JP7198098B2 - エチレン系共重合体組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
本発明のエチレン系共重合体組成物〔以下、「共重合体組成物」と呼称する場合がある。〕の成分の一つであるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)〔以下、「共重合体(A)」と略称する場合がある。〕は、エチレン(a1)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)とに由来する構成単位を有する。
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、α-オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率が、共重合体(A)100重量%中、0.07重量%~10重量%である。
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が8~30の範囲にある。
(vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である。
(vii)GPC測定によって得られるチャートが2つ以上のピークを示し、最も分子量が小さい側に現れるピークの面積が、全体のピーク面積の1~20%の範囲である。
要件(i)は、上記共重合体(A)中のエチレン(a1)/α-オレフィン(a2)のモル比が40/60~99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は、好ましくは50/50~90/10、より好ましくは55/45~85/15、さらに好ましくは55/45~78/22である。
要件(ii)は、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率が、上記共重合体(A)100重量%中(すなわち全構成単位の重量分率の合計100重量%中)、0.07重量%~10重量%の範囲であることを特定するものである。この非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率は、好ましくは0.1重量%~8.0重量%、より好ましくは0.5重量%~5.0重量%である。
要件(iii)は、上記共重合体(A)において、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、共重合体(A)中における非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率:重量%)と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、上記式(1)を満たすことを特定するものである。要件(iii)の上記式(1)は、下記式(1')であることが好ましい。
上記共重合体(A)が、要件(iii)を満たすことにより、非共役ポリエン(a3)に由来する構造単位の含有量が適切であり、十分な架橋性能を示し、架橋速度に優れるとともに、優れた機械特性を示す防振ゴムを製造することができる。なお、共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
要件(iv)は、上記共重合体(A)の、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られる、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、上記非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率:重量%)とが、上記式(2)を満たすことを特定するものである。要件(iv)の上記式(2)は、下記式(2')であることが好ましい。
ここで、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))は、粘度の周波数依存性を表すものであって、式(2)の左辺にあたるP/([η]2.9)は、短鎖分岐や分子量などの影響はあるものの、長鎖分岐が多い場合に高い値を示す傾向がある。
要件(v)は、上記共重合体(A)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が8~30の範囲にあることを特定するものである。この分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは9~28、より好ましくは10~26の範囲である。
なお、上記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値として求めることができる。
要件(vi)は、上記共重合体(A)の前記数平均分子量(Mn)が30,000以下であることを特定するものである。前記数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000~26,000、より好ましくは6,000~23,000の範囲である。
上記共重合体(A)が、要件(vi)を満たす場合、低分子量成分を適切な量で含有するため、加工性が良好となる。
要件(vii)は、上記共重合体(A)のGPC測定によって得られるチャートが2つ以上のピークを示し、最も分子量が小さい側に現れるピークの面積が、全体のピーク面積の20%以下であることを特定するものである。全体のピーク面積に対して、前記の最も分子量が小さい側に現れるピークの面積は、好ましくは2~18%、より好ましくは3~16%である。
上記共重合体(A)は、3D-GPCを用いて得られた1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(3')を満たすことがより好ましい。
LCB1000C≦1-0.07×Ln(Mw) …(3)
LCB1000C≦1-0.071×Ln(Mw) …(3')
上記式(3)又は(3')により、上記共重合体(A)の単位炭素数当たりの長鎖分岐含量の上限値が特定される。
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
2角度光散乱光度計PD2040型(Precison Detectors社製)
ブリッジ型粘度計PL-BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本
(いずれも1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4-トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:ca 1.5mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
粘度計より得られた極限粘度と光散乱光度計より得られた絶対分子量の関係より溶出成分毎の長鎖分岐パラメーターg'iを下記式(v-1)から算出した。
また、上記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000~600,000、より好ましくは30,000~500,000、さらに好ましくは50,000~400,000である。
上記共重合体(A)では、上述したように、非共役ポリエン(a3)がVNBを含むことが好ましく、VNBであることがより好ましい。すなわち、上述した式(1)、式(2)および後述する式(4)等において、「(a3)の重量分率」が「VNBの重量分率」(重量%)であることが好ましい。
上記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a4)に由来する構成単位の重量分率((a4)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)と、非共役ポリエン(a4)の分子量((a4)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。
式(4)では、共重合体1分子中の非共役ポリエン((a3)と(a4)の合計)の含量を特定している。
要件(ix)を満たさず、式(4)中の「Mw×{((a3)の重量分率/100/(a3)の分子量)+((a4)の重量分率/100/(a4)の分子量)}」の値が低すぎると、すなわち非共役ポリエンの含量が少なすぎると、十分な架橋がなされず適切な機械物性が得られないことがあり、該値が高すぎると、すなわち非共役ポリエンの含量が多すぎると、架橋が過剰となり機械物性が悪化することがあり、さらに耐熱老化性が悪化することもある。
上記共重合体(A)は、特に限定されるものではないが、レオメーターを用いた線形粘弾性測定(190℃)により得られる、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)(Pa・sec)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)(Pa・sec)と、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価とが、下記式(5)を満たすことが好ましい。
ここで、複素粘度η* (ω=0.01)および複素粘度η* (ω=10)は、要件(iv)における複素粘度η* (ω=0.1)および複素粘度η* (ω=100)と測定周波数以外は同様にして求められる。また、非共役ポリエン(a3)に由来する見かけのヨウ素価は、次式により求められる。
上記式(5)において、左辺は長鎖分岐量の指標となる剪断速度依存性を表し、右辺は重合時に長鎖分岐として消費されていない非共役ポリエン(a3)の含有量の指標を表す。上記共重合体(A)が上記式(5)を満たすと、長鎖分岐の程度が高すぎないため好ましい。一方、上記式(5)を満たさない場合、共重合した非共役ポリエン(a3)のうち、長鎖分岐の形成に消費された割合が多いこと分かる。
また、上記共重合体(A)は、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の数(na3)が、好ましくは6個以上、より好ましくは6個以上40個以下、さらに好ましくは7個以上39個以下、特に好ましくは10個以上38個以下である。
(na4)=(Mw)×{(a4)の重量分率/100}/非共役ポリエン(a4)の分子量
上記共重合体(A)において、重量平均分子量(Mw)あたりの、非共役ポリエン(a3)および(a4)に由来するそれぞれの構成単位の数(na3)および(na4)が、いずれも上記の範囲を満たす場合、共重合体(A)は、長鎖分岐含有量が少なく、かつ、過酸化物を用いて架橋を行う場合の硬化特性に優れ、成形性がよく、機械的特性などの物性バランスに優れるとともに、後架橋を生じにくく特に耐熱老化性に優れたものとなるため好ましい。
上記共重合体(A)は、エチレン(a1)と、α-オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)と、必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合してなる共重合体である。
上記共重合体(A)は、好ましくは、下記一般式[A1]で表される化合物から選ばれる少なくとも1種のメタロセン化合物を含有する重合触媒系の存在下に、モノマーを共重合して得られたものであることが望ましい。モノマーの共重合を、このようなメタロセン化合物を含む重合触媒系を用いて行うと、得られる共重合体中に含有される長鎖分岐が抑制され、上記要件を満たす共重合体(A)を容易に調製することができる。
M1はジルコニウム原子を示す。
Y1は炭素原子またはケイ素原子を示す。
炭化水素基としては、炭素数1~10の炭化水素基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1、1-ジエチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1,1,2,2-テトラメチルプロピル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,1,3-トリメチルブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、ベンジル基である。
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~5のアルキル基であり、隣接した置換基と互いに結合して環を形成していてもよい。前記アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、アミル基、n-ペンチル基を例示できる。また、式[V-I]中、RxおよびRyはそれぞれ独立に炭素数1~3の不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、RxがRaまたはRcが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RyがReまたはRgが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RxおよびRyがともに炭素数1または2の飽和あるいは不飽和の炭化水素基であることが好ましい。
Y1がケイ素原子で、R6とR11とが共にt-ブチル基であり、R5、R7、R8、R9、R10、R12がt-ブチル基でない場合は、R13とR14はベンジル基、ケイ素置換フェニル基以外の基から選ばれ;
Y1が炭素原子で、R5からR12が全て水素原子である場合は、R13、R14はメチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、イソブチル基、フェニル基、p-t-ブチルフェニル基、p-n-ブチルフェニル基、ケイ素置換フェニル基、4-ビフェニル基、p-トリル基、ナフチル基、ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キシリル基以外の基から選ばれ;
Y1が炭素原子で、R6およびR11がt―ブチル基、メチル基あるいはフェニル基から選ばれる共通の基であり、R5、R7、R8、R9、R10およびR12と異なる基または原子である場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基、p-t-ブチルフェニル基、p-n-ブチルフェニル基、ケイ素置換フェニル基、ベンジル基以外の基から選ばれ;
Y1が炭素原子で、R6がジメチルアミノ基、メトキシ基またはメチル基であり、R5、R7、R8、R9、R10、R11およびR12が、R6と異なる基または原子である場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基以外の基から選ばれ;
Y1が炭素原子で、フルオレニル基及びR5~R12で構成される部位が、b,h-ジベンゾフルオレニルあるいはa,i-ジベンゾフルオレニルである場合は、R13、R14はメチル基、フェニル基以外の基から選ばれることが好ましい。
上記一般式[A1]で表されるメタロセン化合物の具体例としては、
Yがケイ素原子の場合では、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(b,h-ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(b,h-ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(ヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリル)シリレン(シクロペンタジエニル)(b,h-ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
ロリド等が挙げられる。
上記共重合体(A)の製造に好適に用いることのできる重合触媒としては、前述のメタロセン化合物[A1]を含み、モノマーを共重合できるものが挙げられる。
前記化合物(b)は、(b-1)有機金属化合物、(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物および(b-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、好ましくは、少なくとも前記有機金属化合物(b-1)を含む。
前記有機金属化合物(b-1)としては、例えば下記一般式[VII]~[IX]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(式[VII]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
(式[VIII]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
このような化合物として、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などを例示することができる。
(式[IX]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
前記有機アルミニウムオキシ化合物(b-2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
一般式:R1-B(OH)2 …[XI]
(式[XI]中、R1は前記一般式[X]におけるR1と同じ基を示す。)
で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、-80℃~室温の温度で1分~24時間反応させることにより製造できる。
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(b-2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
前記イオン化イオン性化合物(b-3)としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(b-3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式[XII]で表される化合物が挙げられる。
N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン;
ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
本発明で、必要に応じて用いられる(c)粒子状担体は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
有機化合物としては、粒径が10~300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2~14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明において、前記有機化合物成分(d)は、必要に応じて重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
上記共重合体(A)は、エチレン(a1)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)と、必要に応じて非共役ポリエン(a4)とからなるモノマーを共重合して製造することができる。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
上記のような重合触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、メタロセン化合物(a)は、反応容積1リットル当り、通常10-12~10-2モル、好ましくは10-10~10-8モルになるような量で用いられる。
前記触媒失活剤としては、アルコール類を用いることができ、メタノールまたはエタノールが好ましく、エタノールが特に好ましい。
本発明のエチレン系共重合体組成物の成分の一つである疎水性シリカは、オクチルトリメトキシランの加水分解物で表面処理されたものである。このような疎水性シリカ(B)を用いることにより、得られる成形体は圧縮永久歪みが低く、動倍率が改善される。
本発明に係わる疎水性シリカ(B)の市販品としては、例えば、キャボット社製のCAB-O-SILTM TS-382(商品名)が挙げられる。
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体100質量部に対して、上記疎水性シリカ(B)を1~100質量部、好ましくは5~60質量部、より好ましくは10~50質量部の範囲である。
疎水性シリカ(B)の含有量が前記範囲内であることにより、圧縮永久歪みが低く、動倍率が改良された成形体が得られうる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、上述した成分(A)、(B)以外にも、本発明の目的が損なわれない限り、それ自体公知のゴム配合剤、例えば、酸化亜鉛、有機過酸化物、α,β-不飽和有機酸の金属塩、カーボンブラック、軟化剤、老化防止剤、架橋助剤、架橋促進剤、充填剤、加工助剤、活性剤、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
本発明で用いることができる酸化亜鉛としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、複合亜鉛華、表面処理した亜鉛華、複合活性化亜鉛華等の名称で市販されているものが挙げられる。これらの中では、高い活性化効果を示すことから、活性亜鉛華が好ましい。
本発明のエチレン系共重合体組成物が、架橋剤として有機過酸化物を含有する場合、有機過酸化物としては、ゴムの架橋の際に通常使用されている従来公知の有機過酸化物を使用することができる。
ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチルペルオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒドロペルオキシド等のアルキルペルオキシド類;
t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシイソブチレート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシマレイン酸、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルペルオキシフタレート等のペルオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンペルオキシド等のケトンペルオキシド類などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、1分半減期温度が130~200℃である有機過酸化物が好ましく、たとえばジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシドおよびt-ブチルヒドロペルオキシドなどが好ましい。
本発明のエチレン系共重合体組成物が、α,β-不飽和有機酸の金属塩を含有すると、組成物の耐動的疲労性と耐摩耗性とをバランスよく向上させることができる。
本発明のエチレン系共重合体組成物が、特定量のカーボンブラックを含有すると、組成物の加工性を向上させ、しかも引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的性質が向上したエチレン系共重合体組成物を得ることができる。
軟化剤としては、一般的なゴム組成物に用いられる公知の軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ(ファクチス);蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及び脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などが挙げられる。なかでも石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルがより好ましく、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル等がさらに好ましく、パラフィン系プロセスオイルが特に好ましい。これらの軟化剤は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
老化防止剤としては、一般的なゴム組成物に用いられる公知の老化防止剤を用いることができる。具体的には、イオウ系老化防止剤、フェノール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤などが挙げられる。
本発明において、イオウ系老化防止剤は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.2~10質量部、より好ましくは0.2~8質量部、特に好ましくは0.2~6質量部の範囲で用いることができる。前記範囲でイオウ系老化防止剤を用いると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、本発明のエチレン系共重合体組成物の架橋を阻害することもないため好ましい。
架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して好ましくは0.5~2モル、より好ましくは約等モルの量で用いられる。
充填剤としては、例えば、シリカ、微粉ケイ酸、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。これらの充填剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような充填剤は、共重合体(A)100質量部に対し、好ましくは1~500質量部、より好ましくは1~400質量部、さらに好ましくは1~300質量部の範囲で用いられる。充填剤の配合量が前記範囲内であると、得られる成形体の引張強度、引裂強度、耐摩耗性等の機械的性質を向上させることができる。
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛またはエステル類等が挙げられる。これらの加工助剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。加工助剤は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下の量で適宜配合することができる。加工助剤の配合量が前記範囲内であると、混練加工性、押出加工性、射出成形性等の加工性に優れる。
活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;ジ-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類などが挙げられる。これらの活性剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。活性剤は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.2~15質量部、好ましくは0.3~10質量部、さらに好ましくは0.5~8質量部の範囲で適宜配合することができる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、上述した各成分を、公知の方法により逐次または同時に配合することにより調製することができる。
本発明の成形体は、本発明のエチレン系共重合体組成物の架橋体からなる。また、本発明の成形体の製造方法は、本発明のエチレン系共重合体組成物を架橋する工程を含む。
本発明の成形体は、自動車部品用成形体、より具体的にはエンジンマウントに好適に用いることができる。
なお、以下の実施例および比較例における各物性の評価方法は次の通りである。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の、各構成単位の重量分率(重量%)は、13C-NMRによる測定値により求めた。測定値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13C-NMRのスペクトルを測定して得た。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。具体的には、以下の方法で測定した。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム0.5gを四塩化炭素60mlに溶解し、少量のウィス試薬および20%ヨウ化カリウム溶液を加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で適定した。終点付近では澱粉指示薬を加え、よく攪拌しながら薄紫色が消えるところまで適定し、試料100gに対する消費されるハロゲンの量としてヨウ素のg数を算出した。
極限粘度[η]は、(株)離合社製 全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値である。測定装置および条件は、以下のとおりである。また、分子量は、市販の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、換算法に基づいて算出した。
装置:ゲル透過クロマトグラフ Alliance GP2000型(Waters社製)、
解析装置:Empower2(Waters社製)、
カラム:TSKgel GMH6-HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2(7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、
カラム温度:140℃、
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)、
検出器:示差屈折計(RI)、流速:1.0mL/min、
注入量:400μL、
サンプリング時間間隔:1s、
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)、
分子量換算:旧法EPR換算/粘度を考慮した較正法。
上記のGPC測定によって得られたチャートが2つ以上のピークを示した場合、全体のピーク面積に対する、最も分子量が小さい側に現れたピークの面積の割合(%)を、分子量が2000以下である低分子量成分の含有量とした。なお、GPC測定によって得られたチャートが1つのピークしか示さなかった場合、低分子量成分の含有量を0%とした。
レオメーターとして、粘弾性測定装置Ares(Rheometric Scientific社製)を用い、190℃、歪み1.0%の条件で、周波数ω=0.01rad/sでの複素粘度η* (ω=0.01)、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η* (ω=10)および周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(いずれも単位はPa・sec)を測定した。また、得られた結果よりη* (ω=0.1)とη* (ω=100)との複素粘度の比(η*比)であるP値(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))を算出した。
《1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000c)》
上述した方法で測定した。
《ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)
125℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃の条件下で測定した。
《硬さ試験(デュロ-A硬度)》
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmの架橋シート6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
実施例および比較例で得た架橋シートを打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6251に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、25%モジュラス(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300%モジュラス(M300)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
架橋密度νは下記の平衡膨潤を利用したFlory-Rehnerの式(a)から算出した。式(a)中のVRは架橋した2mmシート(架橋ゴム)を37℃×72時間の条件でトルエン抽出して求めた。
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を、170℃で15分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、160℃×70時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
動特性測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を、170℃で15分間加硫して得た。まず、静的ばね試験機(インストロン社製「デュアルコラム卓上型万能試験システム 5969」、ロードセル 50kN)を用い、試験温度23℃、試験速度5mm/mim、圧縮歪み量3mmの条件で、静的ばね定数(Ks)(N/mm)の測定を行った。続いて、静的ばね試験で使用した試験片を用い、動的ばね試験機(島津製作所製「サーボパルサー EHF-EM020K1-020-1A」、ロードセル 1kN)を用い、試験温度23℃、平均たわみ1.25mm下で、15Hz(たわみ振幅±0.5mm)、100Hz(たわみ振幅±0.05mm)における動的ばね定数(Kd)(N/mm)およびtanδの測定を行った。さらに、求めた静ばね定数(N/mm)および動ばね定数(N/mm)から動倍率(Kd/Ks)を算出した。
図1に示す連続重合装置を用いて、以下のようにしてエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A-1)の製造を行った。
容積300リットルの重合反応器Cに、管6より脱水精製したヘキサン溶媒を58.3L/hr、管7よりトリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4.5mmol/hr、(C6H5)3CB(C6F5)4を0.150mmol/hr、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.030mmol/hrで連続的に供給した。同時に重合反応器C内に、エチレンを6.6kg/hr、プロピレンを9.3kg/hr、水素を18リットル/hr、VNBを340g/hrで、各々管2、3、4、5より連続供給し、重合温度87℃、全圧1.6MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で共重合を行なった。
第一段階として、BB-4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、製造例1で得たエチレン・プロピレン・VNB共重合体(A-1)100質量部を1分間素練りし、次いでこれに、オクチルトリメトキシランの加水分解物で表面処理された疎水性シリカ(キャボット社製のCAB-O-SILTM TS-382)30質量部、活性亜鉛華(META-Z 102、井上石灰工業(株)製)5質量部、カーボンブラック(シーストG-SO、東海カーボン(株)社製)5質量部、パラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW-380、出光興産(株)製)50質量部およびステアリン酸1質量部を加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物を得た。
結果を表2に示す。
実施例1で用いた疎水性シリカ(キャボット社製のCAB-O-SILTM TS-382)に替えて、親水性シリカ(日本アエロジル社製 商品名 アエロジル200)を用い、その量を表2に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして、未架橋のエチレン系共重合体組成物、未架橋シート、および架橋シートを得て、評価を行った。
結果を表2に示す。
D 相分離器
E ホッパー
F ポンプ
G 熱交換器
H 熱交換器
I 熱交換器
J 熱交換器
K 熱交換器
Claims (9)
- 下記(i)~(vii)の条件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、当該エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部に対して、オクチルトリメトキシランの加水分解物で表面処理された疎水性シリカ(B)を1~100質量部の範囲で含むことを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
(i)エチレン(a1)に由来する構造単位と、α-オレフィン(a2)に由来する構造単位とのモル比[(a1)/(a2)]が、40/60~99.9/0.1である;
(ii)非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率が、共重合体(A)100重量%中、0.07重量%~10重量%である;
(iii)共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(a3)の分子量((a3)の分子量)とが、下記式(1)を満たす;
4.5≦Mw×(a3)の重量分率/100/(a3)の分子量≦40…(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η* (ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η* (ω=100)(Pa・sec)との比P(η* (ω=0.1)/η* (ω=100))と、極限粘度[η]と、非共役ポリエン(a3)に由来する構成単位の重量分率((a3)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす;
P/([η]2.9)≦(a3)の重量分率×6…(2)
(v)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が8~30の範囲にある;
(vi)前記数平均分子量(Mn)が30,000以下である;
(vii)GPC測定によって得られるチャートが2つ以上のピークを示し、最も分子量が小さい側に現れるピークの面積が、全体のピーク面積の1~20%の範囲である。 - 前記非共役ポリエン(a3)が5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエチレン系共重合体組成物。
- 前記α-オレフィン(a2)がプロピレンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のエチレン系共重合体組成物。
- さらに酸化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のエチレン系共重合体組成物。
- 前記酸化亜鉛が活性亜鉛華であることを特徴とする請求項5に記載のエチレン系共重合体組成物。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載のエチレン系共重合体組成物の架橋体からなる成形体。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載のエチレン系共重合体組成物の架橋体を含む自動車部品用成形体。
- 前記自動車部品用成形体がエンジンマウントであることを特徴とする請求項8に記載の自動車部品用成形体。
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