JP3570838B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズ駆動装置に関し、より特定的には、ミニディスク(以下、MDと称す)プレーヤ、コンパクト・ディスク(以下、CDと称す)プレーヤ、ディジタル・ビデオ・ディスク(以下、DVDと称す)プレーヤ等の光ディスク記録および/または再生装置(以下、光ディスク装置と称す)に用いる光ピックアップに搭載され、対物レンズを変位させることにより光ビームの照射位置を調整する対物レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、光ディスク装置は、MD、CD、DVD等の円盤状の情報記録媒体(以下、光ディスクと称す)の反りに起因した上下運動により生じるフォーカスずれや、偏心などにより生じるトラッキングずれを補正するために、対物レンズを光ディスクの側面から見て垂直な光軸方向であるZ軸方向(以下、フォーカス方向ともいう)と、光ディスクの側面から見て平行な半径方向であるX軸方向(以下、トラッキング方向ともいう)との2軸に駆動しつつ、光学的に光ディスクに対する情報の記録再生を行っている。
【0003】
図22は、光ディスク装置に搭載される光ピックアップの概略的な構造を示す図である。以下、光ピックアップについて簡単に説明する。
図22において、半導体レーザ111から発せられる光ビームは、ビームスプリッタ222を透過してレンズホルダ2内に設けられている対物レンズ1に入射する。対物レンズ1は、レーザ光を集光し、光ディスクEの記録面上に1μm程度の微少なビームのスポットを形成する。また、レンズホルダ2に関連して、対物レンズ駆動装置555が配置されている。この対物レンズ駆動装置555は、電磁気回路によって構成され、対物レンズ1をフォーカス方向とトラッキング方向に駆動可能である。このような対物レンズ駆動装置555を設けることにより、光ディスクEの面振れや偏心に対し、サブミクロンの精度で対物レンズ1が記録トラックを追従制御できるようになっている。
【0004】
また、光ディスクEの記録面から反射された光ビームは、対物レンズ1を透過して戻り、ビームスプリッタ222によって直角方向へと反射される。そして、ピンフォトダイオード666により検知されるビームの強度により、光ディスクEの情報ピットの読み取りと、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号の検出とが可能となる。
【0005】
近年、光ディスク記録再生装置は、高密度化が進んでいる。解像度を高め、高密度記録再生を行うために、開口数(以下、NAという)の大きい対物レンズが用いられる。しかし、光ディスクの記録再生面に対するビーム光軸の傾きが生じた場合、コマ収差の度合がNAの3乗に比例して大きくなる。そのため、対物レンズのNAが大きい場合、対物レンズ駆動装置において対物レンズをフォーカス方向ないしトラッキング方向に移動中に、光軸の傾きが発生すると、光ディスクに対する信号の記録再生に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
【0006】
従来、上記の問題を解決する対物レンズ駆動装置が、特開平7−240031号公報に開示されている。以下、従来の対物レンズ駆動装置を、図23〜図26を参照して説明する。
【0007】
図23は、従来の対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。また、図24は、対物レンズをフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)に移動中の対物レンズ駆動装置の要部断面図である。また、図25は、フォーカス方向とトラッキング方向に移動中の対物レンズ駆動装置の要部側面図である。また、図26は、X軸方向の位置誤差が生じた場合の対物レンズ駆動装置中の電磁気回路の要部上面図である。
【0008】
図23〜図26において、従来の対物レンズ駆動装置は、レンズホルダ2と、フォーカスコイル3と、トラッキングコイル4と、永久磁石5と、ヨークベース6と、バックヨーク6aと、対向ヨーク6bと、弾性支持材7と、支持材固定部8と、支持材固定基板9と、プリント基板10とを備えている。
【0009】
レンズホルダ2は、樹脂成形品から成り、接着などの方法により固着された対物レンズ1を保持する。弾性支持材7は、バネ性を有する金属線から成り、その一端はプリント基板10に半田固定されており、レンズホルダ2を支持する。バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bは、永久磁石5と協働して磁気回路を形成している。ここで、対向ヨーク6bの光ディスクE側の端部は、永久磁石5の光ディスクE側の端部よりも光ディスクEに近い位置に配置されている。これにより、永久磁石5と対向ヨーク6bとの間の空隙中の光ディスクEに近い部分において、フォーカス方向への磁束の流れを作っている。フォーカスコイル3およびトラッキングコイル4は、レンズホルダ2の側面に巻回されている。支持材固定部8は、支持材固定基板9を固定する。支持材固定基板9には、弾性支持材7の他端が半田固定されている。ヨークベース6は、図22における半導体レーザ111、ビームスプリッタ222およびフォトディテクタ666を保持する光学基台(図示せず)上に固定されている。
【0010】
次に、光ディスクEの反りに起因した上下運動により生じるフォーカスずれや、偏心などにより生じるトラッキングずれを補正するために、対物レンズ1をフォーカス方向とトラッキング方向の2軸に駆動する動作について説明する。
対物レンズ1が取り付けられたレンズホルダ2は、互いに平行に配置された4本の弾性支持材7(一端がプリント基板10を介してレンズホルダ2に固定され、他端が支持材固定基板9に固定されている)によって、フォーカス方向とトラッキング方向に移動可能に支持される。支持材固定基板9は、ヨークベース6に固定された支持材固定部8に固定されている。
【0011】
フォーカス方向への駆動力は、ヨークベース6に取り付けられた永久磁石5,バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bから成る磁気回路の空隙中に、フォーカスコイル3を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したフォーカス方向への駆動力によって、レンズホルダ2は、弾性支持材7を介してフォーカス方向へと並進運動する。
【0012】
トラッキング方向への駆動力は、ヨークベース6に取り付けられた永久磁石5,バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bから成る磁気回路の空隙中に、トラッキングコイル4を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したトラッキング方向への駆動力によって、レンズホルダ2は、弾性支持材7を介してトラッキング方向へと並進運動する。
【0013】
次に、光軸傾きの原因であるY軸回りのトルクを抑制する機構について、図24〜図26を参照して説明する。
対物レンズ1、レンズホルダ2、フォーカスコイル3、トラッキングコイル4およびプリント基板10から成る可動部が、トラッキング方向であるX軸プラス方向にdtだけ変位すると、図24に示すように、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心Gは、その変位量と等しくdtだけ異なる。そのため、フォーカス駆動電流Ifにより生ずる光ディスクEに近づく方向のフォーカス駆動力Ff0により、可動部の重心Gに、Y軸に対し時計回りのトルクが発生する。
【0014】
一方、図25に示すように、トラッキングコイル4においてZ軸と平行な辺には、トラッキング駆動電流Itにより、X軸プラス方向に向かうトラッキング方向の駆動力Ft0が発生するが、トラッキングコイル4においてY軸と平行な辺には、磁束がフォーカス方向に貫通するため、トラッキング駆動力Ft0とは反対方向の駆動力Ft1,Ft2が発生する。そして、可動部がフォーカス駆動力Ff0により光ディスクEに近づく方向に移動すると、駆動力Ft1とFt2に差が生じ、可動部の重心Gに、Y軸に対し反時計回りのトルクが発生する。
つまり、フォーカスコイル3によるY軸回りのトルクと、トラッキングコイル4によるY軸回りのトルクとは、互いに打ち消しあう方向に働くため、光軸傾きを抑制し、結果として対物レンズ1をフォーカス方向とトラッキング方向に並進できていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、フォーカスコイル3により発生するY軸回りのトルクと、トラッキングコイル4により発生するY軸回りのトルクとを正確に打ち消し合うように調整する必要があり、組立誤差による磁石の位置ズレやレンズホルダの位置ズレに対する許容誤差(以下、トーレランスと称す)を大きくとることができないという問題があった。
【0016】
さらに、同一可動部にフォーカスコイルとトラッキングコイルを配置する必要があり、フォーカス方向の駆動用の電磁気回路,可動部および支持材と、トラッキング方向の駆動用の電磁気回路,可動部および支持材とを、独立して構成する分離型の対物レンズ駆動装置においては、フォーカス駆動力によるトルクをトラッキングコイルではキャンセルできず、対物レンズの光軸傾きが発生するという問題があった。
【0017】
それ故に、本発明の目的は、対物レンズの光軸傾きが少なく、かつトーレランスを大きくとれ、しかも設計自由度の高い対物レンズ駆動装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、少なくとも情報記録媒体と直交するフォーカス方向に駆動するための装置であって、
対物レンズを保持するレンズホルダと、
レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
レンズホルダを少なくともフォーカス方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
フォーカスコイルと対向して配置され、対向するフォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつ対向するフォーカスコイルの辺に対して平行な方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
フォーカスコイルを間に挟んで複数の永久磁石と対向し、フォーカスコイルの辺に対して平行な方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
複数の永久磁石は、2個の永久磁石であり、
対向するフォーカスコイルの辺の長さFpと、2個の永久磁石の取り付けピッチPとが、次式(a)の関係を有し、
2個の永久磁石は、対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布が、2つ以上の最大点を有し、かつ当該フォーカスコイルの辺の長さよりも領域が広くなるように磁束を発生することを特徴とする。
P=Fp …(a)
上記第1の発明によれば、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布の最大点が2以上存在するので、最大点が1つしかない従来装置に比べて、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布が平坦化される。そのため、磁気回路とフォーカスコイルとの間で位置誤差が多少あっても、フォーカスコイルに発生するY軸回りのトルクがそれほど大きくならない。その結果、磁気回路とフォーカスコイルとの位置誤差許容値、つまりトーレランスを大きくでき、設計自由度の高い対物レンズ駆動装置が得られる。また、フォーカスコイル単体でY軸回りのトルクを抑制できるので、トラッキングコイルによってY軸回りのトルクをキャンセルする必要が無くなり、フォーカス駆動用のアクチュエータとトラッキング駆動用のアクチュエータとを独立して構成してもY軸回りのトルクが大きくなることがない。
【0019】
また、上記第1の発明によれば、2個の永久磁石は、対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布領域が、当該フォーカスコイルの辺の長さよりも広くなるように磁束を発生するので、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布がより一層平坦化され、Y軸回りのトルクをより一層低減できる。
【0022】
の発明は、第1の発明において、
複数の永久磁石のフォーカスコイルと対向する面とは反対側の面に当接するように配置されたバックヨークをさらに備え、
複数の永久磁石と対向ヨークとバックヨークとが協働して、磁気回路を形成している。
【0023】
の発明は、第の発明において
ックヨークの中央部には、フォーカス方向に延び、かつ2個の永久磁石の位置決めを行うための中央凸部が形成されている。
上記第の発明によれば、対をなす永久磁石の位置決めが容易かつ安定して行え、品質が向上する。
【0024】
の発明は、第の発明において
ックヨークの両端部には、フォーカス方向に延び、かつ2個の永久磁石の位置決めを行うための2つの外側凸部が形成されている。
上記第の発明によれば、対をなす2つの永久磁石の取付けピッチを小さくでき、結果として対物レンズ駆動装置を小型化できる。
【0030】
の発明は、第1の発明において、
レンズホルダの複数の永久磁石と対向する側面と直交する側面には、強磁性体片が一体的に成形されていることを特徴とする。
上記第の発明によれば、複数の永久磁石を設けた場合であっても、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布が平坦化され、フォーカスコイルで発生するY軸回りのトルクを抑制することができる。そのため、配置すべき永久磁石のX軸方向の幅を小さくすることができ、対物レンズ駆動装置のX軸方向の幅を小さくできる。その結果、光ディスクを回転するモータの直径を大きくできる。
【0031】
の発明は、第の発明において、
強磁性体片は、導電性を有する部材で構成され、フォーカスコイルへの給電を、当該強磁性体片を介して行うことを特徴とする。
上記第の発明によれば、強磁性体片をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルへの給電のために兼用しているので、給電のためのプリント基板を別途設ける必要が無く、分品点数の削減によるコスト低減が図れる。
【0032】
の発明は、第の発明において、
弾性支持部は、強磁性体片に一体的に形成されている。
上記第の発明によれば、弾性支持部と強磁性体片とを1つの部材で構成できるため、分品点数の削減によるコスト低減が図れる。
【0033】
の発明は、コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、情報記録媒体と直交するフォーカス方向および情報記録媒体とは平行でかつ情報トラックとは直交するトラッキング方向に駆動するための装置であって、
対物レンズを保持するレンズホルダと、
レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
レンズホルダの側面に巻回または固着されたトラッキングコイルと、
レンズホルダをフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
情報トラックと平行な方向に向いてフォーカスコイルおよびトラッキングコイルと対向するように配置され、対向するフォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつトラッキング方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
フォーカスコイルを間に挟んで複数の永久磁石と対向し、トラッキング方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
トラッキングコイルは、トラッキング方向と平行な軸を中心にして、レンズホルダのトラッキング方向の一方側面に巻回または固着された第1のトラッキングコイルと、トラッキング方向と平行な軸を中心にして、レンズホルダのトラッキング方向の他方側面に巻回または固着された第2のトラッキングコイルとを含み、
複数の永久磁石は2個の永久磁石であり、
第1および第2のトラッキングコイルのトラッキング方向への取付けピッチTpおよびそれぞれの巻幅Twと、レンズホルダのトラッキング方向への可動範囲Tdと、2個の永久磁石のトラッキング方向への取付けピッチPおよびそれぞれの幅Wとが、次式(d)および/または(e)の関係を有し、
2個の永久磁石は、対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布が、2つ以上の最大点を有し、かつ対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布領域が、当該フォーカスコイルの辺の長さよりも広くなるように磁束を発生することを特徴とする。
Tp+Tw+Td≦P+W …(d)
Tp−Tw−Td≧P−W …(e)
上記第の発明によれば、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布の最大点が2以上存在するので、最大点が1つしかない従来装置に比べて、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布が平坦化される。そのため、磁気回路とフォーカスコイルとの間で位置誤差が多少あっても、フォーカスコイルに発生するY軸回りのトルクがそれほど大きくならない。その結果、磁気回路とフォーカスコイルとの位置誤差許容値、つまりトーレランスを大きくでき、設計自由度の高い対物レンズ駆動装置が得られる。
【0034】
また、上記の発明によれば、2個の永久磁石は、対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布領域が、当該フォーカスコイルの辺の長さよりも広くなるように磁束を発生するので、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布がより一層平坦化され、Y軸回りのトルクをより一層低減できる。
【0036】
また、上記第の発明によれば、レンズホルダがトラッキング方向への可動範囲Tdだけ移動した場合であっても、トラッキングコイルの片側が永久磁石の外側および/または内側に飛び出さない。すなわち、上式(d)および/または(e)の関係を満たしていれば、トラッキング方向への可動範囲Tdの範囲内でトラッキングコイルで発生する駆動力が急激に減少することはない。従って、フォーカス駆動とトラッキング駆動とを共通の磁気回路で構成した場合であっても、トラッキング駆動感度を大きくできると共に、消費電力を低くできる。
【0037】
の発明は、コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、情報記録媒体と直交するフォーカス方向および情報記録媒体とは平行でかつ情報トラックとは直交するトラッキング方向に駆動するための装置であって、
対物レンズを保持するレンズホルダと、
レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
レンズホルダの側面に巻回または固着されたトラッキングコイルと、
レンズホルダをフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
情報トラックと平行な方向に向いてフォーカスコイルおよびトラッキングコイルと対向するように配置され、対向するフォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつトラッキング方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
フォーカスコイルを間に挟んで複数の永久磁石と対向し、トラッキング方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
前記複数の永久磁石は2個の永久磁石であり、
2個の永久磁石第1および第2の永久磁石としたとき、
トラッキングコイルは、レンズホルダの情報トラックと平行な方向の一方側面に巻回または固着された第1のトラッキングコイルと、レンズホルダの情報トラックと平行な方向の他方側面に巻回または固着された第2のトラッキングコイルとを含み、
各トラッキングコイルは、情報トラックと平行な方向の軸を中心に渦巻き状に巻回され、かつ相互に接続された第1および第2の巻き束をそれぞれ含み、
第1および第2の巻き束は、それぞれ、第1および第2の永久磁石と対向するように左右対称に配置され、
第1および第2の巻き束の巻方向がフォーカス方向と平行な成分を有する辺のうち、互いに向かい合う辺間の取付けピッチTpおよび巻幅Twと、レンズホルダのトラッキング方向への可動範囲Tdと、第1および第2の永久磁石のトラッキング方向への取付けピッチPおよびそれぞれの幅Wとが、次式(f)および/または(g)の関係を有することを特徴とする。
Tp+Tw+Td≦P+W …(f)
Tp−Tw−Td≧P−W …(g)
上記第9の発明によれば、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布の最大点が2以上存在するので、最大点が1つしかない従来装置に比べて、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布が平坦化される。そのため、磁気回路とフォーカスコイルとの間で位置誤差が多少あっても、フォーカスコイルに発生するY軸回りのトルクがそれほど大きくならない。その結果、磁気回路とフォーカスコイルとの位置誤差許容値、つまりトーレランスを大きくでき、設計自由度の高い対物レンズ駆動装置が得られる。
また、上記第9の発明によれば、2個の永久磁石は、対向するフォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布領域が、当該フォーカスコイルの辺の長さよりも広くなるように磁束を発生するので、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布がより一層平坦化され、Y軸回りのトルクをより一層低減できる。
また、上記第の発明によれば、トラッキングコイルは巻芯を自由に設定できるため、トラッキングコイルの不要な巻回部分の長さを短くでき、抵抗値を小さくできる。
【0038】
10の発明は、第の発明において、
第1および第2のトラッキングコイルは、それぞれがプリント基板上に形成されており、当該プリント基板がレンズホルダの側面に固着されていることを特徴とする。
上記第10の発明によれば、第1および第2のトラッキングコイルを予めプリント基板上に形成した後、レンズホルダの側面に固定するようにしているので、トラッキングコイルをレンズホルダの側面に直接巻回する場合に比べて、トラッキングコイル形成工程を簡素化でき、製造コストの低減および組立時間の短縮化が図れる。
【0039】
11の発明は、第の発明において、
複数の永久磁石のフォーカスコイルと対向する面とは反対側の面に当接するように配置されたバックヨークをさらに備え、
複数の永久磁石と対向ヨークとバックヨークとが協働して、磁気回路を形成している。
【0040】
12の発明は、第11の発明において、
強磁性体から成り、対向ヨークおよびバックヨークの情報記録媒体に近い側の端面を橋架するように情報記録媒体と平行に配置されたカバーヨークをさらに備える。
上記第12の発明によれば、対向ヨークとバックヨークの各上端部を橋架するようにカバーヨークを設けるようにしているため、永久磁石に対しZ軸方向の磁気抵抗が対称になり、トラッキングコイルのY軸と平行な2辺には、均等な磁束が貫く。その結果、トラッキングコイルによって発生するY軸回りのトルクを小さくすることができる。
【0041】
13の発明は、第12の発明において
1および第2のトラッキングコイルのトラッキング方向への取付けピッチTpおよびそれぞれの巻幅Twと、レンズホルダのトラッキング方向への可動範囲Tdと、カバーヨークのトラッキング方向への幅Wyとが、次式(h)の関係を有することを特徴とする。
Wy≧Tp+Tw+Td …(h)
上記第13の発明によれば、上式(h)の関係を満足することで、トラッキング可動範囲Tdの範囲内で、トラッキングコイルによって発生するY軸回りのトルクをほぼ0にすることができる。
【0042】
14の発明は、第の発明において
ックヨークの中央部には、フォーカス方向に延び、2個の永久磁石の位置決めを行うための中央凸部が形成されている。
上記第14の発明によれば、対をなす永久磁石の位置決めが容易かつ安定して行え、品質が向上する。
【0043】
15の発明は、第の発明において
ックヨークのトラッキング方向両端部には、フォーカス方向に延び、2個の永久磁石の位置決めを行うための外側凸部が形成されている。
上記第15の発明によれば、対をなす2つの永久磁石の取付けピッチを小さくでき、結果として対物レンズ駆動装置を小型化できる。
【0050】
16の発明は、第の発明において、
レンズホルダのトラッキング方向側面に、強磁性体片を一体成形したことを特徴とする。
上記第16の発明によれば、各磁束発生部に単体の永久磁石を設けた場合であっても、フォーカスコイルの1辺を貫く磁束の密度分布が平坦化され、フォーカスコイルで発生するY軸回りのトルクを抑制することができる。そのため、配置すべき永久磁石のX軸方向の幅を小さくすることができ、対物レンズ駆動装置のX軸方向の幅を小さくできる。その結果、光ディスクを回転するモータの直径を大きくできる。
【0051】
17の発明は、第16の発明において、
強磁性体片は、導電性を有する部材で構成され、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルへの給電を、当該強磁性体片を介して行うことを特徴とする。
上記第16の発明によれば、強磁性体片をフォーカスコイルおよびトラッキングコイルへの給電のために兼用しているので、給電のためのプリント基板を別途設ける必要が無く、分品点数の削減によるコスト低減が図れる。
【0052】
18の発明は、第17の発明において、
弾性支持部は、強磁性体片に一体的に形成されている。
上記第18の発明によれば、弾性支持部と強磁性体片とを1つの部材で構成できるため、分品点数の削減によるコスト低減が図れる。
【0053】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図2は、同対物レンズ駆動装置における電磁気回路の要部上面図である。図3は、同対物レンズ駆動装置において、X軸方向の位置誤差が生じた場合の電磁気回路の要部上面図である。図4は、同対物レンズ駆動装置の電磁気回路のシミュレーション結果を示す図である。
なお、図1〜図3において、図23〜図26に示す従来例と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図1〜図3において、対物レンズ1は、液晶ポリマー,PPS等の樹脂成形品から成るレンズホルダ2に、接着等の方法により固着されている。バネ性を有する金属板(例えば、リン青銅の板材)から成る弾性支持材7の一端は、プリント基板10に半田固定されており、レンズホルダ2をフォーカス方向であるZ軸方向に移動可能に支持する。バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bは、永久磁石105と協働して、磁気回路を形成している。フォーカスコイル3は、レンズホルダ2の側面に、Z軸を中心に巻回されている。支持材固定部8は、支持材固定基板9を固定する。支持材固定基板9には、弾性支持材7の他端が半田固定されている。
【0055】
ここで、永久磁石105は、フォーカスコイル3においてX軸と平行な2面に対して2つずつ対向配置される。対を成す2つの永久磁石(すなわち、フォーカスコイル3の同一側面と対向する2つの永久磁石)105は、X軸方向に間隙を設けて配置されており、しかもフォーカスコイル3に対する磁極の向きは同一である。従って、図2に示すように、フォーカスコイル3を貫く磁束の密度分布には、磁束密度が最大となる点が2点存在することになる。
【0056】
バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bと一体に磁気ヨークを形成するヨークベース6は、支持材固定部8を固定すると共に、トラバースベース12に固定されている。トラッキングコイル4は、X軸を中心に巻回され、トラバースベース12に固着されている。トラバース用永久磁石13は、トラバース用バックヨーク14a上に固着され、トラバース用対向ヨーク14bと共に、磁気回路を形成している。ガイド軸15は、トラバースベース12の側面に設けられたX軸方向に貫通する孔に挿入されており、トラバースベース12のX軸方向への移送案内を行う。立ち上げミラー11は、X軸方向の先端に存在する図22に示す半導体レーザ111から出射されたX軸方向の光ビーム(図示せず)を、Z軸方向に曲げ、対物レンズ1に入射させる。
【0057】
次に、光ディスクEの反りに起因した上下運動により生じるフォーカスずれや、偏心などにより生じるトラッキングずれを補正するために、対物レンズ1をフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)の2軸に駆動する動作について述べる。
【0058】
フォーカス方向の駆動力は、ヨークベース6に取り付けられた永久磁石105,バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bから成る磁気回路の空隙中に、フォーカスコイル3を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したフォーカス方向の駆動力によって、レンズホルダ2は、弾性支持材7を介してフォーカス方向へと並進運動する。
【0059】
トラッキング方向の駆動力は、トラバース用永久磁石13,トラバース用バックヨーク14aおよびトラバース用対向ヨーク14bから成る磁気回路の空隙中に、トラッキングコイル4を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したトラッキング方向の駆動力によって、トラバースベース12は、ガイド軸15に沿って並進運動する。
【0060】
次に、第1の実施形態におけるY軸回りのトルク抑制機構について、図2および図3を参照して説明する。
図2は、対物レンズ1,レンズホルダ2,フォーカスコイル3およびプリント基板10から成る可動部の重心Gと磁気回路の中心とが一致している場合の電磁気回路の要部上面図である。フォーカスコイル3にフォーカス駆動電流Ifを通電すると、フォーカスコイル3においてX軸と平行な面には、光ディスクEに近づく方向に駆動力Ff0が発生する。この場合、フォーカスコイル3が磁気回路に対してY軸対称となっているので、フォーカスコイル3においてX軸と平行な面では、駆動力Ff0の発生中心と可動部の重心Gとの間でX軸方向のずれはなく、Y軸回りのトルクは発生しない。
【0061】
次に、可動部の重心Gと磁気回路の中心軸とがdxだけずれている場合のY軸回りのトルクについて、フォーカスコイルの有効幅Fpと永久磁石105の取付けピッチPとの関係を考慮しながら説明する。
【0062】
まず、図3(a)に示すように、一対の永久磁石105が、それぞれの同一磁極をフォーカスコイル3においてX軸方向に沿って延びる一辺と対向させるように配置されているため、磁束密度分布の最大点が2点発生し、図26に示す従来例と比較して、フォーカスコイル3のX軸と平行な辺を貫く磁束密度分布が、より平坦に、かつより広範囲に分布する。従って、フォーカスコイル3に発生する駆動力Ff0の発生中心は、フォーカスコイル3のX軸方向の位置に依存するようになり、結果として可動部の重心Gとフォーカスコイル3の駆動中心Ff0とのX軸方向の位置ズレは小さくなる。そのため、可動部の重心Gを中心にY軸回りに発生するトルクは小さくなる。
【0063】
そして、図3(b)に示すように、フォーカスコイル3において永久磁石105と対向する辺のX軸方向の長さFpよりも、永久磁石105の取付けピッチPとX軸方向の幅Wとを加算した幅の方が大きい場合、つまり、フォーカスコイル3のX軸方向の辺の長さよりも、フォーカスコイル3のX軸方向の辺を貫く磁束密度分布のX軸方向の分布幅の方が広い場合は、フォーカスコイル3のX軸と平行な辺では、X軸プラス側の永久磁石105と対向する面積が増し、可動部の重心Gの動きと同一方向に、フォーカス方向の駆動力Ff0の発生中心が移動する。従って、可動部の重心Gを中心に発生するY軸回りのトルクは、より一層小さくなる。
【0064】
Y軸回りのトルクの大きさは、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心Gとの間のX軸方向のずれ量dと、フォーカスコイル3で発生する駆動力との積で決まる。図4は、この関係をシミュレーションした結果を示したものであり、永久磁石105の幅Wを2.5mm、フォーカスコイル3のX軸方向の幅Fpを7.2mmとし、磁気回路の中心と可動部の重心GとのX軸方向の取付け位置誤差dxが0.5mm発生した場合の、永久磁石105の取付けピッチPと、フォーカスコイル3で発生するトータルのフォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心GとのX軸方向のずれ量dとの関係を示している。
【0065】
図4において、永久磁石105の取付けピッチPが2.5mm(グラフデータ左端)の場合は、対になった2つの永久磁石105の間に間隙がない、つまり従来例の構成と等価である。この場合、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心GとのX軸方向の位置ずれ量dが0.5mmとなり、可動部のX軸方向の取付け位置誤差dxとほぼ等しくなっている。一方、対をなす2つの永久磁石105の間で間隙が存在する構成では、間隙が無い場合に比べて、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心GとのX軸方向の位置ずれ量dが明らかに減少している。そして、永久磁石105の取付けピッチPと、フォーカスコイル3の有効幅Fpとが等しい場合(すなわち、P=Fpの場合)、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心Gとのずれ量dは零になっている。そして、永久磁石105の取付けピッチPがフォーカスコイル3の有効幅Fpよりも大きくなると、フォーカス駆動力の発生中心Fcと可動部の重心GとのX軸方向の位置ずれ量dは、マイナス方向に大きくなるものの、その絶対値は、ピッチPが2.5mmの場合よりも小さい。
【0066】
以上説明したように、第1の実施形態に係る対物レンズ駆動装置では、X軸方向に間隙を空けた一対の永久磁石105を、フォーカスコイル3のX軸方向に平行な辺と対向するように配置したので、フォーカスコイル3に発生するY軸回りのトルクをフォーカスコイル3単体で抑制できる。その結果、磁気回路とフォーカスコイル3との位置誤差許容値、つまりトーレランスを大きくできる。
【0067】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図6は、同対物レンズ駆動装置の要部上面図である。図7は、同対物レンズ駆動装置における電磁気回路のシミュレーション結果を示す図である。なお、図5および図6において、図23〜図26に示す従来例と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
図5および図6を参照して、対物レンズ1は、液晶ポリマー,PPS等の樹脂成形品から成るレンズホルダ2に、接着等の方法により固着されている。バネ性を有する金属板(例えば、リン青銅の板材)から成る弾性支持材7の一端は、プリント基板10に半田固定されており、レンズホルダ2をフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)に移動可能に支持する。バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bは、互いに磁気ヨークを形成しており、永久磁石105と協働して磁気回路を形成している。フォーカスコイル3は、レンズホルダ2の側面にZ軸を中心に巻回されている。トラッキングコイル4は、レンズホルダ2の側面にX軸を中心に巻回されている。支持材固定部8は、支持材固定基板9を固定する。支持材固定基板9には、弾性支持材7の他端が半田固定されている。
【0069】
ここで、永久磁石105は、第1の実施形態の場合と同様に、フォーカスコイル3におけるX軸方向と平行な2つの側面と対向するように、それぞれの側面に対して一対ずつ配置される。フォーカスコイル3の同一面と対向する2つの永久磁石(すなわち、対を成す2つの永久磁石)105は、X軸方向に間隙を設けて配置され、しかもフォーカスコイル3に対する磁極の向きは同一である。従って、図6に示すように、フォーカスコイル3を貫く磁束の密度分布には、磁束密度が最大となる点が2点存在することになる。
【0070】
さらに、第2の実施形態では、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpおよびその巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、永久磁石105のX軸方向の幅Wおよびその取付けピッチPとの関係が、次式(1)を満たすように各部材が配置されている。
Tp+Tw+Td≦P+W …(1)
【0071】
バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bと共に磁気ヨークを形成するヨークベース6は、支持材固定部8を固定すると共に、図22に示す半導体レーザ111,ビームスプリッタ222およびフォトディテクタ666を保持する光学基台(図示せず)上に固定されている。
【0072】
次に、光ディスクEの反りに起因する上下運動により生ずるフォーカスずれや、偏心などにより生ずるトラッキングずれを補正するために、対物レンズ1をフォーカス方向とトラッキング方向の2軸に駆動する動作について述べる。
フォーカス方向への駆動力は、ヨークベース6に取り付けられた永久磁石105,バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bから成る磁気回路の空隙中に、フォーカスコイル3を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したフォーカス方向への駆動力によって、レンズホルダ2は、弾性支持材7を介してフォーカス方向へと並進運動する。
【0073】
トラッキング方向への駆動力は、ヨークベース6に取り付けられた永久磁石105,バックヨーク6aおよび対向ヨーク6bから成る磁気回路の空隙中に、トラッキングコイル4を配置した電磁駆動回路によって発生する。発生したトラッキング方向への駆動力によって、レンズホルダ2は、弾性支持材7を介してトラッキング方向へと並進運動する。
【0074】
ここで、トラッキングコイル4において主たる駆動力発生源となるZ軸方向と平行な部分は、永久磁石105に近いため、永久磁石105との位置関係によってその発生駆動力に影響を受ける。図6において、トラッキングコイル4が永久磁石105よりもX軸方向に飛び出す構成になると、トラッキングコイル4で発生する駆動力は極端に劣化する。すなわち、トラッキング可動範囲Tdの範囲内でトラッキングコイル4が永久磁石105よりもX軸方向に飛び出すことがあると、トラッキングコイル4で発生する駆動力は極端に劣化し、リニアリティを確保できなくなる。
【0075】
前述したように、第2の実施形態の対物レンズ駆動装置では、永久磁石105の取付けピッチPと永久磁石105のX軸方向の幅Wとの和の方が、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpとその巻幅Twとトラッキング可動範囲Tdとの和よりも大きくなるように、つまり前述の式(1)の関係が成立するように、各部材が配置されている。そのため、レンズホルダ2がトラッキング可動範囲Tdだけ移動しても、トラッキングコイル4の片側が永久磁石105の外側に飛び出さない。
【0076】
また、永久磁石105の取付けピッチPと永久磁石105のX軸方向の幅Wとの差の方が、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpからその巻幅Twとトラッキング可動範囲Tdとを差し引いた値よりも小さい場合、つまり次式(2)の関係が成立する場合、トラッキング可動範囲Tdだけレンズホルダ2が移動した場合に、トラッキングコイル4の片側が永久磁石105の内側に飛び出さない。
Tp−Tw−Td≧P−W …(2)
【0077】
上記のように、式(1)および/または(2)の関係を満たしていれば、トラッキング可動範囲Tdの範囲内でトラッキングコイル4で発生する駆動力が急激に減少することはない。
【0078】
図7は、以上の関係を、永久磁石105のX軸方向の幅W=2.5mm、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTp=6.0mm、トラッキングコイル4のX軸方向巻幅Tw=0.5mm、トラッキング可動範囲Td=0.5mmの条件下でシミュレーションした結果を示している。図7に示すように、永久磁石105の取付けピッチPが5.5mm以上7.5mm以下では、トラッキング駆動力がほぼ一定であり、それ以外では極端に劣化していることが分かる。
【0079】
なお、第2の実施形態におけるフォーカスコイル3のY軸回りのトルク抑制機構については、前述した第1の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0080】
以上説明したように、第2の実施形態に係る対物レンズ駆動装置は、対物レンズ1を保持するレンズホルダ2の側面にフォーカスコイル3およびトラッキングコイル4の両方を巻回し、フォーカスコイル3のX軸方向と平行な2面と対向し、かつX軸方向に間隔を空けた永久磁石105を、各面に対して一対ずつ配置し、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpおよびその巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、永久磁石105のX軸方向の幅Wと、永久磁石の取付けピッチPとが、前述の式(1)および/または(2)の関係をもつ構成とすることで、第1の実施形態の効果に加え、フォーカス駆動とトラッキング駆動とを共通の磁気回路で構成した場合であっても、トラッキング駆動感度を大きくできると共に、消費電力を低くできる。
【0081】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の斜視図である。図9は、同対物レンズ駆動装置の電磁気回路の要部側面図である。なお、図8および図9において、図5および図6に示す第2の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0082】
図5および図6に示す第2の実施形態では、トラッキングコイル4がレンズホルダ2の側面にX軸を中心に巻回されていた。これに対し、図8および図9に示す第3の実施形態では、トラッキングコイル104は、Y軸を中心に巻回されている。また、トラッキングコイル104は、レンズホルダ2のX軸方向に沿って延びる2側面に、一組ずつ設けられている。各組のトラッキングコイル104は、それぞれ巻芯の異なる2つの巻き束を有しており、各巻き束は、X軸方向に間隙を空けて配置された一対の永久磁石105の対称軸を中心として、左右対称な位置に配置されている。第3の実施形態のその他の構成は、図5および図6に示す第2の実施形態と同様である。
【0083】
ここで、トラッキングコイル104のコイル巻方向がフォーカス方向(Z軸方向)と平行な成分を有する辺のうち、互いに向かい合う辺間の取付けピッチTpおよび巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、永久磁石105のX軸方向の幅Wと、取付けピッチPとの関係が、次式(3)および/または(4)の関係を有している。
Tp+Tw+Td≦P+W …(3)
Tp−Tw−Td≧P−W …(4)
【0084】
なお、第3の実施形態の動作およびフォーカスコイル3のY軸回りのトルク抑制機構については、第1および第2の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0085】
第3の実施形態は、以上説明したように構成されているため、第1および第2の実施形態と同様な効果が得られるばかりでなく、トラッキングコイル104は巻芯を自由に設定できるため、トラッキングコイル104の不要な巻回部分の長さを短くでき、抵抗値を小さくできる。
【0086】
なお、第3の実施形態では、トラッキングコイル104を巻線コイルで構成したが、プリント基板ないしフレキシブル基板にパターンとしてトラッキングコイル104を設けても同様な効果があることは言うまでもない。
【0087】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図11は、同対物レンズ駆動装置の要部上面図である。図12は、同対物レンズ駆動装置の要部側面図である。なお、図10〜図12において、図5および図6に示す第2の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
図10〜図12に示す第4の実施形態が、図5および図6に示す第2の実施形態と異なる点は、永久磁石105と共に磁気回路を形成するバックヨーク6aおよび対向ヨーク6bの各上端部(光ディスクEに近い側の端部)に、Y軸方向(光ディスクEと平行な方向)に沿って延び、かつ鉄などの強磁性体から成るカバーヨーク20を設けた点である。
【0089】
ここで、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpおよびその巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、カバーヨーク20のX軸方向の幅Wyとの関係は、次式(5)の関係を満たしている。
Wy≧Tp+Tw+Td …(5)
【0090】
次に、第4の実施形態において、トラッキングコイル4によるY軸回りのトルク抑制機構について説明する。
図12において、トラッキングコイル4に駆動電流Itが流れると、トラッキングコイル4のうち、Z軸と平行な2辺には、X軸プラス方向のFt0が発生するが、Y軸と平行な2辺には、磁束がフォーカス方向(Z軸方向)に抜けるため、X軸マイナス方向の駆動力Ft1、Ft2が発生する。ここで、駆動力Ft1とFt2に差が生じると、Y軸回りのトルクが発生する。
【0091】
第4の実施形態では、カバーヨーク20を設けるようにしているため、永久磁石105に対しZ軸方向の磁気抵抗が対称になり、トラッキングコイル4のY軸と平行な2辺には、均等な磁束が貫く。つまり、駆動力Ft1とFt2の大きさが等しくなり、Y軸回りのトルクは発生しない。そして、前述の式(5)を満足することで、トラッキング可動範囲Tdの範囲内で駆動力Ft1とFt2が等しくなり、トラッキングコイル4によって発生するY軸回りのトルクを小さくできる。
【0092】
なお、第4の実施形態のその他の動作およびフォーカスコイル3によるY軸回りのトルク抑制機構については、第1の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0093】
第4の実施形態に係る対物レンズ駆動装置は、以上のように構成されているため、第1および第2の実施形態の効果に加え、トラッキングコイル4により発生するY軸回りの回転トルクを小さくでき、光軸傾きをさらに小さくできる。
【0094】
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。なお、図13において、図10〜図12に示す第4の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
図13に示す第5の実施形態が図10〜図12に示す第4の実施形態と異なる点は、フラットなバックヨーク6aに代えて、中央凸部106を有するバックヨーク6a’を設けた点である。すなわち、バックヨーク6a’において、永久磁石105と接する面のほぼ中央には、Z軸方向に延びる中央凸部106が形成されている。
【0096】
次に、永久磁石105をバックヨーク6a’に取り付ける方法について説明する。対を成す2つの永久磁石105の裏面をバックヨーク6a’の平面部分(中央凸部106以外の部分)に当接させ、当該2つの永久磁石105の内側面を中央凸部106の側面に各々当接させることで、永久磁石105のX軸方向の位置を決める。これにより、対を成す永久磁石105の磁気吸引力がバックヨーク6a’の平面部分および中央凸部106との間に働き、その位置が安定する。
【0097】
なお、第5の実施形態におけるその他の動作およびY軸回りのトルク抑制機構に関しては、第4の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0098】
第5の実施形態は、以上のように構成されているため、第4の実施形態の効果に加え、対をなす永久磁石105の位置決めが容易かつ安定して行え、品質が向上する。
【0099】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。なお、図14において、図10〜図12に示す第4の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0100】
図14に示す第6の実施形態が図10〜図12に示す第4の実施形態と異なる点は、フラットなバックヨーク6aに代えて、外側凸部206を有するバックヨーク6a”を設けた点である。すなわち、バックヨーク6a”において、永久磁石105と接する面の外側両端部には、Z軸方向に延びる外側凸部206が形成されている。
【0101】
次に、永久磁石105をバックヨーク6a”へ取り付ける方法について説明する。対を成す2つの永久磁石105の裏面をバックヨーク6a”の平面部分(外側凸部206以外の部分)に当接させ、当該2つの永久磁石105の外側面を外側凸部206の側面に各々当接させることで、永久磁石105のX軸方向の位置を決める。ここで、対を成す2つの永久磁石105の内側面間では、互いに反発力が働く。そのため、対を成す2つの永久磁石105の取付けピッチを小さくすると、当該2つの永久磁石105は互いに離れようとする。従って、第4の実施形態では、対を成す2つの永久磁石105の取付けピッチを大きくとる必要があった。しかし、第6の実施形態では、バックヨーク6a”に外側凸部206を設けているため、対を成す2つの永久磁石105間で反発力が生じても、永久磁石105の動きが外側凸部206の側面で規制され、それ以上外側方向に動かなくなる。すなわち、自己整合的に永久磁石105が位置決めされ、X軸方向の位置ずれが起こらない。そのため、第6の実施形態では、対を成す2つの永久磁石105の取付けピッチを小さくできる。
【0102】
なお、第6の実施形態におけるその他の動作およびY軸回りのトルク抑制機構に関しては、第4の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0103】
第6の実施形態は、以上のように構成されているので、第4および第5の実施形態の効果に加え、対をなす2つの永久磁石105の取付けピッチを小さくでき、結果として対物レンズ駆動装置を小型化できる。
【0104】
(第7の実施形態)
図15は、本発明の第7の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図16は、同対物レンズ駆動装置における電磁気回路の要部上面図である。なお、図15および図16において、図5および図6に示す第2の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0105】
図15および図16を参照して、第7の実施形態では、図5および図6に示す第2の実施形態におけるバックヨーク6aおよび対向ヨーク6bに代えて、分割ヨーク6cが設けられ、永久磁石105に代えて、永久磁石205が設けられている。
【0106】
分割ヨーク6cは、フォーカスコイル3におけるX軸方向と平行な2側面と対向するように、各側面についてそれぞれ2つずつ配置される。対を成す2つの分割ヨーク(フォーカスコイル3の同一面と対向する2つの分割ヨーク)6cは、X軸方向に間隙を設けて配置されている。分割ヨーク6cの裏面(フォーカスコイル3と対向する面とは反対の面)には、永久磁石205が固着される。
【0107】
ここで、第7の実施形態では、分割ヨーク6cのX軸方向の幅Wcおよびその立設ピッチPcの関係が、次式(6)の関係を満足している。
Pc−Wc>0 …(6)
【0108】
また、第7の実施形態では、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpおよびその巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、分割ヨーク6cのX軸方向の幅Wcおよびその立設ピッチPcとの関係が、次式(7)および/または(8)の関係を満足している。
Tp+Tw+Td≦Pc+Wc …(7)
Tp−Tw−Td≧Pc−Wc …(8)
【0109】
次に、第7の実施形態における磁気回路中の磁束の流れについて、図16を参照して説明する。永久磁石205の磁極の向きは、Y軸方向に向いている。分割ヨーク6cが設けられていない場合は、従来の対物レンズ駆動装置のように、磁束密度分布は、中央付近が高くなる(図26参照)。これに対し、第7の実施形態では、磁束が分割ヨーク6cによって分散され、一部は分割ヨーク6cを伝わり永久磁石205に戻り、残りはフォーカスコイル3およびトラッキングコイル4に向けて均一な磁束密度分布を形成する。
【0110】
なお、第7の実施形態におけるその他の動作およびY軸回りのトルク抑制機構に関しては、第2の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0111】
第7の実施形態は、以上のように構成されているため、第2の実施形態の効果に加え、一面に配置する永久磁石205を単一化でき、部品点数の削減による低価格化が可能になる。
【0112】
(第8の実施形態)
図17は、本発明の第8の実施形態における対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図18は、同対物レンズ駆動装置の電磁気回路の要部上面図である。なお、図17および図18において、図10〜図12に示す第4の実施形態および図15、図16に示す第7の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0113】
図17および図18を参照して、第8の実施形態では、図15〜図16に示す永久磁石205に代えて、永久磁石305が設けられ、中間ヨーク306が新たに追加されている。
【0114】
中間ヨーク306は、そのX軸方向の両端部に一対の凸部を有しており、Y軸方向でフォーカスコイル3およびトラッキングコイル4と対向する。中間ヨーク306の裏面(フォーカスコイル3と対向する面とは反対の面)には、永久磁石305が固着されている。バックヨーク6aは、Y軸方向で永久磁石305を中間ヨーク306との間に挟むように立設される。
【0115】
ここで、第8の実施形態では、中間ヨーク306の凸部のX軸方向の幅WbおよびピッチPbの関係が、次式(9)の関係を満足している。
Pb−Wb>0 …(9)
【0116】
また、第8の実施形態では、トラッキングコイル4のX軸方向の取付けピッチTpおよびその巻幅Twと、トラッキング可動範囲Tdと、中間ヨーク306の凸部のX軸方向の幅WbおよびピッチPbとの関係が、次式(10)および(11)の関係を満足している。
Tp+Tw+Td≦Pb+Wb …(10)
Tp−Tw−Td≧Pb−Wb …(11)
【0117】
次に、第8の実施形態における磁束の流れを、図18を参照して説明する。永久磁石305の磁極はY軸方向を向いており、磁束は中間ヨーク306に流れる。中間ヨーク306の2つの凸部から、中間ヨークの全磁束がフォーカスコイル3並びにトラッキングコイル4に向けて流れ、ギャップ中の磁束密度分布はほぼ均一になる。そして、その磁束は対向ヨーク6bに流れ、ヨークベース6(または、カバーヨーク20)、バックヨーク6aを流れ、永久磁石305に戻る。
【0118】
なお、第8の実施形態におけるその他の動作およびY軸回りのトルク抑制機構に関しては、第4の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0119】
第8の実施形態は、以上のように構成されているため、第4の実施形態の効果に加え、磁束の利用効率が向上し、駆動感度の向上ないし磁石の小型化が可能になり、対物レンズ駆動装置の小型化と低消費電力化が実現できる。
【0120】
(第9の実施形態)
図19は、本発明の第9の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。図20は、同対物レンズ駆動装置の要部上面図である。なお、図19および図20において、図10および図11に示す第4の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0121】
第9の実施形態が図10および図11に示す第4の実施形態と異なる点は、フォーカスコイル3におけるX軸方向と平行な2つの面に対してそれぞれ単体の永久磁石405を対向して配置した点と、フォーカスコイル3におけるY軸方向と平行な2つの面に対してそれぞれ2個ずつの板状の強磁性体片30を設けた点とである。
【0122】
弾性支持材7は、レンズホルダ2をフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)に移動可能に支持すると共に、フォーカスコイル3およびトラッキングコイル4への通電を可能にしている。ヨークベース6,バックヨーク6a,対向ヨーク6bおよびカバーヨーク20は、何れも磁気ヨークであり、バックヨーク6aに固着された永久磁石405と協働して、磁気回路を形成している。
【0123】
なお、光ディスクEの反りに起因する上下運動により生ずるフォーカスずれや、偏心などにより生ずるトラッキングずれを補正するために、対物レンズ1をフォーカス方向とトラッキング方向の2軸に駆動する動作については、図23〜図26に示す従来例と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0124】
次に、第9の実施形態において、フォーカスコイル3におけるY軸回りのトルク抑制機構について、図20を参照して説明する。フォーカスコイル3のX軸と平行な辺には、Y軸方向の磁束が貫き、フォーカス駆動電流Ifとの電磁作用により光ディスクEに近づく駆動力Ff0が発生する。一方、フォーカスコイル3のY軸と平行な2辺には、フォーカスコイル3のX軸と平行な辺を貫いた磁束がX軸方向に貫き、強磁性体片30に集まる。そしてフォーカス駆動電流Ifとの電磁作用により、フォーカスコイル3のY軸と平行な2辺のうち、X軸マイナス側の辺には駆動力Ff1が発生し、X軸プラス側の辺には駆動力Ff2が発生し、これら駆動力の方向はいずれも光ディスクEから遠ざかる方向である。
【0125】
フォーカスコイル3の中心と、磁気回路の中心とが一致している場合は、駆動力Ff0の発生中心は、対物レンズ1とレンズホルダ2とフォーカスコイル3とトラッキングコイル4とプリント基板10と強磁性体片30とから成る可動部の重心Gと一致している。この場合、フォーカスコイル3のX軸と平行な辺には、Y軸回りのトルクは発生しない。また、フォーカスコイル3のY軸と平行な2辺には、均等に磁束が貫くため、駆動力Ff1,Ff2は等しい。すなわち、フォーカスコイル3のY軸と平行な2辺のうち、X軸マイナス側の辺とX軸プラス側の辺とでY軸回りのトルクを打ち消し合う。よって、フォーカスコイル3全体でもY軸回りのトルクは発生しない。
【0126】
次に、磁気回路の中心とフォーカスコイルの中心とが異なる場合を説明する。可動部が例えばX軸プラス方向に移動した場合、フォーカスコイル3のX軸と平行な部分では、駆動力Ff0の発生中心は磁気回路の中心であり、可動部の重心GよりX軸マイナス側にずれる。そのため、Y軸回りに時計回りのトルクが発生する。一方、Y軸と平行な2辺を貫く磁束も不均等となる。そのため、これら2辺に発生する光ディスクEから遠ざかる駆動力Ff1、Ff2にも差が出る。すなわち、X軸マイナス側の辺には、強磁性体片30が永久磁石405に近づくことで、X軸方向に貫く磁束密度が高まり、そこで発生する駆動力Ff1の方が、X軸プラス側の辺に発生する駆動力Ff2よりも大きくなる。これによって、Y軸回りに反時計回りのトルクが発生する。結果として、フォーカスコイル3のX軸と平行な辺とY軸と平行な2辺とで、Y軸回りのトルクを打ち消し合う事ができる。
【0127】
以上説明したように、第9の実施形態では、フォーカスコイル3のX軸と平行な2辺に対して、それぞれ単体の永久磁石405を対向配置しつつも、Y軸回りのトルクを抑制することができる。そのため、配置すべき永久磁石のX軸方向の幅を小さくすることができ、対物レンズ駆動装置のX軸方向の幅を小さくできる。よって、第4の実施形態の効果に加え、光ピックアップのX軸方向の幅を小さくでき、光ディスクEを回転するモータの直径を大きくできる。
【0128】
(第10の実施形態)
図21は、本発明の第10の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。なお、図21において、図19および図20に示す第9の実施形態と同じ機能を有する構成部材には、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0129】
図21において、レンズホルダ2は、液晶ポリマー、PPS等から成る樹脂成形品である。フォーカスコイル403は、フォーカス方向であるZ軸方向を中心に巻回され、レンズホルダ2のX軸方向と平行な2側面に固着されている。トラッキングコイル404は、図8および図9に示すトラッキングコイル104と同様に、Y軸方向を中心に巻回され、レンズホルダ2のX軸方向と平行な2側面に一対ずつ固着されている。強磁性体片40は、バネ性および導電性を有しており、例えば鉄分を含むステンレス板で構成される。弾性支持部17は、板金プレス加工などにより、強磁性体片40と一体に形成されている。そして、強磁性体片40は、レンズホルダ2とインサート成形により一体に形成されており、フォーカスコイル403とトラッキングコイル404の端部が半田固定されている。
【0130】
図21おいて、図19および図20に示す第9の実施形態と異なる点は、レンズホルダ2のY軸方向と平行な2側面に、バネ性および導電性を有する材質から成る弾性支持部17を一体に形成する強磁性体片40を、インサート成形により固着したことである。
【0131】
なお、第10の実施形態において、その他の動作およびY軸回りの回転トルク抑制機構に関しては、第9の実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0132】
以上説明したように、第10の実施形態に係る対物レンズ駆動装置は、Z軸を中心に巻回されたフォーカスコイル403と、Y軸を中心に巻回されたトラッキングコイル404とを、レンズホルダ2のX軸方向と平行な2側面に固着し、レンズホルダ2のY軸と平行な2側面に、バネ性および導電性を有する材質から成る弾性支持部17を一体に形成した強磁性体片40を、インサート成形によりレンズホルダ2と一体化し、フォーカスコイル403とトラッキングコイル404の端部を強磁性体片40に半田固定するようにしているので、レンズホルダ2の側面にプリント基板が不要となるばかりでなく、組立て工数の削減ができ、第9の実施形態の効果に加え、低価格化が可能になる。
【0133】
なお、第10の実施形態では、フォーカスコイル403をレンズホルダ2に固着したが、レンズホルダ2の側面全体にZ軸を中心に巻回し、強磁性体片40をレンズホルダ2のY軸方向と平行な側面に固着してもよい。また、トラッキングコイル404を、レンズホルダ2の側面にX軸を中心に巻回しても良いことは言うまでもない。
【0134】
また、第10の実施形態では、フォーカスコイル403とトラッキングコイル404とをレンズホルダ2に固着したが、強磁性体片40と同様に、インサート成形によりレンズホルダ2と一体化しても良い。
【0135】
なお、以上説明した各実施形態では、フォーカスコイルの1つの辺を貫く磁束の密度分布が最大となる点を2箇所で生じさせることにより、磁束密度分布の平坦化を図っているが、フォーカスコイルの1つの辺に対して磁束密度分布が最大となる点を3箇所以上で生じさせるようにしても良い。この場合、フォーカスコイルのX軸と平行な辺に対向して、3つ以上の永久磁石または分割ヨークを設けるか、または中間ヨークが有する凸部を3つ以上設けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の対物レンズ駆動装置における電磁気回路の要部上面図である。
【図3】第1の実施形態の対物レンズ駆動装置において、X軸方向の位置誤差が生じた場合の電磁気回路の要部上面図である。
【図4】第1の実施形態の対物レンズ駆動装置の電磁気回路のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態の対物レンズ駆動装置の要部上面図である。
【図7】第2の実施形態の対物レンズ駆動装置における電磁気回路のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の斜視図である。
【図9】第3の実施形態の対物レンズ駆動装置の電磁気回路の要部側面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図11】第4の実施形態の対物レンズ駆動装置の要部上面図である。
【図12】第4の実施形態の対物レンズ駆動装置の要部側面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図16】第7の実施形態の対物レンズ駆動装置における電磁気回路の要部上面図である。
【図17】本発明の第8の実施形態における対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図18】第8の実施形態の対物レンズ駆動装置の電磁気回路の要部上面図である。
【図19】本発明の第9の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図20】第9の実施形態の対物レンズ駆動装置の要部上面図である。
【図21】本発明の第10の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図22】光ディスク装置に搭載される光ピックアップの概略的な構造を示す図である。
【図23】従来の対物レンズ駆動装置の構成を示す斜視図である。
【図24】従来の対物レンズ駆動装置において、対物レンズをフォーカス方向(Z軸方向)とトラッキング方向(X軸方向)に移動中の様子を示す要部断面図である。
【図25】従来の対物レンズ駆動装置において、対物レンズをフォーカス方向とトラッキング方向に移動中の様子を示す要部側面図である。
【図26】従来の対物レンズ駆動装置において、X軸方向の位置誤差が生じた場合の電磁気回路の要部上面図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ
2…レンズホルダ
3…フォーカスコイル
4,104,404…トラッキングコイル
105,205,305,405…永久磁石
7…弾性支持材
E…光ディスク
6…ヨークベース
6a,6a’,6a”…バックヨーク
6b…対向ヨーク
6c…分割ヨーク
20…カバーヨーク
306…中間ヨーク
30,40…強磁性体片

Claims (18)

  1. コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、少なくとも情報記録媒体と直交するフォーカス方向に駆動するための装置であって、
    前記対物レンズを保持するレンズホルダと、
    前記レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
    前記レンズホルダを少なくともフォーカス方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
    前記フォーカスコイルと対向して配置され、対向する前記フォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつ対向する前記フォーカスコイルの辺に対して平行な方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
    前記フォーカスコイルを間に挟んで前記複数の永久磁石と対向し、前記フォーカスコイルの辺に対して平行な方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
    前記複数の永久磁石は、2個の永久磁石であり、
    対向する前記フォーカスコイルの辺の長さFpと、前記2個の永久磁石の取り付けピッチPとが、次式(a)の関係を有し、
    前記2個の永久磁石は、対向する前記フォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布が、2つ以上の最大点を有し、かつ当該フォーカスコイルの辺の長さよりも領域が広くなるように磁束を発生することを特徴とする、対物レンズ駆動装置。
    P=Fp …(a)
  2. 前記2個の永久磁石の前記フォーカスコイルと対向する面とは反対側の面に当接するように配置されたバックヨークをさらに備え、
    前記2個の永久磁石と前記対向ヨークと前記バックヨークとが協働して、磁気回路を形成している、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 記バックヨークの中央部には、前記フォーカス方向に延び、かつ前記2個の永久磁石の位置決めを行うための中央凸部が形成されている、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 記バックヨークの両端部には、前記フォーカス方向に延び、かつ前記2個の永久磁石の位置決めを行うための2つの外側凸部が形成されている、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 前記レンズホルダにおいて、前記複数の永久磁石と対向する側面と直交する側面には、強磁性体片が一体的に成形されていることを特徴とする、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 前記強磁性体片は、導電性を有する部材で構成され、前記フォーカスコイルへの給電を、当該強磁性体片を介して行うことを特徴とする、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 前記弾性支持部は、前記強磁性体片に一体的に形成されている、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  8. コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、情報記録媒体と直交するフォーカス方向および情報記録媒体とは平行でかつ情報トラックとは直交するトラッキング方向に駆動するための装置であって、
    前記対物レンズを保持するレンズホルダと、
    前記レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
    前記レンズホルダの側面に巻回または固着されたトラッキングコイルと、
    前記レンズホルダを前記フォーカス方向および前記トラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
    前記情報トラックと平行な方向に向いて前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルと対向するように配置され、対向する前記フォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつ前記トラッキング方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
    前記フォーカスコイルを間に挟んで前記複数の永久磁石と対向し、前記トラッキング方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
    前記トラッキングコイルは、前記トラッキング方向と平行な軸を中心にして、前記レンズホルダのトラッキング方向の一方側面に巻回または固着された第1のトラッキングコイルと、前記トラッキング方向と平行な軸を中心にして、前記レンズホルダのトラッキング方向の他方側面に巻回または固着された第2のトラッキングコイルとを含み、
    前記複数の永久磁石は2個の永久磁石であり、
    前記第1および第2のトラッキングコイルの前記トラッキング方向への取付けピッチTpおよびそれぞれの巻幅Twと、前記レンズホルダのトラッキング方向への可動範囲Tdと、前記2個の永久磁石の前記トラッキング方向への取付けピッチPおよびそれぞれの幅Wとが、次式(d)および/または(e)の関係を有し、
    前記2個の永久磁石は、対向する前記フォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布が、2つ以上の最大点を有し、かつ当該フォーカスコイルの辺の長さよりも領域が広くなるように磁束を発生することを特徴とする、対物レンズ駆動装置。
    Tp+Tw+Td≦P+W …(d)
    Tp−Tw−Td≧P−W …(e)
  9. コヒーレント光を情報記録媒体上の情報トラックに集光する対物レンズを、情報記録媒体と直交するフォーカス方向および情報記録媒体とは平行でかつ情報トラックとは直交するトラッキング方向に駆動するための装置であって、
    前記対物レンズを保持するレンズホルダと、
    前記レンズホルダの側面に巻回または固着されたフォーカスコイルと、
    前記レンズホルダの側面に巻回または固着されたトラッキングコイルと、
    前記レンズホルダを前記フォーカス方向および前記トラッキング方向に移動可能に支持する弾性支持部と、
    前記情報トラックと平行な方向に向いて前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルと対向するように配置され、対向する前記フォーカスコイルの辺に対して磁極の向きが同一であり、かつ前記トラッキング方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石と、
    前記フォーカスコイルを間に挟んで前記複数の永久磁石と対向し、前記トラッキング方向について、磁気回路の中心軸上に配置された対向ヨークとを備え、
    前記複数の永久磁石は2個の永久磁石であり、
    前記2個の永久磁石第1および第2の永久磁石としたとき、
    前記トラッキングコイルは、前記レンズホルダの前記情報トラックと平行な方向の一方側面に巻回または固着された第1のトラッキングコイルと、前記レンズホルダの前記情報トラックと平行な方向の他方側面に巻回または固着された第2のトラッキングコイルとを含み、
    各前記トラッキングコイルは、前記情報トラックと平行な方向の軸を中心に渦巻き状に巻回され、かつ相互に接続された第1および第2の巻き束をそれぞれ含み、
    前記第1および第2の巻き束は、それぞれ、前記第1および第2の永久磁石と対向するように左右対称に配置され、
    前記第1および第2の巻き束の巻方向が前記フォーカス方向と平行な成分を有する辺のうち、互いに向かい合う辺間の取付けピッチTpおよび巻幅Twと、前記レンズホルダの前記トラッキング方向への可動範囲Tdと、前記第1および第2の永久磁石の前記トラッキング方向への取付けピッチPおよびそれぞれの幅Wとが、次式(f)および/または(g)の関係を有し、
    前記2個の永久磁石は、対向する前記フォーカスコイルの辺を貫く磁束の密度分布が、2つ以上の最大点を有し、かつ当該フォーカスコイルの辺の長さよりも領域が広くなるように磁束を発生することを特徴とする、対物レンズ駆動装置。
    Tp+Tw+Td≦P+W …(f)
    Tp−Tw−Td≧P−W …(g)
  10. 前記第1および第2のトラッキングコイルは、それぞれがプリント基板上に形成されており、当該プリント基板が前記レンズホルダの側面に固着されていることを特徴とする、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  11. 前記2個の永久磁石の前記フォーカスコイルと対向する面とは反対側の面に当接するように配置されたバックヨークをさらに備え、
    前記複数の永久磁石と前記対向ヨークと前記バックヨークとが協働して、磁気回路を形成している、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  12. 強磁性体から成り、前記対向ヨークおよび前記バックヨークの前記情報記録媒体に近い側の端面を橋架するように前記情報記録媒体と平行に配置されたカバーヨークをさらに備える、請求項11に記載の対物レンズ駆動装置。
  13. 記第1および第2のトラッキングコイルの前記トラッキング方向への取付けピッチTpおよびそれぞれの巻幅Twと、前記レンズホルダのトラッキング方向への可動範囲Tdと、前記カバーヨークのトラッキング方向への幅Wyとが、次式(h)の関係を有することを特徴とする、請求項12に記載の対物レンズ駆動装置。
    Wy≧Tp+Tw+Td …(h)
  14. 記バックヨークの中央部には、前記フォーカス方向に延び、前記2個の永久磁石の位置決めを行うための中央凸部が形成されている、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  15. 記バックヨークの前記トラッキング方向両端部には、前記フォーカス方向に延び、前記2個の永久磁石の位置決めを行うための外側凸部が形成されている、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  16. 前記レンズホルダの前記トラッキング方向側面に、強磁性体片を一体成形したことを特徴とする、請求項に記載の対物レンズ駆動装置。
  17. 前記強磁性体片は、導電性を有する部材で構成され、前記フォーカスコイルおよび前記トラッキングコイルへの給電を、当該強磁性体片を介して行うことを特徴とする、請求項16に記載の対物レンズ駆動装置。
  18. 前記弾性支持部は、前記強磁性体片に一体的に形成されている、請求項17に記載の対物レンズ駆動装置。
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