JPH10139909A - 微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造方法

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JPH10139909A
JPH10139909A JP30450096A JP30450096A JPH10139909A JP H10139909 A JPH10139909 A JP H10139909A JP 30450096 A JP30450096 A JP 30450096A JP 30450096 A JP30450096 A JP 30450096A JP H10139909 A JPH10139909 A JP H10139909A
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thermoplastic resin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耳部スクラップの効率的再生利用が可能とな
り、同時に廃棄するスクラップの量を著しく削減でき、
しかも微細気泡の含有の状態の優れたポリエステルフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルAを中央部とし、ポリエス
テルBを両端部として共押出しされたシートを少なくと
も横方向に延伸して得られるフィルムから前記ポリエス
テルBに由来するフィルム両端部を切断除去するポリエ
ステルフィルムの製造方法において、前記ポリエステル
A中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量Anと、前記ポリ
エステルB中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量Bn とが
下記式〜を同時に満足することを特徴とする微細気
泡含有ポリエステルフィルムの製造方法。 【数1】5≦An(重量%)≦45 … 0≦Bn(重量%)≦10 … An(重量%)>Bn(重量%)+5 …

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細気泡含有ポリ
エステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、各種の特性を
高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点で
優れるため、産業用資材として広く用いられている。そ
して、非相溶な熱可塑性樹脂を配合したポリエステルを
フィルム化した微細気泡含有ポリエステルフィルムは、
軽量でかつクッション性を備えた白色不透明フィルムと
して、例えばシールプリント用台紙などの合成紙、磁気
カード等の用途に使用されている。特に微細気泡含有ポ
リエステルフィルムはそのクッション性が重んじられ、
画像をプリントしてシールとした製品の受像紙や台紙
(離型紙)として使用されている。その使用例として
は、希望のフレームや背景を選択してポーズをとると、
その場で撮影、処理して顔写真シールを作成することの
できる、いわゆるアミューズメント機等での使用が挙げ
られる。
【0003】ところで、一般に微細気泡含有ポリエステ
ルフィルムの製造に当たっては、横方向延伸の際にテン
タークリップでフィルムを把持している。このテンター
クリップ把持部を含むフィルム巻上がりの両端部を一般
に耳部と称する。この耳部フィルムは、スリットされ、
スクラップとして再生もしくは廃棄処理が施される。原
料コストの面から、また環境への配慮から耳部フィルム
を再生利用することが好ましいが、耳部フィルムを再生
原料として微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造に
利用する場合には、次のような問題がある。すなわち、
スクラップフィルム中に存在していたポリエステルに対
して非相溶性の樹脂は、再生工程中の熱履歴により劣化
し、十分な微細気泡の生成能を失っている。そればかり
かこの再生原料配合系では、驚くべきことに、新規に添
加した非相溶性樹脂による微細気泡の生成までも阻害さ
れる傾向にあるのである。このため微細気泡の生成を低
減させないために、再生原料の配合は至極少量に限定さ
れ、耳部フィルムの大部分は廃棄せざるを得ないのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耳部スクラ
ップの効率的再生利用が可能となり、同時に廃棄するス
クラップの量を著しく削減でき、しかも微細気泡の含有
の状態の優れたポリエステルフィルムを提供することを
課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討の結果、特定の構成となるような製
造方法を採用することにより、上記課題が容易に解決で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の要旨は、ポリエステルAを中央部とし、
ポリエステルBを両端部として共押出しされたシートを
少なくとも横方向に延伸して得られるフィルムから前記
ポリエステルBに由来するフィルム両端部を切断除去す
るポリエステルフィルムの製造方法において、前記ポリ
エステルA中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量An と、
前記ポリエステルB中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量
Bnとが下記式〜を同時に満足することを特徴とす
る微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造方法に存す
る。
【0006】
【数2】5≦An(重量%)≦45 … 0≦Bn(重量%)≦10 … An(重量%)>Bn(重量%)+5 …
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、共押出しされたシートの各部を構成す
るポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエ
ステルとグリコールとを主たる出発原料として得られる
ポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上が
エチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−
ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そし
て、上記の範囲を逸脱しない条件下であれば、他の第三
成分を含有していてもよい。
【0008】ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン
酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例え
ば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等の一種または二
種以上を使用することができる。グリコール成分として
は、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール等の一種または二種以上を用いることができ
る。
【0009】本発明の製造方法では、シート状に溶融押
出するに際し、シートの幅方向に見て、ポリエステルB
/ポリエステルA/ポリエステルBとなるように各々の
ポリエステル溶融体を例えばTダイスの中あるいはその
手前で合流させ押し出す。この場合、ポリエステルAの
両端に合わせられるポリエステルBは、必ずしも同一の
原料による必要はないが、一つの押出機で溶融したもの
から流路を分割して両端部に供給する方が容易であり、
また後工程で延伸を行う際、幅方向の物性差を考慮する
必要もなくなるため、同一の原料とする方が好ましい。
【0010】本発明による微細気泡含有ポリエステルフ
ィルムは、ポリエステルに対して非相溶性である熱可塑
性樹脂(以下、非相溶性樹脂と略記することがある)を
含有するポリエステルを、少なくとも一軸方向に延伸す
ることにより得られる。ポリエステルA部の非相溶性樹
脂の含有量Anは、ポリエステルとの合計量に対する割
合で、5〜45重量%、好ましくは5〜35重量%、さ
らに好ましくは10〜25重量%の範囲とする。An が
5重量%未満の場合は、フィルム中に形成される気泡の
量が少なすぎるため、十分に軽量化されかつクッション
性を備えたフィルムを製造することができない。一方、
An が45重量%を超える場合は、フィルムの機械的強
度や熱安定性が不足し、しかもフィルム表面の粗度が大
きくなりすぎる。かかるフィルムは、風合いおよび鮮明
な印刷性が要求される受像紙等の用途には不適当にな
る。またAn が45重量%を超える場合は、延伸時にフ
ィルム破断が頻発するといった生産性上の問題が生じる
こともある。
【0011】ボリエステルAに由来するフィルム部分の
密度は、通常0.40〜1.30g/cm3 、好ましく
は0.60〜1.20g/cm3 、さらに好ましくは
0.70〜1.10g/cm3 の範囲となる。また本発
明の製造方法においては、必ず一定量の耳部フィルムが
スクラップとして発生し、再生または廃棄処理を施され
る。すなわち横延伸でのテンター把持部を含むフィルム
巻上がりの両端部がこれに当たる。ここで、原料コスト
面での利点およびスクラップの廃棄量を減じるという環
境への配慮から、耳部フィルムは再生利用されることが
好ましい。
【0012】本発明においては、製品巻上がりの両端
(耳)部となるポリエステルBに由来する部分を再生利
用可能とするため、ポリエステルBに対して非相溶な熱
可塑性樹脂の含有量Bn を、0〜10重量%、好ましく
は0〜3重量%、さらに好ましくは0〜1重量%とす
る。Bn が10重量%を超える場合、B部フィルムを再
生処理する際に、熱履歴による非相溶性樹脂の劣化が顕
著となる問題が生じる。この劣化した再生原料をB部へ
配合すると生産時にフィルム破断が頻発し製品が採取で
きない。またポリエステルA部に配合する際には、劣化
した非相溶性樹脂の影響により微細気泡の十分な生成が
阻害されるため、その配合量は至極少量に限定されてし
まう。
【0013】ポリエステルBに由来するフィルム部分の
密度は、通常1.10g/cm3 以上、好ましくは1.
25〜1.50g/cm3 、さらに好ましくは1.35
〜1.50g/cm3 の範囲である。本発明において
は、An とBn とが上記量関係を満足するのと同時に、
An >Bn +5の関係を満たすことが必要である。この
関係を満たさない場合、ポリエステルB部の非相溶性樹
脂量を減じることによる再生利用促進の効果が不明確と
なる。
【0014】本発明で用いることのできる、ポリエステ
ルに非相溶な熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチ
ルブテン等のポリオレフィンのほか、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポ
リエステル等が挙げられるが、これらの中では、コスト
や生産性の観点からポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリスチレンが好ましく、さらに好ましくはポリプ
ロピレンである。なお、以下の説明においては、ポリエ
ステルに対して非相溶な熱可塑性樹脂をポリプロピレン
で以て代表する。
【0015】上記のポリプロピレンとしては、通常95
モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単
位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。非晶性ポリプロピレンの場合は、フィルム製造工程
において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロール等の
表面が汚染されやすい。また、プロピレン単位以外の例
えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合されている
ポリプロピレンの場合は、微細気泡の生成が不足する傾
向にある。
【0016】上記のポリプロピレンのメルトフローイン
デックス(MFI)は、通常0.5〜30g/10分、
好ましくは1.0〜15g/10分の範囲から選択され
る。MFIが0.5g/10分未満の場合は、生成する
気泡が大きくなりすぎ、延伸時に破断が起こりやすくな
る傾向があり、MFIが30g/10分を超える場合
は、フィルム密度の経時的均一性が劣る傾向があり、製
造ラインにて生産性が悪化することがある。
【0017】次にポリエステルAに由来するフィルム部
分の固有粘度IVA は、0.45〜0.70であること
が好ましい。固有粘度が0.45未満の場合は、製膜時
にフィルム破断が起こりやすくなり、かつ気泡の大きさ
が不均一になって密度のコントロールが難しくなる傾向
があり生産性が低下する恐れがある。一方、固有粘度が
0.70を超えると、フィルム中の微細気泡の生成が少
なくなる傾向がある。
【0018】ポリエステルBに由来するフィルム部分の
固有粘度IVB は、0.60〜0.85であることが好
ましい。固有粘度が0.60未満の場合は製膜時にフィ
ルム破断が起こりやすくなる傾向がある。一方、固有粘
度が0.85を超えると、ポリエステル原料製造時の生
産性が低下することがある。さらにポリエステルAとB
由来のフィルム部分の固有粘度の差(IVB −IVA )
は0〜0.15あることが好ましい。かかる差がマイナ
スの場合、クリップ把持部付近からフィルム破断が生じ
やすくなる傾向がある。一方、かかる差が0.15を超
えると、A/B界面からのフィルム破断が生じやすくな
る傾向がある。
【0019】本発明の製造法においては、溶融押出工程
で形成されるポリプロピレンの分散粒径の大きさをコン
トロールすることにより、微細気泡含有フィルムの密
度、クッション性および表面の粗度を調整することがで
きる。その分散粒径を所望の範囲とするため、ポリエス
テル中に界面活性剤を含有させることが好ましい。上記
の界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤等が挙げられるが、これらの中では非イオン性界面活
性剤、特にシリコーン系界面活性剤やポリアルキレング
リコールが好ましい。シリコーン系界面活性剤として
は、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共
重合体や、ポリオキシアルキレン側鎖を有するアルケニ
ルシロキサン等が挙げられる。ポリアルキレングリコー
ルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、エチレングリコールとプロピレングリコー
ルの共重合体などが挙げられる。A層を構成するための
総原料中の界面活性剤の含有量は、通常0.005〜
2.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%の範
囲とされる。界面活性剤の含有量が2.0重量%を超え
る場合は、もはや界面活性剤の効果が向上しないのに加
え、押出機でのトラブルや、ポリエステルの劣化を引き
起こすことがある。一方、界面活性剤の含有量が0.0
05重量%未満では、その効果の発現が不足することが
ある。
【0020】本発明の製造法によって得られるフィルム
には、白色性、隠蔽性を付与するため、二酸化チタン、
硫酸バリウム、およびその他の公知の白色顔料を添加し
てもよい。さらに白色度を一層高めるため、蛍光増白剤
を添加することも有効である。また白色顔料、蛍光増白
剤の添加は、ポリエステルA部のみに行うのが原料コス
トの観点から好ましい。
【0021】白色顔料は2種類以上含有させることもで
きるが、その場合、少なくとも二酸化チタンまたは硫酸
バリウムを含有させることが好ましい。ポリエステルA
部における白色顔料の好ましい含有量は0.5〜20重
量%、さらに好ましい含有量は1.0〜15重量%であ
る。好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバガ
イギー社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製の
商品「OB−1」等が挙げられる。ポリエステルA部に
おける蛍光増白剤の好ましい含有量は、0〜0.30重
量%の範囲である。
【0022】なお、本発明においては、ポリエステルま
たはポリプロピレン中に前記の白色顔料および蛍光増白
剤のほかに、必要に応じて公知の酸化防止剤、熱安定
剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔料などの添加剤を配
合することができる。少なくともポリエステルA部とポ
リエステルB部からなる溶融体を、前述のようにシート
の幅方向に見てB部が両端となるように合わせて押し出
す方法は、従来知られている方法、例えば特開昭55−
118832号公報、特開平1−118428号公報、
特開平8−207119号公報等で開示されている合わ
せ方法を適用できる。
【0023】これらの方法でポリマー融液を事前に合流
させ共押出しした後に、少なくとも横方向にテンター法
によって延伸を施す。ただし、微細気泡を良好に形成す
るとともにフィルムの強度や寸法安定性を適度に満足す
るためには、通常、二軸延伸方法および熱処理方法が併
用される。以下、本発明の製造方法に二軸延伸を用いた
場合の一例を詳細に説明する。まず、幅方向各部に対す
る配合の原料を、共押出用押出装置の各々の部に対応す
る押出機に供給する。すなわち、通常2または3台の押
出機に原料樹脂を投入し、それぞれの押出機ライン毎に
溶融混練した後、3部の融液流れを導くマルチマニホー
ルドまたはフィードブロックに導いてダイから溶融シー
トとして押し出す。
【0024】具体的には、シートの幅方向に見て各部の
構成をB/A/Bとするため、A部とB部とを構成する
各原料をそれぞれ一つの押出機から押出し、B層メルト
ラインを途中で分割する方法が一般的に用いられる。分
割後のメルトラインにギヤポンプ等の定量フィーダーを
設置し、A部の両端に合わせるB部のポリマー融液の流
量をそれぞれに調整して、B部の幅をコントロールす
る。もちろん、A部ポリエステルのメルトラインに定量
フィーダーを設置することも、A部の幅調整および厚み
調節の上で有効である。次に、ダイから押し出された溶
融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。この場合、シートの平面性、冷却効果
を向上させるためには、シートと回転冷却ドラムとの密
着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印
加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用
される。
【0025】次いで、得られたシートを二軸方向に延伸
してフィルム化する。本発明の製造方法においてポリエ
ステルA由来のフィルム部分の微細気泡は、かかる延伸
によって生成させる。 まず、通常70〜150℃、好
ましくは75〜130℃の延伸温度、通常2.5〜6
倍、好ましくは3.0〜5倍の延伸倍率の条件下、前記
未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延
伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用するこ
とができる。次いで通常75〜150℃、好ましくは8
0〜140℃の延伸温度、通常2.5〜6倍、好ましく
は3.0〜5倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する
方向(横方向)に延伸を行い二軸配向フィルムを得る。
かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用すること
ができる。
【0026】上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も採用することができるが、その場合も、最終的な延
伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前
記未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同
時二軸延伸することも可能である。熱処理は、150〜
250℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定長下
で1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃〜1
80℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸を行
った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延伸
前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微小
倍率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能である。
また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必
要に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構
わない。
【0027】本発明の製造方法による微細気泡含有ポリ
エステルフィルムは、必ずしも単一の層であるとは限ら
ない。ポリエステルA部が複数の層から構成される場
合、その少なくとも一層が、非相溶性の熱可塑性樹脂を
含む微細気泡含有層であればよい。また微細気泡含有ポ
リエステルフィルムの厚さは、通常20〜250μm、
好ましくは50〜200μmの範囲となる。またその特
徴を生かし、プリンター受像紙、シールプリント用台
紙、ラベル、記録紙、ポスター、平版印刷板、包装材
料、付箋などに好適に使用される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例における評価方法は以下に示すとおりである。ま
た、実施例および比較例中の成分比の「部」は全て「重
量部」を意味し、シリコーン系界面活性剤は、東レシリ
コーン(株)製「SH193」を示す。 (1)ポリエステルの固有粘度〔η〕 (dl/g) ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および白色顔
料を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テ
トラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を
100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。 (2)メルト・フロー・インデックス M・F・I
(g/10min) JIS K−6758−1981に準じて測定した。こ
の値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。
【0029】実施例1 固有粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップ
に対し、M・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロ
ピレンチップ13重量%、酸化チタン2.4重量%、お
よびシリコーン系界面活性剤0.1重量%を配合した
後、均一にブレンドしてポリエステル原料Xを調整し
た。固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレートチ
ップを別途調整し、原料Yとした。
【0030】上記の各原料を各々別個の押出機中に投入
後280℃で溶融し、得られた各溶融体をTダイスに導
き、幅方向に原料Y/原料X/原料Yの構成となるよう
に事前に合流させた。なお、各部のシートの幅方向の長
さ比は1:8:1とした。横方向共押出によりスリット
状に押出し、30℃のキャストロール上にて冷却し未配
向シートを得た。そしてフィルムの流れ方向(縦方向)
に85℃で3.4倍、ロール延伸した後、さらに横方向
に110℃で3.1倍、テンター延伸し、さらにテンタ
ー延伸機内で230℃で5秒間熱処理を行い、最終的に
原料Xに由来する部分に微細気泡を含有する二軸配向フ
ィルムを得た。得られたフィルムの原料Yに由来する部
分をスリットして再生処理した物は、再び原料Yの材料
として好適に使用できるものであった。
【0031】実施例2 実施例1において、各原料を別個の押出機で溶融しTダ
イスから押出すに際して、幅方向に原料Y/(原料Xと
原料Yが厚み方向にYXYの順に積層された領域)/原
料Yの構成となるように事前に合流させた。なお、各部
のシートの幅方向長さ比は1:8:1であり、中央部の
積層されている領域は、原料Xと原料Yの溶融体の流量
が14:1となるようにした。以後実施例1と同様にし
て微細気泡を含有する二軸配向積層フィルムを得た。得
られたフィルムの原料Yに由来する部分をスリットして
再生処理した物は、再び原料Yの材料として好適に使用
できるものであった。
【0032】比較例1 実施例1の原料Xを溶融し、幅方向に単一の構成でTダ
イスから押出し、以後実施例1と同様にして微細気泡を
含有する二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの
耳部をスリットしたスクラップを再生処理してその全量
を原料X中に配合したところ、フィルム化後の微細気泡
の生成を低減させる結果となった。微細気泡の生成量を
維持するためには、スクラップの再生利用は実質不可能
であり、そのため原料歩留の悪いフィルムであった。
【0033】実施例3 実施例1において、原料Xに使用するポリエチレンテレ
フタレートチップの固有粘度を0.74とし、原料Yに
使用するポリエチレンテレフタレートチップの固有粘度
を0.64とした以外は同様にして微細気泡を含有する
二軸配向フィルムを得た。生産時、テンタークリップ把
持部付近からフィルム破断が散発し、加工歩留において
実施例1と比較するとやや劣るフィルムであった。
【0034】実施例4 実施例1において、原料Xに使用するポリエチレンテレ
フタレートチップの固有粘度を0.74とし、原料Yに
使用するポリエチレンテレフタレートチップの固有粘度
を0.84とした以外は同様にして微細気泡を含有する
二軸配向フィルムを得た。生産時、原料Xと原料Yの界
面付近からフィルム破断が散発し、加工歩留において実
施例1と比較するとやや劣るフィルムであった。以上得
られた結果をまとめて下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】従来微細気泡含有ポリエステルフィルム
の製造工程で発生する耳部スクラップは、スクラップ中
の非相溶性の熱可塑性樹脂が再生処理中の熱履歴を受け
て劣化することが原因で、廃棄処理により排出せざるを
得なかった。しかし本発明の製造方法を適用することで
耳部スクラップの効率的再生利用が可能となり、同時に
廃棄するスクラップの量を著しく削減することを得た。
生産コスト面でのメリット、環境への好影響を勘案する
と、その工業的価値は非常に高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルAを中央部とし、ポリエス
    テルBを両端部として共押出しされたシートを少なくと
    も横方向に延伸して得られるフィルムから前記ポリエス
    テルBに由来するフィルム両端部を切断除去するポリエ
    ステルフィルムの製造方法において、前記ポリエステル
    A中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量An と、前記ポリ
    エステルB中の非相溶性熱可塑性樹脂の含有量Bn とが
    下記式〜を同時に満足することを特徴とする微細気
    泡含有ポリエステルフィルムの製造方法。 【数1】5≦An(重量%)≦45 … 0≦Bn(重量%)≦10 … An(重量%)>Bn(重量%)+5 …
  2. 【請求項2】 ポリエステルAに由来するフィルム部分
    の固有粘度IVA が0.45〜0.70、ポリエステル
    Bに由来するフィルム両端部分の固有粘度IVB が0.
    60〜0.85であり、かつIVB −IVA が0〜0.
    15であることを特徴とする請求項1記載の微細気泡含
    有ポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 非相溶性熱可塑性樹脂が、ポリプロピレ
    ン、ポリメチルペンテンおよびポリスチレンから選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の微細気泡含有ポリエステルフィルムの製造方
    法。
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