JP3615323B2 - 改質ポリエステルの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は改質ポリエステルの製造法及び繊維に関し、さらに詳しくは脂肪族ジカルボン酸を共重合した色相の優れた改質ポリエステルの製造法及び繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル繊維、特に、ポリエチレンテレフタレート繊維は、耐熱性、耐薬品性などの優れた特性を有しているため、種々の用途、例えば、衣料用、産業資材用に幅広く用いられている。しかし、その反面、ポリエチレンテレフタレート繊維は、染色性に劣るため、高温高圧下で染色しなくてはならないという欠点を有している。
【0003】
従来、原料であるポリマー側から改善する手段として、ポリオキシアルキレングリコールを添加する方法(特開昭53−139821号公報等)が知られている。しかし、この方法では染色性の改善は達成されるが、耐光性が低下するという欠点を有する。
【0004】
また、脂肪族ジカルボン酸を共重合する方法(特開平5−98512号公報等)が知られている。脂肪族ジカルボン酸を共重合する場合には耐熱性が低下するため、ポリマー色相が悪化する場合が多く、その改良法としてコバルト化合物のような整色剤を用いることが一般的に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コバルト化合物を、特にエステル交換触媒としてカルシウム触媒と併用した場合は系中でコバルト金属成分を含んだモノマー不溶成分が生じるというポリマー製造工程上の問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、脂肪族ジカルボン酸を共重合するために、カルシウム触媒を使用し、コバルト化合物を併用した場合に、前記モノマー不溶成分の発生が抑制され、常圧で染色可能な色相の優れた改質ポリエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意検討の結果、脂肪族ジカルボン酸の80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステルとして、実質上ジメチルテレフタル酸のエステル交換反応が終了した時点で添加することにより、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、主たるグリコール成分がエチレングリコールであり、エステル交換触媒としてカルシウムおよび整色剤としてコバルト化合物を用いてポリエステルを製造するにあたり、実質上エステル交換反応が終了した時点で、その80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化された脂肪族ジカルボン酸を、全酸成分に対して2〜20モル%を添加することを特徴とする改質ポリエステルの製造法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルは、全ジカルボン酸成分に対して、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分が2〜20モル%共重合されているポリエチレンテレフタレートである。脂肪族ジカルボン酸成分が2モル%未満では染色性が改善されず、一方20モル%を超えるとポリマー融点が下がりすぎて耐熱性に劣るため好ましくない。
【0011】
また、炭素数6未満の脂肪族ジカルボン酸成分では本発明の効果を奏することができす、炭素数12を超えると原料価格が高くなり、経済的でなくなる。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などを挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸は単独でも、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0012】
本発明のエステル交換触媒として用いられるカルシウム触媒としては、例えば酢酸カルシウム4水塩、酢酸カルシウム1水塩を挙げることができる。添加量は限定されるものではないが、全酸成分に対して、60〜100mmol%程度であればよい。
【0013】
また、併用する整色剤としてのコバルト化合物としては、例えば酢酸コバルト2水塩、酢酸コバルト4水塩が挙げられる。添加量としては、全酸成分に対して5〜20mmol%が好ましい。5mmol%未満では色相の改善効果は少なく、20mmol%を超えるとポリマーの白度が低下し、好ましくない。
【0014】
さらに、本発明においては、脂肪族ジカルボン酸は80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化されたものを、すなわち、エチレングリコールによってエステル化されたものを添加することが必須である。エチレングリコールによるエステル化率が80%未満では、不活性粒子の発生が抑制されずにモノマー中にコバルト金属を多く含む不溶性成分が発生し、重合及びそれ以降の成形工程で不調を生じるので好ましくない。
【0015】
エチレングリコールによるエステル化の際の酸成分とグリコール成分との比率は酸成分に対して3〜4.5倍モルのエチレングリコールを用いて行うのが好ましい。3倍モル未満ではエステル化に多大な時間を要し、副生するジエチレングリコールが多くなるので好ましくない。一方、4.5倍モルを超えると添加するエチレングリコール量が多くなり、重合時間が長くなり、また、副生するジエチレングリコールが多くなり、好ましくない。
【0016】
また、エチレングリコールによるエステル化をする際の温度は100℃以上でエチレングリコールの常圧での沸点以下であればよく、反応速度を高くするために、三酸化アンチモンを添加してもかまわない。また、エステル化に伴って発生する水は系中に残留しておいてもかまわないが、取り除くことが好ましい。
【0017】
このようにして脂肪族ジカルボン酸をビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化したものの添加時期は、エチテンテレフタレートを製造する際の実質上エステル交換反応が終了した時点である。エステル交換反応が終了していない時点での添加は一部未反応の脂肪族ジカルボン酸から発生する水でエステル交換触媒が失活するため好ましくない。
【0018】
本発明において、ポリエステルはエステル交換法によって製造され、前記条件以外は通常の条件をそのまま採用すればよい。また、得られるポリマーの固有粘は、製糸及び他の成型品の物性を考慮すると、0.5以上が好ましい。
【0019】
さらに、本発明でえられるポリエステルには、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、トリメリット酸、ピロメリット酸の如き、ポリカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを共重合させることができる。
【0020】
また、本発明で得られる改質ポリエステルには、その性能を損なわない程度の任意の添加剤、例えば、着色防止剤、難燃剤、抗菌剤、酸化防止剤、艶消剤、着色剤、紫外線吸収剤、増粘剤、蛍光増白剤、無機微粒子等が含まれていてもよい。
【0021】
また、繊維の製造法としては、従来公知の方法を利用することができる。本発明で得られる改質ポリエステルは通常の方法、例えば紡糸温度240℃〜320℃、巻取り速度300〜6000m/分で溶融紡糸を行い、必要に応じて延伸を行い、延伸糸を得る。
【0022】
得られる繊維は通常の織編用途、仮撚加工、混繊などを施すことにより、変わった織編用途へ展開できる。さらに、織編物は通常の方法で、精錬、アルカリ減量も行うことができる。本発明における繊維は100℃以下の温度で染色可能であるが、短時間で行うためにも80℃以上100℃以下が望ましい。必要に応じて親水、撥水、防炎等の後加工を施すこともできる。また、通常のポリエステルとの複合混合紡糸も可能であるし、アクリル、ポリウレタン、アセテート等の混用により、多層構造の織編物にすることもできる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中、部および%は重量基準である。また、実施例中の各物性値については下記の方法によった。
(1)固有粘度
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比6:4)混合溶媒中、35℃で測定した粘度から求めた。
(2)融点測定
示差走査型熱量計(リガク社製、THERMOFLEX DSC−8230 )を用い、約10mgの試料を昇温速度20℃/分で昇温して求めた。
(3)脂肪族ジカルボン酸のビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化率の測定方法。
0.1NのNaOHを用いて未反応のカルボキシ末端についてアルカリ滴定を行い、反応率を%で求めた。
【0024】
〔実施例1〕
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール64.6部、酢酸カルシウム1水塩0.062部(テレフタル酸ジメチルに対して69ミリモル%)、整色剤として酢酸コバルト4水塩0.019部(テレフタル酸ジメチルに対して15ミリモル%)をエステル交換釜に仕込み、窒素ガス雰囲気下、3時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去しながら、エステル交換反応させた。
【0025】
続いてアジピン酸エチレングリコール溶液(エチレングリコール40%溶液)を予め130℃で反応器中で窒素ガス雰囲気下、10時間ほど攪拌したものを26.9部(全酸成分に対し、アジピン酸が12.5モル%)添加した。このとき、添加したアジピン酸のエステル化率は84%であった。
【0026】
さらに、正リン酸の56%水溶液0.03部(テレフタル酸ジメチルに対して4ミリモル%)添加し、同時に過剰のエチレングリコールを昇温追い出しを開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン0.041部(テレフタル酸ジメチルに対して27ミリモル%)を添加し、さらに10分後に二酸化チタンの20%エチレングリコールスラリーを0.389部添加した。内温が240℃に達した時点でエチレングリコールの追い出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。
【0027】
次いで、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を240℃から285℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度285℃で所定の粘度に達するまでさらに重合した。反応終了後、ポリマーを常法に従ったチップ化した。
【0028】
得られたポリマーの固有粘度は0.69、融点は228℃であった。またこのとき得られたポリマーの色相は、L=67.2、b=−1.4で良好であった。
【0029】
〔比較例1〕
実施例1において、アジピン酸のエステル化率が14%のものを用いて同様に行ったところ、添加後にコバルト金属を含んだモノマー不溶性成分を生じた。そのまま重合反応を行い、不溶性粒子をフィルターで除去した後のポリマーの融点は228℃で、ポリマーの色相は、L=70.5、b=3.4で黄色味の強いポリマーが得られた。
【0030】
〔実施例2〕
実施例1において、アジピン酸のエステルに代えて、セバシン酸のエステル化率が84%のものを28.9g(全ジカルボン酸に対して10モル%)を添加して、以下同様に行い、ポリマーを得た。ポリマーの色相は、L=76.25、b=0.1、融点は230℃で、コバルト金属を含んだモノマー不溶成分は生じなかった。
【0031】
〔比較例2〕
実施例1において、アジピン酸のエステル化率が45%のものを用いて同様に行ったところ、添加後にコバルト金属を含んだモノマー不溶性成分を生じた。そのまま重合反応を行い、不溶性粒子をフィルターで除去した後のポリマーの融点は228℃で、ポリマーの色相は、L=71.8、b=2.8で黄色味の強いポリマーが得られた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の改質ポリエステルの製造法によると、脂肪族カルボン酸を共重合するときに不活性粒子の発生が抑制され、色相の優れた改質ポリエステルを得ることができる。得られた改質ポリエステルを製糸した改質ポリエステル繊維は耐熱性、耐光性および染色鮮明性に優れ、ソフトな風合いをもち、衣料用のポリエステル繊維として好適である。

Claims (1)

  1. 主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、主たるグリコール成分がエチレングリコールであり、エステル交換触媒としてカルシウム触媒および整色剤としてコバルト化合物を用いてポリエステルを製造するにあたり、実質上エステル交換反応が終了した時点で、その80%以上がビス(2−ヒドロキシエチル)エステル化された脂肪族ジカルボン酸を、全ジカルボン酸成分に対して2〜20モル%を添加することを特徴とする改質ポリエステルの製造法。
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