JP2003089729A - ジエン系ゴム組成物 - Google Patents

ジエン系ゴム組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れるだけでなく、ケイ素系無機充
填材の分散性の優れたジエン系ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 ジエン系ゴム100質量部、共役ジエン
系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとか
らなるブロック共重合体1〜50質量部およびケイ素系
無機充填材4〜100質量部からなるジエン系ゴム組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエン系ゴム組成
物に関し、より詳細にはジエン系ゴムに特定のブロック
共重合体とケイ素系無機充填材を配合してなる加工性及
び無機充填材の分散性に優れたジエン系ゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリカはホワイトカーボンと
も称され極めて補強性に優れるため、白色ないしは明色
が要求されるゴム製品に用いられてきた。また、近年、
タイヤ用ゴム材料として、高グリップ性能、およびタイ
ヤの低転がり抵抗を両立させるために、ジエン系ゴムに
補強剤としてカーボンブラックに代えてシリカを配合し
たゴム組成物が提案されている。ところが、シリカは高
度の物性を発現させるためにその粒子径が極めて小さい
ものに設計されているため、充填比重が小さく嵩高であ
り、ゴムに配合する際に分散不良が起こりやすく、グリ
ップ性能、およびタイヤの転がり抵抗などの特性が十分
に改善されないという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明は、加
工性に優れるだけでなく、ケイ素系無機充填材の分散性
の優れたジエン系ゴム組成物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ジエン系ゴムに、共
役ジエン系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロッ
クQとからなるブロック共重合体とシリカ粉末を特定量
配合することにより、上記目的が達成されることを見出
し本発明を完成するに至った。すなわち、上記目的は本
発明によれば、ジエン系ゴム100質量部、共役ジエン
系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとか
らなるブロック共重合体1〜50質量部およびケイ素系
無機充填材4〜100質量部からなるジエン系ゴム組成
物によって達成することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いるジエン系ゴムは、通常のゴム製品
に用いられているジエン系ゴムであれば特に限定され
ず、ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマーを主
たる構成モノマー成分とする固形ゴムである。その具体
例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン
ゴム、ニトリル−共役ジエン系共重合ゴム、クロロプレ
ンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。これらのジエン系
ゴムは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0006】本発明に用いるブロック共重合体は、共役
ジエン系重合体ブロックP(以下単に「ブロックP」と
いうことがある)とアクリル系重合体ブロックQ(以下
単に「ブロックQ」ということがある)とを有するブロ
ック共重合体である。本発明に用いるブロック共重合体
は、溶解度パラメーターの差の大きなブロックPとブロ
ックQとが結合している点に特徴があり、これにより極
性部分であるアクリル系重合体ブロックとシリカ粉末等
のケイ素系無機充填材との親和性が向上するものと思わ
れる。
【0007】ブロック共重合体における共役ジエン系重
合体ブロックPは、共役ジエンに由来する構造単位から
主としてなる重合体ブロックである。ブロックPは、共
役ジエンに由来する構造単位のみからなっていても、共
役ジエン以外の単量体に由来する構造単位を有している
ものでもよい。ブロックPが共役ジエン以外の単量体に
由来する構造単位を有している場合は、該構造単位は例
えばオレフィン類、芳香族ビニル化合物などのような極
性を持たない単量体に由来するものであることが好まし
い。ブロックPを構成する共役ジエンは、鎖状構造を有
する共役ジエンであっても、環状構造を有する共役ジエ
ンであってもいずれでもよいが、極性を持たない共役ジ
エンであることが好ましい。ブロックPを構成する共役
ジエンの具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、ミルセン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
シクロヘキサジエンなどを挙げることができる。これら
のなかでも、非極性ゴムとの相溶性の点から、ブロック
Pは、ブタジエンおよび/またはイソプレンに由来する
構造単位からなっていることが好ましく、イソプレンに
由来する構造単位からなっていることがより好ましい。
【0008】また、ブロック共重合体におけるアクリル
系重合体ブロックQは、アクリル系単量体に由来する構
造単位から主としてなる重合体ブロックである。ブロッ
クQは、アクリル系単量体に由来する構造単位のみから
なっていても、アクリル系単量体以外の単量体に由来す
る構造単位を有しているものでもよい。ブロックQがア
クリル系単量体以外の単量体に由来する構造単位を有し
ている場合は、該構造単位は極性基を有する単量体に由
来するものおよび/または極性基を持たない単量体に由
来するものであってもよい。ブロックQを構成するアク
リル系単量体としては、アクリル酸アルキルエステル及
びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくと
も1種以上の単量体(以下、アクリル酸アルキルエステ
ル及びメタクリル酸アルキルエステルを「(メタ)アク
リル酸アルキルエステル」と総称することがある)を挙
げることができる。
【0009】ブロックQを構成する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、炭素数1〜14のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ま
しい。そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t
ert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げることができ
る。ブロックQは、これらの(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの1種または2種以上から形成されているこ
とが好ましい。これらのうちでも、ブロックQは、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシルの1種または2種以
上から形成されていることが好ましく、特にメタクリル
酸メチルから形成されていることがより好ましい。
【0010】ブロック共重合体は、少なくとも1個のブ
ロックPと少なくとも1個のブロックQがブロック状に
結合した共重合体である限りは、各ブロックの結合数、
結合ブロック数、結合形態などは特に限定されない。ブ
ロック共重合体の例としては、以下の一般式(1)〜
(5)で示されるブロック共重合体を挙げることができ
る。
【0011】
【化1】(PQ)x (1) (PQ)x−P (2) (QP)x−Q (3) {(PQ)y}r−Z (4) {(QP)y}r−Z (5) (式中、PはブロックP、QはブロックQ、Zは価数が
2以上である化合物残基、xは1以上の整数、yは1以
上の整数、rは化合物残基Zと同じ2以上の整数をそれ
ぞれ示す。)
【0012】少なくとも1個のブロックPと少なくとも
1個のブロックQを有しているブロック共重合体である
限りは、相溶化性能の観点からはどの結合様式において
も特に大きな差はないが、ブロック共重合体の製法上の
容易性の観点から、1個のブロックPと1個のブロック
Qが結合したジブロック共重合体PQおよび/または1
個のブロックQの両端にブロックP各1個がそれぞれ結
合したトリブロック共重合体PQPが好ましく用いら
れ、ジブロック共重合体PQがより好ましく用いられ
る。
【0013】ブロック共重合体を構成するブロックPと
ブロックQとの構成割合は特に限定されないが、ブロッ
クPとブロックQとの含有比率はは97/3〜3/97
(質量比)であることが好ましい。共役ジエン系重合体
からなるブロックPの割合が3質量%以上であると、ジ
エン系ゴム中へのブロック共重合体の分散性が良好とな
り、一方ブロックQの割合が3質量%以上であると、弾
性率が良好となるので好ましい。
【0014】ブロック共重合体を構成する共役ジエン系
重合体ブロックPおよびアクリル系重合体ブロックQの
分子量は特に制限されないが、一般にはブロックPおよ
びブロックQの数平均分子量が5,000〜1,00
0,000の範囲内であることが好ましく、7,000
〜500,000の範囲内であることがより好ましい。
またブロック共重合体(B)全体の数平均分子量は1
0,000〜1,500,000であることが好まし
く、14,000〜1,000,000であることがよ
り好ましい。なお、本明細書における数平均分子量は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よるポリエチレン換算での数平均分子量をいう。
【0015】ブロック共重合体の製法は特に制限され
ず、溶液重合、懸濁重合などにより製造することができ
る。例えば、共役ジエンの重合にあたっては、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウムなどの有機アルカ
リ金属化合物を重合開始剤として用いて、またアクリル
系単量体の重合にあたっては、有機アルカリ金属化合物
と有機アルミニウム化合物や有機亜鉛化合物などの化合
物とから構成される開始剤系を用いて、ブロック共重合
体におけるブロックPとブロックQの結合形態(結合順
序)に応じて、いずれか一方の重合体を製造した後、該
重合体の存在下にもう一方の単量体成分を結合・重合さ
せることにより製造することができる。
【0016】上記ブロック共重合体の配合割合は、ジエ
ン系ゴム100質量部に対して1〜50質量部の範囲で
あり、好ましくは2〜40質量部の範囲である。ブロッ
ク共重合体の配合量が1質量部より少ないと、ケイ素系
無機充填材との親和性が不十分で分散改良効果が得られ
ないため好ましくない。一方その配合量が50質量部を
超えるとゴム組成物の力学物性が低下し好ましくない。
【0017】本発明に用いるケイ素系無機充填材は、ケ
イ酸、ケイ酸塩、二酸化ケイ素などのケイ素成分を主成
分とする無機のものであれば特に限定されず使用するこ
とができ、その好ましいものとしてはシリカ粉末が挙げ
られる。シリカ粉末はケイ酸及び/又はケイ酸塩を主成
分とし、湿式法及び乾式法によるいずれのシリカ粉末も
用いることができる。
【0018】上記ケイ素系無機充填材の配合割合は、ジ
エン系ゴム100質量部に対して、4〜100質量部の
範囲であり、好ましくは10〜90質量部の範囲であ
る。ケイ素系無機充填材の配合量が4質量部より少ない
と補強性に劣り、一方100質量部を超えると破断特
性、耐摩耗性等が劣るため好ましくない。
【0019】本発明のジエン系ゴム組成物には、必須成
分であるジエン系ゴム、ブロック共重合体及びケイ素系
無機充填材の他に必要に応じてゴム工業で常用される各
種添加物が用いられる。これらの添加剤としては、加硫
剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、
他の充填剤、軟化剤、可塑剤等が挙げられる。
【0020】上記加硫剤としては、例えば、硫黄、有機
過酸化物等があげられ、このうち有機過酸化物として
は、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキ
シド等が挙げられる。また、加硫促進剤としては、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラム
モノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジブチルジ
チオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜
鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム等のジチオ
カーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N
−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンア
ミド等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N'
−ジエチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤
や、消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ
(PbO)等の無機促進剤が挙げられる。
【0021】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等の
金属酸化物や、或いはステアリン酸、オレイン酸、綿実
脂肪酸等の脂肪酸などが挙げられる。老化防止剤として
は、たとえば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイ
ミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、 N,
N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N
−フェニル− N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン等のアミン類;2,2’−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、ジ−t−ブチル−
p−クレゾール、スチレン化フェノール等のフェノール
類などが挙げられる。
【0022】補強剤及び他の充填材としては、本発明の
目的を損ねない範囲でカーボンブラック、亜鉛華、表面
処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー
等の無機系のものや、クマロンインデン樹脂、フェノー
ル樹脂、ハイスチレン樹脂等の有機系のものを使用する
ことができる。
【0023】また軟化剤としては、例えば脂肪酸(ステ
アリン酸、ラウリル酸等)、綿実油、トール油、アスフ
ァルト物質、パラフィンワックス等の、植物油系、鉱物
油系、及び合成系の各種軟化剤が挙げられる。可塑剤と
しては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、トリクレジルフォスフェート等の各種可塑剤があ
げられる。
【0024】本発明のジエン系ゴム組成物を製造する方
法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用す
ることができ、より具体的にはラボプラストミル、オー
プンロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー等の通
常のゴム混練装置を用いて混合・混練することにより調
製される。例えば、加硫剤と加硫促進剤を除く配合剤と
必須成分であるジエン系ゴム、ブロック共重合体及びシ
リカ粉末などのケイ素系無機充填材をラボプラストミ
ル、バンバリー等の混練機にて1次混練を行い、その後
にオープンロール等の混練機にてその混合物と加硫剤と
加硫促進剤を2次混練し、得られた混合物をプレス加硫
することで本発明のジエン系ゴム組成物を得ることがで
きる。
【0025】この際の1次混練時の温度は、一般に80
〜200℃の範囲である。この温度が80℃より低くな
ると耐摩耗性の向上が少なくなる場合があり、逆に20
0℃を超えるとジエン系ゴム成分の焼けが生じる場合が
ある。混練時間は、一般に30秒〜30分である。次い
で得られた混合物を通常100℃以下、好ましくは室温
〜80℃まで冷却した後、加硫剤と加硫促進剤を加え、
2次混練が行われる。その温度は、一般に室温〜80℃
である。その後、プレス加硫成形機などを用い、80℃
〜200℃で約2分〜60分間プレス加硫することによ
り本発明のジエン系ゴム組成物が得られる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【0027】<ブロック共重合体の合成:合成例1>
1.5リットルのオートクレーブ容器内にトルエンを9
20ml投入し、20分間窒素パージを行った。これに
濃度1.3Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサ
ン溶液4.9mlとイソプレン287mlとを加え、2
5℃で5時間、攪拌下にブロックPの重合を行った。得
られた反応混合液の一部をサンプリングし、ガスクロマ
トグラフィー(以下、GCと称する)で分析したとこ
ろ、イソプレンの反応率は99%以上であった。また、
GPC(ポリスチレン換算)での分析の結果、得られた
ブロックPのポリイソプレンの数平均分子量(Mn)は
48,460であり、その重量平均分子量/数平均分子
量の比(Mw/Mn)は1.03であった。
【0028】次いで上記反応混合液を−30℃に冷却
し、62mmolのイソブチルビス(2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを
含有するトルエン溶液を89ml及び1,2−ジメトキ
シエタン9.2mlを添加し、10分間攪拌した。次い
で得られた溶液を激しく攪拌しながら、これにアクリル
酸n−ブチル6.3mlを添加し、−30℃で1時間、
攪拌下に重合を行った後、メタノールを約1ml添加す
ることにより、重合を停止させた。得られた反応混合液
を8,000mlのメタノールに再沈させることによ
り、ブロック共重合体Iを取得した。得られた重合体の
収率はほぼ100%であった。GPC測定(ポリスチレ
ン換算)の結果、該重合体については数平均分子量が5
1,390、そのMw/Mnが1.02であり、またN
MR測定の結果、アクリル酸n―ブチル含量が2.6質
量%であった。
【0029】<ブロック共重合体の合成:合成例2>
1.5リットルのオートクレーブ容器内にトルエンを9
20ml投入し、20分間窒素パージを行った。これに
濃度1.3Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサ
ン溶液7.1mlとイソプレン287mlとを加え、2
5℃で5時間、攪拌下にブロックPの重合を行った。得
られた反応混合液の一部をサンプリングし、GCで分析
したところ、イソプレンの反応率は99%以上であっ
た。また、GPC(ポリスチレン換算)での分析の結
果、得られたブロックPのポリイソプレンの数平均分子
量(Mn)は33,000であり、その重量平均分子量
/数平均分子量の比(Mw/Mn)は1.03であっ
た。
【0030】次いで上記反応混合液を−30℃に冷却
し、91mmolのイソブチルビス(2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムを
含有するトルエン溶液を129ml及び1,2−ジメト
キシエタン9.2mlを添加し、10分間攪拌した。次
いで得られた溶液を激しく攪拌しながら、これにアクリ
ル酸n―ブチル6.3mlを添加し、−30℃で1時
間、攪拌下に重合を行った後、メタノールを約1ml添
加することにより、重合を停止させた。得られた反応混
合液を8000mlのメタノールに再沈させることによ
り、ブロック共重合体IIを取得した。得られた重合体
の収率はほぼ100%であった。GPC測定(ポリスチ
レン換算)の結果、該重合体については数平均分子量が
35,000、そのMw/Mnが1.02であり、また
NMR測定の結果、アクリル酸n―ブチル含量が2.6
重量%であった。
【0031】実施例1〜2、比較例1〜2 表1に示す割合(質量部)で天然ゴム(RSS#1)、
ブロック共重合体、未変性ポリイソプレン(クラレ社
製:LIR50)、シリカ粉末(日本シリカ工業社製:
ニップシールVN3)、老化防止剤(大内新興化学社
製:ノクラックNS−6)およびステアリン酸を混合
し、これをラボプラストミルで130℃で5分間1次混
練を行い、次いで得られた混合物と架橋剤、加硫促進
剤、加硫促進助剤、アミン化合物を下記に示す配合比に
て、4インチロールを用いて2次混練を行った後、14
5℃で5MPaの圧力下最適加硫時間プレスして、1m
m厚の試験片を作成した。 (配合比) ゴム組成物:100質量部 加硫剤(硫黄):2質量部 加硫促進剤(大内新興化学社製:ノクセラーCZ):
1.3質量部 加硫促進助剤(酸化亜鉛):5質量部 ジシクロヘキシルアミン:3質量部
【0032】得られた試験片を用い下記の評価試験を行
い、得られた結果を表1に示した。 (評価試験方法) (1)加工性:プラストミルによる1次混練時のトルク
変化を計測し、変化の少ない方からその程度を記号で示
した。 ○:トルクの変化がほとんど確認されない。 △:わずかにトルクの上昇が確認される。 ×:発熱が伴うほどのトルク上昇が確認される。
【0033】(2)シリカ粉末の分散性:得られたゴム
組成物を凍結切断して、四酸化オスミウムで染色した
後、走査型電子顕微鏡観察により評価した。 (3)tanδ:レオロジー社製DVE−V4 FTレ
オスペクトラーを用い、11Hzで測定を行った。 (4)力学性能:試験片の厚みが1mmであること以外
はJIS K−6301に準拠して、加硫状態のゴム組
成物の引張強さ、引張び、100%モジュラス及びJI
S−A硬度をそれぞれ測定した。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示される結果から、本発明のゴム組
成物は混練時のトルク変化が小さくなり、加工性及びシ
リカの分散状態が向上することがわかる。また、実施例
1及び実施低2と比較例2との比較から、タイヤのグリ
ップ性能と相関ある0℃でのtanδは、未変性ポリイ
ソプレンを添加した場合に比べても、本発明のゴム組成
物の場合には向上していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のジエン系
ゴム組成物は、加工性に優れかつシリカ粉末の分散性に
も優れており、その特性を生かす各種用途、例えばトレ
ッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイ
ヤ各部位、あるいはホース、窓枠、ベルト、靴底、防振
ゴム、自動車部品などのゴム製品への利用が好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜島 淑子 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC021 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 BB181 BC021 BP032 DJ006 DJ016 FD01 FD02 FD14 FD15 GN01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴム100質量部、共役ジエン
    系重合体ブロックPとアクリル系重合体ブロックQとか
    らなるブロック共重合体1〜50質量部およびケイ素系
    無機充填材4〜100質量部からなるジエン系ゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 ケイ素系無機充填材がシリカ粉末である
    請求項1記載のジエン系ゴム組成物。
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