JPH10101785A - 改質ポリエステルの製造法及び改質ポリエステル繊維 - Google Patents
改質ポリエステルの製造法及び改質ポリエステル繊維Info
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Abstract
含むモノマー不溶性成分の抑制され、色相に優れた改質
ポリエステルの製造法および繊維を提供する 【解決手段】 テレフタル酸及び炭素数6〜12の脂肪
族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸とし、エチレング
リコールを主たるグリコール成分とし、エステル交換触
媒としてCaを、整色剤としてCoを用いるポリエステ
ルの製造法において実質上エステル交換反応が終了した
時点で、80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エ
ステル化された脂肪族ジカルボン酸を、全ジカルボン酸
に対し2〜20モル%添加する製造法及びそれを溶融紡
糸して得られる繊維。
Description
製造法及び繊維に関し、さらに詳しくは脂肪族ジカルボ
ン酸を共重合した色相の優れた改質ポリエステルの製造
法及び繊維に関する。
テレフタレート繊維は、耐熱性、耐薬品性などの優れた
特性を有しているため、種々の用途、例えば、衣料用、
産業資材用に幅広く用いられている。しかし、その反
面、ポリエチレンテレフタレート繊維は、染色性に劣る
ため、高温高圧下で染色しなくてはならないという欠点
を有している。
手段として、ポリオキシアルキレングリコールを添加す
る方法(特開昭53−139821号公報等)が知られ
ている。しかし、この方法では染色性の改善は達成され
るが、耐光性が添加するという欠点を有する。
法(特開平5−98512号公報等)が知られている。
脂肪族ジカルボン酸を共重合する場合には耐熱性が低下
するため、ポリマー色相が悪化する場合が多く、その改
良法としてCo化合物のような整色剤を用いることが一
般的に知られている。
を、特にエステル交換触媒としてCa触媒と併用した場
合は系中でCo金属成分を含んだモノマー不溶成分が生
じるというポリマー製造工程上の問題があった。
共重合するために、Ca触媒を使用し、Co化合物を併
用した場合に、前記モノマー不溶成分の発生が抑制さ
れ、常圧で染色可能な色相の優れた改質ポリエステルを
製造する方法、及びそのような改質ポリエステル繊維を
提供することを目的とする。
点を解決すべく鋭意検討の結果、脂肪族ジカルボン酸の
80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステルと
して、実質上ジメチルテレフタル酸のエステル交換反応
が終了した時点で添加することにより、本発明の目的を
達成できることを見出し、本発明に到達した。
成分がテレフタル酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカル
ボン酸であり、主たるグリコール成分がエチレングリコ
ールであり、エステル交換触媒としてCaおよび整色剤
としてCoを用いてポリエステルを製造するにあたり、
実質上エステル交換反応が終了した時点で、その80%
以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化された
脂肪族ジカルボン酸を、全酸成分に対して2〜20モル
%を添加することを特徴とする改質ポリエステルの製造
法である。
改質ポリエステルを溶融紡糸してなる改質ポリエステル
繊維である。
本発明のポリエステルは、全ジカルボン酸成分に対し
て、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分が2〜2
0モル%共重合されているポリエチレンテレフタレート
である。脂肪族ジカルボン酸成分が2モル%未満では染
色性が改善されず、一方20モル%を超えるとポリマー
融点が下がりすぎて耐熱性に劣るため好ましくない。
成分では本発明の効果を奏することができす、炭素数1
2を超えると原料価格が高くなり、経済的でなくなる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸な
どを挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸
は単独でも、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
るCa触媒としては、例えば酢酸カルシウム4水塩、酢
酸カルシウム1水塩を挙げることができる。添加量は限
定されるものではないが、全酸成分に対して、60〜1
00mmol%程度であればよい。
としては、例えば酢酸コバルト2水塩、酢酸コバルト4
水塩が挙げられる。添加量としては、全酸成分に対して
5〜20mmol%が好ましい。5mmol%未満では
色相の改善効果は少なく、20mmol%を超えるとポ
リマーのはくごが低下し、好ましくない。
ボン酸は80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エ
ステル化されたものを、すなわち、エチレングリコール
によってエステル化されてものを添加することが必須で
ある。エチレングリコールによるエステル化率が80%
未満では、不活性粒子の発生が抑制されずにモノマー中
にCo金属を多く含む不溶性成分が発生し、重合及びそ
れ以降の成形工程で不調を生じるので好ましくない。
の酸成分とグリコール成分お比率は酸成分に対して3〜
4.5倍のエチレングリコールを用いて行うのが好まし
い。3倍モル未満ではエステル化に多大な時間を要し、
副生するジエチレングリコールが多くなるので好ましく
ない。一方、4.5倍を超えると添加するエチレングリ
コール量が多くなり、重合時間が長くなり、また、副生
するジエチレングリコールが多くなり、好ましくない。
化をする際の温度は100℃以上でエチレングリコール
の常圧での沸点以下であればよく、反応速度を高くする
ために、三酸化アンチモンを添加してもかまわない。ま
た、エステル化に伴って発生する水は系中に残留してお
いてもかまわないが、取り除くことが好ましい。
(2−ヒドロキシエチル)エステル化したものの添加時
期は、エチテンテレフタレートを製造する際の実質上エ
ステル交換反応が終了した時点である。エステル交換反
応が終了していない時点での添加は一部未反応の脂肪族
ジカルボン酸から発生する水でエステル交換触媒が失活
するため好ましくない。
交換法によって製造され、前記条件以外は通常の条件を
そのまま採用すればよい。また、得られるポリマーの固
有粘は、製糸及び他の成型品お物性を考慮すると、0.
5以上が好ましい。
は、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、トリメ
リット酸、ピロメリット酸の如き、ポリカルボン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールの如きポリオールを共重合させることができる。
には、その性能を損なわない程度の任意の添加剤、例え
ば、着色防止剤、難燃剤、抗菌剤、酸化防止剤、艶消
剤、着色剤、紫外線吸収剤、増粘剤、蛍光増白剤、無機
微粒子等が含まれていてもよい。
方法を利用することができる。本発明で得られる改質ポ
リエステルは通常の方法、例えば紡糸温度240℃〜3
20℃、巻取り速度300〜6000m/分で溶融紡糸
を行い、必要に応じて延伸を行い、延伸糸を得る。
工、混繊などを施すことにより、変わった織編用途へ展
開できる。さらに、織編物は通常の方法で、精錬、アル
カリ減量も行うことができる。本発明における繊維は1
00℃以下の温度で染色可能であるが、短時間で行うた
めにも80℃以上100℃以下が望ましい。必要に応じ
て親水、撥水、防炎等の後加工を施すこともできる。ま
た、通常のポリエステルとの複合混合紡糸も可能である
し、アクリル、ポリウレタン、アセテート等の混用によ
り、多層構造の織編物にすることもできる。
に説明する。なお、実施例中、部および%は重量基準で
ある。また、実施例中の各物性値については下記の方法
によった。 (1)固有粘度 フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重
量比6:4)混合溶媒中、35℃で測定した粘度から求
めた。 (2)融点測定 示差走査型熱量計(リガク社製、THERMOFLEX DSC-8230
)を用い、約10mgの試料を昇温速度20℃/分で
昇温して求めた。 (3)脂肪族ジカルボン酸のビス(2−ヒドロキシエチ
ル)エステル化率の測定方法。 0.1NのNaOHを用いて未反応のカルボキシ末端に
ついてアルカリ滴定を行い、反応率を%で求めた。
部、エチレングリコール64.6部、酢酸カルシウム1
水塩0.062部(テレフタル酸ジメチルに対して69
ミリモル%)、整色剤として酢酸コバルト4水塩0.0
19部(テレフタル酸ジメチルに対して15ミリモル
%)をエステル交換釜に仕込み、窒素ガス雰囲気下、3
時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成する
メタノールを系外に留去しながら、エステル交換反応さ
せた。
(エチレングリコール40%溶液)を予め130℃で反
応器中で窒素ガス雰囲気下、10時間ほど攪拌したもの
を26.9部(全酸成分に対し、アジピン酸が12.5
モル%)添加した。このとき、添加したアジピン酸のエ
ステル化率は84%であった。
部(テレフタル酸ジメチルに対して4ミリモル%)添加
し、同時に過剰のエチレングリコールを昇温追い出しを
開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.041部(テレフタル酸ジメチルに対して27ミリ
モル%)を添加し、さらに10分後に二酸化チタンの2
0%エチレングリコールスラリーを0.389部添加し
た。内温が240℃に達した時点でエチレングリコール
の追い出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。
1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温
を240℃から285℃まで昇温した。1mmHg以下
の減圧下、重合温度285℃で所定の粘度に達するまで
さらに重合した。反応終了後、ポリマーを常法に従った
チップ化した。
融点は228℃であった。またこのとき得られたポリマ
ーの色相は、L=67.2、b=−1.4で良好であっ
た。
酸のエステル化率が14%のものを用いて同様に行った
ところ、添加後にCo金属を含んだモノマー不溶性成分
を生じた。そのまま重合反応を行い、不溶性粒子をフィ
ルターで除去した後のポリマーの融点は228℃で、ポ
リマーの色相は、L=70.5、b=3.4で黄色味の
強いポリマーが得られた。
酸のエステルに代えて、セバシン酸のエステル化率が8
4%のものを28.9g(全ジカルボン酸に対して10
モル%)を添加して、以下同様に行い、ポリマーを得
た。ポリマーの色相は、L=76.25、b=0.1、
融点は230℃で、Co金属を含んだモノマー不溶成分
は生じなかった。
酸のエステル化率が45%のものを用いて同様に行った
ところ、添加後にCo金属を含んだモノマー不溶性成分
を生じた。そのまま重合反応を行い、不溶性粒子をフィ
ルターで除去した後のポリマーの融点は228℃で、ポ
リマーの色相は、L=71.8、b=2.8で黄色味の
強いポリマーが得られた。
ると、脂肪族カルボン酸を共重合するときに不活性粒子
の発生が抑制され、色相の優れた改質ポリエステルを得
ることができる。得られた改質ポリエステルを製糸した
改質ポリエステル繊維は耐熱性、耐光性および染色鮮明
性に優れ、ソフトな風合いをもち、衣料用のポリエステ
ル繊維として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸
及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、主た
るグリコール成分がエチレングリコールであり、エステ
ル交換触媒としてCaおよび整色剤としてCoを用いて
ポリエステルを製造するにあたり、実質上エステル交換
反応が終了した時点で、その80%以上がビス(2−ヒ
ドロキシエチル)エステル化された脂肪族ジカルボン酸
を、全ジカルボン酸成分に対して2〜20モル%を添加
することを特徴とする改質ポリエステルの製造法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造法により得られた改
質ポリエステルを溶融紡糸してなる改質ポリエステル繊
維。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25865496A JP3615323B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 改質ポリエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25865496A JP3615323B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 改質ポリエステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10101785A true JPH10101785A (ja) | 1998-04-21 |
JP3615323B2 JP3615323B2 (ja) | 2005-02-02 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25865496A Expired - Fee Related JP3615323B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 改質ポリエステルの製造法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3615323B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25865496A patent/JP3615323B2/ja not_active Expired - Fee Related
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