JP4779297B2 - フォトクロミック特性および/または偏光特性を有するプラスチック成形体 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、フォトクロミック特性および/または偏光特性により防眩性を有し、光学特性に優れたプラスチック成形体に関する。
特に度付きサングラス等の防眩用途に使用され、優れた外観性、光学特性を有するとともに、その製造並びに加工が容易なプラスチックレンズ成形体に関する。
発明の背景
防眩性を有する透明なプラスチック製品の用途としては、建築関連の窓、自動車関連ではサンルーフや窓、サングラスやゴーグル、その他では照明器具や装飾品などが挙げられる。
特に、近年米国を中心として、防眩性を有する度付きサングラスなどに、透明で優れた耐衝撃性を有する芳香族ポリカーボネートを用いたプラスチックレンズの需要が急速に高まっている。これに伴い、芳香族ポリカーボネートと比較して、更に優れた光学特性を有する眼鏡用レンズ材料の開発がさかんに行われている。
例えば、特開平12−63506に芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂材料が、レンズ材料としてパランスのとれた優れた光学特性を有する材料として開示されている。この材料をレンズ基材に用いた場合、レンズを通して物体を見た時、像の鮮明さの程度を表すアッベ数(アッベ数:レンズ素材の色収差の度合いを示す数値)が、通常の芳香族ポリカーボネートが29であるのに比べて、39と高く、鮮明な像として見えてくる。
更に、屈折率においては、光学用途材料として一般的なポリメチルメタクリレートが1.49であるのに対し、この材料は1.57で、通常の芳香族ポリカーボネートの1.59とほぼ同等の高屈折率を有しており、これは度付き眼鏡レンズに使用した際に、その厚みを薄くすることができ、軽量化が要望されている眼鏡レンズには好適である。
また偏光特性を有するサングラスは反射光のカット特性に優れた防眩性を有し、マリンスポーツ、スキー、釣り等のアウトドアーでの活動における有用性が広く認識されるようになり、その需要は最近急激な伸びを示している。特に芳香族ポリカーボネート製の場合は、耐衝撃性に優れるためにその傾向が顕著である。
一方、優れたフォトクロミック色素の開発が急速に進んでいるのに伴って、周囲の明るさに応じて透過率が変化することにより防眩性を有した、プラスチック製フォトクロミックサングラスの改善も著しく、やはり急速に人気を得つつある。
しかしながら、プラスチック製フォトクロミックサングラスの加工は容易ではなく、例えば、特開昭61−5910に記載のようなポリカーボネートレンズの製造において、用いるポリカーボネートシートを製造する際にフォトクロミック色素を含有させるような方法では応答速度、コントラストともに不充分なレンズしか得られない。ポリカーボネート以外の樹脂であっても防眩材料として使用が可能な強度を有するシートにおいては、練りこみの際にフォトクロミック色素の劣化が起きたり、練りこみが厄介であったり、得られる製品のコントラストや応答速度が遅い等の問題があるのが通常である。
また、レンズ基材においては、該基材に芳香族ポリカーボネートを使用した場合、前述のようにアッベ数が比較的小さいため像の鮮明さがやや劣り、また光弾性係数が高く内部歪が大きくなり、更なる光学特性の改善が望まれている。
このように、耐衝撃性に優れるポリカーボネートをレンズ基材として、像のゆがみや歪の少ない鮮明さが得られるレンズ材料の開発が要望されており、更には偏光特性や、周囲の明るさに応じて透過率が変化するフォトクロミック特性により、防眩性を有したレンズの、更なる性能の改善が要望されている。
発明の開示
本発明は、偏光特性やフォトクロミック特性を有し、防眩性と光学特性に優れたプラスチック成形体を提供することである。
本発明者らは、さまざまな方法に関して試行錯誤的な検討を進めた結果、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートを透明な基材として、該基材の少なくとも片側面に、フォトクロミック特性および/または偏光特性による機能性を付加することにより、防眩性を有し光学特性に優れたプラスチック成形体を得ることができ、その加工も容易であることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートを基材として、該基材の少なくとも片側面に、フォトクロミック特性を有する層および/または偏光特性を有する層を積層したプラスチック成形体を提供する。
以下本発明を詳細に説明する。
プラスチック基材の片側面に防眩性を付加する方法としては、例えば、フォトクロミック色素を含有した樹脂液を該基材に噴射や塗工、あるいは含浸させて、その後溶剤を揮発させるコーティング方法やフォトクロミック色素を予め含有したフィルムを該基材にラミネートする方法、更には偏光フィルムを基材に直接接着剤や粘着性フィルムを用いて貼り合わせたり、熱溶着や振動溶着を用いて貼り合わせる方法などが挙げられる。
本発明のプラスチック基材の片側に防眩性を付加する方法の好ましい態様としては、防眩性を有した合成樹脂積層体を用いて射出成形等により、該プラスチック基材に一体成形させる方法である。
該合成樹脂積層体に使用する透明な合成樹脂はポリカーボネート樹脂が好ましいが、耐衝撃性に優れ透明性に優れた強度のある樹脂であればポリカーボネートと同様に使用可能である。
また、防眩性を有する樹脂層は、フォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂であることが好ましく、偏光特性を有する樹脂層は、偏光フィルムであることが好ましい。
次に、断面図を用いて、本発明の好ましい態様である防眩性を有する合成樹脂積層体を用いる方法について詳述する。
図1のAは透明な合成樹脂層(以下(A)と言う)、Bはフォトクロミック特性を有する樹脂層および/または偏光特性を有する樹脂層(以下(B)と言う)、Cは透明な合成樹脂層(以下(C)と言う)、及びDは光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートよりなる基材(以下(D)と言う)である。
本発明のプラスチック成形体が度付きサングラス等の防眩用プラスチックレンズとして使用される場合、(A)側が外側で、(D)側が内側として使用される。例えば、本発明のプラスチックレンズ成形体が適用されたサングラスの使用者は、サングラスのレンズ内側の(D)側から外側の(A)側を通して対象物を見ることになる。
また、予め該合成樹脂積層体を曲面加工する場合には、(A)側が凸側、(C)側が凹側になるよう加工される。その後、該積層体の(C)側に射出成形法等により、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネート(D)を合着し、一体成形される。
まず、(D)のレンズ基材として用いられる光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートについて説明する。
本発明に用いられるレンズ基材となる樹脂材料は、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートで、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート叉は脂肪族ポリカーボネートよりなる、あるいは該芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート叉は脂肪族ポリカーボネートに芳香族ポリカーボネートを、重量比として40%以下、好ましくは10〜30%の範囲にて含有したものである。芳香族ポリカーボネートの配合比が40%を超える場合、レンズ基材のアッベ数が35以下となり、レンズを通して物体を見た場合の、像の鮮明さが失われてくる。
また耐衝撃性の観点からは、芳香族ポリカーボネートの特徴である高衝撃性が得られてくるが、眼鏡用途としては、過剰の衝撃性である。
本発明に用いる好ましい対応としての芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートは、特開平12−63506に開示されてあるものであり、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンとトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノールとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換法により芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートとした、色相に優れた芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂である。
また、更には本発明に用いる別の好ましい対応としての芳香族−脂肪族ポリカーボネートは、特開平12−302860に開示されてあるものであり、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとビスフェノール類とを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換法により芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートとした、色相に優れた芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂である。
また、本発明に用いる別の好ましい対応としては、特開平12−302860に開示される、ペンタシクロペンタデカンジメタノールを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換することにより得られる脂肪族ポリカーボネート、あるいは特開2001−11169に開示される、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとシクロヘキサン−1,4−ジメタノールとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換することにより得られる脂肪族ポリカーボネート、あるいは特開2001−11168に開示される、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノールとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換することにより得られる脂肪族ポリカーボネート、あるいは特開2001−11166に開示される、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとノルボルナンジメタノールとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換することにより得られる脂肪族ポリカーボネート、あるいは特開2001−11165に開示される、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとデカリン−2,6−ジメタノールとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル交換することにより得られる脂肪族ポリカーボネート等の脂肪族ポリカーボネートと芳香族ポリカーボネートからなる芳香族−脂肪族ポリカーボネートも好適に用いることができる。前記脂肪族ポリカーボネート中のペンタシクロペンタデカンジメタノール使用量は全ジオール化合物に対して30〜95モル%である。
また芳香族ポリカーボネートは、ビスフェノールAにより誘導されたポリカーボネートが好ましい。
次に、(A)、(B)、(C)で構成される合成樹脂層につき、説明する。
(A)と(C)は、透明性の高い樹脂であれば、特に限定されないが、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂叉は脂肪族ポリカーボネート、あるいは芳香族ポリカーボネート叉は脂肪族ポリカーボネートと芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートからなる樹脂、更にはポリメチルメタクリレート樹脂を使用することが好ましい。2個の透明な合成樹脂の組み合わせは、2個の透明な合成樹脂各々が芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂叉は脂肪族ポリカーボネート、あるいは芳香族ポリカーボネートと芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート叉は脂肪族ポリカーボネートからなる樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、更にはこれらの組み合わせが適用され、100〜2000μmの厚みを有する透明な合成樹脂が適用される。特にレンズ状に予め曲げ加工を施す場合は、100〜1000μmの厚みの合成樹脂シートを使用するのが好ましい。
特に(C)は、射出成形に用いる場合には100μm以上の厚みが必要である。この範囲を下まわる場合は、射出成形時にシワや亀裂が発生しやすい。
(B)は、偏光特性を有する樹脂層および/またはフォトクロミック特性を有する樹脂層である。
まず、図2の偏光特性を有するプラスチックレンズ成形体につき、説明する。
(A)は、厚みが50μm以上でレターデーション値(以下、Reと言う)が150nm以下、又は3000nm以上であることが好ましく、実質的には、波長が350nm以上の光を透過するシートであることが好ましい。
本発明において、合成樹脂層のレターデーション値(nm)は、下記の式によって定義された値である。
レターデーション値(Re)(nm)=Δn×d
ここで、Δnは合成樹脂層の複屈折であり、dは該合成樹脂層の厚み(nm)である。
上記範囲外のReでは、防眩材として使用されたときに着色干渉縞が発生し好ましくない。
(A)として、芳香族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、あるいは芳香族ポリカーボネートと芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート叉は脂肪族ポリカーボネートからなるブレンド樹脂が用いられる場合には、厚みが50〜200μmで、且つReが150nm以下、あるいは厚み300μm〜1mmで、且つReが3000nm以上であることが要求される。この範囲以外では、下記のいずれかの問題が発生する。
(1)曲面状に加工すると干渉模様が観察されるようになる。
(2)充分な強度がでない。
(3)外観性の良好な加工品を得られない。
(4)射出成形の際に偏光特性が損なわれる。
(5)原材料の入手が困難で実際的ではない。
本発明における前記レターデーション値を有するポリカーボネートは、例えば下記の方法によって、製造できる。
即ち、レターデーション値が150nm以下のシートは、キャスティング法あるいは無延伸押出法によって製造することができる。また、レターデーション値が3000nm以上のシートは、押出し法によってシート化し、ガラス転移点より若干高い温度(例えば約130〜約180℃)に加熱しながら、実質的に一方向に延伸することにより製造できる。この場合、延伸倍率はレターデーション値に影響を与える。
図2のeとgは接着剤層で、通常のPCフィルムと偏光フィルムの貼り合わせに用いられる接着剤ならばどのようなものでもかまわないが、ポリウレタン樹脂が、接着剤として好ましく使用される。
特に、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤からなる2液型のポリウレタンを使用することが後の加工のことを考えると好ましい。厚みは5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜50μmである。厚みが5μm未満の場合は、充分な接着力が得られにくい。また、100μmを越えると接着力は充分であるが、接着層の溶媒を揮発するのに時間がかかり、生産性や経済性が悪くなる。この層にUV吸収剤を添加して積層体にUVカット能を持たせることも可能である。
前述のように(C)は、射出成形に用いる場合には100μm以上の厚みが必要である。この範囲を下まわる場合は、射出成形時にシワや亀裂が発生しやすい。また、射出成形等の方法によって後で厚みを増す場合を除いては、本発明の合成樹脂積層体の全厚みが0.6mm以上となるように(C)の厚みを選択することが強度や質感の面から必要である。
前述のように接着剤層に使用されるウレタン系樹脂は、生産性、必要な装置を考慮すると、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤からなる2液型のポリウレタンを使用することが好ましい。
前記のポリウレタンプレポリマーとしてはイソシアネートとポリオールとを一定割合で反応させた化合物を用いる。すなわち、ポリウレタンプレポリマーはジイソシアネートとポリオールから得られる両末端がイソシアネート基を有する化合物である。ポリウレタンプレポリマーに使用されるジイソシアネート化合物としてはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)が好ましい。また、ポリオールとしては5〜30の重合度を有するポリプロピレングリコール(PPG)を使用することが好ましい。
ポリウレタンプレポリマーの分子量は数平均分子量500〜5000のものであり、好ましくは1500〜4000、より好ましくは2000〜3000である。
一方、前記の硬化剤としては水酸基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではなく、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が例示され、その中でも特定のイソシアネートと特定のポリオールから得られる末端に水酸基を有するポリウレタンポリオールが好ましい。特に、ジイソシアネートとポリオールから誘導される少なくとも両末端基に水酸基を有するポリウレタンポリオールが好ましく、該ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)を使用することが好ましい。また、ポリオールとしては重合度が5〜30のPPGを使用することが好ましい。
この硬化剤の分子量は数平均分子量500〜5000であり、好ましくは1500〜4000、より好ましくは2000〜3000である。
ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基(I)と硬化剤の水酸基(H)の比I/Hが0.9〜20、好ましくは1〜10を目安として使用することが好ましい。
これらのポリウレタンプレポリマー及び硬化剤は粘度調節のために酢酸エチル、テトラヒドロフラン及びトルエンなどの溶媒を使用してもよい。
図2のfは、偏光シートで、基本的にはどのような偏光フィルムでもかまわないが、厚みが10〜100μmあることが好ましい。厚みがこの範囲を下まわる場合、強度が弱くなったり、所望の偏光特性が得られにくい。また、この範囲を越える場合は、厚みの均一性が得られにくく、色ムラが発生しやすい。射出成形等の加熱を伴う加工を行うことを考慮すればヨウ素系の偏光フィルムはあまり好ましいと言えず、染料系の偏光フィルムが望ましい。特に、特開昭63−311203に記載のような、金属イオン及びホウ酸を用いて特殊な処理を施しフィルムを安定化させるような製造方法で作製される耐熱性の高いフィルムが望ましい。更に、UVカット特性を持った偏光フィルムを用いることは非常に好ましいことである。
特に、好ましい本発明の偏光特性を有するプラスチックレンズ成形体の製造方法は、次の通りである。
ポリウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む樹脂液を偏光フィルムに塗布する。その後20〜50℃の温度で約5〜60分間程度放置する。その後、透明な合成樹脂シートと樹脂液層を貼り合わせる。こうして得られた積層体の偏光フィルム側に溶剤を含む接着剤を塗布する。その後20〜50℃の温度で約5〜60分程度放置し溶剤を揮発させた後に、別の透明な合成樹脂層を接着剤と貼り合わせる。該積層体は、通常60〜140℃で、2時間〜1週間かけて加熱硬化させ、偏光特性を有する合成樹脂積層体を製造する。その後、レンズ形状に合わせて打ち抜き加工を行い、平板のまま、あるいはレンズ形状に真空圧縮加工等で曲げ加工を施し、射出成形加工を用いる場合は、該平板品あるいは曲げ加工品を金型に装着し、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートを該金型内に射出し、該曲げ加工品が合着したプラスチックレンズ成形体を得る。
次に、図3のフォトクロミック特性を有するプラスチックレンズ成形体につき、説明する。
前述したように、(A)と(C)は透明性の高い樹脂であれば、特に限定されない。
(B)のフォトクロミック特性を有する樹脂層の構成である図3のhは、フォトクロミック色素を含有する樹脂層でフォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層であることが好ましい。厚みは、50〜250μmであることが好ましい。厚み範囲がこの範囲を下まわる場合、紫外線が照射された際、発色が不十分でコントラストが低くなる。また、厚みがこの範囲を越える場合は、コントラストは充分であるが、非常に高価なフォトクロミック色素を多量に使用するため、経済性が悪くなる。フォトクロミック色素はウレタン系樹脂層との相溶性を有するものであれば特に限定されないが、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物及びナフトピラン系化合物が好ましい。
この層にUV吸収剤を添加して積層体にUVカット能を持たせることも可能である。
フォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層の形成法にも、下記のようなさまざまな方法が適用可能である。
(1)溶剤にポリウレタン樹脂、フォトクロミック色素を溶解させ、該溶液を(A)または(C)に塗布した後に溶剤を揮散させ、(C)または(A)と加熱下で貼り合わせる方法。
(2)フォトクロミック色素が練りこまれたポリウレタン樹脂を、透明な樹脂板の上に厚みが一定になるよう加熱融着させる。
(3)ポリウレタンプレポリマーにフォトクロミック色素及び硬化剤を溶解させた樹脂液を(A)または(C)に塗布し、溶剤を揮散させた(溶剤を含む場合)後、その面を(C)または(A)と貼り合わせ、その後硬化させる方法。
これらどの方法も原理的には採用可能である。
前記のフォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層に含有されるスピロピラン系化合物の具体例としては、1’,3’,3’−トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、1’,3’,3’−トリメチルスピロ−8−ニトロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、1’,3’,3’−トリメチル−6−ヒドロキシスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、1’,3’,3’−トリメチルスピロ−8−メトキシ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、5’−クロル−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニトロスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、6,8−ジブロモ−1’,3’,3’−トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、6,8−ジブロモ−1’,3’,3’−トリメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、8−エトキシ−1’,3’,3’,4’,7’−ペンタメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、5’−クロル−1’,3’,3’−トリメチルスピロ−6,8−ジニトロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、3,3,1−ジフェニル−3H−ナフト−(2,1−13)ピラン、1,3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2−メトキシ−5−ニトロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2−ニトロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2−ナフチルメチル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1,3,3−トリメチル−6’−ニトロ−スピロ〔2H−1−ベンゾピラン−2,2’−(2H)−インドール〕等が挙げられる。
前記のフォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層に含有されるスピロオキサジン系化合物の具体例としては、1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、5−クロル−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、4,7−ジエトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、5−クロル−1−ブチル−3,3−ジメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3,5−テトラメチル−9’−エトキシスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−ベンジル−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(2−メチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(4−ブロモベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(2−フルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,5,6−テトラメチル−3−エチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)ベンゾオキサジン〕、1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)−ベンゾオキサジン〕、6’−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−プロピル−スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、6’−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)−スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3−トリメチル−1−6’−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3−トリメチル−6’−(1−ピペリジル)スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3−トリメチル−6’−(1−ピペリジル)−6−(トリフルオロメチル)スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3,5,6−ペンタメチル−スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕等が挙げられる。
前記のフォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層に含有されるナフトピラン系化合物の具体例としては、3,3−ジフェニル−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、2,2−ジフェニル−2H−ナフト(1,2−b)ピラン、3−(2−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、3−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3−(4−エトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、3−(2−フリル)−3−(2−フルオロフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、3−(2−チエニル)−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、3−〔2−(1−メチルピロリル)〕−3−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン、スピロ〔ビシクロ(3.3.1)ノナン−9,3’−3H−ナフト(2,1−b)ピラン〕、スピロ〔ビシクロ(3.3.1)ノナン−9−2’−3H−ナフト(2,1−b)ピラン〕、4−[4−〔6−(4−モルフォルニル)−3−フェニル−3H−ナフト(2,1−b)ピラン−3−イル〕フェニル]−モルフォリン、4−〔3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−3H−ナフト(2,1−b)ピラン−6−イル〕−モルフォリン、4−〔3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン−6−イル〕−モルフォリン、4−[3−フェニル−3−〔4−(1−ピペリジル)フェニル〕−3H−ナフト(2.1−b)ピラン−6−イル]−モルフォリン、2,2−ジフェニル−2H−ナフト(2,1−b)ピラン等が挙げられる。
前記のフォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層に用いられるウレタン系樹脂は、生産性、必要な装置を考慮すると、前述の偏光特性を有するプラスチックレンズ成形体に接着剤として使用するポリウレタンプレポリマーと硬化剤からなる2液型のポリウレタンを使用することが好ましい。
特に、好ましい本発明のフォトクロミック特性を有するプラスチックレンズ成形体の製造方法は、次の通りである。
フォトクロミック色素、ポリウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む樹脂液を透明樹脂層に塗布する。その後20〜50℃の温度で約5〜60分間程度放置する。その後、別の透明な合成樹脂シートと樹脂液層を貼り合わせる。該積層体は、通常60〜140℃で、2時間〜1週間かけて加熱硬化させ、合成樹脂積層体を製造する。その後、レンズ形状に合わせて打ち抜き加工を行い、平板のまま、あるいはレンズ形状に真空圧縮加工法等で曲げ加工を施し、射出成形加工を用いる場合は、該平板品あるいは曲げ加工品を金型に装着し、光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートを該金型内に射出し、該平板品、あるいは曲げ加工品が合着したプラスチックレンズ成形体を得る。
次に、図4のフォトクロミック特性と偏光特性を併せ持つプラスチックレンズ成形体につき、説明する。
前述したように、(A)と(C)は透明性が高い樹脂であれば、特に限定されないが、偏光特性を有するプラスチックレンズ成形体と同様のものが使用でき、(A)は、厚みが50μm以上でレターデーション値(以下、Reと言う)が150nm以下、又は3000nm以上であることが好ましく、実質的には、波長が350nm以上の光を透過するシートであることが好ましい。
(C)は、前述と同様に、射出成形に用いる場は100μm以上の厚みが必要である。
図4のh′は、フォトクロミック色素を含有する樹脂層であるが、前述のフォトクロミック特性を有するプラスチックレンズ成形体と同様のものが使用でき、フォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層であることが好ましく、厚みは50〜250μmであることが好ましい。
図4のf′は、偏光フィルムであり、前述の偏光特性を有するプラスチック成形体と同様のものが使用できるが、透過率が30%以上の比較的に高透過率で、厚みが10〜100μmであることが好ましい。透過率が30%未満の場合、フォトクロミック特性を併せ持つので、紫外線が照射された際、高すぎる防眩性を有することになり、物体が逆に見えにくくなる。
図4のg′は、接着剤層であり、前述の偏光特性を有するプラスチック成形体と同様のものが使用でき、特に、前述のポリウレタンプレポリマーと硬化剤から成る2液型のポリウレタンが好ましい。
特に好ましい本発明のフォトクロミック特性と偏光特性を併せ持つプラスチックレンズ成形体の製造方法は、次の通りである。
フォトクロミック色素、ポリウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む樹脂液を偏光フィルムに塗布する。その後20〜50℃の温度で約5〜60分間程度放置する。その後、透明な合成樹脂シートと樹脂液層を貼り合わせる。こうして得られた積層体の偏光フィルム側に溶剤を含む接着剤を塗布する。その後20〜50℃の温度で約5〜60分程度放置し溶剤を揮発させた後に、別の透明な合成樹脂層を貼り合わせる。該積層体は、通常60〜140℃で、2時間〜1週間かけて加熱硬化させる。その後、レンズ形状に合わせて打ち抜き加工を行い、平板のまま、あるいはレンズ形状に真空圧縮加工等で曲げ加工を施し、射出成形加工を用いる場合は、該平板品あるいは曲げ加工品を金型に装着し、光弾性係数が55×10−12/N以下であるポリカーボネートを該金型内に射出し、該平板品、あるいは曲げ加工品が合着したプラスチックレンズ成形体を得る。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。
〔測定方法〕
(1)透過率は分光光度計(日本分光(株)製)を用いて測定した。
(2)単板透過率、平行位透過率(H0:同種の偏光性フィルムやシート2枚をその配向方向が互いに同じ方向になるよう重ね合わせたときの光透過率)、直交位透過率(H90:同種の偏光性フィルムやシートを2枚その配向方向が互いに垂直になるよう重ね合わせたときの光透過率)は可視部400〜700nmにおける視感度補正を行った平均値である。
(3)偏光度は次式により求めた。
Figure 0004779297
(4)シートのレターデーション値は偏光顕微鏡(オーク製作所製:TEM−120AFT)により、測定した。
(5)アッベ数は、アッベ屈折計((株)アタゴ製)にて測定し、計算して求めた。
アッベ数=(n−1)/(n−n
、n、n:フラウンホーファー線のC線(λ=656nm)、
D線(λ=589nm)、F線(λ=486nm)
に対する屈折率
(6)光弾性係数の測定は、自動エリプソメータ(溝尻光学(株)製、型式DVA−36L)を使用し、透明な基材となる樹脂のフィルムサンプルに、荷重を加えて測定した。
(7)紫外線照射下での透過率は、超モノクロ光源(日本分光(株)製)で360nmの単一波長光を照射させながら透過率を測定(照射開始後5分経過して後)した。
(8)鮮明性の度合い検査として、図5に示す寸法表を用い、視力1.0の人がレンズを通して該寸法表を見た際に、鮮明に見える範囲の最小寸法を調査した。また、検査は室内で実施した。
尚、該寸法表は、縦幅7mm×横幅41mmの長方形となった黒塗り枠内に、均一な特定寸法の線幅を持った白抜き線が40本、等間隔に描かれたもので、線幅の異なる8種類(25μm間隔にて、最小25μmから最大200μmの範囲)が描かれたものである。
(9)光弾性歪観察は、2枚の偏光シートの間にレンズ成形サンプルを置き、2枚の偏光シートの下から蛍光灯を照射し、内部歪の様子を観察した。
実施例1
(1)偏光フィルムの調製
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ株式会社製、商品名:クラレビニロン#7500)を、クロランチンファストレッド(C.I.:Direct Red 81)0.45g/L、ブリリアントブルー6B(C.I.:Direct Blue 1)0.40g/L、ダイレクトコッパーブルー2B(C.I.:Direct Blue 168)0.45g/L、プリムラブルー6GL(C.I.:Direct Blue 202)1.20g/L、及びクリソフェニン(C.I.:Direct Yellow 12)0.35g/Lを含む水溶液(染色液)中で35℃にて6分間染色した後、染色液中で1軸方向に5倍延伸した。
次いで当該フィルムを延伸状態を保持した状態で、酢酸ニッケル4水塩 0.30g/L、及びホウ酸 12.2g/Lを含む水溶液(処理液)中に室温で3分間浸漬した。さらに当該フィルムの緊張状態を保持したままで液中より取りだし、水洗、乾燥を行った後に110℃で7分間加熱処理した。
得られた偏光フィルムはグレイ色で、厚みが30μmであり、その光学特性は、単板透過率=20.6%、偏光度=99.8%であった。
(2)接着材層用樹脂液の調製
プレポリマー15g、硬化剤3g及び酢酸エチル27gを均一になるよう混合した。
但し、上記プレポリマーは、NCO基当量重量(当量重量とは官能基1個当たりの平均分子量)が1500のポリウレタンプレポリマー(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)と平均重合度15のポリプロピレングリコール(PPG)から調製したものである。)である。また、上記硬化剤は、水酸基当量重量が1050である硬化剤(トリレンジイソシアネートと平均重合度が10のポリプロピレングリコールから調製したものである。)である。
(3)積層体の作製
(2)の方法で得られた樹脂液を接着剤として(1)で得られた偏光フィルムにバーコーター#24を使用して、溶剤が揮発した後の厚みが10μmとなるように塗布した。その後45℃の雰囲気下に10分間放置後、該樹脂液面と厚み300μmでReが120nmの芳香族ポリカーボネートフィルムを貼り合わせた。その後、更に偏光フィルム側に樹脂液を前記バーコーター#24にて塗布し、更に45℃の雰囲気下に10分間放置した。次いで厚み300μmでReが120nmの芳香族ポリカーボネートフィルムを貼り合わせた。
この積層体を70℃で2日間加熱硬化させた。得られた積層体をマイクロメータで測定したところ、全厚みは680μmであった。
透過率=20.2%、偏光度=99.8%であり、色調はグレイであった。
また積層体の外観性は非常に良好なものであった。
(4)プラスチックレンズ成形体の作製
型締力100tonの射出成形機を用い、(3)で作製した積層体を予めφ70mmで打ち抜いた平板シートを、射出成形により成形品に付着させるため、曲面形状(球面半径=250mm)のキャビティを有する設定温度110℃の金型内に装着し、設定温度260℃の成形機シリンダー内で該金型キャビティを満たすに充分な予め100℃で6時間以上熱風乾燥機に入れておいた、光弾性係数が37×10−12/Nのポリカーボネートを計量した後、該平板シートを予め装着し、閉じられた金型キャビティ内へ該溶融樹脂を射出注入し、次に、800kg/cmで10秒間、更に300kg/cmの保持圧力で65秒間保持した後、120秒間金型内で成形品を冷却固化させた。
その後金型を開き、成形品を金型内から取り出した。該成形品の形状は、中心肉厚が3mmで外周厚みが9mm、外径φ76mmであった。
尚、用いた光弾性係数が37×10−12/Nのポリカーボネート樹脂は、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン50モルとトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノール50モルと炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル法による芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートである。また該樹脂材料のアッベ数は39である。
得られた成形品の表面には予め装着しておいた平板シートが密着しており、良好な外観の成形品が得られた。また、該成形品は、偏光特性を有しており、虹色干渉模様などは観察されなかった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、鮮明であり、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、良好な結果であった。また光弾性歪観察では内部歪も少なかった。
実施例2
レンズ基材に用いる樹脂材料として、光弾性係数が48×10−12/Nのポリカーボネートを用いた以外は、実施例1と同様の方法でプラスチックレンズ成形体を得た。
尚、用いた光弾性係数が48×10−12/Nのポリカーボネートは、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートと芳香族ポリカーボネートの重量配合比を70/30とした材料で、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂は、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン50モルとトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノール50モルとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル法による芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートである。また芳香族ポリカーボネートはビスフェノールAにより誘導されたものである。また該樹脂材料のアッベ数は36である。
得られた成形品の表面には予め装着しておいた平板シートが密着しており、良好な外観の成形品が得られた。また、該成形品は、偏光特性を有しており、虹色干渉模様なども観察されなかった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、鮮明であり、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、良好な結果であった。また光弾性歪観察では内部歪も少なかった。
実施例3
(1)偏光フィルムの調製
実施例1と全く同様に行った。
(2)積層体の作製
厚さ300μmで、Reが80nmの光弾性係数が37×10−12/Nのポリカーボネートシート2枚を用いて実施例1と同様な方法で、全厚みが約670μmの積層体を得た。
尚、用いた光弾性係数が37×10−12/Nのポリカーボネート樹脂は、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン50モルとトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノール50モルとを炭酸ジエステルの存在下、溶融エステル法による芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートである。
この積層体の透過率=20.1%、偏光度=99.8%であった。
この積層体を用いて実施例1と同様の方法でプラスチックレンズ成形体を作製した。得られたプラスチックレンズ成形体は、内部歪が少ないもので、また外観性も、ユガミ等が観察されることもなく非常に良好であり、干渉模様等も観察されなかった。
実施例4
(1)フォトクロミック色素含有樹脂液の調製
プレポリマー15g、硬化剤3g、フォトクロミック色素4−〔3,3−ビス(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラン−6−イル〕−モルフォリン0.18g、ヒンダードアミン化合物〔ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート〕0.18g及びテトラヒドロフラン12gを均一になるよう混合した。
但し、上記プレポリマーは、NCO基当量重量(当量重量とは官能基1個当たりの平均分子量)が1500のポリウレタンプレポリマー(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)と平均重合度15のポリプロピレングリコール(PPG)から調製したものである。)である。また、上記硬化剤は、水酸基当量重量が1050である硬化剤(トリレンジイソシアネートと平均重合度が10のポリプロピレングリコールから調製したものである。)である。
(2)積層体の作製
(1)の方法で得られた樹脂液を厚み300μmの芳香族ポリカーボネートシートに塗布厚み300μmのドクターブレード(ヨシミツ精機(株)製)で塗布した。その後45℃の雰囲気下に10分放置後、該樹脂液面と厚みが300μmである別の芳香族ポリカーボネートフィルムを貼り合わせた。この積層体の厚みをマイクロメーターで測定したところ、720μmであり、フォトクロミック特性を有する樹脂層の厚みが120μmであることが判った。
この積層体を70℃で2日間加熱硬化させた。得られた積層体の全厚みは705μmであった。
(3)プラスチックレンズ成形体の作製
実施例1と同様にして、フォトクロミック特性を有するプラスチックレンズ成形体を得た。
得られた成形品の表面には予め装着しておいた平板シートが密着しており、良好な外観の成形品が得られた。また、該成形品は、フォトクロミック特性を有した歪の少ないものであった。
得られた成形品は、光を照射しないときの透過率=82%、色調は薄い透明なオレンジ色であった。
一方これに太陽光を照射すると10秒以内に濃いオレンジ色に変化し、照射をやめるともとの薄いオレンジ色に20秒程度の短時間で戻ることが判った。
紫外光照射時の単板透過率は52%であり、太陽光下での目視の観察結果を数値的に裏付けるものであった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、鮮明であり、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、良好な結果であった。また光弾性歪観察では内部歪も少なかった。
実施例5
(1)フォトクロミック色素含有樹脂液の調製
実施例4と同様にして樹脂液を調整した。
(2)偏光フィルムの調製
高透過率の偏光フィルムを得るため、実施例1の染料の配合量を、クロランチンファストレッド(C.I.:Direct Red 81)0.37g/L、ブリリアントブルー6B(C.I.:Direct Blue 1)0.28g/L、ダイレクトコッパーブルー2B(C.I.:Direct Blue 168)0.28g/L、プリムラブルー6GL(C.I.:Direct Blue 202)0.93g/L、及びクリソフェニン(C.I.:Direct Yellow 12)0.28g/Lとした水溶液(染色液)を使用した以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。
得られた偏光フィルムは薄いグレイ色で、厚みが30μmであり、その光学特性は、単板透過率=41.8%、偏光度=96.3%であった。
(3)接着材層用樹脂液の調製
実施例1と同様にした。
(4)積層体の作製
(1)の方法で得られた樹脂液を(2)で得られた偏光フィルムに塗布厚み300μmのドクターブレード(ヨシミツ精機(株)製)で塗布した。その後45℃の雰囲気下に10分放置後、該樹脂液面と厚み120μmでReが60nmのポリカーボネートフィルムを貼り合わせた。この積層体の厚みをマイクロメーターで測定したところ、313μmであり、フォトクロミック特性を有する樹脂層の厚みが163μmであることが判った。
ついでこの積層体の偏光フィルム側にウレタン系接着剤をバーコーター#24を使用して、溶剤が揮発した後の厚み10μmとなるように塗布した。それから、溶剤を揮発後に厚み300μmのポリカーボネートシートを貼り合わせた。
この積層体を70℃で2日間加熱硬化させた。得られた積層体の全厚みは620μmであった。
光を照射しないときの透過率=41.5%、偏光度=96.3%であり、偏光フィルムそのものの光学特性と殆ど同じであった。色調は薄いグレイであった。
一方これに太陽光を照射すると10秒以内に濃いかっ色に変化し、照射をやめるともとの薄いグレイ色に10秒程度の短時間で戻ることが判った。
紫外光照射時の単板透過率は23.0%、偏光度=96.3%であり、太陽光下での目視の観察結果を数値的に裏付けるものであった。
また積層体の外観性は非常に良好なものであった。
(5)プラスチックレンズ成形体の作製
実施例1と同様にして、プラスチックレンズ成形体を得た。
得られた成形品の表面には予め装着しておいた平板シートが密着しており、良好な外観の成形品が得られた。また、該成形品は、フォトクロミック特性と偏光特性を有した歪の少ないものであった。
得られた成形品は、光を照射しないときの透過率=41.2%、色調は薄い透明なグレイ色であった。
一方これに太陽光を照射すると10秒以内に濃いかっ色に変化し、照射をやめるともとの薄いグレイ色に20秒程度の短時間で戻ることが判った。
紫外光照射時の単板透過率は22.8%であり、太陽光下での目視の観察結果を数値的に裏付けるものであった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、鮮明であり、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、良好な結果であった。また光弾性歪観察では内部歪も少なかった。
比較例1
レンズ基材に用いる樹脂材料として、光弾性係数が78×10−12/Nの芳香族ポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製、ユーピロンH4000)を使用し、射出成形機のシリンダ温度設定を280℃、金型温度設定120℃とした以外は、実施例1と同様にして、偏光特性を有したプラスチックレンズ成形体を得た。
得られたサンプルの外観としては、外側面である凸面側から見るとレンズ基材の内部歪が原因となる虹色の干渉模様が見られ、外観の悪いものであった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、実施例1ほど鮮明でなく、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、実施例1に比べ鮮明性が劣っていた。また光弾性歪観察では内部歪が比較的大きかった。
比較例2
レンズ基材に用いる樹脂材料として、光弾性係数が78×10−12/Nの芳香族ポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製、ユーピロンH4000)を使用し、射出成形機のシリンダ温度設定を280℃、金型温度設定を120℃とした以外は、実施例4と同様にして、フォトクロミック特性を有したプラスチックレンズ成形体を得た。
得られた成形品は、光を照射しないときの透過率=82%、色調は薄い透明なオレンジ色であった。
一方これに太陽光を照射すると10秒以内に濃いオレンジ色に変化し、照射をやめるともとの薄いオレンジ色に20秒程度の短時間で戻ることが判った。
紫外光照射時の単板透過率は52%であり、太陽光下での目視の観察結果を数値的に裏付けるものであった。
また得られた該プラスチックレンズ成形体を通して物体を見た際の像は、実施例4ほど鮮明でなく、鮮明性の度合い検査結果を表−1に示すが、実施例4に比べ鮮明性が劣っていた。また光弾性歪観察では内部歪が比較的大きかった。
Figure 0004779297
産業上の利用可能性
本発明のプラスチックレンズは、偏光特性およびまたはフォトクロミック特性を持っているので、防眩用途に好適に使用でき、射出成形と組み合わせることによって、合成樹脂製の度付きサングラスの作製を容易にしたものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のプラスチック成形体の断面図である。
図2は、本発明の偏光特性を有するプラスチック成形体の断面図である。
図3は、本発明のフォトクロミック特性を有するプラスチック成形体の断面図である。
図4は、本発明のフォトクロミック特性および偏光特性を有するプラスチック成形体の断面図である。
図5は、鮮明性の度合い検査に用いた寸法表である。

Claims (12)

  1. 光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートを基材として、該基材の少なくとも片側面に、2個の透明な合成樹脂層と、該2個の透明な合成樹脂層に介在するフォトクロミック特性を有する樹脂層および/または偏光特性を有する樹脂層を持った合成樹脂積層体を積層したプラスチック成形体。
  2. 該プラスチック成形体が、プラスチックレンズである請求項1に記載のプラスチック成形体。
  3. 前記のプラスチックレンズが、球面状であって、その凸面側に、2個の透明な合成樹脂層と、該2個の透明な合成樹脂層に介在するフォトクロミック特性を有する樹脂層および/または偏光特性を有する樹脂層を持った合成樹脂積層体を積層してなる請求項2に記載のプラスチック成形体。
  4. 前記の光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートが、芳香族−脂肪族共重合体ポリカーボネートと芳香族ポリカーボネートからなり、重量比で100/0〜60/40である請求項1に記載のプラスチック成形体。
  5. 前記の光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートが、脂肪族ポリカーボネートと芳香族ポリカーボネートからなり、重量比で100/0〜60/40である請求項1に記載のプラスチック成形体。
  6. 前記2個の透明樹脂層が芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項記載のプラスチック成形体。
  7. 前記2個の透明樹脂層の、少なくとも片方が前記の光弾性係数が55×10−12/N以下のポリカーボネートよりなる合成樹脂積層体であることを特徴とする請求項に記載のプラスチック成形体。
  8. 前記フォトクロミック特性を有する樹脂層が、ジイソシアネート及びポリオールから得られたポリウレタンにフォトクロミック色素を添加したものである請求項に記載のプラスチック成形体。
  9. 前記偏光特性を有する樹脂層が、金属イオン及びホウ酸を用いて処理された偏光フィルムを使用する合成樹脂積層体である請求項に記載のプラスチック成形体。
  10. 片側面に偏光特性を有するプラスチック成形体が、該成形体の基材に積層する合成樹脂積層体の内、偏光特性を有する樹脂層の外側にある透明な合成樹脂層の厚みが50μm以上で、レターデーション値が150nm以下、または3000nm以上であることを特徴とする請求項に記載のプラスチック成形体。
  11. 前記基材の片面側に偏光フィルムを積層し、さらに該偏光フィルム面上にフォトクロミック色素を有する樹脂層を積層した請求項1記載のプラスチック成形体。
  12. 前記基材と前記合成樹脂積層体が、射出成形法によって合着されてなる請求項記載のプラスチック成形体。
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