JPH095683A - メガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法 - Google Patents
メガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法Info
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- JPH095683A JPH095683A JP8133389A JP13338996A JPH095683A JP H095683 A JPH095683 A JP H095683A JP 8133389 A JP8133389 A JP 8133389A JP 13338996 A JP13338996 A JP 13338996A JP H095683 A JPH095683 A JP H095683A
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Abstract
凸レンズ状偏光板の製造方法であって、複屈折による虹
色の色むらが全く観察されず、かつ曲面加工を施した場
合にも色むらが現れず、耐衝撃性および耐熱性などにお
いてすぐれた品質を有しかつ外観のきれいな偏光メガネ
やゴーグルを市場に供給し得る、メガネ用凸レンズ状偏
光板の製造方法を提供する。 【解決手段】 メガネ用凸レンズ状偏光板4の製造方法
は、偏光フイルム2の少なくとも片面に、Tダイ押出し
法による製造の際に冷却ロールの速度よりも引取りロー
ルの速度を大きくして引き取ることにより、複屈折率を
増加させ、かつその複屈折率(Δn)と厚み(d)の積
で定義されるリタデーション値(Δn・d)3000〜
6000nmを有するポリカーボネート樹脂シート3を積
層し、曲面加工を施すものである。
Description
グルに用いられるメガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法
に関するものである。
ート樹脂シートとは、ポリカーボネート樹脂シートのみ
ならず、同樹脂フィルムを含んで意味するものとする。
て、ポリカーボネート樹脂シートを用いることは、既に
知られている。これは、ポリカーボネート樹脂シートが
すぐれた透明性、耐熱性、耐衝撃性などを有するためで
ある。
は、従来、例えば樹脂原料を溶融状態でTダイより押し
出し、ロールにより引き取るTダイ押出し法により一般
に製造されていた。従来のポリカーボネート樹脂シート
の厚さは0.4〜1.0mm程度であるが、シート内部に
製造時に生じた歪みが残留したまゝであり、例えばシー
トの厚さを0.7mm程度とした場合、そのリターデーシ
ョン値(複屈折位相差値)が、約100〜800nm程度
であった。
うなリタデーション値を有するポリカーボネート樹脂シ
ートを表面保護層として用いた偏光板は、複屈折による
色付き現象によって虹色の色むらが現れて見え、非常に
外観が悪く、この偏光板を、偏光メガネやゴーグルに用
いるために、凸レンズ状に曲面加工すると、さらに歪み
が増大し、このような曲面状の偏光板を斜め方向から見
た場合には虹色の色むらとして著しく観察され、外観
上、非常に体裁が悪いという問題があった。
て、鋭意研究を重ねた結果、高いリタデーション値を有
するポリカーボネート樹脂シート、とりわけ特定の製造
法によりつくられた高いリタデーション値を有するポリ
カーボネート樹脂シートを、偏光フィルムの表面保護層
として用いた偏光板は、複屈折による色付き現象が生じ
難いことを見出し、本発明を完成するに至った。
解決し、複屈折による虹色の色むらが全く観察されず、
かつ曲面加工を施した場合にも色むらが現れず、耐衝撃
性および耐熱性などにおいてすぐれた品質を有しかつ外
観のきれいな偏光メガネやゴーグルを市場に供給し得
る、メガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法を提供しよう
とするにある。
めに、本発明によるメガネ用凸レンズ状偏光板の製造方
法は、偏光フイルムの少なくとも片面に、Tダイ押出し
法による製造の際に冷却ロールの速度よりも引取りロー
ルの速度を大きくして引き取ることにより、複屈折率を
増加させ、かつその複屈折率(Δn)と厚み(d)の積
で定義されるリタデーション値(Δn・d)3000〜
6000nmを有するポリカーボネート樹脂シートを積層
し、曲面加工を施すことを特徴とするものである。
リビニルアルコールまたはその誘導体からなるフィルム
を一軸に延伸配向させ、偏光素子としてヨウ素や二色性
染料を吸着させた、ヨウ素/PVA系あるいは二色性染
料/PVA系の偏光フイルムなどを使用する。
面に積層するポリカーボネート樹脂シートは、上記リタ
デーション値(Δn・d)が3000〜6000nm、好
ましくは3400〜6000nmを有するものである。
タデーション値が3000nm未満では、製造時に生じた
歪みが該シートに残留しており、例えばこのシートを2
枚のテスト用偏光板に挾んで見ると、複屈折による色付
きが顕著である。またリタデーション値が6000nmを
越えるポリカーボネート樹脂シートは、製造時の延伸の
さいに破断が生じやすくなるので、好ましくない。
は、通常、ビスフエノール骨格を有する芳香族ポリカー
ボネート樹脂よりなるシートを用いるが、その他、芳香
族ポリカーボネート樹脂系共重合体、さらにはポリカー
ボネート樹脂またはその共重合体に、他の透明樹脂をブ
レンドした樹脂よりなるシートなどを用いることも可能
である。
外線(UV)処理、プラズマ処理、防曇処理、ハードコ
ート処理などの表面処理を施したものを使用しても、勿
論良い。
図面を参照して説明する。
ガネ用凸レンズ状偏光板(4) の製造方法は、偏光フイル
ム(2) の少なくとも片面に、Tダイ押出し法による製造
の際に冷却ロールの速度よりも引取りロールの速度を大
きくして引き取ることにより、複屈折率を増加させ、か
つその複屈折率(Δn)と厚み(d)の積で定義される
リタデーション値(Δn・d)3000〜6000nmを
有するポリカーボネート樹脂シート(3) を積層し、曲面
加工を施すものである。
ション値を有するポリカーボネート樹脂シート(3) を製
造するには、図3に示すように、Tダイ押出し法によっ
てポリカーボネート樹脂シートを製造する際に、最終の
冷却ロール(15)の速度(S1)よりも引取りロール(16)の速
度(S2)を大きくして引き取り、複屈折率を増加させて、
リタデーション値を大きくさせる方法を実施する。
片面に、表面保護層としてのポリカーボネート樹脂シー
ト(3) を貼り合わせるために用いる接着剤は、エポキシ
系、イソシアネート硬化ウレタン系などが使用可能であ
り、すぐれた透明性と接着性を有するものであれば良
く、またポリカーボネート樹脂シートの種類によって限
定されるものではない。
を円形に切り出し、例えば圧空成形により凸レンズ状に
曲面加工し、メガネ用凸レンズ状偏光板を得るものであ
る。
は、偏光メガネおよびゴーグルに用いられる凸レンズ状
偏光板を意味するものとする。
しく説明する。
イルム(2) の両面に、複屈折率(Δn)と厚み(d)の
積で定義されるリタデーション値(Δn・d)3000
〜6000nm以上を有するポリカーボネート樹脂シート
(3)(3)を積層したものである。
ゴーグルに用いるために、凸レンズ状に曲面加工したメ
ガネ用凸レンズ状偏光板(4) を示しており、同図におい
て上記図1の場合と同一のものには、同一の符号を付し
た。
は、例えば図3に示すように、ポリカーボネート樹脂原
料を溶融状態でTダイ(10)を通して押し出し、樹脂原料
シート(3a)を4本の冷却ロール(12)(13)(14)(15)によっ
て冷却し、シート(3a)の表面温度を均一なものとしつつ
延伸して、引取りロール(16)に引き取ることにより、製
造したものである。
(3) の引取り比は、最終の冷却ロール(15)の速度(S1)
と、引取りロール(16)の速度(S2)との比:S2 /S1 と
して定義される。
カーボネート樹脂原料(商品名ユーピロン、三菱瓦斯化
学株式会社製)を溶融状態でTダイ(10)を通して押し出
し、周速が種々に異なる最終冷却ロール(15)および引取
りロール(16)を用いて、延伸比率の異なる厚さ0.7mm
の各種のポリカーボネート樹脂シートを作成し、各シー
トのリタデーション値(Δn・d)を測定した。またそ
のときのシートの引取り比をあわせて測定した。
A系偏光フイルム(2) の両面に、エポキシ系接着剤を介
して積層して、各種の偏光板を製造し、得られた各偏光
板を肉眼で斜め方向から見て、色むらの有無を観察し、
その性能を評価した。得られた結果を下記表1にまとめ
て示した。
られるものを×、色むらが若干認められるものを△、色
むらが全く認められないものを○として表わした。
ートの引取り比:S2 /S1 、およびシートの延伸方向
に垂直な方向の平均値として計算した、同シートのリタ
デーション値(Δn・d)をあわせて示した。
3の偏光板(1) は、ロール成形による歪むらに起因する
色むらは全く観察されなかった。
は、ロール成形時の歪むらが著しい色むらとして観察さ
れ、また比較例3の偏光板では、ロール成形による歪む
らに起因する色むらがわずかに観察された。
護層を構成するリタデーション値3000nm以上のポリ
カーボネート樹脂シート(3) を、2枚のテスト用偏光板
の間に挾んで見ると、歪むらはほとんど観察されなかっ
た。
たリタデーション値が3000nm未満のポリカーボネー
ト樹脂シートを、2枚のテスト用偏光板の間に挾んで見
ると、著しい歪むらが観察された。
と、比較例1〜3の偏光板とを、それぞれ円形に切り出
し、圧空成形により、図2に示すような凸レンズ状に曲
面加工し、得られた凸レンズ状偏光板(4) を斜め方向か
ら見たところ、比較例1〜3の偏光板では、曲面加工に
よってシートの歪みがさらに増大し、虹色の著しい色む
らが観察されたが、実施例1〜3の偏光板(1) では、曲
面加工によっても歪みが増大することなく、得られた凸
レンズ状偏光板(4) には、色むらは全く観察されなかっ
た。
の製造方法は、上述のように、偏光フイルムの少なくと
も片面に、複屈折率(Δn)と厚み(d)の積で定義さ
れるリタデーション値(Δn・d)3000〜6000
nmを有するポリカーボネート樹脂シートを積層し、曲面
加工を施すことを特徴とするもので、とくにポリカーボ
ネート樹脂シートとして、Tダイ押出し法による製造の
際に冷却ロールの速度よりも引取りロールの速度を大き
くして引き取ることにより、複屈折率を増加させたシー
トを用いているから、リタデーション値(Δn・d)3
000〜6000nmを有するポリカーボネート樹脂シー
トを非常に安定して製造し得るとともに、曲面加工を有
利に実施することができて、該曲面加工によっても歪み
が増大することなく、本発明の方法により製造されたメ
ガネ用凸レンズ状偏光板は、複屈折による虹色の色むら
が全く観察されず、非常にすぐれた品質を有しており、
かつ外観がきれいであるため、偏光メガネやゴーグルに
好適に使用することができ、耐衝撃性および耐熱性など
においてすぐれた品質を有しかつ外観のきれいな偏光メ
ガネやゴーグルを市場に安定的に供給し得るという効果
を奏する。
図である。
グルに用いる凸レンズ状偏光板の縦断面図である。
を示す縦断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 偏光フイルム(2) の少なくとも片面に、
Tダイ押出し法による製造の際に冷却ロールの速度より
も引取りロールの速度を大きくして引き取ることによ
り、複屈折率を増加させ、かつその複屈折率(Δn)と
厚み(d)の積で定義されるリタデーション値(Δn・
d)3000〜6000nmを有するポリカーボネート樹
脂シート(3) を積層し、曲面加工を施すことを特徴とす
る、メガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP8133389A JP2838514B2 (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | メガネ用凸レンズ状偏光板の製造方法 |
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JPH095683A true JPH095683A (ja) | 1997-01-10 |
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ID=15103607
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