JP2007262147A - ゴム組成物及び伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン−α−オレフィンエラストマーの特徴である高い耐熱性、耐寒性に加えて、引き裂き抵抗力に優れたゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーと、架橋剤として有機過酸化物と、加硫促進剤としてエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して0.5〜5.0質量部のジチオカルバミン酸亜鉛塩とを含有する。有機過酸化物架橋のエチレン−α−オレフィンエラストマーによって、高い耐熱性や耐寒性を得ることができ、しかもジチオカルバミン酸亜鉛塩による加硫促進によって、高い引き裂き抵抗力を得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーと、架橋剤として有機過酸化物と、加硫促進剤としてエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して0.5〜5.0質量部のジチオカルバミン酸亜鉛塩とを含有する。有機過酸化物架橋のエチレン−α−オレフィンエラストマーによって、高い耐熱性や耐寒性を得ることができ、しかもジチオカルバミン酸亜鉛塩による加硫促進によって、高い引き裂き抵抗力を得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機過酸化物架橋するエチレン−α−オレフィンエラストマーを主成分とするゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた伝動ベルトに関するものである。
近年、省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルームの雰囲気温度は従来に比べて上昇してきており、それに伴って、エンジンルーム内で使用される伝動ベルトの使用環境温度も上昇してきている。また自動車用エンジンにおいては、低燃費化を実現するために燃料の噴出量を抑制したエンジンが多種開発されており、このようなエンジンでは回転変動率が大きくなっている。この影響はエンジン補機にも及び、回転変動による補機駆動用ベルトにかかる負荷も大きくなっている。
従来、伝動ベルトの製造に用いられるゴムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等が使用されてきたが、上記のような高温雰囲気では、ゴム層にクラックが発生するおそれがあり、使用に耐えることができないという問題があった。
これに対して、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー等のエチレン−α−オレフィンエラストマーは、特に架橋剤として有機過酸化物を用いた場合に、優れた耐熱性、耐寒性を発揮することが知られている(例えば特許文献1、特許文献2等参照)。このため、高温雰囲気で使用される伝動ベルトをこのようなエチレン−α−オレフィンエラストマーで作製することが行なわれている。
特開2000−283243号公報(段落[0008][0009])
特表2001−500910号公報
しかし、有機過酸化物架橋したエチレン−α−オレフィンエラストマーは、耐引き裂き抵抗力が十分満足されるものではなく、上記のような回転変動が大きい補機駆動用の伝動ベルトなどとして使用した場合、伝動ベルトの圧縮層に亀裂が発生するおそれがあり、特に圧縮層にリブ部を設けたVリブドベルトの場合にこのリブ部の亀裂の進行が早く、早期にリブ欠けが発生して故障に至るおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、エチレン−α−オレフィンエラストマーの特徴である高い耐熱性、耐寒性に加えて、引き裂き抵抗力に優れたゴム組成物を提供することを目的とするものであり、また耐熱性、耐寒性、引き裂き抵抗力に優れた伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るゴム組成物は、ゴム成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーと、架橋剤として有機過酸化物と、加硫促進剤としてエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して0.5〜5.0質量部のジチオカルバミン酸亜鉛塩とを含有して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る伝動ベルトは、ベルト長手方向に沿って心線が埋設された接着層と圧縮層とを有する伝動ベルトにおいて、少なくとも圧縮層が請求項1に記載のゴム組成物で形成されていることを特徴とするものである。
また請求項3の発明は、請求項2において、圧縮層にベルト長手方向に沿った複数のリブ部を設けたVリブドベルトであることを特徴とするものである。
本発明によれば、有機過酸化物架橋のエチレン−α−オレフィンエラストマーによって、高い耐熱性や耐寒性を得ることができるものであり、しかもジチオカルバミン酸亜鉛塩による加硫促進によって、高い引き裂き抵抗力を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のゴム組成物において、エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)などを用いることができるものであり、これらを単独で、あるいはこれらの混合物を使用することができる。EPDMのジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどを挙げることができる。耐熱性や耐摩耗性を考慮すれば、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体であるEPDMが好ましく、中でもエチレン含量が51〜68質量%であって、且つ二重結合が0.2〜7.5質量%のものが好ましい。このEPDMとしてはヨウ素価が3〜40のものを用いるのが好ましく、ヨウ素価が3未満であると、ゴム組成物の加硫が十分でなく、摩耗や粘着の問題が発生するおそれがあり、またヨウ素価が40を超えると、ゴム組成物のスコーチが短くなって扱い難くなり、耐熱性が悪くなるおそれがある。
また有機過酸化物としては、具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペルオキシジ−イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾアート、t−ブチルペルオキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネート等を挙げることができる。
そして本発明では加硫促進剤としてジチオカルバミン酸亜鉛塩を用いるものであり、このジチオカルバミン酸亜鉛塩としては、具体的には、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛等を挙げることができる。
そして、ゴム成分として上記のエチレン−α−オレフィンエラストマーを、架橋剤として上記の有機過酸化物を、加硫促進剤として上記のジチオカルバミン酸亜鉛塩を配合して混練することによって、本発明に係るゴム組成物を得ることができるものである。このゴム組成物には、さらに必要に応じて、通常ゴムに配合される、N,N´−m−フェニレンジマレイミド、キノンジオキシム類、硫黄等の共架橋剤、カーボンブラック、シリカ等の補強剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、補強剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤、短繊維等を配合するようにしてもよく、またこれらの各種配合物を混練する方法も特に限定されるものではなく、バンバリーミキサー、ニーダー等の通常用いられる手段を用いて混練りする方法などを挙げることができる。
ここで、有機過酸化物の配合量は、特に限定されるものでないが、ゴム成分100質量部に対して0.2〜10質量部の範囲が好ましい。0.2質量部未満であると、架橋が十分に行なわれないものであり、逆に10質量部を超えると、十分な弾性が得られなくなる。
また、加硫促進剤としてのジチオカルバミン酸亜鉛塩の配合量は、エチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して0.5〜5.0質量部の範囲に設定されるものである。加硫促進剤としてジチオカルバミン酸亜鉛塩を配合することによって、硬化したゴムの引き裂き抵抗力を高めることができるものであり、ジチオカルバミン酸亜鉛塩の配合量が0.5質量部未満であると、引き裂き抵抗力を高める効果を十分に得ることができない。またジチオカルバミン酸亜鉛塩の配合量が5.0質量部を超えても、架橋促進の効果は変わらないので、経済的に不利になる。
次に、上記のゴム組成物を用いて製造される伝動ベルトについて説明する。伝動ベルトとしてはVリブドベルト、Vベルト、平ベルトなどがあるが、図1にVリブドベルト1の一例を示す。図1において2は心線であり、ベルト長手方向全長に亘って接着層3内に埋設してある。接着層3の内側には圧縮層4が積層してあり、圧縮層4には複数本の平行なリブ部5が形成してある。リブ部5は断面略V字形(正確には台形)であって、ベルト長手方向全長に亘って設けてある。接着層3の外側には伸張層6が積層してある。
心線2としては、ポリアリレート繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などで形成された高強度・低伸度のコードを用いることができる。心線2にはゴムとの接着性を向上させる目的で接着処理を施すのが好ましい。このような接着処理としては、心線2をレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)などの処理液に浸漬して加熱乾燥することによって行なうことができる。
接着層3と圧縮層4はゴムで形成されるものであり、この接着層3と圧縮層4のうち、少なくとも圧縮層4は上記のゴム組成物で形成されるものである。勿論、接着層3と圧縮層4を同種の上記のゴム組成物で形成するようにしてもよい。
ここで、圧縮層4のリブ部5の表面には綿、ナイロン(登録商標)、p−アラミド、m−アラミドなどの短繊維を突出させるようにしてあり、耐摩耗性やベルト走行時の静粛性を確保できるようにしてある。このようにリブ部5の表面に短繊維を突出させて設けるには、圧縮層4を形成するゴム組成物に短繊維を含有させ、圧縮層4を切削してリブ部5を形成する際に、リブ部5の表面に短繊維の一部を突出させるようにして行なうことができる(この方法は次の製造例1参照)。また圧縮層4に植毛法等で短繊維を付着させた後に、リブ部5を成形することによって、リブ部5の表面に短繊維を設けるようにしてもよい(この方法は次の製造例2参照)。
また、伸張層6は帆布などの補強布によって形成されるものである。この補強布としては、綿、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等を平織り、綾織り、朱子織りした布を用いることができるものであり、補強布にRFL処理を行なった後に、ゴムをコーティングしたゴム付き帆布として使用するのが好ましい。
次に、上記のようなVリブドベルト1の製造方法について説明する。
(製造例1)
円筒状の成形ドラムの外周に、まず伸張層6を形成する補強布を巻き、またその上に接着層3を形成するゴム組成物のシートを巻きつけた後、この上に心線2をスピニングして螺旋状に巻きつけ、さらにこの上に圧縮層4を形成するゴム組成物のシートを巻きつけることによって、未加硫スリーブを作製する。圧縮層4を形成するゴム組成物には短繊維を含有させてある。次に成形ドラムに巻きつけたこの未加硫スリーブを加硫ドラム入れて加硫することによって、円筒状の加硫スリーブを得る。この後に、この加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールの間に懸架して走行回転させながら、加硫スリーブの外周の圧縮層4に切削ホイールを接触させてV溝を切削・研磨加工することによって、リブ部5を形成する。リブ部5をこのように切削・研磨する際に、リブ部5の表面に短繊維の一部が突出することになる。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断し、さらに内周と外周を裏返すことによって、図1のようなVリブドベルト1として仕上げることができるものである。
円筒状の成形ドラムの外周に、まず伸張層6を形成する補強布を巻き、またその上に接着層3を形成するゴム組成物のシートを巻きつけた後、この上に心線2をスピニングして螺旋状に巻きつけ、さらにこの上に圧縮層4を形成するゴム組成物のシートを巻きつけることによって、未加硫スリーブを作製する。圧縮層4を形成するゴム組成物には短繊維を含有させてある。次に成形ドラムに巻きつけたこの未加硫スリーブを加硫ドラム入れて加硫することによって、円筒状の加硫スリーブを得る。この後に、この加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールの間に懸架して走行回転させながら、加硫スリーブの外周の圧縮層4に切削ホイールを接触させてV溝を切削・研磨加工することによって、リブ部5を形成する。リブ部5をこのように切削・研磨する際に、リブ部5の表面に短繊維の一部が突出することになる。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断し、さらに内周と外周を裏返すことによって、図1のようなVリブドベルト1として仕上げることができるものである。
(製造例2)
円筒状の成形ドラムの外周に膨張収縮自在な可撓性ジャケットを装着し、この可撓性ジャケットの外周に上記の(製造例1)と同様にして、伸張層6を形成する補強布、接着層3を形成するゴム組成物のシート、心線2、圧縮層4を形成するゴム組成物のシートを巻きつけることによって、未加硫スリーブを作製する。次にこの未加硫スリーブの外周に位置する圧縮層4を形成するゴム組成物のシートの表面に静電植毛法等で短繊維を付着させる。この後、内周にリブ部5に対応した凹凸を形成した円筒形の成形型内に、成形ドラムに巻きつけた未加硫スリーブを入れ、可撓性ジャケットを膨張させて未加硫スリーブを成形型の内周に押圧して成形しながら加硫することによって、円筒状の加硫スリーブを得る。この加硫スリーブの圧縮層4にはリブ部5が成形されており、またこのリブ5の表面には短繊維が突出して設けられている。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断し、さらに内周と外周を裏返すことによって、図1のようなVリブドベルト1として仕上げることができるものである。
円筒状の成形ドラムの外周に膨張収縮自在な可撓性ジャケットを装着し、この可撓性ジャケットの外周に上記の(製造例1)と同様にして、伸張層6を形成する補強布、接着層3を形成するゴム組成物のシート、心線2、圧縮層4を形成するゴム組成物のシートを巻きつけることによって、未加硫スリーブを作製する。次にこの未加硫スリーブの外周に位置する圧縮層4を形成するゴム組成物のシートの表面に静電植毛法等で短繊維を付着させる。この後、内周にリブ部5に対応した凹凸を形成した円筒形の成形型内に、成形ドラムに巻きつけた未加硫スリーブを入れ、可撓性ジャケットを膨張させて未加硫スリーブを成形型の内周に押圧して成形しながら加硫することによって、円筒状の加硫スリーブを得る。この加硫スリーブの圧縮層4にはリブ部5が成形されており、またこのリブ5の表面には短繊維が突出して設けられている。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断し、さらに内周と外周を裏返すことによって、図1のようなVリブドベルト1として仕上げることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
表1の配合量で各配合剤を配合し、これをBRバンバリーで混練することによって、実施例1〜3及び比較例1〜3のゴム組成物を得た。
尚、表1において、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンモノマー)は、ジエン成分がエチリデンノルボルネンであり、エチレン含量60質量%、ジエン成分含量1.2質量%、残がプロピレンである。また有機過酸化物は、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン40質量%と炭酸カルシウム60質量%の混合物である。
そして、この実施例1〜3及び比較例1〜3のゴム組成物をシート状に成形して加硫することによって、2mm厚のゴムシートを得た。そしてこのゴムシートについて物性評価を行ない、結果を表2に示す。尚、表2において、「HS」はJIS K6253に規格される硬度、「M100」はJIS K6251に規格される100%伸張時の応力、「TB」はJIS K6251に規格される切断時の応力、「EB」はJIS K6251に規格される切断時の伸び、「TR−A」「TR−B」はJIS K6252に規格される引裂き抵抗力である。
表2にみられるように、EPDM100質量部に対して0.5〜5.0質量部の範囲でジチオカルバミン酸亜鉛塩を配合した各実施例のものは、優れた引き裂き抵抗が得られるものであった。一方、比較例1では優れたモジュラス(M100)を得られるものの、引き裂き抵抗力が低いものであり、また比較例2ではジチオカルバミン酸亜鉛塩を配合しているが、配合量が少ないので、十分な引き裂き抵抗を得ることができないものであった。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜3のゴム組成物を接着層及び圧縮層を形成するゴム組成物として用い、上記の(製造例2)のようにしてVリブドベルトを作製した。そしてこのVリブドベルトについて、120℃における高温低張力屈曲疲労試験、85℃における高温高張力耐久試験、6%スリップ強制磨耗試験を行なった。結果を表3に示す。
ここで、高温低張力屈曲疲労試験は、3PK1100のVリブドベルトを、径120mmの駆動プーリ、径120mmの従動プーリ、および径45mmのテンションプーリ(巻き付け角90度)に装着し、駆動プーリと従動プーリの間にある径85mmのアイドラープーリを接触角120度にてベルト背面に当接させた状態で、雰囲気温度120℃、ベルト張力559N(57kgf)、駆動プーリの回転数4900rpm、従動プーリの負荷12PSの条件で走行させ、300時間走行後のリブ部の亀裂を調べることによって、行なった。
また高温高張力耐久試験は、3PK1100のVリブドベルトを、径120mmの駆動プーリ、径120mmの従動プーリ、および径45mmのテンションプーリ(巻き付け角90度)に装着し、雰囲気温度85℃、ベルト張力883.6N(85kgf)、駆動プーリの回転数が4900rpmの条件で走行させ、走行500時間を打ち切りとして、ベルトの状態を調べることによって、行なった。
また6%強制スリップ試験は、3PK1100のVリブドベルトを径80mmの駆動プーリ、径80mmの従動プーリ、および径120mmのテンションプーリ(巻き付け角90度)に装着し、室温雰囲気、駆動プーリの回転数3000rpm、従動プーリの負荷6.9N・mの条件で24時間走行させ、走行前後のベルト重量差を走行前のベルト重量で除して摩耗率を求めることによって、行なった。
表3にみられるように、各実施例のものでは、各試験において良好な結果が得られた。一方、比較例1のものは、耐摩耗性には優れているが、屈曲疲労試験では亀裂が確認され、また高温高張力試験では引き裂き抵抗力の低さから心線ポップアウトが早期に発生した。比較例2のものでは、老化による引き裂き抵抗力の低下によって、走行末期に亀裂や心線ポップアップが発生した。比較例3のものは、耐久走行では問題はみられないが、磨耗試験では磨耗量が多く、また粘着も若干みられた。
1 Vリブドベルト
2 心線
3 接着層
4 圧縮層
5 リブ部
6 伸張層
2 心線
3 接着層
4 圧縮層
5 リブ部
6 伸張層
Claims (3)
- ゴム成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーと、架橋剤として有機過酸化物と、加硫促進剤としてエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して0.5〜5.0質量部のジチオカルバミン酸亜鉛塩とを含有して成ることを特徴とするゴム組成物。
- ベルト長手方向に沿って心線が埋設された接着層と圧縮層とを有する伝動ベルトにおいて、少なくとも圧縮層が請求項1に記載のゴム組成物で形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
- 圧縮層にベルト長手方向に沿った複数のリブ部を設けたVリブドベルトであることを特徴とする請求項2に記載の伝動ベルト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006086028A JP2007262147A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | ゴム組成物及び伝動ベルト |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014185771A (ja) * | 2013-02-21 | 2014-10-02 | Bando Chem Ind Ltd | 自動車の補機駆動ベルト伝動装置及びそれに用いるvリブドベルト |
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-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006086028A patent/JP2007262147A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090602 |