JP2014074136A - オイルマスターバッチ、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム表面へのブリードを抑制しながら、加工性と低発熱性能を改良する。
【解決手段】1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるオイルマスターバッチである。好ましくは、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに該変性液状ポリブタジエンを湿式混合してなる油展ジエン系ゴムである。また、該オイルマスターバッチを配合してなるゴム組成物であって、該オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独または該ジエン系ゴムと他のジエン系ゴムからなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜150質量部を含有するゴム組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるオイルマスターバッチである。好ましくは、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに該変性液状ポリブタジエンを湿式混合してなる油展ジエン系ゴムである。また、該オイルマスターバッチを配合してなるゴム組成物であって、該オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独または該ジエン系ゴムと他のジエン系ゴムからなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜150質量部を含有するゴム組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、オイルマスターバッチに関し、また、該オイルマスターバッチを用いたゴム組成物、及び空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えばタイヤトレッド用ゴム組成物においては、加工性を向上させる手法として、プロセスオイルや可塑剤、加工助剤などを添加する方法がある。しかしながら、これらの方法では、ゴム組成物の低発熱性能が悪化するといった問題がある。
プロセスオイルに代わる軟化剤として液状ポリブタジエンを配合する技術が知られており、下記特許文献1〜4には、天然ゴム/ブタジエンゴム系のゴム成分に対して、水素添加(以下、単に水添ということがある。)された液状ポリブタジエンを配合することが開示されている。しかしながら、これらの文献には、官能基変性の水添液状ポリブタジエンを用いる点については開示されておらず、また、1,2−ビニル結合量が高い高ビニルの液状ポリブタジエンを水添して用いる点についても沈黙しており、実施例で使用された液状ポリブタジエンも1,2−ビニル結合量が約35モル%の低ビニル品である。
軟化剤として水添液状ポリブタジエンを用いた場合、加工性を向上させつつ、低発熱性能を向上させることができるものの、ゴム表面にブリードし、外観性が損なわれる場合があるという問題が生じた。
本発明は、以上の点に鑑み、ゴム表面へのブリードを抑制しながら、加工性と低発熱性能をバランスよく改良することを目的とする。
本発明の第1の態様は、1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるオイルマスターバッチにある。
本発明の第2の態様は、前記オイルマスターバッチを配合してなるゴム組成物であって、前記オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独または該ジエン系ゴムと他のジエン系ゴムからなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜150質量部を含有するゴム組成物にある。
本発明の第3の態様は、前記ゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤにある。
本発明の第4の態様は、1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油として、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに添加混合し、共沈凝固させることを特徴とするオイルマスターバッチの製造方法にある。
本発明によれば、高ビニルの液状ポリブタジエンを水素添加した官能基変性液状ポリブタジエンを伸展油として添加したオイルマスターバッチを用いることにより、ゴム表面へのブリードを抑制しながら、加工性と低発熱性能をバランスよく改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
[オイルマスターバッチ]
実施形態に係るオイルマスターバッチは、特定の変性液状ポリブタジエンを、伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるものである。該変性液状ポリブタジエンは、常温(23℃)で液状のポリマーであり、常温で固形状をなすジエン系ゴム成分には含まれない。該変性液状ポリブタジエンは、数平均分子量(Mn)が通常1,000〜10万であり、数平均分子量が通常20万以上であるゴム成分としてのジエン系ゴムとは明確に区別される。該変性液状ポリブタジエンの数平均分子量は、1,500〜5万であることが好ましく、より好ましくは1,500〜10,000であり、更に好ましくは2,000〜5,000である。数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、溶媒:THF(テトロヒドロフラン)、40℃で測定される値である。
実施形態に係るオイルマスターバッチは、特定の変性液状ポリブタジエンを、伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるものである。該変性液状ポリブタジエンは、常温(23℃)で液状のポリマーであり、常温で固形状をなすジエン系ゴム成分には含まれない。該変性液状ポリブタジエンは、数平均分子量(Mn)が通常1,000〜10万であり、数平均分子量が通常20万以上であるゴム成分としてのジエン系ゴムとは明確に区別される。該変性液状ポリブタジエンの数平均分子量は、1,500〜5万であることが好ましく、より好ましくは1,500〜10,000であり、更に好ましくは2,000〜5,000である。数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)、溶媒:THF(テトロヒドロフラン)、40℃で測定される値である。
本実施形態では、該変性液状ポリブタジエンとして、1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンが用いられる。このような高ビニルのミクロ構造を有する液状ポリブタジエンを用いることにより、ジエン系ゴムとの相溶性と低発熱性能のバランスを改良することができ、湿潤路面におけるグリップ性能の点でも有利である。また、液状ポリブタジエンとして水添したものを用いることにより、湿潤路面におけるグリップ性能を向上することができる。これは、水添することにより、架橋が抑制され、ゴム組成物の加硫後でも、ジエン系ゴム成分のマトリックス中で、水添ポリブタジエンの分子が動きやすくなるためと考えられる。
1,2−ビニル結合量は、水添前のポリブタジエンについて、そのポリマー中に含まれるブタジエンユニットの含有量に対する1,2−ビニル結合ユニットの含有量であり、1HNMRスペクトルの積分比により算出される。なお、1,2−ビニル結合ユニットは水添によりビニル基がエチル基になるが、炭素数2の炭化水素基の側鎖を持つという1,2−結合の形態自体は保持されるので、水添及び未水添の1,2−ビニル結合ユニットを併せて1,2−結合成分とすれば、該水添ポリブタジエンは1,2−結合成分を50モル%以上含むものである。水添前の1,2−ビニル結合量は、70モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80〜95モル%である。
該変性液状ポリブタジエンの水素添加率(水添前のポリブタジエンの二重結合に対する水添された二重結合の比率)は、特に限定されないが、20モル%以上であることが好ましく、より好ましくは50モル%以上であり、更に好ましくは80〜95モル%である。水素添加率は、1HNMRスペクトルにおける不飽和結合部のスペクトル減少率から算出される。なお、水添は、パラジウムなどの触媒を使用した公知の方法で行うことができ、特に限定されない。
本実施形態では、該変性液状ポリブタジエンとして、ヘテロ原子を含む官能基を有する官能基変性液状ポリブタジエンが用いられる。該官能基としては、ヘテロ原子として酸素原子を含むものが好ましく、例えば、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、カルボン酸誘導体基、及びエポキシ基などが挙げられ、これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。これらの官能基は、シリカ表面のシラノール基(Si−OH)と相互作用があるものであり、すなわち、シラノール基との間で化学結合し得る反応性又は水素結合などの親和性を持つものである。そのため、シリカの分散性を向上して、加工性、低発熱性能や湿潤路面におけるグリップ性能を改良することができる。
ここで、カルボキシル基としては、例えば、マレイン酸、フタル酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。カルボン酸誘導体基としては、これらカルボン酸由来のエステル基(カルボン酸エステル基)や、マレイン酸やフタル酸などのジカルボン酸の無水物からなる酸無水物基が挙げられる。カルボン酸エステル基としては、上記の(メタ)アクリレート基が好ましい例として挙げられる。
このような官能基変性液状ポリブタジエンは、例えば、液状ポリブタジエンを水素添加した水添ポリブタジエンに対して官能基を有する化合物を反応させて化学修飾することにより、分子末端に上記官能基を有する液状ポリブタジエンを得ることができる。但し、その製造方法は特に限定するものではない。
該変性液状ポリブタジエンを添加するジエン系ゴム(即ち、オイルマスターバッチを構成するジエン系ゴム)としては、各種ジエン系ゴムを用いることができ、特に限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、ブタジエンイソプレン共重合体など、及び、これらをヘテロ原子を含む官能基で変性してなる変性ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、それぞれいずれか1種、または2種以上組み合わせて用いることができる。
実施形態に係るオイルマスターバッチは、伸展油としての上記変性液状ポリブタジエンと、ジエン系ゴムとからなるものである。かかる変性液状ポリブタジエンを伸展油として用いることにより、ジエン系ゴム成分のマトリックス中での分散性、相溶性が向上し、ブリードしにくく、加工性が向上する。
該オイルマスターバッチの製造方法は、上記変性液状ポリブタジエンをジエン系ゴムに均一に分散させることができれば、乾式混合(ドライブレンド)でも、湿式混合(ウェットブレンド)でもよい。好ましくは、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに、上記変性液状ポリブタジエンを湿式混合することであり、その場合、オイルマスターバッチは、上記変性液状ポリブタジエンを伸展油として用いた油展ジエン系ゴムである。
かかる好ましい実施形態に係るオイルマスターバッチ、即ち油展ジエン系ゴムの製造方法としては、プロセスオイルに代えて上記変性液状ポリブタジエンを伸展油として用いることを除いて、通常の油展ゴムと同様の方法を用いることができる。すなわち、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに該変性液状ポリブタジエンを添加混合し、共沈凝固させ、乾燥及び/又は脱溶剤させればよい。ラテックス状態のジエン系ゴムに添加する場合、例えば、該変性液状ポリブタジエンの乳濁液を添加し、均一に攪拌した後、凝固剤を添加して共沈凝固させ、得られた固形物を乾燥させることにより、油展ジエン系ゴムが得られる。また、溶液状態のジエン系ゴムに添加する場合、例えば、該変性液状ポリブタジエンをそのまま添加し、均一に攪拌した後、脱溶剤して共沈凝固させ、得られた固形物を乾燥させることにより、油展ジエン系ゴムが得られる。
実施形態に係るオイルマスターバッチにおいて、上記変性液状ポリブタジエンの添加量は特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、変性液状ポリブタジエンの量を1〜100質量部とすることができ、好ましくは5〜50質量部とすることができ、更に好ましくは10〜50質量部とすることができる。
[ゴム組成物]
本実施形態に係るゴム組成物は、上記オイルマスターバッチを配合してしなるものである。該ゴム組成物において、ジエン系ゴム成分としては、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独でもよく、あるいはまた、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴムと他のジエン系ゴムとを組み合わせてもよい。その場合、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴムの比率は、特に限定されないが、ジエン系ゴム成分100質量部中、5〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、上記オイルマスターバッチを配合してしなるものである。該ゴム組成物において、ジエン系ゴム成分としては、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独でもよく、あるいはまた、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴムと他のジエン系ゴムとを組み合わせてもよい。その場合、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴムの比率は、特に限定されないが、ジエン系ゴム成分100質量部中、5〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量部である。
任意成分である他のジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、ブタジエンイソプレン共重合体など、及び、これらをヘテロ原子を含む官能基で変性してなる変性ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、それぞれいずれか1種、または2種以上組み合わせて用いることができる。
該変性ジエン系ゴムとしては、変性スチレンブタジエンゴム又は変性ブタジエンゴムが好ましく用いられ、特には変性スチレンブタジエンゴムが好適である。その官能基は、分子末端に導入されてもよく、あるいはまた分子鎖中に導入されてもよいが、好ましくは末端に導入されることである。
変性ジエン系ゴムの官能基としては、例えば、水酸基(−OH)、アミノ基、カルボキシル基(−COOH)、カルボン酸誘導体基、アルコキシ基、エポキシ基、チオール基(−SH)、及びハロゲンなどが挙げられる。これらはそれぞれ1種のみ導入されてもよく、あるいはまた2種以上組み合わせて導入されてもよい。これらの官能基は、シリカ表面のシラノール基(Si−OH)と相互作用があるものであり、すなわち、シラノール基との間で化学結合し得る反応性又は水素結合などの親和性を持つものである。また、これらの官能基は、変性液状ポリブタジエンの官能基との間でも相互作用を有する。そのため、シリカの分散性を向上させたり、変性液状ポリブタジエンとの相溶性を向上させたりすることができる。ここで、アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。アルコキシ基としては、−OR(但しRはアルキル基)として表させるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、また、例えばトリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などのアルコキシシリル基(シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたもの)として含まれるものであってもよい。カルボキシル基及びカルボン酸誘導体基については、上記変性液状ポリブタジエンと同様である。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。これらの官能基の中でも、シリカのシラノール基及び変性液状ポリブタジエンの官能基との相互作用を高める点から、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸誘導体基、アルコキシ基などの、酸素原子を含む官能基が好ましい。
このような官能基を有する変性ジエン系ゴム自体は公知であり、その製造方法等は限定されるものではない。例えば、アニオン重合で合成された溶液重合スチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムを変性剤で変性することで、上記官能基を導入してもよく、あるいはまた、上記官能基を有する単量体を、ベースポリマーを構成する単量体であるとともに共重合することで分子鎖に導入してもよい。
任意成分である他のジエン系ゴムとして、かかる変性ジエン系ゴムを用いる場合、該変性ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム成分100質量部のうち20質量部以上であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量部である。
実施形態に係るゴム組成物には、オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独または該ジエン系ゴムと他のジエン系ゴムからなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜150質量部を含有することができる。高ビニルかつ水添の官能基変性液状ポリブタジエンを伸展油として添加したオイルマスターバッチを、シリカ配合に用いることにより、ゴム表面へのブリードを抑制しながら、加工性と低発熱性能をバランスよく改良することができる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、30〜120質量部であることが好ましく、より好ましくは、40〜100質量部である。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)150〜250m2/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m2/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
実施形態に係るゴム組成物において、フィラーとしては、上記シリカ単独でもよく、シリカと他のフィラーとのブレンドでもよい。他のフィラーとしては、カーボンブラックが好ましいが、クレー、タルク、マイカなどを用いることもできる。カーボンブラックを含む他のフィラーの配合量は、フィラー全体に占める比率が50質量%以下であることが好ましく、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくはタイヤへの色付け等のためにカーボンブラックを2〜10質量部配合することである。
実施形態に係るゴム組成物には、シリカの分散性を向上するために、シランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ100質量部に対して2〜25質量部であることが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシランカップリング剤; 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシランカップリング剤; 3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランカップリング剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
実施形態に係るゴム組成物には、プロセスオイルなどのオイルを配合することができる。本実施形態では、伸展油として上記変性液状ポリブタジエンを用いるため、オイルは必須ではないが、別途オイルを配合してもよい。その場合のオイルの配合量は、伸展油として含まれる変性液状ポリブタジエンの量によっても異なるので特に限定されないが、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。なお、オイルマスターバッチを配合することによってその伸展油としてゴム組成物中に含まれる上記変性液状ポリブタジエンの量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、1〜25質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、オイルマスターバッチ、任意成分としての他のジエン系ゴム及びシリカとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
以上よりなる本実施形態に係るゴム組成物は、空気入りタイヤや、防振ゴム、コンベアベルトなどのゴム部分を形成する各種ゴム組成物に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。特には、空気入りタイヤのトレッドゴムに用いることが好ましく、低燃費性能に優れたタイヤを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例で用いた各成分の詳細は以下の通りである。
[ゴム成分]
・変性SBR:水酸基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製「Nipol NS616」(ガラス転移温度(Tg)=−25℃、スチレン含量(St)=21質量%、ブタジエン部中の1,2−ビニル結合量(Vi)=62モル%)(なお、TgはJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定される値であり、St,Viは1HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。)
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
・変性SBR:水酸基末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製「Nipol NS616」(ガラス転移温度(Tg)=−25℃、スチレン含量(St)=21質量%、ブタジエン部中の1,2−ビニル結合量(Vi)=62モル%)(なお、TgはJIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定される値であり、St,Viは1HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。)
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
[液状ポリブタジエン]
・液状ポリブタジエン1:日本曹達株式会社製「GI−3000」(OH末端変性水添液状ポリブタジエン、Mn=3,100、水添前の1,2−ビニル結合量(Vi)=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン2:日本曹達株式会社製「TEAI−1000」(アクリレート基末端変性水添液状ポリブタジエン、Mn=2,000、水添前のVi=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン3:日本曹達株式会社製「BI−3000」(未変性の水添液状ポリブタジエン、Mn=3,300、水添前のVi=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン4:株式会社クラレ製「L−1502」(OH変性水添液状ポリブタジエン、Mn=7,000、水添前のVi=40モル%以下、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン1:日本曹達株式会社製「GI−3000」(OH末端変性水添液状ポリブタジエン、Mn=3,100、水添前の1,2−ビニル結合量(Vi)=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン2:日本曹達株式会社製「TEAI−1000」(アクリレート基末端変性水添液状ポリブタジエン、Mn=2,000、水添前のVi=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン3:日本曹達株式会社製「BI−3000」(未変性の水添液状ポリブタジエン、Mn=3,300、水添前のVi=90モル%、水素添加率=90モル%以上)
・液状ポリブタジエン4:株式会社クラレ製「L−1502」(OH変性水添液状ポリブタジエン、Mn=7,000、水添前のVi=40モル%以下、水素添加率=90モル%以上)
[その他の成分]
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m2/g)
・カップリング剤:スルフィドシランカップリング剤、エボニック・デグサ社製「Si69」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイヤブラックN341」
・プロセスオイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックSー20」
・ワックス:大内新興化学工業株式会社製「サンノックN」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学工業株式会社製「ソクシノールCZ」
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m2/g)
・カップリング剤:スルフィドシランカップリング剤、エボニック・デグサ社製「Si69」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイヤブラックN341」
・プロセスオイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックSー20」
・ワックス:大内新興化学工業株式会社製「サンノックN」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学工業株式会社製「ソクシノールCZ」
[オイルマスターバッチの調製]
・SBR−A(実施例):10Lのオートクレーブにシクロヘキサン4.0L及びブタジエン675g、スチレン325gを仕込み、テトラヒドロフラン50gを添加後、所定のビニル結合含有量、結合スチレン含有量になるように重合温度を70℃に調節し、n−ブチルリチウムを12mmol添加して重合をおこなった。重合終了後、ジメチルジクロルシラン6.0mmolでカップリング処理した。得られたポリマーは、St=35質量%、Vi=40モル%、質量平均分子量(Mw)=90万のスチレンブタジエンゴムであった(なお、Mwは、GPC、溶媒:THF、40℃で測定される値である)。次に、得られたポリマー溶液に対し、ポリマー100質量部当たりで、ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.5質量部、液状ポリブタジエン1を37.5質量部添加して、均一になるまで充分に撹拌した後、ポリマー溶液を水中で脱溶剤して共沈凝固させ、得られた固形物を110℃の熱ロール上で乾燥して、変性液状ポリブタジエン伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−A)を得た。
・SBR−A(実施例):10Lのオートクレーブにシクロヘキサン4.0L及びブタジエン675g、スチレン325gを仕込み、テトラヒドロフラン50gを添加後、所定のビニル結合含有量、結合スチレン含有量になるように重合温度を70℃に調節し、n−ブチルリチウムを12mmol添加して重合をおこなった。重合終了後、ジメチルジクロルシラン6.0mmolでカップリング処理した。得られたポリマーは、St=35質量%、Vi=40モル%、質量平均分子量(Mw)=90万のスチレンブタジエンゴムであった(なお、Mwは、GPC、溶媒:THF、40℃で測定される値である)。次に、得られたポリマー溶液に対し、ポリマー100質量部当たりで、ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.5質量部、液状ポリブタジエン1を37.5質量部添加して、均一になるまで充分に撹拌した後、ポリマー溶液を水中で脱溶剤して共沈凝固させ、得られた固形物を110℃の熱ロール上で乾燥して、変性液状ポリブタジエン伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−A)を得た。
・SBR−B(実施例):液状ポリブタジエン1に代えて、液状ポリブタジエン2を用い、その他は、SBR−Aと同様にして、変性液状ポリブタジエン伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−B)を得た。
・SBR−C(比較例):液状ポリブタジエン1に代えて、液状ポリブタジエン3を用い、その他は、SBR−Aと同様にして、未変性液状ポリブタジエン伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−C)を得た。
・SBR−D(比較例):液状ポリブタジエン1に代えて、液状ポリブタジエン4を用い、その他は、SBR−Aと同様にして、低ビニル変性液状ポリブタジエン伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−D)を得た。
・SBR−E(比較例):液状ポリブタジエン1に代えて、プロセスオイルを用い、その他は、SBR−Aと同様にして、プロセスオイル伸展スチレンブタジエンゴム(SBR−E)を得た。
・BR−A(実施例):10Lのオートクレーブに窒素雰囲気下でシクロヘキサン6.4L及び1,3−ブタジエン800gを仕込み、50℃に調整した。あらかじめオクテン酸ネオジウム/アセチルアセトン/トリイソブチルアルミニウム/ジエチルアルミニウムクロライド=1/2/40/2(モル比)の割合で調整したネオジウム系触媒を、1,3−ブタジエン/オクテン酸ネオジウム=1.5×104(モル比)となるようにオートクレーブに仕込み重合した。次に、2,4−ジ−tert−p−クレゾールのメタノール溶液を加え、重合を停止させた。得られたポリマーは、シス1,4−結合量=97質量%、Mw=90万のポリブタジエンゴムであった(なお、シス1,4−結合量は、1HNMRスペクトルの積分比により算出される値である)。次に、得られたポリマー溶液に対し、ポリマー100質量部当たりで、液状ポリブタジエン1を37.5質量部添加して均一になるまで充分に撹拌した後、ポリマー溶液を水中で脱溶剤して共沈凝固させ、得られた固形物を110℃の熱ロール上で乾燥して、変性液状ポリブタジエン伸展ブタジエンゴム(BR−A)を得た。
・BR−B(比較例):液状ポリブタジエン1に代えて、プロセスオイルを用い、その他は、BR−Aと同様にして、プロセスオイル伸展ブタジエンゴム(BR−B)を得た。
・NR−A(実施例):天然ゴムのフィールドラテックス(Golden Hope社製「NRラテックス」、ゴム濃度DRC=30質量%)に水を加え、乾燥ゴム分(DRC)25質量%に調整した。該ラテックスに、20質量%に乳化した液状ポリブタジエン1を、天然ゴムの乾燥質量100質量部に対して液状ポリブタジエン1の質量が37.5質量部になるように添加した。次に、均一になるまで充分に撹拌した後、ギ酸を加えてラテックスのpHを4.7に調整し、凝固させた。このようにして得られた固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーを通してクラム化した後、熱風式乾燥機により100℃で450分間乾燥して、変性液状ポリブタジエン伸展天然ゴム(NR−A)を得た。
・NR−B(比較例):液状ポリブタジエン1に代えて、プロセスオイルを用い、その他は、NR−Aと同様にして、プロセスオイル伸展天然ゴム(NR−B)を得た。
[第1実施例:ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
各ゴム組成物について、未加硫状態で加工性を評価するとともに、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、低発熱性能とウェットグリップ性能と表面ブリードを評価した。各評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど、粘度が小さく、加工性に優れることを意味する。
・低発熱性能:JIS K6394に準じて、東洋精機(株)製粘弾性試験機を用いて、温度60℃、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み1%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。60℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、低発熱性能の指標として一般に用いられているものであり、該指数が小さいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、即ち低発熱性能に優れ、タイヤとしての低燃費性能に優れることを示す。
・ウェットグリップ性能:温度を0℃に変え、その他は低発熱性能の評価と同様にして、損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。0℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、湿潤路面に対するグリップ性能の指標として一般に用いられているものであり、該指数が大きいほどtanδが大きく、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
・表面ブリード:加硫ゴム片を40℃に温度調節したギアーオーブン中に入れて1ヶ月間放置した後、加硫ゴム片の表面を目視により観察して下記の基準で外観性を評価した。
◎:ゴム表面は黒くブリードは見られない
○:ゴム表面にわずかにブリードが見られる
△:ゴム表面がやや白っぽく、ブリード確認でき、実用に適さない
×:ゴム表面が白く濁り、激しくブリードしている。
○:ゴム表面にわずかにブリードが見られる
△:ゴム表面がやや白っぽく、ブリード確認でき、実用に適さない
×:ゴム表面が白く濁り、激しくブリードしている。
結果は、表1に示す通りであり、プロセスオイル伸展のSBR−Eを用いたコントロールの比較例1に対し、後添加のプロセスオイルの一部を液状ポリブタジエン1で置換した比較例2では、加工性及び低発熱性能には優れていたものの、ゴム表面にややブリードが生じた。液状ポリブタジエン1の代わりに、低ビニルの変性品である液状ポリブタジエン4を用いた比較例3では、比較例2に対して加工性及び低発熱性能が劣るだけでなく、ゴム表面へのブリードが大きく、外観性に劣っていた。
比較例4では、プロセスオイルに代えて液状ポリブタジエンで伸展したものの未変性の液状ポリブタジエン3で伸展したSBR−Cを用いたため、低発熱性能に劣っていた。比較例5では、低ビニルの変性品である液状ポリブタジエン4で伸展したSBR−Dを用いたため、ゴム表面にブリードが生じており、またウェットグリップ性能の改良効果も得られなかった。
これに対し、高ビニル品を水添した官能基変性液状ポリブタジエン1,2で伸展したSBR−A及びBを用いた実施例1〜3であると、ゴム表面にブリードさせることなく、加工性と低発熱性能とウェットグリップ性能がバランス良く改良されていた。
[第2実施例:ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様に、ゴム組成物を調製するとともに、加工性、低発熱性能、ウェットグリップ性能及び表面ブリードを評価した。加工性、低発熱性能及びウェットグリップ性能の評価方法では、比較例6をコントロールとして、その値を100とした指数で表示した。
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様に、ゴム組成物を調製するとともに、加工性、低発熱性能、ウェットグリップ性能及び表面ブリードを評価した。加工性、低発熱性能及びウェットグリップ性能の評価方法では、比較例6をコントロールとして、その値を100とした指数で表示した。
結果は表2に示す通りであり、プロセスオイル伸展のBR−Bを用いた比較例6に対し、官能基変性液状ポリブタジエン1で伸展したBR−Aを用いた実施例4であると、ゴム表面にブリードさせることなく、加工性と低発熱性能とウェットグリップ性能がバランス良く改良されていた。
[第3実施例:ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表3に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様に、ゴム組成物を調製するとともに、加工性、低発熱性能、ウェットグリップ性能及び表面ブリードを評価した。加工性、低発熱性能及びウェットグリップ性能の評価方法では、比較例7をコントロールとして、その値を100とした指数で表示した。
バンバリーミキサーを使用し、下記表3に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様に、ゴム組成物を調製するとともに、加工性、低発熱性能、ウェットグリップ性能及び表面ブリードを評価した。加工性、低発熱性能及びウェットグリップ性能の評価方法では、比較例7をコントロールとして、その値を100とした指数で表示した。
結果は表3に示す通りであり、プロセスオイル伸展のNR−Bを用いた比較例7に対し、官能基変性液状ポリブタジエン1で伸展したNR−Aを用いた実施例5であると、ゴム表面にブリードさせることなく、加工性と低発熱性能とウェットグリップ性能がバランス良く改良されていた。
Claims (6)
- 1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油としてジエン系ゴムに添加してなるオイルマスターバッチ。
- ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに前記変性液状ポリブタジエンを湿式混合してなる油展ジエン系ゴムである、請求項1記載のオイルマスターバッチ。
- 前記変性液状ポリブタジエンの官能基が、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸誘導体基及びエポキシ基からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1又は2記載のオイルマスターバッチ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイルマスターバッチを配合してなるゴム組成物であって、前記オイルマスターバッチ由来のジエン系ゴム単独または該ジエン系ゴムと他のジエン系ゴムからなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、シリカ5〜150質量部を含有するゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
- 1,2−ビニル結合量が50モル%以上のポリブタジエンを水素添加して得られる水添ポリブタジエンであってヘテロ原子を含む官能基を有する変性液状ポリブタジエンを伸展油として、ラテックス又は溶液状態のジエン系ゴムに添加混合し、共沈凝固させることを特徴とするオイルマスターバッチの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012223355A JP2014074136A (ja) | 2012-10-05 | 2012-10-05 | オイルマスターバッチ、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2015113425A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法 |
EP3103654A1 (de) * | 2015-06-08 | 2016-12-14 | Continental Reifen Deutschland GmbH | Kautschukmischung und fahrzeugreifen |
-
2012
- 2012-10-05 JP JP2012223355A patent/JP2014074136A/ja active Pending
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