JP2006258201A - 伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ゴム組成物からなる伝動面が形成された伝動ベルトであって、前記ゴム組成物は、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、アミノ樹脂、ビニルトルエン樹脂、リグニン樹脂、ブチルフェノールアセチレン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂の少なくとも1種からなる有機補強剤がゴムに対して1〜20質量%配合されていることを特徴とする伝動ベルトを提供する。
【選択図】 図1
Description
この伝動ベルトは、プーリーなどへの優れた追従性が要求され、また、エンジンやモーターの近傍で用いられたり、プーリーなどとの摩擦により熱が発生したりすることから耐熱性も要求される。そのため、プーリーと接する伝動面には、通常、ゴム組成物が用いられている。
さらに、伝動ベルトは、その用途などに応じて種々の形態に形成され、伝動面に配されるゴム組成物も種々のものが用いられている。例えば、ゴム組成物のベースとなるゴムの種類や、該ゴムに分散される無機粉体、カーボンブラック、短繊維の種類や配合量などによりその特性を用途に応じ変化させて用いられたりしている。
しかし、従来の伝動ベルトにおいては、伝動面を形成するゴム組成物として耐摩耗性能、耐屈曲性能が十分満足なものとなっていない。
したがって、従来の伝動ベルトは、その耐久性が十分満足なものとなっていないという問題を有している。
すなわち、本発明は、ゴム組成物からなる伝動面が形成された伝動ベルトであって、前記ゴム組成物は、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、アミノ樹脂、ビニルトルエン樹脂、リグニン樹脂、ブチルフェノールアセチレン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂の少なくとも1種からなる有機補強剤がゴムに対して1〜20質量%配合されていることを特徴とする伝動ベルトを提供する。
なお、有機補強剤がゴムに対して1〜20質量%配合されているとは、ゴムと有機補強剤との質量の合計を100とした100分率で1〜20質量%であることを意図しており、ゴム組成物に他のゴム薬、増量材、充填材、短繊維などが含有される場合において、それらを含めた総質量から求められる質量%を意図しているものではない。
本実施形態のVリブドベルト1は、伝動面となる内面側にゴム組成物からなる圧縮層5が備えられた無端状ベルトに形成されている。この圧縮層5は、外面側が平坦に形成され内面側(伝動面)に複数のリブ6が幅方向に間隔を設けて周方向に形成されている。このVリブドベルト1には、圧縮層5の外面側に、圧縮層5と同幅の接着層3とカバー層2とが形成され。最外層となる前記カバー層2は、ゴムコート帆布からなり、該カバー層2と前記圧縮層5との間に、ゴム組成物からなる前記接着層3が配されている。また、この接着層3には、Vリブドベルト1の幅方向に一定の間隔を設けて複数本の抗張体4が周方向に埋設されている。
さらに、この圧縮層のゴム組成物には、通常、短繊維、カーボンブラックなどとともに加硫剤が配合されている。
また、このエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体やさらにこれらとジエン類との共重合体ゴムなどを用いることができる。
前記フェノール樹脂としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、変性フェノールホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性フェノール樹脂や、熱可塑性フェノール樹脂を用いることができる。
前記ハイスチレン樹脂としては、ブタジエンとスチレンとの共重合樹脂を用いることができ、前記クマロンインデン樹脂としては、インデン、スチレンおよびクマロンの共重合樹脂を用いることができる。
また、前記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、スルホアミド樹脂などやこれらの変性物を用いることができる。
さらに、この熱硬化性フェノール樹脂がカシュー漆、ウルシオールおよびこれらと同種の変性もしくは乾性油変性、アルキル変性されたものを用いることもできる。
より具体的に説明すると、熱硬化性フェノール樹脂では、90〜130℃程度の温度域で混練を行い、メラミン樹脂を用いる場合には70℃程度の温度で混練することで硬化反応が進展しすぎることを防止しつつ、ゴムに対する分散性を良好なものとし得る。
なお、メラミン樹脂には、通常、ホルムアルデヒドが付与されているが、熱硬化性フェノール樹脂には、通常、ホルムアルデヒドが付与されていないことから、硬化のために別途、ホルムアルデヒドを配合することが好ましい。なお、このホルムアルデヒドの配合は、ホルムアルデヒドそのものを添加するよりもヘキサメチレンテトラミンのごとくホルムアルデヒドと同様の硬化作用を有するものを添加する方が作業環境面からは優れている。
前記有機化酸化物としては、その種類が特に限定されるものではないが、例えば、ジクミルパーオキサイド(以下「DCP」ともいう)、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5ジメチル−2,5ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシクメン、t−ブチルベンゾイルパーオキサイドなどを単独または組み合わせて用いることができる。この有機化酸化物は、ゴム100重量部に対して0.2〜10部の配合量であることが好ましい。
この、加硫剤あるいは加硫促進剤も有機補強剤の配合と同様の混練手段を用いて配合させることができる。
(圧縮層ゴム組成物未加硫シートの作製)
表1および表2に示す配合を、バンバリーミキサーを用いて混練し圧縮層用ゴム組成物を作製し、さらに作製したゴム組成物を、カレンダーロールによりシート成形した。
次の配合を、バンバリーミキサーを用いて混練し圧縮層用ゴム組成物を作製し、さらに作製したゴム組成物を、カレンダーロールによりシート成形した。
<接着層ゴムの配合::EPDM(三井化学社製、商品名「3085」、エチレン含量62質量%、プロピレン含量33.5質量%、ジエン含量4.5質量%):100重量部、カーボンブラック(昭和キャボット社製、商品名「IP600」):50重量部、シリカ(トクヤマ社製、商品名「トクシールGu」):20重量部、パラフィンオイル(日本サン社製、商品名「サンフレックス2280」):10重量部、加硫剤(日本油脂社製DCP、商品名「パークミルD」):2.5重量部、加硫助剤(花王社製ステアリン酸):1重量部、加硫助剤(堺化学工業社製酸化亜鉛):5重量部、粘着付与剤(日本ゼオン社製石油樹脂、商品名「クイントンA−100」):5重量部、短繊維(綿粉):2重量部>
帝人社製のポリエステルコード(1000デニール/2×3、上撚り9.5T/10cm(Z)、下撚り2.19T/10cm)をイソシアネートのトルエン溶液(イソシアネート固形分20質量%)に浸漬後、240℃×40秒の熱風乾燥し、前処理を行った。
この前処理後の心線をRFL接着組成物(下記参照)に浸漬した後、200℃×80秒の熱風乾燥し、さらに、EPDM(三井化学社製、商品名「3085」、エチレン含量62質量%、プロピレン含量33.5質量%、ジエン含量4.5質量%)のトルエン溶液に浸漬し、60℃×40秒の熱風乾燥を行った。
(RFL接着組成物の調整)
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37質量%)10.77重量部とを混合し、水酸化ナトリウム水溶液(固形分0.33質量%)を加えて攪拌し、その後、水160.91重量部加え、5時間熟成して、レゾルシン−ホルマリン樹脂(レゾルシン−ホルマリン初期縮合物、以下「RF」という、レゾルシン/ホルマリン比=0.5)水溶液を作製した。
次いで、RF水溶液にクロロスルホン化ポリエチレンラテックス(固形分40%)をRF/ラテックス比=0.25(固形分量45.2重量部)となるよう混合し、さらに、水を加えて固形分濃度20%となるよう調整した後、12時間熟成しつつ攪拌を行いRFL接着組成物の調整を行った。
円筒形金型(周長約1000mm)に内側から順番にゴムコート帆布、接着層ゴム、抗張体、接着層ゴムの順に積層し、最後に圧縮層用ゴムシートを積層した。
なお、このとき圧縮層用ゴムシートは、配合された短繊維が伝動ベルトの幅方向に配向するよう積層した。
この積層体を内圧6kgf/cm2、外圧9kgf/cm2、温度165℃×35分加硫缶中にて蒸気加硫し、予備成形体(筒状体)を作製した。
次いでこの筒状体の表面に、複数のリブを研削ホイールで作製した後、リブ数3ずつに切断し、周長約1000mmのVリブドベルトを作製した。
(物理特性)
反列理方向(ベルト幅方向)での、硬度をJIS K 6253、引張り強さ、破断伸びをJIS K 6251に準拠して測定した。結果を表3に示す。
(ベルト走行試験)
ベルトの走行試験を図2に示すごとく実施した。
径120mmの駆動プーリー11と従動プーリー12に掛け渡し、さらに、径70mmのアイドラープーリー14と径45mmのアイドラープーリー13に巻きかけ、従動プーリー負荷16馬力、アイドラープーリーのセットウェイト85kgfとして、駆動プーリーを4900rpmで回転させた。
この走行試験を80℃雰囲気下で100時間実施し、走行試験前の初期重量を100%としたときの走行試験後の重量減少を測定し、その、減少分を摩耗量として測定した。なお、判定においては、3%以下の摩耗量を示したものを「○」、3%を超える摩耗量を示したものを「×」として判定した。結果を、表3に示す。
Claims (4)
- ゴム組成物からなる伝動面が形成された伝動ベルトであって、
前記ゴム組成物は、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、アミノ樹脂、ビニルトルエン樹脂、リグニン樹脂、ブチルフェノールアセチレン樹脂、キシレンホルムアルデヒド樹脂の少なくとも1種からなる有機補強剤がゴムに対して1〜20質量%配合されていることを特徴とする伝動ベルト。 - 前記有機補強剤が熱硬化性フェノール樹脂である請求項1に記載の伝動ベルト。
- 前記ゴムがエチレン−α−オレフィン共重合ゴムである請求項1又は2に記載の伝動ベルト。
- 前記伝動ベルトがVリブドベルトである請求項1乃至3のいずれかに記載の伝動ベルト。
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