態においては、上記球体
5をSUSより構成するようにしているが、上記球体5
を、例えばPTFE、PPS、LCP等の摺動性樹脂よ
り構成したり、金属にPTFE等の潤滑塗装を施したも
のとして、支持軸5との摺動性を高めるのがより好まし
い。
【0019】上記球体16〜16の間(球体16〜16
より内側の空間)には、特に図4に拡大して示されるよ
うに、外ヨーク9の底部略中央に立設固定された支持軸
5が各球体16に対して所定の微小摺動隙間Pを有する
ように挿入されている。この微小摺動隙間(支持軸5の
外周面と球体16の対向面のうちの最も内側に位置する
部分との間の隙間)Pは、支持軸5に対してレンズホル
ダ3(対物レンズ2)が傾かない程度の微小隙間となっ
ており、本実施形態においては、2.5μmにされてい
る。なお、図4、また後述の図8においては、微小摺動
隙間Pを明らかとするため、当該隙間Pは実際よりかな
り大きくされている。
【0020】上記支持軸5は、本実施形態においては、
SUSより構成されているが、他の金属材料または非金
属材料から構成することも可能である。そして、その表
面に摺動性樹脂をコーティングすることにより、球体1
6との摺動性をより高めることができる。
【0021】ここで、上記微小摺動隙間Pを設定した所
定値とすることができる方法(軸摺動隙間の設定方法)
について、以下説明する。先ず、直径2.010mmの
上記支持軸5より摺動隙間分外周が大きくされたダミー
軸、すなわち直径2.015mmのダミー軸(図4参
照)17を立設し、次いで上記ダミー軸17に対してレ
ンズホルダ3を挿入配置する。この時、上記軸受孔12
aの軸心とダミー軸17の軸心が一致するように、例え
ば治具等によりレンズホルダ3を位置決めするのが、よ
り好ましい。
【0022】そうしたら、上側のV溝ガイド15に対し
て球体16を載置し、当該球体16をV溝ガイド15に
よりガイドしながら転がして3個とも上記ダミー軸17
に当接させる(図4における球体16、仮想線で示され
るダミー軸17参照)。次いで、この状態で、例えば接
着剤等を用いて球体16をV溝ガイド15及び支持体1
2に固定する。このように、球体16の移動、固定作業
は、球体16をV溝ガイド15でガイドしながら行われ
るため、容易になされる。
【0023】そうしたら、レンズホルダ3の上下を逆に
して上記と同様な作業を行い、ダミー軸17に当接する
球体16を、レンズホルダ3の上下に3個づつそれぞれ
固定する。次いで、上記ダミー軸17に対して上記レン
ズホルダ3を抜き取り、該レンズホルダ3を外ヨーク9
に立設固定された上記支持軸5に対して挿入する。
【0024】すると、ダミー軸17の直径2.015m
m、支持軸5の直径2.010mmのため、上記微小摺
動隙間Pは上述した2.5μmとなる。すなわち、上述
した方法を用いることにより、設定した微小摺動隙間を
得ることができる。
【0025】この時、支持軸方向の2箇所に配設した球
体16の支持軸5に対向する部分のさらに一部(球体1
6の支持軸5に対向する面のうちの最も内側に位置する
部分)のみが摺動面とされるため、従来技術に比して摺
動面積が大幅に低減され、これによって摺動抵抗が大幅
に低減された状態になされている。
【0026】さて、再び図1乃至図5に示される構成に
戻って、上記レンズホルダ3には、支持軸5を中心にし
て対物レンズ2の反対側にバランサ6が固着されてい
る。レンズホルダ3の外周面には、支持軸5を挟んで対
称位置に、一対のフォーカシング用駆動コイル8,8及
び一対のトラッキング用駆動コイル7,7がそれぞれ固
着されている。
【0027】上記支持軸5を固定する外ヨーク9は、支
持軸5を挟んで対称位置に位置する外周縁部が直角に折
り曲げられて上記駆動コイル7,8と対向するようにそ
れぞれ立ち上がっており、この各立ち上がり部分には、
上記駆動コイル7,8に対向する一対のマグネット1
0,10がそれぞれ固定されている。このマグネット1
0は、フォーカシング用駆動コイル8に対向するフォー
カシング用マグネット10bと、トラッキング用駆動コ
イル7に対向するトラッキング用マグネット10aと、
からなる。フォーカシング用マグネット10bは、N極
とS極が支持軸方向に並ぶように分極着磁され、一方ト
ラッキング用マグネット10aは、N極とS極が周方向
に並ぶように分極着磁されている。
【0028】上記外ヨーク9の底部上には、内ヨーク1
1が該外ヨーク9に重なるようにして取り付けられてお
り、この内ヨーク11における支持軸5を挟んで対称位
置に位置する外周縁部であって上記駆動コイル7,8よ
り内側に位置する外周縁部が、レンズホルダ3に設けら
れた開口部に介挿されるように直角にそれぞれ折り曲げ
られて立ち上がっている。以上のようにして、内側から
順に、内ヨーク11、各駆動コイル7,8、マグネット
10、外ヨーク9が支持軸5を中心とする対称位置に配
置されて、これらを通る略閉磁路が形成される構成にな
されている。
【0029】なお、内ヨーク11の上記トラッキング用
駆動コイル7に対向する部分はなくても良く、さらにま
た内ヨーク11自体なくても良い。
【0030】本実施形態の対物レンズ駆動装置はまた、
図1及び図5に示されるように、側圧付与手段としての
磁性片13a,13bを有している。これらの磁性片1
3a,13bは、レンズホルダ3の外周面においてフォ
ーカシング用マグネット10bの磁極中心10c,10
dに対向する位置からそれぞれ逆方向に角度θずれた位
置に固着されている。すなわち、磁性片13aは、図示
上側のフォーカシング用マグネット10bの磁極中心1
0cから反時計方向に角度θずれた位置に固着され、磁
性片13bは、図示下側のフォーカシング用マグネット
10bの磁極中心10cから時計方向に角度θずれた位
置に固着されている。
【0031】そして、フォーカシング用駆動コイル8,
8に、所定の駆動電流を流すことにより、この駆動電流
と磁気回路内の磁束とによって推力が発生し、レンズホ
ルダ3がその光軸方向(支持軸5に沿って)に移動して
フォーカシング動作が行われ、またトラッキング用駆動
コイル7,7に、所定の駆動電流を流すことにより、こ
の駆動電流と磁気回路内の磁束とによって推力が発生
し、レンズホルダ3が支持軸5を中心として揺動、すな
わちトラッキング方向に移動してトラッキング動作が行
われる。
【0032】この時、レンズホルダ3は、上述したよう
に、支持軸5に対する所定の微小隙間Pを有していると
共に摺動抵抗が大幅に低減された球体16を介して支持
軸5に対して移動するため、その移動は素早く円滑にな
される。この時また、上述したように、摺動隙間が所定
の微小隙間にされているため、対物レンズ2のディスク
面に対する傾きが低減され、高精度に読み書きがなされ
る。
【0033】また、この時、上記磁性片13a,13b
とフォーカシング用マグネット10bとの間には、磁気
吸引力が作用する。すなわち、磁性片13a,13b
は、上述したように、フォーカシング用マグネット10
bの磁極中心10c,10dに対向した位置よりも角度
θずれた位置に配設されているため、磁性片13bには
図示上側のフォーカシング用マグネット10bによる時
計回りの磁気吸引力が作用し、磁性片13bには図示下
側のフォーカシング用マグネット10bによる反時計回
り磁気吸引力が作用し、レンズホルダ3には、図5に示
されるように、上記各磁気吸引力を合成した磁気吸引力
(側圧)Fが作用する。その結果、当該側圧Fにより、
上記球体16のうちの図示左側の2個の球体が支持軸5
に対して横方向に押し付けられることになる(図5参
照)。
【0034】すなわち、上記側圧Fにより、支持軸5と
球体16との間のガタがなくされてレンズホルダ3の支
持軸5に対する傾きが抑えられ、その結果、対物レンズ
2がディスク面に対して傾くことはなく、さらに高精度
に読み書きがなされる。
【0035】ここで、トラッキング動作に関しては、回
動角度範囲が小さいため、その接線方向(図5における
符号X)をトラッキング方向と見做すことができる。従
って、側圧Fはトラッキング方向に対して直交する方向
に発生することになり、側圧Fがトラッキング動作を妨
げることはない。
【0036】そして、駆動コイル7,8の励磁が解除さ
れると、フォーカシング用マグネット10bが各磁性片
13a,13bをそれぞれ周方向に磁気吸引する力が釣
り合い、これによって、レンズホルダ1は、トラッキン
グ方向の中立位置に保持される。
【0037】この時、当該磁性片13a,13bは、フ
ォーカシング用マグネット10bの上下方向における分
極着磁部分に対向する位置に磁気吸引され、これによっ
て、レンズホルダ1は、フォーカシング方向の中立位置
に保持される。
【0038】このように、本実施形態においては、支持
軸5に対して所定の摺動隙間分外周を大きくしたダミー
軸17に対して、軸方向の2箇所において3個の球体1
6をそれぞれ当接してレンズホルダ3側に固定し、この
ダミー軸17に代えて支持軸5を挿入するようにしてい
るため、支持軸5と球体16との間に、所定の微小摺動
隙間Pを形成でき、当該所定の微小摺動隙間Pを安定し
て得ることができるようになっている。従って、対物レ
ンズ2の傾きを抑えることができ、高精度に読み書きを
行うことが可能となっている。
【0039】また、軸方向の2箇所に配設した上記球体
16の支持軸5に対向する部分のさらに一部を摺動面と
するようにしているため、従来技術に比して摺動面積を
大幅に低減でき、摺動抵抗を低減できるようになってい
る。従って、所望の摺動特性を得ることができ、品質及
び信頼性を向上することが可能となっている。
【0040】また、球体16を、V溝ガイド15でガイ
ドしながら移動して固定するようにしているため、当該
移動、固定作業を簡易に行うことができ、製造コストの
低減を図ることが可能となっている。
【0041】また、レンズホルダ3に、球体16を支持
軸5に押し付ける方向の側圧Fを付与するようにしてい
るため、支持軸5と球体16との間のガタをなくすこと
ができ、レンズホルダ3の支持軸5に対する傾きをなく
すことができるようになっている。従って、対物レンズ
2のディスク面に対する傾きを抑えることができ、より
高精度に読み書きを行うことが可能となっている。この
時、上記側圧Fの付与により、その都度摺動箇所が変わ
るのではなく該摺動箇所が限定されることになるため、
レンズホルダ3がより安定して移動することが可能とな
っている。
【0042】また、支持軸5と軸受孔12aとの間に、
微小摺動隙間以外のある程度大きい隙間14(図5参
照)を有するように構成しているため、当該隙間14に
より、軸受孔12a内の塵芥や発生した摩耗粉を良好に
軸受孔12a外に除去でき、焼き付き等の防止を図るこ
とが可能となっている。
【0043】さらにまた、レンズホルダ3を高弾性樹脂
により形成しているため、レンズホルダ3の弾性率を向
上でき、レンズホルダ3の高次共振周波数を高速化が図
れる所望のレベルまで高くできるようになっている。
【0044】なお、上記球体16よりなる摺動隙間設定
部材を、図6に示されるように、丸棒18bと、この丸
棒18bの端部に連設された半球体18aと、から構成
される摺動隙間設定部材18に代えることも可能であ
る。この場合、丸棒18bをV溝ガイド15に載置し、
該摺動隙間設定部材18をV溝ガイド15にてガイドし
ながら溝方向に移動して、半球体18aの球面が上述し
たダミー軸17に当接したら当該摺動隙間設定部材18
をレンズホルダ3側に固定すれば良い。これによって、
ダミー軸17に代えて挿入される支持軸5と半球体18
aとの間に、上記と同様な所定の微小摺動隙間が形成さ
れることになる。
【0045】また、上記支持体12に凹設されたV溝ガ
イドよりなるガイド部15を、図7に示されるように、
支持体12に突設された凸部12bと、該凸部12bに
形成されたV溝16と、から構成されるガイド部20に
代えることも可能である。
【0046】図8は、摺動隙間設定部材としての例えば
上記球体16を2個とした場合の実施形態を表した拡大
平面図である。この場合にあっては、仮想線で示される
ダミー軸17に対して2個の球体16と軸受孔12aの
周方向の一部12cとを当接させることになる。そし
て、2個の球体16をレンズホルダ3側に固定すれば、
ダミー軸17に代えて挿入される支持軸5と2個の球体
16、軸受孔12aの周方向の一部12cとの間に、上
記と同様な所定の微小摺動隙間が形成されることにな
る。
【0047】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、側圧付与手段を磁性片
13a,13bとしているが、機械的な機構によりレン
ズホルダ3に側圧Fを与えるようにしても良い。
【0048】また、上記支持体12を、通常の軸受に代
えることも勿論可能である。
【0049】また、微小摺動隙間は上述した値に限定さ
れるものではなく、例えば対物レンズ2の傾きの許容レ
ベル等により変える必要がある。特に、記録密度が高い
例えばDVDに適用する場合にあっては、上述した値よ
り小さくする必要がある。
【0050】また、上記実施形態においては、摺動隙間
設定部材16,18を支持軸5に対向する面が球面とな
るものとしているが、例えば光軸方向に対する垂直断面
が半円をなしこの半円が支持軸5に沿って対向する略半
円筒形状のものとすることも可能である。
【0051】また、上記実施形態においては、ガイド部
15,20を、軸受孔12aの軸心を中心として半径方
向に放射状に延びるものとすると共に、等配位置に形成
されるものとしているが、必ずしも軸受孔12aの軸心
を中心とする必要はなく、また必ずしも半径方向に放射
状に延びている必要もなく、また必ずしも等配位置に形
成されている必要はない。
【0052】また、上記実施形態においては、摺動隙間
設定部材16,18を2個または3個としているが、こ
れに限定されるものではなく、少なくとも2個以上であ
れば、本発明効果を得ることができる。
【0053】なお、摺動隙間設定部材16,18を2個
とし、これら摺動隙間設定部材16,18が180°離
間した位置に配設されている場合には、本発明の適用範
囲外となる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の対物レンズ
駆動装置または対物レンズの軸摺動隙間設定方法は、支
持軸に対して所定の摺動隙間分外周を大きくしたダミー
軸に対して、軸方向の2箇所において少なくとも2個の
摺動隙間設定部材をそれぞれ当接してレンズホルダ側に
固定し、このダミー軸に代えて支持軸を挿入して、支持
軸と摺動隙間設定部材との間に、所定の微小摺動隙間を
形成可能とし、当該所定の微小摺動隙間を安定して得る
ように構成すると共に、軸方向の2箇所に配設した摺動
隙間設定部材の支持軸に対向する部分のさらに一部を摺
動面とし、従来技術に比して摺動面積を大幅に低減して
摺動抵抗を低減するように構成したものであるから、対
物レンズの傾きを抑えることができ、高精度に読み書き
を行うことが可能となると共に、所望の摺動特性を得る
ことができ、品質及び信頼性を向上することが可能とな
る。また、摺動隙間設定部材を、ガイド部でガイドしな
がら移動して固定するように構成したものであるから、
当該移動、固定作業を簡易に行うことができ、製造コス
トの低減を図ることが可能となる。
【0055】また特に、請求項3の対物レンズ駆動装置
または対物レンズの軸摺動隙間設定方法は、レンズホル
ダに、少なくとも2個の摺動隙間設定部材を支持軸に押
し付ける方向の側圧を付与し、支持軸と摺動隙間設定部
材との間のガタをなくして対物レンズの傾きを抑え得る
ように構成したものであるから、本発明効果を一層高め
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における対物レンズ駆動装
置を表した平面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示したガイド部及び摺動隙間設定部材を
拡大して表した斜視図である。
【図4】同上ガイド部及び摺動隙間設定部材を拡大して
表した平面図である。
【図5】レンズホルダに側圧を付与した際の状態を表し
た模式平面図である。
【図6】摺動隙間設定部材の他の実施形態を表した拡大
斜視図である。
【図7】ガイド部の他の実施形態を表した拡大斜視図で
ある。
【図8】摺動隙間設定部材を2個とした場合の実施形態
を表した拡大平面図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置 2 対物レンズ 3 レンズホルダ 5 支持軸 12a 軸受孔 13a,13b 磁性片 15,20 ガイド部 16,18 摺動隙間設定部材 17 ダミー軸 F 側圧

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを保持したレンズホルダと、
    このレンズホルダに設けられた軸受孔に挿入される支持
    軸と、を備え、前記レンズホルダを前記支持軸を中心に
    回動可能且つ前記支持軸方向に移動可能に前記支持軸に
    支持してなる対物レンズ駆動装置において、 前記レンズホルダの前記支持軸方向の2箇所にそれぞれ
    設けられた少なくとも2個のガイド部と、 前記支持軸に対して所定の摺動隙間分外周が大きくされ
    たダミー軸が前記軸受孔に挿入された時に、前記ガイド
    部にガイドされながら移動されて前記ダミー軸に当接し
    た状態で前記レンズホルダ側に固定されることによっ
    て、該ダミー軸に代えて前記軸受孔に挿入された前記支
    持軸に対して前記所定の摺動隙間を有する少なくとも2
    個の摺動隙間設定部材と、 を具備した対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 対物レンズを保持したレンズホルダと、
    このレンズホルダに設けられた軸受孔に挿入される支持
    軸と、を備え、前記レンズホルダを前記支持軸を中心に
    回動可能且つ前記支持軸方向に移動可能に前記支持軸に
    支持してなる対物レンズ駆動装置において、前記支持軸
    に対する摺動隙間を設定する方法であって、 前記レンズホルダの前記支持軸方向の2箇所に少なくと
    も2個のガイド部をそれぞれ設けると共に、このガイド
    部に対応して摺動隙間設定部材を配設し、 前記支持軸に対して所定の摺動隙間分外周が大きくされ
    たダミー軸を前記軸受孔に挿入すると共に、前記ガイド
    部でガイドしながら前記摺動隙間設定部材を移動し、 前記ダミー軸に対して前記摺動隙間設定部材が当接した
    ら、当該位置で該摺動隙間設定部材を前記レンズホルダ
    側に固定し、 前記ダミー軸に代えて前記支持軸を前記軸受孔に挿入し
    て、当該支持軸と前記摺動隙間設定部材との間に前記所
    定の摺動隙間を設けるようにした対物レンズ駆動装置の
    軸摺動隙間設定方法。
  3. 【請求項3】 レンズホルダには、少なくとも2個の摺
    動隙間設定部材を支持軸に押し付ける方向の側圧が付与
    されることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動
    装置または請求項2記載の対物レンズ駆動装置の軸摺動
    隙間設定方法。
JP30733596A 1996-11-01 1996-11-01 対物レンズ駆動装置及び対物レンズ駆動装置の軸摺動隙間設定方法 Pending JPH10143888A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6888689B2 (en) 2002-03-19 2005-05-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Objective lens driving apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6888689B2 (en) 2002-03-19 2005-05-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Objective lens driving apparatus
US6894850B2 (en) 2002-03-19 2005-05-17 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Objective lens driving apparatus
US7031234B2 (en) 2002-03-19 2006-04-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Objective lens driving apparatus

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