JP2007284482A - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性とゴム特性を高次元でバランスさせることができるシリカ配合のゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム成分100重量部に対し、シリカを20〜120重量部を含有してなるゴム組成物において、必須成分として、(A)〜(C)成分を含有する。(A):一般式(1)で表される有機シラン化合物。R (RO)Si ・・・(1)(式(1)中、m、nは整数で、m+n=4である。Rは炭素数5〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)、(B):高級脂肪酸金属塩、(C):シランカップリング剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、より詳しくは、シリカ配合のゴム組成物であって、加工性を改善するとともに、シリカの分散性を向上し転がり抵抗性などのゴム特性を改良したゴム組成物に関する。
例えば、空気入りタイヤのトレッドに用いられるゴム組成物は、低燃費性の市場ニーズから転がり抵抗性の低減要求が強く、また安全性の面からの湿潤路面での制動性能や操縦安定性(ウェット性能)の向上が求められ、さらに耐久性、経済性の点で優れた耐摩耗性が求められている。
このようなゴム組成物は、上記転がり抵抗特性とウェット性能とのバランスが得られやすいシリカを補強剤に配合したゴム組成物が、カーボンブラックを補強剤とするゴム組成物に代えて使用されるようになっている。
ところが、シリカは、親水性を有し、表面が極性の高いシラノール基に覆われているため強い自己凝集性を持ち、ゴム組成物の粘度を上昇させたり、ゴム中への分散が容易でなく分散不良を起こし、後工程での加工性やゴム特性を低下させるという欠点がある。
そこで、シランカップリング剤を添加することにより、シリカとポリマーとの親和性を高めてシリカの分散性を向上することが行われているが、それでもシリカ配合は粘度が高くゴムの混練時間を長くしたり混合ステップ数を多くし、またその後の押出工程などでも厳重な工程管理を必要として加工費用の増大につながるものとなっている。これらシランカップリング剤の改良も多数提案されているが、その効果は十分満足できるとは言えない(例えば、特許文献1、2)。
このため、シリカ配合に素練促進剤や軟化剤、脂肪酸金属塩などの加工助剤を添加することが一般に行われており、脂肪酸金属塩として脂肪酸亜鉛や脂肪酸カリウムなどを使用することが提案されている(特許文献3)。
しかしながら、加工助剤の使用は、粘度低減の効果は大きく加工性には優れるものの、ゴム硬度やモジュラスの低下を招くという欠点があり、製品の性能に大きく影響するものとなって上記のタイヤ性能を十分に引き出せないという問題があり、加工性とゴム特性との両立が不十分となる。
特開2000−336209号公報 特開2005−2065号公報 特開2001−233997号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、シリカ配合の粘度を適正にして加工性を改善し、かつシリカ分散性を優れたものとして転がり抵抗性や耐摩耗性などを向上することができる、加工性とゴム特性を高次元でバランスさせることができるシリカ配合のゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、シリカとシランカップリング剤及び加工助剤を含む配合において、加工助剤として高級脂肪酸金属塩を含み、かつシリカとポリマーとの反応を促進し得る特定の有機シラン化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかるゴム配合組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、シリカを20〜120重量部を含有してなるゴム組成物において、必須成分として下記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とするゴム組成物である。
(A):一般式(1)で表される有機シラン化合物。
(RO)Si ・・・(1)
(式(1)中、m、nは整数で、m+n=4である。Rは炭素数5〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
(B):高級脂肪酸金属塩。
(C):シランカップリング剤。
本発明のゴム組成物においては、前記ゴム成分100重量部に対し、前記(A)成分を0.5〜10重量部、前記(B)成分0.2〜6重量部、及び前記(C)成分を前記シリカ重量に対して2〜20重量%含んでなることが好ましい。
また、前記(C)成分が分子内にスルフィド結合を有する化合物からなるシランカップリング剤であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物によれば、高級脂肪酸金属塩がシリカ配合の粘度低下に作用し加工性を改善するとともに、長鎖構造を有する有機シラン化合物がシランカップリング剤との併用によりシリカの分散性を向上することで、その相乗効果によりシリカ配合の加工性とゴム特性とを高次元でバランスよく向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、ジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとは、リブドスモークドシート(RSS#1〜3)などの天然ゴム(NR)及びジエン系合成ゴムからなる。
ジエン系合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。これらジエン系ゴムは、単独使用でも2種類以上のブレンド使用でもよい。
上記ジエン系合成ゴムとしては、その分子量やミクロ構造などは特に制限されない。例えば、SBRの場合、その重合方法やスチレン量、ビニル含量などのミクロ構造、分子量、或いは水酸基やアミノ基等の官能基による末端変性の有無などにより制限されることはない。タイヤトレッドに用いる場合は、強度や低発熱性、耐摩耗性、加工性等に優れる従来よりトレッド用に用いられる溶液重合或いは乳化重合により得られるSBRの中から選択し使用することが好ましく、またスタッドレスタイヤ用には低温特性の良いBRとのブレンド使用が好ましい。
本発明のゴム組成物に使用されるシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びに低転がり抵抗特性とウェット性能の両立効果が良好である湿式シリカが好ましく、また生産性に優れる点からも好ましい。
上記シリカは、窒素吸着比表面積(BET)が100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gにあるものが好ましく、BETが100m/g未満であるとシリカの補強効果が得られにくくなり、300m/gを超えるとシリカの分散性が著しく低下し、加工性(混合、押出性)が悪化する傾向にある。また、DBP吸油量を150〜300ml/100gとすることで分散性を良好に維持することができる。このようなシリカとしては、東ソーシリカ工業(株)のニップシールAQ、VN3、トクヤマ(株)のトクシールUR、U−13、デグサ社製のウルトラジルVN3などの市販品が使用できる。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に、DBP吸油量はJIS K6221に記載の方法に準拠し測定される。
さらに、シリカとしてはアミン類や有機高分子などで表面処理しポリマーとの親和性を改善した表面処理シリカなどを用いてもよい。
上記シリカの配合量はゴム成分100重量部に対して20〜120重量部である。シリカの配合量が20重量部未満ではシリカ配合による補強性、低発熱性などの作用が発揮されず本発明の目的が達せられず、120重量部を超えると本発明によりシリカの分散性を向上したとしてもゴムのムーニー粘度や硬度が上昇し加工性が悪化し、また耐摩耗性も低下傾向を示し好ましくない。
次に、本発明ゴム組成物の必須成分である(A)〜(C)成分について述べる。
(A)成分は、下記一般式(1)で表される特定の有機シラン化合物である。
(RO)Si ・・・(1)
(式(1)中、m、nは整数で、m+n=4である。Rは炭素数5〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
式(1)において、Rは炭素数が5〜20のアルキル基であり、飽和もしくは不飽和のアルキル基で、直鎖状でも分岐状であってもよい。
このようなアルキル基としては、例えば、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基の中でも炭素数が6以上が好ましく、8以上の直鎖構造であるものがより好ましい。また、Rは上記に記載のアルキル基を2種類以上含んでいてもよい。
炭素数が5未満ではRとポリマーとの反応性が不十分でありシランカップリング剤との併用効果が発現されずシリカとポリマーとの結合が不足し分散性が向上しない。また、炭素数が20を超えるとゴム特性への影響、特にゴム硬度の大きな低下が予想され、転がり抵抗性や操縦安定性に影響するおそれがある。すなわち、式(1)で示される有機シラン化合物は、Rが長鎖構造のアルキル基からなり、その長鎖はより長い直鎖状であることが好ましい。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜3のアルキル基であり、すなわちメチル、エチル、プロピル基である。このRは酸素原子と結合してアルコキシル基を形成し、すなわちROはメトキシ、エトキシ、プロポキシ基のいずれかであるが、メトキシあるいはエトキシ基が好ましい。
また、一般式(1)のm,nは整数で、m+n=4である。
従って、一般式(1)で表される本発明にかかる有機シラン化合物としては、n=3の場合、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルメトキシシラン、ヘキサデシルエトキシシラン等が挙げられる。
n=2の場合の有機シラン化合物としては、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジオクチルジエトキシシラン等が挙げられる。
n=1の場合の有機シラン化合物としては、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリブチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、トリブチルプロポキシシラン等が挙げられる。
上記有機シラン化合物の配合量は、ゴム成分100重量部に対して0.5〜10重量部である。配合量が、0.5重量部未満では、シリカとポリマーとの相互作用が不十分でアイス性能が向上せず、10重量部を超えると体積効果によりゴム自体が軟化し、耐摩耗性を悪化させる原因となる。
これらの有機シラン化合物は、そのアルコキシル部分がシリカのシラノール基と作用してシリカ表面を疎水化するとともに、ポリマーとの親和性及び立体効果の高い長鎖アルキル基を持つことで、さらにシランカップリング剤を併用することによりシリカとポリマーとの結合力を高めて、シリカの分散性を従来のシランカップリング剤のみを用いた場合より改善しシリカ配合の特長を活かしたゴム特性を与えることができ、同時に分散性の向上によりゴム混合時や加工時の作業性を改善することができる。
また、有機シラン化合物はゴム硬度を上げる作用があり、加工助剤使用によるゴム硬度やモジュラスの低下を補うことができる。
(B)成分は、高級脂肪酸金属塩であり、一般に「RCOOM」で表すことができる。Rは炭素数が6以上、好ましくは11以上の高級脂肪酸であり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。
高級脂肪酸としては、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、アビエチン酸、エルカ酸、ミリスチン酸、アラキン酸、リグノセリン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、脂肪酸としては、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよいが、飽和脂肪酸を主成分とした方が好ましい。
また、アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムが、アルカリ土類金属としては、バリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛が挙げられ、これらの中でも亜鉛塩が好ましい。
これらの高級脂肪酸金属塩は、ポリマーとシリカの間で潤滑剤的な作用を奏して両者の間に物理的な相溶性を付与しシリカ配合のゴム粘度を低下させると考えられる。
上記高級脂肪酸金属塩の使用量は、ゴム成分100重量部に対して0.2〜6重量部であり、0.2重量部未満ではシリカ配合の粘度を低下させることが困難であり、6重量部を超えるとゴム硬度が維持できず転がり抵抗性や耐摩耗性などのゴム特性が低下する。
これらの高級脂肪酸金属塩は、市販品として、高級脂肪酸亜鉛塩を含むRhein Chemie社製の「アクチプラスト」シリーズを使用することができ、中でもアクチプラストPP、アクチプラストGTが好ましい。
また、加工助剤としては、上記高級脂肪酸金属塩に加えて、素練促進剤、オイル、ワックスなどの軟化剤、可塑剤を用いてもよい。
(C)成分のシランカップリング剤としては、ゴム用のシランカップリング剤であれば特に制限無く使用することができるが、分子中にスルフィド結合を有する化合物からなるシランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は2種類以上を用いてもよい。
上記スルフィド結合を有するシランカップリング剤としては、下記一般式(2)、及び一般式(3)で表される化合物が好ましい例として挙げられる。
(C2a+1O)−Si−(CH−S−(CH−Si−(C2a+1O) ・・・(2)
式(2)中、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数である。cはスルフィド部の硫黄数を表し、平均値は1.5〜3.5である。
(C2x+1O)Si−(CH−S−CO−C2z+1 ・・・(3)
式(3)中、xは1〜3の整数、yは1〜5の整数、zは5〜9の整数である。
上記式(2)で表されるシランカップリング剤は、スルフィド部の平均硫黄数が1.5未満であるとシランカップリング剤とポリマーとの反応性が劣る傾向があり、3.5を超えると、加工中などにゲル化を促進するおそれがある。
このようなシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルプチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィドなどが挙げられる。中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドやビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましく、市販品としては、デグサ社の「Si−69」、「Si−75」などを使用することができる。
また、上記式(3)で表されるシランカップリング剤は保護化メルカプトシランである。かかる保護化メルカプトシランは、特表2001−505225号公報に記載の方法に準拠して製造することができる。このようなシランカップリング剤としては、式(3)において、x=2、y=3、z=7である、GEシリコーンズ社の「NXT」が市販品として挙げられる。
かかるシランカップリング剤の配合量は前記シリカ重量に対して2〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%の範囲で使用される。シランカップリング剤の配合量が2重量%未満ではシランカップリング剤自体のカップリング効果が充分でなく、かつ有機シラン化合物との相互作用も不十分となり、20重量%を超えると、体積効果によりゴム組成物自体が軟化し、グリップ性能、補強性、耐摩耗性を低下させる原因となる。
また、本発明のゴム組成物においては、補強性充填剤として上記シリカと併用してカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックを配合することで、補強性や耐摩耗性を向上し、シリカによる混合時の発熱(スコーチ)の問題や加工性の低下を抑えることができる。
カーボンブラックとしては、ゴム組成物の低温性能、耐摩耗性やゴムの補強性などの観点から、窒素吸着比表面積(N SA)が70m /g以上、DBP吸油量が105ml/100g以上であるものが好ましく、さらにはN SAが80〜200m /g、DBP吸油量が110〜150ml/100gであるものが一層好ましく、これらの値が低くなるとゴム強度やモジュラスが低下し、逆にN SAが高くなると耐摩耗性が低下し好ましくない。具体的にはSAF,ISAF,HAF級のカーボンブラックが例示され、その配合量としてはゴム成分100重量部に対してシリカとの合計量で20〜120重量部の範囲で使用される。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分とシリカ及び(A)〜(C)の必須成分の他に、ゴム工業において通常に用いられる硫黄などの加硫剤、加硫促進剤、プロセスオイル、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫助剤などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
本発明のゴム組成物は、原料ゴムと上記成分に各種配合剤を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い作製することができ、空気入りタイヤのトレッド、サイドウォールなどに、また防振ゴムなどの車両用部品、免震ゴム、コンベヤベルト、建築用部材などの各種ゴム製品に使用できる。特に、空気入りタイヤのトレッドに好適である。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
有機シラン化合物としては、下記4種類の有機シラン化合物A〜Dを用いた。
[有機シラン化合物]
・有機シラン化合物A:CHSi(OCH 「メチルトリメトキシシラン」
・有機シラン化合物B:C17Si(OC 「n−オクチルトリエトキシシラン」
・有機シラン化合物C:C1021Si(OCH 「n−デシルトリメトキシシラン」
・有機シラン化合物D:(C17Si)(OC 「ジ−n−オクチルジエトキシシラン」
[ゴム組成物の調製]
容量20リットルの密閉式バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合処方(重量部)に従い、各ゴム組成物を調製した。表1記載の各ゴム成分、及び配合成分(共通配合成分には配合量を付記)は以下の通りである。
[ゴム成分、配合成分]
・スチレンブタジエンゴム(SBR):旭化成(株)「TUFDENE3330」
・ブタジエンゴム(BR):JSR(株)「BR01」
・シリカ:東ソーシリカ工業(株)「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤A:デグサ社「Si−69」
・シランカップリング剤B:GEシリコーンズ社「NXT」
・高級脂肪酸金属塩:Rhein Chemie社「アクチプラストPP」
[共通配合成分]
・亜鉛華:3重量部、三井金属鉱業(株)「亜鉛華1号」
・ワックス:1重量部、大内新興化学工業(株)「サンノック」
・老化防止剤6C:2重量部、大内新興化学工業(株)「ノクラック6C」
・硫黄:1.8重量部、細井化学工業(株)「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤CZ:1.5重量部、大内新興化学工業(株)「ノクセラーCZ」
[評価]
得られた各ゴム配合組成物について加工性とゴム硬度を評価するとともに、各ゴム配合組成物を用いてキャップ/ベース構造のトレッドを有するタイヤのキャップトレッドに適用し、205/65R15 94Hの空気入りラジアルタイヤを定法に従い製造し、転がり抵抗性を評価した。各評価方法は次の通りである。結果を表1に示す。
[加工性]
JIS K6300に準拠して、100℃でゴム配合組成物のムーニー粘度(ML1+4)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど粘度が低く加工性が良好であることを示す。
[ゴム硬度]
JIS K6253 A法に準拠して、160℃×20分加硫サンプルのスプリング硬さ(測定温度23℃)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。
[転がり抵抗性]
使用リムを15×6.5JJとしてタイヤを装着し、空気圧230kPa、荷重450kgfとして、転がり抵抗測定用の1軸ドラム試験機にて23℃で80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、従って燃費性に優れることを示す。
Figure 2007284482
表1の結果に示されるように、本発明にかかる長鎖構造を有する有機シラン化合物B〜D、高級脂肪酸金属塩、及びシランカップリング剤を含む実施例1〜4は、ムーニー粘度を適度にして加工性を向上しながらゴム硬度を維持し、かつ転がり抵抗を低減することができる。しかしながら、有機シラン化合物を含まない比較例1、長鎖構造を持たない有機シラン化合物Aを含む比較例2では、ゴム硬度の低下が大きく、また加工性の向上も実施例に及ばない。一方、高級脂肪酸金属塩を多く配合した比較例4ではムーニー粘度の低下が甚だしくゴム硬度や転がり抵抗に悪影響し、また有機シラン化合物の含有量が15重量部に増量した比較例5はムーニー粘度が低下が大きく十分なゴム硬度が得られない。
本発明のゴム組成物は、タイヤを始めとして、防振ゴム、ベルトなど各種用途のゴム製品に適用することができる。特に、空気入りタイヤのトレッドに好適である。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム成分100重量部に対し、シリカを20〜120重量部を含有してなるゴム組成物において、必須成分として下記(A)〜(C)成分を含有する
    ことを特徴とするゴム組成物。
    (A):一般式(1)で表される有機シラン化合物。
    (RO)Si ・・・(1)
    (式(1)中、m、nは整数で、m+n=4である。Rは炭素数5〜20のアルキル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
    (B):高級脂肪酸金属塩。
    (C):シランカップリング剤。
  2. 前記ゴム成分100重量部に対し、前記(A)成分を0.5〜10重量部、前記(B)成分0.2〜6重量部、及び前記(C)成分を前記シリカ重量に対して2〜20重量%含んでなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記(C)成分が分子内にスルフィド結合を有する化合物からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
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