JPH10112401A - チップ部品及びその製造方法 - Google Patents
チップ部品及びその製造方法Info
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Abstract
検査工程で認識エラーを生じることがないチップ部品を
提供すること。 【解決手段】 部品表裏の色分布を一致させてあるの
で、搭載工程で回路基板等に表裏逆に搭載された場合で
も、色または明度の違いを原因として、カラー画像処理
またはモノクロ画像処理による検査工程において表向き
に搭載された部品と裏向きに搭載された部品とが別部品
として認識されるようなことはなく、認識エラーの問題
を確実に回避して検査工程を支障なく行うことができ
る。
Description
部品とその製造方法に関するものである。
ップ部品の中で、表裏を持つチップ部品として扁平角型
のチップ抵抗器が知られている。
の長さを有する絶縁素子と、絶縁素子の表側の面(最も
面積が大きな2つの側面のうちの1つ)の中央に形成さ
れた矩形状の抵抗膜と、抵抗膜の端部と導通するようよ
うに絶縁素子の長手方向両端部に形成された一対の電極
膜と、抵抗膜の電極膜で挟まれる部分を覆うように絶縁
素子の一面に形成された外装膜とを備えており、部品表
面(抵抗膜のある面)に外装膜が露出し、部品裏面(抵
抗膜のある面とは反対側の面)に絶縁素子の地肌が露出
する部品構造を有している。
は、アルミナ等から成る絶縁素子の地色が白またはこれ
に近い色を有するため白っぽいが、部品表面の外装膜部
分の色は、ガラス,樹脂等から成る外装膜が透明または
半透明で、酸化ルテニウム等から成る抵抗膜の地色が黒
またはこれに近い色を有することから黒っぽい。つま
り、このチップ抵抗器は部品表面と部品裏面とで異なる
色分布を有している。
含むチップ部品は、通常、搭載工程,検査工程,接合工
程を経て回路基板等に実装される。検査工程には、カラ
ーまたはモノクロ画像処理によって位置ズレ検出や有無
検出を行う検査装置が用いられ、搭載部品は撮像,画像
データ処理,良否判定のステップを経てその良否を検査
される。
プ抵抗器のように表裏を持つチップ部品は、搭載までの
課程で表裏を管理することが難しいことから、往々にし
て回路基板等に対し裏向きに搭載されそのままの状態で
接合されることがある。
実装されても特段不具合を生じることはないが、上記の
チップ抵抗器のように表裏の色分布が異なるチップ部品
では、検査工程がカラー画像処理によるときは色の違い
を原因とし、また、モノクロ画像処理によるときは明度
の違いを原因として、表向きに搭載された部品と裏向き
に搭載された部品とが別部品として認識されるといった
所謂認識エラーを生じる不具合がある。
で、その目的とするところは、裏向きに実装された場合
でも画像処理による検査工程で認識エラーを生じること
がないチップ部品と、該チップ部品に好適な製造方法を
提供することにある。
め、本発明に係るチップ部品は、表裏を持つチップ部品
において、部品表面の色分布と部品裏面の色分布とを一
致または近似させたこと、また、部品表面の明度分布と
部品裏面の明度分布とを一致または近似させたことをそ
の特徴としている。
布を近似または一致させ、また、部品表裏の明度分布を
一致または近似させてあるので、搭載工程で回路基板等
に表裏逆に搭載された場合でも、色または明度が異なる
ことを原因として、画像処理による検査工程において表
向きに搭載された部品と裏向きに搭載された部品とが別
部品として認識されるようなことはない。
は、表裏を持つと共に、部品表面に外装膜が露出し、且
つ部品裏面に絶縁素子の地肌が露出する部品構造を備え
たチップ部品の製造方法において、外装膜形成時に使用
するペーストに着色剤を添加したこと、また、外装膜上
に有色塗料を塗布したことをその特徴としている。
表裏の色分布、或いは明度分布が一致または近似した上
記のチップ部品を的確且つ安定して製造できる。
適用した実施形態を示してある。同図において、1は絶
縁素子、2は抵抗膜、3は引出電極膜、4はニッケル
膜、5は半田膜、6はガラス膜、7は樹脂膜である。
は、Al2O3を25〜60wt%,SiO2 を10〜4
0wt%,B2O3を3〜30wt%,MgOを1〜15
wt%,Cr2O3を0.2〜10wt%,Li2O を
0.1〜3wt%,CaO,SrO及びBaOから選ば
れた1種以上を1〜20wt%それぞれ含んだ低温焼成
(焼成温度が1000℃以下)の磁器組成物から成り、
横断面長方形で所定の長さを有している。この絶縁素子
1は、Cr2O3を含むことから緑色の地色を有してい
る。
る抵抗材料から成り、絶縁素子1の表側の面(最も面積
が大きな2つの側面のうちの1つ)の中央に、上から見
て長方形状に形成されている。この抵抗膜2は、黒色の
地色を有している。
料から成り、絶縁素子1の長手方向両端部に形成され、
抵抗膜2の長手方向端部とそれぞれ導通している。
導体材料から成り、引出電極膜3を覆うように形成され
ている。
主成分とする導体材料から成り、ニッケル膜4を覆うよ
うに形成されている。
主成分とし且つ絶縁素子1と同じ磁器組成物の粉末を5
0wt%含むガラス材料から成り、抵抗膜2を覆うよう
に形成されている。このガラス膜6は、絶縁素子1と同
様にCr2O3を含むことから緑色の地色を有している。
つ絶縁素子1と同じ磁器組成物の粉末を50wt%含む
樹脂材料から成り、ガラス膜6を覆うように形成されて
いる。この樹脂膜7は、絶縁素子1と同様にCr2O3を
含むことから緑色の地色を有している。
ニッケル膜4及び半田膜5によって電極膜が構成され、
また、ガラス膜6及び樹脂膜7によって外装膜が構成さ
れており、部品表面(抵抗膜のある面)の電極膜を除く
部分には樹脂膜7と磁器素子1の地肌が露出し、部品裏
面(抵抗膜のある面とは反対側の面)には絶縁素子1の
地肌が露出している。抵抗膜2が黒色の地色を有する
が、これを被覆するガラス膜6及び樹脂膜7が共に緑色
であることから、抵抗膜2の色が表面に浮かび上がるよ
うなことはなく、つまり、部品表面の色分布と部品裏面
の色分布はほぼ一致している。
ば、部品表裏の色分布を一致させてあるので、搭載工程
で回路基板等に表裏逆に搭載された場合でも、色または
明度の違いを原因として、カラー画像処理またはモノク
ロ画像処理による検査工程において表向きに搭載された
部品と裏向きに搭載された部品とが別部品として認識さ
れるようなことはなく、認識エラーの問題を確実に回避
して検査工程を支障なく行うことができる。
搭載された部品とが同じ色となるため、表裏逆に搭載さ
れた部品が混在する場合でも、外観上の見栄えが悪くな
ることもない。
チップ抵抗器の好適な製造方法について説明する。
しくは、分割溝11aを長手方向に一定間隔で平行に有
する所定幅の絶縁基板11を用意する。
iO2 粉末と、B2O3粉末と、MgO粉末と、Cr2O3
粉末と、Li2O 粉末と、CaO,SrO及びBaOの
何れか1種以上の粉末を所定の重量割合で混合し、この
混合粉末にバインダ及び溶剤を加えて調製したスラリー
を作るステップと、該スラリーをドクターブレード法に
よって所定の厚みに延伸してシートを得るステップと、
該シートに溝を付けてからこれと直交する方向に切断し
て所定幅の帯状シートを得るステップと、該帯状シート
を850〜1000℃の温度で3時間焼成するステップ
を経て作成される。分割溝11aとなる溝は、帯状シー
トを焼成した後に研削によって形成しても同様の絶縁基
板11を作成することができる。
幅方向両端部に、該端部に沿って引出電極膜12を形成
する。この引出電極膜12の形成は、銀粉末にバインダ
及び溶剤を加えて調製した導体ペーストを、ディップ或
いは塗布等の手法により絶縁基板11の幅方向両端部に
所定寸法で付着し、これを焼き付けることにより実施さ
れる。
一面の分割溝11aで囲まれる各領域に、両端部が引出
電極膜12と重ねるように抵抗膜13を形成する。この
抵抗膜13の形成は、酸化ルテニウム粉末にバインダ及
び溶剤を加えて調製した抵抗ペーストを、スクリーン印
刷法により絶縁基板11の一面所定位置に所定形状で印
刷し、これを焼き付けることにより実施される。
覆うように絶縁基板11の一面にガラス膜14を形成す
る。このガラス膜14の形成は、ホウケイ酸鉛とSi2
O3の粉末と上記絶縁基板11と同じ磁器組成物の粉末
との混合粉末にバインダ及び溶剤を加えて調製したガラ
スペーストを、スクリーン印刷法により絶縁基板11の
一面所定位置に所定形状で印刷し、これを焼き付けるこ
とにより実施される。
対しガラス膜14の上からレーザ光線を照射してトリミ
ングを実施し、各抵抗膜13形成された溝15によって
抵抗値の微調整を行う。
を覆うように絶縁基板11の一面に樹脂膜16を形成す
る。この樹脂膜16の形成には、エポキシ樹脂の流動物
に上記絶縁基板11と同じ磁器組成物の粉末を加えて調
製した樹脂ペーストを、スクリーン印刷法により絶縁基
板11の一面所定位置に所定形状で印刷し、これを加熱
することにより実施される。
絶縁基板11を分割溝11aに沿って分割し、部品に対
応する単位チップ17を作成する。
の長手方向両端部に、ニッケル膜18と半田膜19を順
に形成する。このニッケル膜18の形成は、電解メッキ
等の手法により単位チップ17の長手方向両端部にニッ
ケル薄膜を着膜することにより実施され、また、半田膜
19の形成は、電解メッキ等の手法により単位チップ1
7の長手方向両端部に半田薄膜を着膜することにより実
施される。以上で、図1に示したチップ抵抗器が製造さ
れる。
法によれば、ガラス膜14用のガラスペーストと樹脂膜
16用の樹脂ペーストのそれぞれに、絶縁基板11と同
じ磁器組成物の粉末を添加することによって、ガラス膜
14及び樹脂膜16を絶縁基板11と同一の緑色とする
ことができる。
末を着色剤として利用しているので、他の着色剤を別途
用意する面倒がなく、簡単な手法でガラス膜14及び樹
脂膜16の色を磁器素子11の色と同じくすることがで
きる。
とによりレーザ光線の吸収率を高めてあるので、抵抗膜
13に対するレーザトリミングをガラス膜14を介して
行う場合でも、ガラス膜14におけるレーザ光線の反射
を防止してトリミングを効果的に行うことができる。
低温焼成基板を絶縁基板11として用いているので、絶
縁基板11の製造が容易になり、製造コストを低減させ
ることができる。
で外装膜を構成したものを例示したが、樹脂膜はガラス
であってもよく、また、レーザトリミングを抵抗膜に対
し直接行う場合には外装膜をガラス膜或いは樹脂膜の単
一層としてもよい。
色を共に磁器素子の地色と同じ緑色としたものを例示し
たが、表面に露出する樹脂層の色のみを磁器素子の地色
と同じ緑色としてもよい。
緑色の場合を例示したが、絶縁素子がアルミナから成り
地色が白色である場合や、絶縁素子がこれ以外の地色を
有する場合でも、外装膜の地色をこれと一致させれば同
様の効果が得られる。
ストに絶縁素子と同材料の粉末を添加することによって
絶縁基板との同色化を図るようにしたものを例示した
が、外装膜用ペーストに絶縁基板と同色の色素を添加し
たり、または外装膜上に絶縁基板と同色の有色塗料を塗
布するようにして同色化を図るようにしてもよい。
分布を一致させたものを例示したが、色相が同じであれ
ば多少彩度が違っても、カラー画像処理またはモノクロ
画像処理による検査工程において認識エラーを生じるこ
とはなく、外観上の見栄えも低下することもない。ま
た、モノクロ画像処理を行う検査装置、換言すれば色相
の識別ができない検査装置を検査工程で使用する場合に
は、色相を必ずしも一致または近似させる必要はなく、
部品表裏の明度分布を一致または近似させておけば色相
が違っても検査工程において認識エラーを生じることは
ない。
してチップ抵抗器を例示したが、表裏を持つチップ部品
であれば、チップ抵抗器以外のチップ部品、例えば、チ
ップジャンパやチップインダクタ等にも本発明を適用で
き同様の効果を得ることができる。
プ部品によれば、搭載工程で回路基板等に表裏逆に搭載
された場合でも、色または明度が異なることを原因とし
て、画像処理による検査工程において表向きに搭載され
た部品と裏向きに搭載された部品とが別部品として認識
されるようなことはなく、認識エラーの問題を回避して
検査工程を支障なく行うことができる。
によれば、部品表裏の色分布、或いは明度分布が一致ま
たは近似した上記のチップ部品を的確且つ安定して製造
することができる。
ケル膜、5…半田膜、6…ガラス膜、7…樹脂膜、11
…絶縁基板、11a…分割溝、12…引出電極膜、13
…抵抗膜、14…ガラス膜、15…トリミング溝、16
…樹脂膜、17…単位チップ、18…ニッケル膜、19
…半田膜。
Claims (7)
- 【請求項1】 表裏を持つチップ部品において、 部品表面の色分布と部品裏面の色分布とを一致または近
似させた、 ことを特徴とするチップ部品。 - 【請求項2】 表裏を持つチップ部品において、 部品表面の明度分布と部品裏面の明度分布とを一致また
は近似させた、 ことを特徴とするチップ部品。 - 【請求項3】 部品表面に外装膜が露出し、且つ部品裏
面に絶縁素子の地肌が露出する部品構造を備えた、 ことを特徴とする請求項1または2記載のチップ部品。 - 【請求項4】 外装膜が絶縁素子と同材料の粉末を含有
する、 ことを特徴とする請求項3記載のチップ部品。 - 【請求項5】 表裏を持つと共に、部品表面に外装膜が
露出し、且つ部品裏面に絶縁素子の地肌が露出する部品
構造を備えたチップ部品の製造方法において、 外装膜形成時に使用するペーストに着色剤を添加した、 ことを特徴とするチップ部品の製造方法。 - 【請求項6】 着色剤が絶縁素子と同材料の粉末であ
る、 ことを特徴ととする請求項5記載のチップ部品の製造方
法。 - 【請求項7】 表裏を持つと共に、部品表面に外装膜が
露出し、且つ部品裏面に絶縁素子の地肌が露出する部品
構造を備えたチップ部品の製造方法において、 外装膜上に有色塗料を塗布した、 ことを特徴とするチップ部品の製造方法。
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