JP2000111732A - 3次元複屈折フィルムの製造方法 - Google Patents

3次元複屈折フィルムの製造方法

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JP2000111732A
JP2000111732A JP10282725A JP28272598A JP2000111732A JP 2000111732 A JP2000111732 A JP 2000111732A JP 10282725 A JP10282725 A JP 10282725A JP 28272598 A JP28272598 A JP 28272598A JP 2000111732 A JP2000111732 A JP 2000111732A
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Masakatsu Tagami
昌克 田上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視野角拡大フィルムとして用いられる3次元
複屈折フィルムの平面方向及び厚さ方向の屈折率を容易
に制御して保有させることができ、且つ、初期レタデー
ション値の変化量の少ない3次元複屈折フィルムの製造
方法を提供する。 【解決手段】 溶液キャスト法によって製膜された透明
な熱可塑性樹脂フィルムを長さ方向に縦一軸延伸した延
伸フィルムの少なくとも一面に、横一軸延伸された熱収
縮性フィルムをその延伸軸を直交して貼合した後、熱収
縮させて延伸フィルムに、その平面方向に配向した分子
群と厚さ方向に配向した分子群を制御して保有せしめる
3次元複屈折フィルムの製造方法であって、前記熱収縮
の際の熱収縮性フィルムの横方向の収縮率Aが8〜25
%であり、延伸フィルムの縦方向の収縮率が、(1/4
〜3/4)A%であることを特徴とする3次元複屈折フ
ィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置等の
電気光学表示装置に搭載される視野角拡大フィルムとし
て用いられる3次元複屈折フィルムの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューター用、ワ
ープロ用、モニター用の表示装置として、大画面化、薄
型化、軽量化が可能であるという特性によって液晶表示
装置が汎用されるようになってきている。これらの液晶
表示装置は、液晶分子の光学異方性を利用し、電界印加
によって液晶分子に生じる配向によって光を制御する方
法が採られている。
【0003】しかし、液晶表示装置の液晶分子に単純に
光を当てただけでは、液晶分子を透過する光は複屈折し
て楕円偏光となり、液晶表示面に無用の着色が生じ、表
示機能を正常に発揮し得ない。そこで、液晶分子の複屈
折を補償する目的で、一般に、マイクロレンズアレイ層
を有する位相差補償装置やその他延伸フィルムからなる
位相差補償装置を液晶分子を液晶セルと偏光板との間に
介在させている。現在市販されているスーパーツイステ
ッドネマティック(STN)型液晶表示装置は殆ど上記
の構成からなるものである。
【0004】上記STN型液晶表示装置は、表示の大容
量化を可能ならしめるものではあったが、観察者が表示
画面を見る角度によって、表示色が反転したり、表示光
量が低下する等、観察者が良好なコントラストで画像を
観察することができる所謂、視野角が狭いという問題が
あり、多人数で同一画面を見たり、如何なる角度からで
も画面を正確に見ることができないものであった。
【0005】上記視野角が狭いという問題を解決する試
みとして、例えば、特開平6−27453号公報に、マ
イクロレンズを面状に配列したマイクロレンズアレイ層
を用いて視野角を拡大しようとする提案がなされてい
る。しかし、マイクロレンズの配列に規則性があると、
ブラックマトリックス等、パターンに規則性を有する他
の光学部材との間で、画像が重なり合いもしくは打ち消
し合って画像に無用の濃淡ができる所謂モアレを生じ
る。又、マイクロレンズ部材とマイクロレンズに接する
粘着剤層や無反射コート層等の物材の屈折率との差が十
分に大きくものでないと、視野角拡大効果は得られな
い。更に、光学歪を残すことなく長大なマイクロレンズ
を作製することは極めて難しいことである等の問題点を
有するものである。
【0006】延伸フィルムを位相差補償装置として用い
るものとして、特開平2−160204号公報には、厚
さ方向に分子配列したシートを得るように押出成形され
た熱可塑性樹脂をスライスし、これを延伸する方法が開
示されている。しかしながら、上記方法では、製造工程
が複雑となり、安価な3次元複屈折フィルムを得ること
ができず、その生産性に大きな問題がある。
【0007】又、延伸フィルムを位相差補償装置として
用いるものとして、特開平7−230007号公報に
は、一軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも
片面に、熱収縮性を有するフィルムを、該熱収縮性フィ
ルムの熱収縮軸方向が該一軸延伸された熱可塑性樹脂フ
ィルムの延伸軸方向と直交するように貼合し、熱収縮さ
せた後、該熱収縮性フィルムを剥離除去する方法が開示
されている。
【0008】一方、延伸フィルムによる液晶表示装置の
視野角調整については、理論上液晶分子の複屈折位相差
を補償するための指標として、下式で表されるNz係数
があり、該Nz係数が0.6以下であることが好ましい
とされている。
【0009】
【数1】
【0010】特開平7−230007号公報に開示され
ている位相差フィルムの製造方法に従って所望の視野角
とするために、一軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムの
Nz係数を0.6以下にするには、熱収縮性フィルムの
収縮率を或る程度大きくする必要があり、そのために一
軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、熱収縮性を有するフィルムを、該熱収縮性フィルム
の熱収縮軸方向が該一軸延伸された熱可塑性樹脂フィル
ムの延伸軸方向と直交するように貼合した貼合フィルム
を、高温雰囲気下で長時間暴露しなければならない等、
生産性を大きく阻害するものである。又、熱収縮性フィ
ルムの収縮率を或るレベル以上にすると、一軸延伸され
た熱可塑性樹脂フィルムのNz係数は0.6以下にはな
るが、初期レタデーション値の変化量も大きくなってし
まい、レタデーション値を所望の値に調整することが難
しくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の事実に
鑑みなされたものであって、その目的とするところは、
視野角拡大フィルムとして用いられる3次元複屈折フィ
ルムの平面方向及び厚さ方向の屈折率を容易に制御して
保有させることができ、且つ、初期レタデーション値の
変化量の少ない3次元複屈折フィルムの製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の3次元複屈折フ
ィルムの製造方法は、溶液キャスト法によって製膜され
た透明な熱可塑性樹脂フィルムを長さ方向に縦一軸延伸
した延伸フィルムの少なくとも一面に、横一軸延伸され
た熱収縮性フィルムをその延伸軸を直交して貼合した
後、熱収縮させて延伸フィルムに、その平面方向に配向
した分子群と厚さ方向に配向した分子群を制御して保有
せしめる3次元複屈折フィルムの製造方法であって、前
記熱収縮の際の熱収縮性フィルムの横方向の収縮率Aが
8〜25%であり、延伸フィルムの縦方向の収縮率が、
(1/4〜3/4)A%であることを特徴とする。
【0013】本発明で溶液キャスト法によって製膜され
る透明な熱可塑性樹脂フィルムに使用される熱可塑性樹
脂は、透明性に優れるものであれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、セルロース系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル系樹
脂、オレフィン系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエー
テルサルホン系樹脂等からなる熱可塑性樹脂が挙げられ
る。上記熱可塑性樹脂は単独で使用されてもよく、2種
以上を混合して使用されてもよい。
【0014】上記熱可塑性樹脂は、必要に応じて可塑剤
が添加されてもよい。上記可塑剤としては、上記熱可塑
性樹脂と相溶するものあって、透明な熱可塑性樹脂フィ
ルム成形時の加熱(乾燥)温度において揮発量の少ない
ものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
熱可塑性樹脂がポリサルホン系樹脂の場合、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジヘキシル等のフタル酸系可塑
剤や燐酸トリクレジル等の燐酸系可塑剤等が挙げられ
る。
【0015】可塑剤の含有量は、使用される熱可塑性樹
脂の種類等によって各々定められるものであるが、透明
な熱可塑性樹脂100重量部に対し可塑剤2〜4重量部
の範囲が好ましい。可塑剤の含有量が2重量部未満で
は、透明な熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移温度が高
くなって、これを長さ方向に縦一軸延伸した延伸フィル
ムを熱収縮性フィルムと共に加熱収縮させる際に、上記
両フィルムを接着している粘着剤が発泡する等して剥離
し、又は高弾性率のために所望の収縮量が得られないお
それがある。又、4重量部を超えると、収縮時に、熱収
縮性フィルム貼合面にも微細な凹凸ができ延伸フィルム
の光拡散の方向性が少なくなってしまうおそれがある。
【0016】透明な熱可塑性樹脂フィルムを溶液キャス
ト法で製膜する際に用いられる溶媒は、上記透明な熱可
塑性樹脂及び可塑剤の良溶媒であれば、特に限定される
ものではないが、例えば、透明な熱可塑性樹脂がポリサ
ルホン系樹脂である場合、1,2−ジクロロエタン、塩
化メチレン、アニソール、メトキシベンゼン等が挙げら
れ、透明な熱可塑性樹脂がセルロース系樹脂である場
合、テトラハイドロフラン等が挙げられる。
【0017】上記透明な熱可塑性樹脂組成物から透明な
熱可塑性樹脂フィルムを形成する手段は、特に限定され
るものではないが、例えば、透明な熱可塑性樹脂組成物
を上記溶媒に溶解し、ダイコーター、コンマコーター等
の塗布機を用いて離型性を有する支持材上に流延し、残
留溶媒量を一定レベルに抑えて加熱乾燥して形成させる
方法が挙げられる。
【0018】得られた透明な熱可塑性樹脂フィルムは、
次いで、長さ方向に縦一軸延伸されて延伸フィルムとな
される。延伸フィルムの長さ方向の縦一軸延伸倍率は、
後述する延伸フィルムの熱収縮工程において、その縦方
向の収縮率が、熱収縮性フィルムの横一軸延伸された収
縮率A%に対し、(1/4〜3/4)A%となるように
制御されるのが好ましい。
【0019】透明な熱可塑性樹脂フィルムの縦一軸延伸
手段は、特に限定されるものではないが、例えば、ロー
ル式延伸法、テンター式延伸法等が挙げられる。延伸フ
ィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、求めら
れる位相差調整能に基づいて定まるものであるが、通
常、30〜200μmのフィルムが汎用される。
【0020】延伸フィルムの収縮工程において用いられ
る横一軸延伸された熱収縮性フィルムは、そのガラス転
移温度以上の温度に加熱された場合、実質的に横方向に
のみ熱収縮する熱収縮性フィルムを指し、よって延伸フ
ィルムに延伸軸が直交するように貼合した後、熱収縮し
た際に横方向に8〜25%収縮するように横一軸延伸さ
れているのが好ましい。
【0021】熱収縮性フィルムは、延伸フィルムと共に
熱収縮されるのであるから、延伸フィルムのガラス転移
温度と差の大きな熱可塑性樹脂のフィルムであると両者
が均一に熱収縮できなくなるので、延伸フィルムのガラ
ス転移温度と近いガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂
よりなるのが好ましく、延伸フィルムに使用される熱可
塑性樹脂が好適に用いられる。特に、延伸フィルムがポ
リサルホン系樹脂の場合はポリカーボネート系樹脂が好
適に用いられる。
【0022】上記延伸フィルムと熱収縮性フィルムは、
その延伸軸が直交するように貼合される。この貼合には
粘着剤が用いられるのが好ましい。粘着剤には、熱収縮
性フィルムをそのガラス転移温度以上に加熱して、これ
に貼り合わされている延伸フィルムを収縮させるのであ
るから、該熱収縮工程における高温時の接着性と耐熱性
が求められるので、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘
着剤等が好適に用いられる。
【0023】貼合された延伸フィルムと熱収縮性フィル
ムは、熱収縮されるが、この際熱収縮性フィルムは横方
向の収縮率Aが8〜25%になるように熱収縮され、延
伸フィルムは縦方向の収縮率が(1/4〜3/4)A%
になるように熱収縮される。熱収縮性フィルムの収縮率
が8%未満では、延伸フィルムの縦方向の収縮率を3A
/4%より大きくしないとNz係数を0.6以下にする
ことができず、得られる延伸フィルムのレタデーション
値は大きく低下して、所望のレタデーション値を得るこ
とができない。又、収縮率が25%を超えると、得られ
る延伸フィルムのレタデーション値は、そのバラツキが
大きくなり、これを搭載したディスプレー装置の画像表
示性能を低下させてしまう。
【0024】又、熱収縮性フィルムの収縮率が8%以上
であっても、延伸フィルムの縦方向の収縮率がA/4%
未満の場合には、厚さ方向の複屈折率は大きくなるが、
面方向のnx は殆ど変化せず、ny は小さくなって、N
z係数を0.6以下にすることができず、得られる延伸
フィルムのny が小さくなることによってレタデーショ
ン値は大きく上がり、所望のレタデーション値を得るこ
とができない。
【0025】熱収縮性フィルムの収縮率Aが8%以上で
あっても、延伸フィルムの縦方向の収縮率が3A/4%
を超える場合には、Nz係数を0.6以下にすることは
できるが、得られる延伸フィルムのレタデーション値は
大きく低下して、所望のレタデーション値を得ることが
できない。
【0026】このような収縮条件によって、y方向(延
伸フィルムの延伸軸に直交する方向)に収縮応力が負荷
された場合にも、x方向(延伸フィルムの延伸方向)に
も同時に収縮されることになり、nx 、ny 共に小さく
なり、nz が大きくなって、Nz係数を0.6以下にす
ることができると同時に、レタデーション値の変化も小
さく、3次元複屈折フィルムの諸元を極めて容易に制御
することが可能となるのである。
【0027】上記貼合された延伸フィルムと熱収縮性フ
ィルムを熱収縮させる手段は、貼合された延伸フィルム
と熱収縮性フィルムを均一且つ効率的に加熱し、収縮さ
せ得る方法であれば特に限定されるものではないが、例
えば、延伸機を用い、延伸の逆操作を行うことによって
所定収縮範囲に収縮させる『逆延伸』法が挙げられる。
【0028】熱収縮の際の加熱温度は、熱収縮性フィル
ムのガラス転移温度(Tg)+10℃〜Tg+50℃の
範囲の温度が好ましい。上記加熱温度がTg+10℃未
満であると、熱収縮性フィルムの収縮量が小さく延伸フ
ィルムに所望の収縮量を与えることができず、Tg+5
0℃を超えると、延伸フィルムの幅方向の収縮の均一性
が確保しずらくなり、該延伸フィルムの幅方向の厚さの
バラツキが大きくなり、得られる3次元複屈折フィルム
の光拡散性能のバラツキが大きくなって、これを搭載し
たディスプレー装置の画像表示性能を低下させてしま
う。
【0029】収縮されたフィルムは、冷却固定後、粘着
剤層と共に熱収縮性フィルムが剥離除去され、3次元複
屈折フィルムが得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0031】(実施例1〜3、比較例1〜6)ポリサル
ホン系樹脂80重量部及びフタル酸ジブチル3重量部を
アニソールに溶解し、ポリサルホン系樹脂組成物40重
量%のキャスト用溶液を調製し、クロムめっきした無端
スチールベルト上にウエットの厚さ200μmにキャス
ティングし、180℃、10分間乾燥して巻き取り、透
明なポリサルホン系樹脂キャストフィルムを作製した。
【0032】得られた透明なポリサルホン系樹脂キャス
トフィルムを一軸延伸機を用いて長さ方向に1.5倍に
一軸延伸して厚さ60μmの透明なポリサルホン系樹脂
縦一軸延伸フィルムを作製した。得られた延伸フィルム
の550nm入射時のレタデーション値は410nmで
あった(測定機:大塚電子社製、商品名「RETS−2
000」)。又、得られた延伸フィルムのガラス転移温
度は161.3℃であった(測定機:セイコーインスツ
ルメント社製、商品名「TG/DTA D620
0」)。
【0033】(熱収縮性フィルムの調製)ポリカーボネ
ート系樹脂(帝人化成社製、商品名「パンライトC−1
400」)を塩化メチレンに溶解したキャスト用溶液を
調製し、透明なポリサルホン系樹脂キャストフィルムと
同様にしてポリカーボネート系樹脂キャストフィルムを
作製し、次いで、テンター式延伸機を用いて、表1に示
した幅方向の収縮率が実現できるように、各々横一軸ポ
リカーボネート系樹脂熱収縮性フィルムを作製した。
又、得られた熱収縮性フィルムのガラス転移温度は16
0.0℃であった(測定機:セイコーインスツルメント
社製、商品名「TG/DTA D6200」)。
【0034】得られた熱収縮性フィルムの一面に厚さ3
0μmのアクリル系粘着剤(ブチルアクリレートを主成
分とするアクリル系共重合体)を転写法により積層し、
粘着剤付熱収縮性フィルムを得た。
【0035】延伸フィルムと粘着剤付熱収縮性フィルム
を各々その延伸軸を直交し、長さ方向を合わせて粘着剤
を中間層としてラミネーターを用いて貼合し、幅500
mmの延伸フィルム/粘着剤層/熱収縮性フィルム貼合
フィルムを作製した。
【0036】得られた上記貼合フィルムを、熱収縮機を
用い、加熱炉の温度を180℃に設定し、加熱炉の前後
に各々設けられた繰出ロールと引取ロールの速比を調整
し、表1に示した長さ方向(延伸フィルムの縦方向)の
収縮率となるように熱収縮中の貼合フィルムが弛むこと
のないように一定張力下に長さ方向に熱収縮させた。
又、幅方向には、テンター装置によって、幅方向(熱収
縮性フィルムの横方向)の収縮率が5〜15%となるよ
うに熱収縮中の貼合フィルムが弛むことのないように一
定張力下に幅方向に熱収縮させた。
【0037】熱収縮した上記貼合フィルムは、冷却固定
後、延伸フィルムからアクリル系粘着剤層と共に熱収縮
性フィルムを剥離して3次元複屈折フィルムを作製し
た。
【0038】(性能評価)上記実施例1〜3及び比較例
1〜6で得られた3次元複屈折フィルムを、目視によっ
て外観からシワやタルミ等の不具合のないことを確認の
上、レタデーション値及びNz係数を測定した。尚、レ
タデーション値は、前述するように、大塚電子社製、商
品名「RETS−2000」を用いて550nm入射時
のレタデーション値を測定した。Nz係数については、
王子計測機器社製、商品名「KOBRA−21ADH」
を用い、前記式(1)に示された算式により求められ
た。測定結果は表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜3で得られた3次元複屈折フィ
ルムは、いずれも、長さ方向の収縮率が4〜8%、幅方
向の収縮率が10〜15%という僅かな収縮による3次
元分子配向の調整によって、十分なNz係数を発現し、
初期レタデーション値の変化量も少ないので、視野角拡
大フィルム等の用途に供せられる位相差補償フィルムと
して、設計並びに製造が極めて容易となり、得られる3
次元複屈折フィルムの品質の安定性が極めて高いもので
あることが判る。
【0041】これに対し、幅方向の収縮率、即ち、収縮
のために用いた熱収縮性フィルムの幅方向の収縮率が8
%未満である比較例1で得られた3次元複屈折フィルム
は、Nz係数が好ましい範囲に至らず、比較例1で得ら
れた3次元複屈折フィルムと共に初期レタデーション値
の変化量が大きく、所望レタデーション値から大きく低
下していることが判る。
【0042】又、幅方向の収縮率が8%以上であって
も、長さ方向の収縮率が、収縮のために用いた熱収縮性
フィルムの幅方向の収縮率A%に対し、(1/4〜3/
4)A%の範囲を外れる比較例3〜6で得られた3次元
複屈折フィルムは、いずれも初期レタデーション値の変
化量が大きく、長さ方向の収縮率が小さい比較例3及び
5で得られた3次元複屈折フィルムは、プラス方向に変
位し、長さ方向の収縮率が大きい比較例4及び6で得ら
れた3次元複屈折フィルムは、マイナス方向に変位し、
いずれも所望レタデーション値から大きく変位している
ことが判る。
【0043】
【発明の効果】本発明の視野角拡大シートの製造方法は
上述の通りなので、縦方向及び横方向の僅かな収縮によ
る3次元分子配向の調整が可能であり、これによって十
分なNz係数を発現し、初期レタデーション値の変化量
も少なく抑えられるので、視野角拡大フィルム等の用途
に供せられる位相差補償フィルムとして、設計並びに製
造が極めて容易となり、得られる3次元複屈折フィルム
の品質の安定性が極めて高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液キャスト法によって製膜された透明
    な熱可塑性樹脂フィルムを長さ方向に縦一軸延伸した延
    伸フィルムの少なくとも一面に、横一軸延伸された熱収
    縮性フィルムをその延伸軸を直交して貼合した後、熱収
    縮させて延伸フィルムに、その平面方向に配向した分子
    群と厚さ方向に配向した分子群を制御して保有せしめる
    3次元複屈折フィルムの製造方法であって、前記熱収縮
    の際の熱収縮性フィルムの横方向の収縮率Aが8〜25
    %であり、延伸フィルムの縦方向の収縮率が、(1/4
    〜3/4)A%であることを特徴とする3次元複屈折フ
    ィルムの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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