JP2002256108A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解度パラメーターの差が大きな非極性ゴム
(A)と極性ゴム(B)とが互いに相溶化されていて、
両者が均一微細に混合分散しており、加工性および力学
的特性に優れるゴム組成物の提供。 【解決手段】 非極性ゴム(A)、極性ゴム(B)、及
び共役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブ
ロックQとからなるブロック共重合体(C)を含有する
ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物に関す
る。より詳細には、本発明は非極性ゴムと極性ゴムが均
一微細に混合分散していて、加工性、および引裂き強さ
などの力学的特性に優れるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム工業では、近年、各種用途における
高性能化の要求がますます強くなっており、1種類のゴ
ムの単独使用では要求性能を満たすことが困難になって
いる。それに伴って、天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどの汎用ゴム
のみならず、ブチルゴム、エチレン−α−オレフィン系
共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン系共重
合ゴム、アクリルゴム、ニトリル−共役ジエン系ゴム、
高不飽和ニトリル−共役ジエン系ゴム、フッ素ゴム、シ
リコーンゴムなどにおいても、複数のゴムをブレンドし
たゴム組成物が色々提案されている。
【0003】溶解度パラメーターが互いに近く、相溶性
のあるゴム同士をブレンドしたゴム組成物では、それぞ
れのゴムの長所を兼ね備えるゴム組成物が得られること
が多い。その場合に、組成比を変えることにより、各種
用途や使用目的などに適したゴム組成物を得ることがで
きる。
【0004】また、溶解度パラメーターの近い非極性ゴ
ム同士をブレンドしたゴム組成物において、物性の向上
のために、特定のブロック共重合体を相溶化剤として配
合することが色々提案されている。例えば、J.App
ly.Polym.SCi.,49,807(199
3)、およびRubber Chem.Techno
l.,66,538(1993)には、天然ゴムとブタ
ジエンゴムのブレンド物に、ポリイソプレンとポリブタ
ジエンとのブロック共重合体を相溶化剤として配合する
ことが記載されている。また、天然ゴムおよび/または
ポリイソプレンゴムとスチレン−ブタジエン共重合ゴム
および/またはポリブタジエンゴムとのブレンド系に、
1,2−ビニル結合の含有量が互いに異なる2種類のブ
タジエン系重合体ブロックが結合したブロック共重合体
を配合したゴム組成物が種々提案されている(特開平7
−188516号公報、特開平8−134267号公
報、特開平8−193147号公報)。さらに、天然ゴ
ムおよび/またはポリイソプレンゴムとスチレン−ブタ
ジエン共重合ゴムおよび/またはポリブタジエンゴムの
ブレンド系に、ポリイソプレンブロックとスチレン−ブ
タジエン共重合ブロックまたはポリブタジエンブロック
を有するブロック共重合体を配合したいゴム組成物が知
られている(特開平10−7844号公報)。また、特
開平10−36465号公報には、共役ジエン重合体ブ
ロックと共役ジエン−芳香族ビニルランダム共重合ブロ
ックを有するブロック共重合体を、ジエン系ゴムの相溶
化剤として用いることが記載されている。
【0005】一方、互いに非相溶性のゴム同士をブレン
ドしたゴム組成物では、ゴム間の混合・分散が均一微細
に行われず、各ゴム間にマクロな相分離界面が存在す
る。そして多くの場合に、このマクロな相分離界面が起
点となって破壊が生じ、引張り強さ、引裂き強さ、耐摩
耗性などの力学的特性が低下し、各ゴムの長所を活かせ
ないことが多い。しかしながら、これまで、溶解度パラ
メーターの差の大きな、互いに非相溶性のゴム同士のブ
レンド系で発生するマクロな相分離界面の解消について
の統一的な検討はなされていない。特に、非極性ゴム
(例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−α
−オレフィン系共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン
−ジエン系共重合ゴム、それらの油展物など)と、極性
ゴム(例えばアクリルゴム、ニトリル−共役ジエン系共
重合ゴム、高飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム、
フッ素ゴム、それらの油展物など)とは、溶解度パラメ
ーターの差が大きく、両者をブレンドしたゴム組成物で
は、両者が均一微細に混合分散せず、分散粒子径が大き
く、マクロな相分離界面が発生する。その結果、そのよ
うなゴム組成物は、加工性に劣り、混練時にロールなど
に付着し易く、しかも両ゴムの界面で剥離が生じて、引
裂き強さなどの力学的特性がそれぞれのゴムの力学的特
性よりも劣り、ブレンドした非極性ゴムと極性ゴムのそ
れぞれの長所を発揮させることができないことが多い。
かかる点から、非極性ゴムと極性ゴムをブレンドしたゴ
ム組成物において、両ゴムの相溶性の向上が求められて
いるが、満足のゆく解決策が得られていないのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶解
度パラメーターの差が大きくて互いに非相溶性の非極性
ゴムと極性ゴムをブレンドしてなるゴム組成物におい
て、そのモルフォロジーを制御して非極性ゴムと極性ゴ
ムとを互いに均一微細に混合分散させて、該ゴム組成物
の加工性および力学的特性を向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが鋭意検討した結果、溶解度パラメーターの
差の大きい非極性ゴムと極性ゴムをブレンドしたゴム組
成物に対して、共役ジエン系重合体ブロックとアクリル
系重合体ブロックを有するブロック共重合体を配合する
と、非極性ゴムと極性ゴムとが互いに均一微細に混合分
散したモルフォロジーとなり、それに伴って混練時など
における加工性が向上し、しかも加硫または架橋したと
きに力学的特性、特に引裂き強さに優れる加硫物または
架橋物を生成するゴム組成物が得られることを見出して
本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(1) 非極性ゴム
(A)、極性ゴム(B)、および共役ジエン系重合体ブ
ロックPとアクリル系重合体ブロックQとからなるブロ
ック共重合体(C)を含有することを特徴とするゴム組
成物である。
【0009】そして、本発明は、(2) 非極性ゴム
(A)が、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−α−
オレフィン系共重合ゴムおよびエチレン−α−オレフィ
ン−ジエン系共重合ゴムから選ばれる少なくとも1種で
ある前記(1)のゴム組成物;(3) 極性ゴム(B)
が、アクリルゴムである前記(1)または(2)のゴム
組成物;および、(4) 非極性ゴム(A):極性ゴム
(B)の含有比率が3:97〜97:3(質量比)であ
り、非極性ゴム(A)および極性ゴム(B)の合計10
0質量部に対してブロック共重合体(C)を0.1〜5
0質量部の割合で含有する前記(1)〜(3)のいずれ
かのゴム組成物;を好ましい態様として包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のゴム組成物では、非極性ゴム(A)とし
て、極性を有していないゴムであればいずれも使用で
き、そのうちでも、溶解度パラメーターの値が7〜8.
5(cal/cm31/2の範囲にある非極性ゴムが好ま
しく用いられる。本発明で用いる非極性ゴム(A)の具
体例としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エ
チレン−α−オレフィン系共重合ゴム、エチレン−α−
オレフィン−ジエン系共重合ゴム、それらの油展物など
を挙げることができる。これらの非極性ゴムは単独で使
用しても、または2種以上を併用してもよい。そのうち
でも、本発明では、非極性ゴム(A)として、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、エチレン−α−オレフィン系共重
合ゴムおよびエチレン−α−オレフィン−ジエン系共重
合ゴムの1種または2種以上が、ブロック共重合体
(C)における共役ジエン系重合体ブロックPとの相溶
性の点から好ましく用いられる。
【0011】本発明のゴム組成物で用いる極性ゴム
(B)は、分子中に極性基や極性結合(例えば、エステ
ル基、カルボキシル基、ニトリル基、ハロゲン原子な
ど)を有し、それによってゴムに極性が付与されている
ゴムである。本発明では、極性ゴムのいずれもが使用で
き、そのうちでも、溶解度パラメーターの値が8.6〜
12(cal/cm31/2の範囲にある極性ゴムが好ま
しく用いられる。本発明で用いる極性ゴム(B)の具体
例としては、アクリルゴム、ニトリル−共役ジエン系共
重合ゴム、高飽和ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム、
フッ素ゴム、これらの油展物などを挙げることができ
る。これらの極性ゴムは単独で使用しても、または2種
以上を併用してもよい。そのうちでも、本発明では、極
性ゴム(B)としてアクリルゴムが、ブロック共重合体
(C)におけるアクリル系重合体ブロックQとの相溶性
の点から好ましく用いられる。
【0012】本発明で用いるブロック共重合体(C)
は、共役ジエン系重合体ブロックP(以下単に「ブロッ
クP」ということがある)とアクリル系重合体ブロック
Q(以下単に「ブロックQ」ということがある)を有す
るブロック共重合体である。本発明で用いるブロック共
重合体(C)は、溶解度パラメーターの差の大きなブロ
ックPとブロックQとが結合している点に特徴がある。
【0013】ブロック共重合体(C)における共役ジエ
ン系重合体ブロックPは、共役ジエンに由来する構造単
位から主としてなる重合体ブロックである。ブロックP
は、共役ジエンに由来する構造単位のみからなっていて
も、または少量(特にブロックPの質量の20質量%以
下)であれば共役ジエン以外の単量体に由来する構造単
位を有していてもよい。ブロックPが共役ジエン以外の
単量体に由来する構造単位を有している場合は、該構造
単位は例えばオレフィン類、芳香族ビニル化合物などの
ような極性を持たない単量体に由来するものであること
が好ましい。ブロックPを構成する共役ジエンは、鎖状
構造を有する共役ジエンであっても、環状構造を有する
共役ジエンであってもいずれであってもよいが、極性基
を持たない共役ジエンであることが好ましい。ブロック
Pを構成する共役ジエンの具体例としては、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、ミルセン、2−メチル−1,3
−ペンタジエン、シクロヘサジエンなどを挙げることが
できる。ブロックPを構成する共役ジエンは、これらの
共役ジエンの1種のみであって、または2種以上であっ
てもよい。そのうちでも、非極性ゴム(A)との相溶性
の点から、ブロックPは、ブタジエンおよび/またはイ
ソプレンに由来する構造単位からなっていることが好ま
しく、イソプレンに由来する構造単位からなっているこ
とがより好ましい。
【0014】ブロック共重合体(C)におけるアクリル
系重合体ブロックQは、アクリル系単量体に由来する構
造単位から主としてなる重合体ブロックである。ブロッ
クQは、アクリル系単量体に由来する構造単位のみから
なっていても、または少量(特にブロックQ質量の20
質量%以下)であれば他の単量体に由来する構造単位を
有していてもよい。ブロックQがアクリル系単量体以外
の単量体に由来する構造単位を有している場合は、該構
造単位は、極性基を有する単量体に由来する構造単位お
よび/または極性基を持たない単量体に由来する構造単
位のいずれであってもよい。ブロックQを構成するアク
リル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル
類、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド類などを挙げることができ、そのうちでも(メタ)ア
クリル酸エステル類からなることが、極性ゴム(B)と
の相溶性または重合上の観点から好ましい。
【0015】ブロックQを構成する(メタ)アクリル酸
エステル類としては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜
14のアルキルエステルが好ましい。そのような(メ
タ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソオクチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−
ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリルなどを挙げることができる。ブロックQ
は、これらの(メタ)アクリル酸エステルの1種または
2種以上から形成されていることができる。そのうちで
も、ブロックQは、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−ブチルの1種または2種以上から形成されて
いることが好ましく、特にアクリル酸n−ブチルから形
成されていることが、極性ゴム(B)との相溶性または
重合上の観点からより好ましい。
【0016】ブロック共重合体(C)は、少なくとも1
個のブロックPと少なくとも1個のブロックQがブロッ
ク状に結合した共重合体である限りは、各ブロックの結
合数、結合ブロック総数、結合形態などは特に制限され
ない。ブロック共重合体(C)の例としては、以下の一
般式〜で示すブロック共重合体を挙げることができ
る。
【0017】
【化1】 (PQ)m (PQ)m−P (QP)m−Q {(PQ)n}r−Z {(QP)n}r−Z (式中、PはブロックP、QはブロックQ、Zは価数が
2以上である化合物残基、mは1以上の整数、nは1以
上の整数、rは化合物残基Zの価数と同じ2以上の整数
を示す。)
【0018】少なくとも1個のブロックPと少なくとも
1個のブロックQを有しているブロック共重合体(C)
である限りは、非極性ゴム(A)と極性ゴム(B)との
相溶化性能の観点からは特に大きな差はないが、ブロッ
ク共重合体(C)の製造の容易性の点から、1個のブロ
ックPと1個のブロックQが結合したジブロック共重合
体(PQ)および/または1個のブロックQの両端にブ
ロックPが各1個結合したトリブロック共重合体(PQ
P)が好ましく用いられ、ジブロック共重合体(PQ)
がより好ましく用いられる。
【0019】ブロック共重合体(C)を構成する共役ジ
エン系重合体ブロックPおよびアクリル系重合体ブロッ
クQの分子量は特に制限されないが、一般にはブロック
PおよびブロックQのそれぞれの数平均分子量が5,0
00〜1.000,000であることが好ましく、1
0,000〜500,000であることがより好まし
い。またブロック共重合体(C)全体の数平均分子量は
10,000〜1,500,000であることが好まし
く、20,000〜1,000,000であることがよ
り好ましい。ブロック共重合体(C)におけるブロック
PおよびブロックQの数平均分子量が5,000未満で
あると、またブロック共重合体(C)全体の数平均分子
量が10,000未満であると、非極性ゴム(A)と極
性ゴム(B)との相溶化を十分に達成しにくくなる。一
方、ブロック共重合体(C)におけるブロックPおよび
ブロックQの数平均分子量が1,000,000を超え
ると、各重合体ブロックの製造時およびブロック共重合
体(C)の製造時に重合溶液の粘度が高くなり過ぎて、
各重合体ブロックおよびブロック共重合体(C)の製造
が円滑に行われにくくなる。なお、本明細書における数
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)によるポリスチレン換算での数平均分子量
を言う。
【0020】ブロック共重合体(C)の製法は特に制限
されず、溶液重合、懸濁重合などにより製造することが
できる。例えば、共役ジエンの重合に当たっては、n−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどの有機ア
ルカリ金属化合物を重合開始剤として用いて、またアク
リル系単量体の重合に当たっては、有機アルカリ金属化
合物と有機アルミニウム化合物や有機亜鉛化合物などの
化合物とから構成される開始剤系を用いて、ブロック共
重合体(C)における共役ジエン系重合体ブロックPと
アクリル系重合体ブロックQの結合形態(結合順序)に
応じて、いずれか一方の重合体を製造した後、該重合体
の存在下にもう一方の単量体成分を結合・重合させるこ
とにより製造することができる。
【0021】本発明のゴム組成物では、非極性ゴム
(A)と極性ゴム(B)の含有割合は、ゴム組成物の用
途や使用形態などに応じて調整し得るが、一般には、非
極性ゴム(A):極性ゴム(B)の含有比率(質量比)
が、3:97〜97:3であることが好ましく、90:
10〜10:90であることが好ましい。非極性ゴム
(A)と極性ゴム(B)の合計質量に対して、非極性ゴ
ム(A)の割合が3質量%未満であると[極性ゴム
(B)の割合が97質量%を超えると]、非極性ゴム
(A)の有する長所が発揮されにくくなり、一方極性ゴ
ム(B)の割合が3質量%未満であると[非極性ゴム
(A)の割合が97質量%を超えると]、極性ゴム
(B)の有する長所が発揮されにくくなる。
【0022】また、本発明のゴム組成物は、非極性ゴム
(A)と極性ゴム(B)の合計100質量部に対して、
ブロック共重合体(C)を0.1〜50質量部の割合で
含有することが好ましく、0.5〜30質量部の割合で
含有することがより好ましい。ブロック共重合体(C)
の割合が0.1質量部未満であると、非極性ゴム(A)
と極性ゴム(B)とを十分に相溶化できにくくなり、一
方50質量部を超えると、非極性ゴム(A)および極性
ゴム(B)が本来有する長所が損なわれ易くなる。
【0023】本発明のゴム組成物には、非極性ゴム
(A)、極性ゴム(B)およびブロック共重合体(C)
と共に、ゴム工業において従来から使用されている各種
添加剤の1種または2種以上が用いられる。そのような
添加剤としては、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促
進助剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤
などが挙げられる。
【0024】加硫剤、架橋剤としては、例えば、硫黄、
有機過酸化物などを挙げることができる。有機過酸化物
の種類は特に制限されず、ゴムの架橋(加硫)に用いら
れている有機過酸化物のいずれであってもよく、限定さ
れるものではないが、具体例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシドなどを挙げることがで
きる。
【0025】加硫促進剤としては、ゴムの加硫に従来か
ら用いられている加硫促進剤のいずれも使用でき、例え
ば、テトラメチルチウラムジスルヒド、テトラメチルチ
ウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジブ
チルジチオカバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン
酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム等のジ
チオカーバミン酸類又はその塩;2−メルカプトベンゾ
チアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド等のチアゾール類;トリメチルチオ
尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素などのチオ尿素類な
どの有機加硫促進剤、或いは消石灰、酸化マグネシウ
ム、酸化チタン、リサージ(酸化鉛)などの無機加硫促
進剤などを挙げることができる。これらの加硫促進剤の
1種または2種以上を用いることができる。
【0026】加硫促進助剤としては、例えば、亜鉛華等
の金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸
などの脂肪酸を挙げることができる。
【0027】老化防止剤としては、例えば、2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン
化フェノール等のフェノール類などを挙げることがで
き、必要に応じて、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。
【0028】補強剤としては、カーボンブラック、シリ
カ、亜鉛華、表面処理沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、クレー等の無機補強剤、或いはクマロンインデ
ン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂などの有機
補強剤を挙げることができ、必要に応じて、これらの1
種または2種以上を含有することができる。
【0029】軟化剤としては、例えば、脂肪酸(ステア
リン酸、ラウリル酸等)、綿実油、トール油、アスファ
ルト物質、パラフィンワックス等の植物油系、鉱物油
系、合成系の各種軟化剤を挙げることができ、必要に応
じてこれらの1種または2種以上を含有することができ
る。
【0030】可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ートなどを挙げることができ、必要に応じてこれらの可
塑剤の1種または2種以上を含有することができる。
【0031】本発明のゴム組成物の調製方法は特に制限
されず、ゴム組成物の調製に当たって従来から採用され
ているいずれの方法を採用してもよく、例えば、ラボプ
ラストミル、オープンロール、バンバリーミキサー、ブ
ラベンダーなどの通常のゴム混練装置を用いて調製する
ことができる。ゴム組成物を調製する際の各成分の混合
方法や混合順序などは特に制限されず、例えば、(1)
ゴム組成物を構成する全成分を一度に混合し混練してゴ
ム組成物を調製する方法、(2)非極性ゴム(A)、極
性ゴム(B)、ブロック共重合体(C)および老化防止
剤を予め混合・混練した後、それに加硫剤、架橋剤、加
硫促進剤、加工助剤などを混合して更に混練してゴム組
成物を調製する方法などを挙げることができる。それら
のうちでも、前記(2)の方法が、非極性ゴム(A)、
極性ゴム(B)およびブロック共重合体(C)の混合が
均一微細に行われることから好ましく採用される。
【0032】上記のゴム組成物を、ゴム工業で通常採用
されているのと同様にして、加硫することによって、加
硫物(加硫した成形品等)を製造することができる。加
硫は、例えば、プレス加硫装置や、その他の成形装置を
用いて、一般に、80〜200℃で約3〜60分間加熱
することにより行われる。
【0033】本発明のゴム組成物は、ゴム組成物を構成
している非極性ゴム(A)および極性ゴム(B)の種類
などに応じて、それぞれのゴムが従来用いられてきたの
と同様の各種の用途に有効に用いることができる。何ら
限定されるものではないが、本発明のゴム組成物は、各
種ゴム工業用途、例えば、ガスケット、ホース、チュー
ブ、ゴム板、コンベアベルト、パッキン、Oリング、ベ
アリングシール、オイルシール、ゴムロール、ブレー
ド、車両用タイヤなどに好適に用いられる。特に、本発
明のゴム組成物は引裂き強さに優れていることから、ホ
ース、チューブ、コンベアベルト、ゴムロール、車両用
タイヤの用途に極めて有効に使用することができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例等により本発明について具体的
に説明するが、本発明は以下の例によって何ら制限され
るものではない。以下の例において、ゴム組成物の加硫
前後のモルフォロジー(相構造)、並びに加硫後の引裂
き強さおよび硬度は次のようにして測定または評価し
た。
【0035】(1)ゴム組成物の加硫前後のモルフォロ
ジー:加硫前(架橋前)および加硫後(架橋後)のゴム
組成物を−140℃に冷却して凍結させた後、ダイヤモ
ンドナイフを用いて断面出しを行い、それを四酸化オス
ミウムまたは四酸化ルテニウムで染色して、走査型電子
顕微鏡にてその断面を写真撮影し(倍率250倍)、撮
影した写真の任意の7cm×7cmについて、すべての
分散粒子の粒径を測定し、その平均値を採って、モルフ
ォロジーの評価を行った。
【0036】(2)加硫後(架橋後)のゴム組成物の引
裂き強さおよび硬度:加硫(架橋)したゴム組成物から
厚さ1mmの試験片を作製し、JIS K−6301に
準拠して引裂き強さおよび硬度(JIS−A硬度)を測
定した。
【0037】また、以下の例で用いた成分の内容は次の
とおりである。 (i)天然ゴム:マレーシア産「RSS#1」 (ii)EPDM:エチレン−α−オレフィン−ジエン
系共重合ゴム(日本合成化学社製「EP98」)の油展
物(「EP98」100質量部に対してパラフィン油7
5質量部を含有) (iii)EPDM:エチレン−α−オレフィン−ジエ
ン系共重合ゴム(日本合成化学社製「EP24」) (iv)アクリルゴム:日本メクトロン社製「ノックスタ
イトPA302」 (v)ブロック共重合体(C1):以下の参考例1で得
られたイソプレン重合体ブロックとアクリル酸n−ブチ
ル重合体ブロックとのジブロック共重合体 (vi)老化防止剤:2,2’−メチレンビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)(大内新興社製「NS
−6」) (vii)加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフィンアミド(大内新興社製「ノクセラ
ーCZ」)
【0038】《参考例1》[ブロック共重合体(C1
の製造] (1) 1.5リットルのオートクレーブ容器内に、ト
ルエン925mlを投入し、20分間窒素パージを行っ
た後、濃度1.3Mのsec−ブチルリチウムのシクロ
ヘキサン溶液0.77mlを加え、次いでイソプレン8
8mlを加えて、25℃で5時間撹拌しながら、イソプ
レンを重合して、イソプレン重合体を含む反応混合物を
得た。 (2) 上記(1)で得られた反応混合物の一部をサン
プリングして、ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、イソプレンの反応率は99%であることが判明し
た。また、GPC(ポリスチレン換算)での分析の結
果、反応混合物中のイソプレン重合体の数平均分子量は
97,000であり、その重量平均分子量/数平均分子
量の比(Mw/Mn)は1.09であることが判明し
た。
【0039】(3) 上記(1)で得られた反応混合物
を−30℃に冷却し、10mmolのイソブチルビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)ア
ルミニウムを含有するトルエン溶液14.3mlおよび
1,2−ジメトキシエタン10.4mlを添加し、10
分間撹拌した。 (4) 次いで、上記(3)で得られた溶液を激しく撹
拌しながら、これにアクリル酸n−ブチル112mlを
添加し、−30℃で撹拌下に1時間重合した後、メタノ
ール約1mlを添加して重合を停止させた。 (5) 上記(4)で得られた反応混合物をメタノール
8000mlに入れて再沈させることにより、ブロック
共重合体(C1)を取得した。得られたブロック共重合
体(C1)の収量はほぼ100%であった。GPC(ポ
リスチレン換算)での分析の結果、ブロック共重合体
(C1)の数平均分子量は264,000であり、その
Mw/Mnは1.03であった。ブロック共重合体(C
1)をNMRにて測定したところ、アクリル酸n−ブチ
ル重合体ブロックの含量割合が64質量%、イソプレン
重合体ブロックの含有割合が36質量%のジブロック重
合体であることが判明した。
【0040】《実施例1》 (1) 天然ゴム、アクリルゴム、参考例1で得られた
ブロック共重合体(C1)および老化防止剤(NS−
6)を、下記の表1に示す割合(質量部)で混合した
後、ラボプラストミルを用いて160℃で10分間混練
して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ステアリ
ン酸、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤(ノクセラーCZ)
を下記の表1に示す割合(質量部)で添加して、4イン
チロール(直径約10cmロール)を用いて、温度50
℃で約17分間二次混練を行って、ゴム組成物を調製し
た。このゴム組成物の調製時にはアクリルゴムがロール
に付着することがなく、ロール加工性は良好であった。 (3) 上記(2)で得られたゴム組成物におけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られたゴム組成物を、温度14
5℃、圧力5MPaにて30分間加硫プレスして、厚さ
1mmのシートを作製した。 (5) 上記(4)で得られた加硫シートにおけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、そのモルフ
ォロジーは図1の顕微鏡写真に示すとおりであり、天然
ゴムとアクリルゴムとが相溶化されて、両者が互いに均
一微細に混合していた。また、分散粒子の平均径は下記
の表1に示すとおりであった。 (6) また、上記(4)で得られた加硫シートを切断
して縦×横×厚さ=15cm×15cm×1mmの試験
片を作製し、該試験片を用いて引裂き強さおよび硬度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0041】《比較例1》 (1) 天然ゴム、アクリルゴムおよび老化防止剤(N
S−6)を、下記の表1に示す割合(質量部)で混合し
た後、ラボプラストミルを用いて160℃で10分間混
練して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ステアリ
ン酸、酸化亜鉛、硫黄および加硫促進剤(ノクセラーC
Z)を下記の表1に示す割合(質量部)で添加して、4
インチロール(直径約10cmロール)を用いて、温度
50℃で約17分間二次混練を行って、ゴム組成物を調
製した。このゴム組成物の調製時にアクリルゴムの一部
がロールに付着して、ロール加工性が不良であった。 (3) 上記(2)で得られたゴム組成物におけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られたゴム組成物を、温度14
5℃、圧力5MPaにて30分間加硫プレスして、厚さ
1mmのシートを作製した。 (5) 上記(4)で得られた加硫シートにおけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、そのモルフ
ォロジーは図2の顕微鏡写真のとおりであり、天然ゴム
とアクリルゴムとの間にマクロな相分離界面が多数存在
していた。また、分散粒子の平均径は下記の表1に示す
とおりであった。 (6) また、上記(4)で得られた加硫シートを切断
して縦×横×厚さ=15cm×15cm×1mmの試験
片を作製し、該試験片を用いて引裂き強さおよび硬度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0042】《実施例2》 (1) EPDMの油展物、アクリルゴム、参考例1
で得られたブロック共重合体(C1)および老化防止剤
(NS−6)を、下記の表1に示す割合(質量部)で混
合した後、ラボプラストミルを用いて160℃で10分
間混練して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ジクミル
パーオキサイドおよび酸化チタンを下記の表1に示す割
合(質量部)で添加して、4インチロール(直径約10
cmロール)を用いて、温度50℃で約17分間二次混
練を行って、ゴム組成物を調製した。このゴム組成物の
調製時にはアクリルゴムがロールに付着することがな
く、ロール加工性は良好であった。 (3) 上記(2)で得られたゴム組成物におけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られたゴム組成物を、温度16
0℃、圧力5MPaにて30分間架橋プレスして、厚さ
1mmのシートを作製した。 (5) 上記(4)で得られた架橋シートにおけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (6) また、上記(4)で得られた架橋シートを切断
して縦×横×厚さ=15cm×15cm×1mmの試験
片を作製し、該試験片を用いて引裂き強さおよび硬度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0043】《比較例2》 (1) EPDMの油展物、アクリルゴムおよび老化
防止剤(NS−6)を、下記の表1に示す割合(質量
部)で混合した後、ラボプラストミルを用いて160℃
で10分間混練して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ジクミル
パーオキサイドおよび酸化チタンを下記の表1に示す割
合(質量部)で添加して、4インチロール(直径約10
cmロール)を用いて、温度50℃で約17分間二次混
練を行って、ゴム組成物を調製した。このゴム組成物の
調製時にアクリルゴムの一部がロールに付着し、ロール
加工性が不良であった。 (3) 上記(2)で得られたゴム組成物におけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られたゴム組成物を、温度16
0℃、圧力5MPaにて30分間架橋プレスして、厚さ
1mmのシートを作製した。 (5) 上記(4)で得られた架橋シートにおけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (6) また、上記(4)で得られた架橋シートを切断
して縦×横×厚さ=15cm×15cm×1mmの試験
片を作製し、該試験片を用いて引裂き強さおよび硬度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0044】《実施例3》 (1) EPDM、アクリルゴム、参考例1で得られ
たブロック共重合体(C 1)および老化防止剤(NS−
6)を、下記の表1に示す割合(質量部)で混合した
後、ラボプラストミルを用いて160℃で10分間混練
して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ジクミル
パーオキサイドおよび酸化チタンを下記の表1に示す割
合(質量部)で添加して、4インチロール(直径約10
cmロール)を用いて、温度50℃で約17分間二次混
練を行って、ゴム組成物を調製した。このゴム組成物の
調製時にはアクリルゴムがロールに付着することがな
く、ロール加工性は良好であった。 (3) 上記(2)で得られたゴム組成物におけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られたゴム組成物を、温度16
0℃、圧力5MPaにて30分間架橋プレスして、厚さ
1mmのシートを作製した。 (5) 上記(4)で得られた架橋シートにおけるモル
フォロジーを上記した方法で調べたところ、分散粒子の
平均径は下記の表1に示すとおりであった。 (6) また、上記(4)で得られた架橋シートを切断
して縦×横×厚さ=15cm×15cm×1mmの試験
片を作製し、該試験片を用いて引裂き強さおよび硬度を
上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとお
りであった。
【0045】《比較例3》 (1) EPDM、アクリルゴムおよび老化防止剤
(NS−6)を、下記の表1に示す割合(質量部)で混
合した後、ラボプラストミルを用いて160℃で10分
間混練して一次混練物を調製した。 (2) 上記(1)で得られた一次混練物に、ジクミル
パーオキサイドおよび酸化チタンを下記の表1に示す割
合(質量部)で添加して、4インチロール(直径約10
cmロール)を用いて、温度50℃で二次混練を行った
ところ、アクリルゴムがロールに付着して混練が不能に
なったため、混練を停止し、以後の架橋工程を行わなか
った。 (3) 上記(2)におけるロール混練を停止した時点
におけるゴム組成物におけるモルフォロジーを上記した
方法で調べたところ、分散粒子の平均径は下記の表1に
示すとおりであった。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表1の結果から明らかなように、非
極性ゴム(A)(天然ゴム、EPDMの油展物または
EPDM)および極性ゴム(B)(アクリルゴム)と
共にブロック共重合体(C)[ブロック共重合体
(C1)]を配合した実施例1、実施例2および実施例
3のゴム組成物は、ロール混練時に極性ゴム(B)(ア
クリルゴム)がロールに付着せず、ロール加工性が良好
である。そして、実施例1、実施例2および実施例3の
ゴム組成物は、加硫前(架橋前)および加硫後(架橋
後)のゴム組成物において各成分が均一微細に混合分散
した良好なモルフォロジーを有し、しかもそのようなモ
ルフォロジーが加硫前(架橋前)と加硫後(架橋後)で
殆ど変化しておらず、加硫物(架橋物)は高い引裂き強
さを有していて力学的特性に優れている。
【0048】それに対して、非極性ゴム(A)(天然ゴ
ムまたはEPDMの油展物)および極性ゴム(B)
(アクリルゴム)に対してブロック共重合体(C)[ブ
ロック共重合体(C1)]を配合しなかった比較例1お
よび比較例2のゴム組成物は、ロール混練時に極性ゴム
(B)(アクリルゴム)の一部がロールに付着し、ロー
ル加工性に劣っている。その上、比較例1および比較例
2のゴム組成物は、加硫前(架橋前)および加硫後(架
橋後)のゴム組成物における分散粒子の平均径が実施例
1および実施例2に比べて大幅に大きくなっており、各
成分の混合分散状態が、実施例1および実施例2に比べ
て不良である。しかも、比較例1および比較例2では、
加硫前(架橋前)に比べて加硫後(架橋後)に分散粒子
の平均径が大幅に大きくなっており、それに伴って加硫
物(架橋物)の引裂き強さが実施例1および実施例2に
比べて低くなっている。また、非極性ゴム(A)(EP
DM)および極性ゴム(B)(アクリルゴム)に対し
てブロック共重合体(C)[ブロック共重合体
(C1)]を配合しなかった比較例3のゴム組成物は、
ロール混練時に極性ゴム(B)(アクリルゴム)がロー
ルに付着し、混練が不能になり、ゴム組成物が得られな
かった。
【0049】
【発明の効果】非極性ゴム(A)および極性ゴム(B)
と共に、ブロック共重合体(C)を含有する本発明のゴ
ム組成物では、非極性ゴム(A)と極性ゴム(B)とが
相溶化されて、両者が互いに均一微細に混合分散したモ
ルフォロジーとなっている。そのため、本発明のゴム組
成物は、混練時などにゴム組成物がロールなどの混練装
置に付着することがなくなり加工性に優れている。しか
も、本発明のゴム組成物は、加硫または架橋したとき
に、力学的特性、特に引裂き強さに優れる加硫物または
架橋物を与えるので、例えば、ガスケット、ホース、チ
ューブ、ゴム板、コンベアベルト、パッキン、Oリン
グ、ベアリングシール、オイルシール、ゴムロール、ブ
レード、車両用タイヤなどの広範な用途に好適に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のゴム組成物を加硫してなる加硫物の
モルフォロジーを示す電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1のゴム組成物の加硫してなる加硫物の
モルフォロジーを示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/10 F16J 15/10 Y (72)発明者 高橋 享 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 浜島 淑子 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 3J040 FA06 4J002 AC01W AC03W AC06W AC07W AC07X BB15W BB18W BD12X BG04X BP033 FD010 FD020 FD030 FD140 FD150 GJ02 GM01 GN01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性ゴム(A)、極性ゴム(B)、お
    よび共役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体
    ブロックQとからなるブロック共重合体(C)を含有す
    ることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 非極性ゴム(A)が、天然ゴム、イソプ
    レンゴム、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムおよ
    びエチレン−α−オレフィン−ジエン系共重合ゴムから
    選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のゴム組
    成物。
  3. 【請求項3】 極性ゴム(B)が、アクリルゴムである
    請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 非極性ゴム(A):極性ゴム(B)の含
    有比率が3:97〜97:3(質量比)であり、非極性
    ゴム(A)および極性ゴム(B)の合計100質量部に
    対してブロック共重合体(C)を0.1〜50質量部の
    割合で含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴ
    ム組成物。
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