JP2006064174A - 伝動ベルト - Google Patents

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健 西山
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Abstract

【課題】 スティックスリップやミスアライメントによる発音を軽減し、しかも耐摩耗性を向上させた伝動ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設した接着ゴム層3と、圧縮ゴム層4にリブ部7を有するVリブドベルト1において、圧縮ゴム層4にエチレン含量が50〜70重量%のエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、ポリアミド短繊維10〜40重量部、カーボンブラック30〜60重量部、金属炭酸塩及び/又は金属珪酸塩からなる無機充填剤10〜60重量部を含有し、周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδが0.080以上であるゴム組成物を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は伝動ベルトに係り、詳しくはスティックスリップやミスアライメントによる発音を軽減し、且つ耐磨耗性に優れた摩擦伝動ベルトに関する。
省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルームの縮小化、複雑化が進んでいる。これに伴って、エンジンルーム内の雰囲気温度は従来と比べて上昇してきており、伝動ベルトを使用する環境温度も高くなっている。伝動ベルトを構成するゴム素材は、主としてクロロプレンゴムが使用されてきたが、高温雰囲気下ではゴムが早期に硬化してしまい、例えばVリブドベルトにおいてリブ部にクラックを生じるという問題が発生した。
このようなベルトの早期破壊現象に対し、ある程度の改善がなされたもののクロロプレンゴムを用いる限り耐熱性に限界があり、現在のところ充分な耐熱性を得られるまでには至っていない。このため、最近ではクロロプレンゴムに代わって耐熱性に優れるエチレン−α−オレフィンエラストマーを伝動ベルトに使用することが提案されている。(例えば特許文献1参照)
一方で、近年における自動車業界の動向として、伝動ベルトは排気量がより大きいエンジンに適用される傾向にある。更に、最近のエンジンでは燃費向上と排出ガス低減を行うため希薄燃焼になっており、エンジンの回転変動、振動が従来に比べて大きくなり、また補機ベルトもサーペンタイン化によって小プーリ、屈曲角の大きなレイアウトになり、ベルトへの負荷が一層大きくなって発音の問題が発生している。この発音の原因はベルトとプーリ間にスリップとグリップが繰り返されるスティックスリップと考えられている。
このスティックスリップ音に対して、リブ部にポリアミド、アラミド繊維などの短繊維群をベルト幅への配向性を保って埋設し、この埋設した短繊維の一部をベルト側面より意図的に突出させることにより、リブ表面の摩擦係数を低減してスティックスリップ音の抑止させることが提案されている。また本体を構成するゴムの弾性率を上げることにより、ベルトとプーリとの接触面積を小さくして摩擦係数を低減し、スティックスリップの抑制を狙った試みもなされている。
特表平5−500930号公報
しかし、短繊維を意図的に突出させる方法では、短繊維の配合量に限界があると共に、ベルト走行において短繊維が徐々に吹き飛んでしまい、摩擦係数低減効果が薄れるといった問題があった。またゴムの弾性率を上げる手法では、リブ表面の摩擦係数は低減できるものの、ミスアライメントによる共振などの振動音が発生しやすくなるという不具合があった。これに対して、可塑剤の添加によりゴムの弾性率を低下させるなどの対策が考えられたが、耐摩耗性が低下し、粘着摩耗による発音が生じるといった問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、スティックスリップやミスアライメントによる発音を抑制するとともに、耐粘着摩耗性に優れ、耐熱耐寒性が高い伝動ベルトを提供することを目的とする。
即ち本発明は、圧縮ゴム層を含む本体部にベルト長手方向に沿って心線が埋設された伝動ベルトであって、少なくとも圧縮ゴム層に、エチレン含量が50〜70重量%のエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、短繊維10〜40重量部、カーボンブラック30〜60重量部、金属炭酸塩及び/又は金属珪酸塩からなる無機充填剤10〜60重量部を含有し、且つ周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδが0.080以上としたゴム組成物を用いたことを特徴とする。
更に本発明は、伝動ベルトが、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層から構成される;エチレン−α−オレフィンエラストマーがエチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマーである;短繊維がポリアミド短繊維である;伝動ベルトがVリブドベルトである;無機充填剤の平均一次粒径が0.01〜3.00μmである;無機充填剤が炭酸カルシウムである ことを特徴とする。
本発明によれば、圧縮ゴム層に、エチレン含量が特定範囲のエチレン−α−オレフィンエラストマーに、カーボンブラックと、金属炭酸塩及び/又は金属珪酸塩からなる無機充填剤を特定量含有し、周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδを0.08以上としたゴム組成物を用いることで、ゴム硬度をあまり上昇させることなく、粘性係数tanδを大きくさせて、ミスアライメントによる振動を減衰させて発音を抑制する効果がある。また該ゴムには短繊維を特定量配合されているので、ベルト表面の摩擦係数を低くし、スティックスリップの発生を抑止することが可能となる。更に、該ベルトは耐摩耗性が高く、粘着摩耗を抑制することができるといった効果がある。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示す伝動ベルトであるVリブドベルト1は、高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられ、またベルト背面には織物、不織布、編物のような補強布5が設けられている。
このようなベルトを構成するゴム部のうち、少なくとも圧縮ゴム層4の原料ゴムは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンエラストマーが用いられるが、好ましくはEPDMが用いられる。EPDMのジエンの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなど炭素原子数が5〜15の非共役ジエンを挙げることができる。
本発明において、エチレン−α−オレフィンエラストマー中のエチレン含量は50〜70重量%である。50重量%未満であると、ベルト走行時に摩耗量が多くなり粘着摩耗を引き起こしやすくなる。また70重量%を超えると、ベルト走行における発音抑制効果に乏しく、また低温特性が悪くなり更に圧延時のシーティング性など加工性も悪くなるので好ましくない。なお、エチレン−α−オレフィンエラストマーはエチレン含量の違うものをブレンドしてもよく、ブレンドするポリマーの数は問わないが、総エチレン含量が前記の範囲を満足する必要がある。
またEPDM中のジエン含量は0.1〜3.5重量%、より好ましくは0.1〜3.0重量%であることが望ましい。0.1重量%未満であるとベルトを走行させることによりゴムが軟化して劣化してしまいやすく、騒音の発生などの問題につながってしまう。また3.5重量%を超えるとジエン成分がポリマー主鎖であるエチレン−プロピレン鎖の屈曲の妨げに大きく関与し、ベルト屈曲走行時に圧縮ゴム層に亀裂が発生しやすくなるので好ましくない。
なお、EPDMはジエン含量の違うものをブレンドしてもよく、ブレンドするポリマーの数は問わないが、総ジエン含量は前記の範囲を満足することが望ましい。また、ブレンドはジエン成分を含有するEPDMとジエン成分を含有しないEPMなどの間で行われても構わない。
上記エチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられることができ、熱分解による1分間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して好ましくは1〜8重量部であり、更に好ましくは1.5〜4重量部である。
また加硫促進剤を配合しても良い。加硫促進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。
また、架橋助剤(co−agent)を配合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題を防止することができる。架橋助剤として挙げられるものとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
そして、この圧縮ゴム層4を構成するゴム組成物中には短繊維が混入してある。この短繊維としては、ポリエステル、綿、アラミド、ポリアミドなどの短繊維を用いることができる。なかでも6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン等のポリアミド短繊維が好ましい。ポリアミド短繊維は1〜8mm程度の範囲のものが好ましく、またその太さは5〜10デニールのものが好ましい。この圧縮ゴム層4には、上記ポリアミド短繊維に加えて綿、レーヨン、アラミド繊維を用いることもできるが、ポリアミド短繊維単独で使用するほうがより効果的にスティックスリップ音を軽減することができる。
そして、圧縮ゴム層4のエチレン−α−オレフィンエラストマーに対する全短繊維の含有量は、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して10〜40重量部に設定されるものである。全短繊維の含有量を10重量部以上に設定することによって、伝動ベルトのDRY時とWET時の伝達力の差を小さくすることができ、スティックスリップ音の発生を低減して異音発生を減少させることができるものである。全短繊維の含有量が40重量部を超えると、原料ゴム中での短繊維の分散が悪くなってゴム物性が低下するので、全短繊維は40重量部以下の配合量に設定するのが好ましい。
また圧縮ゴム層4のゴム組成物には、カーボンブラックが含有される。カーボンブラックの含有量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して30〜60重量部の範囲に設定するのが好ましい。カーボンブラックの配合量を60重量部以下にすることによって、リブ部7のゴム硬さを低くして、プーリに対するリブ部7の密着性を高めるとともに、tanδを大きく維持し、ミスアライメントによる発音を抑制することができる。カーボンブラックの配合量が30重量部未満であると、リブ部7のゴム強度が低下し、耐摩耗性が低くなるので、カーボンブラックの配合量は30重量部以上に設定するの好ましい。
カーボンブラックは窒素吸着比表面積20〜150cm/g,DBP吸油量が50〜160cm/100gの特性を有するものを使用することが好ましい。これにより、適度な補強性を有しつつ、tanδを大きな値に維持し、耐発音性を向上させることが可能となる。ここで、窒素吸着比表面積(NSA)は、カーボンブラックの比表面積であって、JIS K 6217―2に従い測定される。またDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、ストラクチャーの指標であって、JIS K 6217―4に従い測定される。
更に圧縮ゴム層4を構成するゴム組成物は、金属炭酸塩及び/又は金属珪酸塩からなる無機充填剤を含有する。金属炭酸塩としては、炭酸カルシウムを挙げることができ、金属珪酸塩としては、珪酸カルシウム、珪酸カリウムアルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。更に具体的には、珪酸アルミニウムとしてはクレイ、珪酸マグネシウムとしてはタルク、珪酸カリウムアルミニウムとしてはマイカなどを挙げることができる。これらは単独又は併用することができる。なかでも。炭酸カルシウムは、ゴムとの相溶性が良く、強度等の機械物性に悪影響を及ぼさないことから望ましい。
上記無機充填剤の平均一次粒径は0.01〜3.00μmのものが好ましい。3.00μmを超えるとベルトの耐久性に悪影響があるといった不具合があり、0.01μm未満のものは分散性が悪くゴム物性が不均一になる。
上記無機充填剤の含有量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して10〜60重量部である。10重量部未満の場合はゴムのtanδが殆ど変化せず、ミスアライメントによる発音を抑制する効果が小さい。一方で、60重量部を超えると、モジュラスが低くなり、耐摩耗性が低下するといった不具合がある。
ここで、tanδは、加硫ゴムの動的性質試験(JISK6394)等によって測定されるもので、ゴム組成物に加えられる機械的エネルギーの熱としての散逸され易さ、換言すればゴム組成物に加えられる機械的エネルギーの貯蔵され難さを表わすものである。本発明では、圧縮ゴム層を構成するゴム組成物の周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδを0.080以上とすることで、ミスアライメントなどによるベルト振動を低減させて、走行時の発音を抑制するものである。尚、tanδの上限は限定されるものではないが1.0以下とする。
ベルト走行において発音する際、その周波数は約1.000Hzであることが判っている。その際、圧縮ゴム層を構成するゴム組成物のtanδがある一定値以上であれば、機械的エネルギーが損失されやすくなり、発音し難いベルトとすることができると考えられる。しかし、実際に周波数1.000Hzでのtanδを測定することは困難である。そこでWLF換算則を利用し、周波数1.000Hzを温度換算すると約0°Cになることから、本発明においては0°Cでtanδを測定し、その値が一定値以上、具体的には周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδが0.080以上とすることで発音を抑制したベルトとすることができる。
更に、圧縮ゴム層4のゴム組成物には、必要に応じて、シリカなどの補強剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤等の各種薬剤を添加してもよい。
接着ゴム層3の原料ゴムとしては、上記圧縮ゴム層4に用いるものと同種のゴムを用いることができる。この接着ゴム層3には上記のような短繊維を混入しても、していなくともいずれでもよいが、接着性を考慮すると混入しないほうが望ましい。
また、接着ゴム層3に埋入される心線2としては、ポリアリレート繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの高強度・低伸度のコードを用いることができる。心線2にはゴムとの接着性を向上させる目的で接着処理を施すのが好ましい。このような接着処理としては、心線2をレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)などの処理液に浸漬して加熱乾燥することによって行なうことができる。
補強布5としては、綿、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等を平織り、綾織り、朱子織りなどした布を用いることができるものであり、補強布5にはRFL処理を行なった後に、ゴム組成物をコーティングしたゴム付き帆布として使用するのが好ましい。
次に、図1のようなVリブドベルトを製造する方法の一例を説明する。まず円筒状のドラムの外周に補強布5を巻き付け、この上に接着ゴム層3用のゴムシートを巻き付けた後、この上に心線2を螺旋状に巻き付ける。さらにこの上に圧縮ゴム層4用のゴムシートを巻き付ける。次にこの円筒状ドラムを加硫ドラムに入れて加硫を行なうことによって、筒状の加硫スリーブを得る。この後に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールの間に懸架して走行回転させながら、加硫スリーブの外周の圧縮ゴム層4に切削ホイールを接触させてV溝を切削・研磨加工することによって、リブ部7を形成する。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断すると共に、内周と外周を裏返すことによって、Vリブドベルトとして仕上げることができるものである。
他のベルトとしてカットエッジタイプのVベルト21がある。このベルト21は、図2に示すように心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム付帆布22を積層している。
尚、ここでは例えばVリブドベルトとして、心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に圧縮ゴム層4を配設し、ベルト背面に補強布5を貼着した構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば接着ゴム層3を配置しない構成としたVリブドベルトや、補強布5の代りに背面ゴム層を配設し、ベルト背面にゴムが露出した構成としたVリブドベルトなども本発明の技術範疇に属する。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例1〜5、比較例1〜6
表1に示すようにEPDMに、ナイロン短繊維(繊維長3mm)、カーボンブラック、無機充填剤、パラフィン系オイル等を配合して、カレンダーロールによって所定厚さのゴムシートを作製し、165°Cで30分間加硫した。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、クレーから配合表に従って添加した。得られた加硫ゴムの硬度(JIS−A)をJIS K6253に、切断時の伸びEB(ナイロン短繊維の配向方向に対して直角方向)をJIS K6251に準じて測定した。また各ゴムそれぞれのtanδを、JIS K6394に準じ、試験装置(DMS210:エスアイアイ・ナノテクノロジー製)を用いて、引張・正弦波制御モード、歪振幅10μm、周波数10Hz、最小張力/圧縮力49mN、温度0°Cで測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006064174
次に、表1に示す配合に従って、カレンダーロールによって圧縮ゴム層用のゴムシートを作製した。また、表1に示す配合から短繊維を除いたEPDMゴム組成物からなる接着ゴム層用ゴムシートを作製し、また心線としてポリエステル繊維のコードを、補強布としてゴム付き綿帆布をそれぞれ用いた。
そして、これらの材料を用いて上記した方法でベルト長さ1770mm、ベルト厚さ4.3mm、Vリブの数7、Vリブの側面の傾斜角度40度、Vリブの高さ2.0mmのVリブドベルトを作製した。該ベルトの発音評価である発音限界張力試験と耐磨耗性評価である粘着走行試験について実施した。これらの結果を表1に併記する。
発音限界張力試験では、得られたVリブドベルトを直径135mmの駆動プーリ、直径112mmの第1従動プーリ、クラッチ機構を有する直径60mmする第2従動プーリの間に所定のベルト張力で懸架して、室温で駆動プーリを5,000rpmで回転させながら第2従動プーリを回転始動させた時に発生した鳴き音と、この時のベルトの最低張力である発音限界張力を測定した。
また粘着走行試験では、得られたVリブドベルトを室温下で駆動プーリ(直径120mm)従動プーリ(直径120mm)これにアイドラプーリ(直径45mm)に設置し従動プーリに負荷12馬力、アイドラプーリの取り付け荷重85kgf、回転数800rpmで48時間走行させた後のベルト表面について粘着摩耗の有無を調べた。また走行試験前後のベルト重量を測定し、ベルト重量減量(走行前ベルト重量−走行後ベルト重量)を走行前ベルト重量で除したものを、粘着走行試験による摩耗率として算出した。
この結果、実施例では、発音限界張力が低く、スティックスリップやミスアライメントによる発音抑制効果が高いと共に、耐磨耗性に優れていることが知見できた。尚、炭酸カルシウムを用いた実施例とクレーを用いた実施例を比較すると、前者のほうが切断時伸びが大きくなっており、機械物性への影響が小さいことが判る。一方、無機充填剤を含有せずtanδが範囲外の比較例1では、粘着摩耗はないものの発音限界張力が高く、発音抑制効果が乏しかった。また無機充填剤を含有しないものの、可塑剤の増量によりtanδを範囲内とした比較例2では、発音限界張力は低くなるものの粘着摩耗の発生が確認された。そしてエチレン含量が低い比較例3では粘着摩耗が生じ、他方、エチレン含量が高い比較例6ではtanδが小さくなり、発音限界張力が高くなるといった不具合があった。更に、カーボンブラックを過剰に添加した比較例4では粘着摩耗は発生しないものの、tanδが小さく発音抑制効果が低下していることがわかる。そして無機充填剤を過剰に添加した比較例5ではモジュラスが低下しており、粘着摩耗の発生が確認された。
本発明の伝動ベルトは、例えば自動車用部品に用いられるVリブドベルトとして、エアーコンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動力伝動に広く利用できる。
本発明に係るVリブドベルトの縦断面図である。 本発明に係るVカットエッジタイプのVベルトの縦断面図である。
符号の説明
1 Vリブドベルト
2,23 心線
3,24 接着ゴム層
4,26 圧縮ゴム層
5,22 ゴム付帆布
7 リブ部
21 Vベルト

Claims (7)

  1. 圧縮ゴム層を含む本体部にベルト長手方向に沿って心線が埋設された伝動ベルトであって、少なくとも圧縮ゴム層に、エチレン含量が50〜70重量%のエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、短繊維10〜40重量部、カーボンブラック30〜60重量部、金属炭酸塩及び/又は金属珪酸塩からなる無機充填剤10〜60重量部を含有し、且つ周波数10Hz、温度0°Cにおける引張モードの動的粘弾性測定で得られたtanδが0.080以上としたゴム組成物を用いたことを特徴とする伝動ベルト。
  2. 伝動ベルトが、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層から構成される請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. エチレン−α−オレフィンエラストマーがエチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマーである請求項1または2に記載の伝動ベルト。
  4. 短繊維がポリアミド短繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
  5. 伝動ベルトがVリブドベルトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
  6. 無機充填剤の平均一次粒径が0.01〜3.00μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
  7. 無機充填剤が炭酸カルシウムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
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