JPH0940827A - 低硬度ゴム組成物及び低硬度ゴム成形物 - Google Patents

低硬度ゴム組成物及び低硬度ゴム成形物

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JPH0940827A
JPH0940827A JP19020895A JP19020895A JPH0940827A JP H0940827 A JPH0940827 A JP H0940827A JP 19020895 A JP19020895 A JP 19020895A JP 19020895 A JP19020895 A JP 19020895A JP H0940827 A JPH0940827 A JP H0940827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低硬度でありながら加工性に優れ、非常
にゴム弾性に富むゴム組成物及びゴム成形物を提供す
る。 【解決手段】 ムーニー粘度ML1+4(100℃)が
80〜130のクロロスルフォン化ポリオレフィン10
0重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量
部、塩素化パラフィンを50重量%以上含む軟化剤55
〜80重量部を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多量の軟化剤を含
む低硬度ゴム組成物でありながら加工性に優れ、ゴム弾
性に富むゴム製品を製造することができるゴム組成物に
関するもので、電子写真複写機等OA機器用ゴムロー
ル、工業用ゴムパッキン等の用途に用いられるゴム組成
物である。
【0002】
【従来の技術】クロロスルフォン化ポリオレフィンは、
機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐油性、耐候性等に優
れたゴムであり、厳しい耐久性を必要とする用途で利用
されている。一方、クロロスルフォン化ポリオレフィン
は、ゴムそのものの加硫物基準硬度が高く、低硬度製品
の製造が困難であった。一般に低硬度製品を製造するた
めに、多量の軟化剤を配合し、またこれら軟化剤の表面
ブリードを防止するためファクチスを配合する方法も検
討されているが、ゴム組成物の加工性が劣り、得られた
低硬度加硫物も機械的強度、耐熱性、ゴム弾性に乏しい
ものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子写真複写機等OA
用ゴムロール、工業用ゴムパッキン等の用途に使用され
るゴム製品は、圧縮負荷のかかった状態で使用される場
合が多く、圧縮永久歪、反発弾性等で示されるゴム弾性
に優れた特性が求められている。このような要求におい
て、高硬度製品は適当な配合処方等で対応が可能である
が、硬度(JISA)40゜以下のような低硬度品で
は、求める品の硬度とゴム弾性との両面を兼ね備える製
品の製造が困難であり、これらの特性を両立するものが
求められている。
【0004】本発明は、硬度(JIS A)40゜以
下、圧縮永久歪(70℃×22時間圧縮)30%以下の
低硬度ゴム弾性を持つクロロスルフォン化ポリオレフィ
ンの加硫成形物の製造を可能としたもので、低硬度であ
りながら加工性に優れ、非常にゴム弾性に富むゴム組成
物及びゴム成形物に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、クロロスルフォン化ポリオレフィン100重量部
に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量部、塩素化
パラフィンを主成分とする軟化剤55〜80重量部を配
合してなるゴム組成物が、加工性、流動性に優れ、低硬
度製品でありながら機械的強度、耐熱性、ゴム弾性に富
むことを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の低硬度ゴム組成物は、ムーニー粘
度ML1+4(100℃)が80〜130のクロロスル
フォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫黄
ファクチス20〜50重量部、塩素化パラフィンを50
重量%以上含む軟化剤55〜80重量部からなるもので
ある。
【0008】本発明に使用されるクロロスルフォン化ポ
リオレフィンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃)
が80〜130のものであり、80未満の場合、加工中
におけるゴム組成物のグリ−ン強度が小さく、混練機、
加工機等への粘着トラブルを招く恐れがあり、130を
越える場合、ゴム組成物に十分な可塑化を与えられず、
加工時の流動性不良を招く結果となる。混練機、加工機
等への粘着防止、流動性をバランスよく維持するため
に、ムーニー粘度ML1+4(100℃)は90〜11
0が好ましい。
【0009】ムーニー粘度とは、ムーニー粘度計によっ
て測定された未加硫ゴムの粘度であり、例えば、ML1
+4(100℃) 97 とは、100℃でラージロー
ターを用いて余熱1分、ローター始動後4分の粘度が9
7であることを意味する。
【0010】本発明に使用されるクロロスルフォン化ポ
リオレフィンは、本発明の目的を阻害しなければ、特に
限定するものでなく、例えば、特開平6−15764号
公報等に示される方法により得ることができる。代表的
なものとしては、例えば、ポリエチレンを塩素化、クロ
ロスルフォン化して得られるクロロスルフォン化ポリエ
チレンがある。商品名としては、例えば、TOSO−C
SM TS−930(東ソー(株)製)、ハイパロン6
10、ハイパロン4085(デュポン(株)製)等が挙
げられる。
【0011】さらに、ポリオレフィンとして、エチレン
・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の共重合体を用い
て塩素化、クロロスルフォン化して得られるクロロスル
フォン化エチレン・ブテン−1共重合体、クロロスルフ
ォン化エチレン・プロピレン共重合体、クロロスルフォ
ン化エチレン・酢酸ビニル共重合体等であってもよい。
【0012】本発明に使用される塩化硫黄ファクチス
は、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油等の植物油と塩化硫
黄とを加熱反応させて得られるゴム状弾性体の一種であ
り、例えば、通称白サブと呼ばれているものがこれに当
たる。
【0013】しかし、植物油と硫黄とを加熱反応物させ
て得られるゴム状弾性体である硫黄ファクチスは、本発
明で述べる効果は得られない。
【0014】塩化硫黄ファクチスの添加量は、ムーニー
粘度ML1+4(100℃)が80〜130のクロロス
ルフォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫
黄ファクチス20〜50重量部用いる。20重量部未満
では、本発明の規定する軟化剤55〜80重量部を添加
すると、混練あるいは加工中におけるゴム組成物が混練
機、加工機等への粘着トラブルを招き、また加硫物から
軟化剤がブリードする恐れがある。50重量部を越える
と、加硫成形物の耐熱性、圧縮永久歪等が劣る結果とな
る。混練機、加工機等への粘着防止、成形物のゴム弾性
等をバランスよく維持するためには、30〜40重量部
がさらに好ましい。
【0015】さらに、この塩化硫黄ファクチスのアセト
ン抽出分が10重量%以下、遊離硫黄分が0.5重量%
以下の塩化硫黄ファクチスを使用すれば、優れた耐熱
性、圧縮永久歪等が得られるので好ましい。
【0016】このような塩化硫黄ファクチスとしては、
例えば、白サブ#1、白サブ#2、白サブS(天満サブ
化工(株)製)等が挙げられる。
【0017】本発明の軟化剤は、ゴムに可塑性を付与
し、加工を容易にするために用いるものであり、例え
ば、クロロスルフォン化ポリオレフィンとの相溶性に優
れるもので、塩素化パラフィン、エステル系可塑剤、ナ
フテン系プロセス油、アロマ系プロセス油等が挙げら
れ、軟化剤全量で55〜80重量部とし、塩素化パラフ
ィンの占める割合が50重量%以上であればよく、その
軟化剤の全量あるいは一部が塩素化パラフィンであって
もよい。軟化剤が55重量部未満の場合、本発明で示す
ような低硬度ゴム成形物が得られず、80重量部を越え
ると該軟化剤を配合したゴム組成物のグリーン強度が著
しく低下し、加工性が悪く、軟化剤のブリードが発生す
る恐れがある。
【0018】また、塩素化パラフィン量が50重量%未
満であると、混練あるいは加工中におけるゴム組成物の
グリーン強度が著しく低下し、混練機、加工機等への粘
着トラブルを招き、本発明に示す低硬度ゴム成形物が得
られない。
【0019】塩素化パラフィンは特に限定するものでは
なく、パラフィンの塩素化物で、塩素化度40%〜50
%の常温で液状を示すものであればよい。商品名として
は、例えば、トヨパラックスA−40、トヨパラックス
145、トヨパラックス150(東ソー(株)製)、エ
ンパラ40、エンパラK−45、エンパラK−50(味
の素(株)製)、モノサイザーW−40(大日本インキ
化学工業(株)製)、アデカ・サイザーE−410、ア
デカ・サイザーE−450(アデカ・アーガス化学
(株)製)等が挙げられる。塩素化パラフィンの配合
は、総量において上記の性状を満足するものであればよ
く、併用も可能である。
【0020】エステル系可塑剤は特に限定するものでは
なく、例えば、フタル酸誘導体として、ジ−(2−エチ
ルヘキシル)フタレート、ジブチルフタレート等、アジ
ピン酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)アジ
ペート、ジブチルアジペート等、アゼライン酸誘導体と
して、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート等、セバ
シン酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)セバ
ケート、ジ−n−ブチルセバケート等、トリメリット酸
誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)トリメリテ
ート等が挙げられる。
【0021】ナフテン系プロセス油は特に限定するもの
ではなく、石油系軟化剤のナフテン系炭化水素を主成分
とする油であり、商品名として、例えばダイアナプロセ
スオイルNS−24(出光興産(株)製)、共石プロセ
スR−50(共同石油(株)製)、サンセン4240
(日本サン石油(株)製)、コーモレックス#2(日本
石油(株)製)等が挙げられる。アロマ系プロセス油は
特に限定するものではなく、石油系軟化剤のアロマ系炭
化水素を主成分とする油であり、商品名として、例えば
ダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産(株)
製)、共石プロセスX−100(共同石油(株)製)、
コーモレックス#300(日本石油(株)製)、ペトレ
ックスLPO−R(山文油化(株)製)等が挙げられ
る。
【0022】本発明の低硬度ゴム組成物には、既に記載
のものの他に、必要に応じて補強剤、充填剤、加硫剤、
加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加工助剤、老化防
止剤等の配合剤を適宜配合することができる。
【0023】補強剤は、カーボンブラック、ホワイトカ
ーボン、活性化炭酸カルシウム等が挙げられ、10〜6
0重量部用いられる。充填剤は、炭酸カルシウム、クレ
ー(ケイ酸アルミニウム)、タルク(ケイ酸マグネシウ
ム)、硫酸バリウム等が挙げられ、10〜60重量部用
いられる。加硫剤は、酸化マグネシウム、N,N´−m
−フェニレンジマレイミド等が挙げられ、0.5〜10
重量部用いられる。加硫助剤は、ペンタエリスリトール
等が挙げられ、0.5〜5重量部用いられる。加硫促進
剤は、チオ尿素系(エチレン・チオ尿素、トリメチル・
チオ尿素等)、チウラム系(ジペンタメチレンチウラム
・テトラスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフ
ィド等)、グァニジン系(ジフェニル・グァニジン、ジ
・オルトトリル・グァニジン等)等が挙げられ、0.1
〜5重量部用いられる。加硫遅延剤は、チアゾール系
(2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾー
ル・ジスルフィド等)等が挙げられ、0.1〜2重量部
用いられる。加工助剤は、パラフィン・ワックス、ポリ
エチレン・ワックス、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル等が挙げられ、0.5〜10重量部用いられる。
老化防止剤は、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン
系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、フェノー
ル系、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げら
れ、0.5〜5重量部用いられる。
【0024】本発明のゴム組成物は、クロロスルフォン
化ポリオレフィン、塩化硫黄ファクチス、軟化剤等を所
定の割合で配合し、さらに必要に応じて、補強剤、充填
剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加工
助剤、老化防止剤等の配合剤を適宜配合したものを密閉
式混合機(バンバリーミキサー、ニーダー、インターミ
ックス等)、又は開放式混合機(オープンミル等)で混
練することにより得られる。
【0025】ゴム成形物は、この混練されたゴム組成物
を、目的とした形状にプレス加硫法、又は釜加硫法によ
って加硫することにより得られる。
【0026】本発明の低硬度ゴム成形物は、例えば、低
硬度でありながら圧縮永久歪、反発弾性等で示されるゴ
ム弾性に優れた特性が必要とされる電子写真複写機等の
OA機器用ゴムロール、工業用ゴムパッキンとして適し
ている。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明を以下の実施例によってさ
らに詳しく説明するが、これは本発明の理解を助けるた
めの例であり、本発明はこれらの実施例により何等制限
を受けるものではない。
【0028】以下の実施例、比較例において得られた低
硬度ゴム組成物の加工性、流動性等と低硬度ゴム成形物
の外観、硬度、引張強度、圧縮永久歪等を、以下の方法
でそれぞれ測定及び評価した。
【0029】<加工性>ゴム組成物をオープンロールで
混練りを行い、ロール粘着性を観察した。
【0030】<流動性>ゴム組成物を加硫成形する際に
金型内での流動性を観察した。
【0031】<外観>150mm×150mm×2mm
のシート状の成形物を23℃の恒温室に24時間放置
し、シート表面のブリードの有無を観察した。
【0032】<硬度>80mm×50mm×10mmの
試料を用い、JIS K 6301に準拠し、硬度計
(JIS A)で測定した。
【0033】<引張強度>150mm×150mm×2
mmのゴムシートからJIS3号ダンベル形状の打ち抜
き刃で打ち抜き、試験用の試料とし、JIS K 63
01に準拠し、引張試験を行った。
【0034】<圧縮永久歪>直径29mm、厚み12.
7mmの円柱形のサイズの試料を用い、JIS K63
01に準拠し、70℃×22時間、25%圧縮率での残
留歪より求めた。
【0035】
【実施例】
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜6 表1に示す配合に従い、オープンミルへ、クロロスルフ
ォン化ポリエチレン(東ソー(株)製:TOSO−CS
M・TS−930,ムーニー粘度ML1+4(100
℃);97)を巻き付け後、加硫剤(キョーマグ#15
0:協和化学工業(株)製)、塩化硫黄ファクチス(白
サブ#1:天満サブ化工(株)製)、加工助剤(ステア
リン酸700:新日本理化ノクラック(株)製、サンノ
ックN:大内新興化学工業(株)製)を添加する。次
に、補強剤(アサヒサーマル:旭カーボン(株)製)、
軟化剤(トヨパラックスA−40:東ソー(株)製、D
OP:(株)大八化学工業所製、コモレックス#2:日
本石油(株)製)等を添加する。最後に、加硫促進剤
(ノクセラーTRA、バルノックPM:大内新興化学工
業(株)製)、加硫助剤(ノイザイラーP:日本合成化
学(株)製)、老化防止剤(ノクラックNBC:大内新
興化学工業(株)製)等を配合し、ゴム組成物を作成し
た。
【0038】この該ゴム組成物をオープンミルでシート
状に分出して、各種試験用にプレス成形する。
【0039】引張試験用には、150mm×150mm
×2mmの金型を用い160℃×20分プレス成形す
る。また、圧縮永久歪測定用には、直径29mm、厚み
12.7mmの直円柱形金型を用い160℃×25分プ
レス成形する。さらに、硬度測定用には、80mm×5
0mm×10mmの金型を用い160℃×25分プレス
成形する。
【0040】組成物の加工性、流動性、成形品の外観、
硬度、引張強度、圧縮永久歪の結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1〜6のゴム組成物は、加工性、流
動性に優れ、さらに該ゴム組成物を成形してなる加硫物
は低硬度でありながら引張強度、圧縮永久歪に富み、満
足するものが得られた。
【0043】参考例1 クロロスルフォン化ポリエチレ
ンの製造例1 ムーニー粘度ML1+4(100℃) 124のクロロ
スルフォン化ポリエチレンは、次の方法で合成した。3
0 lのオートクレーブにメルトインデックス0.90
g/10分、密度0.960g/cm3の高密度ポリエ
チレン(ニポロンハード5110、東ソー(株)製)を
1.4kgと、1,1,2−トリクロロエタンを28k
g仕込んだ。クロロスルホン化反応の助触媒としてピリ
ジンを0.15g添加した後、120℃で2時間保持す
ることによってポリエチレンを均一に溶解した。次にラ
ジカル開始剤として7gのα,α´−アゾビスイソブチ
ルロニチリルを加え、亜硫酸ガスと塩素ガス用いてクロ
ロスルホン化反応物を得た。この溶液を加熱したドライ
ヤーで溶剤をストリップし、クロロスルフォン化ポリエ
チレンを得た。得られたクロロスルフォン化ポリエチレ
ンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃) 124で
あった。
【0044】実施例7 表1に示す配合に従い、参考例1のクロロスルフォン化
ポリエチレン(ムーニー粘度ML1+4、100℃ 1
24)を使用した他は、実施例1と同様の条件で評価を
行い、その結果を表2に示す。
【0045】加工性、流動性に優れ、さらに該ゴム組成
物を成形してなる加硫物は低硬度でありながら引張強
度、圧縮永久歪に富み、満足するものが得られた。
【0046】
【表3】
【0047】比較例1 表3に示す配合に従い、クロロスルフォン化ポリオレフ
ィンとして、東ソー(株)製 TOSO−CSM・TS
−530(ムーニー粘度ML1+4(100℃) 5
6)のクロロスルフォン化ポリエチレンを使用した以外
は、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表
4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】混練り時のロ−ル粘着が激しく加工性が悪
く、所定のゴム成形物を得ることが出来なかった。
【0050】参考例2 クロロスルフォン化ポリエチレ
ンの製造例2 ムーニー粘度ML1+4(100℃) 145のクロロ
スルフォン化ポリエチレンは、次の方法で合成した。3
0 lのオートクレーブにメルトインデックス0.85
g/10分、密度0.958g/cm3の高密度ポリエ
チレン(ニポロンハード5400、東ソー(株)製)を
1.4kgと、1,1,2−トリクロロエタンを28k
g仕込んだ。クロロスルホン化反応の助触媒としてピリ
ジンを0.15g添加した後、120℃で2時間保持す
ることによってポリエチレンを均一に溶解した。次にラ
ジカル開始剤として7gのα,α´−アゾビスイソブチ
ルロニチリルを加え、亜硫酸ガスと塩素ガス用いてクロ
ロスルホン化反応物を得た。この溶液を加熱したドライ
ヤーで溶剤をストリップし、クロロスルフォン化ポリエ
チレンを得た。得られたクロロスルフォン化ポリエチレ
ンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃) 145で
あった。
【0051】比較例2 表3に示す配合に従い、参考例2のクロロスルフォン化
ポリエチレン(ムーニー粘度ML1+4、100℃ 1
45)を使用した他は、実施例1と同様の条件で評価を
行い、その結果を表4に示す。
【0052】加硫ゴムを得る成形工程に於いて組成物の
流動性が悪く、所定の成形物を得ることが出来なかっ
た。
【0053】比較例3 表3に示す配合に従い、軟化剤全量中に50重量%以上
の塩素化パラフィンが存在しないことを除き、実施例1
と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0054】混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪
く、また成形物に軟化剤のブリ−ドが認められ、所定の
成形物を得ることができなかった。
【0055】比較例4 表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチス10重量部
を使用した以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、
その結果を表4に示す。
【0056】混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪
く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の
成形物を得ることができなかった。
【0057】比較例5 表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチスを使用せ
ず、軟化剤として塩素化パラフィンのみにした他は、実
施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示
す。
【0058】混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪
く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の
成形物を得ることができなかった。
【0059】比較例6 表3に示す配合に従い、軟化剤全量が100重量部であ
る以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果
を表4に示す。
【0060】混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪
く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の
成形物を得ることが出来なかった。
【0061】比較例7 表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチスの代わりに
硫黄ファクチスを45重量部使用した以外は、実施例1
と同様の条件で評価し、その結果を表4に示す。
【0062】混練り時のロール粘着も無く加工性に優れ
るが、成形物の圧縮永久歪が大きく、満足するものが得
られなかった。
【0063】比較例8 表3に示す配合に従い、軟化剤全量が50重量部である
以外は実施例1と同様の条件で評価し、その結果を表4
に示す。
【0064】混練り時のロール粘着も無く加工性に優れ
るが、成形物の硬度が高く、満足するものが得られなか
った。
【0065】比較例9 表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチス55重量部
を使用した以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、
その結果を表4に示す。
【0066】混練り時のロール粘着も無く加工性に優れ
るが、成形物の圧縮永久歪が大きく、満足するものが得
られなかった。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は硬度(JIS A)40゜以下、圧縮永久歪(70℃
×22時間圧縮)30%以下の低硬度ゴム弾性を持つク
ロロスルフォン化ポリオレフィンの加硫物の製造を可能
としたもので、低硬度でありながら加工性に優れ、かつ
また非常にゴム弾性に富む低硬度ゴム組成物及び低硬度
ゴム成形物に関するものであり、電子写真複写機等OA
用ゴムロール、工業用ゴムパッキン等の用途に好適であ
る。
【0068】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーニー粘度ML1+4(100℃)が
    80〜130のクロロスルフォン化ポリオレフィン10
    0重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量
    部、塩素化パラフィンを50重量%以上含む軟化剤55
    〜80重量部からなることを特徴とする低硬度ゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塩化硫黄ファクチスが、
    アセトン抽出分10重量%以下、遊離硫黄分0.5重量
    %以下のものであることを特徴とする請求項1記載の低
    硬度ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の低硬度ゴム
    組成物を成形してなる、成形物の硬度(JIS A)が
    40゜以下、圧縮永久歪(70℃×22時間圧縮)が3
    0%以下であることを特徴とする低硬度ゴム成形物。
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