JP2797500B2 - 対物レンズアクチュエータの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はコンピューター等の外部記憶装置として使用
される光学的記録再生装置、あるいはオーディオ用の光
学再生装置に使用される光学ピックアップを構成する対
物レンズアクチュエータに関するものである。

従来の技術 従来の技術を第４図〜第５図により説明する。第４図
は対物レンズアクチュエータの斜視図であり、第５図は
第４図のＡ−Ａ線を基線とする要部側断面図である。

第４図〜第５図によると、対物レンズ３を具備した対
物レンズ保持材２を純鉄で作られ、ベース10に圧入され
た支持軸１に挿入し、この支持軸１を中心として対物レ
ンズ保持材２は回転可能、かつ支持軸１の軸方向に摺動
可能となるように弾性部材９によってベース10に保持さ
れている。そしてこの対物レンズ保持材２の周囲に円筒
状のフォーカスコイル６を接着し、このフォーカスコイ
ル６の内側の４ケ所にトラッキングコイル７を接着によ
って固定する。さらにフェライト等より構成された永久
磁石４を２個支持軸１に対称にベース10上に接着によっ
て固定して、ベース10と一体に構成されているヨーク５
との間に磁気回路を形成してフォーカスコイル6,トラッ
キングコイル７に磁界を及ぼしている。上記構成によ
り、フォーカスコイル６に電流を流すと支持軸１の方向
に対物レンズ３が駆動し、またトラッキングコイル７に
電流を流すと支持軸１を中心として対物レンズ３が回転
し、支持軸１の軸方向に対して垂直方向に対物レンズ３
が移動する。この対物レンズ３の移動により光学的記録
媒体12上に対物レンズ３を通過するレーザビームを常に
サブミクロン単位の精度で集束するように制御がかけら
れる。また集束されたレーザビームが光学的記録媒体上
の指定の位置に常にサブミクロン単位の精度で固定され
るように制御するものである。

発明が解決しようとする課題 以上のように構成された対物レンズアクチュエータに
おいては第５図に明らかなように対物レンズ保持材２の
軸受部と支持軸１との隙間ａはこの対物レンズアクチュ
エータの最も重要な部分で、大きすぎると対物レンズ３
の光軸が記録媒体12に対して破線のように垂直ではなく
一点鎖線のように傾き、記録再生特性を悪化させる。ま
た、この隙間が小さすぎると周囲の温度変化によりはめ
合いが締りばめとなったり、支持軸１と軸受部の表面凹
凸により、回転，摺動が不能となる。そこでこの隙間は
光磁気記録用としては５μｍから10μｍが一般的に要望
されている。しかし従来技術において、切削，研摩によ
って得られたステンレス製の支持軸１、成型品である対
物レンズ保持材２の軸受部では隙間が５μｍから20μｍ
の寸法精度が限界であり、歩留が悪く、コスト高になる
とともに品質も低レベルにならざるを得なかった。

課題を解決するための手段 以上の課題を解決するために本発明は、上記支持軸を
レンズ保持材によって一体に成型し、両者の収縮率の差
によって上記支持軸とレンズ保持材の間に隙間を設けた
ものである。

作 用 上述したように対物レンズ保持材を支持軸と一体成形
することによって、支持軸，対物レンズ保持材それぞれ
の材料固有の収縮率に従って高い精度の隙間が設けられ
高歩留，高精度の対物レンズアクチュエータが提供でき
るものである。

実施例 以下、本発明の一実施例について第１図〜第２図によ
り説明する。第１図は支持軸を一体化した対物レンズ保
持材の側断面図であり、第２図は第１図の対物レンズ保
持材をベースに装着した状態を示す側断面図である。

同図によると、15はステンレスの切削，研摩加工によ
って得られた支持軸であり、16はこの支持軸15との一体
成形により得られたグラファイトを含むエポキシ樹脂か
ら成る対物レンズ保持材である。17は上記対物レンズ保
持材16に同時に一体成形で装着される黄銅のバランス材
である。この対物レンズ保持材16には支持軸15が抜ける
のを防ぐためにストッパー部13,14が設けられており、
ベース18に支持軸15が装着されるまで一緒に移動する。
ベース18への上記支持軸15の装着は、ストッパー部13,1
4を第１図の切欠き部13a,14aで折ることにより取り除
き、第２図のように支持軸15をベース18に圧入すること
によって行なわれる。

第３図は本発明の他の実施例であり、支持軸19を一体
成型した対物レンズアクチュエータ20の上記支持軸19の
両端部にツバ部19a,19bを設けることによって、支持軸1
9の対物レンズアクチュエータ20からの抜けを防止した
ものである。

発明の効果 以上のように本発明においては、支持軸を対物レンズ
保持材に一体成型して形成したので、上記支持軸と対物
レンズ保持材との隙間の大部分は両者の成型後に発生す
る収縮の収縮率の差によって決定される。即ち、従来の
ような機械加工上の誤差，バラツキ等はないので極めて
高精度な対物レンズアクチュエータの提供を可能とする
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である対物レンズアクチュエ
ータの要部である支持軸を一体化した対物レンズ保持材
の側断面図、第２図は第１図の対物レンズ保持材をベー
スに装着した状態を示す側断面図、第３図は他の実施例
の要部である支持軸を一体化した対物レンズ保持材の側
断面図、第４図は従来の対物レンズアクチュエータの斜
視図、第５図は第４図のＡ−Ａ線を基線とする要部側断
面図である。 15……支持軸、16……対物レンズ保持材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも対物レンズとフォーカスコイル
   とトラッキングコイルを装着するための樹脂部材からな
   る対物レンズ保持部材と、上記対物レンズ保持部材を回
   転、および上下動可能に支持するための金属部材からな
   る支軸とを一体成形する工程と、上記支軸をベースに圧
   入装着する際に、上記対物レンズ保持部材と上記支軸と
   を一体成形する際の上記支軸の抜けを防止するための上
   記対物レンズ保持部材または上記支軸に設けられた抜け
   防止手段を除去する工程とを有し、上記対物レンズ保持
   部材と上記支軸との隙間をそれらの一体成形後の収縮率
   の差によって設けたことを特徴とする対物レンズアクチ
   ュエータの製造方法。