JP2011053244A - 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 - Google Patents
偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011053244A JP2011053244A JP2009199294A JP2009199294A JP2011053244A JP 2011053244 A JP2011053244 A JP 2011053244A JP 2009199294 A JP2009199294 A JP 2009199294A JP 2009199294 A JP2009199294 A JP 2009199294A JP 2011053244 A JP2011053244 A JP 2011053244A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polarizing
- thin film
- polarizing plate
- lens
- produced
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
【課題】偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼合し、熱曲げ加工される偏光板において、加工時に偏光性薄膜に切れなどの劣化が生じない偏光板を提供すること。
【解決手段】
偏光性薄膜の両面に透明性を有する熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼合し、熱曲げ成形によりレンズ形状に加工される偏光板において、前記偏光性薄膜はポリビニルアルコールを主成分とし、少なくとも染色、延伸、硼酸架橋されて成り、偏光性薄膜中の硼酸含有量を2wt%以上、10wt%以下の範囲とする。
【選択図】なし
【解決手段】
偏光性薄膜の両面に透明性を有する熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼合し、熱曲げ成形によりレンズ形状に加工される偏光板において、前記偏光性薄膜はポリビニルアルコールを主成分とし、少なくとも染色、延伸、硼酸架橋されて成り、偏光性薄膜中の硼酸含有量を2wt%以上、10wt%以下の範囲とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、偏光板、偏光レンズ、および防眩製品に関する。
偏光板は、液晶表示用の他、優れた防眩性を有することから、例えばサングラスやゴーグルなどに用いられている。このような偏光板としては、従来、ヨウ素や二色性色素を高分子フィルムに吸着して配向させてなる偏光性薄膜の片面または両面にトリアセチルセルロースなどのセルロース系シートやアクリル系シートを保護層として粘着一体化させたものが用いられている。
また、スポーツなどを行う場合に着用してもレンズが割れたりしないような耐衝撃性に優れ、熱に対する耐久性に優れるポリカーボネート系樹脂シートの偏光板が好んで用いられている。(例えば、特許文献1参照。)
このような偏光板は、熱曲げ加工によりレンズ状に曲面加工したり、または、曲面加工を施した後に射出成形にてポリカーボネート系樹脂を積層一体化したりすることにより偏光性を有するレンズとして製造されている。
前記曲面加工や射出成形において、偏光板が高温や応力をうけて、その条件によっては、偏光板内部の偏光性薄膜が損傷を受けて、例えば偏光性薄膜が切れてしまうことがあり、これによってレンズとしての品質が大きく劣化してしまう問題があった。(例えば、特許文献2参照。)
特許文献2によれば偏光性薄膜に用いられるポリビニルアルコールのフィルムの分子量を限定することでこの問題を解決しようとしているが、偏光性薄膜の製造条件や加工条件によっては必ずしも満足いく結果には至っていない。
また、スポーツなどを行う場合に着用してもレンズが割れたりしないような耐衝撃性に優れ、熱に対する耐久性に優れるポリカーボネート系樹脂シートの偏光板が好んで用いられている。(例えば、特許文献1参照。)
このような偏光板は、熱曲げ加工によりレンズ状に曲面加工したり、または、曲面加工を施した後に射出成形にてポリカーボネート系樹脂を積層一体化したりすることにより偏光性を有するレンズとして製造されている。
前記曲面加工や射出成形において、偏光板が高温や応力をうけて、その条件によっては、偏光板内部の偏光性薄膜が損傷を受けて、例えば偏光性薄膜が切れてしまうことがあり、これによってレンズとしての品質が大きく劣化してしまう問題があった。(例えば、特許文献2参照。)
特許文献2によれば偏光性薄膜に用いられるポリビニルアルコールのフィルムの分子量を限定することでこの問題を解決しようとしているが、偏光性薄膜の製造条件や加工条件によっては必ずしも満足いく結果には至っていない。
本発明は、上記に顧みてなされたものであり、偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼合し、熱曲げ加工される偏光板において、加工時に偏光性薄膜に切れなどの劣化が生じない偏光板を提供することである。
上記課題は、下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1)ポリビニルアルコールを主成分とする偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼り合わせし、熱曲げ加工される偏光板において、前記偏光性薄膜中に2wt%以上、10wt%以下の硼酸を含有する偏光板。
(2)前記保護シートが、偏光性薄膜の少なくとも片面にポリカーボネートを含有する請求項1記載の偏光板。
(3)前記(1)または(2)項に記載の偏光板を用いて、熱曲げ成形加工により作製される偏光レンズ。
(4)前記(3)項に記載の偏光レンズを金型内にインサートし、金型非接触面の保護シートと溶融積層が可能な熱可塑性樹脂で一体射出成形して作製される偏光レンズ。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の偏光板または偏光レンズを用いて作製した防眩製品。
(1)ポリビニルアルコールを主成分とする偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼り合わせし、熱曲げ加工される偏光板において、前記偏光性薄膜中に2wt%以上、10wt%以下の硼酸を含有する偏光板。
(2)前記保護シートが、偏光性薄膜の少なくとも片面にポリカーボネートを含有する請求項1記載の偏光板。
(3)前記(1)または(2)項に記載の偏光板を用いて、熱曲げ成形加工により作製される偏光レンズ。
(4)前記(3)項に記載の偏光レンズを金型内にインサートし、金型非接触面の保護シートと溶融積層が可能な熱可塑性樹脂で一体射出成形して作製される偏光レンズ。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の偏光板または偏光レンズを用いて作製した防眩製品。
本発明によれば、光学性能、耐久性能を損なうことなく、加工時に偏光性薄膜に切れなどの劣化が生じない偏光板を提供することができる。
本発明は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼り合わせし、熱曲げ加工される偏光板において、前記偏光性薄膜中に2wt%以上、10wt%以下の硼酸を含有する偏光板であって、光学性能、耐久性能を損なうことなく、加工時に偏光性薄膜に切れなどの劣化が生じない偏光板を提供することができる。
本発明の偏光板に用いられる偏光性薄膜としては、ポリビニルアルコールを主成分とし偏光機能を有する薄膜であれば特に限定されない。偏光性薄膜としては、例えばポリビニルアルコール系フィルムなどの高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料などを吸着させて配向させたものが挙げられる。上記二色性染料としては、例えばクロラチンファストレッド、コンゴーレッド、ブリリアントブルー6B、ベンゾパープリン、クロラゾールブラックBH、ダイレクトブルー2B、ジアミングリーン、クリソフェノン、シリウスイエロー、ダイレクトファーストレッド、アシドブラックなどが挙げられる。
本発明の偏光板に用いられる偏光性薄膜としては、ポリビニルアルコールを主成分とし偏光機能を有する薄膜に硼酸を含有させたものを用いる。
その硼酸の含有量は、2wt%以上、10wt%以下が好ましく、さらに好ましくは、3wt%以上、7wt%以下である。この範囲にすることにより、光線透過率や偏光度などの光学特性が良好で、熱曲げ加工しても偏光性薄膜の損傷がないものが得られる。
その硼酸の含有量は、2wt%以上、10wt%以下が好ましく、さらに好ましくは、3wt%以上、7wt%以下である。この範囲にすることにより、光線透過率や偏光度などの光学特性が良好で、熱曲げ加工しても偏光性薄膜の損傷がないものが得られる。
上記の硼酸を含有した偏光性薄膜は、ポリビニルアルコールを主成分とした高分子フィルムの薄膜をある一方向に延伸させながら、ヨウ素または二色性染料を溶解させた水溶液中に前記高分子フィルムを浸漬し、ヨウ素または二色性染料を前記高分子フィルムに吸着させた後、硼酸を溶解した水溶液中に浸漬することによって製造することができる。
水溶液に浸漬した後に洗浄する工程や、偏光性薄膜を乾燥させる工程が有ってもよい。
前記硼酸を含有した偏光性薄膜の製造では、搬送速度や水溶液温度、水溶液中硼酸濃度、浸漬時間、浸漬後の洗浄条件、乾燥条件などを適宜調整することにより、偏光性薄膜の硼酸含有量を調整することができる。
水溶液に浸漬した後に洗浄する工程や、偏光性薄膜を乾燥させる工程が有ってもよい。
前記硼酸を含有した偏光性薄膜の製造では、搬送速度や水溶液温度、水溶液中硼酸濃度、浸漬時間、浸漬後の洗浄条件、乾燥条件などを適宜調整することにより、偏光性薄膜の硼酸含有量を調整することができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂からなる保護シートは、透明性を有するポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィンなどを使用することができる。
前記保護シートは、同じ種類のシートを偏光性薄膜の両面に貼り合せてもよく、片面ずつ異なる種類のシートを貼り合せてもよい。保護シートの厚みとしては、0.01mm〜3mmが好ましく、さらには0.04mm〜1mmであることが加工性の観点からは好ましい。
前記保護シートは、透明性が高く、スポーツなどを行う場合に着用してもレンズが割れたりしないような耐衝撃性の高いポリカーボネート系樹脂シートを少なくとも片面に用いることが好ましい。ポリカーボネート樹脂としては特に制限はなく公知のものが使用できる。ポリカーボネート樹脂の平均分子量については18000〜35000、さらに好ましくは20000〜28000とすることで耐衝撃性の優れた偏光板を得ることができる。また、偏光性薄膜との積層後の干渉縞防止のためにリタデーション値を少なくとも2000nm以上に一軸延伸することが好ましい。
なお、前記保護シートには、熱可塑性樹脂に着色剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、エステル交換防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を適宜配合しても良い。
前記保護シートは、同じ種類のシートを偏光性薄膜の両面に貼り合せてもよく、片面ずつ異なる種類のシートを貼り合せてもよい。保護シートの厚みとしては、0.01mm〜3mmが好ましく、さらには0.04mm〜1mmであることが加工性の観点からは好ましい。
前記保護シートは、透明性が高く、スポーツなどを行う場合に着用してもレンズが割れたりしないような耐衝撃性の高いポリカーボネート系樹脂シートを少なくとも片面に用いることが好ましい。ポリカーボネート樹脂としては特に制限はなく公知のものが使用できる。ポリカーボネート樹脂の平均分子量については18000〜35000、さらに好ましくは20000〜28000とすることで耐衝撃性の優れた偏光板を得ることができる。また、偏光性薄膜との積層後の干渉縞防止のためにリタデーション値を少なくとも2000nm以上に一軸延伸することが好ましい。
なお、前記保護シートには、熱可塑性樹脂に着色剤、離型剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、エステル交換防止剤、帯電防止剤などの各種添加剤を適宜配合しても良い。
前記保護シートは、上記の透明性を有するポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィンなどを用いて、例えば押出成形、カレンダー成形、キャスト成形などの成形方法にて製造することができる。
本発明の偏光板は、上記のように製造された偏光性薄膜、または保護シートに接着剤を塗布後、偏光性薄膜と保護シートとを貼り合わせ、圧着することにより製造することができる。
ここで用いられる接着剤としては、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤などが挙げられる。
このような接着剤を用いることで、偏光性薄膜と保護シートとを十分に接着することができて、光学特性に優れ、経時的に黄変することがなく、加工時の熱や応力で剥離や白化などが発生しない偏光板を得ることができる。
このようにして得られた偏光板は、通常、真空成形やプレス成形などにより球面などの曲面形状に成形される。曲面加工を施された偏光板の凹側に、インサートモールド射出成形法により樹脂を射出して、積層成形された偏光板を作製する場合もある。
このような偏光板を用いて、レンズ状に加工することにより偏光レンズを作製することもできる。レンズ状に加工するとは、例えば、切断による形状加工や熱曲げ成形加工で行うことができる。また、上記作製した偏光レンズを金型内にインサートし、金型非接触面の保護シートと溶融積層が可能な熱可塑性樹脂で一体射出成形することにより、厚みのある偏光レンズを作製することもできる。
ここで用いられる接着剤としては、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤などが挙げられる。
このような接着剤を用いることで、偏光性薄膜と保護シートとを十分に接着することができて、光学特性に優れ、経時的に黄変することがなく、加工時の熱や応力で剥離や白化などが発生しない偏光板を得ることができる。
このようにして得られた偏光板は、通常、真空成形やプレス成形などにより球面などの曲面形状に成形される。曲面加工を施された偏光板の凹側に、インサートモールド射出成形法により樹脂を射出して、積層成形された偏光板を作製する場合もある。
このような偏光板を用いて、レンズ状に加工することにより偏光レンズを作製することもできる。レンズ状に加工するとは、例えば、切断による形状加工や熱曲げ成形加工で行うことができる。また、上記作製した偏光レンズを金型内にインサートし、金型非接触面の保護シートと溶融積層が可能な熱可塑性樹脂で一体射出成形することにより、厚みのある偏光レンズを作製することもできる。
なお、本発明の偏光板は、用途によりその表面に、ハードコート、防曇コート、反射防止コートなどの表面処理、および着色のための染色処理を適時実施しても良い。
本発明の防眩製品としては、偏光性薄膜と保護層とが積層一体化された偏光板を用いて曲面形状などレンズ状に加工されることによりサングラス、ゴーグル、眼鏡、ヘルメットシールド、水中眼鏡、防毒マスク用透視板、自動車のサンルーフ、船舶の窓板、各種監視カメラ用カバーなどが挙げられる。
本発明の防眩製品としては、偏光性薄膜と保護層とが積層一体化された偏光板を用いて曲面形状などレンズ状に加工されることによりサングラス、ゴーグル、眼鏡、ヘルメットシールド、水中眼鏡、防毒マスク用透視板、自動車のサンルーフ、船舶の窓板、各種監視カメラ用カバーなどが挙げられる。
次に、本発明の具体的な実施例および比較例について説明する。
<実施例1>
膨潤槽、染色槽、架橋槽、乾燥機、を具備する染色装置にてポリビニルアルコールを主成分とするフィルム(商品名:「クラレビニロン#7500」、クラレ社製)を延伸倍率4.5倍で延伸させながら染色、硼酸架橋し、偏光性薄膜を作製した。作製した偏光性薄膜中の硼酸含有量は4.5wt%であり、中和滴定法により測定した。
また、得られた偏光性薄膜は光線透過率22%、偏光度99%であり、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して測定した。
この偏光性薄膜の両面に一液型湿気硬化型ポリウレタン系接着剤を介してポリカーボネート樹脂シートを圧着して総厚0.8mmの偏光板を作製した。
この偏光板を直径7cmの円形に打ち抜いた後、85℃にて1日間予備乾燥し、レマ成形機(真空成形機)CR−32型にて曲率半径76mmの凹金型に偏光板を150℃4分間吸引させ熱曲げ加工を行って偏光レンズを作製した。
作製した偏光レンズを用いて、以下の評価を実施した。
<実施例1>
膨潤槽、染色槽、架橋槽、乾燥機、を具備する染色装置にてポリビニルアルコールを主成分とするフィルム(商品名:「クラレビニロン#7500」、クラレ社製)を延伸倍率4.5倍で延伸させながら染色、硼酸架橋し、偏光性薄膜を作製した。作製した偏光性薄膜中の硼酸含有量は4.5wt%であり、中和滴定法により測定した。
また、得られた偏光性薄膜は光線透過率22%、偏光度99%であり、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して測定した。
この偏光性薄膜の両面に一液型湿気硬化型ポリウレタン系接着剤を介してポリカーボネート樹脂シートを圧着して総厚0.8mmの偏光板を作製した。
この偏光板を直径7cmの円形に打ち抜いた後、85℃にて1日間予備乾燥し、レマ成形機(真空成形機)CR−32型にて曲率半径76mmの凹金型に偏光板を150℃4分間吸引させ熱曲げ加工を行って偏光レンズを作製した。
作製した偏光レンズを用いて、以下の評価を実施した。
<熱成形性評価>
作製した偏光レンズ20個を偏光子付きのバックライト上に載せて、直交ニコル、平行ニコルの両方の状態にて、透過光による外観観察を行った。
いずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
<光線透過率評価>
光線透過率評価は、作製した偏光レンズ20個を用いて、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して評価を行った。
熱曲げ成形加工前後の光線透過率の変化は、予備乾燥前と熱曲げ成形加工後で測定を行い、その差を20個の偏光レンズについて測定した平均値を光線透過率の変化値とした。変化値が、3%未満を合格とし、3%以上を不合格とした。
<偏光度評価>
2個の偏光レンズを組み合わせて、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して、平行ニコルの光線透過率Yp、直交ニコルの光線透過率Yvを測定し、次式により偏光度Peを求めた。
Pe=√((Yp−Yv)/(Yp+Yv))×100
また、熱曲げ成形加工前後の偏光度の変化については、平行ニコルの光線透過率Yp、直交ニコルの光線透過率Yvの測定を予備乾燥前と熱曲げ成形加工後で行い、上記式にて偏光度Peを求め、予備乾燥前と熱曲げ加工後の偏光度Peの差(10個)の平均値を偏光度の変化値とした。変化値が、3%未満を合格とし、3%以上を不合格とした。
評価結果は、いずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かった。
成形性については、熱曲げによる成形性は良好であった。
また、曲げ成形加工前後での光線透過率および偏光度の変化値はいずれも3%未満であり、合格であった。
作製した偏光レンズ20個を偏光子付きのバックライト上に載せて、直交ニコル、平行ニコルの両方の状態にて、透過光による外観観察を行った。
いずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
<光線透過率評価>
光線透過率評価は、作製した偏光レンズ20個を用いて、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して評価を行った。
熱曲げ成形加工前後の光線透過率の変化は、予備乾燥前と熱曲げ成形加工後で測定を行い、その差を20個の偏光レンズについて測定した平均値を光線透過率の変化値とした。変化値が、3%未満を合格とし、3%以上を不合格とした。
<偏光度評価>
2個の偏光レンズを組み合わせて、透過率計HM−100(株式会社村上色彩技術研究所製)を使用して、平行ニコルの光線透過率Yp、直交ニコルの光線透過率Yvを測定し、次式により偏光度Peを求めた。
Pe=√((Yp−Yv)/(Yp+Yv))×100
また、熱曲げ成形加工前後の偏光度の変化については、平行ニコルの光線透過率Yp、直交ニコルの光線透過率Yvの測定を予備乾燥前と熱曲げ成形加工後で行い、上記式にて偏光度Peを求め、予備乾燥前と熱曲げ加工後の偏光度Peの差(10個)の平均値を偏光度の変化値とした。変化値が、3%未満を合格とし、3%以上を不合格とした。
評価結果は、いずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かった。
成形性については、熱曲げによる成形性は良好であった。
また、曲げ成形加工前後での光線透過率および偏光度の変化値はいずれも3%未満であり、合格であった。
<実施例2>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の2.3倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は、8wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、曲げ成形加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の2.3倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は、8wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、曲げ成形加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
<実施例3>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.1倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は2wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.1倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は2wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
<実施例4>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の2倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は7wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の2倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は7wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
<実施例5>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.5倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は3wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.5倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は3wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光板の外観に異常は無かったことから、熱曲げによる加工性は良好であった。
また、加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
<実施例6>
曲率半径76mmのレンズ金型を取り付けた射出成形機に、実施例1と同じ方法で作製した熱曲げ加工後の偏光レンズを挿入し、その凹面側にポリカーボネート樹脂を用いて射出一体化し厚さ約2.0mmの偏光レンズを20個作製した。
作製した20個の偏光レンズについて実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かったことから、熱曲げおよび射出成形による加工性は良好であった。
また、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
曲率半径76mmのレンズ金型を取り付けた射出成形機に、実施例1と同じ方法で作製した熱曲げ加工後の偏光レンズを挿入し、その凹面側にポリカーボネート樹脂を用いて射出一体化し厚さ約2.0mmの偏光レンズを20個作製した。
作製した20個の偏光レンズについて実施例1と同じ方法で評価した。
直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かったことから、熱曲げおよび射出成形による加工性は良好であった。
また、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度の変化はいずれも3%未満であり、合格であった。
<比較例1>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の3.4倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は11wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
外観観察を行ったところ、直交ニコル状態においてスジ状の光り抜けが多数観察され、偏光性薄膜が損傷し切れてしまっているのが確認されたことから、熱曲げによる加工性が悪い結果であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の3.4倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は11wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。
外観観察を行ったところ、直交ニコル状態においてスジ状の光り抜けが多数観察され、偏光性薄膜が損傷し切れてしまっているのが確認されたことから、熱曲げによる加工性が悪い結果であった。
<比較例2>
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.05倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は1.5wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かったが、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度は大きく変化し不合格であった。
架橋槽液中の硼酸濃度を実施例1の0.05倍とし、実施例1と同じ方法で偏光性薄膜を作製し評価した。得られた偏光性薄膜の硼酸含有量は1.5wt%であり、偏光性薄膜の光線透過率は22%、偏光度は99%であった。
この後、実施例1と同じ方法で保護シートの貼り合せ、熱曲げ加工により偏光レンズを作製した。作製した偏光レンズを実施例1と同じ方法で評価した。直交ニコル、平行ニコルいずれの状態においても偏光レンズの外観に異常は無かったが、熱曲げ加工前後での光線透過率および偏光度は大きく変化し不合格であった。
Claims (5)
- ポリビニルアルコールを主成分とする偏光性薄膜の両面に熱可塑性樹脂からなる保護シートを貼り合わせし、熱曲げ加工される偏光板において、前記偏光性薄膜中に2wt%以上、10wt%以下の硼酸を含有する偏光板。
- 前記保護シートが、偏光性薄膜の少なくとも片面にポリカーボネートを含有する請求項1記載の偏光板。
- 請求項1または2に記載の偏光板を用いて、熱曲げ成形加工により作製される偏光レンズ。
- 請求項3記載の偏光レンズを金型内にインサートし、金型非接触面の保護シートと溶融積層が可能な熱可塑性樹脂で一体射出成形して作製される偏光レンズ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板または偏光レンズを用いて作製した防眩製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009199294A JP2011053244A (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009199294A JP2011053244A (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011053244A true JP2011053244A (ja) | 2011-03-17 |
Family
ID=43942367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009199294A Pending JP2011053244A (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011053244A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10171528B2 (en) | 2013-07-03 | 2019-01-01 | Koninklijke Kpn N.V. | Streaming of segmented content |
US10523723B2 (en) | 2014-06-06 | 2019-12-31 | Koninklijke Kpn N.V. | Method, system and various components of such a system for selecting a chunk identifier |
US11477262B2 (en) | 2014-02-13 | 2022-10-18 | Koninklijke Kpn N.V. | Requesting multiple chunks from a network node on the basis of a single request message |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029143A1 (ja) * | 2003-09-19 | 2005-03-31 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 偏光フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2008262104A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Mgc Filsheet Co Ltd | 多層構造の偏光板、および該偏光板を含む防眩製品および液晶ディスプレイ用の偏光板 |
-
2009
- 2009-08-31 JP JP2009199294A patent/JP2011053244A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005029143A1 (ja) * | 2003-09-19 | 2005-03-31 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | 偏光フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2008262104A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Mgc Filsheet Co Ltd | 多層構造の偏光板、および該偏光板を含む防眩製品および液晶ディスプレイ用の偏光板 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10171528B2 (en) | 2013-07-03 | 2019-01-01 | Koninklijke Kpn N.V. | Streaming of segmented content |
US10609101B2 (en) | 2013-07-03 | 2020-03-31 | Koninklijke Kpn N.V. | Streaming of segmented content |
US11477262B2 (en) | 2014-02-13 | 2022-10-18 | Koninklijke Kpn N.V. | Requesting multiple chunks from a network node on the basis of a single request message |
US10523723B2 (en) | 2014-06-06 | 2019-12-31 | Koninklijke Kpn N.V. | Method, system and various components of such a system for selecting a chunk identifier |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5633228B2 (ja) | 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 | |
KR101607950B1 (ko) | 요오드계 편광 필름 및 그 제조 방법 | |
JP5722255B2 (ja) | 偏光板の製造方法 | |
KR101799133B1 (ko) | 액정 패널 및 액정 표시 장치 | |
KR101430801B1 (ko) | 편광 막 및 편광 필름 | |
KR102296083B1 (ko) | 편광막, 편광판, 및 편광막의 제조 방법 | |
KR102556376B1 (ko) | 편광판, 화상 표시 장치 및 해당 화상 표시 장치의 제조 방법 | |
KR20210063325A (ko) | 편광판 및 이의 제조 방법, 및 해당 편광판을 포함하는 화상 표시 장치 | |
KR20100102292A (ko) | 편광자의 제조방법, 편광자 및 이것이 구비된 편광판 | |
JP2012047799A (ja) | 偏光子の製造方法 | |
KR101626194B1 (ko) | 편광 필름의 제조 방법 | |
KR102296079B1 (ko) | 편광막, 편광판, 및 편광막의 제조 방법 | |
JP2010039357A (ja) | 偏光レンズ | |
JP2020064291A (ja) | 位相差層付偏光板およびそれを用いた画像表示装置 | |
JP2011053244A (ja) | 偏光板、偏光レンズおよび防眩製品 | |
KR100947938B1 (ko) | 편광자의 제조방법 | |
JP2015028634A (ja) | 偏光子の製造方法 | |
CN113646676B (zh) | 偏光膜、偏光板、及该偏光膜的制造方法 | |
JP2002267841A (ja) | 偏光レンズ用偏光フィルム | |
KR20210136019A (ko) | 편광막, 편광판, 및 해당 편광막의 제조 방법 | |
JP2007256544A (ja) | レンズ用偏光板 | |
JP5351135B2 (ja) | ヨウ素系偏光フィルムの製造方法 | |
JP2007240907A (ja) | 偏光レンズ | |
KR101659134B1 (ko) | 편광판, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 디스플레이 장치 | |
KR102380648B1 (ko) | 유리렌즈에 적합한 편광필름을 이용한 유리 편광렌즈의 제조방법 |