JP2021042316A - 伝動ベルト用組成物 - Google Patents

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啓介 宍戸
Keisuke Shishido
啓介 宍戸
雄二 石井
Yuji Ishii
雄二 石井
優樹 末利
Yuki Suetoshi
優樹 末利
市野 光太郎
Kotaro Ichino
光太郎 市野
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Abstract

【課題】耐熱性および耐摩耗性に優れた伝動ベルトを形成可能な伝動ベルト用組成物を提供する。【解決手段】エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位と、特定の部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、特定の要件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、カーボンブラック(B)と、短繊維(C)と、過酸化物系架橋剤(D)と、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)とを含有する伝動ベルト用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、伝動ベルト用組成物に関する。
伝動ベルトは、自動車用、自動二輪用および一般産業機械用に広く用いられている。伝動ベルトには、高ゴム弾性および耐摩耗性が必要とされている。前記性質を満たす伝動ベルトを製造するため、クロロプレンゴムが通常用いられており、また、耐熱性の改良、および軽量化の要求から、クロロプレンゴムにかえてエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いることが検討されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2001−310951号公報 特開2012−215212号公報
本発明者らの検討によれば、クロロプレンゴムを用いた場合、得られる伝動ベルトは耐熱性および耐摩耗性が充分ではないことが分かった。本発明の一態様に係る課題は、耐熱性および耐摩耗性に優れた伝動ベルトを形成可能な伝動ベルト用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、下記構成の伝動ベルト用組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[7]に関する。
[1]エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位と、下記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、下記(i)〜(vi)の要件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
カーボンブラック(B)と、
短繊維(C)と、
過酸化物系架橋剤(D)と、
2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)と
を含有する伝動ベルト用組成物。
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60〜99.9/0.1である;
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中、0.07質量%〜10質量%である;
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦40 …(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、下記式(2)を満たす;
P/([η]2.9)≦(a3)の質量分率×6 …(2)
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4〜30の範囲にある;
(vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である;
Figure 2021042316
[2]前記非共役ポリエン(a3)が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を含む、前記[1]に記載の伝動ベルト用組成物。
[3]前記炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)がプロピレンである、前記[1]または[2]に記載の伝動ベルト用組成物。
[4]前記短繊維(C)がアラミド短繊維である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物。
[5]前記共重合体(A)100質量部に対して、前記カーボンブラック(B)の含有量が0.1〜200質量部であり、前記短繊維(C)の含有量が0.1〜100質量部である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の伝動ベルト用組成物から形成された架橋成形体。
[7]前記[6]に記載の架橋成形体を有する伝動ベルト。
本発明によれば、耐熱性および耐摩耗性に優れた伝動ベルトを形成可能な伝動ベルト用組成物を提供することができる。
図1は、実施例で用いた連続重合装置の概略図である。
本発明について詳細に説明する。
[伝動ベルト用組成物]
本発明の伝動ベルト用組成物の一実施形態(以下「本実施形態の組成物」ともいう)は、以下に説明するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、カーボンブラック(B)と、短繊維(C)と、過酸化物系架橋剤(D)と、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)とを含有する。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)(以下「共重合体(A)」ともいう)は、エチレン(a1)と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)と、後述する式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)とに由来する構造単位を有する。
α−オレフィン(a2)としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらのうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、得られる共重合体(A)が優れた機械的性質を示し、さらにゴム弾性を持った成形体を得ることができるため好ましい。
α−オレフィン(a2)は1種または2種以上用いることができる。すなわち、共重合体(A)は、少なくとも1種の炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位を含んでおり、2種以上の炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位を含んでいてもよい。
非共役ポリエン(a3)は、非共役不飽和結合を2個以上有する化合物であり、下記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む化合物である。
Figure 2021042316
非共役ポリエン(a3)としては、例えば、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、重合後の架橋反応時に過酸化物との反応性が良好で、組成物の耐熱性が向上しやすいことから、非共役ポリエン(a3)がVNBを含むことが好ましく、非共役ポリエン(a3)がVNBであることがより好ましい。
非共役ポリエン(a3)は1種または2種以上用いることができる。
共重合体(A)は、上記(a1)、(a2)および(a3)に由来する構造単位に加えて、さらに上記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位を有していてもよい。
非共役ポリエン(a4)としては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンが挙げられる。これらのうちでは、入手容易性が高く、重合後の架橋反応時に架橋剤との反応性が高く、架橋速度を制御しやすく、良好な機械物性が得られやすいことからENBが好ましい。
非共役ポリエン(a4)は1種または2種以上用いることができる。
共重合体(A)が、非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位を含む場合、その割合は、本発明の目的を損なわない範囲において特に限定されるものではないが、通常は0〜20質量%、好ましくは0〜8質量%、より好ましくは0.01〜8質量%である。ただし、上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)の質量分率の合計を100質量%とする。
本実施形態の組成物は、1種の共重合体(A)を含有してもよく、2種以上の共重合体(A)を含有してもよい。また、本実施形態の組成物中の共重合体(A)の含有割合は、通常は20質量%以上、好ましくは25〜90質量%である。
共重合体(A)は、下記(i)〜(vi)の要件(以下、それぞれ要件(i)〜(vi)とも記す)を満たす。
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60〜99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中、0.07質量%〜10質量%である。
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦40 …(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]2.9)≦(a3)の質量分率×6 …(2)
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4〜30の範囲にある。
(vi)上記数平均分子量(Mn)が30,000以下である。
≪要件(i)≫
要件(i)は、共重合体(A)中のエチレン(a1)/α−オレフィン(a2)のモル比が40/60〜99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは55/45〜78/22である。
要件(i)を満たす共重合体(A)を用いることにより、耐熱性、耐寒性および耐摩耗性に優れた伝動ベルトを得ることができる。なお、共重合体(A)中のエチレン(a1)量(エチレン(a1)に由来する構造単位の含量)およびα−オレフィン(a2)量(α−オレフィン(a2)に由来する構造単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
≪要件(ii)≫
要件(ii)は、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中(すなわち全構造単位の質量分率の合計100質量%中)、0.07質量%〜10質量%の範囲であることを特定するものである。この非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率は、好ましくは0.1質量%〜8.0質量%、より好ましくは0.5質量%〜5.0質量%である。
要件(ii)を満たす共重合体(A)は、充分な硬度を有し、機械特性に優れたものとなり、また、過酸化物を用いて架橋した場合、早い架橋速度を示すものとなる。なお、共重合体(A)中の非共役ポリエン(a3)量(非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の含量)は、13C−NMRにより求めることができる。
≪要件(iii)≫
要件(iii)は、共重合体(A)において、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、共重合体(A)中における非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、上記式(1)を満たすことを特定するものである。要件(iii)の上記式(1)は、下記式(1')であることが好ましい。
4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦35 …(1')
共重合体(A)が、要件(iii)を満たすことにより、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の含有量が適切であり、十分な架橋性能を示し、架橋速度に優れるとともに、優れた機械特性を示す伝動ベルトを製造することができる。なお、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
共重合体(A)において、「Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量」が上記式(1)又は(1')を満たす場合、架橋程度が適切となり、機械的物性と耐熱老化性とがバランスよく優れた伝動ベルトを製造することができる。「Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量」の値が低すぎると、架橋性が不足して架橋速度が遅くなることなることがあり、また前記値が高すぎると、過度に架橋が生じて機械的物性が悪化することがある。
≪要件(iv)≫
要件(iv)は、共重合体(A)の、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られる、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、上記式(2)を満たすことを特定するものである。要件(iv)の上記式(2)は、下記式(2')であることが好ましい。
P/([η]2.9)≦(a3)の質量分率×5.7 …(2')
ここで、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))は、粘度の周波数依存性を表すものであって、式(2)の左辺にあたるP/([η]2.9)は、短鎖分岐や分子量などの影響はあるものの、長鎖分岐が多い場合に高い値を示す傾向がある。一般に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体では、非共役ポリエンに由来する構造単位を多く含むほど、長鎖分岐を多く含む傾向があるが、共重合体(A)は、従来公知のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体よりも長鎖分岐が少ないことにより、上記式(2)を満たすことができると考えられる。
本発明において、P値は、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%、周波数を変えた条件で測定を行って求めた、0.1rad/sでの複素粘度と、100rad/sでの複素粘度とから、比(η*比)を求めたものである。なお、極限粘度[η]は、135℃のデカリン中で測定された値を意味する。
≪要件(v)≫
要件(v)は、共重合体(A)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4〜30の範囲にあることを特定するものである。この分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4〜28、より好ましくは4〜26の範囲である。この分子量分布(Mw/Mn)は、一実施態様では、8〜30、好ましくは8〜28、より好ましくは8〜26の範囲である。
共重合体(A)が、要件(v)を満たす場合、低分子量成分を適切な量で含有するため、加工性が良好となる。
なお、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
≪要件(vi)≫
要件(vi)は、共重合体(A)の上記数平均分子量(Mn)が30,000以下であることを特定するものである。上記数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000〜26,000、より好ましくは6,000〜23,000の範囲である。
共重合体(A)が、要件(vi)を満たす場合、低分子量成分を適切な量で含有するため、加工性が良好となる。
≪要件(vii)≫
共重合体(A)のGPC測定によって得られるチャートが2つ以上のピークを示し、最も分子量が小さい側に現れるピークの面積が、全体のピーク面積の1〜20%であることが好ましい。全体のピーク面積に対して、上記の最も分子量が小さい側に現れるピークの面積は、より好ましくは2〜18%、さらに好ましくは3〜16%である。
共重合体(A)が、要件(vii)を満たす場合、共重合体(A)の分子量分布が二峰性等の多峰性を示すこととなり、高分子量成分と低分子量成分とを適切な割合で含み、加工性が良好となる。
≪要件(viii)≫
共重合体(A)は、3D−GPCを用いて得られた1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(3')を満たすことがより好ましい。
LCB1000C≦1−0.07×Ln(Mw) …(3)
LCB1000C≦1−0.071×Ln(Mw) …(3')
上記式(3)又は(3')により、共重合体(A)の単位炭素数当たりの長鎖分岐含量の上限値が特定される。
このような共重合体(A)は、含まれる長鎖分岐の割合が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れるとともに、耐熱老化性に優れた伝動ベルトを得ることができる。
ここで、Mwと1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)は、3D−GPCを用いた構造解析法により求めることができる。本明細書においては、具体的には、次のようにして求めた。
3D−高温GPC装置PL−GPC220型(Polymer Laboratories社製)を用い、絶対分子量分布を求め、同時に粘度計で極限粘度を求めた。主な測定条件は以下の通り。
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
2角度光散乱光度計PD2040型(Precison Detectors社製)
ブリッジ型粘度計PL−BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本
(いずれも1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4−トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:ca 1.5mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
上記において、絶対分子量の決定に必要なdn/dc値は標準ポリスチレン(分子量190000)のdn/dc値0.053と単位注入質量あたりの示差屈折率計の応答強度より、試料ごとに決定した。
粘度計より得られた極限粘度と光散乱光度計より得られた絶対分子量の関係より溶出成分毎の長鎖分岐パラメーターg'iを下記式(v−1)から算出した。
Figure 2021042316
ここで、[η]=KMv;v=0.725の関係式(K:ポリマーの種類等により定まる定数、M:分子量)を適用した。
また、g'として各平均値を下記式(v−2)、(v−3)、(v−4)から算出した。なお、短鎖分岐のみを有すると仮定したTrendlineは試料ごとに決定した。
Figure 2021042316
更にg'wを用いて、分子鎖あたりの分岐点数BrNo、炭素1000個あたりの長鎖分岐数LCB1000C、単位分子量あたりの分岐度λを算出した。BrNo算出はZimm-Stockmayerの下記式(v−5)、また、LCB1000Cとλの算出は下記式(v−6)、(v−7)を用いた。gは慣性半径Rgから求められる長鎖分岐パラメーターであり、極限粘度から求められるg'との間に次の単純な相関付けが行われている。
g=g'(1/ε)
ε(構造因子)=0.5〜1.5(通常は0.75)
式中のεは分子の形に応じて種々の値が提案されている。ここではε=1(すなわちg'=g)と仮定して計算を行った。
Figure 2021042316
λ=BrNo/M …(V−6)
LCB1000C=λ×14000 …(V−7)
式(V−7)中、「14000」はメチレン(CH2)単位で1000個分の分子量を表す。
共重合体(A)の極限粘度[η]は、好ましくは0.1〜5.0dL/g、より好ましくは0.5〜5.0dL/g、さらに好ましくは0.9〜4.0dL/gである。
また、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜600,000、より好ましくは30,000〜500,000、さらに好ましくは50,000〜400,000である。
共重合体(A)は、上記の極限粘度[η]および重量平均分子量(Mw)を兼ね備えて満たすことが好ましい。
共重合体(A)では、上述したように、非共役ポリエン(a3)がVNBを含むことが好ましく、VNBであることがより好ましい。すなわち、上述した式(1)、式(2)および後述する式(4)等において、「(a3)の質量分率」が「VNBの質量分率」(質量%)であることが好ましい。
共重合体(A)は、上述したように、上記(a1)、(a2)および(a3)に由来する構造単位に加えて、さらに、非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位を、0〜20質量%の質量分率(ただし、上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)の質量分率の合計を100質量%とする)で含むことも好ましい。この場合には、下記(ix)の要件を満たすことが好ましい。
≪要件(ix)≫
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位の質量分率((a4)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)と、非共役ポリエン(a4)の分子量((a4)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。
4.5≦Mw×{((a3)の質量分率/100/(a3)の分子量)+((a4)の質量分率/100/(a4)の分子量)}≦45 …(4)
式(4)では、共重合体1分子中の非共役ジエン((a3)と(a4)の合計)の含量を特定している。
非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位を含む共重合体(A)が式(4)を満たすことにより、機械物性および耐熱老化性に優れた伝動ベルトを得ることができる。
要件(ix)を満たさず、式(4)中の「Mw×{((a3)の質量分率/100/(a3)の分子量)+((a4)の質量分率/100/(a4)の分子量)}」の値が低すぎると、すなわち非共役ジエンの含量が少なすぎると、十分な架橋がなされず適切な機械物性が得られないことがあり、前記値が高すぎると、すなわち非共役ジエンの含量が多すぎると、架橋が過剰となり機械物性が悪化することがあり、さらに耐熱老化性が悪化することもある。
≪要件(x)≫
共重合体(A)は、特に限定されるものではないが、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られる、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)(Pa・sec)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)(Pa・sec)と、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価とが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
Log{η* (ω=0.01)}/Log{η* (ω=10)}≦0.0753×{非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価}+1.42 …(5)
ここで、複素粘度η* (ω=0.01)および複素粘度η* (ω=10)は、要件(iv)における複素粘度η* (ω=0.1)および複素粘度η* (ω=100)と測定周波数以外は同様にして求められる。また、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価は、次式により求められる。
(a3)に由来する見かけのヨウ素価=(a3)の質量分率×253.81/(a3)の分子量
上記式(5)において、左辺は長鎖分岐量の指標となる剪断速度依存性を表し、右辺は重合時に長鎖分岐として消費されていない非共役ポリエン(a3)の含有量の指標を表す。共重合体(A)が上記式(5)を満たすと、長鎖分岐の程度が高すぎないため好ましい。一方、共重合体(A)が上記式(5)を満たさない場合、共重合した非共役ポリエン(a3)のうち、長鎖分岐の形成に消費された割合が多いことが分かる。
さらに、共重合体(A)は、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位を十分な量で含有することが好ましく、共重合体中における非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、共重合体の重量平均分子量(Mw)とが、下記式(6)を満たすことがより好ましい。
6−0.45×Ln(Mw)≦(a3)の質量分率≦10 …(6)
また、共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の数(na3)が、好ましくは6個以上、より好ましくは6個以上40個以下、さらに好ましくは7個以上39個以下、特に好ましくは10個以上38個以下である。
このような共重合体(A)は、VNBなどの非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位を十分な量で含有し、かつ、長鎖分岐含有量が少なく、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、特に耐熱老化性に優れる。
また、共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位の数(na4)が、好ましくは29個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは1個未満である。
このような共重合体(A)は、ENBなどの非共役ポリエン(a4)から導かれる構造単位の含有量が本発明の目的を損なわない範囲に抑制されており、後架橋を生じにくく、十分な耐熱老化性を有する。
ここで、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の数(na3)または非共役ポリエン(a4)に由来する構造単位の数(na4)は、非共役ポリエン(a3)または(a4)の分子量と、共重合体中における非共役ポリエン(a3)または(a4)に由来する構造単位の質量分率((a3)または(a4)の質量分率(質量%))と、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)とから、下記式により求めることができる。
(na3)=(Mw)×{(a3)の質量分率/100}/非共役ポリエン(a3)の分子量
(na4)=(Mw)×{(a4)の質量分率/100}/非共役ポリエン(a4)の分子量
共重合体(A)において、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)および(a4)に由来するそれぞれの構造単位の数(na3)および(na4)が、いずれも上記の範囲を満たす場合、共重合体(A)は、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、後架橋を生じにくく特に耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
<共重合体(A)の調製>
共重合体(A)は、エチレン(a1)と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)と、必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合してなる共重合体である。
共重合体(A)は、要件(i)〜(vi)を満たす限りにおいて、どのような製法で調製されてもよいが、メタロセン化合物の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることが好ましく、メタロセン化合物を含む触媒系の存在下にモノマーを共重合して得られたものであることがより好ましく、特定のメタロセン化合物を含有する重合触媒の存在下で共重合を行う工程(1)と、触媒失活剤としてアルコールを添加して上記重合触媒の失活を行う工程(2)とを含む方法により得られたものであることがさらに好ましい。
≪メタロセン化合物≫
共重合体(A)は、下記式[A1]で表される化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン化合物を含有する重合触媒系の存在下に、モノマーを共重合して得られたものであることが好ましい。モノマーの共重合を、このようなメタロセン化合物を含む重合触媒系を用いて行うと、得られる共重合体中に含有される長鎖分岐が抑制され、上記要件を満たす共重合体(A)を容易に調製することができる。
Figure 2021042316
式[A1]中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9およびR12はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基またはケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基を示し、R1〜R4のうち隣接する二つの基同士は互いに結合して環を形成していてもよい。
炭化水素基としては、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、具体的には、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリール(aryl)基あるいは置換アリール(aryl)基などが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル(allyl)基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンジル基、クミル基を挙げることができ、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などの酸素含有基、ニトロ基、シアノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基などの窒素含有基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基、スルホニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基を含むものも炭化水素基として挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基を挙げることができる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などを挙げることができる。例えば、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基を挙げることができる。
6およびR11は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R7およびR10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基およびケイ素含有基以外のヘテロ原子含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R6およびR7は互いに結合して環を形成していてもよく、R10およびR11は互いに結合して環を形成していてもよい。ただし、R6、R7、R10およびR11が全て水素原子であることはない。
13およびR14はそれぞれ独立にアリール基を示す。
1はジルコニウム原子を示す。
1は炭素原子またはケイ素原子を示す。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭素数4〜20の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示し、jは1〜4の整数を示し、jが2以上の整数の場合は複数あるQはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
炭化水素基としては、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1、1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、ベンジル基である。
炭素数4〜20の中性の共役もしくは非共役ジエンとしては、炭素数4〜10の中性の共役もしくは非共役ジエンが好ましい。中性の共役もしくは非共役ジエンの具体例としては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、t−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。
孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。
上記式[A1]における置換基R1〜R4を有するシクロペンタジエニル基としては、R1〜R4が水素原子である無置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3−メチルシクロペンタジエニル基、3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、3−フェニルシクロペンタジエニル基、3−アダマンチルシクロペンタジエニル基、3−アミルシクロペンタジエニル基、3−シクロヘキシルシクロペンタジエニル基などの3位1置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジメチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル基などの3,5位2置換シクロペンタジエニル基などが挙げることができるがこの限りではない。メタロセン化合物の合成のし易さ、製造コスト及び非共役ポリエンの共重合能の観点から、無置換(R1〜R4が水素原子)であるシクロペンタジエニル基が好ましい。
式[A1]における置換基R5〜R12を有するフルオレニル基としては、
5〜R12が水素原子である無置換フルオレニル基、
2−メチルフルオレニル基、2−t−ブチルフルオレニル基、2−フェニルフルオレニル基などの2位1置換フルオレニル基、
4−メチルフルオレニル基、4−t−ブチルフルオレニル基、4−フェニルフルオレニル基などの4位1置換フルオレニル基、
あるいは2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル基、3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,7位もしくは3,6位2置換フルオレニル基、
2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基、2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,3,6,7位4置換フルオレニル基、
あるいは下記式[V−I]、[V−II]で表されるようなR6とR7が互いに結合し環を形成し、R10とR11が互いに結合し環を形成している2,3,6,7位4置換フルオレニル基などが挙げられるが、この限りではない。
Figure 2021042316
式[V−I]、[V−II]中、R5、R8、R9、R12は上記式[A1]における定義と同様であり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、隣接した置換基と互いに結合して環を形成していてもよい。上記アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペンチル基を例示できる。また、式[V−I]中、RxおよびRyはそれぞれ独立に炭素数1〜3の不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、RxがRaまたはRcが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RyがReまたはRgが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RxおよびRyがともに炭素数1または2の飽和あるいは不飽和の炭化水素基であることが好ましい。
上記式[V−I]または[V−II]で表される化合物として、具体的には、式[V−III]で表されるオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、式[V−IV]で表されるテトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル基、式[V−V]で表されるオクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基、式[V−VI]で表されるヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル基、式[V−VII]で表されるb,h−ジベンゾフルオレニル基が挙げられる。
Figure 2021042316
これらのフルオレニル基を含む上記式[A1]で表されるメタロセン化合物はいずれも非共役ポリエンの共重合能に優れるが、Y1がケイ素原子である場合、2,7位2置換フルオレニル基、3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記式[V−I]に表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有する遷移金属化合物が特に優れる。Y1が炭素原子である場合、R5からR12が水素原子である無置換フルオレニル基、3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記式[V−I]に表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有するメタロセン化合物が特に優れる。
なお、本発明では、上記式[A1]で表されるメタロセン化合物においては、
1がケイ素原子で、R5からR12までが全て水素原子である場合は、R13とR14はメチル基、ブチル基、フェニル基、ケイ素置換フェニル基、シクロヘキシル基、ベンジル基以外の基から選ばれ;
1がケイ素原子で、R6とR11とが共にt−ブチル基であり、R5、R7、R8、R9、R10、R12がt−ブチル基でない場合は、R13とR14はベンジル基、ケイ素置換フェニル基以外の基から選ばれ;
1が炭素原子で、R5からR12が全て水素原子である場合は、R13、R14はメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、イソブチル基、フェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−n−ブチルフェニル基、ケイ素置換フェニル基、4−ビフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キシリル基以外の基から選ばれ;
1が炭素原子で、R6およびR11がt−ブチル基、メチル基あるいはフェニル基から選ばれる共通の基であり、R5、R7、R8、R9、R10およびR12と異なる基または原子である場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−n−ブチルフェニル基、ケイ素置換フェニル基、ベンジル基以外の基から選ばれ;
1が炭素原子で、R6がジメチルアミノ基、メトキシ基またはメチル基であり、R5、R7、R8、R9、R10、R11およびR12が、R6と異なる基または原子である場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基以外の基から選ばれ;
1が炭素原子で、フルオレニル基及びR5〜R12で構成される部位が、b,h−ジベンゾフルオレニルあるいはa,i−ジベンゾフルオレニルである場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基以外の基から選ばれる
ことが好ましい。
以下に、上記式[A1]で表されるメタロセン化合物の具体例を示すが、特にこれにより本発明の範囲が限定されるものでもない。
上記式[A1]で表されるメタロセン化合物の具体例としては、
1がケイ素原子の場合では、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
等が挙げられる。
1が炭素原子の場合では、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−t−ブチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
等が挙げられる。
これらのメタロセン化合物の構造式の一例として、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド(下記(A))、および、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド(下記(B))の構造式を以下に示す。
Figure 2021042316
上記メタロセン化合物は1種または2種以上用いることができる。
共重合体(A)の調製に好適に用いることのできる、上記式[A1]で表されるメタロセン化合物は、特に限定されることなく任意の方法で製造することができる。例えば、J.Organomet.Chem.,63,509(1996)、WO2005/100410号公報、WO2006/123759号公報、WO01/27124号公報、特開2004−168744号公報、特開2004−175759号公報、特開2000−212194号公報などに記載の方法等に準拠して製造することができる。
≪メタロセン化合物を含む触媒≫
共重合体(A)の製造に好適に用いることのできる重合触媒としては、上記式[A1]で表されるメタロセン化合物(メタロセン化合物(a))を含み、モノマーを共重合できるものが挙げられる。
好ましくは、
上記式[A1]で表されるメタロセン化合物(a)と、
有機金属化合物(b−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)、およびメタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(b−3)(以下「イオン化イオン性化合物(b−3)」ともいう)から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)と、
さらに必要に応じて、
粒子状担体(c)と
から構成される重合触媒が挙げられる。
以下、各成分について具体的に説明する。
≪化合物(b)≫
化合物(b)は、有機金属化合物(b−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)およびイオン化イオン性化合物(b−3)から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、好ましくは、少なくとも有機金属化合物(b−1)を含む。
有機金属化合物(b−1)
有機金属化合物(b−1)としては、例えば、下記式[VII]〜[IX]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(b-1a) 式:Ra mAl(ORbnpq …[VII]
(式[VII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
このような化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
(b-1b) 式:M2AlRa 4 …[VIII]
(式[VIII]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
このような化合物として、LiAl(C254、LiAl(C7154などを例示することができる。
(b-1c) 式:Rab3 …[IX]
(式[IX]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
有機金属化合物(b−1)の中では、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物(b−1)は1種または2種以上用いることができる。
有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)
有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、例えば、下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば、塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお、上記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、(b−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、中でも、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
有機アルミニウム化合物は1種または2種以上用いることができる。
また有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)の一態様であるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算でベンゼン100質量%に対して通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)としては、下記式[X]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 2021042316
式[X]中、R1は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
式[X]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、
式:R1−B(OH)2 …[XI]
(式[XI]中、R1は上記式[X]におけるR1と同じ基を示す。)
で表されるアルキルボロン酸と、
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
上記式[XI]で表されるアルキルボロン酸としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。
これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。
これらは1種または2種以上用いることができる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物としては、上記(b-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は1種または2種以上用いることができる。
イオン化イオン性化合物(b−3)
イオン化イオン性化合物(b−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
イオン化イオン性化合物(b−3)は1種または2種以上用いることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物が挙げられ、例えば、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンが挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば、式[XII]で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021042316
式[XII]中、R1+としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
上記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
上記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;
N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;
ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
上記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
1+としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えば、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(N、N−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3、5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素が挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えば、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素が挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えば、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素が挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式[XIII]または[XIV]で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。なお、下記式中、Etはエチル基を示す。
Figure 2021042316
ボラン化合物として具体的には、例えば
デカボラン;
ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩;
が挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、例えば、
4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム−2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩;
が挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ゲルマノタングストバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等の有機塩が使用できるが、この限りではない。
イオン化イオン性化合物(b−3)の中では、上述のイオン性化合物が好ましく、その中でもトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートがより好ましい。
本発明において、重合触媒として、上記式[A1]で表されるメタロセン化合物(a)と、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物(b−1)、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)、およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(b−3)とを含むメタロセン触媒を用いると、共重合体(A)の製造に際して非常に高い重合活性を示すことができる。
粒子状担体(c)
本発明で、必要に応じて用いられる粒子状担体(c)は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。これらの具体例としては、WO2015/122495号公報に記載のものが挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、これらは1種または2種以上用いることができる。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
有機化合物成分(d)
メタロセン触媒は、メタロセン化合物(a)と、有機金属化合物(b−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)およびイオン化イオン性化合物(b−3)から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)と、必要に応じて用いられる担体(c)と共に、さらに必要に応じて特定の有機化合物成分(d)を含むこともできる。
本発明において、有機化合物成分(d)は、必要に応じて重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
≪共重合体(A)の製造方法および条件≫
共重合体(A)は、エチレン(a1)と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)と、必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合して製造することができる。
このようなモノマーを共重合させる際、前述した重合触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、下記(1)〜(5)のような方法が例示される。
(1)メタロセン化合物(a)を単独で重合器に添加する方法。
(2)メタロセン化合物(a)および化合物(b)を、
任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)メタロセン化合物(a)を担体(c)に担持した触媒成分、化合物(b)を、
任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)化合物(b)を担体(c)に担持した触媒成分、メタロセン化合物(a)を、
任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)メタロセン化合物(a)と化合物(b)とを担体(c)に担持した触媒成分を、
重合器に添加する方法。
上記(2)〜(5)の各方法においては、メタロセン化合物(a)、化合物(b)、担体(c)の少なくとも2つは予め接触されていてもよい。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
また、担体(c)にメタロセン化合物(a)が担持された固体触媒成分、担体(c)にメタロセン化合物(a)および化合物(b)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
共重合体(A)は、上記のような重合触媒の存在下に、モノマーを共重合することにより好適に得ることができる。
上記重合触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、メタロセン化合物(a)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-8モルになるような量で用いられる。
化合物(b−1)は、化合物(b−1)と、メタロセン化合物(a)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−1)/M〕が、通常0.01〜50000、好ましくは0.05〜10000となるような量で用いられる。化合物(b−2)は、化合物(b−2)中のアルミニウム原子と、メタロセン化合物(a)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常10〜50000、好ましくは20〜10000となるような量で用いられる。化合物(b−3)は、化合物(b−3)と、メタロセン化合物(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常1〜20、好ましくは1〜15となるような量で用いられる。
本発明において、共重合体(A)を製造する方法は、溶液(溶解)重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施可能であり、特に限定されないが、下記重合反応液を得る工程を有することが好ましい。
重合反応液を得る工程とは、脂肪族炭化水素を重合溶媒として用い、上記メタロセン触媒、好ましくは、上記式[A1]におけるY1に結合しているR13、R14がフェニル基、あるいは、アルキル基またはハロゲン基により置換されたフェニル基であり、R7、R10がアルキル置換基を有する遷移金属化合物を含む重合触媒の存在下に、エチレン(a1)と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)および必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合し、共重合体(A)の重合反応液を得る工程である。
重合溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。また、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。なお、これらのうち、得られる共重合体(A)との分離、精製の観点から、ヘキサンが好ましい。
また、重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜+150℃の範囲、より好ましくは、+70〜+110℃の範囲であり、用いるメタロセン触媒系の到達分子量、重合活性によるが、より高温(+70℃以上)であることが触媒活性、共重合性および生産性の観点から望ましい。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは1.1〜5.0MPaゲージ圧、より好ましくは1.2〜2.0MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。本発明ではこのうち、モノマーを連続して反応器に供給して共重合を行う方法を採用することが好ましい。
反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間、より好ましくは10分間〜2時間である。
得られる共重合体(A)の分子量は、重合系内に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する化合物(b)の量により調節することもできる。具体的には、トリイソブチルアルミニウム、メチルアルミノキサン、ジエチル亜鉛等が挙げられる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
また、エチレン(a1)とα−オレフィン(a2)との仕込みのモル比(エチレン(a1)/α‐オレフィン(a2))は、好ましくは40/60〜99.9/0.1、より好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、最も好ましくは55/45〜78/22である。
非共役ポリエン(a3)の仕込み量は、エチレン(a1)と、α−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)との合計(全モノマー仕込み量)100質量%に対して、通常0.07質量〜10質量%、好ましくは0.1質量%〜8.0質量%、より好ましくは0.5質量%〜5.0質量%である。
本発明では、上記重合触媒の存在下で共重合を行う工程(1)の後、触媒失活剤を添加して上記重合触媒の失活を行う工程(2)を含むことが好ましい。
上記触媒失活剤としては、アルコール類を用いることができ、メタノールまたはエタノールが好ましく、エタノールが特に好ましい。
工程(2)において、上記触媒失活剤を、有機金属化合物(b−1)に対して、好ましくは0.05〜3.0mol倍、より好ましくは0.06〜2.5mol倍、さらに好ましくは0.08〜2.0mol倍の量で添加することにより、エタノール等の触媒失活剤で変質した触媒がわずかに生成して低分子量成分を適度に重合する結果、分子量分布が適度に広い共重合体(A)を得ることができる。一方、触媒失活剤の添加量が多すぎると、変質触媒がほとんど生成されず、低分子量成分の重合がほとんど行われないため、得られる共重合体(A)の分子量分布の狭くなる傾向にある。また、触媒失活剤を添加しない、もしくは添加量が少なすぎると、変質触媒が多く生成して低分子量成分を多量に重合するため、得られる共重合体(A)の低分子量成分の含有量が多くなり過ぎる傾向にある。
<カーボンブラック(B)>
本実施形態の組成物は、カーボンブラック(B)を含有する。カーボンブラック(B)は、例えば、得られる架橋成形体の機械的強度、モジュラス、耐摩耗性の向上に寄与する成分である。
カーボンブラック(B)としては、例えば、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTが挙げられる。カーボンブラックの表面はシランカップリング剤で処理されていてもよい。市販されているカーボンブラックとしては、例えば、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#60G」、「旭#60UG」、「旭#70」(商品名、旭カーボン社製)、「シーストV」、「シーストSO」(商品名、東海カーボン社製)が挙げられる。
本実施形態の組成物は、1種のカーボンブラック(B)を含有してもよく、2種以上のカーボンブラック(B)を含有してもよい。
本実施形態の組成物におけるカーボンブラック(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜200質量部であり、より好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは20〜100質量部である。このような態様であると、得られる架橋成形体の機械的強度と、本実施形態の組成物の加工性との観点から好ましい。
<短繊維(C)>
本実施形態の組成物は、短繊維(C)を含有する。短繊維(C)を用いることにより、上記組成物から形成される架橋成形体のモジュラス、機械的強度を改善することができる。共重合体(A)は短繊維(C)との混練性にも優れているので、本実施形態の組成物は、短繊維(C)を含有したとしても、成形加工性に優れる傾向にある。
短繊維(C)としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、レーヨン、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、フッ素系ポリマー等の合成樹脂からなる繊維;綿、木材セルロース繊維等の天然繊維が挙げられる。これらの中でも、合成樹脂からなる短繊維が好ましく、ポリアミドからなる短繊維がより好ましい。短繊維(C)は、通常、共重合体(A)から形成された短繊維ではない。
ポリアミドとしては、例えば、ポリカプラミド、ポリ−ω−アミノヘプタン酸、ポリ−ω−アミノノナン酸、ポリウンデカンアミド、ポリエチレンジアミンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリオクタメチレンアジパミド、ポリデカメチレンアジパミド等の脂肪族ポリアミド;ポリパラフェニレンテレフタラミド(商品名「ケブラー」、東レ・デュポン社製)、ポリメタフェニレンイソフタラミド、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンアゼラミド、ポリパラキシリレンデカナミド等の芳香族ポリアミド(アラミド)が挙げられる。
短繊維(C)としては、得られる架橋成形体の引張応力および引裂強さをより向上させるという観点から、芳香族ポリアミドからなる短繊維、すなわちアラミド短繊維が好ましく、ポリパラフェニレンテレフタラミド短繊維、ポリメタフェニレンイソフタラミド短繊維、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド短繊維がより好ましい。
短繊維(C)の平均繊維長は、通常は0.1〜50mm、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは0.5〜6mmである。短繊維(C)の繊維径は、通常は0.1〜100μm、好ましくは0.1〜25μm、より好ましくは1〜20μmである。
短繊維(C)の平均繊維長は、例えば、光学顕微鏡により短繊維の写真撮影を行い、得られた写真において無作為に選んだ100個の短繊維の長さを測定し、これを算術平均することにより求めることができる。
短繊維(C)は、チョップドファイバー(カットファイバー)状短繊維でも、フィブリルを有するパルプ状短繊維でもよい。
本実施形態の組成物は、1種の短繊維(C)を含有してもよく、2種以上の短繊維(C)を含有してもよい。
本実施形態の組成物における短繊維(C)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは3〜20質量部である。このような態様であると、得られる架橋成形体のモジュラス、機械的強度の観点から好ましい。
<過酸化物系架橋剤(D)>
本実施形態の組成物は、過酸化物系架橋剤(D)を含有する。過酸化物系架橋剤(D)を用いることにより、共重合体(A)を良好に架橋させることができ、また得られる架橋成形体の耐熱老化性を高めることができると考えられる。
過酸化物系架橋剤(D)としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
本実施形態の組成物は、1種の過酸化物系架橋剤(D)を含有してもよく、2種以上の過酸化物系架橋剤(D)を含有してもよい。
本実施形態の組成物において、過酸化物系架橋剤(D)の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。このような態様であると、架橋が良好に進み、得られる架橋成形体の耐熱性および耐摩耗性の観点から好ましい。
<2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)>
本実施形態の組成物は、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)を含有する。架橋助剤(E)中のエチレン性二重結合数は、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。架橋助剤(E)を用いることにより、共重合体(A)と短繊維(C)との間で良好にネットワークを形成することができると考えられる。
架橋助剤(E)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;ジビニルベンゼン等のビニル系架橋助剤が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル系架橋助剤が好ましく、エチレングリコールジメタクリレートがより好ましい。
本実施形態の組成物は、1種の架橋助剤(E)を含有してもよく、2種以上の架橋助剤(E)を含有してもよい。
本実施形態の組成物において、架橋助剤(E)の含有量は、過酸化物系架橋剤(D)1モルに対して、好ましくは0.01〜22モル、より好ましくは0.1〜11モル、さらに好ましくは0.1〜8モルである。このような態様であると、架橋が良好に進み、得られる架橋成形体の耐熱性および耐摩耗性の観点から好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の組成物は、過酸化物系架橋剤(D)以外の架橋剤、架橋助剤(E)以外の架橋助剤、軟化剤、無機充填剤、補強剤、老化防止剤、加工助剤、活性剤、吸湿剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することができる。本実施形態の組成物は、共重合体(A)以外の他のポリマー、例えばエラストマーおよび/またはゴムをさらに含有することができる。以下に説明する各成分は、それぞれ1種または2種以上用いることができる。
《過酸化物系架橋剤(D)以外の架橋剤、架橋助剤(E)以外の架橋助剤》
過酸化物系架橋剤(D)とともに、前記架橋剤(D)以外の架橋剤を併用してもよい。前記架橋剤(D)以外の架橋剤としては、ゴムを架橋する際に一般的に使用される架橋剤が挙げられ、例えば、硫黄系化合物、フェノール樹脂、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物が挙げられる。
硫黄系化合物としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
本実施形態の組成物において、架橋剤として硫黄系化合物も用いる場合、硫黄系化合物の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.3〜10質量部、より好ましくは0.5〜7.0質量部、さらに好ましくは0.7〜5.0質量部である。
架橋剤として硫黄系化合物も用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物、ブチルアルデヒド・アニリン縮合物等のアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系加硫促進剤;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラー22C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素、N,N'−ジブチルチオ尿素等のチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系加硫促進剤;その他、亜鉛華が挙げられる。
本実施形態の組成物が加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
加硫助剤は、架橋剤として硫黄系化合物も用いる場合に好ましく用いることができ、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック社製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業社製)等の酸化亜鉛)が挙げられる。
本実施形態の組成物が加硫助剤を含有する場合、加硫助剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部である。
また、架橋助剤(E)とともに、架橋助剤(E)以外の架橋助剤を併用してもよい。上記架橋助剤としては、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック社製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業社製)などの酸化亜鉛)等の金属酸化物が挙げられる。
本実施形態の組成物が架橋助剤(E)以外の架橋助剤を含有する場合、架橋助剤(E)以外の架橋助剤の含有量は、過酸化物系架橋剤(D)1モルに対して、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは0.5〜7モル、さらに好ましくは1〜5モルである。
《軟化剤》
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルがより好ましい。
本実施形態の組成物が軟化剤を含有する場合、軟化剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは2〜100質量部、より好ましくは5〜100質量部である。
《無機充填剤》
無機充填剤としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーが挙げられる。これらの中でも、重質炭酸カルシウムが好ましい。
本実施形態の組成物が無機充填剤を含有する場合、無機充填剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは2〜50質量部、より好ましくは5〜50質量部である。
《補強剤》
補強剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微分ケイ酸が挙げられ、ただし、前述したカーボンブラック(B)を除く。
本実施形態の組成物が補強剤を含有する場合、補強剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは5〜30質量部である。
《老化防止剤(安定剤)》
本実施形態の組成物は、老化防止剤(安定剤)を含有することにより、当該組成物から形成される架橋成形体の寿命を長くすることができる。老化防止剤としては、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤が挙げられる。
アミン系老化防止剤としては、例えば、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤が挙げられる。フェノール系老化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が挙げられる。イオウ系老化防止剤としては、例えば、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートが挙げられる。
本実施形態の組成物が老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.3〜10質量部、より好ましくは0.5〜7.0質量部である。
《加工助剤》
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。加工助剤としては、例えば、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エステル類が挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸が好ましい。
本実施形態の組成物が加工助剤を含有する場合、加工助剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下である。
《活性剤》
活性剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物が挙げられる。
本実施形態の組成物が活性剤を含有する場合、活性剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部である。
《吸湿剤》
吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンが挙げられる。
本実施形態の組成物が吸湿剤を含有する場合、吸湿剤の含有量は、共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、ゴム等)の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1.0〜12質量部である。
《他のポリマー》
本実施形態の組成物は、共重合体(A)以外の他のポリマーをさらに含有することができる。架橋が必要な他のポリマーとしては、例えば、共重合体(A)以外のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムが挙げられる。架橋が不要な他のポリマーとしては、例えば、スチレンとブタジエンとのブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩ビ系エラストマー(TPVC)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、その他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等のエラストマーが挙げられる。
本実施形態の組成物が他のポリマーを含有する場合、他のポリマーの含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
<組成物の調製>
本実施形態の組成物は、上述した各成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。
本実施形態の組成物は、例えば以下のように調製される。共重合体(A)と、カーボンブラック(B)と、短繊維(C)と、所定のその他の成分とを、混練機に投入して所定の加熱条件(例えば80〜200℃で3〜30分間)で混練して均一化する(A練り)。なお、A練りでは、A練りの加熱温度まで加熱すると共重合体(A)を架橋させる、架橋剤等は投入されない。A練りで混練された混合物の温度を、次いで、過酸化物系架橋剤(D)の架橋温度未満(例えば、130℃以下)まで下げた後、A練りで添加されなかった過酸化物系架橋剤(D)および架橋助剤(E)等を上記混合物に添加し、所定の加熱条件(例えばロール温度30〜80℃で1〜30分間)でさらに混練して均一化し(B練り)、本実施形態の組成物を得ることができる。
本実施形態の組成物は、架橋剤を配合する前の組成(A練り)において、100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が、通常は10〜250、好ましくは10〜100、より好ましくは10〜70である。ムーニー粘度が上記範囲にある組成物は、良好な後処理品質を示すと共に優れたゴム物性を有する。
[架橋成形体、伝動ベルト]
本実施形態の組成物から、架橋成形体を得ることができる。本実施形態の組成物は、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、カレンダー成形、トランスファー成形、発泡成形等の熱成形方法によって成形できる。本実施形態において、上記組成物の架橋温度は、通常は140℃以上、好ましくは150〜220℃、より好ましくは160〜200℃である。また、この架橋反応は、空気中で行うことができる。
本実施形態では、上記架橋成形体は、伝動ベルトの構成部材として好適に用いることができる。例えば、本実施形態の組成物は、成形加工性に適した高い粘着力を有しており、ベルト加工性に優れている。また、本実施形態の組成物を用いることにより、高ゴム弾性、耐摩耗性、耐熱性、耐寒性および軽量性に優れた、伝動ベルトの構成部材を製造することができる。
本発明の伝動ベルトの一実施形態(以下「本実施形態の伝動ベルト」ともいう)は、本実施形態の組成物から形成された架橋成形体を有する。
本実施形態の伝動ベルトとしては、例えば、Vベルト、Vリブドベルト等の摩擦伝動ベルト;タイミングベルト等のかみ合い伝動ベルトが挙げられる。伝動ベルトは、例えば、自動車用伝動ベルト、自動二輪用伝動ベルト、一般産業機械用伝動ベルトである。Vベルトとしては、例えば、ラップドベルト、ローエッジベルトが挙げられる。
伝動ベルトの一実施形態は、例えば、心線が埋設された接着ゴム部を有しており、さらに、上記接着ゴム部の下面に形成された底ゴム部を有することができる。上記伝動ベルトは、必要に応じて、接着ゴム部上に形成された上部帆布、および/または底ゴム部下に形成された下部帆布を有することができる。本実施形態の組成物は、例えば、接着ゴム部および/または底ゴム部を形成するために好適に用いられる。具体的には、接着ゴム部および/または底ゴム部として、本実施形態の組成物から形成された架橋成形部が好適に用いられる。
伝動ベルトの抗張部材である心線は、接着ゴム部において、ベルトの長手方向に延在する。心線としては、例えば、ポリエステル系コードが挙げられる。接着ゴム部は、心線を取り囲み、かつ心線に接着されている。一実施形態では、例えば、本実施形態の組成物を心線周りに配置して架橋することにより、心線に接着された接着ゴム部を形成することができる。帆布としては、例えば、綿、綿とポリエステルとの混紡からなるもの、綿とポリアミドとの混紡からなるものが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特に言及しない限り「部」は「質量部」を表す。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の組成>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、各構造単位の質量分率(質量%)は、13C−NMRによる測定値により求めた。測定値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13C−NMRのスペクトルを測定して得た。
<ヨウ素価>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のヨウ素価は、滴定法により求めた。具体的には、以下の方法で測定した。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体0.5gを四塩化炭素60mlに溶解し、少量のウィス試薬および20%ヨウ化カリウム溶液を加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で適定した。終点付近では澱粉指示薬を加え、よく攪拌しながら薄紫色が消えるところまで適定し、試料100gに対する消費されるハロゲンの量としてヨウ素のg数を算出した。
<極限粘度>
極限粘度[η]は、(株)離合社製 全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)>
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値である。測定装置および条件は、以下のとおりである。また、分子量は、市販の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、換算法に基づいて算出した。
装置:ゲル透過クロマトグラフ Alliance GP2000型
(Waters社製)、
解析装置:Empower2(Waters社製)、
カラム:TSKgel GMH6−HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、
カラム温度:140℃、
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)、
検出器:示差屈折計(RI)、
流速:1.0mL/min、
注入量:400μL、
サンプリング時間間隔:1s、
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)、
分子量換算:旧法EPR換算/粘度を考慮した較正法。
<ピーク面積>
上記GPC測定によって得られたチャートが2つ以上のピークを示した場合は、全体のピーク面積に対する、最も分子量が小さい側に現れたピークの面積の割合(%)を算出した。
<複素粘度η *
レオメーターとして、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%の条件で、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)および周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(いずれも単位はPa・sec)を測定した。また、得られた結果よりη* (ω=0.1)とη* (ω=100)との複素粘度の比(η*比)であるP値(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))を算出した。
<1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB 1000c )>
上述した方法で測定した。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造例を以下に示す。
[製造例1]
図1に示す連続重合装置を用いて、以下のようにしてエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)共重合体(A−1)の製造を行った。
容積300リットルの重合反応器Cに、管6より脱水精製したヘキサン溶媒を58.3L/hr、管7よりトリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4.5mmol/hr、(C65)3CB(C65)4を0.150mmol/hr、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.030mmol/hrで連続的に供給した。同時に重合反応器C内に、エチレンを6.6kg/hr、プロピレンを9.3kg/hr、水素を18リットル/hr、VNBを340g/hrで、各々管2、3、4、5より連続供給し、重合温度87℃、全圧1.6MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で共重合を行なった。
重合反応器Cで生成したエチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、管8を介して流量88.0リットル/hrで連続的に排出して温度170℃に昇温(圧力は4.1MPaGに上昇)して相分離器Dに供給した。このとき、管8には重合禁止剤であるエタノールを、重合反応器Cから抜き出した液体成分中のTiBAに対して0.1mol倍の量で連続的に導入した。
相分離器Dにおいて、エチレン・プロピレン・VNB共重合体の溶液を、大部分のエチレン・プロピレン・VNB共重合体を含む濃厚相(下相部)と少量のポリマーを含む希薄相(上相部)とに分離した。
分離された濃厚相を85.4リットル/hrで、管11を介して熱交換器Kに導き、さらにホッパーE内に導いて、ここで溶媒を蒸発分離し、エチレン・プロピレン・VNB共重合体を7.8kg/hrの量で得た。
得られたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A−1)の物性を上記の通り評価した。結果を表1に示す。なお、得られた共重合体(A−1)の分子量分布は二峰性を示し、GPC測定によって得られるチャートが2つ以上のピークを示し、最も分子量が小さい側に現れるピークの面積が、全体のピーク面積の5%であった。
[製造例2]
得られる共重合体の分子量を水素のフィード量でコントロールしたこと以外は製造例1に準じて、エチレン・プロピレン・VNB共重合体(A−2)を製造した。結果を表1に示す。
Figure 2021042316
[実施例1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、57.5部の共重合体(A−1)および50部の共重合体(A−2)に対して、架橋助剤としてZnO#1を5部、加工助剤としてステアリン酸を1部、老化防止剤としてイルガノックス1010を1部、老化防止剤としてサンダントMBを2部、カーボンブラックとしてAsahi#70を50部、軟化剤としてPW−380を7.5部、短繊維としてケブラー Dip Cut Fiber 3.5mmを5部の配合量で配合した後混練し、配合物1を得た。
配合物1調製時の混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は144℃であった。
配合物1のムーニー粘度ML(1+4)100℃を、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、架橋剤としてDCP−40C(ジクミルパーオキサイド40質量%)を6.3部の配合量で、サンエステルEGを2部の配合量で添加して混練し、配合物2を得た。
配合物2調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
配合物2に対して、プレス成形機を用いて170℃で15分間プレス処理を行って、厚さ2mmまたは1mmの架橋シートを作製した。得られた架橋シートについて、後述する硬度試験、引張試験、耐熱老化性試験およびDIN摩擦試験を行った。
[比較例1]
実施例1で用いたエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A−1)および(A−2)にかえて市販のクロロプレンゴム(DCR−40)を用い、且つ、各配合剤の種類、量を表3に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして、配合物および架橋シートを得た。
実施例および比較例で用いた材料を以下の表2に示す。
Figure 2021042316
[比重]
配合物1(A練り)を1g切り取り、試験片を作製した。試験片を25℃雰囲気下で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)に取り付け、空気中および純水中の質量の差から比重測定を行った。
[硬度試験(Duro−A)]
厚さ2mmの上記架橋シートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(Duro−A)を測定した。
[引張試験:モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び]
厚さ2mmの上記架橋シートを打抜いてJIS K6251(1993)に記載されている3号形ダンベル試験片を作製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25))、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
[耐熱性試験(耐熱老化性試験)]
厚さ2mmの上記架橋シートを、JIS K6257に従い、180℃で70時間保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、TBおよびEBを、上記硬度試験および引張試験の項目と同様の方法で測定した。
熱老化試験前後の硬度の差より、AH(Duro−A)を求め、熱老化試験前後のTBおよびEBから、熱老化試験前の値に対する試験後の変化率をそれぞれ、Ac(TB)、Ac(EB)として求めた。
[DIN摩擦試験(DIN摩耗量)]
厚さ2mmの上記架橋シートをJIS−K6264−2:2005に準拠して、直径16.0±0.2mm、厚さ6mm以上の円盤状の試験片を作製した。この試験片について、DIN摩耗試験機を用いて、直径150.0±0.2mm、長さ500mmのドラムを40回/分で回転させ、荷重1kgfで、摩耗距離を40.0±0.2mとしたときの摩耗量(DIN摩耗量:単位mm3)を測定した。
[粘弾性測定]
厚さ1mmの上記架橋シートを抜き刃を用いて幅1cmの試験片を作成し、RSA粘弾性測定システム(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、常温、周波数10Hz、歪み2%の条件でtanδを測定した。
tanδの値が低いということは、エネルギーロスが少ないということであり、伝動ベルトにおける動力の伝動率アップにつながると考えられる。
Figure 2021042316
2〜13 管
C 重合反応器
D 相分離器
E ホッパー
F ポンプ
G 熱交換器
H 熱交換器
I 熱交換器
J 熱交換器
K 熱交換器

Claims (7)

  1. エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位と、下記式(I)および(II)からなる群より選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位とを有し、かつ、下記(i)〜(vi)の要件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
    カーボンブラック(B)と、
    短繊維(C)と、
    過酸化物系架橋剤(D)と、
    2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(E)と
    を含有する伝動ベルト用組成物。
    (i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60〜99.9/0.1である;
    (ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率が、共重合体(A)100質量%中、0.07質量%〜10質量%である;
    (iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
    4.5≦Mw×(a3)の質量分率/100/(a3)の分子量≦40 …(1)
    (iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の質量分率((a3)の質量分率(質量%))とが、下記式(2)を満たす;
    P/([η]2.9)≦(a3)の質量分率×6 …(2)
    (v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(分子量分布;Mw/Mn)が4〜30の範囲にある;
    (vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である;
    Figure 2021042316
  2. 前記非共役ポリエン(a3)が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を含む、請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
  3. 前記炭素数3〜20のα−オレフィン(a2)がプロピレンである、請求項1または2に記載の伝動ベルト用組成物。
  4. 前記短繊維(C)がアラミド短繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝動ベルト用組成物。
  5. 前記共重合体(A)100質量部に対して、
    前記カーボンブラック(B)の含有量が0.1〜200質量部であり、
    前記短繊維(C)の含有量が0.1〜100質量部である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝動ベルト用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の伝動ベルト用組成物から形成された架橋成形体。
  7. 請求項6に記載の架橋成形体を有する伝動ベルト。
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JP2007009966A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Mitsuboshi Belting Ltd 伝動ベルト
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