JPH08198741A - 生体ヒアルロン酸合成促進剤 - Google Patents

生体ヒアルロン酸合成促進剤

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JPH08198741A
JPH08198741A JP7009065A JP906595A JPH08198741A JP H08198741 A JPH08198741 A JP H08198741A JP 7009065 A JP7009065 A JP 7009065A JP 906595 A JP906595 A JP 906595A JP H08198741 A JPH08198741 A JP H08198741A
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extract
skin
acid synthesis
water
gloiopeltis
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JP7009065A
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Shinya Ehata
真也 江幡
Yuki Kotake
由紀 小竹
Ichiro Nakajima
一郎 中島
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フノリ科フノリ属に属する海藻の抽出物を有
効成分として含有することを特徴とする生体ヒアルロン
酸合成促進剤。 【効果】 生体ヒアルロン酸合成促進作用により、皮膚
細胞の賦活化、皮膚の老化防止が図られ、シワの発生を
予防、滑らかでしっとりとした若々しい肌を与える効果
をもち、安全性の高い皮膚外用剤等の各種用途に使用す
ることができる生体ヒアルロン酸合成促進剤が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極めて安全性の高い、
海藻抽出物よりなる生体ヒアルロン酸合成促進剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は、皮膚、靭帯、関節液、
眼の硝子体など生体に広く分布し、例えば、皮膚におい
ては細胞の保護、栄養の運搬、組織水分の保持、柔軟性
の維持等に、また、関節液として組織構造、機能の維持
および潤滑性の保持等に、重要な役割を果たしている。
【0003】一方、皮膚や関節の老化または病的状態に
より細胞機能が低下してくると、このような生体ヒアル
ロン酸量は減少し、その結果、皮膚の乾燥、肌荒れ、ハ
リ、弾力性の減少、シミ、シワの増加、あるいは関節の
湿潤性悪化による関節痛等を引き起こす。このような状
態を改善すべく、皮膚にヒアルロン酸、自然保湿因子等
の生体成分を配合した化粧料を塗布したり、関節には直
接ヒアルロン酸を注入するなどの方法がとられている
が、これらを外から与えても根本的機能改善にはなら
ず、充分な効果は期待できない。特に、ヒアルロン酸
は、皮膚からはほとんど吸収されない。そのため、単に
ヒアルロン酸そのものを外から補給するのではなく、本
来ヒトが備え持っている生体の自己回復力を利用し、細
胞自身のヒアルロン酸合成能を促進することによって、
生体の機能を根本的に改善する物質の開発が期待されて
いる。
【0004】ヒアルロン酸は、表皮基底細胞、繊維芽細
胞、滑膜細胞などで作られる。中でも表皮基底細胞で合
成されるヒアルロン酸は、保水性の向上、細胞の保護、
栄養の補給、老廃物の排泄亢進等に関与することによ
り、皮膚を健康に保ち、ハリや色艶を良くし、きめを細
かくするのに重要な役割を担っている。そのため、表皮
ヒアルロン酸合成促進物質は、皮膚の健康に対して有効
性がたいへん高く、シワ改善剤として注目されている。
【0005】従来より、レチノイン酸(ビタミンA酸)
に、ヒアルロン酸合成促進効果が知られているが、強い
皮膚刺激性や皮膚の肥厚などの副作用を有するため、一
般的な医薬品、医薬部外品、化粧品における有効成分と
して用いることはできない。このようなことから、安全
性が高く、皮膚機能を根本的に改善する有効成分の開発
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた生体
ヒアルロン酸合成促進効果を示し、しかも安全性に優れ
た生体ヒアルロン酸合成促進剤を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、種々の植物抽出物について、ラットの表
皮細胞に対するヒアルロン酸合成促進効果を指標にスク
リーニングを実施し、すでに緑藻類のアオサ科アオサ
属、アオサ科アオノリ属、紅藻類のオゴノリ科オゴノリ
属、テングサ科マクサ属、ミリン科キリンサイ属ならび
に褐藻類のコンブ科アラメ属、アイヌワカメ科ワカメ
属、ホンダワラ科ヒジキ属、ヒバマタ科アスコフィラム
属に属する海藻の抽出物に目的とする効果を見出してい
るが(特開平6−9422号、特願平5−345233
号)、さらに鋭意スクリーニングを行った結果、紅藻類
であるフノリ科フノリ属に属する海藻の抽出物に目的の
ヒアルロン酸合成促進効果を見出し、本発明を完成する
に至ったのである。フノリ科フノリ属に属する海藻ある
いはその抽出物を皮膚等に施用する例としては、マッサ
ージ用滑剤(特開昭59−25312)、海藻入シート
(特開平1−228916)等の知見がある。しかし、
いずれの場合も本海藻のヒアルロン酸合成促進という特
異的な効果を明らかにし、それを利用しているものでは
ない。また、保湿性を高めるなど皮膚に良いとされてい
る従来からの海藻抽出物、例えば、褐藻類のコンブ、ホ
ンダワラ、カジメ、オオバモク、緑藻類のヒトエグサ等
の抽出物には、ヒアルロン酸合成促進効果は認められ
ず、該ヒアルロン酸合成促進効果は上記の特定海藻類の
抽出物において特異的なものであった。
【0008】すなわち、本発明の生体ヒアルロン酸合成
促進剤は、フノリ科(Gloiopeltidaceae)フノリ属(Gl
oiopeltis)に属する海藻の抽出物を有効成分として含
有することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の海藻抽出物が、皮膚に対して優れた老
化防止効果等を発揮する機構については、抽出物中に含
まれる生体ヒアルロン酸合成促進物質が、皮膚細胞のヒ
アルロン酸合成能を活性化することにより、皮膚の保湿
性、柔軟性、弾力性を改善し、顕著な皮膚老化防止効果
等を示すものと推定される。さらに、本発明の海藻抽出
物の安全性を確認したところ、急性毒性、皮膚刺激性、
皮膚感作性等の点で問題は認められず、安全性の高いこ
とが確認された(この点に関しては更に実施例等で詳し
く説明する)。本発明の生体ヒアルロン酸合成促進剤を
化粧用クリーム、乳液等の皮膚外用剤などに配合するこ
とにより、皮膚の老化を防止し、シワのない滑らかで潤
いのある若々しい肌を与えることができる。
【0010】以下に、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明に用いられるフノリ科(Gloiopeltidaceae)フノ
リ属(Gloiopeltis)に属する海藻としては、例えば、
フクロフノリ(Gloiopeltis furcata)、マフノリ(Gl
oiopeltis tenax)、ハナフノリ(Gloiopeltis compl
anata)などが挙げられる。これらはいずれも、布用の
糊料あるいは食用に利用されている。例えば、フクロフ
ノリは、からだは円柱状、中空の茎からなり、不規則に
叉状に分枝する。高潮線付近および潮間帯上部の岩上、
転石上などに生育し、日本各地から朝鮮半島、樺太、千
島列島、アメリカ太平洋沿岸に分布している。
【0011】本発明物質を抽出する方法は、特に制限は
なく、通常の抽出法が採用され、水、親水性有機溶媒、
含水親水性有機溶媒、その他の有機溶媒等を使用して海
藻から抽出される。親水性溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が
挙げられる。これらの中でも、特に、水または水とメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコ
ールとの混合物を用いて抽出することが好ましい。この
場合の水と低級アルコールの比率は、水/低級アルコー
ルが100/0〜30/70(V/V、体積比)である
ことが好ましい。海藻原体と抽出溶媒との比率は、海藻
原体(乾燥物)/溶媒比が1/50〜1/2の範囲が好
ましい。その他の抽出条件としては、抽出温度は特に制
限はないが、好ましくは5〜80℃の範囲で、1〜24
時間、撹拌しながら行うのが好ましい。抽出pHは、極
端な酸性、アルカリ性に傾かなければ、特に制限はな
い。
【0012】この抽出液は、そのまま用いても、あるい
は希釈液としたり、濃縮エキスとしてもよく、また凍結
乾燥などにより乾燥粉末物としたり、ペースト状に調製
してもよい。乾燥粉末に調製した場合には、水または水
を含むメタノール、エタノール、イソプロパノール等の
低級アルコールに予め溶解して用いるか、あるいは後述
の水を含む外用組成物中で可溶化して用いるのが好まし
い。
【0013】本発明の生体ヒアルロン酸合成促進剤の剤
型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、内服
液、細粒剤等の内服剤とすることができ、また、リニメ
ント剤、スプレー剤、ローション剤、軟膏等の外皮用と
することができる。皮膚外用剤として用いる場合には、
必須成分である海藻抽出物を任意の濃度で配合できる
が、通常、各種皮膚外用剤中に0.01〜30重量%
(以下、単に「%」という。)、好ましくは0.1〜1
0%配合させるのがよい。
【0014】本発明の必須成分である海藻抽出物を配合
した皮膚外用剤には、上記必須成分の他に、通常外用剤
に用いられる原料、例えば、界面活性剤、油分、アルコ
ール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレー
ト剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、
ビタミン類、アミノ酸類、水等を配合することができ
る。
【0015】具体的には、界面活性剤としては、親油型
グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモ
ノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、ソ
ルビタンモノオレート、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレー
ト、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、
ポリオキシエチレン化蜜ロウ、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油等のノニオン界面活性剤、ステアリン酸ナトリ
ウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、
ラウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノー
ルアミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウ
ム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界
面活性剤、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオ
ン界面活性剤、塩酸アルキルアミノエチルグリシン液、
レシチン等の両性界面活性剤等を例示することができ
る。
【0016】油分としては、ヒマシ油、オリーブ油、カ
カオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシ
ード油、アボガド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油
等の動物油脂類、蜜ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウ
バロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化
水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然およ
び合成脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、
ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリル
アルコール等の天然および合成高級アルコール類、ミリ
スチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデ
シル、コレステロールオレート等のエステル類等を例示
することができる。
【0017】保湿剤としては、グリセリン、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトー
ル、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール等の多価アルコール類、アミノ酸、乳
酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のN
MF成分、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫
酸等の水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0018】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、
キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出
物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子物質、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、可溶性デンプン、カチオン化セ
ルロース等の半合成高分子物質、カルボキシビニルポリ
マー、ポリビニルアルコール等の合成高分子物質等を例
示することができる。
【0019】防腐剤としては、安息香酸塩、サリチル酸
塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香
酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロ
キシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカ
ルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、
レゾルシン、エタノール等を例示することができる。
【0020】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロ
ピル、アスコルビン酸等を、キレート剤としては、エデ
ト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ピロリ
ン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グル
コン酸等を、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、
トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ
例示することができる。
【0021】紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル
パラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシ
サイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示
することができる。ビタミン類としては、ビタミンA、
ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビ
タミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カル
ニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、
オロット酸およびそれらの誘導体等を例示することがで
きる。アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリ
ン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フ
ェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチ
ン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプ
ロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、
ヒスチジン、リジンおよびそれらの誘導体等を例示する
ことができる。
【0022】なお、任意成分は、これらに限定されるも
のではない。上記必須成分と任意成分を適当に配合する
ことにより、例えば、本発明の海藻抽出物0.01〜3
0%、任意成分として油分0〜80%、界面活性剤0〜
12%、保湿剤1〜15%、精製水バランス、防腐剤微
量を含有する皮膚外用剤を提供することができる。具体
的には、クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック剤、
アンダーメークアップ、ファンデーション、ゼリー剤、
軟膏等の製品形態として用いることができる。
【0023】本発明の生体ヒアルロン酸合成促進剤を皮
膚化粧料として用いる場合の具体例を示すと以下の(1)
〜(4)の通りである。 (1) 皮膚用クリームの場合 本発明の海藻抽出物0.1〜10%、油分20〜70
%、界面活性剤2〜7%、保湿剤1〜10%、精製水バ
ランス、防腐剤微量、香料微量を含有する皮膚用クリー
ム。
【0024】(2) 乳液の場合 本発明の海藻抽出物0.1〜10%、油分10〜40
%、アルコール類0〜15%、界面活性剤1〜5%、保
湿剤1〜10%、増粘剤0〜2%、精製水バランス、防
腐剤微量、香料微量を含有する乳液。
【0025】(3) 化粧水、美容液の場合 本発明の海藻抽出物0.1〜10%、アルコール類5〜
20%、界面活性剤0〜2%、保湿剤2〜8%、増粘剤
0〜2%、酸化防止剤0〜0.5%、キレート剤0〜
0.1%、pH調整剤0〜0.2%、精製水バランス、
防腐剤微量、色素0〜微量、香料微量を含有する化粧
水、美容液。
【0026】(4) パック剤の場合 本発明の海藻抽出物0.1〜10%、アルコール類2〜
10%、保湿剤2〜10%、無機粉体0〜20%、造膜
剤10〜20%、精製水バランス、防腐剤微量、香料微
量を含有するパック剤。
【0027】
【実施例】次に、実施例、試験例等により本発明を具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0028】製造例(海藻抽出物の製造) フクロフノリの乾燥物100gを2リットルの水に浸漬
し、撹拌しながら室温で3時間抽出処理を行った。その
後、濃縮および凍結乾燥することにより、フクロフノリ
水抽出物(本発明抽出物)9gを得た。また、同様にし
て、フクロフノリ以外の海藻〔マフノリ(本発明抽出
物)、コンブ、ホンダワラ、カジメ、オオバモク、ヒト
エグサ(以上5種の対照抽出物)〕の水抽出物を得た。
さらに、フクロフノリ乾燥物又はマフノリ乾燥物から、
30%エタノール、50%エタノールを抽出溶媒とした
上記と同様の方法によって、本発明の抽出物となるフク
ロフノリ30%エタノール抽出物、フクロフノリ50%
エタノール抽出物、マフノリ30%エタノール抽出物を
得た。
【0029】試験例1(ラットケラチノサイトに対する
ヒアルロン酸合成促進試験) 新生児(3日令)ラットの皮膚からトリプシン処理によ
りケラチノサイトを分離し、増殖用培地で培養した後、
分化用培地で2日間培養した。この細胞に上記海藻抽出
物を500μg/mlの濃度で72時間作用させ、培地
中に放出されてきたヒアルロン酸の濃度を、ヒアルロン
酸バインディングプロテインアッセイ法により測定し
た。コントロールを1.00とした時の培地中のヒアル
ロン酸量を算出した結果を下記表1に示す。
【0030】なお、下記表1中のヒアルロン酸量(ヒア
ルロン酸合成促進能)は、下記式により求めた。 ヒアルロン酸量〔ヒアルロン酸合成促進能(倍率)〕=
A/B A:各海藻抽出物を添加したときの培地中のヒアルロン
酸濃度(ng/ml) B:無添加のときの培地中のヒアルロン酸濃度(ng/
ml)
【0031】
【表1】
【0032】上記表1に示した結果から明らかなよう
に、フノリ属のフクロフノリおよびマフノリの抽出物
は、ヒアルロン酸合成を促進することが判明した。特
に、フクロフノリの水抽出物および30%エタノール抽
出物では、コントロールに対して2倍以上という高い効
果が認められた。一方、褐藻類のコンブ、ホンダワラ、
カジメ、オオバモクおよび緑藻類のヒトエグサの抽出物
には、ヒアルロン酸合成促進効果は認められなかった。
【0033】実施例1、比較例1〜3、試験例2(ヒト
荒れ肌改善試験) 10%SDS(Sodium Dodecylbenzene Sulfonate)溶
液を用いて人工的に作製した荒れ肌に、被験物質5%を
含む下記表2に示した組成の親水軟膏を1日2回塗布し
た。塗布3日後の荒れ肌改善度を、角層水分量の変化を
指標として判定した。被験物質としては、海藻抽出物か
らフクロフノリ水抽出物(実施例1)、抽出物等を配合
しない場合をコントロール(比較例1)、コンブ水抽出
物(比較例2)、保湿能が高いといわれている成分から
尿素(比較例3)を選択して用いた。なお、表2に示し
たフクロフノリ水抽出物(実施例1)およびコンブ水抽
出物(比較例2)は、前述した製造方法により得られた
ものを用いた(以下の実施例についても同様)。また、
角層水分量はコンダクタンス(μS)として測定される
が、基剤のみの場合に得られたコンダクタンスを100
としたときの相対値を改善度とした。試験結果を下記表
3に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】上記表3に示す結果から明らかなように、
フノリ属海藻であるフクロフノリの抽出物を配合した製
剤〔親水軟膏、実施例1〕には、荒れ肌改善効果が認め
られた。一方、コンブ抽出物および保湿能の高いといわ
れる尿素を配合した製剤(比較例2、3)では、改善効
果は認められなかった。実施例1のフクロフノリにみら
れたこの効果は、抽出物中に含まれる生体ヒアルロン酸
合成促進物質が、皮膚細胞のヒアルロン酸合成能を活性
化し、その結果、角層水分量が上昇したために得られた
ものと推測される。
【0037】実施例2(クリームの調製) 下記表4に示す成分1〜7および8〜12を別々に混合
溶解した後、成分8〜12の溶液を撹拌しながら、成分
1〜7の溶液を添加し乳化させた。これを室温まで冷却
しながら途中で成分13を加え、下記表4に示すクリー
ムを調製した。表4中の実施例2−1はフクロフノリ水
抽出物を用いた場合、実施例2−2はマフノリ水抽出物
を用いた場合である。なお、POE(20)は、ポリオ
キシエチレンとその付加モル数を示している(以下の実
施例においても同様)。
【0038】
【表4】
【0039】実施例3(化粧水の調製) 下記表5に示す成分1〜7を順次成分8に加えて溶解
し、さらに成分9を加えて、表5に示す化粧水を調製し
た。表5中の実施例3−1はフクロフノリ水抽出物を用
いた場合、実施例3−2はフクロフノリ30%エタノー
ル抽出物を用いた場合である。
【0040】
【表5】
【0041】実施例4(美容液の調製) 下記表6に示す成分1〜5と成分6〜10を別々に溶解
後、混合して表6に示す美容液を調製した。表6中の実
施例4−1はフクロフノリ水抽出物を用いた場合、実施
例4−2はマフノリ30%エタノール抽出物を用いた場
合である。
【0042】
【表6】
【0043】実施例5(乳液の調製) 下記表7に示す成分1〜7を70℃で加熱溶解した。他
方、成分8〜14を70℃で加熱溶解した後、前記油脂
溶液(成分1〜7)を添加し、乳化させた。これを室温
まで冷却しながら、途中で成分15を加えて、表7に示
す乳液を調製した。表7中の実施例5−1はフクロフノ
リ水抽出物を用いた場合、実施例5−2はマフノリ水抽
出物を用いた場合である。
【0044】
【表7】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、生体ヒアルロン酸合成
促進作用により、皮膚細胞の賦活化、皮膚の老化防止が
図られ、シワの発生を予防し、滑らかでしっとりとした
若々しい肌を与える優れた効果が得られる生体ヒアルロ
ン酸合成促進剤が提供される。また、本発明の生体ヒア
ルロン酸合成促進剤は、優れた生体ヒアルロン酸合成促
進効果を有し、かつ安全性が高いことから、医薬品、医
薬部外品、化粧品等の各種用途に使用することができ、
更に、関節の湿潤性を保ち、関節の治療剤等としても利
用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例1、比較例1〜3、試験例2(ヒト
荒れ肌改善試験) 10%SDS(Sodium Dodecyl Sulfate)溶液を用いて
人工的に作製した荒れ肌に、被験物質5%を含む下記表
2に示した組成の親水軟膏を1日2回塗布した。塗布3
日後の荒れ肌改善度を、角層水分量の変化を指標として
判定した。被験物質としては、海藻抽出物からフクロフ
ノリ水抽出物(実施例1)、抽出物等を配合しない場合
をコントロール(比較例1)、コンブ水抽出物(比較例
2)、保湿能が高いといわれている成分から尿素(比較
例3)を選択して用いた。なお、表2に示したフクロフ
ノリ水抽出物(実施例1)およびコンブ水抽出物(比較
例2)は、前述した製造方法により得られたものを用い
た(以下の実施例についても同様)。また、角層水分量
はコンダクタンス(μS)として測定されるが、基剤の
みの場合に得られたコンダクタンスを100としたとき
の相対値を改善度とした。試験結果を下記表3に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フノリ科フノリ属に属する海藻の抽出物
    を有効成分として含有することを特徴とする生体ヒアル
    ロン酸合成促進剤。
JP7009065A 1995-01-24 1995-01-24 生体ヒアルロン酸合成促進剤 Pending JPH08198741A (ja)

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JP7009065A JPH08198741A (ja) 1995-01-24 1995-01-24 生体ヒアルロン酸合成促進剤

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10236918A (ja) * 1997-02-21 1998-09-08 Lion Corp 皮膚貼付剤
JP2004359573A (ja) * 2003-06-03 2004-12-24 Nikko Chemical Co Ltd ヒアルロン酸産生促進剤、及び該ヒアルロン酸産生促進剤を用いた皮膚外用剤、及び化粧料
JP2005075769A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Eiyo Kogaku Kenkyusho:Kk 化粧用パック剤
JP2008120702A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Pola Chem Ind Inc 関節炎・関節症用の経口投与組成物
JP2012121865A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Kyoei Kagaku Kogyo Kk 美白化粧料
KR20220061317A (ko) * 2020-11-05 2022-05-13 동의대학교 산학협력단 피부 자극이 없고, 피부 보습 효과가 우수한 조성물

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