JPH05286843A - スエヒロタケ培養物含有皮膚化粧料 - Google Patents

スエヒロタケ培養物含有皮膚化粧料

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JPH05286843A
JPH05286843A JP4087177A JP8717792A JPH05286843A JP H05286843 A JPH05286843 A JP H05286843A JP 4087177 A JP4087177 A JP 4087177A JP 8717792 A JP8717792 A JP 8717792A JP H05286843 A JPH05286843 A JP H05286843A
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culture
skin
suehirotake
extract
cosmetic
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JP4087177A
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Shuzo Fukada
修三 深田
Hidetaka Kobayashi
秀隆 小林
Jun Matsuda
潤 松田
Toshinori Kato
俊則 加藤
Akira Kojima
彰 小島
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MAX FUAKUTAA KK
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MAX FUAKUTAA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた美白効果と保湿効果を有し、しかも物
理化学的に安定で、且つ安全性に問題の無い新規な化粧
料を提供する。 【構成】 構成糖として分子内にグルコースを有する糖
類を必須成分とする培地を用いてスエヒロタケ(Sch
izophyllum commune Fr.)の菌
子体を培養し、それにより得られた培養物を含有する皮
膚化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、すぐれた美白効
果と保湿効果のある培養物を配合した新規な化粧料に関
する。更に具体的には、構成糖として分子内にグルコー
スを有する糖類を必須成分とする培地を用いてスエヒロ
タケ(Schizophyllumcommune
.)担子菌の菌子体を液体培養して得られた培養物を
化粧基剤や軟膏基剤に配合した、安全性が高く、美白効
果及び保湿効果に優れた皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料は近年、顔などの皮膚をよそおい
飾る目的だけでなく、皮膚の健康維持または改善といっ
たいわゆる有用性のあるものが重要視されてきており、
その技術的な裏付けを得る研究が盛んに行われている。
とりわけ、皮膚の美白と保湿に関する研究は、皮膚の老
化にも関連する問題であり、健康な若々しい皮膚の維持
のためには欠かせない研究項目である。
【0003】美白に関しては、肌の黒化の機構を研究す
ることでもある。肌の黒化にはメラニンが深く関与して
いるものと考えられている。すなわち、紫外線等の外的
刺激を受けて肌の皮膚組織でメラニン形成が促進され、
そのために肌の黒化が生じシミ・ソバカス・色黒等の症
状が引き起こされるものと考えられている。
【0004】肌を美白に保つための作用機序として幾つ
か挙げることができるが、その中の一つにメラニンの生
成に関与するチロシナーゼ酵素の活性化を抑制する作用
がある。
【0005】従来、チロシナーゼの活性を抑制し得る物
質としてビタミンCが有効であるとされていた。しか
し、ビタミンCは酸化され易く、かつ変色・悪臭を誘発
し易いため特に化粧料については致命的な問題があっ
た。また、桑白皮、勺約、当帰、黄精、川キュウ、大ソ
ウ、生キョウ、黄ゴン等の各生薬(天然物)中にもチロ
シナーゼ活性抑制効果を有する物質の存在が知られてい
る。これら天然物中に存在する公知のチロシナーゼ活性
抑制物質はいずれも皮膚に対する刺激が少ないという利
点があるが、半面そのチロシナーゼ活性抑制率が低いと
言う問題がある。それ故、天然物中に存在し、チロシナ
ーゼ活性の抑制率の高い物質で、しかも化粧料に製剤化
したときに、優れた化学安定性及び保存性のある物質の
発見・開発が望まれている。
【0006】また、皮膚の角質層部分の保湿機構は、皮
膚の健康維持又は改善に対して極めて重要な役割を演じ
ている。健康な皮膚の角質層には通常10〜30%の水
分が含有されており、潤いとか柔軟性が維持されている
が、種々の原因で水分が10%以下になると、乾燥肌と
なり、柔軟性とか弾力性が失われ、ひいては肌あれ、さ
め肌、ヒビ、アカギレ、フケ、カユミ等のスキントラブ
ルが発生しがちである。さらには、それがシミ、小じわ
等に進展すると思われる。生体皮膚の保湿には、自然保
湿因子(Natural Moisturizing
Factor=N.M.F.)と呼ばれる吸湿物質が重
要な役割を果たしていることが知られている。このN.
M.Fはアミノ酸類、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿
素、無機塩等の、吸湿性・保湿性の高い親水性の成分
と、それらの流出を防止し、水分の移動を制御している
脂質成分とからなることが報告されている[H.W.S
pier等,Hautarzt,第7巻,第2頁(19
56年)]。
【0007】従来から化粧料に、皮膚の保湿を目的とし
てグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、多価アルコール、ピロリドンカルボン酸、
糖類、アミノ酸等の保湿剤が配合されている。更に近年
では、自然保湿因子に近づける処方系を開発する種々の
工夫が成されている。しかし、自然保湿因子には未知な
る部分が多く存在することや、その構成成分が複雑多岐
にわたりかつ構成比率が正確には明らかでない等の理由
から、自然保湿因子と同等な処方が開発されていない。
また、これらに近いものを合成し配合すると沈殿を生じ
る等、製品の安定性を保つ上でも種々の問題があった。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた美
白効果と保湿効果を有し、しかも物理化学的に安定で、
且つ安全性に問題の無い新規な化粧料を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化粧料に
使用できる物質を広く自然界に求め、特に担子菌類に注
目した。そして、多種の担子菌類及びその培養条件等を
詳細に検討した結果、構成糖として分子内にグルコース
を有する糖類を必須成分とする培地を用いてスエヒロタ
ケ(Schizophyllum commune
.)の菌子体を液体培養して得られた培養物が、安全
性が高く、且つ優れた美白効果及び保湿効果を有し、化
粧料に使用できることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち、本発明は、構成糖としてグルコ
ースを有する糖類を必須成分とする培地を用いてスエヒ
ロタケ(Schizophyllum commune
Fr.)の菌子体を培養し、それにより得られた培養
物を含有することを特徴とする皮膚化粧料である。
【0011】本発明に使用されるスエヒロタケ(Sch
izophyllum commune Fr.)は、
マツタケ目マツタケ亜目スエヒロタケ属に属する種名で
あり、全世界に広く分布する担子菌類の一種で、各種樹
木の枯幹や生木・各種植物性基質上に活性寄生し、白色
・綿毛状・緻密に子実体(キノコ)を形成する。スエヒ
ロタケは広く野生のもので簡単に入手でき、又は、例え
ば、発酵研究所(財団法人、大阪市淀川区)から入手で
きる。スエヒロタケは、培地上で容易に子実体が得られ
る。4局性の交配型であることから、遺伝的研究が広範
囲に行われており[H.P.Papazian,Gen
etics,第36巻,第441頁(1951年)、
J.R.Paper等,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.第44巻,第889頁(1958
年)など]、更に、菌子の培養濾液から得られたシゾフ
ィランが癌の化学療法補助剤として認可されたことが知
られている[菊本他.農化誌.第44巻,第337頁
(1970年) K.Kawabata等,Carbo
hydr.Res.第88巻,第121頁(1981
年)]が、化粧料用素材として検討された例はない。
【0012】本発明では、スエヒロタケの培養のための
培地の炭素源成分として、グルコースを分子内に有する
構成糖からなる糖類、例えばグルコース、マルトース、
トレハロース、ショ糖又はそれらの混合物を用いる(培
地の容量を基準に5〜20w/v%)。前記培地に使用
できる窒素源成分としては、アミノ酸、アンモニウム
塩、硝酸塩、ペプトン、スキムミルク又はそれらの混合
物などがある。また、前記培地に使用できる無機塩類成
分としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン
酸塩、硫酸第一鉄、塩化カリウム又はそれらの混合物な
どが挙げられる。その他の培地成分として、麦芽エキ
ス、ポテトエキス、イーストエキス、オートミール、コ
ムギ麦芽、などの栄養源成分を添加してもよい。培養条
件は、温度15〜37℃、pH2.5〜10.0、照光
0〜2000Luxであり、培養は、7〜30日間振と
う培養、通気撹拌培養などの方法により好気的条件下で
行うのが好ましい。最初から本培養を行うこともできる
が、あらかじめ小規模な前培養を行い、これを、本培養
に接種して行うのが好ましい。
【0013】液体培養後の培養液はそのまま化粧品原料
として使用でき、又は、通常の方法により、スエヒロタ
ケ担子菌の菌糸体の除菌を行って得られたスエヒロタケ
菌糸体が菌体外に分泌した培養成分を含有する培養抽出
液を化粧品原料とすることもできる。この除菌抽出は、
例えば、液体培養後の培養液を1000〜5000gの
重力加速度を与える遠心分離するかまたは、600〜3
00メッシュの濾布や濾紙などで濾別することにより行
うことができる。また、こうして得られた濾液をさら
に、透析、限外濾過等による低分子成分の除去、除蛋白
の操作、アルコール等の溶媒を用いた分画などの方法に
より、分画、精製して使用することもできる。また、菌
糸体除去後の培養液または培養液をさらに分画、精製し
た培養成分は必要に応じて濃縮あるいは希釈することが
できる。さらに、凍結乾燥あるいはスプレードライ等の
方法により、乾燥粉末の状態で化粧品原料として使用す
ることも可能である。
【0014】従って、本明細書中で使用する「培養物」
という用語は、液体培養後の培養液、菌糸体を除いた培
養抽出液、培養抽出液の精製物・その濃縮若しくは希釈
物、又はそれらの乾燥物を意味する。
【0015】このようにして得られた培養物は、顕著な
チロシナーゼ活性の抑制作用が認められた。
【0016】また、前記培養物を含有させた化粧料は、
皮膚の色のつやを良くし、使用感が非常にさっぱりした
良好な保護膜を残すことができた。更に、該化粧料は、
非常に顕著な保湿性を有することがわかった。
【0017】前記スエヒロタケ培養物は、化粧料に使用
できる基材、例えば、オリーブ油やミンク油などの油脂
類、ラノリンや蜜ロウなどのワックス、ワセリンやスク
ワランなどの炭化水素類、パルミチン酸イソプロピルな
どのエステル類、ラウリン酸やパルミチン酸などの高級
脂肪酸、セチルアルコールやラウリルアルコールなどの
高級アルコール、コレステロールなどのステロール類、
更に他のアルコール類(例えばエタノールやイソプロピ
ルアルコール、プロピレングリコール)など、に溶解、
あるいは分散させて各種の化粧料(例えば、クリーム、
乳液、化粧液、パック、洗顔料などの各種基礎化粧料、
ファンデーション、ほほ紅、ブラッシャー、リップスチ
ックなどの各種メークアップ料、石鹸、シャンプー、リ
ンス、香水、オーデコロン、その他の化粧料)として広
範囲に適用できる。この場合、各種化粧品添加剤(例え
ば、各種界面活性剤、溶剤、色素、香料、防腐剤、抗酸
化剤、保湿剤、ビタミン、動植物抽出物その他の添加
剤)とも併用できる。
【0018】また、前記各種化粧料の形態は、溶液、エ
マルジョン、軟膏、オイル、ワックス、ゲル、ゾル、パ
ウダー、スプレー等の各種形態で適用できる。その他、
そのまま化粧料として用いることが出来る。
【0019】前記スエヒロタケ培養物の各種化粧料中に
対する配合量は、その使用形態により変化させることが
できるので特に限定されない。原則的には、有効量存在
すればよいことになるが、一般的には化粧料組成物中
(総重量)に対して1〜99重量%配合するのがよい。
【0020】スエヒロタケ培養物は、皮膚に対する毒性
及び刺激性が無く(累積刺激試験及びパッチテスト法等
による)、光、熱に対する安全性が高く、更には前記の
ような各種化粧基材、添加材に対する安定性も高く且つ
相容性が良く、これらの各種化粧料基材、添加材等とも
併用することができる。
【0021】
【作用】本発明の培養物を含有する化粧料は、以下に述
べる実施例からも明らかのように、安全性が高く、美白
(チロシナーゼ活性抑制効果)及び保湿効果に優れた皮
膚化粧料である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0023】[培地の作成法] a)の培地 グルコース 20グラム L−アスパラギン 1グラム リン酸二水素カリウム 0.5グラム リン酸水素二カリウム 1グラム 硫酸マグネシウム 0.5グラム 塩酸チアミン 100マイクログラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでpH7.0に調整する
【0024】b)の培地 グルコース 20グラム 麦芽エキス 20グラム ペプトン 1グラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでp7.0に調整する
【0025】c)の培地 グルコース 20グラム 麦芽エキス 20グラム イーストエキス 5グラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでpH7.0に調整する
【0026】d)の培地 硝酸ナトリウム 3グラム リン酸水素二カリウム 1グラム 硫酸マグネシウム 0.5グラム 塩化カリウム 0.5グラム 硫酸第一鉄 0.01グラム グルコース 30グラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでpH7.0に調整する
【0027】e)の培地 マルトース 20グラム L−アスパラギン 1グラム リン酸二水素カリウム 0.5グラム リン酸水素二カリウム 1グラム 硫酸マグネシウム 0.5グラム 塩酸チアミン 100マイクログラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでpH7.0に調整する
【0028】f)の培地 ガラクトース 20グラム L−アスパラギン 1グラム リン酸二水素カリウム 0.5グラム リン酸水素二カリウム 1グラム 硫酸マグネシウム 0.5グラム 塩酸チアミン 100マイクログラム 蒸留水 1000ミリリットル NaOHまたはHClでpH7.0に調整する
【0029】g)の培地 マンノース 20グラム L−アスパラギン 1グラム リン酸二水素カリウム 0.5グラム リン酸水素二カリウム 1グラム 硫酸マグネシウム 0.5グラム 塩酸チアミン 100マイクログラム 蒸留水 1000ミリリットル NaClまたはHClでpH7.0に調整する
【0030】前記の組成を蒸留水で1000ミリリット
ルにメスアップし、高圧蒸気滅菌(120℃、20分)
して液体培地を調製した。
【0031】[スエヒロタケ担子菌の菌糸体の培養法]
スエヒロタケ担子菌の栄養菌糸の菌叢から菌糸体片を無
菌的に切りだし、上記a)〜g)の寒天培地(1.5%
寒天)で約1〜2週間培養し予め前培養を行い、更に、
前培養で得られた菌糸体を各々前培養で使用した培地と
対応させて上記a)〜g)の液体培地に一白金耳量を接
種して、温度15〜37℃、pH2.5〜10.0、照
光0〜2000Luxで、7〜30日間、振とう培養、
通気撹伴培養などの方法により好気的条件下で本培養す
る。
【0032】[培養液の抽出法]液体培養後の培養液
は、通常の方法により、菌糸体を除き、そのまま化粧品
原料とすることができる。下記の実施例では、液体培養
後の培養液を、まず500メッシュの濾布で濾別し、さ
らに2000±200gの重力加速度を与える遠心分離
を行いスエヒロタケ担子菌の菌糸体を除菌し、得られた
濾液をそのまま化粧品原料とした。
【0033】上記の液体培地a)〜培地g)を使用し
て、上記のようにして得られた培養抽出物を各々抽出物
A〜抽出物Gとした。
【0034】
【実施例1】 [チロシナーゼ活性抑制率の測定実験]試験管にそれぞ
れL−チロシン溶液(0.33%)1ml、マッキルベ
イン緩衝液(Mcllvain Buffer)(pH
6.8)1mlおよび前記抽出物0.9mlを加えて3
7℃の恒温水槽中で10分間インキュベートした。これ
にチロシナーゼ溶液(1mg/ml)を0.1ml加え
よく撹拌し、ただちに分光光度計にセットして475n
mにおける吸光度を経時的に測定した。
【0035】一方、ブランクテストとして前記抽出物の
代わりに水を用いて同様の吸光度測定を行い、0.5m
Mアスコルビン酸を対照として、チロシナーゼ活性抑制
力を下式で算出した。結果を表−1に示す。この表−1
から前記抽出物は、アスコルビン酸と同様にチロシナー
ゼ活性抑制を示すことがわかる。
【0036】 B0 :ブランク溶液の0分後における吸光度値 B10:ブランク溶液の10分後における吸光度値 S0 :試験溶液の0分後における吸光度値 S10:試験溶液の10分後における吸光度値 表−1からわかるように、抽出物A,B,C,Dは、低
濃度でも高いチロシナーゼ活性抑制率を示した。
【0037】[保湿効果試験]上述のスエヒロタケ液体
培養抽出物Aの保湿効果を、生体内表皮角質層の水和状
態測定装置[SKICON 200(I.B.S.In
c.製、浜松市)]を使用して測定した。当業界で保湿
性があることが認められているヒアルロン酸ナトリウム
水溶液を比較例とし、蒸留水を対照例とした。前記装置
は、3.5MHzの周波数で皮膚表皮角質層の電気抵抗
を測定することによって皮膚表皮角質層の保湿性効果を
測定するものである。
【0038】試験は、女性・男性各5名の合計10名で
実施した。各被験者の左右各前腕の内側部の任意の4箇
所(約2×2cm)を区分けし(各被験者について8箇
所)、それぞれスエヒロタケ液体培養抽出物A、ヒアル
ロン酸ナトリウム水溶液(0.075重量%)、蒸留水
を塗布する区域、残りの1箇所をブランク試験用の何も
塗布しない区域とした。
【0039】上記水和状態測定装置により各区域の塗布
前の保湿状態を測定し、これらの測定値をT0とした。
その後、各試料500μlを各区域に塗布し、塗布後3
0分経過した時の保湿状態を測定し、これらの測定値を
30とした。得られたT0及びT30の各平均値並びに下
式より求めた保湿効果値(E)を表−2に示す。
【0040】 表−2からわかるように、本発明の抽出物Aは、ヒアル
ロン酸ナトリウムに匹敵するか又はそれ以上の保湿効果
を有した。
【0041】以下に本発明の化粧料の処方例を示す。
【0042】
【実施例2】 化粧水 <組成> (重量%) 抽出物 a)の培養抽出物 5.0 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 4.0 オレイルアルコール 0.1 ポリオキシエチレンソルビタン モノラウリン酸エステル(20E.O.) 1.5 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(20E.O.) 0.5 エタノール 10.0 香料 0.1 防腐剤 適量 精製水 73.8
【0043】
【実施例3】 クリーム <組成> (重量%) 抽出物 a)の培養抽出物 5.0 ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 還元ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 オクチルドデカノール 6.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル(25E.O.) 3.0 親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0 香料 0.3 防腐剤 適量 酸化防腐剤 適量 プロピレングリコール 5.0 精製水 62.7
【0044】
【実施例4】 乳液 <組成> (重量%) 抽出物 a)の培養抽出物 5.0 ステアリン酸 2.0 セタノール 1.5 ワセリン 3.0 ラノリンアルコール 2.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレンモノ オレイン酸エステル(10E.O.) 2.0 香料 0.5 防腐剤 適量 酸化防腐剤 適量 グリセリン 3.0 プロピレングリコール 5.0 トリエタノールアミン 1.0 精製水 65.0
【0045】
【実施例5】 パック <組成> (重量%) 抽出物 a)の培養抽出物 5.0 ポリビニルアルコール 15.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 5.0 プロピレングリコール 3.0 エタノール 10.0 香料 0.5 防腐剤 適量 酸化剤 適量 精製水 61.5
【0046】
【実施例6】 乳液状ファンデーション <組成> (重量%) 抽出物 a)の培養抽出物 5.0 ステアリン酸 2.4 モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0 セトステアリルアルコール 0.2 液状ラノリン 2.0 流動パラフィン 3.0 ミリスチン酸イソプロピル 8.5 パラオキシ安息香酸プロピル 適量 精製水 59.1 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2 ベントナイト 0.5 プロピレングリコール 4.0 トリエタノールアミン 1.1 パラオキシ安息香酸メチル 適量 酸化チタン 8.0 タルク 4.0 着色顔料 適量 香料 適量
【0047】
【実施例7】培養抽出物の安定性 下表に示すように、本発明に使用する培養抽出物(A〜
D)について、25℃、40℃及び50℃の温度条件下
で保存し、下表に示す試験項目について、1、3及び6
ケ月間の経時変化を観察した。
【0048】 上記の結果からわかるように、本発明に使用する培養抽
出物は外観・性状において極めて安定であることがわか
る。
【0049】
【実施例8】保湿効果および皮膚のトラブルについてのアンケート結
本発明化粧料の効果を明らかにするため22〜50歳の
一般女性20名を対象に使用試験を行い、保湿効果を中
心にアンケート調査を行った。スエヒロタケ液体培養抽
出物含有化粧水(実施例2の化粧水)とスエヒロタケ液
体培養抽出物を含まない従来の化粧水(下記に示す処方
の比較例1の化粧水)を1カ月間使用した結果を表−3
にまとめて示す。なお、使用期間中の皮膚のトラブル
は、1件も発生しなかった。判定基準:22〜50歳の
一般女性20名に下表に示す項目についてそれぞれ良
い、普通、悪いの3段階で評価してもらい集計した。ま
た、トラブルの有無についての件数も集計した。
【0050】 比較例1 従来の化粧水 <組成> ( 重量%) グリセリン 5.0 プロピレングリコール 4.0 オレイルアルコール 0.1 ポリオキシエチレンソルビタン モノラウリン酸エステル(20E.O.) 1.5 ポリオキシエチレンラウリルエール(20E.O.)0.5 エタノール 10.0 香料 0.1 染料 適量 防腐材 適量 紫外線吸収剤 適量 精製水 78.8 上記の結果から、本発明の化粧料は比較化粧料に比べて
顕著に優れた保湿効果を有する。
【0051】
【発明の効果】本発明のスエヒロタケ担子菌の培養物
は、安全であり、且つ優れたチロシナーゼ活性抑制効果
を示し、さらには、皮膚の湿潤を保つ粘性物質をも同時
に含むので、スエヒロタケ担子菌培養物を配合した化粧
料は卓越した皮膚美白効果及び保湿効果を有する極めて
優れた化粧料を提供すると共に、該培養物は工業的、安
定生産にも適している等々、発明目的を達成する顕著な
効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/84 AED A 7180−4C (72)発明者 加藤 俊則 滋賀県野洲郡野洲町上屋88 マックスファ クター株式会社滋賀工場内 (72)発明者 小島 彰 滋賀県野洲郡野洲町上屋88 マックスファ クター株式会社滋賀工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成糖としてグルコースを分子内に有す
    る糖類を必須成分とする培地を用いてスエヒロタケ(
    chizophyllum communeFr.)の
    菌子体を培養し、それにより得られた培養物を含有する
    ことを特徴とする皮膚化粧料。
  2. 【請求項2】 グルコース、マルトース、トレハロー
    ス、ショ糖及びそれらの混合物からなる群より選択され
    る糖成分を5〜20重量%含む培地を用いて得られた培
    養物を含有する請求項1記載の化粧料。
  3. 【請求項3】 培養温度15〜37℃及び培地pH2.
    5〜10.0なる培養条件下にて得られた培養物を含有
    する請求項1又は2記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 培養物を1〜99重量%含有する請求項
    1〜3のいずれかに記載の化粧料。
JP4087177A 1992-04-08 1992-04-08 スエヒロタケ培養物含有皮膚化粧料 Pending JPH05286843A (ja)

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JP4087177A JPH05286843A (ja) 1992-04-08 1992-04-08 スエヒロタケ培養物含有皮膚化粧料

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