JPS609939Y2 - 光学的情報再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、光学的情報再生装置、特に記録媒体と記録
読取部との相対位置を極めて精度良く制御するための位
置制御系を有する光学的情報再生装置に関するものであ
る。

一般に、映像、音声などを記録しておく記録媒体として
は磁気テープが最も広く普及しているが、これは磁気テ
ープの記録再生段が比較的容易であること、および記録
容量が大きいなどのためである。

しかし、最近磁気テープに匹適するほどの記録容量をも
ち、しかもより安価な記録媒体として光学的再生方式を
用いたレコードが注目されはじめてきている。

通常、レコードの再生は針をレコード盤に接触させて行
なうものであるが、この光学的再生方式とは直接タッチ
しないレーザー光をレコード盤に照射して情報を読み取
ろうとするものである。

このため、記録した情報を半永久的に維持でき、しかも
高密度でかつ良質な情報を記録、再生できる。

さらに、レコード盤が普通の音響レコードと同じ大きさ
で製造も同じプレス方法であるなど多く長所を有するこ
とは、磁気テープを凌ぐ新たな記録媒体として有望視さ
れる所以である。

第１図は、この種のレコードの再生を行なう光学的情報
再生装置の一例を示す説明図である。

同図において、１はモータ２により駆動されて所定回転
速度で回転する円盤状のレコード盤であり、これは第２
図に示すように情報の符号化された凹凸ビット１ａをら
せん状または同心円状に彫刻しＺコ透明盤部１ｂと、前
記凹凸ピッ）ｌａの彫刻された面側に付着された反射金
属膜ＩＣと、この反射金属膜１ｃを保護する保護膜１ｄ
とから形成されている。

３はレーザー光４を１対の三角プリズムからなる第１ス
プリツター５および全反射ミラー６を介して記録読取部
７に送るレーザー装置である。

記録読取部７は１個のレンズ７ａを有するとともに、レ
ーザー光４をレコード盤１の所定位置に焦点を合わせな
がらレコード盤１を半径方向に走査する。

ここで、レーザー光４はレコード盤１の前記凹凸ビット
１ａにより変調されて反射し反射光８は再度全反射ミラ
ー６および第１スプリツター５を通り、３個の三角プリ
ズムからなる第２スプリツター９に導びかれ、反射光８
が第２スプリツター９で３つの成分８ａｗ ８ｂｇ
８ｃに分割される。

さらに、反射光８の各成分は光変換器１０によって電気
信号に変換される。

１１は反射光８の両側端部の成分である８ａおよび８ｂ
にそれぞれ対応する電気信号の差信号を取り出し、前記
記録読取部７における半径方向のズレに対する焦点調整
を行なう位置制御装置に出力信号を送出する第１増巾器
であり、またこの第１増巾器１１は位置制御装置からの
モーショナルフィードバック回路１２を有している。

１３は反射光８の中央部の成分である８Ｃに対応する電
気信号と所定の基準値とを比較して、その偏差に対応し
た出力を前記記録読取部７の垂直方向のズレに対する焦
点調整を行なう位置制御装置に送出する第２増巾器であ
り、前述した第１増巾器１１と同様にスムーズな位置制
御を行なうためのモーショナルフィードバック回路１４
を有している。

１５は反射光８の有する情報が含まれている成分８Ｃが
導出される出力端子である。

しかし、このような光学的再生装置において、比較的問
題になるところがレーザー光の焦点をレコード盤の所定
位置に常に合わせながら走査しなければならない点であ
る。

すなわち、完全な非接触なために、フォーカシングおよ
びトラッキングが複雑で、しかも高精度の位置制御機構
が必要とされ、特にレコード盤の振動やたわみによる焦
点位置のズレを検出してこれを補正することが必須の条
件になる。

ところが、従来の光学的情報再生装置では、単に反射光
成分から得た焦点制御信号により、フォーカシングある
いはトラッキング等の通常位置制御と、光学系を構成す
るレンズ等自身のわずかな質量により決定されてしまう
オーバシュートおよび振動等の動特性補償制御の双方に
同時に対処しようとするものであったため、前記各制御
それぞれに最適な動作特性（制御定数、応答速度等）を
与えることが困難であり、結果として前記両制御は双方
とも不満足なものとなったり、あるいは両制御動作が互
いに干渉して全体としての不安定性を増す原因となって
いた。

そこで、この考案は前記の点に鑑みてなされたもので、
前記通常位置制御と動特性補償制御を実質的に二分し、
それぞれの制御において最適な制御動作特性を与え得る
ようにするとともに、全体としての位置制御を極めて精
度良く、かつスムーズに行ない得、さらには構成も簡単
な位置制御系を有する光学的情報再生装置を提供するこ
とである。

このような目的を遠戚するために、この考案は、記録媒
体と記録読取部との相対位置を制御する位置制御系を有
する光学的情報再生装置において、前記記録読取部とし
て、 一端に情報再生用のレンズが保持され他端に駆動コイル
が巻回された筒体からなる光学系と、中央に光学貫通孔
を有しかつ前記光学系を囲繞する外囲器と、板状の圧電
素子からなり前記外囲器に対して前記筒体を一方向移動
可能に弾性支持する支持体と、前記駆動コイルに対して
一定方向の交差磁界を供給する磁気回路とを一体的に有
してなる光学ピックアップを設け、 前記位置制御系は、この光学ピックアップの前記光学系
および圧電素子から各々得られる反射光信号成分および
前記筒状位置変化成分の双方を入力として前記光学ピッ
クアップの前記コイルに出力電流を供給して前記レンズ
の位置制御を行なう増幅器を具備し、前記反射光信号成
分に基づいて前記光学ピックアップの駆動コイルに供給
する電流を制御して前記光学系の位置の主制御を行なう
とともに、前記圧電素子の出力に基づいて前記コイルの
主制御系に対してモーショナルフィードバックによる補
助制御を行なうようにして前記光学系の動特性を安定化
させたものである。

以下、図面を用いてこの考案による光学的情報再生装置
を詳細に説明する。

第３図は、この考案による光学的情報再生装置の要部で
ある位置制御装置の一実施例を示す記録読取部としての
光学ピックアップ部分の断面図である。

同図において、１６は内部に中空室部１７を有するとと
もに、磁路ａを形成する外囲器、１８はこの外囲器１６
の中空室部１７の底部に磁気的に接続させて取着した円
柱状の永久磁石であり、軸心には外囲器１６と連結した
貫通孔１９が設けられるとともに、先端部が径小に形成
されている。

ここで、前記外囲器１６、永久磁石１８等は固定部材を
形成している。

この永久磁石１８の小径部１８ａと前記外囲器１６の中
央部付近に設けられた突出部１６ａ間の間隙には対向面
と垂直に一定の磁界が形成される。

２０は前記外囲器１６の内壁に設けられた前記永久磁石
１８側の段部１６ｂに外縁が固定された弾性を有する蛇
腹円板状のダンパー、２１は外囲器１６の前記段部１６
ｂから適宜距離だけ離間して設けられた段部１６Ｃに絶
縁物２２を介して固定された円板状に形成されたバイモ
ルフ素子であり、このバイモルフ素子２１の永久磁石１
８側の電極を外囲器１６から、他側の電極を環状リング
２３から取り出している。

２４は前記ダンパー２０および前記バイモルフ素子２１
の中央部を貫通してそれぞれの縁部２０ａ、２１ａに固
着された円筒状のレンズ保持体であり、またこれらのダ
ンパー２０およびバイモルフ素子２１によりこのレンズ
保持体２４は外囲器１６に対しである裕度をもって移動
自在に保持される。

このレンズ保持体２４の先端部には保持環状体２４ａを
介してレンズ２５が固定されており、またこの保持環状
体２４ａにかん合されるとともに、前記ダンパー２０お
よび前記バイモルフ素子２１に固着された磁性体からな
る筒体２４ｂを有し、この筒体２４ｂの後端部が前記外
囲器１６の突出部１６ａと前記永久磁石１８の小径部１
８ａ間の間隙に挿入され一定の磁界を直角交叉している
。

２６は磁界中に位置する前記筒体２４ｂの外壁に巻回さ
れた駆動コイルである。

このように構威された位置制御装置においては、レンズ
保持体２４の筒体２４ｂに巻回された駆動コイル２６を
駆動することで、この駆動コイル２６に流れる電流と磁
界との相互作用によりレンズ保持体２４が軸方向、すな
わち矢印方向に駆動信号に応じた移動をする。

ここで駆動コイル２６に印加される駆動信号は第１図に
述べたように光学系から得られる反射光成分に基づいて
第２増巾器１３から送出されてくるわけであるが、その
極性、電圧等は常時検出される垂直方向の焦点位置ズレ
に対応している。

以上の構威により光学系の位置の主制御系が形成される
。

ところが、レンズ保持体２４が力を受けて移動する際、
レンズ保持体はレンズ等の質量に基づいて決定される動
特性、すなわちオーバシュートや振動等を有しているた
めに、主制御系の制御通りには補正されにくい。

そしてこの動特性のアバレを主制御系のみで補正しよう
とすると、主制御系は必要以上の制御内容を強いられ、
結果として主制御系の複雑化あるいは主制御系自体の動
作不安定をもたらすことになる。

この対策として設けられたのがバイモルフ素子２１であ
る。

これは、前記主制御系とは別系統の検出系を独立に有し
、前記主制御系の制御内容を補完する補助制御系を形成
しており、このバイモルフ素子２１はレンズ保持体２４
の動きにより屈曲させられ、その動きに正確に対応した
電気信号を発生する。

バイモルフ素子２１からの電気信号を駆動コイル２６の
駆動制御系である第２増巾器１３にフィードバックする
。

これがモーショナルフィードバックとして作用して、前
記主制御系の制御内容から逸脱したオーバシュートや振
動に対してのみ独立した補助制御を行なうことになり、
主制御系の負担を軽減するとともに、この主制御系と対
になって極めて動特性の安定な精度の良い位置制御系を
構威し、レンズ保持体の補正を精度良く速やかにかつス
ムーズに行なわせる。

なお、レーザー光は外囲器１６および永久磁石１８を貫
通している貫通孔１９を介してレンズ保持体２２内を通
ってレンズ２５に達し、このレンズ２５によって前方の
所定位置に焦点が結ばれる。

この焦点位置がレンズ保持体２４の移動とともに垂直方
向に変化して補正が行なわれる。

このようにこの実施例による位置制御装置によれば、駆
動コイルの巻回された筒状のレンズ保持体をダンパーと
バイモルフ素子を介して一定の磁界中に移動自在に配置
するとともに、レンズ保持体内をレーザー光が通過でき
るようにしたものであるために、駆動コイルに焦点位置
のズレに対応する主制御用の駆動信号を印加すれば、磁
界との相互作用によりレンズ保持体が力を受けて移動す
る。

これに伴ってレンズとレコード盤間の距離が変化して焦
点位置の補正が行なわれる。

しかも、レンズ保持体の動きがバイモルフ素子により電
気信号に変換されて検出されるため、この検出結果を補
助制御信号として駆動コイルの制御系にフィードバック
することでレンズ保持体の偏位は極めて精度良く速やか
にかつスムーズに補正される。

また、円板状のバイモルフ素子はそれ自体レンズ保持体
を弾性支持するダンパーとして作用するために、位置制
御装置の構成も簡単となる。

なお、この実施例においては、レンズ保持体の動きを検
出する手段として円板状に形成されたバイモルフ素子を
用いたが、バイモルフ素子の代わりに、機械的振動を電
気信号に変換する手段として他の圧電素子、たとえば圧
電半導体、ロッシェル塩、水晶などを円板状に配置して
使用することも可能である。

このように圧電素子を用いた場合には、磁界や駆動コイ
ルの影響を受けず機械的振動のみを正確に検出すること
が可能になる。

また、この実施例では、駆動コイルを磁性体の筒体に巻
回した場合について説明したが、密巻にしたソレノイド
コイル自体をレンズ保持体を構成する筒体として兼用さ
せることももちろん可能である。

以上説明したように、この考案による光学的情報再生装
置は、一端に情報再生用のレンズが保持され他端に駆動
コイルが巻回された筒体からなる光学系と、中央に光学
貫通孔を有しかつ前記光学系を囲繞する外囲器と、板状
の圧電素子からなり前記外囲器に対して前記筒体を一方
向移動可能に弾性支持する支持体と、前記駆動コイルに
対して一定方向の交差磁界を供給する磁気回路とを一体
的に有してなる光学ピックアップを設け、この光学ピッ
クアップの光学系から得られる反射光信号成分を主制御
信号とし、前記圧電素子より得られる位置変化成分を補
助制御信号として共に検出し、前記光学系から得られる
反射光成分に基づいて前記コイルに供給する電流を制御
して前記光学系の位置の主制御を行なうとともに、前記
圧電素子の出力に基づいて前記コイルの主制御系に対し
てモーショナルフィードバックによる補助制御を行なう
ようにして前記光学系の動特性を安定化させたものであ
るために、レコード盤等の情報記録体の振動やたわみに
基因して発生し、かつ光学系の位置の主制御系では補正
しきれない制御ズレ等をこの主制御系に並設された補助
制御系にてきわめて適確に補完することができる。

これにより、主制御系は、等価的に動特性のアバレ、す
なわちオーバシュートや振動等の全く存在しない負荷に
対してのみ複雑なフォーカシングあるいはトラッキング
制御を行なえば済むことになり、主制御系の負担を軽減
できるとともに、主制御系あるいは補助制御系の動作特
性はそれぞれ分担された制御動作に最適なものに設定し
得、かつそれぞれの構成も比較的簡単なもので済むわり
には全体としての位置制御は極めて精度良く、かつスム
ーズに補正できるという効果を奏する。

また、圧電素子を円板状とし、ダンパー作用を兼用させ
たことにより、特にこの圧電素子の配設に伴なう機構の
複雑化も生じないという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は光学的情報再生装置の一例を示す説明図、第２
図は第１図に示した光学的情報再生装置に用いられるレ
コード盤の一例を示す要部断面図、第３図はこの考案に
よる光学的情報再生装置の要部である位置制御装置の一
実施例を示す記録読取部としての光学ピックアップ部分
の断面図である。 １・・・・・・レコード盤、２−−−−−−ヒータ、３
・・・・・・レーザー装置、７・・・・・・記録読取部
、１０・・・・・・光変換器、１１，１３・・・・・・
増巾器、１６・・・・・・外囲器、１８・・・・・・永
久磁石、１９・・・・・・貫通孔、２０・・・・・・ダ
ンパー、２１・・・・・・バイモルフ素子、２４・・・
・・・レンズ保持体、２５・・・・・・レンズ、２６・
・・・・・駆動コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録媒体と記録読取部との相対位置を制御する位置制御
   系を有する光学的情報再生装置において、前記記録読取
   部として、 一端に情報再生用のレンズが保持され他端に駆動コイル
   が巻回された筒体からなる光学系と、中央に光学貫通孔
   を有しかつ前記光学系を囲繞する外囲器と、板状の圧電
   素子からなり前記外囲器に対して前記筒体を一方向移動
   可能に弾性支持する支持体と、前記駆動コイルに対して
   一定方向の交差磁界を供給する磁気回路とを一体的に有
   してなる光学ピックアップを設け、 前記位置制御系は、この光学ピックアップの前記光学系
   および圧電素子から各々得られる反射光信号成分および
   前記筒状位置変化成分の双方を入力として前記光学ピッ
   クアップの前記コイルに出力電流を供給して前記レンズ
   の位置制御を行なう増幅器を具備し、前記反射光信号成
   分に基づいて前記光学ピックアップの駆動コイルに供給
   する電流を制御して前記光学系の位置の主制御を行なう
   とともに、前記圧電素子の出力に基づいて前記コイルの
   主制御系に対してモーショナルフィードバックによる補
   助制御を行なうようにしたことを特徴とする光学的情報
   再生装置。