JPH0977653A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH0977653A
JPH0977653A JP7260982A JP26098295A JPH0977653A JP H0977653 A JPH0977653 A JP H0977653A JP 7260982 A JP7260982 A JP 7260982A JP 26098295 A JP26098295 A JP 26098295A JP H0977653 A JPH0977653 A JP H0977653A
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acid
bacteria
growth
cosmetic
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Nobukane Urakabe
伸周 浦壁
Keiichiro Okabe
敬一郎 岡部
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Advance Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】皮膚常在細菌増殖因子を含有する化粧料を提供
する。 【構成】皮膚常在細菌増殖因子として皮膚常在細菌の必
須アミノ酸及至高級脂肪酸及至栄養源を含有し、更に皮
膚有害細菌の生育阻害因子を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚常在細菌の増殖因
子、皮膚有害細菌の生育阻害因子、皮膚常在細菌の栄養
源を1種又は2種以上を含有してなる、ヒトの皮膚の正
常化、および活性酸素や紫外線による障害防御等に有効
な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から皮膚の乾燥や肌荒れの防止又は
改善、及び活性酸素や紫外線による障害防御を目的とし
た化粧料については、クリーム等のヒト皮脂膜の有する
皮膚保護作用・自浄作用等を模擬するもの、天然物から
抽出した原料を含有する皮膚賦活作用を有するもの、紫
外線を反射又は吸収する素材を含有する紫外線による障
害から皮膚を防御するもの等が盛んに用いられ今日に至
っている。
【0003】しかしながら、人工的に組成された化粧料
は皮膚の自然な機能によって組成されるものには到底及
び得ないものであり、さらにヒトの皮膚には普通肌、脂
性肌、乾燥型脂性肌、乾性肌の4タイプがあり、それぞ
れのタイプによって皮膚の乾燥や肌荒れの防止法及び改
善法は異なってくる。
【0004】また、活性酸素や紫外線による障害防御を
目的として人工的に組成された化粧料は、その作用時間
が限られてしまう。
【0005】さらに、人工的に組成された化粧料は、皮
膚の自然な機能によって組成される状況に比較すると、
その安全性の面で多くの問題点を有している。
【0006】従って従来の化粧料は、皮膚の正常化、及
び活性酸素や紫外線による障害防御等に対して広範囲な
効果と安全性を期待することができないという欠点を有
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
上記した状況を鑑み、皮膚の正常化、及び活性酸素や紫
外線による障害防御等に対して広範囲な効果がある方法
について鋭意研究を重ねた結果、皮膚常在細菌叢の状態
を正常化し、さらに活性化することが重要な要件である
ことを解明した。
【0008】さらにその具体的な方法として、皮膚常在
細菌の増殖因子、皮膚有害細菌の生育阻害因子、及び皮
膚常在細菌の栄養源の中から選ばれた1種又は2種以上
の因子又は成分を含有する組成物を皮膚に散布又は塗布
することによって、皮膚の正常化、及び活性酸素や紫外
線による障害防御に対して著しい効果を示すことを認
め、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、自然皮脂膜の
本体は、皮膚常在細菌とその代謝産物に他ならないこ
と、また皮膚常在細菌は皮膚表層に発生する活性酸素や
紫外線による障害を防御していること等に着目し、皮膚
常在細菌の増殖因子、皮膚有害細菌の生育阻害因子、皮
膚常在細菌の栄養源の中から選ばれた1種又は2種以上
の因子又は成分を含有する化粧品を提供することにより
上記課題を解決したものである。
【0010】すなわち、本発明化粧料は、プロピオニバ
クテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)や
タフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus
epidermidis)等の皮膚常在細菌の増殖因子としての必須
アミノ酸である、アルギニン、イソロイシン、ロイシ
ン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプ
トファン、チロシン、バリン、及び高級脂肪酸であるス
テアリン酸、オレイン酸を1種又は2種以上含有するこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、本発明化粧料は、スタフィロコッカ
ス・アウレウス(Staphylococcus aureus)等の皮膚有害
細菌の生育阻害因子としての高級脂肪酸である、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸を1種又は2
種以上含有することを特徴とするものである。
【0012】さらには、本発明化粧料は、皮膚常在細菌
の栄養源として皮脂及至汗に含まれる成分を1種又は2
種以上含有することを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明の詳細な説明を順次述べる。
本発明者等は、男女各年齢層について皮膚常在細菌の数
量と種類、皮膚表層の成分、皮膚の生理的・生化学的状
態等について鋭意研究を行い、その結果として以下のこ
とを解明した。
【0014】ヒトの皮膚表層には代表的な細菌として、
プロピオニバクテリウム・アクネススタフィロコッカ
ス・エピデルミディスが常在し、その平均的な数量は、
皮膚1cm2当たりプロピオニバクテリウム・アクネス
は数万個から数十万個、スタフィロコッカス・エピデル
ミディスは数百から数千個に及ぶことが判明した。
【0015】この皮膚常在細菌は、皮膚表層に分泌又は
存在する皮脂や汗、脂質・蛋白質・糖質等の物質を栄養
源にして生育し、増殖を繰り返している。
【0016】この時、皮膚常在細菌は多種多様な代謝産
物をつくり出し、皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から
分泌される汗が乳化したものと共に皮膚の乾燥や炎症を
防ぎ、活性酸素や紫外線による障害を防御し、さらには
皮膚有害細菌の生育を阻害する層(以下「皮脂層」とい
う)を形成することを見いだした。
【0017】この皮膚常在細菌、皮膚常在細菌の代謝産
物、及び皮膚表層に存在又は分泌される物質によって構
成される「皮脂層」に関して、解明した主要な働きを以
下に述べる。
【0018】皮脂と汗が乳化したものと皮膚常在細菌
の代謝産物は皮膚からの水分の蒸散を抑制することによ
って皮膚を乾燥から守っている。絶えず外部から加わ
る化学的・物理的な障害に対してバリア層として働き、
皮膚を炎症や損傷から守っている。皮膚常在細菌が産
生するスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)や
カタラーゼ等の酵素は活性酸素の酸化力を消失させるこ
とによって皮膚を障害から守っている。皮膚常在細菌
は直接紫外線を吸収することによって、皮膚を紫外線に
よる障害から守っている。皮膚常在細菌が脂質を代謝
することによって産生する遊離脂肪酸が、主に皮膚表層
のpHを弱酸性(pH6前後)に維持し、皮膚有害細菌
の生育を阻害することによって皮膚の清浄化に関与して
いる、等である。
【0019】しかしながら、男女各年齢層のデータを比
較検討した結果、皮膚を健全に維持する「皮脂層」を構
成する皮膚常在細菌の数量と皮膚表層における皮脂や汗
の分泌量が加齢に伴って減少し「皮脂層」が劣化してい
くこと、皮膚有害細菌等が増殖して皮膚細菌叢の健全な
バランスが崩れていくこと等が判明した。
【0020】そこで、減少する皮膚常在細菌の増殖因子
と皮膚有害細菌の生育阻害因子、さらには同じく減少す
る皮脂と汗の成分の中から選ばれた1種又は2種以上を
化粧料に配合して、これを散布又は塗布すると、肌荒れ
や炎症が緩和し、美しく健全な肌に改善されることを見
いだし、本発明を完成するに至ったのである。
【0021】皮膚常在細菌の増殖因子の化粧料に対する
添加比率(重量%)は、健全な皮膚の表層に存在するア
ミノ酸及び高級脂肪酸の自然な組成に準ずるものである
が、通常下記のとおりである。
【0022】皮膚常在細菌の増殖因子である必須アミノ
酸(アルギニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニ
ン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チ
ロシン、バリン)については、それぞれ0.01〜10
重量%(更に好ましくは0.05〜1重量%)で、特
に、皮膚常在細菌の増殖因子である必須アミノ酸群とし
ては、トリプトファンを除く全ての必須アミノ酸をバラ
ンスよく含有するケラチン等を使用することができる。
ケラチンを使用する場合は0.01〜50重量%(更に
好ましくは0.5〜10重量%)。
【0023】皮膚常在細菌の増殖因子である高級脂肪酸
(ステアリン酸、オレイン酸)は、それぞれ0.01〜
50重量%(更に好ましくは0.5〜10重量%)。
【0024】皮膚有害細菌の生育阻害因子の化粧料に対
する添加比率(重量%)は、健全な皮膚の表層に存在す
る高級脂肪酸の自然な組成に準ずるものであるが、通常
下記のとおりである。 高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、アラキジン酸、アラキドン酸)は、それぞれ0.0
1〜50重量%(更に好ましくは0.5〜10重量
%)。
【0025】皮膚常在細菌の栄養源としての皮脂及び汗
の成分の化粧料に対する添加比率(重量%)は、健全な
皮膚の表層に存在する皮脂及び汗の成分の自然な組成に
準ずるものであるが、通常下記のとおりである。
【0026】皮脂の成分(トリグリセリド、ワックスエ
ステル、スクワレン、コレステロールエステル、コレス
テロール)は、それぞれ0.01〜50重量%(更に好
ましくは0.5〜10重量%)。
【0027】汗の成分(水、塩素、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、窒素、アンモニア、ブ
ドウ糖、乳酸)は、それぞれ0.001〜5重量%(更
に好ましくは0.05〜2重量%)。
【0028】尚、以上の因子又は成分は日本薬局方及至
化粧品原料基準に収載されているので、品質・規格等は
これらに準ずる。
【0029】本発明化粧料は、本発明の効果を損ねない
範囲で上記因子又は成分以外の任意の成分を配合するこ
とができ、その剤型に応じて化粧料に通常配合される成
分、例えばエタノール、油性成分、保湿剤、増粘剤、防
腐剤、乳化剤、薬効成分、粉体、香料、乳化安定剤、p
H調整剤等を配合することができる。
【0030】具体的には、油性成分としては流動パラフ
ィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミ
ツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級
アルコール、脂肪酸、高級アルコールと脂肪酸の合成エ
ステル油、シリコーン油等が挙げられ、保湿剤としては
ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸
ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピ
レン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げ
られ、増粘剤としてはカルボキシビニルポリマー、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラ
ギーナン、ゼラチン等の水溶性高分子、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等の電解質などが挙げられ、防腐剤と
しては尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピ
ルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が
挙げられ、乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール
脂肪酸エチレン等の非イオン界面活性剤が挙げられ、粉
体としてはタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シ
リカ、ベンナイト、バーミキュライト、亜鉛華、雲母、
雲母チタン、塩化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジル
コニウム、硫化バリウム、ベンガラ、酸化鉄、群青等が
挙げられ、pH調整剤としては乳酸−乳酸ナトリウム、
クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤が挙げられ
る。また、種々の有効成分としてアラントイン、ビタミ
ンE誘導体、グリチルリチン、アスコルビン酸誘導体、
コージ酸、アルブチン、パンテテイン酸誘導体、プラセ
ンタエキス、抗炎症剤、ヨクイニン、各種植物抽出物質
等を添加することにより、メラニン抑制効果の向上を図
ることができる。更に、種々の紫外線の吸収又は反射物
質を添加することにより、日焼けの予防効果と治療効果
を増強する化粧料とすることもできる。
【0031】また、一般にその用量は、例えばクリーム
状又は軟膏状の製剤の場合、皮膚面1cm2当たり1〜
20mg、液状製剤の場合、同じく1〜10mgとする
のが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0032】さらに、本発明化粧料は、化粧水、クリー
ム、乳液、パック等のフェーシャル化粧料やファンデー
ション、口紅、ほほ紅等のメーキャップ化粧料、シャン
プー、リンス、養毛剤等の頭髪用化粧料、その他の化粧
料に対して広範囲に適用できる。
【0033】さらにまた、本発明にかかる皮膚常在細菌
の増殖因子及至皮膚有害細菌の生育阻害因子は、化粧料
に限らず各種化学品や薬剤等の関連分野の製品に適用で
きる。
【0034】
【作用】本発明化粧料は、ヒトそれぞれによって異なっ
ている皮膚細菌叢に対して、皮膚常在細菌を増殖・活性
化し、皮膚有害細菌の生育を阻害するので、健全な皮膚
細菌叢によって組成されるより自然に近い「皮脂層」を
提供し得る。また、ヒトそれぞれ固有の皮膚細菌叢を増
殖・活性化するので、外部から皮膚細菌を添加すること
に比較するとはるかに安全である。
【0035】この「皮脂層」は、皮膚を乾燥から守り、
外部から加わる化学的・物理的な障害に対してバリア層
として働き、また活性酸素や紫外線による障害を防御
し、さらに皮膚有害細菌の生育を阻害する等の良好な皮
膚保護作用・自浄作用を達成し、皮膚を美しく健全にす
ることができる。
【0036】
【実施例】つぎに、本発明を実施例によって説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0037】まず、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖
因子としての必須アミノ酸について述べる。
【0038】(1)実験例−1〔皮膚常在細菌のアミノ
酸要求性〕 健常成人の頬から分離したプロピオニバクテリウム・ア
クネス(以下「Pa」という)、プロピオニバクテリウ
ム・グラニュローサム(Propionibacterium granulosum
以下「Pg」という)、スタフィロコッカス・エピデ
ルミディス(以下「Se」という)のアミノ酸要求性を
調べた結果を表1に示す。
【表1】 全アミノ酸を含有する培地における「Pa」、「P
g」、及び「Se」の37℃、48時間から72時間で
の増殖率(OD600値)を100%とした場合に対し
て、それぞれのアミノ酸を欠乏させたときの増殖率が2
5%以下になった場合に、そのアミノ酸を必須アミノ酸
と定義した。この実験結果から皮膚常在細菌の増殖因子
としての必須アミノ酸は、アルギニン、イソロイシン、
ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、
トリプトファン、チロシン、バリンであることが判明し
た。尚、メチオニン、フェニルアラニン、チロシンはプ
ロピオニバクテリウム属に必須で、プロリンはスタフィ
ロコッカス属に必須であった。その他のアミノ酸は、プ
ロピオニバクテリウム属及びスタフィロコッカス属に必
須であった。
【0039】(2)実験例−2〔必須アミノ酸の皮膚常
在細菌増殖効果〕 皮膚常在細菌の増殖因子としての必須アミノ酸をバラン
スよく含有する増殖因子源としてヒト角質由来のケラチ
ンを使用し、皮膚常在細菌「Pa」、「Pg」、及び
「Se」の増殖効果を確認した。ヒト角質由来のケラチ
ンのアミノ酸組成は表2の通りで、トリプトファンを除
く全ての皮膚常在細菌の必須アミノ酸をバランスよく含
有している。
【表2】 本実験例では、PYGブロス培地( 培地組成〈g/
l〉;トリプチケース 1、イーストエキス 0.2、グルコ
ース 2、NaCl 2.5、NaH2PO4 3、K2HPO4
7、ツィーン80 5、システイン塩酸塩 0.2、 pH6.
8) 使用しているので、不足するトリプトファンは培地
に加えるトリプチケース(トリプトファンを0.9%含
有)とイーストエキス(トリプトファンを1.0%含
有)から補充される。培地にケラチンを添加した場合と
無添加の場合(対照)の各皮膚常在細菌の増殖の状況を
図1に示す。ケラチンを添加すると、無添加の場合に比
較して「Pa」、「Pg」、及び「Se」ともに明らか
な増殖効果を示した。また、皮膚常在細菌の栄養源とな
るオリーブオイルを同量添加した場合と比較しても、
「Pa」、「Pg」、及び「Se」の全ての増殖に対し
て、ケラチンは優れた増殖促進効果を示した。
【0040】また、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖
因子としての高級脂肪酸について述べる。
【0041】(3)実験例−3〔ステアリン酸、オレイ
ン酸の皮膚常在細菌増殖効果〕 PYGブロス培地(培地組成は実験例−2と同様)に各
種高級脂肪酸を10μg/ml添加し、37℃で48時
間培養した場合の、代表的な皮膚常在細菌である「P
a」の標準菌株ATCC 11827 の増殖結果を図2に示す。
各種高級脂肪酸の中で、ステアリン酸及びオレイン酸が
明らかな「Pa」の増殖効果を示した。
【0042】つぎに、本発明にかかる皮膚有害細菌の生
育阻害因子としての高級脂肪酸について述べる。
【0043】(4)実験例−4〔高級脂肪酸の皮膚有害
細菌生育阻害効果〕 各種高級脂肪酸を5mg/mlから0.010mg/m
lを段階的に添加したGAM寒天平板(74.0g/1
中;ペプトン 10.0、ダイズペプトン 3.0、プロテ
オーゼペプトン 10.0、消化血清末 13.5、イーストエ
キス 5.0、肉エキス 2.2、肝臓エキス末 1.2、ブド
ウ糖 3.0、リン酸二水素カリウム 3.0、塩化ナトリウ
ム 3.0、溶性デンプン 5.0、L−システイン塩酸塩
0.3、チオグリコール酸ナトリウム 0.3、寒天 15.0、
pH7.1)に、皮膚有害細菌の代表的な細菌であるスタフ
ィロコッカス・アウレウス(以下「Sa」という)を1
8/ml菌液を画線塗布し、37℃で24時間好気培
養し、その生育阻害効果を確認した結果を表3に示す。
【表3】 各種高級脂肪酸の中で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン
酸、アラキドン酸が2.5mg/ml以下で「Sa」の
生育阻害効果を示した。特に、ラウリン酸、パルミトレ
イン酸とリノレン酸が「Sa」の2菌株に対して、低濃
度で生育を阻害した。
【0044】さらに、本発明にかかる皮膚常在細菌の栄
養源としての皮脂成分、及び汗成分を添加した場合の皮
膚常在細菌の増殖効果について述べる。
【0045】(5)実験例−5〔皮脂成分及び汗成分の
皮膚常在細菌増殖効果〕 PYGブロス培地(培地組成は実験例−2と同様)に皮
脂成分及び汗成分を表4の割合で添加し、無添加の場合
と皮膚常在細菌の増殖効果を比較した結果、添加した場
合では「Pa」の増殖促進率(コロニーの大きさで判
断)が約20%、「Se」の増殖促進率が約30%上昇
し、皮脂成分及び汗成分の皮膚常在細菌の増殖促進効果
を示した。
【表4】
【0046】以上述べた皮膚常在細菌の増殖効果とそれ
に伴う活性化は、健全な皮膚細菌叢によって組成される
より自然に近い「皮脂層」を提供し、皮膚を乾燥から守
り、外部から加わる化学的・物理的な障害に対してバリ
ア層として働き、また活性酸素や紫外線による障害を防
御し、さらに皮膚有害細菌の生育を阻害する等の良好な
皮膚保護作用・自浄作用を達成し、皮膚を美しく健全に
することができる。
【0047】健全な皮膚細菌叢の皮膚保護作用・自浄作
用のなかで、特に重要な活性酸素及び紫外線に対する防
御作用について述べる。
【0048】活性酸素(O2 -)等は、脂質等の過酸化、
遺伝子の切断、蛋白変性等の原因となり、組織障害や老
化促進因子のひとつと考えられている。特に皮膚表層は
絶えず外気に接しているため、活性酸素が生じやすい環
境にある。この皮膚表層に常在し生育する皮膚常在細菌
は、スーパーオキサイドディスムターゼ(以下SODと
いう)やカタラーゼ等の酵素によって活性酸素を消去し
ていることが示された。
【0049】(6)実験例−6〔皮膚常在細菌のSOD
活性の測定〕 皮膚常在細菌の代表である「Pa」と「Se」の菌体内
及び菌体外に産生するSOD活性を測定した。SOD活
性の測定はNBT還元法(新生化学実験講座5「生体酸
化・薬物代謝」東京化学同人;1992に準ずる)によ
り行った。キサンチンにキサンチンオキシダーゼを作用
させて恒常的にO2 -を産生させる系にNBT(ニトロブ
ルーテトラゾリウム)を入れると、NBTがO2 -で還元
されて発色し、これを波長560nmの吸光度で測定す
るとO2 -の濃度が測定できる。従って、本実験例では皮
膚常在細菌を入れない対照に比較して、吸光度の低下し
た程度でSOD活性が測定できる。実際に皮膚常在細菌
の標準株で測定した菌体外産生SOD活性と菌体内SO
D活性をそれぞれ表5、表6に示す。
【表5】
【表6】 皮表に生育する「Se」は菌体外と菌体内にSOD活性
を示した。「Se」に比較して深部に生育する「Pa」
は菌体内にSOD活性を示した。このことは、多大な活
性酸素の影響を受ける皮表に生育する「Se」は、菌体
外にもSODを産出して対応していることを示してい
る。
【0050】さらに健常人から分離した「Pa」10株
と「Se」9株についてSOD活性を測定した結果を表
7に示す。
【表7】 皮表に生育する「Se」は、皮膚表層深部に生育する
「Pa」に比較して約10倍のSOD活性を示した。
「Pa」のSOD活性には個人差があり、低い人で5.
1IU/mg蛋白、高い人で28.8IU/mg蛋白で
あった。「Se」のSOD活性はさらに個人差が大き
く、低い人で22IU/mg蛋白、高い人で447IU
/mg蛋白であった。個人差は見られるが、SOD活性
は標準株と同様な傾向を示した。
【0051】以上のことから、皮膚常在細菌は皮膚に障
害を与える活性酸素を消去するSOD活性を有している
ことが判明し、また個人差(菌株の違い)があるところ
から皮膚常在細菌を活性化することの意義が示されるに
至り、本発明にかかる皮膚常在細菌の増殖と活性化は皮
膚を活性酸素の障害から防御する力を上昇させる効果を
示したものといえる。
【0052】太陽光線中の紫外線は、UVA(長波長紫
外線)とUVB(中波長紫外線)、UVC(短波長紫外
線)に分けられるが、UVCはオゾンや酸素に遮られて
地表には到達しない。地表に到達する紫外線のひとつで
あるUVAは真皮まで浸透しシミやシワの原因になる。
一方UVBは皮表に炎症を起こしシミやソバカス等の原
因になる色素沈着を起こす。この皮膚に障害を起こし、
さらに老化を促進する紫外線に対して、皮膚常在細菌は
紫外線吸収作用によって紫外線による障害を防御してい
ることを解明した。
【0053】(6)実験例−6〔皮膚常在細菌の紫外線
吸収作用〕 皮膚常在細菌「Se」の菌体成分を希釈して菌体成分液
(72.3mg/mlの原液を3,000倍に希釈して
2.4μg/mlに調整)を作製し、サンスクリーンク
リーム(市販サマータイム サンスクリーンフェイス;
成分 パラベン、セタノール、ステアリルアルコール、
酢酸トコフェロール、トリエタノールアミン、香料、ア
ロエエキス)を同様に希釈(5,400倍に希釈調整)
したものと、紫外線の吸収量を比較測定した。対照にし
たサンスクリーンクリームは、SPF12(12倍線量
照射で非塗布と同等の紅斑を生じる)である。菌体成分
液とサンスクリーンクリーム液にそれぞれ紫外線を照射
(東芝FL20S・E、距離25cm)し、その時のU
VA及びUVBの紫外線吸収スペクトルを図3に、紫外
線の吸収率を表8に示した。菌体成分液は、UVA及び
UVBともにサンスクリーンクリーム液の90%前後の
吸収率を示した。
【表8】
【0054】サンスクリーンクリームの場合は、時間の
経過に伴って吸収効力が低下するが、皮膚表層に生育す
る皮膚常在細菌の場合は、絶えず増殖を繰り返し紫外線
の障害から皮膚を防御している。本発明にかかる皮膚常
在細菌の増殖と活性化は皮膚を紫外線の障害から防御す
る力を上昇させる効果を示したものといえる。
【0055】つぎに、本発明にかかる化粧料の処方例を
例示するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
【0056】 〔処方例1〕(化粧水) (重量%) グリセリン 3 ポリオキシエチレンモノオレート 1.5 エタノール 10 ピロリドンカルボン酸Na 2 香料 適量 ケラチン 2 オレイン酸 2 ラウリン酸 2 トリグリセリド 3 乳酸−乳酸ナトリウム 0.5 精製水 残部 100
【0057】 〔処方例2〕(クリーム) (重量%) ワセリン 4 セタノール 0.5 ソルビタンセスキオレート 2 液状ラノリン 4 固形パラフィン 4 ブチルパラベン 0.1 メチルパラベン 0.1 香料 0.2 ケラチン 2 オレイン酸 2 パルミトレイン酸 2 スクワラン 10 コレステロールエステル 0.6 乳酸 1 精製水 残部 100 (本処方例では、スクワレンが不飽和の炭化水素である
ため、不安定で化粧料の原料としては使用しにくいた
め、スクワレンに水素を添加して安定化させた生物学的
作用が同等なスクワランを処方した。)
【0058】〔試験例1〕上記各処方例につき(皮膚常
在細菌の増殖因子を除外したものを対照として)0.2
mlを基本寒天培地(φ3.5cmシャーレ;PUK培
地からイーストエキス、システイン塩酸塩、さらにオレ
イン酸ナトリウムを除いた、トリプチカーゼ(BBC)
1.5%、ハートエキス(日水)0.5%、グリセリン
1%、食塩0.2%、K2HPO40.2%、ブロモクレ
ゾールパープル0.002%、寒天1.5%、pH6.
8、3ml)上に均等塗布吸収させた後、健常者頬部皮
膚から採取した皮膚常在細菌懸濁希釈液を塗布し、嫌気
性培養を行い、皮膚常在細菌のコロニーの生育の様子を
数と大きさで比較検討した。
【0059】皮膚常在細菌の採取は、頬部の1cm2
位を生理食塩水に浸した滅菌綿棒で20回強く擦過し、
希釈液(KH2PO4 0.5%、Na2HPO4 0.4
%、ツィーン80 0.1%、システイン塩酸塩 0.
03%、pH6.8、2ml)中に細菌を浮遊懸濁させ
る方法を用いた。細菌浮遊懸濁液はさらに10倍希釈法
で2段階希釈し、各希釈率の液0.05mlを上記平板
上に塗布し、37℃、4日間、嫌気グローブ箱培養(C
2:10%、N2:80%、H2:10%、スチールウ
ール法)を行った。
【0060】増殖因子を欠く対照においては、皮膚常在
細菌のコロニーがほとんど認められず、本発明にかかる
皮膚常在細菌の増殖因子を有するものにあっては、10
4から106c.f.u/cm2(c.f.u:colony forming uni
t)皮膚面積相当の増殖が見られ、さらに本発明にかかる
増殖因子及び栄養源をバランスよく含有させたものにあ
っては、約1.8倍大きなコロニーが観察された。これ
らのコロニーは外観上均一で、生化学的性状検査(Berg
y's Manual of Determinative Bacteriology)から、全
てが「Pa」であった。これと平行して、先の皮膚から
採取した皮膚常在細菌希釈浮遊懸濁液を各種分離平板培
地〔トリプトソイ寒天培地、マンニット食塩寒天培地
(日水製薬)、ポテトデキストロース寒天培地(日水製
薬)〕に塗布し、好気性培養(37℃、3〜7日間)を
したところ、増殖因子を欠く対照においては、皮膚常在
細菌のコロニーがほとんど認められず、本発明にかかる
皮膚常在細菌の増殖因子を有するものにあっては、10
2から104c.f.u/cm2皮膚面積相当の増殖が見られ
た。さらに本発明にかかる増殖因子及び栄養源をバラン
スよく含有させたものにあっては、約1.5倍大きなコ
ロニーが観察された。これらのコロニーは外観上均一
で、生化学的性状検査(Bergey's Manual of Determinat
ive Bacteriology)から、全てが「Se」であった。以
上の結果は、本試験の特性から皮膚常在細菌である「P
a」及び「Se」の増殖に対する、本発明にかかる皮膚
常在細菌の増殖因子及び栄養源の増殖促進効果を示した
ものといえる。
【0061】〔試験例2〕実際に、皮膚常在細菌の増殖
因子及び栄養源、さらに皮膚有害細菌の生育阻害因子を
含有した化粧水及びクリームを毎朝洗顔後、継続使用し
たとき、顔面(頬部)の皮膚細菌叢と皮膚に与える影響
をみた。健康な女性20名(19〜59歳)のボランテ
ィア被験者を選び、頬部から試験例1と同様に皮膚細菌
を採取し4週間にわたり皮膚細菌叢の分析を行った。ま
た、これと平行して、皮膚細菌採取隣接部から脱脂綿棒
にて皮脂を採取し、遊離脂肪酸につき、ガスクロマトグ
ラフィー分析を行った。表9に化粧水及びクリーム使用
に伴う皮膚細菌数の推移結果を示す。
【表9】
【0062】使用開始後、総菌数は2週後で約1.7
倍、4週後で約1.8倍と増加傾向を示したが、これは
最優勢皮膚常在細菌「Pa」の増加傾向と一致してい
る。この皮膚細菌数は、健常者の皮膚における正常域に
あり、異常増殖を示すものではない。この増加傾向は、
皮膚常在細菌「Pa」の増殖が促進されたことを示した
ものといえる。
【0063】次優勢細菌である「Se」は、2週後で約
1.4倍、4週後で約2.6倍と「Pa」と同様な増加
傾向を示した。この「Se」の菌数も、健常者の皮膚に
おける正常域にあり、異常増殖を示すものではない。こ
の増加傾向は、皮膚常在細菌「Se」の増殖が促進され
たことを示したものといえる。
【0064】スタフィロコッカス・キャピティス(Stap
hylococcus capitis)は少数検出されたが、減少傾向を
示した。この試験では、その他の皮膚細菌については選
択平板培地上にほとんど検出されなかった。
【0065】表10には、化粧水及びクリーム使用によ
る遊離脂肪酸組成推移を示している。
【表10】 遊離脂肪酸組成は、採取した皮脂をTLCで分離し、メ
チル化後、ガスクロマトグラフィーにより分析した。こ
の試験では、ラウリン酸(C12:0)からアラキドン
酸(C20:4)までの遊離脂肪酸の総量には個人差が
認められ、少ない人で20.8ng/cm2、多い人で
137.8ng/cm2であった。総遊離脂肪酸量に占
める各種遊離脂肪酸の割合は、使用後、パルミチン酸
(C16:0)は減少傾向を示し、パルミトレイン酸
(C16:1)とオレイン酸(C18:1)が増加傾向
を示した。しかし、これらの変化こそ増殖した皮膚常在
細菌のリパーゼ活性の指標であり、パルミトレイン酸が
皮膚有害菌の「Sa」の生育を低濃度で阻害すること
(表3)、また、オレイン酸が「Pa」及び「Se」の
生育を促進することを考えると、皮膚常在細菌が「皮脂
層」形成において皮膚常在細菌と皮膚との間に存在する
エコシステムの恒常性維持に積極的に関与している結果
と評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケラチンあるいはオリーブオイル添加培地の皮
膚常在細菌増殖効果を示すグラフ。
【図2】ステアリン酸、オレイン酸の皮膚常在細菌増殖
効果を示すグラフ。
【図3】菌体成分液とサンスクリーンクリームの紫外線
吸収スペクトルを示すグラフ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚常在細菌の増殖因子として、皮膚常
    在細菌の必須アミノ酸を含有することを特徴とする化粧
    料。
  2. 【請求項2】 前記増殖因子としての皮膚常在細菌の必
    須アミノ酸が、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、
    メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトフ
    ァン、チロシン、バリンであることを特徴とする請求項
    1の化粧料。
  3. 【請求項3】 皮膚常在細菌の増殖因子として、高級脂
    肪酸を含有することを特徴とする化粧料。
  4. 【請求項4】 前記増殖因子としての高級脂肪酸が、ス
    テアリン酸、オレイン酸であることを特徴とする請求項
    3の化粧料。
  5. 【請求項5】 皮膚有害細菌の生育を阻害する高級脂肪
    酸を含有することを特徴とする化粧料。
  6. 【請求項6】 前記生育阻害因子としての高級脂肪酸が
    ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン酸、リノー
    ル酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸である
    ことを特徴とする請求項5の化粧料。
  7. 【請求項7】 皮膚常在細菌の栄養源として皮脂及至汗
    の成分を含有することを特徴とする化粧料。
  8. 【請求項8】 前記皮膚常在細菌の栄養源としての皮脂
    の成分がトリグリセリド、ワックスエステル、スクワレ
    ン、コレステロールエステル、コレステロールで、およ
    び汗の成分が水、塩素、ナトリウム、カリウム、カルシ
    ウム、マグネシウム、窒素、アンモニア、ブドウ糖、乳
    酸であることを特徴とする請求項7の化粧料。
  9. 【請求項9】 請求項2、請求項4、請求項6および請
    求項8記載の因子又は成分を1種又は2種以上含有する
    ことを特徴とする化粧料。
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