JP2005097488A - ポリエステル樹脂及びそれを用いてなる繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アンチモン元素を含有する化合物をポリエステル重合用の触媒として用いたにもかかわらず、溶融紡糸すれば、色調が良好なポリエステル繊維を安定して得ることができるポリエステル樹脂と、この樹脂を用いたポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】 ポリエステルを構成する繰り返し単位が主にエチレンテレフタレート単位であり、酸化チタン粒子を0.03〜5.0質量%含有し,かつ、ゲルマニウム元素の含有量が2×10−5〜2×10−4モル、アンチモン元素の含有量が1×10−4〜1×10−3モル、リン元素の含有量が5×10−4〜2×10−3モル、コバルト元素の含有量が1×10−5〜2×10−4モルであるポリエステル樹脂と、この樹脂を用いたポリエステル繊維。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色調が良好なポリエステル繊維を得ることができるポリエステル樹脂、及びそれを用いてなる繊維に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)はその優れた機械的特性と化学的特性のため、衣料用、産業用等の繊維として広く用いられている。
通常、このようなポリエステル樹脂の重合には、三酸化アンチモンに代表されるアンチモン元素を含有する化合物を使用することが多い。アンチモン元素を含有する化合物は十分な触媒活性を有し、かつ、コスト的にも有利であるため、幅広く利用されている化合物である。
しかしながら、アンチモン元素を含有する化合物は、重合時に還元反応により、金属アンチモンとなり、ポリエステルに不溶となるため、得られたポリエステルは黒っぽく色調が悪いという問題がある。その結果、溶融紡糸して繊維とした際に、染色物の鮮明性が劣るという欠点があった。
このような欠点を補うため、テレフタル酸とエチレングリコールとを反応させて得られたビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート構造のオリゴマーの一部にトリメチルホスフェートを安定剤として添加した後、重縮合してプレポリマーとし、このプレポリマーとオリゴマーを重縮合させてポリエステルとする方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、ポリマーの明度を十分には向上させることができず、また、ポリエステルの製造工程が煩雑になるため、生産性が低下するという問題もあった。
一方、アンチモン化合物ではなく、二酸化ゲルマニウムに代表されるゲルマニウム化合物を重縮合触媒として用い、酸化ケイ素微粒子を含有するポリエステルから得られた布帛をアルカリ減量した後、蛍光染料で染色することにより、高白度のポリエステル布帛とする方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では、一般的に高価であるゲルマニウム化合物を使用するため、ポリマーのコストが高くなったり、酸化ケイ素微粒子を分散性が良好な状態で含有させるため、酸化ケイ素の分散処理を行う必要があり、生産性が低下するという問題があった。
特開平5−9279号公報 特開平5−78987号公報
本発明は、上記の問題を解決し、アンチモン元素を含有する化合物をポリエステル重合用の触媒として用いているにもかかわらず、色調が良好なポリエステル繊維を得ることができるポリエステル樹脂及びそれを用いてなる繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定量のゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素を触媒として用いて得られたポリエステル樹脂は色調が良好で、布帛にした際の鮮明性が良好な繊維が得られることを知見して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(イ)ポリエステルを構成する繰り返し単位が主にエチレンテレフタレート単位であり、酸化チタン粒子を0.03〜5.0質量%含有し、かつ、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素の含有量が下記式を満足することを特徴とするポリエステル樹脂。
(1) 2×10−5モル≦Ge≦2×10−4モル
(2) 1×10−4モル≦Sb≦1×10−3モル
(3) 5×10−4モル≦P≦2×10−3モル
(4) 1×10−5モル≦Co≦2×10−4モル
ここで、Ge、Sb、P、Coは、それぞれゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、及びコバルト元素を表し、単位はポリエステルの酸成分1モルに対する含有量を示す。
(ロ)上記(イ)記載のポリエステル樹脂を用いてなるポリエステル繊維。
本発明のポリエステル樹脂を溶融紡糸すれば、アンチモン元素を含有する化合物をポリエステル重合用の触媒として用いているにもかかわらず、色調が良好なポリエステル繊維を安定して得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、ポリエステルを構成する繰り返し単位が主にエチレンテレフタレート単位であることが必要であり、80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。エチレンテレフタレート単位が80モル%未満になると、ポリエステルに特有の良好な物性が低下する傾向にあるので好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂は、共重合成分を含有していてもよい。このような共重合成分の例としては、イソフタル酸、無水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-リチウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホナフタレンジカルボン酸等のスルホン酸塩基含有成分、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、1,3-プロピレングリコール、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール成分、4-ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分が挙げられる。
また、本発明の共重合ポリエステル樹脂は、特定量のゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素を含有していることが必要である。
ゲルマニウム元素を含有する化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド等が用いられる。アンチモン元素を含有する化合物としては、三酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等が用いられる。リン元素を含有する化合物としては、リン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート等が挙げられる。コバルト元素を含有する化合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト等が挙げられる。
これらの化合物のうち、重合触媒活性、得られるポリエステルの物性及びコストの面から、それぞれ、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、リン酸、酢酸コバルトが好ましく用いられる。
アンチモン元素を含有する化合物は十分な触媒活性を示すが、重合時に還元反応により、金属アンチモンとなり、これがポリエステルに不溶であるため、得られるポリエステルは黒っぽく色調が悪い。一方、ゲルマニウム元素を含有する化合物を触媒として用いると、ポリエステルの色調や透明性は良好であるが、重合活性が十分ではない。そのため、添加量を多くする必要があるが、ゲルマニウム元素を含有する化合物は一般にコストが高いため、ポリエステルのコストが高くなる。本発明者は、アンチモン元素を含有する化合物に、微量のゲルマニウム元素を含有する化合物を併用すると、金属アンチモンの析出が抑えられ、ポリエステルの色調を向上させることが可能になることを見出した。さらに、熱安定性を良好にするリン元素を含有する化合物、及びポリマーの青味を向上させるコバルト元素を含有する化合物を併用することにより、ポリエステルの色調を著しく向上させることが可能になることを見出した。
そして、本発明のポリエステル樹脂は、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素の含有量としては、式(1)、(2)、(3)及び(4)を満足する必要がある。
(1) 2×10−5モル≦Ge≦2×10−4モル
(2) 1×10−4モル≦Sb≦1×10−3モル
(3) 5×10−4モル≦P≦2×10−3モル
(4) 1×10−5モル≦Co≦2×10−4モル
ここで、Ge、Sb、P、Coは、それぞれゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、及びコバルト元素を表し、単位はポリエステルの酸成分1モルに対する含有量を示す。
ゲルマニウム元素の含有量が式(1)の範囲より少ないと、得られるポリエステルの色調が悪くなる。一方、この範囲を超えて含有量を多くしても、コストが高くなるばかりで、ポリエステルのさらなる色調改善には寄与しない。
また、アンチモン元素の含有量が式(2)の範囲より少ないと、重合時間が長くなり、得られるポリエステルの色調が悪くなるか、あるいは、目標の極限粘度のポリエステルが得られない。一方、この範囲を超えると、ポリエステルに不溶の金属アンチモンが生成しやすくなり、ポリエステルの色調が悪化する。
アンチモン元素とゲルマニウム元素の比率(Sb/Ge)は4.0〜16.0であることが好ましい。この比率が4.0未満になると、重合時間が長くなり、得られるポリエステルの色調が悪くなる傾向か、あるいは、十分な極限粘度を有するポリエステルが得られ難くなる傾向にあるので好ましくない。一方、16.0を超えると、ポリエステルに不溶の金属アンチモンが生成しやすくなり、ポリエステルの色調が悪化しやすくなる傾向にあるので好ましくない。
次に,リン元素の含有量が式(3)の範囲より少ないと、ポリエステルの熱安定性向上や色調改良の効果が得られない。一方、この範囲を超えると、それ以上の熱安定性や色調向上の効果が期待できないばかりか、重縮合反応の反応性が低下する。また、ジエチレングリコールの副生量が多くなり、その結果、ポリエステルの融点や耐熱性が低下する。
さらに、コバルト元素の含有量が式(4)の範囲より少ないと、色調改良の効果が低下する。一方、この範囲を超えると、ポリエステルの明度が低下して色調が悪くなり、また、ポリエステルの経時安定性も低下する。
本発明のポリエステル樹脂は、酸化チタン粒子を0.03〜5.0質量%含有することが必要である。酸化チタンは、ポリエステル樹脂の艶消し剤や白色顔料として一般的に使用されているが、特定量の酸化チタンを含有するポリエステルは、得られる繊維の白度が高くなり、良好な色調の布帛を得ることができる。酸化チタンの含有量が0.03質量%より少ないと、白度を向上させる効果が得られ難くなる。一方、酸化チタンの含有量が5.0質量%を超えると、それ以上の白度向上の効果が期待できないばかりか、酸化チタン粒子の二次凝集が起こりやすくなり、粗大粒子により紡糸の際にパック圧の上昇やガイド等の機器の摩耗が起こりやすくなり、溶融紡糸時の操業性が低下しやすい。
また、ポリエステル樹脂に含有させる酸化チタン粒子は、平均粒径が1.0μm以下、特に0.1〜0.6μmのものが好ましい。
なお、本発明のポリエステル樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、蛍光剤、染料のような色調改良剤、酸化セリウムのような耐光剤等の添加物を含有させてもよい。
本発明のポリエステル樹脂は、溶融紡糸して繊維とすることができる。例えば、本発明のポリエステル樹脂からなるペレットを常法により乾燥し、通常の溶融紡糸機台に供給してポリエステルの融点より20℃以上高い温度で溶融紡糸し、1000〜4000m/分の速度で、未延伸糸又は半未延伸糸としていったん捲き取るか、あるいは、捲き取ることなく、引き続いて1.5〜3.5倍に延伸し、80〜180℃で熱処理を行い、目的の繊維を得ることができる。
また、本発明の効果が損なわれない限り、他の成分との複合繊維としてもよい。さらに、ポリエステル繊維の形態は長繊維としても短繊維としてもよく、必要に応じて、捲縮加工、仮撚加工、薬液による処理等の後加工を施して用いることもできる。
本発明のポリエステル樹脂は、例えば次のような方法により製造することができる。
まず、温度230〜250℃で窒素ガス制圧下、ビス-(β-ヒドロキシエチル)テレフタレートまたはその低重合体(以下、PETオリゴマーと略記する。)の存在するエステル化反応槽に、グリコール成分/酸成分のモル比を1.1〜2.0としたエチレングリコール(以下、EGと略記する。)とテレフタル酸(以下、TPAと略記する。)とからなるスラリーを添加し、滞留時間7〜8時間でエステル化反応物を連続的に得る。
次に、このエステル化反応物(PETオリゴマー)を重合反応缶に移送し、触媒として、アンチモン元素、ゲルマニウム元素、リン元素、コバルト元素をそれぞれ含有する化合物を、各元素がポリエステル中で前記(1)〜(4)式を満足する量となるように添加した後、重合反応缶の温度を260〜280℃に昇温し、0.01〜13.3hPaの減圧下にて、所定の極限粘度となるまで重縮合反応を行い、目的とするポリエステル樹脂を得る。
なお、上記した製造法における反応条件等の数値は、好ましい値を例示したものであって、これに限られるものではない。
本発明のポリエステル樹脂が、アンチモン元素を含有する化合物を触媒として使用しているにもかかわらず色調が良好である理由について、本発明者は次のように推察している。
すなわち、触媒として、アンチモン元素を含有する化合物に、ゲルマニウム元素を含有する化合物を補助的に併用することにより、ポリエステルに不溶な金属アンチモンの析出が抑えられ、色調を向上させることが可能になる。さらに、熱安定性を良好にするリン元素を含有する化合物、及びポリマーの青味を向上させるコバルト元素を含有する化合物を併用することにより、ポリエステル樹脂の色調を著しく向上させることが可能になる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、実施例及び比較例中の特性値の測定は、下記のとおりに行った。
(a)極限粘度([η])
フェノール/テトラクロロエタン=1/1(質量比)の混合溶媒を用い,温度20℃で測定した。
(b)ジエチレングリコール含有量(D%)
得られたポリエステル樹脂をアルカリ加水分解した後、島津製作所社製ガスクロマトグラフGC-9Aを用いてエチレングリコールとジエチレングリコールを定量し、エチレングリコールに対するジエチレングリコールのモル数として求めた。
(c)ゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素及び酸化チタン粒子の含有量
リガク社製蛍光X線分析装置3270を用いて測定した。なお、酸化チタン粒子の含有量は、チタン元素の含有量を測定し、これを二酸化チタンの含有量に換算して求めた。
(d)色調
日本電色工業社製ND-Σ80型色差計を用いて測定した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相(+は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色相としては、L値が大きい程、a値が0に近い程、また極端に小さくならない限りb値が小さい程良好である。
ここでは、L値が75.0以上、b値が4.0以下を合格とした。
(e)ガラス転移温度(Tg)
パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC-7型を用いて、昇温速度20℃/分で測定した。
(f)糸強度(cN/dtex)
常法によりポリエステル樹脂をペレット化して乾燥した後、通常の溶融紡糸装置を用いて紡糸する。このとき、紡糸温度を300℃、吐出量を39.6g/分として、ノズルパック内に装着された直径100mm、目開き2000#のフィルターで濾過し、直径0.25mm、L/D=2の孔を36個有するノズルから紡出して3300m/分の速度で部分未延伸糸を捲き取る。続いて、部分未延伸糸を延伸機に供給し、80℃で予熱した後、温度150℃のヒートプレートに接触させながら1.5倍に延伸、熱処理して捲き取ることにより、83dtex/36Fのフィラメントヤーンを得る。これを50cmの長さに切断したものを、オリエンティック社製テンシロンRTC-1210型を用いて、50cm/分の速度にて引張試験を行い、そのストレス−ストレイン曲線から求めた。
ここでは、3.0cN/dtex以上を合格とした。
(実施例1)
PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にTPAとEGとのモル比が1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.1MPa、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。
得られたPETオリゴマー50.2kgを重縮合反応缶に移送し、続けて、酸化チタン(平均粒径0.5μm)の濃度が3質量%に調製されたEGスラリー1.0kg、リン酸の濃度が3質量%に調製されたEG溶液1.0kg、二酸化ゲルマニウムの濃度が1質量%に調製されたEG溶液0.2kg、三酸化アンチモンの濃度が2質量%に調製されたEG溶液0.8kg、酢酸コバルトの濃度が1質量%に調製されたEG溶液0.3kgをそれぞれ添加し、重縮合反応缶内の温度を30分間で280℃に昇温し、圧力を徐々に減じて60分後に1.2hPa以下とした。この条件で攪拌しながら、2時間重縮合反応を行い、常法により払い出してペレット化した。
(実施例2〜5、比較例1〜9)
二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、リン酸、酢酸コバルト、酸化チタンの含有量が表1のようになるように、添加量をそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例1〜5及び比較例1〜9で得られたポリエステルの特性値と評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005097488
表1から明らかなように、実施例1〜5では、色調が良好で、繊維化するのに適した極限粘度を有するポリエステル樹脂が得られた。これらのポリエステル樹脂を溶融紡糸した結果、糸強度が十分である繊維を得ることが可能であった。
一方、比較例1は、ゲルマニウム元素の含有量が少なすぎたため、比較例3ではアンチモン元素の含有量が多すぎたために、いずれも得られたポリエステルは黒みがあり、色調が悪いものとなった。
比較例2は、アンチモン元素の含有量が少なすぎたため、重縮合反応の重合性が悪く、繊維化するのに十分な極限粘度に到達しなかった。また、1.2hPa以下での重縮合時間を4時間に延長したため、得られたポリエステルの色調が悪くなった。
比較例4は、リン元素の含有量が少なすぎたため、比較例6は、コバルト化合物の含有量が少なすぎたため、いずれも得られたポリエステルの色調が悪いものであった。
比較例5は、リン元素の含有量が多すぎたため、ポリエステルのD%が高くなった。その結果、ポリエステルは耐熱性に劣るものとなり、溶融紡糸後の糸強度が低下した。
比較例7は、コバルト元素の含有量が多すぎたため、得られたポリエステルの色調が悪いものであった。
比較例8は、酸化チタン粒子の含有量が少なすぎたため、得られたポリエステルは白度が低いものとなった。
比較例9は、酸化チタン粒子の含有量が多すぎたため、溶融紡糸時にパック圧の上昇が激しく、また、糸切れも多発した。その結果、糸サンプルを得ることができなかった。

Claims (2)

  1. ポリエステルを構成する繰り返し単位が主にエチレンテレフタレート単位であり、酸化チタン粒子を0.03〜5.0質量%含有し、かつ、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、コバルト元素の含有量が下記式を満足することを特徴とするポリエステル樹脂。
    (1) 2×10−5モル≦Ge≦2×10−4モル
    (2) 1×10−4モル≦Sb≦1×10−3モル
    (3) 5×10−4モル≦P≦2×10−3モル
    (4) 1×10−5モル≦Co≦2×10−4モル
    ここで、Ge、Sb、P、Coは、それぞれゲルマニウム元素、アンチモン元素、リン元素、及びコバルト元素を表し、単位はポリエステルの酸成分1モルに対する含有量を示す。
  2. 請求項1記載のポリエステル樹脂を用いてなるポリエステル繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008095228A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Teijin Fibers Ltd 接触走行摩耗特性の改善された二酸化チタン含有ポリエステル繊維及びその製造方法
JP2010180270A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Nan Ya Plast Corp アンチモン非含有pet樹脂およびそれよりなるポリエステル繊維

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