JPWO2014115705A1 - 着色低偏光フィルム、着色低偏光シート、およびレンズ、並びにこれらの製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、芳香族ポリカーボネートは光弾性定数が大きいので、サングラスやゴーグルのような球面あるいは非球面の面形状に曲げ加工を施した際に、リタデーションによる着色干渉縞が生じやすく、この着色干渉縞が外観を損ね、眼精疲労を引き起こす等の問題を抱えている。
より高性能の偏光レンズとの観点からは、より高い二色比を示す染料を用いることにより偏光レンズに入射した光の垂直方向の偏光成分の吸収をより少なくしたものが求められている。
この際に、ポリビニルアルコールフィルムへの二色性色素の染着量を各色で変えることにより、所望の色調や透過率の偏光レンズを得ることが出来る。
高透過、高偏光品の場合、二色比が高い染料の組み合わせを用い、加工工程におけるその劣化も小さく保つことが必須である。この点から、特に高透過、高偏光のものは、劣化の激しい熱曲げ工程を用いないものとなり、二次元曲げ品や曲げの極めて小さい三次元曲げ品に限定されている。
サングラス用のPVA偏光フィルムとしては、偏光度99%以上で、全光線透過率30%以上のものもあるが、全光線透過率は概ね10〜25%程度である。
この方法では、用いる二色性色素の種類により得られる色の範囲が狭い範囲となり、また、球面あるいは非球面の面形状に曲げ加工、曲げ加工品の凹面への透明樹脂の射出成形などの成形工程における色変化も相対的に大きいという課題があった。
実質的に変化しないことが確認された。
この結果から、色変化は、球面あるいは非球面の面形状に曲げ加工する工程にて、主に発生するものであることがわかった。
さらに、成形前後での色調や透過率の変化が大きいと、色調や透過率が変化する量が一定ではなく、バラツキが大きくなり、成形した製品間で色調や透過率の差が生じてしまうという問題があった。
偏光度が低いことから、偏光サングラスとは言われないが、所定の低い偏光度で、所定の低い全光線透過率のサングラスもある。
このサングラスを調べたところ、所定の低い偏光度の高透過率のPVA偏光フィルムと所定範囲の低透過率の着色フィルムを重ねて用いることにより、所定範囲の低い透過率とされたものが確認された。
この方法は、所定の色と透過率の着色フィルムを併用しなければならないとの問題点があるが、着色フィルムの色と透過率の選択により、着色フィルムの色調をもった低透過率のサングラスが製造できるとの利点を持ったものである。
(1)ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥することにて製造された偏光フィルムにおいて、前記二色性有機染料が、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と、二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とにより染色された偏光度が45%〜90%である着色低偏光フィルムである。
(2)前記の二色性有機染料組成物が、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量であること、
(3)前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量である着色低偏光フィルムである。
(4)ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥することからなる偏光フィルムの製造法において、前記二色性有機染料が、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と、二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の染着用有機染料組成物とを用いてなる偏光度が45%〜90%であることを特徴とする着色低偏光フィルムの製造法である。
(5)前記の染色を同じ水溶液中に溶解させた前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを用いること、
(6)前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いること、
(7)前記着色用有機染料組成物を透過率が50〜8%で、前記二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量で用いること、または、
(8)前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの実測値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返すことによる着色低偏光フィルムの製造法である。
(9)ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥してなる偏光フィルムの両面に接着層を介して透明プラスチックシートを貼り合わせた偏光シートにおいて、前記偏光フィルムの偏光度が45%〜90%である所望色の着色低偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの製造に用いる前記二色性有機染料として、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とを用いてなることを特徴とする着色低偏光シートである。
(10)前記の染色を、二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを同じ水溶液中で用いてなるものであること、
(11)前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いること、
(12)前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量であること、
(13)透明プラスチックシートの樹脂が、芳香族ポリカーボネート、ポリアクリレート、アセチルセルロース、及び芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステルとの組成物からなる群より選択される1つ以上であること、
(14)前記透明プラスチックシートが芳香族ポリカーボネートシートであり、複屈折3000nm以上で厚み0.1〜1mmであること、
(15)前記接着層に、ポリウレタンプレポリマーとヒドロキシ(ポリ)アクリレートとを含む硬化剤からなる2液型の熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いるものであること、
(16)前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返してなることを特徴とする着色偏光フィルムである着色低偏光シートである。
(17)ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥してなる偏光フィルムの両面に接着層を介して透明プラスチックシートを貼り合わせた偏光シートを球面あるいは非球面に曲げた曲げ偏光レンズまたは該偏光シートを球面あるいは非球面に曲げてその凹面に透明樹脂を射出成形してなる射出偏光レンズにおいて、前記透明樹脂が芳香族ポリカーボネートであって、前記偏光シートの片側表面が芳香族ポリカーボネートで、該片側表面が凹面側となるように曲げ加工してなり、前記偏光フィルムの偏光度が45%〜90%である所望色の着色低偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの製造に用いる前記二色性有機染料として、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とを用いてなることを特徴とする着色低偏光レンズである。
(18)前記の染色を、二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを同じ水溶液中で用いてなるものであること、
(19)前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いこと、
(20)前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量であること、
(21)透明プラスチックシートの樹脂が、芳香族ポリカーボネート、ポリアクリレート、アセチルセルロース、及び芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステルとの組成物からなる群より選択される1つ以上であること、
(22)前記透明プラスチックシートが芳香族ポリカーボネートシートであり、複屈折3000nm以上で厚み0.1〜1mmであること、
(23)前記接着層に、ポリウレタンプレポリマーとヒドロキシ(ポリ)アクリレートとを含む硬化剤からなる2液型の熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いるものであること、
(24)前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返してなることを特徴とする着色偏光フィルムである着色低偏光レンズである。
偏光フィルムは、基材となる樹脂フィルムを水中で膨潤させた後に、本願発明の二色性有機染料を含有する染色液に、一方向に延伸させつつ含浸することにより、二色性色素を基材樹脂中に配向した状態で分散させて、偏光性及び所望の色調を付与したフィルムを得ることによる。
(1)PVAを水中にて膨潤させつつ水洗し、適宜、不純物を取り除き、
(2)適宜、延伸しつつ、
(3)染色槽にて染色し、
(4)ホウ酸または金属化合物による処理槽にて架橋乃至キレート化処理し、
(5)乾燥する、
との工程にて製造される。尚、工程(2)、(3)(場合により(4))は、適宜、その順序をかえても、また、同時に行っても良いものである。
本発明では、加工性が良いことが重要であるので、延伸倍率を3.5〜6.5倍、特に4.0〜6.0倍から選択し、この状態でも配向性を維持するのが好ましい。
延伸配向された状態で、水中に存在する時間、さらに乾燥までの時間が長いと配向緩和が進むものであることから、より高い性能を維持するとの観点からは延伸処理はより短時間となるように設定し、延伸後は、出来るだけ早く水分を除く、すなわち、直ちに乾燥工程に導き過剰な熱負荷を避けつつ乾燥させることが好ましい。
温度は、高い生産性との要求から通常は40〜80℃の高温から選択されるが、本発明では通常25〜45℃、好ましくは30〜40℃、特に30〜35℃から選択する。
前者のホウ酸による処理はPVA鎖間の架橋にて耐熱性を向上させるものであるが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸の前中後のいずれでも可能であり大きな変化はない。また、後者の金属化合物は主に、染料分子とキレート化合物を形成して安定化させるものであり、通常、染色後或いは染色と同時に行う。
より具体的な例としては、例えば、酢酸マンガン(II)四水和物、酢酸マンガン(III)二水和物、硝酸マンガン(II)六水和物、硫酸マンガン(II)五水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、硝酸コバルト(II)六水和物、硫酸コバルト(II)七水和物、酢酸ニッケル(II)四水和物、硝酸ニッケル(II)六水和物、硫酸ニッケル(II)六水和物、酢酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、硝酸クロム(III)九水和物、酢酸銅(II)一水和物、硝酸銅(II)三水和物、硫酸銅(II)五水和物などが挙げられる。これらの金属化合物のうち、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いることもできる。
処理に用いる処理液の組成は以上の含有率を満たすように設定され、一般的には、金属化合物の濃度は0.5〜30g/L、ホウ酸濃度は2〜20g/Lであることが好ましい。
偏光フィルムに含有される金属およびホウ素の含有率の分析は、原子吸光分析法により
行うことができる。
乾燥は表面から進むものであり、両表面から乾燥させることが好ましく、乾燥空気送風にて水蒸気を除きつつ行うことが好ましい。また、周知のように、過剰な加熱を避ける点から、蒸発した水分を直ちに除去して蒸発を促進させる方法が温度上昇を抑えた乾燥ができる点から好ましく、乾燥空気の温度を乾燥状態の偏光フィルムが実質的に変色しない温度以下の範囲から、通常、70℃以上、好ましくは90〜120℃の温度で、1〜120分間、好ましくは3〜40分間にて送風乾燥する。
本発明では、上記した工程(3)において、
(3−1).二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と、
(3−2).二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物と、
(3−3).この両者を用いて染色することを特徴とする。
また、前記(3−2)の着色用有機染料組成物は、通常、透過率が50〜8%の範囲とし、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量から選択される。
また、色調は、主に着色用有機染料組成物にて調整され、偏光度の変化を実質的に考慮することなく使用量比の変更に対応した広い範囲の色調が得られる。
(1).二色性有機染料および着色用有機染料のそれぞれ単独にて染色したPVA偏光フィルムの物性値を測定し、
(2).前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との目的物性値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し(以下、算出値1と記す)、
(3).算出値1に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの物性値を測定し(以下、物性値1と記す)、
(4).物性値1と前記目的物性値とを比較し、算出値1を再調整した値を求め(以下、算出値2と記す)、
(5).算出値2に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの物性値を測定し(以下、物性値2と記す)
(6).物性値2と前記の目的物性値とを比較し、
(7).前記目的物性値に到達していないと判断される場合、算出値の再調整、偏光フィルム製造、物性値の測定を適宜、繰り返す方法による。
本発明の範囲は主に中間的な偏光度の範囲、例えば、偏光度が45〜90%未満の範囲、好ましくは50〜85%未満の範囲、より好ましくは55〜80%未満の範囲である。この範囲において、二色比の高い二色性有機染料組成物の場合、偏光度の変化に対する透過率の変化は比較的に小さい。故に、着色用有機染料組成物にて透過率を調整し、その後、二色性有機染料組成物により偏光度を調整することが挙げられる。
Sumilight Supra Yellow BC conc(C.I.Direct Yellow28)
Kayarus Light Yellow F8G(C.I.Direct Yellow87)
Kayacelon Yellow C-2RL(C.I.Direct Yellow164)
Direct Fast Orange S (C.I.Direct Orange26)
Sumilight Supra Orange 2GL 125%(C.I.Direct Orange39)
Nippon Fast Scarlet GSX(C.I.Direct Red4)
Fast Scarlet 4BS(C.I.Direct Red23)
Sumilight Red 4B(C.I.Direct Red81)
Kayarus Supra Blue BWL 143(C.I.Direct Blue237)
Kayarus Supra Brown GL 125(C.I.Direct Brown195)
Kayarus Supra Brown B2R(C.I.Direct Brown209)
Kayarus Supra Brown GTL(C.I.Direct Brown210)
偏光フィルムが所望の色調、本発明では実質的に無色となるように、二色性有機染料を通常3種以上組み合わせて、所定の透過率が得られるような濃度で染色液中に各色の直接染料を溶解あるいは分散させる。
染色液には直接染料の他に、染色助剤として硫酸ナトリウム等の無機塩を適宜添加する。
Direct Brilliant Pink B(C.I.Direct Red9)
Kayarus Light Red F5G(C.I.Direct Red225)
Direct Light Rose FR(C.I.Direct Red227)
Sumilight Supra Turquoise Blue G(C.I.Direct Blue86)
Direct Supra Blue FFRL(C.I.Direct Blue108)
Kayarus Cupro Green G(C.I.Direct Green59)
Direct Fast Black B(C.I.Direct Black22)
Sunchromine Yellow MR(C.I.Mordant Yellow3)
Chrome Yellow AS(C.I.Mordant Yellow5)
Chrome Yellow 3R(C.I.Mordant Yellow8)
Chrome Yellow PG(C.I.Mordant Yellow23)
Chrome Orange FL(C.I.Mordant Orange29)
Chrome Red B conc.(C.I.Mordant Red7)
Chrome Red 5G(C.I.Mordant Red19)
Sunchromine Brilliant Violet R conc.(C.I.Mordant Violet1:1)
Chrome Fine Violet R(C.I.Mordant Violet1)
Chrome Cyanine BXS(C.I.Mordant Blue1)
Mordant Blue B 120%(C.I.Mordant Blue13)
Chrome Cyanine BLA(C.I.Mordant Blue29)
Mordant Green L(C.I.Mordant Green17)
Chrome Green 3B-N(C.I.Mordant Green28)
Mordant Brown KS(C.I.Mordant Brown15)
Chrome Brown LE(C.I.Mordant Brown19)
Chrome Brown RH(C.I.Mordant Brown33)
Chrome Black P2B(C.I.Mordant Black7)
Chrome Black PLW(C.I.Mordant Black9)
Chrome Black ET-1(C.I.Mordant Black11)
Chrome Navy CR 158%(C.I.Mordant Black17)
Chrome Light Grey G(C.I.Mordant Black38)
Chrome Bordeaux FB
Alizarine Chrome Brilliant Blue BL
Chrome Blue 2G
Sumifix Yellow GR 150%(C.I Reactive Yellow15)
Lanasol Yellow 4G(C.I Reactive Yellow39)
Sumifix Golden Yellow GG(A) 150%(C.I Reactive Yellow76)
Kayacion Yellow E-S4R(C.I Reactive Yellow84)
Novacron Yellow P-6GS gran(C.I Reactive Yellow95)
Kayacion Yellow E-SNA(C.I Reactive Yellow102)
Kayacion Yellow E-SN4G(C.I Reactive Yellow105)
Drimarene Yellow K-2R CDG(C.I Reactive Yellow125)
Sumifix Supra Yellow 3RF 150% gran(C.I Reactive Yellow145)
Sumifix Supra Brilliant Yellow 3GF 150% gr(C.I Reactive Yellow167)
Novacron Yellow C-R(C.I Reactive Yellow168)
Novcron Yellow C-5G(C.I Reactive Yellow175)
Kayacion Yellow CF-3RJ 150
Kayacion Yellow E-CM
Procion Orange PX-RN(C.I.Reactive Orange5)
Remazol Brilliant Orange 3R Special(C.I.Reactive Orange16)
Levafix Yellow E-3RL gran(C.I.Reactive Orange30)
Levafix Orange E-3GA gran(C.I.Reactive Orange64)
Remazol Golden Yellow RNL gran 150%(C.I.Reactive Orange107)
Drimaren Rubinol X3LR CDG(C.I.Reactive Red55)
Brilliant Red G SPL(C.I.Reactive Red112)
Brilliant Red 7BF Liq 25%(C.I.Reactive Red114)
Lanasol Red 2G(C.I.Reactive Red116)
Levafix Scarlet E-2GA gran(C.I.Reactive Red124)
Levafix Brilliant Red E-4BA gran(C.I.Reactive Red158)
Levafix Brilliant Red E-6BA gran(C.I.Reactive Red159)
Remazol Brilliant Red F3B gran(C.I.Reactive Red180)
Supra Brilliant Red 3BF 150% gran(C.I.Reactive Red195)
Remazol Red RB 133%(C.I.Reactive Red198)
Supra Scarlet 2GF 150G(C.I.Reactive Red222)
Novacron Red P-6B Gran. 150%
Novacron Red C-2G
Kayacion Violet A-3R(C.I.Reactive Violet1)
Remazol Brill. Violet 5R(C.I.Reactive Violet5)
Drimaren Violet K-2RL CDG(C.I.Reactive Violet33)
Remazol Brill. Blue RN(C.I.Reactive Blue19)
Sumifix Turquoise Blue G(N) conc.(C.I.Reactive Blue21)
Novacron Blue P-3R IN(C.I.Reactive Blue49)
Lanasol Blue 3R(C.I.Reactive Blue50)
Drimarene Blue X-3LR CDG(C.I.Reactive Blue52)
Lanasol Blue 3G(C.I.Reactive Blue69)
Novacron Turquoise P-GR 150%(C.I.Reactive Blue72)
Drimarene Navy X-RBL CDG(C.I.Reactive Blue79)
Lanasol Blue 8G-01 150%(C.I.Reactive Blue185)
Drimarene Blue K-2RL CDG(C.I.Reactive Blue209)
Sumifix Supra Blue BRF 150% gran.(C.I.Reactive Blue221)
Sumifix Supra Navy Blue BF gran.(C.I.Reactive Blue222)
Sumifix Supra Turquoise Blue BGF(N)(C.I.Reactive Blue231)
Novacron Blue C-R(C.I.Reactive Blue235)
Kayacion Blue CF-GJ 150
Kayacion Blue CF-BL
Kayacin Marine E-CM
Kayacion Navy E-CM
Sumifix Supra Navy Blue 3GF 150% gran
Levafix Brown E-2R gran(C.I.Reactive Brown19)
Novacron Brown P-6R Gran. 150
Remazol Black B-N 150%(C.I.Reactive Black5)
Remazol Black RL 133%(C.I.Reactive Black31)
Remazol Deep Black N 150%(C.I.Reactive Black31)
Acid Quinoline Yellow WS H/C(C.I.Acid Yellow3)
Kayacyl Yellow GG 80(C.I.Acid Yellow17)
Tartrazine NS conc(C.I.Acid Yellow23)
Suminol Fast Yellow R conc.(C.I.Acid Yellow25)
Kayanol Milling Yellow O(C.I.Acid Yellow38)
Suminol Milling Yellow MR(C.I.Acid Yellow42)
Aminyl Yellow E-3GL(C.I.Acid Yellow49)
Suminol Fast Yellow G (B)(C.I.Acid Yellow61)
Erionyl Yellow B-4G(C.I.Acid Yellow79)
Kayanol Yellow N5G(C.I.Acid Yellow110)
Lanyl Yellow G ex cc(C.I.Acid Yellow116)
Kayakalan Yellow GL 143(C.I.Acid Yellow121)
Kayanol Milling Yellow 5GW(C.I.Acid Yellow127)
Lanacron Yellow N-2GL KWL(C.I.Acid Yellow129)
Erionyl Golden Yellow M-R-02(C.I.Acid Yellow151)
Tectilon Yellow 2G 200%(C.I.Acid Yellow169)
Lanacron Yellow S-2G-01 KWL(C.I.Acid Yellow220)
Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow230)
Tectilon Yellow 3R 200%(C.I.Acid Yellow246)
Chuganol Fast Yellow 5GL(C.I.Acid Yellow40:1)
Solar Orange(C.I.Acid Orange7)
Solar Light Orange GX(C.I.Acid Orange10)
Chuganol Milling Brown 5R(C.I.Acid Orange51)
Chuganol Milling OrangeSG(C.I.Acid Orange56)
Kayanol Yellow N3R(C.I.Acid Orange67)
Aminyl Yellow E-3RL(C.I.Acid Orange67)
Lanyl Orange R 200%(C.I.Acid Orange88)
Chuganol Milling Orange GSN 150%(C.I.Acid Orange95)
Suminol Milling Orange GN(N)(C.I.Acid Orange95)
Isolan Orange K-RLS(C.I.Acid Orange107)
Telon Orange AGT 01(C.I.Acid Orange116)
Lanyl Orange 2R e/c(C.I.Acid Orange120)
Supralan Orange S-RL(C.I.Acid Orange166)
Lanasyn Yellow M-2RL 180(C.I.Acid Orange180)
Nylosan Orange NRL 250(C.I.Acid Orange250)
Lanasyn Orange M-RL p
Silk Scarlet(C.I.Acid Red9)
Brilliant Scarlet 3R conc.(C.I.Acid Red18)
Acid Rhodamine G Conc(C.I.Acid Red50)
Acid Rhodamine B Conc(C.I.Acid Red52)
Chugacid Red FCH(C.I.Acid Red73)
Chugacid Rubinol 3B 200%(C.I.Acid Red80)
Rocceline NS conc. 120%(C.I.Acid Red88)
Chuganol Anthracene Red G(C.I.Acid Red97)
Suminol Fast Red G (B)(C.I.Acid Red118)
Suminol Milling Brilliant Red 3BN (N) conc.(C.I.Acid Red131)
Lanyl Red GG(C.I.Acid Red211)
Lanyl Red B(C.I.Acid Red215)
Lanasyn Bordeaux M-RLA200(C.I.Acid Red217)
Suminol Milling Brilliant Red B conc. N(C.I.Acid Red249)
Aminyl Red E-3BL(C.I.Acid Red257)
Telon Red M-BL(C.I.Acid Red260)
Chugai Aminol Fast Pink R(C.I.Acid Red289)
Nylosan Red N-2RBL SGR(C.I.Acid Red336)
Telon Red FRL micro(C.I.Acid Red337)
Lanasyn Red M-G(C.I.Acid Red399)
Kayakalan Red BL
Nylosan Red EBL SGR 180
Kayanol Milling Red BW
Kayanol Milling Violet FBW(C.I.Acid Violet48)
Erionyl Red B-10B-01(C.I.Acid Violet54)
Chugai Aminol Fast Violet F6R(C.I.Acid Violet102)
Acid Pure Blue VX(C.I.Acid Blue1)
Acid Brilliant Blue AF-N(C.I.Acid Blue7)
Chugacid Light Blue A(C.I.Acid Blue25)
Kayanol Blue N2G(C.I.Acid Blue40)
Nylosan Blue E-GL p 250(C.I.Acid Blue72)
Chuganol Blue 6B 333%(C.I.Acid Blue83)
Chuganol Blue G 333%(C.I.Acid Blue90)
Kayanol Navy Blue R(C.I.Acid Blue92)
Suminol Milling Brilliant Sky Blue SE (N)(C.I.Acid Blue112)
Suminol Milling Cyanine 5R (N)(C.I.Acid Blue113)
Kayanol Milling Blue GW(C.I.Acid Blue127)
Lanyl Brilliant Blue G ex cc(C.I.Acid Blue127:1)
Kayanol Blue NR(C.I.Acid Blue129)
Kayanol Milling Blue BW(C.I.Acid Blue138)
Kayanol Milling Blue 2RW(C.I.Acid Blue140)
Lanyl Blue 3G ex conc(C.I.Acid Blue171)
Nylosan Blue N-GL 150(C.I.Acid Blue230)
Tectilon Blue 6G 200%(C.I.Acid Blue258)
Telon Blue AFN(C.I.Acid Blue264)
Tectilon Blue 4R-01 200%(C.I.Acid Blue277:1)
Nylosan B Blue N-FL SGR180(C.I.Acid Blue278)
Nylosan Blue N-5GL SGR 200(C.I.Acid Blue280)
Kayalax Navy R(C.I.Acid Blue300)
Nylosan Blue N-BLN(C.I.Acid Blue350)
Lanacron Blue N-3GL
Acid Green V(C.I.Acid Green16)
Chuganol Cyanine Green G(C.I.Acid Green25)
Suminol Milling Brown 5R(C.I.Acid Brown51)
前記した高い二色比を示す色素(染料)については特許文献などに記載があり、二色比など知ることが出来る。しかし、本願の着色用有機染料については、その二色比を利用されたことがなかったため、又は、利用する意味もなかったためか、その記載のある特許文献などを本発明者らは見出していない。
従って、前記した本願の着色用有機染料は、公知染料(高い二色比としては知られていない)を用いて、PVAフィルムを染色する下記した方法にて容易に確認されたものの一例である。
ここで、例えば、偏光度が99%以上を目標とする場合には、着色用有機染料の二色比は、高くても偏光度を高める方向に寄与するが、「以上」との範囲での変化であり問題とされない。
これに対して、本願は、90%未満、例えば60%程度の低い偏光度に制御したものが目的範囲である。
ゆえに、低い二色比を示す着色用有機染料でも偏光度を高める効果は無視できないものであり、これらを考慮した使用量等を選択する。二色比の大きさは、熱成形時の色調変化にも関係し、高くなると大きくなる傾向がある。この点などから一般的には染色したときに、より小さい二色比を示すものが、着色に伴う偏光度の変化、及び、熱成形時の色調変化も小さいことから好ましい。
また、本発明の偏光シート(以下、本偏光シートと記す。)は、通常、両表面に保護フィルムを付した状態で、個別のレンズ形状に打ち抜きされ、次に、熱曲げ加工され、表面保護フィルムを剥離して、射出成形金型に装着されて、射出成形された芳香族ポリカーボネートと一体化した射出成形偏光レンズとされる。
この着色干渉縞は、偏光フィルムを透過して、初めて人の目で見ることができる。ゆえに、高リタデーションとしたシートの効果は偏光フィルムの光入射側、すなわち、人の目の反対側に用いることによる。
芳香族ポリカーボネートシートを用いる場合、特に、接着層自体あるいは接着した際の透明性と芳香族ポリカーボネートシートとの接着性の点から、ウレタン樹脂系材料であるポリウレタンプレポリマーと硬化剤からなる2液型の熱硬化性ウレタン樹脂が好ましい。
本発明のサングラス用に適した着色偏光レンズに用いられる芳香族ポリカーボネート偏光シートは、前述の層構成に限られるものではなく、偏光フィルムと透明な保護層を接着する接着剤において、調光染料を溶解させた接着剤を用いて作製された調光機能も併せ持つ偏光シートを用いても良い。
例えば、機能層としてポリエステル系の超多層の選択反射膜が併用されている場合、この超多層の選択反射膜は1層の厚みを1/4λとするために、多層シートを製造し、これを適宜繰り返し延伸して所定の光学厚みとする、所謂、金太郎飴の製法が用いられる。この結果、機能性を保持した状態における加工条件は、加工時間において、延伸状態からの緩和が実質的に起きない温度と時間との条件を選択することが必須となる。
また、曲げ加工は、上記の本偏光シートに用いる保護層用の透明プラスチックシートの種類の選択でも触れたが、本発明の着色偏光フィルムを含む本偏光シートの機能性を発揮する層の劣化が実質的に発生しないとの条件により決定される。
高リタデーションシートの芳香族ポリカーボネートを保護層とする本偏光シートを用いるとき、偏光フィルムは曲げ加工において延伸方向に沿った亀裂、いわゆる膜切れが生じやすいのでこれらの発生を抑えた条件を選択する必要がある。芳香族ポリカーボネート偏光シートの曲げ加工における金型温度は使用した芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度以下の温度が好ましく、加えて、予熱処理により曲げ加工直前の延伸ポリカーボネート偏光シート温度が芳香族ポリカーボネートのガラス転移点より50℃低い温度以上ガラス転移点未満の温度であることが好ましく、特に、ガラス転移点より40℃低い温度以上ガラス転移点より5℃低い温度未満であることが好ましい。
射出成形の加工条件は、外観に優れたレンズが製造できることが必須である。
この点から、バリの出ない範囲で充填率の高いレンズ成形品の得られる射出条件、例えば、射出圧、保持圧、計量、成形サイクルなどを選択され、また、樹脂温度は、芳香族ポリカーボネート樹脂の温度であり、特に260〜320℃から適宜選択される。
また、金型温度は芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度より100℃低い温度以上乃至ガラス転移点未満の温度から選択され、好ましくはガラス転移温度より80℃低い温度以上ガラス転移点より15℃低い温度未満、特に、ガラス転移温度より70℃低い温度以上ガラス転移点より25℃低い温度未満が好ましい。
ハードコートの材質あるいは加工条件については、特に制限はないが、外観や下地の芳香族ポリカーボネートに対して、あるいは続いてコートされるミラーコートや反射防止コート等の無機層に対する密着性に優れている必要がある。また、焼成温度は芳香族ポリカーボネート偏光シートに使用した芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度より50℃低い温度以上ガラス転移点未満の温度が好ましく、特に、ガラス転移点より40℃低い温度以上ガラス転移点より15℃低い温度未満である120℃前後の温度であり、ハードコートの焼成に要する時間は概ね30分から2時間の間である。
以下、実施例にて詳細に説明する。
偏光性を付与する二色性有機染料組成物および色調を付与する着色用有機染料組成物として、下記の組み合わせを用いた。
下記の有機染料は、それぞれ単独使用にて、PVAフィルムを延伸染色し、そのフィルムの光学測定により、染色濃度、二色比を求めた。参考として、各有機染料の求められた二色比を物質名後に括弧書きした。
(1)二色性有機染料組成物
二色性染料組成物A:
青1:C.I.Direct Blue 237(19.9)、赤1:C.I.Direct Red 81(22.0)、
黄1:C.I.Direct Orange 39(23.6)
二色性染料組成物B:
青2:C.I.Direct Blue 78(9.2)、赤2:C.I.Direct Red 254(10.9)、
黄2:C.I.Direct Yellow 12(9.0)
(2)着色用有機染料組成物
着色用有機染料組成物a:
青3:Kayacion Blue CF-BL(1.3)、
赤3:Novacron Red C-2G(1.4)、黄3:C.I Reactive Yellow 145(2.6)
着色用有機染料組成物b:
青4:C.I.Direct Blue 86(1.7)、
赤4:C.I.Direct Red 225(2.6)、黄4:C.I Mordant Yellow 8(1.7)
着色用有機染料組成物c:
青4:C.I.Direct Blue 86(1.7)、 青5:C.I.Direct Blue 108(1.6)、
赤5:C.I.Direct Red 227(1.6)、 黄5:C.I.Mordant Yellow 5(2.5)
有機染料の二色比:
(測定サンプルの製造法)
本発明における二色性有機染料或いは着色用有機染料の二色比とは、ヨウ素による染色にて製造された偏光フィルムにて測定される二色比の値が60以上を示す製造条件にて、ヨウ素に変えて二色性有機染料或いは着色用有機染料を用いて製造した偏光フィルムにおいて測定される値をいう。
(測定方法)
用いる染料に応じて測定した。
二色比は次式により求め、各染料の最大吸収波長の値を用いた。
二色比=Az/Ax
ここで、Axは最大透過方向の直線偏光の吸光度を表し、Azは最大透過方向に直交する方向の直線偏光の吸光度を表す。AxおよびAzは、島津製作所社製の分光光度計(UV−3600)を用いてサンプルに直線偏光を入射させて測定した。
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製、商品名:VF−PS#7500)を35℃の水中で270秒間膨潤しつつ、2倍に延伸した。
引き続いて、表1に記載の組成の染色組成物および10g/Lの無水硫酸ナトリウムを含む35℃の水溶液中で染色しつつ延伸した。
この染色フィルムを酢酸ニッケル2.3g/Lおよびホウ酸4.4g/Lを含む水溶液中35℃で120秒間浸漬しつつ、5.6倍まで延伸した。そのフィルムを緊張状態が保持された状態で室温で3分乾燥を行った後、熱風乾燥機を用い、110℃で3分間乾燥し、偏光フィルムを得た。
計算値 : 上記した単独染色系からの結果を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出した値。
実験実測値 : 上記計算値に基づいて実験し、測定した値。
色調整後(実施例1のみ) : 着色用有機染料組成物の濃度調整を行った後の値。主に、所望の透過率となるように濃度増加を行う。
調整後 : 着色用有機染料組成物の濃度調整で主に、所望の透過率となるように濃度増加を行い、二色性有機染料組成物の濃度調整で主に、偏光度の増加分を抑えるように濃度低下を行った値。
偏光度は次式により求めた。
偏光度=100×(τpmax−τpmin)/(τpmax+τpmin)
ここで、τpmaxは直線偏光を入射して測定した視感透過率の最大値を表し、τpminは直線偏光を入射して測定した視感透過率の最小値を表す。τpmaxおよびτpminは、AxおよびAzを視感透過率として表した値である。
なお、実施例3および5は同一の作業を繰り返し行ったものである。本発明の偏光フィルムの製造において再現性のあることが確認された。
次に、実施例4および5の偏光フィルムを用いて、芳香族ポリカーボネート偏光シートを作成した。
(A)で得た偏光フィルムにウレタン系の接着剤をバーコーター#12を用いて塗布し、70℃で10分間乾燥させた後、厚さ0.3mm、リタデーション値5500nmの芳香族ポリカーボネートシート(三菱瓦斯化学社製)の延伸軸と偏光フィルムの延伸軸とを揃えてラミネーターで貼り合わせた。この積層シートの偏光フィルム側に上記と同様の方法で接着剤を塗布し、もう1枚の芳香族ポリカーボネートシートを同様に貼り合わせ、芳香族ポリカーボネート偏光シートを得た。硬化後の接着剤塗膜の厚みは9〜11μmであった。
作製した芳香族ポリカーボネート偏光シートの透過率と色調を島津製作所社製の分光光度計(UV−3600)を用いて測定した。結果を表3に示した。
(B)で得た芳香族ポリカーボネート偏光シートをベースカーブ7.95(曲率半径66.67mm)の金型を用いて曲げ加工した。曲げ加工においては金型温度137℃、保持時間1200秒の条件にて成形した。
ここで言うベースカーブとは、レンズ前面の曲率の意味で用いており、530をミリメータ単位の曲率半径で除した値のことである。
曲げ加工後の芳香族ポリカーボネート偏光シートには偏光フィルムの亀裂はなかった。
(C)と同様に測定したサンプルの曲げ加工後の芳香族ポリカーボネート偏光シートの透過率と色調、および成形前後のCIE1976(L*a*b*)色空間における色差ΔE*abを表3に示す。色差は次式により求めた。
色差:ΔE*ab=((ΔL*)^2+(Δa*)^2+(Δb*)^2)^(1/2)
Claims (24)
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥することにて製造された偏光フィルムにおいて、
前記二色性有機染料が、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と
二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、
所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とにより染色された偏光度が45%〜90%である着色低偏光フィルム。 - 前記の二色性有機染料組成物が、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量である請求項1記載の着色低偏光フィルム。
- 前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量である請求項1記載の着色低偏光フィルム。
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥することからなる偏光フィルムの製造法において、前記二色性有機染料が、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とを用いてなる偏光度が45%〜90%であることを特徴とする着色低偏光フィルムの製造法。
- 前記の染色を同じ水溶液中に溶解させた前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを用いる請求項4記載の着色低偏光フィルムの製造法。
- 前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いる請求項4記載の着色低偏光フィルムの製造法。
- 前記着色用有機染料組成物を透過率が50〜8%で、前記二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量で用いる請求項4記載の着色低偏光フィルムの製造法。
- 前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返すことによる請求項4記載の着色偏光フィルムの製造法。
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥してなる偏光フィルムの両面に接着層を介して透明プラスチックシートを貼り合わせた偏光シートにおいて、前記偏光フィルムの偏光度が45%〜90%である所望色の着色低偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの製造に用いる前記二色性有機染料として、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とを用いてなることを特徴とする着色低偏光シート。
- 前記の染色を、二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを同じ水溶液中で用いてなるものである請求項9記載の着色低偏光シート。
- 前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いる請求項9記載の着色低偏光シート。
- 前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量である請求項9記載の着色低偏光シート。
- 透明プラスチックシートの樹脂が、芳香族ポリカーボネート、ポリアクリレート、アセチルセルロース、及び芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステルとの組成物からなる群より選択される1つ以上である、請求項9記載の着色低偏光シート。
- 前記透明プラスチックシートが芳香族ポリカーボネートシートであり、複屈折3000nm以上で厚み0.1〜1mmである請求項9記載の着色低偏光シート。
- 前記接着層に、ポリウレタンプレポリマーとヒドロキシ(ポリ)アクリレートとを含む硬化剤からなる2液型の熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いるものである請求項9記載の着
色低偏光シート。 - 前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返してなることを特徴とする着色偏光フィルムであることを特徴とする請求項9記載の着色低偏光シート。
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水膨潤、一軸延伸しつつ、二色性有機染料にて染色し、乾燥してなる偏光フィルムの両面に接着層を介して透明プラスチックシートを貼り合わせた偏光シートを球面あるいは非球面に曲げた曲げ偏光レンズまたは該偏光シートを球面あるいは非球面に曲げてその凹面に透明樹脂を射出成形してなる射出偏光レンズにおいて、前記透明樹脂が芳香族ポリカーボネートであって、前記偏光シートの片側表面が芳香族ポリカーボネートルムの偏光度が45%〜90%である所望色の着色低偏光フィルムであり、前記偏光フィルムの製造に用いる前で、該片側表面が凹面側となるように曲げ加工してなり、前記偏光フィ記二色性有機染料として、二色比が13以上の二色性有機染料の組み合わせからなり、偏光度30%以上90%未満で偏光度を維持する量の二色性有機染料組成物と二色比が4以下である極低二色比あるいは実質的に二色比を持たない染料の組み合わせからなり、所望色に染色する量の着色用有機染料組成物とを用いてなる
ことを特徴とする着色低偏光レンズ。 - 前記の染色を、二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物とを同じ水溶液中で用いてなるものである請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 前記の二色性有機染料組成物を、目的とする偏光度の下限値を与える量よりも少ない量で用いる請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 前記着色用有機染料組成物の染着量が、透過率が50〜8%で、前記の二色性有機染料組成物単独での透過率よりも5%以上小さい透過率となる量である請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 透明プラスチックシートの樹脂が、芳香族ポリカーボネート、ポリアクリレート、アセチルセルロース、及び芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステルとの組成物からなる群より選択される1つ以上である、請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 前記透明プラスチックシートが芳香族ポリカーボネートシートであり、複屈折3000nm以上で厚み0.1〜1mmである請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 前記接着層に、ポリウレタンプレポリマーとヒドロキシ(ポリ)アクリレートとを含む硬化剤からなる2液型の熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いるものである請求項17記載の着色低偏光レンズ。
- 前記の所望色の低偏光フィルムに関して、偏光度、透過率、色相の目的値を定め、前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との前記目的値を与える使用量を、同時染色による相互作用による変化を無視して算出し、得られた算出値に基づいた使用量の水溶液中にて偏光フィルムを製造し、製造された偏光フィルムの値と、前記目的値とを比較し、前記水溶液中の前記の二色性有機染料組成物と着色用有機染料組成物との使用量を再調整して染色することを適宜繰り返してなることを特徴とする着色偏光フィルムであることを特徴とする請求項17記載の着色低偏光レンズ。
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