JP2007009966A - 伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】耐引き裂き性を改善し、高い耐久性、耐熱性及び耐寒性を備えると共に、耐磨耗性に優れた伝動ベルトを提供する。
【解決手段】コグドVベルト1は、内周側の圧縮ゴム層2と、外周側の伸張ゴム層5と、両ゴム層2,5間に接着ゴム層8を積層した構成を有し、該接着ゴム層8にはベルト長手方向に伸延した心線9が埋設されている。また、圧縮ゴム層2および伸張ゴム層5には、ベルト幅方向に伸延したコグ山3、6とコグ谷4、7とが形成されている。ここで圧縮ゴム層2は、エチレン含量が40〜70重量%のエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、PBO短繊維を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが0.1〜10重量部配合されたゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で構成される。
【選択図】図1
【解決手段】コグドVベルト1は、内周側の圧縮ゴム層2と、外周側の伸張ゴム層5と、両ゴム層2,5間に接着ゴム層8を積層した構成を有し、該接着ゴム層8にはベルト長手方向に伸延した心線9が埋設されている。また、圧縮ゴム層2および伸張ゴム層5には、ベルト幅方向に伸延したコグ山3、6とコグ谷4、7とが形成されている。ここで圧縮ゴム層2は、エチレン含量が40〜70重量%のエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、PBO短繊維を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが0.1〜10重量部配合されたゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は駆動装置などの動力伝動に用いられる伝動ベルトに関する。
近年、2輪自動車の大排気量化に伴って、CVTに使用される変速ベルトの環境温度が高くなっている。従来、動力伝動に用いられるベルトは、主として天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが使用されてきたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期にクラックが生じるという問題が発生した。また、クロロプレンなどのハロゲンを含んだゴムはダイオキシンの発生につながることから、環境負荷物質であるハロゲンを含有しないゴムで製造されたベルトが近年求められている。
このような要求に対して、最近ではエチレン・プロピレンゴム(EPM)あるいはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)等のエチレン・α−オレフィンゴムが、優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価なポリマーであり、脱ハロゲンという要求を満たしていることからも有望視されている。(例えば特許文献1参照)
特開平6−345948号公報
しかしながらエチレン・α−オレフィンゴムは引き裂き力に乏しく、有機過酸化物架橋系を用いると、更に引き裂き力が低下するという問題があった。一方、硫黄架橋系を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難であるため、走行時に摩耗が多くなるという不具合があった。尚、加硫度を上げるために、分子内の二重結合量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生した。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、耐引き裂き性を改善し、高い耐久性、耐熱性及び耐寒性を備えると共に、耐磨耗性に優れた伝動ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、エチレン含量が40〜70重量%のエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが0.1〜10重量部配合されたゴム組成物の有機過酸化物架橋物で構成されることを特徴とした伝動ベルトである。
本発明はまた前記伝動ベルトにあって、短繊維はアラミド短繊維を含む;メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが、トリメチロールプロパントリメタクリレートである;伝動ベルトが、圧縮層を有し、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した伝動ベルトであって、圧縮層が該ゴム組成物で構成される;伝動ベルトが、コグドVベルトであることを特徴とした発明である。
本発明では、本体の一部を特定のゴム組成物で構成することで、耐引き裂き性を改善し、高い耐久性、耐熱性及び耐寒性を備えると共に、耐磨耗性に優れた伝動ベルトが得られる。またアラミド短繊維を併用すると、耐磨耗性を高水準に維持しつつ、コスト高なポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維の配合量を減じることが可能となる。そしてメタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルとして特定の化合物を選択することで、より耐引き裂き性に優れ、高モジュラスな構成とすることができる。また該ゴム組成物で圧縮ゴム層を形成することで、耐側圧性、耐磨耗性に優れ、高寿命な伝動ベルトとすることができる。更にコグドVベルトに適用した場合、耐側圧性、耐磨耗性に優れ、コグ谷での亀裂などを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を説明する。
本発明に係る伝動ベルトの一例としてコグドVベルト1を図1に示す。
コグドVベルト1は、内周側の圧縮ゴム層2と、外周側の伸張ゴム層5と、両ゴム層2,5間に接着ゴム層8を積層した構成を有し、該接着ゴム層8にはベルト長手方向に伸延した心線9が埋設されている。また、圧縮ゴム層2および伸張ゴム層5には、ベルト幅方向に伸延したコグ山3、6とコグ谷4、7とがベルト長手方向に沿って交互に形成されている。
本発明に係る伝動ベルトの一例としてコグドVベルト1を図1に示す。
コグドVベルト1は、内周側の圧縮ゴム層2と、外周側の伸張ゴム層5と、両ゴム層2,5間に接着ゴム層8を積層した構成を有し、該接着ゴム層8にはベルト長手方向に伸延した心線9が埋設されている。また、圧縮ゴム層2および伸張ゴム層5には、ベルト幅方向に伸延したコグ山3、6とコグ谷4、7とがベルト長手方向に沿って交互に形成されている。
そして、圧縮ゴム層2、伸張ゴム層5および接着ゴム層8はゴム組成物で構成されている。本発明においては、本体の少なくとも一部が、エチレン含量が40〜70重量%のエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが0.1〜10重量部配合されたゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で構成されることを特徴とする。コグドVベルト1を例にとると、圧縮ゴム層2、伸張ゴム層5および接着ゴム層8のうち、いずれか1層または2層もしくは3層全てを該ゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で構成することができるが、少なくとも圧縮ゴム層2が前記構成を有することが望ましい。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなど)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体などがあり、具体的にはエチレン・プロピレンゴム(EPM)やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)などのゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。
そして、本発明において使用するエチレン・α−オレフィンゴムのエチレン含量は40〜70重量%である。40重量%未満ではベルト走行時の摩耗が激しくなり、また70重量%を超えるとゴムシートのシーティング性が低下すると共に、ベルト成形体では走行初期に亀裂が発生する恐れがある。また125°Cにおけるムーニー粘度(JIS K6300−1)が20〜75であるエチレン・α−オレフィンゴムを用いると、コグ形成不良を抑制することができ、ひいてはコグ形状が良好なコグドベルトを得ることができる。
また、上記ゴム組成物には、架橋剤として有機過酸化物が配合されている。有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部の範囲で好ましく使用される。
更に、前記ゴム組成物は、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルがエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して0.1〜10重量部配合されている。メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルは有機過酸化物系架橋において共架橋剤として作用し、0.1重量部未満では添加による効果が顕著でなく、10重量部を超えると引裂き力並びに接着力が急激に低下する。
メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルとして具体的には、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、またこれらに対応したアクリレートなどが挙げられる。これらは単独あるいは二種類以上混合して使用することができる。なかでも好ましくは、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)である。
そして、前記ゴム組成物には、エチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維(PBO短繊維)を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部配合されている。PBO短繊維は、繊維長1〜20mm、繊維径が1〜3デニールのものが好ましく用いられる。
また、PBO短繊維を単独に添加することは必須ではなく、他の素材からなる短繊維を添加することも可能である。PBO短繊維以外に配合できる短繊維としては、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、綿等の短繊維を挙げることができる。繊維長は繊維種によって異なるが、1〜10mmの短繊維が適当であり、具体的にはアラミド繊維では3〜5mm、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維または綿では5〜10mmのものを使用することができる。なかでも、耐摩耗性、補強性などを考慮するとアラミド繊維を選択することが好ましい。アラミド短繊維は、例えば商品名コーネックス、ノーメックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。アラミド短繊維を配合する場合、PBO繊維とアラミド繊維は、PBO繊維100重量部に対してアラミド繊維が200重量部以下となるような割合で配合すると良い。また両者のブレンド比によって、摩擦係数を制御することも可能である。
尚、PBO繊維は、他の繊維と比べてゴムとの接着が困難であることから、接着処理を施すことが望ましい。接着処理としては公知の処理方法が適用できるが、例えばニトリルゴム変性エポキシ樹脂及びアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む接着処理液で処理した後、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)液で処理する方法がある。またアラミド短繊維も、RFL液などを用いた公知の方法で接着処理を施されることが好ましい。
ここで用いるRFL液は、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックスを混合した処理液である。この場合、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高める上で好適である。また、RFL液の固形分付着量が3〜10重量%であることがRFL液による接着力の効果を高める上で好ましい。1/1を超えると、短繊維の凝集力が大きくなって分散性が悪くなり、逆に1/5未満になると、ゴムと短繊維との接着力が低下し、引張強さも低下する恐れがある。更に、RFL液の固形分付着量が10重量%を超えると、処理液が固まって短繊維のフィラメント同士が分割しにくくなり、逆に3重量%未満の場合にはRFL液による分散性及び引張強さの向上効果が顕著ではない。また、ゴムラテックスとしては、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体、EPDM等のラテックスが挙げられる。尚、接着処理を施す際の処理液の温度は5〜40°Cに調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理されることが望ましい。また、RFL処理の前にプレディップ処理を施したり、RFL処理の後にオーバーコート処理することも可能である。
そして該ゴム組成物には、必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合に用いるものを配合することができる。尚、カーボンブラックをゴム100重量部に対して20〜70重量部配合することが望ましい。
尚、圧縮ゴム層2および伸張ゴム層5は繊維を含有することが好ましいが、接着ゴム層8は、心線との接着性などを考慮すると繊維を含有しないほうが好ましい。
心線9としては、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維等などから選ばれた撚糸コードをRFL液などで処理したものを使用することができる。
また、必要に応じて、圧縮ゴム層2の表面や伸張ゴム層5の表面に補強布を積層することができる。この補強布としては、織物、編物、不織布などから選択される帆布が挙げられる。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。該帆布は、公知技術に従ってRFL液に浸漬後、未加硫ゴムを擦り込むフリクションを行ったり、またRFL溶液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理することができる。尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の界面活性剤を0.1〜5.0重量%加えてもよい。
本発明で用いるゴム組成物を作製する方法としては、まず第1ステップのマスターバッチ練りとして、バンバリミキサーのような密閉式混練機に、エチレン・α−オレフィンゴムに短繊維と軟化剤を投入して混練した後、混練したマスターバッチをいったん放出し、これを20〜50°Cまで冷却する。これはゴムのスコーチを防止するためである。次いで、得られたマスターバッチに所定量の補強剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等をバンバリミキサー、オープンロールを用いて仕上げ練りする。また、ゴム種によっては混練したマスターバッチをいったん放出し、冷却する必要はなく、連続して仕上げ練りを行うことも可能である。
尚、混練り方法としては、上記方法に限るものでなく、また混練り手段も例えばバンバリーミキサー、ロール、ニーダー、そして押出機等限定するものでなく、適宜公知の手段、方法によって混練することができる。また加硫方法も限定されるものでなく、モールド加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加硫機、射出成形機等の加硫装置を用いた公知の手段で加硫される。
前記の如く配合剤を添加したゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で圧縮ゴム層2を構成することにより、耐引き裂き性、耐側圧性が向上し、また耐摩耗効果がある高寿命な伝動ベルトを提供することができる。更に、低温下においても、良好な耐久性を呈する。
尚、コグドVベルトは上述した構成に限定されるものではなく、圧縮ゴム層、伸張ゴム層のどちらか一方にのみコグを設けたコグドVベルトなども挙げることができる。また伝動ベルトとしては、コグドVベルトに限定されるものではなく、コグが形成されていないVベルトやVリブドベルトなどにも適用可能である。
以下、具体的な実施例を伴って説明する。
表1に示す配合にて調製したゴム組成物のムーニー粘度(125°C)をJIS K6300−1に従って測定した。尚、PBO短繊維は接着処理を施したものを用いた。また該ゴム組成物を165°Cで30分間加硫し、得られた加硫ゴム(有機化酸化物系架橋体)の硬度(JIS−A)をJIS K6253、引き裂き力(JIS−A:N/mm)をJIS K6252に従って測定した。各測定結果を表2に示す。
表1に示す配合にて調製したゴム組成物のムーニー粘度(125°C)をJIS K6300−1に従って測定した。尚、PBO短繊維は接着処理を施したものを用いた。また該ゴム組成物を165°Cで30分間加硫し、得られた加硫ゴム(有機化酸化物系架橋体)の硬度(JIS−A)をJIS K6253、引き裂き力(JIS−A:N/mm)をJIS K6252に従って測定した。各測定結果を表2に示す。
また該ゴム組成物を用いてカットエッジタイプのコグドVベルトを作製した。本実施例で作製したコグドVベルトは、表面に1プライの帆布を積層した圧縮ゴム層と、表面に1プライの帆布を積層した伸張ゴム層と、両ゴム層間にポリエステル繊維ロープからなる心線を埋設した接着ゴム層を配置した構成からなる。そしてベルト内周面、外周面にはコグが形成されている。また圧縮ゴム層、伸張ゴム層には短繊維が含有されてなり、ベルト幅方向に配向している。
ここで伸張ゴム層、圧縮ゴム層を形成するゴムシートを、表1に示すゴム配合にて調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。また接着ゴム層を形成するゴムシートを、表1に示すゴム配合から短繊維をのぞいたゴム配合にて調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。
ベルトの製造方法は公知の方法であり、まず、所定の間隔で溝部を設けた円筒状ドラムの周面に1プライの補強布、未加硫圧縮ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを巻き付けた後、この上に心線となるロープを螺旋状にスピニングし、更に未加硫伸張ゴムシート、1プライの補強布を巻き付けて積層体(未加硫ベルトスリーブ)を得た後、これを加硫して加硫ベルトスリーブを得る。このようにして得られた加硫ベルトスリーブをカッターによって所定に幅に切断し、個々のコグドVベルトに仕上げた。
このようにして得られるコグドVベルトの耐久性を評価した。ベルト耐久試験では、上記ベルトを図2に示すレイアウトからなる2軸の横型走行試験機に懸架し、85°Cの雰囲気温度下、従動プーリに6.77kwの負荷をかけ、駆動プーリを7,000rpmで回転させて、ベルトの走行寿命を測定した。尚、打切り時間は240時間とし、寿命に達した場合はその故障原因を確認した。
結果、実施例のベルトは、耐寒性及び耐熱性が高く、耐引き裂き性が改善していると共に、耐磨耗性、耐側圧性に優れ走行寿命が長く、コグ形状が良好なベルトとすることができた。しかし、エチレン含量が高いEPDMを用いた比較例1では、引き裂き力は高いものの、走行試験において早期に亀裂が発生し、ベルト寿命が極めて短いという不具合があった。またクロロプレンゴムで構成した比較例2では、ぜい化温度が−35°Cと高く、耐寒性に問題あることが判る。そして、共架橋剤を配合していない比較例3では、充分な強力が得られず、走行において摩耗が激しいという問題があった。また総短繊維配合量が多い比較例4は、走行初期に亀裂が確認され、PBO短繊維を配合していない比較例5では耐引き裂き性、耐磨耗性に劣り、ベルト寿命が充分とは言えない。そして、比較例6,7では、EPDMの共架橋剤として汎用的に使用されているマレイミドを用いた例であるが、共に耐引き裂き性に問題があり、マレイミドを過多に配合した比較例6ではベルト寿命が極端に短いという問題があった。
本発明にかかる伝動ベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着することができる。
1 コグドVベルト
2 圧縮ゴム層
3,6 コグ山
4,7 コグ谷
5 伸張ゴム層
8 接着ゴム層
9 心線
2 圧縮ゴム層
3,6 コグ山
4,7 コグ谷
5 伸張ゴム層
8 接着ゴム層
9 心線
Claims (5)
- 本体の少なくとも一部が、エチレン含量が40〜70重量%のエチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対して、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維を5〜40重量部含む短繊維が5〜50重量部、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが0.1〜10重量部配合されたゴム組成物の有機過酸化物系架橋物で構成されることを特徴とする伝動ベルト。
- 短繊維はアラミド短繊維を含む請求項1記載の伝動ベルト。
- メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルが、トリメチロールプロパントリメタクリレートである請求項1又は2記載の伝動ベルト。
- 伝動ベルトが、圧縮層を有し、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した伝動ベルトであって、圧縮層が該ゴム組成物で構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
- 伝動ベルトが、コグドVベルトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
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2005
- 2005-06-29 JP JP2005189096A patent/JP2007009966A/ja active Pending
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