JP2001341259A - 空洞含有複合ポリエステル系フィルム及び感熱転写記録材料用基材フィルム - Google Patents

空洞含有複合ポリエステル系フィルム及び感熱転写記録材料用基材フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成紙としての優れた特性(印刷性、白色度
再現性、隠蔽性等)を有し、かつハンドリング性が改良
された空洞含有複合ポリエステル系フィルム、及びハン
ドリング性及び感度特性に優れた感熱転写記録材料用基
材フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステル樹脂と、前記樹脂に非相溶
の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる空洞含有層
(A層)と、A層の少なくとも片面に共押し出し法によ
り積層された、白色無機微粒子を5〜45重量%含有す
るポリエステル層(B層)からなる複合フィルムであっ
て、フィルム全体の見かけ比重が0.85〜1.35で
あり、かつA層の空洞積層数密度が0.20個/μm以
上である空洞含有複合ポリエステル系フィルム。さら
に、前記フィルムのB層表面のダイナミック硬度が5.
0以下であり、かつ前記表面の光沢度が20%以上であ
る感熱転写記録材料用基材フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空洞含有ポリエス
テル系フィルム及び感熱転写記録材料用基材フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とする空洞含有フィル
ムは、その内部に形成された多数の独立空洞(ボイド)
によってフィルム自体を軽量化できる点や、筆記性や鮮
明な印刷・転写性が得られることから、合成紙(紙代替
物)としての活用がすすんでいる。
【0003】その中でも、ポリエチレンテレフタレート
(PET)に代表されるポリエステルを主体とする空洞
含有フィルム(ポリエステル系空洞含有フィルム)は、
優れた耐熱性と強度特性を併せ持つため、感熱転写記録
を初めとする各種記録材料用、配送伝票用、ラベル用等
に幅広く用いられている。
【0004】なお、ポリエステル系空洞含有フィルムの
製造方法としては、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹
脂を添加して2軸延伸したもの(例えば、特開昭49−
134755号公報、特公昭54−29550号公報、
特開平4−296819号公報、特開平8−14369
2号公報など)が開示されている。
【0005】また、複合構造を有する空洞含有ポリエス
テル系フィルム及びその感熱転写記録材料用基材として
の適用例(特公平6−96281号公報、特開平11−
240972号公報)も開示されている。
【0006】さらに、感熱転写記録における感度特性、
例えば昇華転写記録における階調表現能力は、基材に用
いられる空洞含有フィルムのクッション性が向上すれば
する程(換言すれば、空洞含有率が大きくなる程)向上
することは、よく知られているが、反面フィルムのハン
ドリング性(耐折れシワ性等)が低下するという問題が
あった。
【0007】このように、高い空洞含有率を維持しなが
らフィルムのハンドリング性(耐折れシワ性等)を改良
することは非常に困難な課題であり、この課題を解決す
るために種々の試みがなされている。
【0008】例えば、ポリエチレングリコールまたはそ
の誘導体をポリエステル中に添加することによって、空
洞形成剤であるポリオレフィンを微分散化させ、フィル
ムをソフト化する方法(特許第2952918号公
報)、空洞形成剤としてポリスチレンと2種のポリオレ
フィンとを特定の混合比で併用添加する方法(特開平1
0−338763号公報)、フィルム全体の空洞含有率
(クッション性)を十分なハンドリング性が確保できる
範囲内におさえつつ、共押出し法を用いて高感度化を図
る方法(特開平11−240972号公報)等が提案さ
れている。
【0009】しかしながら、これらの方法においても、
フィルムのハンドリング性と高感度化とを高度に満足さ
せることは困難であり、より一層、ハンドリング特性と
感度特性に優れたフィルムが求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、合成
紙としての優れた特性(印刷性、白色度再現性、隠蔽性
等)を有し、かつハンドリング性が改良された空洞含有
複合ポリエステル系フィルムを提供することにある。さ
らに、もう一つの目的は、ハンドリング性及び感度特性
に高度に優れた感熱転写記録材料用基材フィルムを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、前記課題を解
決することができた空洞含有複層ポリエステル系フィル
ムおよび感熱転写記録材料用基材フィルムとは、以下の
通りである。
【0012】本発明の第1の発明は、ポリエステル樹脂
と前記ポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有
する組成物からなる空洞含有層(A層)と、A層の少な
くとも片面に共押し出し法により積層された、白色無機
微粒子を5〜45重量%含有するポリエステル層(B
層)からなる複合フィルムであって、フィルム全体の見
かけ比重が0.85〜1.35であり、かつA層の下記
式で定義される空洞積層数密度が0.20個/μm以上
であることを特徴とする空洞含有複合ポリエステル系フ
ィルムである。 A層の空洞積層数密度(個/μm)=A層の厚み方向の
空洞数(個)/A層の厚み(μm)
【0013】第2の発明は、前記A層中のポリエステル
樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂がポリオレフィン及び/ま
たはポリスチレンを含み、かつA層中にはポリエチレン
グリコールまたはその誘導体を実質的に含まないことを
特徴とする第1の発明に記載の空洞含有複合ポリエステ
ル系フィルムである。
【0014】第3の発明は、前記A層中のポリエステル
樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂がポリメチルペンテン及び
ポリスチレンを含有するとともに、下記式(1)、
(2)、及び(3)を満足することを特徴とする第1ま
たは2の発明に記載の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムである。 ηo/ηs≦1.0 …(1) 0.01≦Ps/Po≦1.0 …(2) 2≦Pt≦15 …(3) 〔ここで、ηo及びηsは、それぞれポリメチルペンテン
及びポリスチレンの溶融粘度(いずれも樹脂温度が28
5℃で、剪断速度が100/秒での値をいい、単位はポ
イズである)であり、Po及びPsは、それぞれポリメチ
ルペンテン及びポリスチレンのフィルム全体重量に対す
る含有量(単位:重量%)、Ptは、ポリエステル樹脂
に非相溶の熱可塑性樹脂全体のフィルム全体重量に対す
る含有量(単位:重量%)を示す。〕
【0015】第4の発明は、B層中に含有される白色無
機微粒子が酸化チタンであることを特徴とする第1、
2、または3の発明に記載の空洞含有複合ポリエステル
系フィルムである。
【0016】第5の発明は、前記空洞含有複合ポリエス
テル系フィルムの少なくとも片面に、ポリエステル系、
ポリウレタン系から選ばれた少なくとも1種からなる樹
脂成分を含む被覆層が設けられており、かつ前記被覆層
が少なくとも1軸方向に延伸されていることを特徴とす
る第1、2、3、または4の発明に記載の空洞含有複合
ポリエステル系フィルムである。
【0017】第6の発明は、前記A層組成物が、自己回
収原料を20重量%以上含有することを特徴とする第
1、2、3、4、または5の発明に記載の空洞含有複合
ポリエステル系フィルムである。第7の発明は、第1、
2、3、4、5、または6の発明に記載の空洞含有複合
ポリエステル系フィルムであって、前記フィルムのB層
表面のダイナミック硬度が5.0以下であり、かつ前記
表面の光沢度が20%以上であることを特徴とする感熱
転写記録材料用基材フィルム。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルと
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造
されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳
香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応
させた後重縮合させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸
のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応
させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸
のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によ
って製造することができる。
【0019】かかるポリエステルの代表例としてはポリ
エチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリ
エステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共
重合したものであっても良い。いずれにしても本発明に
おいては、エチレンテレフタレート単位、、トリメチレ
ンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あ
るいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル
%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは9
0モル%以上であるポリエステルを用いることが好まし
い。なお、上記ポリエステルは単独で使用してもよく、
あるいは2種以上混合して使用してもよい。
【0020】本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムは、ポリエステル樹脂と前記ポリエステル樹脂に非
相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる空洞含有
層(A層)を有する。そして、A層に空洞を形成させる
ことによって、空洞含有フィルムとしての種々の特性を
発現させることが出来る。
【0021】ここで、A層に含有させることが出来るポ
リエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂としては、フィ
ルムの2軸延伸工程においてマトリックスポリマーであ
るポリエステルとの界面に空洞形成可能な樹脂であれば
何ら制限されるものではないが、例えばポリメチルペン
テンやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロ
ース系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が例示さ
れる。
【0022】またA層には、隠蔽性等を向上させるた
め、無機または有機の粒子を必要に応じて含有させても
よい。使用可能な粒子としては、シリカ、カオリナイ
ト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、
硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、硫化亜鉛、有機白色顔料等が例示されるが特に限定
されるものではない。これらの粒子は、予めポリエステ
ル樹脂中及び/又はポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑
性樹脂中に含有させておくことで、フィルム内に含有さ
せることができる。
【0023】本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムは、A層の少なくとも片面に共押し出し成形され
た、白色無機微粒子を5〜45重量%含有するポリエス
テル層(B層)を有する。そして、B層を共押し出し成
形することによって、フィルムの隠蔽性や白度、感熱転
写記録時の優れた感度特性を達成することが出来る。
【0024】前記白色無機粒子としては、アナターゼ型
もしくはルチル型の酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、硫化亜鉛が例示されるが、アナターゼ型もし
くはルチル型の酸化チタンが最も好ましい。これは、フ
ィルムに隠蔽性を付与するのに効果的なこと、その結
果、A層の色調が多少変動してもフィルム表面の安定し
た色調が得られること、また感熱転写記録時の感度特性
を著しく向上することが可能となるからである。
【0025】また、上記白色無機粒子のB層に対する含
有量は、5〜45重量%以上でなければならない。白色
無機粒子のB層に対する含有量が5重量%未満では、上
記の効果が得られない。逆に、白色無機粒子のB層に対
する含有量が45重量%を超えると、フィルム表面が極
端にマット化(粗面化)し、またフィルム表面の強度が
著しく低下する。
【0026】前記白色無機微粒子の、より好ましい含有
量は、その用途によって異なる。本発明の空洞含有複合
ポリエステル系フィルムを感熱転写記録材料用基材フィ
ルムとして用いる場合には、B層に対する白色無機微粒
子の含有量が20〜45重量%であることが好ましく、
より好ましくは23〜40重量%であり、特に好ましく
は25〜37重量%である。これは、白色無機粒子のB
層に対する含有量が20重量%未満では、感熱転写記録
時の感度特性を著しく向上することが困難となるためで
ある。
【0027】また、ラベル、伝票、商業印刷等の一般用
途に本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィルムを用
いる場合には、B層に対する白色無機微粒子の含有量が
5〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは
10〜28%であり、特に好ましくは13〜25%であ
る。これは、白色無機粒子のB層に対する含有量が30
重量%を超えると、フィルムの表面強度が大きく低下す
るためである。
【0028】ここで、上記一般用途において、B層に対
する白色無機微粒子の含有量の上限値が感熱転写記録用
途よりも低い理由は以下の通りである。すなわち、昇華
転写記録等の感熱転写記録材料では、一般に受像面表層
に離型性が付与され、離型加工が施されない一般用途よ
りも表面のデラミは生じにくい。そのため、昇華転写記
録等の感熱転写記録材料用途よりも、一般用途の方がフ
ィルムの表面強度に対する要求レベルが高くなるためで
ある。
【0029】なお、B層には複数の種類の無機粒子を組
合せて用いても良いし、無機粒子以外の添加剤、例えば
蛍光増白剤や帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等
を添加してもかまわない。
【0030】また、本発明の空洞含有複合ポリエステル
系フィルムを昇華転写記録等の感熱転写記録材料用基材
フィルムとして用いる場合には、受像面となるB層表面
のダイナミック硬度を5.0以下とし、かつ前記表面の
光沢度を20%以上とすることが好ましい。これは、B
層表面のダイナミック硬度が5.0を超える場合には、
感熱転写記録感度(昇華転写階調表現性)が不十分とな
り、また前記表面の光沢度が20%未満の場合には、感
熱転写記録材料の表面光沢が不十分となるからである。
【0031】ここで、B層表面のダイナミック硬度とB
層表面の光沢度を本発明の範囲内とするための方法は制
限されるものでなく任意であるが、B層に対する白色無
機微粒子の含有量を前記のように20〜40重量%とす
るとともに、後述するフィルムの延伸成形プロセスにお
いて、特殊な縦延伸法を採用することによって達成でき
る。なお、具体的な達成手段については、延伸成形法に
関する説明の中で詳述する。
【0032】また、前記一般用途及び感熱転写記録材料
用途において、B層の積層厚みは特に制限されるもので
はなく、その機能を実質的に発現させるために必要な厚
みとすればよい。なお、B層の厚みは1層あたり1μm
以上であり、より好ましくは2μm以上、更に好ましく
は3μm以上、最も好ましくは4μm以上である。一
方、B層の厚みの上限は、フィルム全体厚みに対しB層
全体(表面及び/又は裏面)の厚みを30%以下である
ことが好ましく、より好ましくは25%以下であり、特
に好ましくは20%以下である。
【0033】また、B層はA層の片面に積層してもよ
く、A層の両面に積層してもよいが、前記一般用途にお
いてはA層の両面にB層をほぼ均一な厚み(B層の表裏
厚み差≦50%)に積層することが好ましい。さらに、
前記感熱転写記録材料用途においては、A層の片面にの
みB層を積層することが好ましい。
【0034】次に、本発明の空洞含有複合ポリエステル
系フィルムは、フィルム全体の見かけ比重が0.85〜
1.35である必要があり、好ましくは0.90〜1.
33、より好ましくは0.95〜1.30、最も好まし
くは1.00〜1.25である。そして、フィルム全体
の見かけ比重が1.35を超える場合には、空洞含有フ
ィルムとしての優れた特性を得ることが出来ない。逆
に、フィルム全体の見かけ比重が0.85を下回る場合
には、2軸延伸ポリエステルフィルムの特徴であるフレ
キシビリティーを確保することが出来ず、フィルムのハ
ンドリング性(耐折れシワ性)が不良となる。
【0035】本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムは、A層の空洞積層数密度が0.20個/μm以上
であることが必要であり、好ましくは0.25個/μm
以上、特に好ましくは0.30個/μm以上である。な
お、上記積層数密度は下記式で定義される。 A層の空洞積層数密度(個/μm)=A層の厚み方向の
空洞数(個)/A層の厚み(μm)
【0036】A層の空洞積層数密度は、本発明の最も重
要な要件であり、この要件を満足することによって初め
て、従来の空洞含有ポリエステル系フィルムでは得られ
なかった優れたハンドリング性が得られる。そして、A
層の空洞積層数密度が0.20個/μm未満の場合に
は、たとえフィルム全体の見かけ比重が0.85以上で
あったとしても、フィルムのハンドリング性(耐折れシ
ワ性)が不良となる。
【0037】本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムを製造するに際し、前記フィルム全体の見かけ比重
とA層の空洞積層数密度を本発明の範囲内とするための
方法は特に制限されるものではなく任意であるが、好ま
しく方法は、以下の通りである。
【0038】すなわち、(a)A層中に含有されるポリ
エステルに非相溶の熱可塑性樹脂として、特定の樹脂を
特定の混合比率で用い、かつ(b)ポリマーメルトライ
ンの特定の部位に特定の静的混合器を設置する方法によ
って達成される。
【0039】まず、A層中に含有されるポリエステル樹
脂に非相溶の熱可塑性樹脂は、ポリメチルペンテン及び
ポリスチレンを含有し、下記式(1)、(2)、及び
(3)を満足することが好ましい。 ηo/ηs≦1.0 …(1) 0.01≦Ps/Po≦1.0 …(2) 2≦Pt≦15 …(3)
【0040】〔ここで、ηo及びηsは、それぞれポリメ
チルペンテン及びポリスチレンの溶融粘度(いずれも樹
脂温度が285℃で、剪断速度が100/秒での値をい
い、単位はポイズである)であり、Po及びPsは、それ
ぞれポリメチルペンテン及びポリスチレンのフィルム全
体重量に対する含有量(単位:重量%)、Ptは、ポリ
エステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂全体のフィルム全
体重量に対する含有量(単位:重量%)を示す。〕
【0041】前記ポリスチレンとしては、アタクティッ
クポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、
アイソタクティックポリスチレン、またこれらの樹脂を
マレイン酸やアクリル酸等により変性したものも含まれ
る。かかるポリスチレンは溶融粘度ηSが1,000〜
10,000ポイズであることが好ましく、特に好まし
くは3,000〜7,000ポイズである。
【0042】また、前記ポリメチルペンテンとしては、
ホモポリマーであってもよく、あるいはポリメチルペン
テンを主成分とし、その特性が損なわれない範囲で、他
のポリオレフィンを副成分として混合または共重合(グ
ラフト共重合、ブロック共重合)してもよい。ここで、
副成分として使用できるポリオレフィンとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレンやこれらに種々の成分を共重
合させたものが挙げられる。これらの副成分としてのポ
リオレフィンの量は、ポリメチルペンテンの量を超えな
いことが好ましい。かかるポリメチルペンテンは溶融粘
度ηOが3,500ポイズ以下であることが好ましく、
特に好ましくは2,000ポイズ以下である。
【0043】前記(1)式は、A層中に併用添加するポ
リメチルペンテンとポリスチレンの溶融粘度比(ηo/
ηs)に関し、好ましい範囲を規制した式である。な
お、より好ましいηo/ηsの範囲は0.8以下、特に好
ましい範囲は0.5以下である。そして、ηo/ηsを
1.0以下とすることによって、メルトラインに設置さ
れた静的混合器との相乗効果が大きくなり、ポリエステ
ル樹脂中でのポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂
の分散性を著しく向上させ、A層の空洞積層数密度を
0.20個/μm以上とすることが可能となる。
【0044】逆に、ηo/ηsが1.0を超える場合に
は、ポリエステル樹脂中でのポリエステル樹脂に非相溶
の熱可塑性樹脂の分散が不十分となって、空洞積層数密
度を本発明の範囲内とすることが困難となる。この理由
は明確でないが、ηo/ηsが1.0を超える場合には、
メルトライン中の静的混合器で発生する剪断応力の緩衝
材としてポリスチレンが作用し始め、ポリメチルペンテ
ンの分散が十分に進まないためではないかと考えられ
る。
【0045】前記(2)式は、ポリスチレンとポリメチ
ルペンテンの含有量の重量比(Ps/Po)に関し、好ま
しい範囲を規制した式である。なお、より好ましいPs
/Poの範囲は0.05〜0.7であり、特に好ましい
範囲は0.1〜0.5である。そして、Ps/Poが0.
01未満、すなわちポリスチレンが実質的に含有しない
場合には、ポリメチルペンテンが著しく粗粒分散する。
逆にPs/Poが1を超える場合には、ポリエステル樹脂
に非相溶の熱可塑性樹脂を含有させることにより発現す
る空洞形成能力が著しく低下するので好ましくない。
【0046】なお、A層中には、前記ポリスチレンとポ
リメチルペンテン以外の熱可塑性樹脂も併用して含有さ
せることが出来る。特に、少量のポリプロピレンを併用
することは、フィルムの製造安定性を向上させるために
有効である。この場合、前記(1)〜(3)式の範囲内
でポリプロピレンを併用することが好ましいのは当然で
あるが、ポリプロピレンの含有量はポリメチルペンテン
の含有量以下とすることが好ましい。
【0047】前記(3)式は、A層中に含有されるポリ
エステルに非相溶の熱可塑性樹脂全体(ポリスチレンと
ポリメチルペンテン及びポリプロピレン等を含む)のフ
ィルム全体重量に対する総含有量(Pt)に関し、好ま
しい範囲を規制した式である。なお、より好ましいPt
の範囲は3〜15重量%、特に好ましい範囲は5〜10
重量%である。そして、Ptが2重量%未満の場合、フ
ィルム内部に形成される空洞の量が少なすぎ、フィルム
全体の見かけ比重を1.35以下とすることが困難とな
るので好ましくない。逆に、Ptが15重量%を超える
場合には、フィルム全体の見かけ比重が0.85未満と
なって、ハンドリング性が低下する傾向にあるので好ま
しくない。
【0048】一方、ポリマーメルトラインに設置される
静的混合器としては、スタティックミキサーやオリフィ
ス等があげられる。なお、具体的な達成手段について
は、延伸成形法に関する説明の中で詳述する。
【0049】本発明の空洞含有ポリエステル系フィルム
の延伸成形方法は任意であり、特に制限されるものでは
ないが、例えば以下のようにして製造することが出来
る。
【0050】まず、ポリエステル樹脂と、ポリエステル
樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂との混合は、予備的にペレ
ット混合して押出機に供給することが好ましい。ペレッ
トを攪拌、混合する方法としては、原料空送系での自然
攪拌、インラインミキサーを用いた連続攪拌、バッチ処
理のミキサーを用いる方法を単独あるいは組合せて用い
ることが出来る。
【0051】原料ペレットを予備混合することによっ
て、後続の押出し機スクリュー部でのデッドスペースを
低減することが可能となり、メルトライン中でのポリマ
ーの劣化が抑制される。逆に、ペレット混合なしで押出
し機に原料を供給した場合には、原料組成の不均質化に
よって、溶融ポリマーの部分的な滞留を生じる結果、フ
ィルム品質が不均質化する恐れがある。
【0052】次いで、ペレット混合した原料を押出し機
に供給する。押出し機は単軸押出し機あるいは2軸押出
し機等が使用可能であるが、工業生産においては吐出能
力の安定性から単軸押出し機が好ましい。なお、単軸押
出し機を用いる場合、そのスクリュー形状は任意である
が、本発明においては、ダブルフライト型のスクリュー
を採用することが好ましい。ポリマーの吐出能力の点か
らは通常のシングルフライトスクリューが優れるが、不
均質なペレット混合物の押出しにおいては、デッドスペ
ースを排除し、フィルム品質の安定化を図るため、ダブ
ルフライトスクリューの採用が好ましい。
【0053】次に、押出機によって溶融・混合されたポ
リマーは、定量供給装置及びフィルターを介し、共押出
しユニット(フィードブロックまたはマルチマニホール
ドダイ)に供給される。
【0054】なお、本発明においては、フィルム全体の
見かけ比重とA層の空洞積層数密度を本発明の範囲内と
するため、溶融ポリマーを前記共押出しユニットに供給
する直前にスタティックミキサーあるいはオリフィス等
の静的混合器を設置し、溶融ポリマーを再攪拌すること
が好ましい。
【0055】ただし、工業生産スケールで本方法を実施
する場合には、出来るだけ小さい圧力損失で優れた分散
効果を得ることが必要となる。一般に、オリフィスを用
いて溶融ポリマーに高剪断を加えた場合には優れた分散
効果が得られていることは知られているが、その効果に
比例して圧力損失も大きくなって設備負荷が増大する。
本発明では、この問題を解決するため、静的混合器とし
て5〜20エレメント(より好ましくは8〜16エレメ
ント)の攪拌翼を有するスタティックミキサーを装着す
ることが好ましい。これによって、設備負荷の増大を
(高々1MPa〜5MPa程度の圧力損失に)抑えつ
つ、前記原料組成との優れた相乗効果を発現させること
が可能となり、フィルム全体の見かけ比重とA層の空洞
積層数密度を本発明の範囲内とすることが可能となる。
【0056】一方、B層原料はA層とは別の押出し機か
ら供給され、定量供給装置、フィルターを介して前記の
共押出しユニット(フィードブロックまたはマルチマニ
ホールドダイ)に供給され、共押出しユニット内でA層
の片面もしくは両面に接合される。
【0057】このようにして接合された溶融ポリマー
を、単一のフラットダイから押し出して冷却ドラム上に
キャスティングし、未延伸フィルムを製造する。冷却ド
ラムへのキャスティングに際しては、静電密着法やエア
ナイフ法を用いることが出来る。
【0058】次に、前記の方法で製造した未延伸フィル
ムを、2軸延伸及び熱処理する。第1段の縦延伸工程で
は、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸
する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用い
る方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、そ
れらを併用してもよい。
【0059】ただし、ポリエステルと非相溶性樹脂との
界面に均一に空洞を発現させるためには、加熱ロールを
用いて未延伸フィルムをポリエステルの2次転移温度以
下の温度、好ましくは50〜70℃に均一加熱した後、
未延伸フィルムの片面もしくは両面から赤外線加熱ヒー
タを用いて加熱し、均一延伸に必要十分な熱量を供給し
て瞬間的に延伸を開始・完了させる方法を採用すること
が好ましい。この場合の好ましい縦延伸倍率は、2.8
〜4.0倍であり、さらに好ましくは3.0〜3.6倍
である。
【0060】なお、B層表面のダイナミック硬度を5.
0以下に制御して感熱転写記録材料用基材フィルムとし
て優れた特性を発現させるためには、前記縦延伸の赤外
線加熱ヒータの出力をフィルムの表裏で独立制御すれば
よい。具体的には、B層がA層の片面に積層される場合
にはB層側をより低温で加熱して延伸すればよく、また
B層がA層の両面に積層される場合には、感熱転写記録
面側をより低温で加熱して延伸すればよい。
【0061】次いで、縦1軸延伸フィルムをテンターに
導入し、フィルムを横方向に延伸する。好ましい延伸温
度は100〜160℃であるが、前記温度範囲内で加熱
昇温しつつ延伸処理を施すことがさらに好ましい。ま
た、好ましい横延伸倍率は3.2〜4.2倍であり、さ
らに好ましくは3.5〜4.0倍の範囲である。
【0062】このようにして得られた2軸延伸フィルム
に対し、テンター内で熱処理を施す。熱処理温度の設定
は、200〜240℃の範囲が好ましく、210〜23
0℃の範囲がさらに好ましい。
【0063】また、フィルムの寸法安定性を向上(熱収
縮率を低下)させるために、フィルムの製造工程中ある
いはフィルムの製造後に加熱弛緩処理をフィルム長手方
向及び/又は幅方向に施してもかまわない。弛緩処理の
方法としては、(a)テンター内でクリップを開放ある
いは端部を切断して弛緩処理する方法、(b)テンター
を出てからフィルムを巻き取るまでの間にフィルムを再
加熱して弛緩させる方法、(c)フィルム巻き取り後に
別工程でアニール処理を実施する方法、等を採用するこ
とが出来る。
【0064】この場合、弛緩処理温度は150℃以上か
つ前記の熱処理温度未満が好ましく、さらに好ましくは
160〜190℃である。
【0065】本発明の空洞含有複合ポリエステル系フィ
ルムの熱収縮率(150℃×30分)は、2%未満であ
ることが好ましく、より好ましくは1.5%未満、更に
好ましくは1.0未満、最も好ましくは0.5%未満で
ある。
【0066】また、本発明の空洞含有ポリエステル系フ
ィルムの厚みは任意であるが、20〜500μmである
ことが好ましい。
【0067】また、本発明の空洞含有複合ポリエステル
系フィルムは、インキやコーティング剤などの塗れ性や
接着性を改良するために、その少なくとも片面に塗布層
を設けても構わない。塗布層を構成する化合物として
は、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル
系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を向
上させる手段として開示されている化合物等が適用可能
である。
【0068】塗布層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
ど通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階
としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後
に塗布する方法、延伸処理の終了したフィルム表面に塗
布する方法などのいずれの方法も可能である。
【0069】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
す。また、本発明で用いた特性の評価方法を以下に示
す。
【0070】(1)ポリエステル樹脂の固有粘度 フェノール60重量%と1,1,2,2−テトラクロロ
エタン40重量%の混合溶媒にポリエステル原料を溶解
し、固形分をガラスフィルターで濾過した後、30℃に
て測定した。
【0071】(2)ポリメチルペンテン及びポリスチレ
ンの溶融粘度(ηo、ηs) 樹脂温度285℃、剪断速度100/秒における溶融粘
度を、島津製作所製フローテスター(CFT−500)
を用いて測定した。なお、剪断速度100/秒での溶融
粘度の測定は、剪断速度を100/秒に固定して行うこ
とが困難であるため、適当な荷重を用いて、100/秒
未満の任意の剪断速度および当該速度よりも大きい任意
の剪断速度で溶融粘度を測定し、縦軸に溶融粘度、横軸
に剪断速度をとり、両対数グラフにプロットした。前記
の2点を直線で結び、内挿により剪断速度100/秒で
の溶融粘度(η:ポイズ)を求めた。
【0072】(3)フィルム全体の見かけ比重 JIS K−7112記載の浮沈法による。
【0073】(4)A層の空洞積層数密度 走査型電子顕微鏡を用いて、フィルムサンプルの異なる
部位5箇所において、フィルムの縦延伸方向と平行でか
つフィルム面に垂直な切断面を観察した。前記切断面を
300〜3,000倍の適切な倍率で観察し、A層の空
洞の分布状態が確認できる写真を撮影した。写真画像上
の任意の場所でフィルム表面から厚み方向に垂直に直線
を引き、この直線に交わるA層内の空洞の数N(積層
数)を計数した。また、この直線に沿ってA層の厚みT
(μm)を測定し、A層の空洞の積層数N(個)をA層
の厚みT(μm)で除してA層の空洞積層数密度N/T
(個/μm)を求めた。なお、測定は写真1枚につき5
箇所で行い、総計25箇所のA層の空洞積層数密度を平
均し、サンプルの空洞積層数密度(個/μm)とした。
【0074】(5)フィルム表面のダイナミック硬度 島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−20
1)を用い、115゜の三角すい圧子に0.2gfの荷
重を与え、荷重と圧子の押し込み深さからダイナミック
硬度を次式により求めた。 DH=37.838P/h2 DH=ダイナミック硬度 P=試験荷重(gf) h=押し込み深さ(μm)
【0075】(6)表面光沢度 日本電色工業社製VGS−1001DPを用いて、60
度での反射率を求めた。
【0076】(7)熱転写感度特性(相対画像濃度) 下記組成の塗工液を乾燥後重量が4g/m2となるよう
にフィルムの片面に塗工し、フィルムを寸法固定し16
0℃で30秒間熱処理して記録層を形成し、熱転写受像
シートを作成する。 水分散性共重合ポリエステル樹脂 : 2.0重量部 水分散性アクリル・スチレン共重合樹脂: 5.0重量部 水分散性イソシアネート系架橋剤 : 0.5重量部 水 : 67.4重量部 イソプロピルアルコール : 25.0重量部 界面活性剤 : 0.1重量部
【0077】このようにして得た熱転写受像シートをA
6サイズにカットしたサンプルについて、市販のインク
リボン(株式会社キャラベルデータシステム製、昇華転
写プリンター用プリントセットP−PS100)及び市
販の熱転写プリンター(ボン電気株式会社製、熱転写型
ラベルプリンターBLP−323)を用いて、印字スピ
ード100mm/秒、ヘッド電圧18Vで印字する。印
字パターンには、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y
(イエロー)、およびそれらを重ね印字したK(ブラッ
ク)の4色について、各色9mm×9mmの正方形のベ
タ文字を7個ずつ(計28個)A6シート内に配置した
パターンを用いる。
【0078】印字後、マクベス濃度計(TR−927)
を用いて、CMYK各色の反射濃度を計測し、4色(計
28カ所)の平均濃度を求める。
【0079】同様に、市販の受像紙(株式会社キャラベ
ルデータシステム製、昇華転写プリンター用プリントセ
ットP−PS100:天然紙の両面に発泡ポリプロピレ
ンフィルムをラミネートし、記録層を形成したもの)に
ついても、同様の方法で平均濃度を求め、市販の受像紙
の濃度に対するサンプルの濃度の比率(%)で熱転写感
度特性を評価する。
【0080】(8)ハンドリング性 フィルム長手方向に5cm長、直角方向に1cm幅の短
冊状に切り取り、直径1.4mmの金属ピンでしごく。
このとき、フィルムに生じた折れ、シワの状態を3段階
に評価した。評価基準は以下の通りである。 ○:折れ・シワは、ほとんど発生しない △:強くしごくと、わずかに折れ・シワが発生する ×:容易にシワ・折れが発生する
【0081】(9)B層の厚み フィルムの切断面を電子顕微鏡で写真撮影し、スケール
から実測した。
【0082】(10)隠蔽性 JIS K−7105に記載された方法により、全光線
透過率(単位:%)を測定し、隠蔽性の指標とした。こ
の値が小さい程、隠蔽性が大きいことを示す。
【0083】(11)色調 JIS Z8729−1994に準じ、L値及びb値で
評価した。L値が高い程、またb値が低い程、白度が高
いと判断する。
【0084】(12)印刷性 UV硬化インキ(株式会社セイコーアドバンス製、UV
A710 ブラック)を印刷後、照射エネルギー500
mJ/cm2で紫外線照射処理を行い印刷サンプルを得
た。得られたサンプルを目視により以下のように判定し
た。 ○:高品位に印刷できる △:品位は劣るが、実用上問題なし ×:印刷ムラがあり、実用上も問題あり
【0085】(13)帯電防止性 23℃、65%RHで24時間シーズニングした後、そ
の雰囲気下で高抵抗率計(三菱油化株式会社製、ハイレ
スターIP)を用いて印加電圧500ボルトにてフィル
ム表面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
【0086】実施例1 (空洞形成剤の製造)溶融粘度(ηo)1,300ポイ
ズのポリメチルペンテン(PMP)樹脂60重量%、溶
融粘度2,000ポイズのポリプロピレン(PP)樹脂
20重量%、及び溶融粘度(ηs)3,900ポイズの
ポリスチレン(PS)樹脂20重量%をペレット混合し
て、285℃に温調したベント式二軸押出機に供給、混
練して空洞形成剤(原料a)を製造した。
【0087】(ポリエステルの製造)シリカ粒子含有ポ
リエチレンテレフタレート(PET)樹脂を次の方法で
得た。エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した
時点で、テレフタル酸を86.4重量部及びエチレング
リコールを64.4重量部からなるスラリーを仕込み、
攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03重
量部及び酢酸マグネシウム4水和物を0.088重量
部、トリエチルアミンを0.16重量部添加した。
【0088】次いで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34
3MPa、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行
った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、リン
酸トリメチル0.040重量部を添加した。さらに、2
60℃に昇温し、リン酸トリメチルを添加した15分後
に、平均粒子径(島津製作所製、SA−CP3)が1.
0μmの凝集体シリカ粒子のエチレングリコールスラリ
ー(スラリー濃度:140g/L)を、生成ポリエステ
ルに対し、500ppmとなるよう添加した。15分
後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移
送し、280℃の減圧下で重縮合反応を行った。重縮合
反応終了後、95%カット径が28μmのナスロン製フ
ィルターで濾過処理を行い、固有粘度が0.62dl/
gのポリエチレンテレフタレート(原料b)を製造し
た。
【0089】(酸化チタン粒子含有マスターバッチの製
造)上記のポリエチレンテレフタレート(原料b)と表
面にシロキサン処理を施した平均粒径 0.2μmのア
ナターゼ型二酸化チタン粒子(堺化学工業株式会社製)
を重量比50/50で混合し、ベント式混練機で混練し
て、二酸化チタン粒子含有マスターバッチ(原料c)を
製造した。
【0090】(フィルムの製造)加熱真空乾燥を施した
前記原料をa/b/c=7/88/5(重量比)となる
ように連続計量・連続攪拌してA層の原料とした。次
に、この原料をダブルフライトの単軸押出機に供給して
溶融混練し、ギアポンプ、フィルター、直径50mmの
短管内部に装着された12エレメントのスタティックミ
キサーを経由して、直ちにフィードブロック(共押出し
接合器)に供給した。このとき、スタティックミキサー
部で生じた圧損は3.7MPaであった。
【0091】一方、B層の原料には前記原料をb/c=
60/40(重量比)となるように連続計量したものを
用い、ベント式2軸押出し機に供給して溶融混練し、ギ
アポンプ、フィルターを経由して前記フィードブロック
に供給した。
【0092】フィードブロックでは、前記A層の両面に
前記B層を同じ厚みとなるように接合した。このとき、
延伸前の各層の厚み比率がB/A/B=10/80/1
0となるように、A層側及びB層側の押出機及びギアポ
ンプの回転数を制御した。
【0093】次いで、フィードブロックで接合した溶融
ポリマーを、フィードブロック直下に連結されたコート
ハンガーダイに供給し、表面温度30℃の冷却ドラム上
にキャストして、厚さ0.71mmの未延伸フィルムを
製造した。
【0094】次に、前記の方法で得られた未延伸フィル
ムを、加熱ロールを用いて65℃に加熱した後、周速が
異なるロール間で3.1倍に延伸した。このとき、低速
ロールと高速ロールの中間部に、フィルムを挟んで対向
する位置に集光IRヒータを設置し、フィルムを均一延
伸するために必要十分な熱量をフィルムの両面から均等
に与えた。
【0095】次に、得られた1軸延伸フィルムをテンタ
ーに導入し、120℃から150℃に加熱昇温しつつ幅
方向に3.9倍の延伸を行った。さらに、テンター内
で、230℃で7秒間の熱処理を施して、厚さ75μm
の空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例1)を
製造した。得られたフィルムの特性値を表1に示した。
【0096】実施例2 実施例1で使用したスタティックミキサーを取り外し
た。これ以外の製造条件は実施例1に従い、厚さ74μ
mの空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例2)
を製造した。このようにして得られたフィルムの特性値
を表1に示した。
【0097】比較例1 実施例1で用いた溶融粘度(ηo)1,300ポイズの
ポリメチルペンテン(PMP)に代えて、溶融粘度(η
o)4,300ポイズのポリメチルペンテン(PMP)
を用い、空洞形成剤(原料d)を製造した。また、A層
の原料混合比率は、d/b/c=11/84/5(重量
比)とした。これ以外の製造条件は実施例1に従い、厚
さ75μmの空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比
較例1)を製造した。このとき、スタティックミキサー
部で生じた圧損は3.8MPaであった。このようにし
て得られたフィルムの特性値を表1に示した。
【0098】比較例2 実施例1で使用したスタティックミキサーを取り外すと
ともに、比較例1と同じ原料組成とした。これ以外の製
造条件は実施例1に従い、厚さ74μmの空洞含有複合
ポリエステル系フィルム(比較例2)を製造した。この
ようにして得られたフィルムの特性値を表1に示した。
【0099】比較例3 実施例1において、A層の原料組成をa/b/c=21
/74/5(重量比)に変更した。また、最終的なフィ
ルム厚みが75μmとなるよう、A層側の押出機及びギ
アポンプの回転数を制御した。これ以外の製造条件は実
施例1に従い、厚さ75μmの空洞含有複合ポリエステ
ル系フィルム(比較例3)を製造した。このとき、スタ
ティックミキサー部で生じた圧損は2.4MPaであっ
た。このようにして得られたフィルムの特性値を表1に
示した。
【0100】実施例3 実施例1の縦延伸終了後、ワイヤーバー(No.5)を
用いて下記組成のコート液をフィルムの両面に塗布・乾
燥し、直ちにテンターに導入して横延伸した。横延伸以
降の製造条件は実施例1に従い、厚み78μmの被覆層
を有する空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例
3)を製造した。このようにして得られたフィルムの特
性値を表2に示した。
【0101】なお、用いたコート液の組成(単位:重量
%)は、以下の通りである 1.水分散性共重合ポリエステル樹脂:2.5 2.末端イソシアネート基を親水性基でブロックした 水溶性ウレタン樹脂:4.0 3.第4級アンモニウム塩系帯電防止剤:0.5 4.平均粒径0.45μmのシリカ粒子:6.0 5.平均粒径0.8μmの炭酸カルシウム粒子:2.0 7.水:60 8.イソプロピルアルコール :25
【0102】実施例4 実施例3で得られたフィルムを裁断してフラフ状とした
後、単軸のベント式押出し機(フラフエクストルーダ
ー)に供給して押し出し、再生ペレット(自己回収原
料)(原料e)を製造した。次に、実施例3において、
A層の原料組成をa/b/e=4/46/50(重量
比)に変更した。これ以外の製造条件は実施例3に従
い、自己回収原料を含有し、かつ被覆層を有する厚さ7
7μmの空洞含有複合ポリエステル系フィルム(実施例
3)を製造した。このとき、スタティックミキサー部で
生じた圧損は3.2MPaであった。このようにして得
られたフィルムの特性値を表2に示した。
【0103】比較例4 実施例3において、B層の原料組成をb=100%に変
更した。これ以外の製造条件は実施例3に従い、被覆層
を有する厚さ76μmの空洞含有複合ポリエステル系フ
ィルム(比較例4)を製造した。このとき、スタティッ
クミキサー部で生じた圧損は実施例3と同一であった。
このようにして得られたフィルムの特性値を表2に示し
た。
【0104】比較例5 実施例4において、B層の原料組成をb=100%に変
更した。これ以外の製造条件は実施例4に従い、自己回
収原料を含有し、かつ被覆層を有する厚さ75μmの空
洞含有複合ポリエステル系フィルム(比較例5)を製造
した。このとき、スタティックミキサー部で生じた圧損
は実施例4と同一であった。このようにして得られたフ
ィルムの特性値を表2に示した。
【0105】実施例5 実施例1で用いたフィードブロック(2種3層用)を取
り外し、代りに2種2層用のフィードブロックを設置し
た。また、A層の原料組成はa/b/c=8/87/5
(重量比)とした。一方、B層の原料組成は、b/c/
[蛍光増白剤(OB−1)をポリエチレンテレフタレー
ト中に5重量%含有するマスターバッチ]=30/65
/5(重量比)とした。
【0106】そして、A層の片面にB層を積層し、延伸
前の各層の厚み比率がA/B=93/7となるように、
A層側及びB層側の押出機及びギアポンプの回転数を制
御した。次いで、フィードブロックで接合した溶融ポリ
マーをフィードブロック直下に連結したコートハンガー
ダイに供給し、表面温度30℃の冷却ドラム上に、A層
面がドラム面となるようにキャストして、厚さ0.47
mmの未延伸フィルムを製造した。このとき、スタティ
ックミキサー部で生じた圧損は3.9MPaであった。
【0107】次に、前記の方法で得られた未延伸フィル
ムを、加熱ロールを用いて72℃に加熱した後、周速が
異なるロール間で3.4倍に延伸した。このとき、低速
ロールと高速ロールの中間部に設置した集光赤外線ヒー
タを用い、フィルムのA層面側のみを加熱し、均一延伸
するために必要十分な熱量を与えた。
【0108】得られた1軸延伸フィルムをテンターに導
入し、120℃から150℃に加熱昇温しつつ幅方向に
3.9倍の延伸を行った。さらに、テンター内で、22
0℃で5秒間の熱処理を施して、厚み50μmの空洞含
有ポリエステル系フィルム(実施例5)を製造した。得
られたフィルムの特性値を表3に示した。
【0109】比較例6 実施例5で使用したスタティックミキサーを取り外し
た。また、A層の原料組成をa/b/c=11/84/
5(重量比)に変更した。さらに、縦延伸に際し、未延
伸フィルムの加熱には集光IRヒータを用いず、加熱ロ
ールを用いて83℃に加熱して3.2倍に延伸した。
【0110】これ以外の製造条件は実施例5に従い、厚
さ52μmの空洞含有複合ポリエステル系フィルム(比
較例5)を製造した。このようにして得られたフィルム
の特性値を表3に示した。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】表から、以下のように考察することが出来
る。実施例1〜5の空洞含有複合ポリエステル系フィル
ムは、本発明で規定される要件を満足しているため、合
成紙としての優れた特性(印刷性、白色度再現性、隠蔽
性等)を有し、かつ優れたハンドリング性を有してい
る。
【0115】これに対し、表1から、A層の空洞積層数
密度が本発明の要件を満足しない場合(比較例1及び比
較例2)には、フィルムのハンドリング性が不十分とな
ることが分かる。また、表1からは、例えA層の空洞積
層数密度が本発明の要件を満足する場合でも、フィルム
全体の見かけ比重が本発明で規定される要件を下回る場
合(比較例3)にはフィルムのハンドリング性が不十分
となることも分かる。
【0116】次に、表2からは、B層中の白色無機微粒
子の含有量が本発明の要件を満足しない場合(比較例4
及び比較例5)には、フィルムの隠蔽性(全光線透過
率)と白色度(色調)が不十分となること、また印刷性
が若干低下することが分かる。更に、フィルム製造時に
発生する屑を自己回収原料として再生使用した場合、本
発明のフィルム(実施例4)では非回収製品(実施例
3)と比較しても全く色調変動が認められないのに対
し、B層中の白色無機微粒子の含有量が本発明の要件を
満足しない場合(比較例5)には、非回収製品(比較例
4)と比較してフィルムの色調変動(特に、b値)が著
しいことが分かる。
【0117】また、表3から、B層表面のダイナミック
硬度と光沢度が本発明で規定される好ましい要件を満足
する場合(実施例5)には、感熱転写記録材料用基材フ
ィルムとして、優れた感熱転写感度特性が得られること
が分かる。
【0118】これに対し、B層表面のダイナミック硬度
が本発明で規定される好ましい範囲を超える場合(比較
例6)には、感熱転写感度特性が低下していることが分
かる。また、印刷物の状態を観察した結果、実施例5で
は均一な発色濃度が得られていたのに対し、比較例6で
は濃度ムラ(特に、ハイライト部でザラツキ大)を生じ
ており、印刷品位が劣っていた。更に、比較例6では、
A層の空洞積層数密度が本発明で規定する範囲を満足し
ないので、フィルムのハンドリング性に関しても不十分
であることが分かる。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空洞含有
ポリエステル系フィルムは、中心層(A層)である空洞
含有層における空洞の分散状態に優れているため、空洞
含有層(A層)の空洞積層数密度(フィルム厚みに対す
るフィルム厚み方向の空洞の数)が多い。さらに、フィ
ルム全体の見かけ比重を特定化しているため、合成紙と
しての優れた特性(印刷性、白色度再現性、隠蔽性等)
を維持しながら、フィルムのハンドリング性(耐折れシ
ワ性)を改良することができる。また、表面層(B層)
を設けることによりフィルム表面強度が向上し、さらに
B層中に白色無機微粒子を特定量含有しているため、フ
ィルムの隠蔽性と白色度(色調)に優れている。さら
に、表層のB層表面の硬さや光沢が適正化されているた
め、感熱転写記録時の感度特性にも優れている。したが
って、本発明の空洞複合ポリエステル系フィルムは、ラ
ベル、伝票、商業印刷などの一般用はもちろんのこと、
感熱記録材料用基材フィルムとして特に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 BB05 BB06 BB08 4F100 AA01B AA01C AA21B AA21C AK01A AK03A AK08A AK12A AK41A AK41B AK41C AK41D AK41E AK51D AK51E AL05A BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA10B BA10C BA10D BA10E CA13B CA13C DD22A DE01B DE01C EJ37D EJ37E GB90 JA06A JA13 JA13A JB11A JB16A JK12 JL16 JN21 YY00 YY00A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂と前記ポリエステル樹
    脂に非相溶の熱可塑性樹脂を含有する組成物からなる空
    洞含有層(A層)と、A層の少なくとも片面に共押し出
    し法により積層された、白色無機微粒子を5〜45重量
    %含有するポリエステル層(B層)からなる複合フィル
    ムであって、フィルム全体の見かけ比重が0.85〜
    1.35であり、かつA層の下記式で定義される空洞積
    層数密度が0.20個/μm以上であることを特徴とす
    る空洞含有複合ポリエステル系フィルム。 A層の空洞積層数密度(個/μm)=A層の厚み方向の
    空洞数(個)/A層の厚み(μm)
  2. 【請求項2】 前記A層中のポリエステル樹脂に非相溶
    の熱可塑性樹脂がポリオレフィン及び/またはポリスチ
    レンを含み、かつA層中にはポリエチレングリコールま
    たはその誘導体を実質的に含まないことを特徴とする請
    求項1記載の空洞含有複合ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 前記A層中のポリエステル樹脂に非相溶
    の熱可塑性樹脂がポリメチルペンテン及びポリスチレン
    を含有するとともに、下記式(1)、(2)、及び
    (3)を満足することを特徴とする請求項1または2記
    載の空洞含有複合ポリエステル系フィルム。 ηo/ηs≦1.0 …(1) 0.01≦Ps/Po≦1.0 …(2) 2≦Pt≦15 …(3) 〔ここで、ηo及びηsは、それぞれポリメチルペンテン
    及びポリスチレンの溶融粘度(いずれも樹脂温度が28
    5℃で、剪断速度が100/秒での値をいい、単位はポ
    イズである)であり、Po及びPsは、それぞれポリメチ
    ルペンテン及びポリスチレンのフィルム全体重量に対す
    る含有量(単位:重量%)、Ptは、ポリエステル樹脂
    に非相溶の熱可塑性樹脂全体のフィルム全体重量に対す
    る含有量(単位:重量%)を示す。〕
  4. 【請求項4】 B層中に含有される白色無機微粒子が酸
    化チタンであることを特徴とする請求項1、2、または
    3記載の空洞含有複合ポリエステル系フィルム。
  5. 【請求項5】 前記空洞含有複合ポリエステル系フィル
    ムの少なくとも片面に、ポリエステル系、ポリウレタン
    系から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂成分を含む
    被覆層が設けられており、かつ前記被覆層が少なくとも
    1軸方向に延伸されていることを特徴とする請求項1、
    2、3、または4記載の空洞含有複合ポリエステル系フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 前記A層組成物が、自己回収原料を20
    重量%以上含有することを特徴とする請求項1、2、
    3、4、または5記載の空洞含有複合ポリエステル系フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、または6記
    載の空洞含有複合ポリエステル系フィルムであって、前
    記フィルムのB層表面のダイナミック硬度が5.0以下
    であり、かつ前記表面の光沢度が20%以上であること
    を特徴とする感熱転写記録材料用基材フィルム。
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